JP3021854B2 - ポリアミド系積層二軸延伸フイルム - Google Patents

ポリアミド系積層二軸延伸フイルム

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JP3021854B2 JP27278291A JP27278291A JP3021854B2 JP 3021854 B2 JP3021854 B2 JP 3021854B2 JP 27278291 A JP27278291 A JP 27278291A JP 27278291 A JP27278291 A JP 27278291A JP 3021854 B2 JP3021854 B2 JP 3021854B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、酸素ガスバリヤ性、耐
屈曲ピンホール性、および強靱性等に優れ、酸素による
内容物の変質を嫌う食品、医療品、および薬品等の包装
用フイルムに適するポリアミド系積層二軸延伸フイルム
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、ポリアミド系重合体の未延伸
フイルムまたは延伸フイルムは、単独で、または他のフ
イルムと積層して、種々の包装材料として利用されてき
ている。しかしながら、普通に利用されている脂肪族ポ
リアミド重合体単独よりなるフイルムは、引っ張り強
度、耐屈曲ピンホール性等の機械的性質においては優れ
ているが、酸素ガスバリヤ性においては充分でないとい
う欠点がある。そこで、このフイルムに酸素ガスバリヤ
性を付与するために、このフイルムの表面に塩化ビニリ
デン系重合体ラテックスをコートして、酸素ガスバリヤ
性の優れた被膜を形成する手法が提案され、実用化され
ている。
【0003】しかし、この塩化ビニリデン系重合体ラテ
ックスをコートしたフイルムは、熱水処理をすると白濁
してしまうという欠点があり、さらに焼却処分時に、塩
素を含んだ化合物が発生し、環境汚染等の原因にもなっ
ていた。
【0004】他方、酸素ガスバリヤ性が良好なフイルム
として、m−および/またはp−キシリレンジアミンと
炭素数6〜12のα,ω脂肪族ジカルボン酸とからなる
ポリアミド構成単位を主成分とする芳香族ポリアミド重
合体を原料としたものが提案されている。このフイルム
は、透明性、耐油性においては優れているが、耐屈曲ピ
ンホール性に劣っているために、その用途には制限があ
った。
【0005】上記双方のポリアミド系重合体の利点、す
なわち引っ張り強度、耐屈曲ピンホール性、および酸素
ガスバリヤ性に優れているという性質を併せて具備した
フイルムを得るために、2種類のポリアミド系重合体を
別々に溶融押出して、インフレーション法により積層二
軸延伸フイルムを製造する方法が提案されている(特開
昭57ー51427号公報参照)。また、脂肪族ポリア
ミド重合体を主成分とした層の間に、芳香族ポリアミド
重合体を主成分とした層を挟み込む構造の積層フイルム
についても提案されている(特開昭56ー155762
号公報参照)。
【0006】しかし、上記刊行物に提案されている積層
二軸延伸フイルムでは、例えば、酸素ガスバリヤ性を向
上させるために芳香族ポリアミド重合体の割合を増やせ
ば、積層フイルムの耐屈曲ピンホール性が低下する。ま
た、耐屈曲ピンホール性や強靱性を向上させるために、
脂肪族ポリアミド重合体の割合を増やせば、積層フイル
ム全体が厚くなり軟包装用の用途には使用できなくな
り、酸素ガスバリヤ性、耐屈曲ピンホール性の両方とも
満足のいくレベルのものではない。
【0007】また、種類の異なるポリアミド系重合体を
原料とし、積層二軸延伸フイルムを製造する場合には、
異なるポリアミド系重合体の混合物の生成が避けられな
い。例えば、積層二軸延伸フイルムの製造をスタートし
てから、規格内の製品が得られる定常状態に達するまで
の間に、規格外のフイルムができたり、定常状態に達し
てからでも、耳トリムと称される切断端材ができたりす
る。これら規格外フイルム、耳トリムは、異なるポリア
ミド系重合体の混合物であるので、別々に分別回収して
バージン原料のように使用するのは実質的に不可能であ
り、またこれらをスクラップとして廃棄すると、原料歩
止まりが低下して、製品コストが上昇するという問題が
ある。しかし、上記刊行物には、これらの規格外フイル
ム、耳トリム等の再利用については勿論、再利用した場
合の物性低下対策等については、全く開示されていな
い。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記実状に
鑑み、優れた酸素ガスバリヤ性、優れた耐屈曲ピンホー
ル性、および強靱性等とを兼ね備えたポリアミド系積層
二軸延伸フイルムを提供することと、また、従来スクラ
ップとして廃棄されていたポリアミド系積層二軸延伸フ
イルムを製造する際に生成する規格外フイルムや、耳ト
リム等の原料ポリアミド系重合体の混合物を、有効に活
用し、しかもこれらを再使用することによる物性低下の
ない積層二軸延伸フイルムを提供することを目的とす
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、かかる問
題点を解決するため鋭意検討を重ねた結果、本発明を完
成するに至ったものである。
【0010】しかして本発明の要旨とするところは、下
記組成の重合体(A)よりなる(a)層、重合体(B)
よりなる(b)層、これら重合体(A)と重合体(B)
との混合物(C)よりなる(c)層の少なくとも3種類
の層を含む構造であり、重合体(P)が、(a)層には
0.3〜5重量%、(c)層には5重量%以下、それぞ
れ混合されてなることを特徴とするポリアミド系積層二
軸延伸フイルムに存する。 記 重合体(A):mーおよび/またはp−キシリレンジア
ミンと炭素数6〜12のα,ω脂肪族ジカルボン酸とか
らなるポリアミド構成単位を分子鎖中に70モル%以上
含有する芳香族ポリアミド 重合体(B):脂肪族ポリアミド 重合体(P):不飽和カルボン酸類をグラフトした変性
ポリオレフィン類を100〜5重量%とポリオレフィン
類を0〜95重量%の範囲で混合したもの
【0011】以下、本発明を詳細に説明する。本発明に
係るポリアミド系積層二軸延伸フイルムの主要な原料
は、2種類のポリアミド系重合体(以下それぞれ「重合
体(A)」、「重合体(B)」という。)とポリオレフ
ィン系重合体(以下「重合体(P)」という。)であ
る。ポリアミド系重合体の1種である重合体(A)は、
m−および/またはp−キシリレンジアミンと炭素数6
〜12のα,ω脂肪族ジカルボン酸とからなるポリアミ
ド構成単位を分子鎖中に70モル%以上含有する重合体
である。
【0012】この重合体(A)の具体例としては、ポリ
メタキシリレンアジパミド、ポリメタキシリレンピメラ
ミド、ポリメタキシリレンアゼラミド、ポリパラキシリ
レンアゼラミド、ポリパラキシリレンデカナミドのよう
な単独重合体、メタキシリレン/パラキシリレンアジパ
ミド共重合体、メタキシリレン/パラキシリレンピメラ
ミド共重合体、メタキシリレン/パラキシリレンアゼラ
ミド共重合体、メタキシリレン/パラキシリレンセパカ
ミド共重合体のような共重合体が挙げられる。このほ
か、m−または/およびp−キシリレンジアミンと炭素
数6〜12のα,ω脂肪族ジカルボン酸とからなるポリ
アミド構成単位を分子鎖中に70モル%以上含有し、こ
の成分と他のポリアミド構成成分とからなる共重合体が
挙げられる。
【0013】他のポリアミド構成成分としては、ジアミ
ン成分、ジカルボン酸成分およびその他の成分が挙げら
れる。ジアミン成分の具体例には、ヘキサメチレンジア
ミン、2,2,4ートリメチルヘキサメチレンジアミン
のような脂肪族ジアミン、ピペラジンビスプロピルアミ
ン、ネオペンチルグリコールビスプロピルアミンのよう
な異節環または異原子含有ジアミン等があり、また、ジ
カルボン酸成分の具体例には、アジピン酸、アゼライン
酸、セバシン酸のような脂肪族ジカルボン酸、テレフタ
ル酸、イソフタル酸のような芳香族ジカルボン酸、1,
4ーシクロヘキサンジガルボン酸のような環状脂肪族ジ
カルボン酸等があり、他の成分には、εーカプロラクタ
ムのようなラクタム、εーアミノカルボン酸のようなω
ーアミノカルボン酸等がある。
【0014】また、重合体(A)は、これと相溶性のあ
る重合体(D)を20重量%の範囲まで含有させてもよ
い。重合体(A)と相溶性のある重合体(D)として
は、上に例示されていないポリアミド系重合体や他の熱
可塑性樹脂が挙げられる。重合体(A)は、m−または
/およびp−キシリレンジアミンと炭素数6〜12の
α,ω脂肪族ジカルボン酸とからなるポリアミド構成単
位を分子鎖中に70モル%以上でなければならない。こ
の範囲外の場合には、最終的に得られる積層二軸延伸フ
イルムに付与しようとする酸素透過率の目標値(温度2
5℃、相対湿度65%条件下で15cc/m2・24H・a
tm以下)に達せず、好ましくない。また、重合体
(A)に重合体(D)を含有させる場合の重合体(D)
の量が20重量%を越えた場合にも、同様の理由で、好
ましくない。
【0015】ポリアミド系重合体の他の1種である重合
体(B)は、脂肪族ポリアミド重合体である。この重合
体(B)としては、アミド結合を持つ鎖状のポリアミド
であればよく、具体例としては、εーカプロラクタムの
単独重合体、ポリヘキサメチレンアジパミド、および、
εーカプロラクタムまたはヘキサメチレンアジパミドを
主成分とし、これと共重合可能な化合物2〜10モル%
とからなる共重合体、等が挙げられる。
【0016】εーカプロラクタムまたはヘキサメチレン
アジパミドと共重合可能な化合物としては、脂肪族ジア
ミン類と、脂肪族ジカルボン酸類とのナイロン塩が挙げ
られる。脂肪族ジアミン類の具体例としては、エチレン
ジアミン、テトラメチレンジアミン、ペンタメチレンジ
アミン、ヘキサメチレンジアミン、オクタメチレンジア
ミン、デカメチレンジアミン等が挙げられる。脂肪族ジ
カルボン酸類の具体例としては、アジピン酸、セバシン
酸、コルク酸、グルタール酸、アゼライン酸、βーメチ
ルアジピン酸、デカメチレンジカルボン酸、ドデカメチ
レンジカルボン酸、ピメリン酸等が挙げられる。
【0017】これら重合体(B)の中では、εーカプロ
ラクタムの単独重合体であるナイロンー6、またはナイ
ロン66と称されるポリヘキサメチレンアジパミドが、
安価に入手でき、かつ、二軸延伸操作を円滑に遂行し得
るので好ましい。
【0018】混合物(C)は、重合体(A)と重合体
(B)との混合物であるが、バージンのもの同士を混合
したものであってもよいし、積層フイルムを製造する際
に生成する規格外フイルム、またはフイルム側端部の切
断端材(耳トリム)等のスクラップ混合物であってもよ
いし、スクラップ混合物にバージンを加えたものであっ
てもよい。これら2種類の重合体の混合割合には特に制
限はないが、重合体(A)と重合体(B)とを重量比で
7:3〜1:9の範囲内で選ぶのが好適である。
【0019】重合体(A)、重合体(B)および混合物
(C)は、いずれも吸湿性が大きく、吸湿したものを使
用すると、原料を熱溶融し押出す際に、水蒸気やオリゴ
マーが発生し、フイルム化を阻害するので、事前に乾燥
して水分含有率を0.1重量%以下とするのが好まし
い。これらの重合体(A)、重合体(B)および混合物
(C)には滑剤、帯電防止剤、酸化防止剤、ブロッキン
グ防止剤、安定剤、染料、顔料、無機質微粒子等の各種
添加剤を、フイルムの性質に影響を与えない範囲で、添
加することができる。
【0020】重合体(P)とは、変性ポリオレフィン類
(P1)とポリオレフィン類(P2)とを変性ポリオレ
フィン類100〜5重量%、ポリオレフィン類0〜95
重量%との範囲で混合したものであり、変性ポリオレフ
ィン類(P1)が5重量%未満では重合体(P)のポリ
アミド系重合体への均一分散効果が悪くなり好ましくな
い。変性ポリオレフィン類(P1)とはポリオレフィン
類(P2)に不飽和カルボン酸類をグラフト重合したも
のをいう。ポリオレフィン類(P2)の具体例として
は、エチレン、プロピレン等のオレフィン類の単独共重
合体、または共重合体であり、例えば、高密度ポリエチ
レン、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレ
ン、エチレンー酢酸ビニル共重合体、エチレンープロピ
レン共重合体、ポリプロピレン等が挙げられる。不飽和
カルボン酸類の具体例としては、アクリル酸、メタクリ
ル酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン
酸等のカルボン酸類、無水マレイン酸、無水シトラコン
酸、無水イタコン酸等の酸無水物類、またはアクリル酸
カリウム、メタクリル酸カリウム等の酸の金属塩が挙げ
られる。
【0021】変性ポリオレフィン類(P1)は、公知の
製造方法、例えば、ポリオレフィン類と不飽和カルボン
酸類とを溶融状態で反応させる方法(例えば、特公昭4
3ー27421号公報参照)、溶液状態で反応させる方
法(例えば、特公昭44ー15422号公報参照)、ス
ラリー状態で反応させる方法(例えば、特公昭43ー1
8144号公報参照)、気相状態で反応させる方法(例
えば、特開昭50ー77493号公報参照)等のいずれ
かにより製造することができる。
【0022】変性ポリオレフィン類(P1)中に占める
不飽和カルボン酸類の含有率は、0.01〜5重量%の
範囲であることが好ましく、特に0.1〜3重量%の範
囲が好ましい。不飽和カルボン酸類の含有率が0.01
重量%未満の場合では、ポリアミド系混合重合体と均一
に混合できず、得られたフイルムはヘイジーとなり、他
方5重量%を越える場合には、製造コストが高くなるば
かりか、得られたフイルムの耐屈曲ピンホール性向上効
果が飽和するので、変性ポリオレフィン類中に占める不
飽和カルボン酸類の含有率は、5重量%を越えて含有さ
せる必要はない。
【0023】重合体(P)における変性ポリオレフィン
類(P1)のポリオレフィン類とポリオレフィン類(P
2)のポリオレフィン類とは同じものである必要はな
い。また、重合体(P)をポリアミド系重合体中に均一
に分散せしめるために、あらかじめ変性ポリオレフィン
類(P1)とポリオレフィン類(P2)を混練りし、ペ
レット化しておくのが望ましいが、分散性が変わらなけ
れば、これに限定されるものではない。
【0024】本発明に係るポリアミド系積層二軸延伸フ
イルムを構成する3種類の層は、重合体(A)に重合体
(P)が混合されてなる(a)層、重合体(B)よりな
る(b)層、混合物(C)に重合体(P)が混合されて
なる(c)層よりなる。製品のポリアミド系積層二軸延
伸フイルムの層構成は、(a)層、(b)層、および
(c)層の3種類の層を適宜選択組み合わせて、層の数
は3層ないし5層の範囲で選択するのがよい。この際の
層の組み合わせと層の数の具体例としては、(a)/
(b)/(c)、(b)/(a)/(c)、(b)/
(c)/(a)、(b)/(c)/(a)/(b)、
(b)/(c)/(a)/(c)/(b)、(b)/
(a)/(c)/(a)/(b)等が挙げられるが、こ
れらに限定されるものではない。
【0025】この場合(a)層に含まれる重合体(P)
の混合割合は、(a)層に含有されているすべての重合
体合計量に対して0.3〜5重量%の範囲であり、0.
3重量%未満では、得られたフイルムの耐屈曲ピンホー
ル性の改良効果がなく、他方5重量%を越えると得られ
たフイルムがヘイジーとなり好ましくない。上記範囲の
中で特に好ましいのは、0.5〜4重量%である。ま
た、(c)層は、積層フイルム製造時に生じる耳トリム
等を使用する場合は、耳トリム等に重合体(P)が含有
されているので、これに新たに重合体(P)を加えなく
ても良い場合があるが、(c)層に含まれる重合体
(P)の量を調整する場合には、新たに加えてもよい。
(c)層に含まれる重合体(P)の混合割合は、(c)
層に含有されているすべての重合体合計量に対して5重
量%以下であり、5重量%を越えると得られたフイルム
がヘイジーとなり好ましくない。上記範囲で特に好まし
いのは、0.1〜3重量%である。(a)層を構成する
重合体(A)と重合体(P)とを混合するには、各々の
重合体のペレット同士を上記の混合割合となるように均
一にドライブレンドとする方法、ドライブレンドした物
を押出機で溶融しペレット化する方法、等のいずれによ
ってもよい。
【0026】本発明に係るポリアミド系積層二軸延伸フ
イルムは、公知の方法により製造することができる。ま
ず、重合体(P)を混合した重合体(A)、重合体
(P)を混合しない重合体(B)と、重合体(P)を混
合した混合物(C)よりなる原料より、実質的に無定型
で配向していない未延伸積層フイルムを製造する。この
未延伸積層フイルムは、単一フイルム同士を接着させる
ための接着剤が不要で、優れた性能の積層フイルムが得
られる共押出法を採用するのがよい。共押出法による製
造法は、上記原料を各々3台の押出機により溶融し、フ
ラットダイ、または環状ダイから押出した後、急冷する
ことによりフラット状、または環状の未延伸積層フイル
ムとする。
【0027】次に、上記の未延伸積層フイルムを、フイ
ルムの流れ(縦軸)方向と、それに直角な(横軸)方向
に各々2.5〜5倍に二軸延伸する。延伸倍率が、フイ
ルムの縦軸方向、および横軸方向に各々2.5倍より小
さい場合は、延伸の効果がなく、フイルムの強度が劣
り、また各軸方向に各々5倍より大きい場合は、延伸時
にフイルムが裂け易く、いずれも好ましくない。二軸延
伸の方法は、テンター式逐次二軸延伸、テンター式同時
二軸延伸、チューブラー式同時二軸延伸等、本発明の趣
旨を超えない限り従来公知の延伸方法が採用できる。
【0028】例えば、テンター式逐次二軸延伸方法によ
る場合には、未延伸積層フイルムを50〜110℃の温
度範囲に加熱し、ロール式縦延伸機によって縦軸方向に
2.5〜5倍に延伸し、続いてテンター式横延伸機によ
って60〜120℃の温度範囲内で横軸方向に2.5〜
5倍に延伸することにより製造することができる。他方
テンター式同時二軸延伸方法、またはチューブラー式同
時二軸延伸方法による場合には、例えば60〜110℃
の温度範囲において、縦横同時に各軸方向に2.5〜5
倍に延伸することにより製造することができる。
【0029】上記方法により延伸されたフイルムは、そ
の後、熱処理を施す。熱処理を施すことにより、寸法安
定性の優れた延伸フイルムを得ることができる。熱処理
温度は、110℃を下限として重合体(B)の融点より
5℃低い温度を上限とする範囲を選択することにより、
寸法安定性の優れた延伸フイルムのほかに任意の熱収縮
率を持った延伸フイルムも得ることができる。熱処理操
作により、充分に熱固定された積層二軸延伸フイルム
は、常法により冷却しロール状に巻きとる。
【0030】本発明に係るポリアミド系積層二軸延伸フ
イルムは、上記方法によって製造することができるが、
本発明の目的を考慮すると次のような物性、すなわち、
酸素透過率が温度25℃、相対湿度65%の条件下で1
5cc/m2・24H・atm以下で、かつ、耐屈曲ピンホ
ール性が温度23℃、相対湿度50%の条件下でのゲル
ボーフレックステスターによる3000回屈曲後のピン
ホール数が15個/77inch2 以下であると、酸素
ガスバリヤ性、耐屈曲ピンホール性が優れている。
【0031】本発明に係るポリアミド系積層二軸延伸フ
イルムの全体の厚さは、10μ以上40μ以下が好まし
い。全体の厚さが、10μ未満のときは、酸素ガスバリ
ヤ性と耐屈曲ピンホール性のバランスが悪く、耐摩耗性
も悪いので包装用途として満足なフイルムは得られな
い。また、40μを越えるときは、フイルムが硬くな
り、更にシーラント層を張り合わせる場合には、フイル
ム全体が非常に厚くなり軟包装用途には適さなくなる。
【0032】
【実施例】以下、本発明の内容および効果を実施例によ
り更に詳細に説明するが、本発明は、その要旨を越えな
い限り以下の例に限定されるものではない。なお、以下
の例において、フイルムの評価は、次の各方法によって
行ったものである。また、フイルムの層構成、および評
価結果を表1に示した。
【0033】 〈酸素透過率(cc/m2・24H・atm)〉 モダンコントロール社製のOXYーTRAN100型酸
素透過率測定装置を使用し、温度25℃、相対湿度65
%の条件下で測定した。
【0034】 〈耐屈曲ピンホール性(個/77inch2)〉 温度23℃、相対湿度50%の条件下に、24時間以上
放置してコンディショニングしたフイルムを8インチ×
11インチの長方形状に切断し、この長方形状フイルム
につき、理学工業社製のゲルボーフレックステスター
(No. 901型)によって、3.5インチ進む間に44
0゜回転し、さらに2.5インチ直進し、その後、逆に
戻るという操作を1回として、3000回の屈曲操作テ
ストを行った。このテスト終了後に、テストしたフイル
ムに生じたピンホール数を計測した。
【0035】実施例1 エチレン含有量が83モル%、メルトフローインデック
スが1.0g/10分であるエチレンープロピレン共重
合体100重量部と、少量のアセトンで溶かしたα,
α’ービスーtーブチルパーオキシーp−ジイソプロピ
ルベンゼン0.025重量部、無水マレイン酸0.8重
量部とを、ヘンシェルミキサー中で混合した。この混合
粒状物を、内径40mmφ、L/D=28の押出機を用い
て230℃で押出しペレット化して、変性エチレンープ
ロピレン共重合体(変性ポリオレフィン類(P1))を
得た。このペレット20重量%と、酢酸ビニル含有量8
重量%、メルトフローインデックス1.5g/10分で
あるエチレンー酢酸ビニル共重合体(ポリオレフィン類
(P2))80重量%を混合し、内径40mmφ、L/D
=28の押出機を用いて200℃で押出し、ペレット化
して、重合体(P)を作成した。次に、ポリメタキシリ
レンアジパミド(三菱瓦斯化学(株)社製、MXDーナ
イロン6121)(重合体(A))と上記重合体(P)
とを97:3の割合で混合した重合体、ポリーεーカプ
ロアミド(三菱化成(株)社製、ノバミッド1022)
(重合体(B))、およびフイルムの耳トリム端材紛砕
物(重合体(A)と重合体(B)との混合比が40:6
0、総重合体に占める重合体(P)の混合割合が1.2
重量%であるもの)を、65mmφ押出機3台を使用して
各々230℃で別々に溶融させ、共押出Tダイ内で積層
させて3層構造の積層フイルムとして押出し、30℃の
キャストロールに密着急冷し、外層が約54μの重合体
(B)、中間層が約36μの重合体(A)と重合体
(P)との混合物、内層が約45μの重合体(A)、重
合体(B)と重合体(P)との混合物よりなる積層未延
伸フイルムを得た。得られた積層未延伸フイルムを60
℃の条件下でロール式延伸機にて縦軸方向に3倍延伸
し、ついでこのフイルムの端部をテンタークリップで保
持し、テンターオーブン内で90℃の条件下で横軸方向
に3倍に延伸した後、205℃で6秒間の熱処理を行っ
た。
【0036】熱処理を行った後のフイルムは、クリップ
で把持したフイルム両耳部分を切りとりスクラップと
し、製品フイルム部分はワインダーに巻き取り、約6μ
の重合体(B)の層((b)層)、約4μの重合体
(A)と重合体(P)との混合物の層((a)層)、約
5μの重合体(A)、重合体(B)と重合体(P)との
混合物の層((c)層)の順に積層された層全体の厚さ
が、約15μのポリアミド系積層二軸延伸フイルムを得
た。得られたフイルムにつきフイルムの構成や、前記し
た方法により酸素透過率、耐屈曲ピンホール性を測定し
た結果を、表1に示す。
【0037】実施例2 実施例1に記載の例において、エチレンープロピレン共
重合体をエチレンーブテン共重合体に代え、同例に記載
と同様の方法で無水マレイン酸で変性した変性ポリオレ
フィン(P1)に代えたほかは、同例に記載したと同様
の方法でポリアミド系積層二軸延伸フイルムを得た。得
られたフイルムにつきフイルムの層構成や、前記した方
法により酸素透過率、耐屈曲ピンホール性を測定した結
果を、表1に示す。
【0038】実施例3〜10 実施例1に記載の例において、重合体(P)の種類・混
合割合、層構成、フイルムの厚さ、原料の組成比、それ
ぞれ表1に記載したように代えたほかは、同例に記載し
たと同様の方法でポリアミド系積層二軸延伸フイルムを
得た。得られたフイルムにつきフイルムの層構成や、前
記した方法により酸素透過率、耐屈曲ピンホール性を測
定した結果を、表1に示す。
【0039】比較例1 実施例1に記載の例において、重合体(P)を使用しな
いほかは、同例に記載したと同様の方法でポリアミド系
積層二軸延伸フイルムを得た。得られたフイルムにつき
フイルムの層構成や、前記した方法により酸素透過率、
耐屈曲ピンホール性を測定した結果を、表1に示す。
【0040】比較例2 実施例1に記載の例において、重合体(P)を高密度ポ
リエチレン(三菱化成(株)社製、三菱ポリエチHD
ES300)に代えたほかは、同例に記載したと同様の
方法でポリアミド系積層二軸延伸フイルムを作成しよう
としたが良好な製品が得られなかった。
【0041】比較例3 市販されている塩化ビニリデンコートした二軸延伸ナイ
ロンフイルム(三菱化成ポリテック(株)社製、サント
ニールSG、厚さ17μ)を用い、前記した方法により
酸素ガスバリヤ性、耐屈曲ピンホール性を測定した結果
を、表1に示す。
【0042】
【表1】
【0043】表1中において、各略号は以下の意味あ
る。 A:重合体(A) B:重合体(B) P1:変性ポリオレフィン類 P2:ポリオレフィン類 P:重合体(P) EVA:エチレンー酢酸ビニル共重合体 LD:低密度ポリエチレン PP:ポリプロピレン HD:高密度ポリエチレン Et−Pr:無水マレイン酸で変性したエチレンープロ
ピレン共重合体 Et−Bt:無水マレイン酸で変性したエチレンーブテ
ン共重合体 Et−Pr,PP:エチレンープロピレン共重合体とポ
リプロピレンとの混合物を無水マレイン酸で変性したも
の 表1より、本発明に係るポリアミド系積層二軸延伸フイ
ルムは、酸素ガスバリヤ性、耐屈曲ピンホール性が目的
とした数値範囲内にあり、特に、耐屈曲ピンホール性が
優れており、比較例のフイルムは、酸素ガスバリヤ性に
ついては目的とした数値内であるが、耐屈曲ピンホール
性が目的とした数値範囲外であることが分かる。
【0044】
【発明の効果】本発明は、次のように特別に顕著な効果
を奏し、その産業上の利用価値は極めて大である。 1.本発明に係るポリアミド系積層二軸延伸フイルム
は、優れた酸素ガスバリヤ性、優れた耐屈曲ピンホール
性、および強靱性等とを兼ね備えている。従って、酸素
による内容物の変質を嫌う食品、医療品、および薬品等
の包装用フイルムに好適である。 2.また、本発明に係るポリアミド系積層二軸延伸フイ
ルムは、耳トリム材等のスクラップを効率的に回収再利
用でき、工業的に有効活用することができる。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記組成の重合体(A)よりなる(a)
    層、重合体(B)よりなる(b)層、これら重合体
    (A)と重合体(B)との混合物(C)よりなる(c)
    層の少なくとも3種類の層を含む構造であり、重合体
    (P)が、(a)層には0.3〜5重量%、(c)層に
    は5重量%以下、それぞれ混合されてなることを特徴と
    するポリアミド系積層二軸延伸フイルム。 記 重合体(A):mーおよび/またはp−キシリレンジア
    ミンと炭素数6〜12のα,ω脂肪族ジカルボン酸とか
    らなるポリアミド構成単位を分子鎖中に70モル%以上
    含有する芳香族ポリアミド 重合体(B):脂肪族ポリアミド 重合体(P):不飽和カルボン酸類をグラフトした変性
    ポリオレフィン類を100〜5重量%とポリオレフィン
    類を0〜95重量%の範囲で混合したもの
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