JP2666663B2 - ポリアミド系積層二軸延伸フイルム - Google Patents

ポリアミド系積層二軸延伸フイルム

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JP2666663B2
JP2666663B2 JP4253009A JP25300992A JP2666663B2 JP 2666663 B2 JP2666663 B2 JP 2666663B2 JP 4253009 A JP4253009 A JP 4253009A JP 25300992 A JP25300992 A JP 25300992A JP 2666663 B2 JP2666663 B2 JP 2666663B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、酸素ガスバリヤ性、耐
屈曲性、および強靱性等に優れ、酸素による内容物の変
質を嫌う食品、医療品、および薬品等の包装用フイルム
に適するポリアミド系積層二軸延伸フイルムに関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、ポリアミド系重合体の未延伸
フイルムまたは延伸フイルムは、単独で、または他のフ
イルムと積層して、種々の包装材料として利用されてき
ている。しかしながら、普通に利用されている脂肪族ポ
リアミド重合体単独よりなるフイルムは、引っ張り強
度、耐屈曲ピンホール性等の機械的性質においては優れ
ているが、酸素ガスバリヤ性においては充分でないとい
う欠点がある。そこで、このフイルムに酸素ガスバリヤ
性を付与するために、このフイルムの表面に塩化ビニリ
デン系重合体ラテックスをコートして、酸素ガスバリヤ
性の優れた被膜を形成する手法が提案され、実用化され
ている。
【0003】しかし、この塩化ビニリデン系重合体ラテ
ックスをコートしたフイルムは、熱水処理をすると白濁
してしまうという欠点があり、さらに焼却処分時に、塩
素を含んだ化合物が発生し、環境汚染等の原因にもなっ
ていた。他方、酸素ガスバリヤ性が良好なフイルムとし
て、m−および/またはp−キシリレンジアミンと炭素
数6〜12のα,ωー脂肪族ジカルボン酸とからなるポ
リアミド構成単位を主成分とする芳香族ポリアミド重合
体を原料としたものが提案されている。このフイルム
は、透明性、耐油性においては優れているが、耐屈曲性
に劣っているために、その用途には制限があった。
【0004】上記双方のポリアミド系重合体の利点、す
なわち引っ張り強度、耐屈曲性、および酸素ガスバリヤ
性に優れているという性質を併せて具備したフイルムを
得るために、2種類のポリアミド系重合体を別々に溶融
押出して、インフレーション法により積層二軸延伸フイ
ルムを製造する方法が提案されている(特開昭57ー5
1427号公報参照)。また、脂肪族ポリアミド重合体
を主成分とした層の間に、芳香族ポリアミド重合体を主
成分とした層を挟み込む構造の積層フイルムについても
提案されている(特開昭56ー155762号公報参
照)。
【0005】しかし、上記刊行物に提案されている積層
二軸延伸フイルムでは、例えば、酸素ガスバリヤ性を向
上させるために芳香族ポリアミド重合体の割合を増やせ
ば、積層フイルムの耐屈曲性が低下する。また、耐屈曲
性や強靱性を向上させるために、脂肪族ポリアミド重合
体の割合を増やせば、積層フイルム全体が厚くなり軟包
装用の用途には使用できなくなり、酸素ガスバリヤ性、
耐屈曲性の両方とも満足のいくレベルのものではない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記実状に
鑑み、優れた酸素ガスバリヤ性、優れた耐屈曲性、およ
び強靱性等とを兼ね備えたポリアミド系積層二軸延伸フ
イルムを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、かかる問
題点を解決するため鋭意検討を重ねた結果、本発明を完
成するに至ったものである。しかして本発明の要旨とす
るところは、下記の重合体(A)、重合体(B)、混合
物(C)、および重合体(P)を原料とし、重合体
(A)よりなる(a)層、重合体(B)よりなる(b)
層、および混合物(C)よりなる(c)層のうち、重合
体(P)が(a)層には1〜10VOL %、(c)層には
10VOL %以下含有されてなり、3種類の層のうち少な
くとも(a)層を1層含む2種類以上の層を含む構造で
あり、(a)層または(a)層および(c)層中の重合
体(P)がフイルムの表面および該フイルムの流れ方向
に対して垂直方向に切断した断面の電子顕微鏡写真を用
いて観察した時に、フイルムの表面と実質的に平行に平
板状に分散しているミクロ構造を有しており、(a)層
中に平板状に分散している重合体(P)(以下これを
「平板」という。)について、下記(1)式で定義され
る分散指数Zのフイルムの任意の10個所の平均値が、
2以上であることを特徴とするポリアミド系積層二軸延
伸フイルム。
【0008】Z=Y/X …… (1) ここで、Xは任意の観察個所でのフイルムの表面および
該フイルムの流れ方向に対して垂直方向に切断した断面
の電子顕微鏡写真を撮影しこの観察領域内におけるフイ
ルムの幅を、Yは電子顕微鏡写真を用いて観察した、フ
イルムの幅Xの領域内で観察される(a)層中に存在す
る全ての平板の長さの測定値の総和を、それぞれ意味す
る。 重合体(A):mーおよび/またはp−キシリレンジア
ミンと炭素数6〜12のα,ωー脂肪族ジカルボン酸と
からなるポリアミド構成単位を分子鎖中に70モル%以
上含有する芳香族ポリアミド 重合体(B):脂肪族ポリアミド 混合物(C):重合体(A)と重合体(B)との混合物 重合体(P):重合体(A)よりも耐屈曲性の優れたア
イオノマー重合体又はエラストマーに存する。
【0009】以下、本発明を詳細に説明する。本発明に
係るポリアミド系積層二軸延伸フイルムの主要な原料
は、2種類のポリアミド系重合体(以下それぞれ「重合
体(A)」、「重合体(B)」という。)と重合体
(A)よりも耐屈曲性の優れたアイオノマー重合体又は
エラストマー(以下「重合体(P)」という。)であ
る。
【0010】ポリアミド系重合体の1種である重合体
(A)は、m−および/またはp−キシリレンジアミン
と炭素数6〜12のα,ωー脂肪族ジカルボン酸とから
なるポリアミド構成単位を分子鎖中に70モル%以上含
有する重合体である。この重合体(A)の具体例として
は、ポリメタキシリレンアジパミド、ポリメタキシリレ
ンピメラミド、ポリメタキシリレンアゼラミド、ポリパ
ラキシリレンアゼラミド、ポリパラキシリレンデカナミ
ドのような単独重合体、メタキシリレン/パラキシリレ
ンアジパミド共重合体、メタキシリレン/パラキシリレ
ンピメラミド共重合体、メタキシリレン/パラキシリレ
ンアゼラミド共重合体、メタキシリレン/パラキシリレ
ンセパカミド共重合体のような共重合体が挙げられる。
【0011】このほか、m−または/およびp−キシリ
レンジアミンと炭素数6〜12のα,ω脂肪族ジカルボ
ン酸とからなるポリアミド構成単位を分子鎖中に70モ
ル%以上含有し、この成分と他のポリアミド構成成分と
からなる共重合体が挙げられる。他のポリアミド構成成
分としては、ジアミン成分、ジカルボン酸成分およびそ
の他の成分が挙げられる。ジアミン成分の具体例には、
ヘキサメチレンジアミン、2,2,4ートリメチルヘキ
サメチレンジアミンのような脂肪族ジアミン、ピペラジ
ンビスプロピルアミン、ネオペンチルグリコールビスプ
ロピルアミンのような異節環または異原子含有ジアミン
等があり、また、ジカルボン酸成分の具体例には、アジ
ピン酸、アゼライン酸、セバシン酸のような脂肪族ジカ
ルボン酸、テレフタル酸、イソフタル酸のような芳香族
ジカルボン酸、1,4ーシクロヘキサンジガルボン酸の
ような環状脂肪族ジカルボン酸等があり、他の成分に
は、εーカプロラクタムのようなラクタム、εーアミノ
カルボン酸のようなωーアミノカルボン酸等がある。
【0012】また、重合体(A)は、これと相溶性のあ
る重合体(D)を20重量%の範囲まで含有させてもよ
い。重合体(A)と相溶性のある重合体(D)として
は、重合体(A)以外のポリアミド系重合体や他の熱可
塑性樹脂が挙げられる。重合体(A)は、m−または/
およびp−キシリレンジアミンと炭素数6〜12のα,
ωー脂肪族ジカルボン酸とからなるポリアミド構成単位
を分子鎖中に70モル%以上でなければならない。この
範囲外の場合には、最終的に得られる積層フイルムに付
与しようとする酸素透過率の目標値(温度25℃、相対
湿度65%条件下で15cc/m2・24H・atm以
下)に達せず、好ましくない。また、重合体(A)に重
合体(D)を含有させる場合の重合体(D)の量が20
重量%を越えた場合にも、同様の理由で、好ましくな
い。
【0013】ポリアミド系重合体の他の1種である重合
体(B)は、脂肪族ポリアミド重合体である。この重合
体(B)としては、アミド結合を持つ鎖状のポリアミド
であればよく、具体例としては、εーカプロラクタムの
単独重合体、ポリヘキサメチレンアジパミド、および、
εーカプロラクタムまたはヘキサメチレンアジパミドを
主成分とし、これと共重合可能な化合物2〜10モル%
とからなる共重合体、等が挙げられる。
【0014】εーカプロラクタムまたはヘキサメチレン
アジパミドと共重合可能な化合物としては、脂肪族ジア
ミン類と、脂肪族ジカルボン酸類とのナイロン塩が挙げ
られる。脂肪族ジアミン類の具体例としては、エチレン
ジアミン、テトラメチレンジアミン、ペンタメチレンジ
アミン、ヘキサメチレンジアミン、オクタメチレンジア
ミン、デカメチレンジアミン等が挙げられる。脂肪族ジ
カルボン酸類の具体例としては、アジピン酸、セバシン
酸、コルク酸、グルタール酸、アゼライン酸、βーメチ
ルアジピン酸、デカメチレンジカルボン酸、ドデカメチ
レンジカルボン酸、ピメリン酸等が挙げられる。
【0015】これら重合体(B)の中では、εーカプロ
ラクタムの単独重合体であるナイロンー6、またはナイ
ロン66と称されるポリヘキサメチレンアジパミドが、
安価に入手でき、かつ、二軸延伸操作を円滑に遂行し得
るので好ましい。混合物(C)は、重合体(A)と重合
体(B)との混合物であるが、バージンのもの同士を混
合したものであってもよいし、積層フイルムを製造する
際に生成する規格外フイルム、またはフイルム側端部の
切断端材(耳トリム)等のスクラップ混合物であっても
よいし、スクラップ混合物にバージンを加えたものであ
ってもよい。これら2種類の重合体の混合割合には特に
制限はないが、重合体(A)と重合体(B)とを重量比
で7:3〜1:9の範囲内で選ぶのが好適である。
【0016】重合体(A)、重合体(B)および混合物
(C)は、いずれも吸湿性が大きく、吸湿したものを使
用すると、原料を熱溶融し押出す際に、水蒸気やオリゴ
マーが発生し、フイルム化を阻害するので、事前に乾燥
して水分含有率を0.1重量%以下とするのが好まし
い。これらの重合体(A)、重合体(B)および混合物
(C)には滑剤、帯電防止剤、酸化防止剤、ブロッキン
グ防止剤、安定剤、染料、顔料、無機質微粒子等の各種
添加剤を、フイルムの性質に影響を与えない範囲で、添
加することができる。
【0017】重合体(P)とは、重合体(A)よりも耐
屈曲性の優れた重合体であって、フイルムに耐屈曲性改
良剤の機能を果たすものであり、重合体(P)自身から
なる未延伸フイルムを特定の大きさに切断したフイルム
につき、次のゲルボーフレックステスターによる繰り返
し屈曲テストを行った後のフイルムにつきピンホール数
を測定したとき、3個/77inch2以下の重合体を
いう。
【0018】ここで、ゲルボーフレックステスターによ
るテストは次のようにして行われる。厚さ15μの未延
伸フイルムを、8インチ×11インチの大きさに切断
し、この切断フイルムを温度23℃、相対湿度50%の
条件下に、24時間以上放置してコンディショニング
し、ゲルボーフレックステスター(MILーBー131
Cの規格に準拠)を使用して、テストフイルムを巻架し
て長さ8インチの円筒状にし、当該巻架した円筒状フイ
ルムの一端を上記テスターの円盤状固定ヘッドの外周
に、他端を上記テスターの円盤状可動ヘッドの外周にそ
れぞれ固定し、上記可動ヘッドを上記固定ヘッド方向
に、平行に対向した両ヘッド(固定ヘッドと可動ヘッド
とは7インチ隔てて対向している。)の軸に沿って3.
5インチ接近させる間に440゜回転させ、続いて回転
させることなしに2.5インチ直進させ、その後、これ
らの動作を逆に行わせ、上記可動ヘッドを最初の位置に
戻すまでの行程を1サイクルとする屈曲テストを、1分
間あたり40サイクルの速度で、連続して3000サイ
クル行った後に、テストしたフイルムの固定ヘッド、可
動ヘッドの外周に固定した部分を除いた7インチ×11
インチ内のフイルムに生じたピンホール数を数える。本
発明の目的を効果的に達成することができる重合体は、
この方法で繰り返し屈曲テストした後のフイルムのピン
ホール数が3個/77inch2以下の値を示す物性を
持ったものである必要がある。
【0019】重合体(P)は、具体的には、重合体
(A)よりも耐屈曲性の優れたものであって、アイオノ
マー重合体またはエラストマーの中から選ばれる。
【0020】アイオノマー重合体とは、オレフィンとカ
ルボキシル部分をもったα,βーエチレン型不飽和単量
体とからつくられ、該カルボキシル部分は酸同等物と考
えられ、カルボン酸が原子価1〜3の金属イオンで中和
されているものをいう。オレフィンの具体例としては、
エチレン、プロピレン、ブテン、オクテン等のαーオレ
フィン、ブタジエン、1,4ーヘキサジエン等のジオレ
フィンが挙げられる。カルボキシル部分をもったα,β
ーエチレン型不飽和単量体の具体例としては、メタクリ
ル酸、アクリル酸、マレイン酸、マレイン酸無水物、フ
マル酸等が挙げられる。金属イオンは、亜鉛イオン、ナ
トリウムイオン、リチウムイオン、カリウムイオン、マ
グネシウムイオン等である。アイオノマー重合体は、α
ーオレフィンとカルボキシル部分をもったα,βーエチ
レン型不飽和単量体とを重合させる直接合成法、または
カルボキシル部分をもったα,βーエチレン型不飽和単
量体をオレフィン骨格にジオレフィンと共に付加するグ
ラフト化による方法、等により製造することができる。
【0021】エラストマーとしては、ポリエーテルアミ
ド、ポリエーテルエステルアミド、ポリエステルアミド
等のポリアミド系エラストマー、また、エチレンとアク
リル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸メチ
ル、メタクリル酸エチル等のアクリル酸エステル又はメ
タクリル酸エステルとの共重合体などのようなアクリル
系またはメタクリル系エラストマー、更には、両末端に
ポリスチレン相、ゴム中間相として水素添加型ポリオレ
フィンをもちポリスチレン相が架橋点を担っているブロ
ック共重合体であるスチレン系エラストマー等が挙げら
れる。
【0022】本発明に係るポリアミド系積層二軸延伸フ
イルムの、(a)層および(c)層には重合体(P)を
含有させる。(a)層または(c)層に含まれる重合体
(P)の含有割合は、(a)層に含有されているすべて
の重合体合計量に対して1〜10VOL %の範囲、(c)
層に含有されているすべての重合体合計量に対しては1
0VOL %以下であり、1VOL %未満では耐屈曲性の改良
効果がなく、10VOL%を越えた場合は、フイルムがヘ
イジーとなり好ましくない。特に好ましい範囲は(a)
層においては2〜8VOL %、(c)層においては6VOL
%以下である。
【0023】本発明に係るポリアミド系積層二軸延伸フ
イルムの、(a)層および(c)層における重合体
(P)は、フイルムの表面および該フイルムの流れ方向
に対して垂直方向に切断した断面を電子顕微鏡写真を用
いて観察した時に、フイルムの表面と実質的に平行に平
板状に分散しているミクロ構造を呈していることが必要
である。平板は、重合体(P)単独であっても良いし、
その内部にポリアミド成分が島状に取り込まれている平
板であっても良い。
【0024】フイルム中に分散している重合体(P)の
形状は、フイルムを表面から観察した時には円盤状また
は楕円型円盤状のミクロ構造を呈していると推定され
る。フイルムの表面および該フイルムの流れ方向に対し
て垂直方向に切断した断面を電子顕微鏡写真を用いて観
察した時に、フイルムの表面と実質的に平行に平板状に
分散しているミクロ構造を有している重合体(P)の
(a)層または(a)層および(c)層におけるミクロ
構造は、フイルムの表面および該フイルムの流れ方向に
対して垂直方向に切断した断面の超薄切片を作成し、こ
の超薄切片の表面をリンタングステン酸および酸化ルテ
ニウムで染色し、透過型電子顕微鏡写真(倍率10,0
00万倍である)で観察することができる。
【0025】電子顕微鏡写真に表れる平板状重合体(平
板)の断面は、円盤の最大径に限られず、円盤、楕円盤
型円盤の種々の部分の切断面となると推定されるので、
その大きさは多岐に亘る。添付の図1は、電子顕微鏡写
真の一例を模型的に示したものである。図1において、
1は(a)層、2は(b)層、3は(c)層、4〜10
は(a)層中に分散している平板、11〜15は(c)
層中に分散している平板、Xは電子顕微鏡写真で観察し
たフイルムの幅、yは平板4の長さであり、tは平板4
の厚さをそれぞれ示す。
【0026】本発明者らの実験によると、本発明の目的
を効果的に達成するためには、(a)層中に存在する平
板が特定の条件を満たしていると良いことが判った。特
定の条件とは、(a)層中における平板が次の(1)式
で定義される分散指数Zの任意の10個所の平均値が2
以上であることである。分散指数Zは、例えば、図1に
おいて、(a)層中に分散して存在する平板4の長さを
yとし、同様に平板5の長さをy5、平板6の長さをy
6、平板7の長さをy7、・・・平板10の長さをy1
0とすると、(a)層中に観察される全ての平板の長さ
の測定値の総和をY(mm)(Y=y+y5+y6+y7
+y8+y9+y10)とし、これと上記X(mm)との
関係が、次の(1)式を満たす数値である。
【0027】Z=Y/X ……(1) 発明者等の実験によると、この分散指数Zをフイルムの
任意の10個所について超薄切片を作成し、それぞれ透
過型電子顕微鏡写真でそのミクロ構造を観察し、上記
(1)式より分散指数Zを算出して、これら10個所の
分散指数Zの平均値が2以上であることが必要であり、
2未満では製品の積層二軸延伸フイルムの耐屈曲性が劣
り好ましくない。また、分散指数Zは25を越える必要
はなく、25を越えるとフイルムがヘイジーとなり好ま
しくない。
【0028】更に、本発明者らの実験によると、本発明
の目的を効果的に達成するためには、フイルムの表面お
よび該フイルムの流れ方向に対して垂直方向に切断した
断面の電子顕微鏡写真によってそのミクロ構造を観察し
た時、(a)層中における平板の平板指数割合が50%
以上であることが必要である。ここで平板指数割合と
は、任意の観察個所でのフイルムの表面および該フイル
ムの流れ方向に対して、垂直方向に切断して作成した超
薄切片の電子顕微鏡写真を用いて観察したフイルムの幅
Xの領域内で、観察される(a)層中に存在する全ての
平板の断面積の総和に対して、比較的大きな平板、すな
わち1個の平板の厚さが5〜200nmで平板の厚さに対
する長さの比(長さ/厚さ)が30以上である複数個の
平板の断面積の和が占める割合を意味する。
【0029】平板指数割合は、例えば、図1において、
(a)層1中に分散している平板4〜10において、平
板4の厚さをtとし、同様に平板5の厚さをt5、平板
6の厚さをt6・・・平板10の厚さをt10とする
と、(a)層中に存在する全ての平板の断面積の総和
(これをWとする。)は、W=(y×t+y5×t5+
y6×t6+・・・+y10×t10)である。また、
1個の平板の厚さが5〜200nmで平板の厚さに対する
長さの比(長さ/厚さ)が30以上に該当する平板は、
4、6、7、9、10であるので、これら平板の断面積
の和(これをNとする。)は、N=(y×t+y6×t
6+y7×t7+y9×t9+y10×t10)であ
る。つまり、(a)層中に存在する全ての平板の断面積
の総和に対して、1個の平板の厚さが5〜200nmで平
板の厚さに対する長さの比(長さ/厚さ)が30以上で
ある平板(複数個)の断面積の和が占める割合が50%
以上であるとは、N/W≧50ということであり、
(a)層中に平板状に分散して存在する重合体(P)の
断面形状が細長いものの割合が多いことを意味してい
る。平板指数割合が50%以下では、重合体(P)が平
板状に分散していても、積層二軸延伸フイルムの耐屈曲
性の改良効果が小さく好ましくない。平板指数割合は、
好ましくは60%以上、より好ましくは70%以上であ
ると、二軸延伸フイルムの耐屈曲性の改良効果が顕著で
あって特に好ましい。
【0030】重合体(P)の(a)層および(c)層に
おける分散状態は、(a)層、(c)層とも全体に均一
に分散していても良いし、各層の界面近くにまたは中央
部に集中して分散していても良く、どの状態においても
分散指数、平板指数割合の数値が満足されていれば、製
品の積層二軸延伸フイルムの酸素ガスバリヤ性を保持し
たままで耐屈曲性を向上させることができる。
【0031】本発明に係るポリアミド系積層二軸延伸フ
イルムを構成する3種類の層は、重合体(A)に重合体
(P)が混合されてなる(a)層、重合体(B)よりな
る(b)層、混合物(C)に重合体(P)が混合されて
なる(c)層よりなる。製品のポリアミド系積層フイル
ムの層構成は、(a)層、(b)層、および(c)層の
少なくとも(a)層を1層含む2種類以上の層より構成
され、2〜5層の範囲で選択するのがよい。この際の層
の組み合わせと層の数の具体例としては、(a)/
(b)、(a)/(c)、(a)/(b)/(c)、
(b)/(a)/(c)、(b)/(c)/(a)、
(c)/(a)/(c)、(b)/(c)/(a)/
(b)、(b)/(c)/(a)/(c)/(b)、
(b)/(a)/(c)/(a)/(b)、(c)/
(b)/(a)/(b)/(c)等が挙げられるが、こ
れらに限定されるものではない。
【0032】(a)層を構成する重合体(A)と重合体
(P)とを混合するには、ドライブレンドする方法、ド
ライブレンドした物を押出機で溶融しペレット化する方
法等により行う。また、分散指数、平板指数割合が本発
明の規定する数値に合うように押出機、メルトライン等
は、必要に応じて配慮することが望ましい。例えば、押
出機の圧縮比を上げる、L/Dを上げる、スクリューに
ミキシングゾーンを付ける、二軸押出機を用いる、キャ
ビティートランスファミキサーを付ける、スクリュー形
状をダムフライト型とする、メルトラインにスタティッ
クミキサーを取り付ける、または押出温度を工夫する等
を考慮するのが望ましい。
【0033】本発明に係るポリアミド系積層二軸延伸フ
イルムは、公知の方法により製造することができる。ま
ず、重合体(B)、重合体(P)を含有した重合体
(A)と、重合体(P)を含有した混合物(C)よりな
る原料より、実質的に無定型で配向していない未延伸積
層フイルムを共押出法により製造する。次に、未延伸積
層フイルムを分散指数、平板指数割合が本発明の規定す
る数値を満たすように、テンター式逐次二軸延伸、テン
ター式同時二軸延伸、チューブラー式同時二軸延伸等の
延伸方法により、縦横両方向に2.5〜5倍に延伸す
る。
【0034】本発明に係るポリアミド系積層フイルム
は、本発明の目的を考慮すると次のような物性、すなわ
ち、フイルムの厚さ約15μの場合、酸素透過率が温度
25℃、相対湿度65%の条件下で15cc/m2・24
H・atm以下で、かつ、耐屈曲性が温度23℃、相対
湿度50%の条件下でコンデショニングしたテストフイ
ルムにつき、ゲルボーフレックステスターによる300
0サイクル屈曲テスト実施後(屈曲テストの詳細は前記
した)のフイルムについて測定したピンホール数が15
個/77inch2以下、という物性を具備している
と、酸素ガスバリヤ性、耐屈曲性の双方において優れて
おり、目的が達成されると言い得る。
【0035】本発明に係るポリアミド系積層二軸延伸フ
イルムの全体の厚さは、10μm以上40μm以下が好
ましい。全体の厚さが、10μm未満のときは、酸素ガ
スバリヤ性と耐屈曲性のバランスが悪く、耐摩耗性も悪
いので包装用途として満足なフイルムは得られない。ま
た、40μmを越えるときは、フイルムが硬くなり、更
にシーラント層を張り合わせる場合には、フイルム全体
が非常に厚くなり軟包装用途には適さなくなる。また、
本発明のポリアミド系積層二軸延伸フイルムは、シーラ
ント層を張り合わせて袋状製品の用途に活用することが
できる。
【0036】
【実施例】以下、本発明の内容および効果を実施例によ
り更に詳細に説明するが、本発明は、その要旨を越えな
い限り以下の例に限定されるものではない。なお、以下
の例において、フイルムの評価は、次の各方法によって
行ったものである。また、フイルムの層構成、および評
価結果を表1に示した。
【0037】 〈酸素透過率(cc/m2・24H・atm)〉 モダンコントロール社製のOXYーTRAN100型酸
素透過率測定装置を使用し、温度25℃、相対湿度65
%の条件下で測定した。
【0038】 〈耐屈曲性(ピンホール数/77inch2)〉 8インチ×11インチの大きさに切断したフイルムを、
温度23℃、相対湿度50%の条件下に、24時間以上
放置してコンディショニングし、ゲルボーフレックステ
スター(理学工業社製、No. 901型)(MIL−B−
131Cの規格に準拠)を使用して、次のように屈曲テ
ストを繰り返し、ピンホール数を測定した。
【0039】上記長方形テストフイルムを巻架して長さ
8インチの円筒状にし、当該巻架した円筒状フイルムの
一端を上記テスターの円盤状固定ヘッドの外周に、他端
を上記テスターの円盤状可動ヘッドの外周にそれぞれ固
定し、上記可動ヘッドを上記固定ヘッドの方向に、平行
に対向した両ヘッド(固定ヘッドと可動ヘッドとは7イ
ンチ隔てて対向している。)の軸に沿って3.5インチ
接近させる間に440゜回転させ、続いて回転させるこ
となしに2.5インチ直進させ、その後、これらの動作
を逆に行わせ、上記可動ヘッドを最初の位置に戻すまで
の行程を1サイクルとする屈曲テストを、1分間あたり
40サイクルの速度で、連続して3000サイクル行っ
た後に、テストしたフイルムの固定ヘッド、可動ヘッド
の外周に固定した部分を除いた7インチ×11インチ内
の部分に生じたピンホール数を計測した。
【0040】〈分散指数〉 フイルムの表面および該フイルムの流れ方向に対して垂
直方向に切断して超薄切片を作製し、リンタングステン
酸および酸化ルテニウムで染色した超薄片法で試料調整
し、透過型電子顕微鏡で倍率1万倍で観察して、約16
0mm、約220mmの電子顕微鏡写真を撮影し、切り出さ
れた超薄切片のフイルムの幅、即ち写真に撮影された領
域の横幅をX(mm)、また電子顕微鏡写真で観察された
(a)層中に存在する全ての平板の長さの測定値の総和
をY(mm)とした場合に、Z=Y/Xで表されるZを算
出した。
【0041】そして、このようなZをフイルムの任意の
10個所の観察個所において算出し、これらの平均値を
分散指数とした。
【0042】〈平板指数割合〉 分散指数を算出する際に撮影した電子顕微鏡写真におけ
る超薄切片のフイルムの幅Xの領域内で観察される
(a)層中における各平板の厚さおよび長さを測定し
た。そして、(a)層中に存在する全ての平板の断面積
の総和(各平板の断面積=各平板の厚さ×各平板の長
さ)に対して、1個の平板の厚さが5〜200nmの範囲
であり、平板の厚さに対する長さの比(長さ/厚さ)が
30以上であるものの平板の断面積の和が占める割合と
した。
【0043】実施例1 次のような構成の積層二軸延伸フイルムを得た。 フイルムの層構成:(b)約6μm/(a)層約4μm
/(c)層約5μm (a)層を構成する樹脂:重合体(A)に占める重合体
(P)の含有割合3.2VOL % (b)層を構成する樹脂:重合体(B) (c)層を構成する樹脂:重合体(A)と重合体(B)
との混合比が40:60、総重合体に占める重合体
(P)の混合割合が1.3VOL %
【0044】重合体(A):ポリメタキシレンアジパミ
ド(三菱瓦斯化学(株)社製、MX−ナイロン600
7) 重合体(B):ナイロン6(三菱化成(株)社製、ノバ
ミッド1022) 混合物(C):フイルムの耳トリム端材紛砕物 重合体(P):ダイアミド(ダイセル・ヒュルス社
製)、ダイアミドは、ポリラウリンラクタムとポリエー
テルのブロック共重合体である。上記積層二軸延伸フイ
ルムは、あらかじめ調整した未延伸の積層フイルムを縦
方向に3倍、横方向に3倍延伸したものである。
【0045】得られたフイルムについてのフイルムの構
成、前記した方法により測定した酸素透過率、ピンホー
ル数、超薄切片の電子顕微鏡写真観察から分散指数、平
板指数割合を算出した結果を、それぞれ表1に示す。更
に、図2にこの例で得られたフイルムから切りとった超
薄切片の電子顕微鏡写真(倍率:10,000倍)を示
す。
【0046】実施例2 実施例1の記載において以下のように代えたほかは、同
例と同じ積層二軸延伸フイルムを得た。 重合体(P):ベイマック(デュポン社製)、ベイマッ
クは、アクリル酸メチルとエチレンの共重合体で、カル
ボキシル基を持ったモノマーの共重合体により架橋点を
形成するポリマーである。得られたフイルムについての
フイルムの構成、前記した方法により測定した酸素透過
率、ピンホール数、超薄切片の電子顕微鏡写真観察から
分散指数、平板指数割合を算出した結果を、それぞれ表
1に示す。
【0047】実施例3 実施例1の記載において以下のように代えたほかは、同
例と同じ積層二軸延伸フイルムを得た。 重合体(P):クレイトンG(シェル化学社製)、クレ
イトンGは、両末端にポリスチレン相、ゴム中間相とし
て水素添加型ポリオレフィンを持ち、ポリスチレン相が
架橋点を担っているブロック共重合体である。得られた
フイルムについてのフイルムの構成、前記した方法によ
り測定した酸素透過率、ピンホール数、超薄切片の電子
顕微鏡写真観察から分散指数、平板指数割合を算出した
結果を、それぞれ表1に示す。
【0048】実施例4 実施例1の記載において以下のように代えたほかは、同
例と同じ積層二軸延伸フイルムを得た。 重合体(P):アイオノマー重合体(三井・デュポン・
ポリケミカル社製、ハイミランAM7315) 得られたフイルムについてのフイルムの構成、前記した
方法により測定した酸素透過率、ピンホール数、超薄切
片の電子顕微鏡写真観察から分散指数、平板指数割合を
算出した結果を、それぞれ表1に示す。
【0049】実施例5 実施例1の記載において以下のように代えたほかは、同
例と同じ積層二軸延伸フイルムを得た。 重合体(P):エチレンビニルアルコール(クラレ社
製、EP−E105、エチレン分率44mol%) 得られたフイルムについてのフイルムの構成、前記した
方法により測定した酸素透過率、ピンホール数、超薄切
片の電子顕微鏡写真観察から分散指数、平板指数割合を
算出した結果を、それぞれ表1に示す。
【0050】比較例1 実施例1の記載において以下のように代えたほかは、同
例と同じ二軸延伸フイルムを得た。 フイルムの層構成:(a)層約15μm 重合体(P):エチレン含有量が83モル%、メルトフ
ローインデックスが1.0g/10分であるエチレンー
プロピレン共重合体を無水マレイン酸で変性した変性エ
チレンープロピレン共重合体20重量%と、酢酸ビニル
含有量8重量%、メルトフローインデックスが1.5g
/10分であるエチレンー酢酸ビニル共重合体80重量
%を混合したもの 得られたフイルムについてのフイルムの構成、前記した
方法により測定した酸素透過率、ピンホール数、超薄切
片の電子顕微鏡写真観察から分散指数、平板指数割合を
算出した結果を、それぞれ表1に示す。
【0051】比較例2 実施例1の記載において以下のように代えたほかは、同
例と同じ積層二軸延伸フイルムを得た。 (a)層を構成する樹脂:重合体(A)に占める重合体
(P)の含有割合0.54VOL % 重合体(P):エチレン含有量が83モル%、メルトフ
ローインデックスが1.0g/10分であるエチレンー
プロピレン共重合体を無水マレイン酸で変性した変性エ
チレンープロピレン共重合体20重量%と、酢酸ビニル
含有量8重量%、メルトフローインデックスが1.5g
/10分であるエチレンー酢酸ビニル共重合体80重量
%を混合したもの
【0052】比較例3 実施例1の記載において以下のように代えたほかは、同
例と同じ積層二軸延伸フイルムを得た。 重合体(P):セプトン(クラレ社製)、セプトンは、
両末端にポリスチレン相、ゴム中間相としてポリイソプ
レンを持ち、ポリスチレン相が架橋点を担っているブロ
ック共重合体である。
【0053】得られたフイルムについてのフイルムの構
成、前記した方法により測定した酸素透過率、ピンホー
ル数、超薄切片の電子顕微鏡写真観察から分散指数、平
板指数割合を算出した結果を、それぞれ表1に示す。
【0054】比較例4 実施例1の記載において以下のように代えたほかは、同
例と同じ積層二軸延伸フイルムを得た。 重合体(P):ポリスチレン 得られたフイルムについてのフイルムの構成、前記した
方法により測定した酸素透過率、ピンホール数、超薄切
片の電子顕微鏡写真観察から分散指数、平板指数割合を
算出した結果を、それぞれ表1に示す。
【0055】比較例5 フイルムの層構成:塩化ビニリデンコートした二軸延伸
ナイロンフイルム約17μm(三菱化成ポリテック
(株)社製、サントニールSG) 前記した方法により酸素透過率、耐屈曲性を測定した結
果を、表1に示す。
【0056】
【表1】
【0057】表1中において、各略号は以下の意味であ
る。 EVA:エチレンー酢酸ビニル共重合体 変性Et−Pr:無水マレイン酸で変性したエチレンー
プロピレン共重合体 ダイアミド:ダイセル・ヒュルス社のポリアミド系エラ
ストマーの商品名 ベイマック:デュポン社のアクリル系エラストマーの商
品名 クレイトンG:シェル化学社の水素添加型スチレンブロ
ックコポリマーの商品名アイオノマー重合体:三井・デ
ュポン・ポリケミカル社製のハイミランAM7315 セプトン:クラレ社のポリスチレン相とゴム中間相とし
てポリイソプレン相とからなるスチレンブロックコポリ
マーの商品名
【0058】表1より、本発明に係るポリアミド系積層
二軸延伸フイルムは、酸素ガスバリヤ性、耐屈曲性が目
的とした数値範囲内にあり、特に、耐屈曲性が優れてお
り、比較例のフイルムは、酸素ガスバリヤ性については
目的とした数値内であるが、耐屈曲性が目的とした数値
範囲外であることが分かる。
【0059】
【発明の効果】本発明は、次のように特別に顕著な効果
を奏し、その産業上の利用価値は極めて大である。 1.本発明に係るポリアミド系積層二軸延伸フイルム
は、優れた酸素ガスバリヤ性、優れた耐屈曲性、および
強靱性等とを兼ね備えている。従って、酸素による内容
物の変質を嫌う食品、医療品、および薬品等の包装用フ
イルムに好適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の積層二軸延伸フィルムを、そ
の表面および該フイルムの流れ方向に対して垂直方向に
切断して得られた超薄切片の電子顕微鏡写真の模型図で
ある。
【図2】図2は、実施例1の超薄切片の10,000倍
の電子顕微鏡写真である。
【符号の説明】
1 (a)層 2 (b)層 3 (c)層 4〜10 (a)層中に平板状に分散している重合体
(P)の平板 11〜15 (c)層中に平板状に分散している重合体
(P)の平板 X 電子顕微鏡写真で観察したフイルムの幅 y 平板4の長さ t 平板4の厚さ

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記の重合体(A)、重合体(B)、混
    合物(C)、および重合体(P)を原料とし、重合体
    (A)よりなる(a)層、重合体(B)よりなる(b)
    層、および混合物(C)よりなる(c)層のうち、重合
    体(P)が(a)層には1〜10VOL %、(c)層には
    10VOL %以下含有されてなり、3種類の層のうち少な
    くとも(a)層を1層含む2種類以上の層を含む構造で
    あり、(a)層または(a)層および(c)層中の重合
    体(P)がフイルムの表面および該フイルムの流れ方向
    に対して垂直方向に切断した断面の電子顕微鏡写真を用
    いて観察した時に、フイルムの表面と実質的に平行に平
    板状に分散しているミクロ構造を呈しており、(a)層
    中に平板状に分散している重合体(P)(以下これを
    「平板」という。)について、下記(1)式で定義され
    る分散指数Zのフイルムの任意の10個所の平均値が、
    2以上であることを特徴とするポリアミド系積層二軸延
    伸フイルム。 Z=Y/X …… (1) ここで、Xは任意の観察個所でのフイルムの表面および
    該フイルムの流れ方向に対して垂直方向に切断した断面
    の電子顕微鏡写真を撮影しこの観察領域内におけるフイ
    ルムの幅を、Yは電子顕微鏡写真を用いて観察した、フ
    イルムの幅Xの領域内で観察される(a)層中に存在す
    る全ての平板の長さの測定値の総和を、それぞれ意味す
    る。 重合体(A):mーおよび/またはp−キシリレンジア
    ミンと炭素数6〜12のα,ωー脂肪族ジカルボン酸と
    からなるポリアミド構成単位を分子鎖中に70モル%以
    上含有する芳香族ポリアミド 重合体(B):脂肪族ポリアミド 混合物(C):重合体(A)と重合体(B)との混合物 重合体(P):重合体(A)よりも耐屈曲性の優れた
    イオノマー重合体又はエラストマー
  2. 【請求項2】 (a)層中に平板状に分散している重合
    体(P)の平板指数割合が50%以上である請求項1に
    記載のポリアミド系積層二軸延伸フイルム。ここで、平
    板指数割合とは任意の観察個所でのフイルムの表面およ
    び該フイルムの流れ方向に対して、垂直方向に切断した
    断面の電子顕微鏡写真を用いて観察した、フイルムの幅
    Xの領域内で観察される(a)層中に存在する全ての平
    板の断面積の総和に対して、1個の平板の厚さが5〜2
    00nmで平板の厚さに対する長さの比(長さ/厚さ)が
    30以上である複数個の平板の断面積の和が占める割合
    を意味する。
  3. 【請求項3】 重合体(P)のアイオノマー重合体が、
    エチレンとアクリル酸又はメタクリル酸とからつくられ
    たものであることを特徴とする請求項1又は請求項2に
    記載のポリアミド系積層二軸延伸フイルム。
  4. 【請求項4】 重合体(P)のエラストマーが、エチレ
    ンとアクリル酸エステル又はメタクリル酸エステルとの
    共重合体であることを特徴とする請求項1又は請求項2
    に記載のポリアミド系積層二軸延伸フイルム。
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