JP3021766U - 介護衣 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 被介護者の肉体的、精神的苦痛を解消すると
共に介護者の労働軽減を図る。 【構成】 左右前身頃１、２にフアスナー ６、７を配
置、左右肩部１０、１１にはワンタッチフアスナー ９を
配置し、これら６、７、９を開くことにより、一枚の布
状になるものである。フアスナー ６、７、９を閉じるこ
とで立体化し、介護服として機能するものである。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は、重度の痴呆性老人や虚弱、寝たきり老人の主として不潔行為を防 止するための介護衣の改良に関する。

【０００２】

【従来の技術】

この種の介護衣は、被介護者の不潔行為を防止すると共に、介護者の労働を軽 減するために様々な改良が加えられている。例えば実開昭６１−９８８１２にお いては両脚部の裾部から股間を経て前身頃のウエスト部に渉る脚部スライドファ スナーによって開閉自在の脚部開き部を形成するようにしたものや、実開平４− ６４５１５においては、つなぎパジャマのファスナーを閉じたときの終点を前身 頃の上背部にくるようにし、ファスナー開閉金具を後身頃の上端部で覆うように カギホック及びリングスナップで止めるようにしたもの等、それぞれの目的に応 じて機能に工夫が凝らされている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

さて、重度の痴呆性老人や虚弱、寝たきり老人の介護において、通常１日に３ 乃至４回の着衣の交換時には股や背中の開放が不可欠であり、特に虚弱、寝たき り老人の場合にはそのたびに体位を交換しなければならず、被介護者、介護者共 に心身の負担が大きい。一方、立位および歩行が可能な痴呆老人の場合、着脱の 動作において介護者の介助のための言葉が理解できないために、仁王立ちになっ たり動作を拒否したり、着衣の交換が困難である場合が多い。

【０００４】 おむつの交換においては、下半身のみの脱衣を要するが、前記と同様に介助の ための言葉が理解できない場合や、股関節に硬直がある場合には、脱衣時が困難 であり時として老人に苦痛を与えることすらある。これを解消する目的で前記実 開昭６１−９８８１２等が考案されているが、解放時には充分機能するが閉止操 作が困難であった。また従来の介護衣のほとんどがほぼ完全に身体を包む構造で あり、ファッション性に乏しく、かつ夏季における使用には向かないものが多か った。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

そこで本考案では、上着とズボンが一体につながった袖の無い介護用衣服であ って、前身頃の襟元の所定間隔離れた２カ所からズボンの両裾にわたってファス ナーを配置し、両肩部で前身頃と後身頃をワンタッチファスナーで連結すること によって、前記問題点を解消したものである。

【０００６】

【実施例】

以下、図示の実施例に基づいて詳細に説明する。 図１は実施例の正面図であって、１は右前身頃、２は左前身頃、３は後身頃、 ４は右脚部、５は左脚部である。６、７は右ファスナー、左ファスナーであって 、それぞれ右前身頃１の襟部８から右脚部４の裾部４１、左前身頃２の襟部８か ら左脚部５の裾部５１にわたって配置されている。右肩部１０および左肩部１１ はそれぞれ右前身頃１と後身頃８および左前身頃２と後身頃８に分割されていて 重ね合わせてワンタッチファスナー９で一体化できるように構成されている。

【０００７】 使用については、寝たきりおよび虚弱老人を対象とした場合、着衣に際し、ワ ンタッチファスナー９、右ファスナー６および左ファスナー７を開き、介護衣を １枚の布状に開放した上で、被介護者を開いた介護衣の中央に仰向けに寝かせた 後、右前身頃１の右肩部１０と左前身頃２の左肩部１１とをそれぞれ後身頃８に ワンタッチファスナー９で連結すると共に、開いた右前身頃１および左前身頃２ を被介護者の体に巻き付けるようにして体の前に引き寄せ、右ファスナー６およ び左ファスナー７をそれぞれ右裾部４１および左裾部５１から襟部８に引き上げ て着衣を完了する。脱衣の際は前記とは逆の順序で脱衣する。

【０００８】 歩行または起立可能な被介護者を対象にした場合、着衣に際しては、右ファス ナー６及び左ファスナー７を開き、介護衣を背後から被介護者にあてがった後、 両手を通して右ファスナー６及び左ファスナー７を閉じるか、または左右いずれ かの肩部のワンタッチファスナー９をはずしておき、片腕を通した後他方の肩部 のワンタッチファスナー９を閉じて、次いで右ファスナー６および左ファスナー ７を閉じる。脱衣の際は前記着衣とは逆の順序で脱衣する。ワンタッチファスナ ー９はスライドファスナーでも同等の機能を発揮しうるものである。

【０００９】

【考案の効果】

以上詳述したように本考案によれば、介護衣の着脱に際し、 １．被介護者の体位交換が不要になるため、被介護者に与える精神的、肉体的苦 痛が解消される． ２．歩行または起立可能な被介護者の介護衣着脱時の戸惑い、不快、不安が解消 される． ３．左右のファスナーを足下で係脱するようにすることによってロック付きファ スナーの使用が減少でき、コストの削減ができる． ４．袖を無くしたことで季節に合わせて重ね着ができ、他の衣服とのコーディネ イトが可能になり、ファッション性が向上する． ５．上記各点により介護者の労働の軽減がはかれると共に、介護者、被介護者共 に安らぎをもって過ごせる． 等の効果を有し、当該分野において極めて有用である。

【図面の簡単な説明】

【図１】 実施例の正面図

【図２】 実施例のファスナーを外した状態の図

【符号の説明】

１ 右前身頃 ２ 左前身頃 ３ 後身頃 ４ 右脚部 ５ 左脚部 ６ 右ファスナー ７ 左ファスナー ８ 襟部 ９ ワンタッチファスナー １０ 右肩部 １１ 左肩部 ４１ 裾部 ５１ 裾部

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】上着とズボンが一体につながった袖の無い
   介護用衣服であって、前身頃の襟元の所定間隔離れた２
   カ所からズボンの両裾にわたってスライドファスナーを
   配置し、両肩部で前身頃と後身頃をワンタッチファスナ
   ーもしくはスライドファスナーで連結してなることを特
   徴とする介護衣。