JP3020557B2 - トナー用架橋ポリエステル樹脂 - Google Patents

トナー用架橋ポリエステル樹脂

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JP3020557B2
JP3020557B2 JP02148375A JP14837590A JP3020557B2 JP 3020557 B2 JP3020557 B2 JP 3020557B2 JP 02148375 A JP02148375 A JP 02148375A JP 14837590 A JP14837590 A JP 14837590A JP 3020557 B2 JP3020557 B2 JP 3020557B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明はトナー用架橋ポリエステルに関し、更に詳し
くは静電印刷法等により形成された潜像を現像するため
の使用される優れた低温定着性、非オフセツト性、耐ブ
ロツキング性及び耐摩耗性をバランス良く具備するトナ
ー用架橋ポリエステル樹脂に関する。
〔発明の概要〕
本発明の架橋ポリエステル樹脂は、静電記録産業分野
において極めて有用な低温定着性、非オフセツト性、耐
ブロツキング性及び耐摩耗性をバランス良く具備するト
ナー用バインダーとして利用できるものである。
〔従来の技術〕
従来、電子写真法では、通常、光導電性感光体により
なる潜像形成ローラーに帯電・露光により潜像を作り、
これをトナーによつて現像し、得られたトナー像を紙等
に転写した後、加熱、加圧により紙上に定着して画像を
得る。
この様な潜像を経る画像形成処理は高速であることが
望まれ、このため定着過程において熱効率が良く高速化
が可能な熱ローラー定着方式が広く採用されている。
近年、よりいつそう高速化が強く要望されており、そ
のためにはトナー像を高速で定着するためにはトナーが
良好な低温定着性を有することが要求されるが、そのた
めにはトナーの主成分であるバインダーの軟化温度を低
下させ、旦つ接着性を向上させる必要がある。しかし樹
脂の軟化温度を下げると、並行して樹脂のガラス転移温
度(以下Tgと記す)も下がり、十分な貯蔵安定性が得ら
れず、樹脂がブロツキングし易くなる。さらに高速機に
供されたトナーパウダーは激しい攪拌等で、強い外力を
受け、より細かく細分化され全体の物性のバランスを損
なう結果となる。
この様な問題点を解決するため様々な研究開発が進め
られた結果、いくつかの提案がなされている。
第一の提案は、エーテル化ビスフエノールA成分とジ
カルボン酸成分を反応せしめて線状ポリエステルを得た
後、該ポリエステルに3価以上の単量体成分(例えば、
無水トリメリツト酸)を加え架橋構造を形成せしめて得
られる架橋ポリエステルをバインダーとして使用した、
非オフセツト性の良好なトナーに関する。
第二の提案は、低温定着性を改善するためにバインダ
ーの分子量を低下させてトナーの流動性を向上させる方
法に関する。
第三の提案は、低温定着性を改善するためにバインダ
ーとして長鎖脂肪族炭化水素単位を有するものに関す
る。
〔発明が解決しようとする問題点〕
しかし、第一の提案は、定着性能が必ずしも良好でな
く、定着温度が50枚/分以上の高速定着を連続して行つ
た場合にトナーが十分加熱されず定着強度が不十分とな
り易い問題があつた。
また、運転の経過に伴い微粉粒子が蓄積して画質が悪
化するなどの問題があつた。
また、第二の提案は、分子量を低下させる方法による
と非オフセツト性が低下してしまい、実用に耐え得るト
ナーの製造が不可能であることが明白となつた。
さらに、第三の提案は、この様なポリエステルのガラ
ス転移温度が低くなり、貯蔵安定性にも劣るという問題
点があつた。
本発明の目的は、上記した不都合の解消にあり、優れ
た低温定着性、非オフセツト性及び耐ブロツキング性を
バランス良く具備するトナー用架橋ポリエステル樹脂を
提供することにある。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明の要旨とするところは、 (a) 全酸単位に対して1〜30モル%の3価以上の多
価アルコール単位及びまたは3価以上の多価カルボン酸
単位、 (b) 全酸単位に対して1〜60モル%の少なくとも一
方が2級アルコールである脂環式ジオール単位、 (c) 全酸単位に対して40〜100モル%の芳香族ジカ
ルボン酸単位、 (d) 全酸単位に対して40〜99モル%の脂環式でない
ジオール単位 からなる非線状重縮合体であつて、酸価が0.5〜25mgKOH
/g、ガラス転移温度が50〜80℃、軟化温度が145℃以
下、定着温度幅が30℃以上及び軟化温度とガラス転移温
度の差が75℃以下であるトナー用架橋ポリエステル樹脂
を提供するものである。
本明細書中、全酸単位とは3価以上の多価カルボン酸
単位、ジカルボン酸単位及びモノカルボン酸単位の合計
単位を意味する。
また、酸価は中和滴定法、ガラス転移温度は示差走査
熱量計(DSC)による方法、b値は測色色差計による方
法、軟化温度はフローテスター(CFT−500、島津製作所
製)を用いて、1mmφ×1mmのノズル、荷重30kg、昇温速
度3℃/分の等速昇温下で測定したとき、1gのサンプル
の1/2が流出したときの温度を測定する方法により測定
した値である。
本発明に使用される3価以上の多価アルコール単位と
は、3価以上の多価アルコールがカルボン酸と反応して
生じた単位であり、式で示せば下記の通りである。
(HOmR1 (但し、m,nはm+n≧3、m≧0、n≧1を満たす整
数であり、R1は炭化水素残基である。) この様な単位を構成する多価アルコールとしては、例
えば、ソルビトール、1,2,3,6−ヘキサンテトロール、
1,4−ソルビタン、ペンタエリスリトール、ジペンタエ
リスリトール、トリペンタエリスリトール、蔗糖、1,2,
4−ブタントリオール、1,2,5−ペンタトリオール、グリ
セロール、2−メチルプロパントリオール、2−メチル
−1,2,4−ブタントリオール、トリメチロールエタン、
トリメチロールプロパン、1,3,5−トリヒドロキシメチ
ルベンゼン等が挙げられ、その単位はこれらをカルボン
酸成分と反応されることにより架橋ポリエステル中に導
入する事が可能である。
一方、3価以上の多価カルボン酸単位は、3価以上の
多価カルボン酸成分をアルコールと反応させて生じた単
位を言い、式で示せば下記の通りである。
(R3OCOmR2CO (但し、m′,n′はm′+n′≧3、m′≧0、n′≧
1を満たす整数であり、R2は炭化水素残基であり、R3
炭素数6以下のアルキル基または水素原子である。) この様な単位を構成する多価カルボン酸としては、例
えば1,2,4−ベンゼントリカルボン酸、1,2,4−シクロヘ
キサントリカルボン酸、2,5,7−ナフタレントリカルボ
ン酸、1,2,4−ナフタレントリカルボン酸、1,2,5−ヘキ
サントリカルボン酸、1,3−ジカルボキシル−2−メチ
ル−2−メチレンカルボキシルプロパン、テトラ(メチ
レンカルボキシル)メタン、1,2,7,8−オクタンテトラ
カルボン酸、あるいはこれらの酸無水物、あるいはこれ
らの炭素数6以下の低級アルキルエステル等が挙げら
れ、その単位はこれらをアルコールと反応させることに
よつて架橋ポリエステル中に導入することができる。
これらの3価以上の単量体によつて導入された単位
は、合計量が架橋ポリエステル中の酸単位つまりカルボ
ン酸がアルコールと反応して生じた単位の総量に対して
1〜30モル%が好ましく、さらに好ましくは3〜20モル
%の範囲である。
これらの単位の含有量が30モル%を超えると反応の制
御が困難になり、また、1モル%未満では十分な架橋構
造が得られずオフセツトを生じ好ましくない。
本発明のトナー用架橋ポリエステル樹脂を構成する少
なくとも一方が2級のアルコールである脂環式ジオール
単位は、少なくとも1つの水酸基が2級炭素に結合した
アルコールより導入された単位であり式で示せば下記の
通りである。
(HOjR4 (但し、j≧0、k≧1、j+k=2を満たす整数であ
り、R4は脂環式炭化水素残基である。また少なくとも一
方の酸素原子はR4の2級炭素と結合している。) このような単位を構成する脂環式2級ジオールとして
は例えば1,4−シクロヘキサンジオール、水添ビスフエ
ノールA、ポリオキシプロピレン−2,2−ビス(4−ヒ
ドロキシシクロヘキシル)プロパン、水添ビスフエノー
ルS、水添ビスフエノールF、1,4−ビス(1−ヒドロ
キシエチル)シクロヘキサン、ポリオキシプロピレン−
1,4−シクロヘキサンジオール、4,4′−ビスシクロヘキ
シルジオール等が挙げられ、その単位はこれらを酸成分
と反応せしめることによつて架橋ポリエステル中に導入
することが可能である。
これらの単位の存在はガラス転移温度の向上、軟化温
度の低下に有効であるのみならず、樹脂の耐摩耗性が向
上し、トナー使用中に微粉が発生して品質を損なう等の
トラブルがなくなる他、原料が2級ジオールであるため
反応の制御が容易になる。この様な脂環式2級ジオール
単位は全酸単位に対して1〜60モル%、さらに好ましく
は5〜50モル%含まれるのがよい。該ジオールが1モル
%未満になると本発明で期待される効果が得られず、ま
た、60モル%を超えると反応の進行が遅くなり好ましく
ない。
本発明のトナー用架橋ポリエステルを構成する芳香族
ジカルボン酸単位は芳香族ジカルボン酸成分がアルコー
ルと反応して生じた単位であり、式で示せば下記の通り
である。
(R6OCO′R5CO′ (但し、j′,k′はj′+k′=2、j′≧0、k′≧
1を満たす整数であり、R5は炭化水素残基であり、R6
炭素数6以下のアルキル基または水素原子である。) このような単位を構成する芳香族ジカルボン酸として
は、例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、オルトフタ
ル酸、シクロヘキサンジカルボン酸、3,5−トルエンジ
カルボン酸、2,4−トルエンジカルボン酸、2,5−トルエ
ンジカルボン酸等のジカルボン酸、これらの酸無水物ま
たはこれらの炭素数6以下の低級アルキルエステル等が
挙げられ、その単位はこれらをアルコールと反応させる
ことによつて架橋ポリエステル中へ導入することが可能
であり、ガラス転移温度の向上に寄与する。これらの中
でも、架橋ポリエステルの軟化温度を著しく低下させる
ため、テレフタル酸及びイソフタル酸より導入された単
位(それぞれテレフタル酸単位及びイソフタル酸単位と
いう。)が好ましい。その含有割合は、ガラス転移温度
に対する影響も考慮して全酸単位に対して40〜100モル
%、好ましくは50〜100モル%含まれるのがよい。芳香
族ジカルボン酸が40モル%未満であるとガラス転移温度
が下がり樹脂がブロツキングし易くなるので好ましくな
い。
本発明のトナー用架橋ポリエステルを構成する脂環式
でないジオール単位は、該ジオールがカルボン酸と反応
して生じた単位を言い、式で示せば下記の通りである。
(HO″R7″ (但し、j″、k″はj″+k″=2、j″≧0、k″
≧1を満たす整数であり、R7は脂環式でない炭化水素残
基である。) このような単位を構成するジオールとしては、例え
ば、ポリオキシプロピレン−2,2−ビス(4′−ヒドロ
キシフエニル)プロパン、ポリオキシエチレン−2,2−
ビス(4′−ヒドロキシフエニル)プロパン、1,2−プ
ロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、2,3−ブタ
ンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、ネ
オペンチルグリコール、1,2−ジメチル−1,3−プロパン
ジオール、1,3−ジメチル−1,3−プロパンジオール、1,
2,3−トリメチル−1,3−プロパンジオール、2,3−ジメ
チル−1,4−プロパンジオール、3,3−ジエチル−1,5−
ペンタンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレ
ングリコール、テトラメチレングリコール、平均分子量
450未満のポリエチレングリコール、ジトリメチレンエ
ーテルグリコール、トリトリメチレンジエーテルグリコ
ール、エチレンプロピレンエーテルグリコール、ジテト
ラメチレングリコール、エチレンテトラメチレンエーテ
ルグリコール、トリメチレンテトラメチレンエーテルグ
リコール、分子量350以下のポリオキシテトラメチレン
グリコール等が挙げられ、その単位はこれらをカルボン
酸と反応させることによつて架橋ポリエステル樹脂中へ
導入できる。これらの単位は全酸単位に対して40〜99モ
ル%が好ましい。
また、本発明の目的を損なわない範囲で脂肪族ジカル
ボン酸、モノカルボン酸、モノアルコール等を加える事
ができる。
本発明に使用される架橋ポリエステルは、次のような
物性値を有する必要がある。本発明の目的である熱安定
性及び帯電安定性が優れ、ひいては耐摩耗性があり機械
的安定性が優れるトナーを提供するバインダーとして架
橋ポリエステル樹脂は酸価が25mgKOH/g以下である必要
がある。さらに好ましくは、酸価が20mgKOH/g以下であ
る。しかしながら、ポリエステルの場合、極度に低い酸
価のポリエステルを合成しようとすれば、反応温度を下
げる等の技術的手法が既に確立されてはいるものの、0.
5mgKOH/g以下のポリエステルを得るのは実際上、困難で
ある。より実際的には2mgKOH/g以上である。つまり、本
発明に使用されている架橋ポリエステルの酸価は0.5〜2
5mgKOH/gの範囲、好ましくは2〜20mgKOH/gの範囲が好
適で、酸価がこの範囲を外れるとポリエステルの一般的
性質として極度に熱安定性が低下し、且つトナーの重要
な性質である帯電安定性も吸湿性の増大やカルボキシル
基によるマイナス帯電性の増大により低下する。
また、ガラス転移温度は貯蔵安定性に対して重要な指
標となるが、ガラス転移温度が50℃未満では事実上の貯
蔵安定性は達成されない。また、80℃を越えると軟化温
度が適度に高くなり定着性能に悪影響を及ぼす。軟化温
度については低い方が定着性の向上に対して好ましい
が、実際には145℃以下であれば問題ない。
本発明の樹脂はガラス転移温度が高いにも拘らず軟化
温度が低いという特徴を有する。これは本発明で使用す
る脂環式ジオールに起因するもので、ガラス転移温度と
軟化温度の差が75℃以下、好ましくは70℃以下のものが
本発明の樹脂として必要である。この時樹脂は十分な非
オフセツト性を有する必要があり、定着温度幅は30℃以
上、好ましくは50℃以上なければならない。定着温度幅
とは次の様にして測定する。60φ熱ロールと60φゴムロ
ールを接触幅7mm(塩ビシートをはさみ加熱後白化した
長さで測定する。)となるようにセツトし(以下定着試
験機という。)、樹脂を乗せた紙を200mm/秒の速度で通
過させた後セロハンテープ(ニチバン製)で樹脂を剥離
し、剥離後の樹脂量を測定したとき剥離後に剥離前の樹
脂の90%が残留するときのヒートロールの温度をT1とす
る。該測定においては樹脂95重量部にカーボンブラツク
5重量部を練り込んだ後、平均粒径5〜10μmに粉砕し
て紙に塗布し、加熱ローラーを通して樹脂を紙に定着さ
せる方法が有効である。この時定着の度合いは濃度測定
器(マクベス社製)を用いてテープ剥離前後の濃度を測
定し、(テープ剥離後濃度値)/(テープ剥離前濃度
値)が0.9となつたときの温度をT1とする。
また定着温度の上限はテフロンコートしたヒートロー
ルの温度を上昇させ、樹脂を塗布した紙を定着試験機に
通したとき初めて樹脂がヒートロールに付着する温度
(ホツトオフセツト温度)であり、これをT2とする。本
発明で言う定着温度幅とはT2とT1の差(T2−T1)を言
う。
本発明のポリエステル樹脂は、通常のポリエステル合
成法、すなわち酸成分とアルコール成分をエステル化反
応、またはエステル交換反応せしめた後、低沸点のジオ
ールを真空下または窒素気流下で系外へ除去する事によ
つて合成できる。
〔作 用〕
本発明のトナー用架橋ポリエステル樹脂はトナー用バ
インダーとして使用したとき、十分な定着温度幅を与
え、且つTgが高いにも拘らず、軟化温度が低いという特
徴を有する。さらに合成時においては、特定量の2級ジ
オールを使用するため反応の制御が容易であり、得られ
る樹脂は適度の耐衝撃性を有している。このため、該樹
脂を使用したトナーは長期の機械的、形態的安定性を有
したものとなる。
このように発明は電気的、磁気的潜像を現像するとき
などに使用するトナー分野に大きな貢献をもたらすもの
であり、その意義は大きい。
以下に本発明を実施例を挙げて具体的に説明する。
尚、実施例中「部」及び「%」は全てモル基準である。
実施例1〜5 3価以上のカルボン酸、芳香族ジカルボン酸、脂環式
ジオール、及びその他のジオール成分より選ばれた単量
体を蒸留塔を有するオートクレーブに仕込み、エステル
化反応せしめた後、酸成分に対し500ppmの三酸化アンチ
モンを加え3トルの真空下でグリコールを系外に除去し
ながら重縮合を行い、第1表に示すごとき架橋ポリエス
テルを得た。
次いで、得られた架橋ポリエステルにカーボンブラツ
クを加えて混練、冷却、粉砕、分級し、平均粒径10〜13
μmの粒子よりなる本発明のトナーを得た。
架橋ポリエステル中の各単位の組成、ガラス転移温
度、軟化温度、並びにトナーの最低定着温度、及びオフ
セツト発生温度について調べた。
各単位の組成は常法に準拠し加水分解した架橋ポリエ
ステルを液体クロマトグラフ及びガスクロマトグラフに
より定めた。
ガラス転移温度は、DSC(示差走査熱量計)を用い
て、窒素雰囲気下で昇温速度5℃/分の等速昇温下で測
定した時のチヤートのベースラインとガラス転移温度近
傍の吸熱カーブの接線との交点の温度として求めた。測
定サンプルは100℃で10分間加熱し、ドライアイスで急
冷したものを用いた。
軟化温度は、島津製作所(株)製フローテスターCFT
−500を用いて、1mmφ×1mmのノズル、荷重30kgf、昇温
速度3℃/分の等速昇温下で測定し、サンプル1gを用
い、その半量が流れだした時点の温度として求めた。
酸価はベンジルアルコール中で、指示薬としてメチル
オレンジを用い、N/50KOH−ベンジルアルコール溶液で
中和滴定して算出した。
最低定着温度は前述のテープ剥離法に基づいて行つ
た。つまり、トナーの定着率はセロテープ(ニチバンN
o.405)を添付後、剥離し、その前後のトナーの濃度を
反射型濃度計(マクベス社製)で測定し、その比率でも
つて定着率とし、最低定着温度は定着率が90%に達した
ときの温度とした。
オフセツト発生温度の測定は、最低定着温度の測定に
準じてトナー像を転写して上述の定着機により定着処理
を行い、次いで白紙の転写紙を同様の条件下で定着機に
送つて、これにトナー汚れが生ずるか否かを観察する操
作を、前述の定着機の熱ローラの温度を順次構成させた
状態で繰り返すことにより行い、トナー汚れが生じたと
きの熱ローラの最低の温度を持つてオフセツト発生温度
とした。
実施例6〜9 3価以上のアルコールを架橋剤として用いた以外は実
施例1〜5と同様の方法でポリエステル樹脂を得た。結
果を第2表に示した。
比較例1〜2 脂環式ジオールを用いなかつた以外は実施例1〜9と
同様の方法でポリエステル樹脂を得た。結果を第3表に
示した。
各単位の含有量は全酸単位に対するものである。
〔発明の効果〕
以上述べた様に、本発明のトナー用架橋ポリエステル
樹脂を使用する事により、優れた低温定着性、非オフセ
ツト性及び耐ブロツキング性を有するバランスのとれた
トナーを得る事が可能となり、この意義は大である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 伊藤 弘一 愛知県名古屋市東区砂田橋4丁目1番60 号 三菱レイヨン株式会社商品開発研究 所内 審査官 天野 宏樹 (56)参考文献 特開 昭62−295068(JP,A) 特開 昭60−98444(JP,A) 特開 昭63−68852(JP,A) 特開 平3−54574(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08G 63/00 - 63/91 G03G 9/08 CA(STN) REGISTRY(STN)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(a)全酸単位に対して1〜30モル%の3
    価以上の多価アルコール単位及びまたは3価以上の多価
    カルボン酸単位、 (b)全酸単位に対して1〜60モル%の少なくとも一方
    が2級アルコールである脂環式ジオール単位、 (c)全酸単位に対して40〜100モル%の芳香族ジカル
    ボン酸単位、 (d)全酸単位に対して40〜99モル%の脂環式でないジ
    オール単位 からなる非線状重縮合体であって、酸価が0.5〜25mgKOH
    /g、ガラス転移温度が50〜80℃、軟化温度が145℃以
    下、定着温度幅が30℃以上及び軟化温度とガラス転移温
    度の差が75℃以下であるトナー用架橋ポリエステル樹
    脂。
JP02148375A 1989-07-17 1990-06-06 トナー用架橋ポリエステル樹脂 Expired - Lifetime JP3020557B2 (ja)

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JP18437389 1989-07-17

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