JP3019865U - 刈り払い機用回転刃 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 切り刃の破損を防止するとともに、回転刃の
切断能力を高めることである。 【構成】 刈り払い機用回転刃（１）において、円板
（２）の外周縁に形成された多数のＶ字状の溝（４）の
片側に切り刃（３）を固定し、隣り合う両切り刃（３）
の間で円板（２）の外周縁に山（７）を一体的に形成す
ることにより、円板（２）の最大外径（Ｄ）を切り刃
（３）の最大外径（ｄ）よりも大きくし、さらに切り刃
（３）の刃先（８）を円周方向に沿って異なる向きに交
互に、かつ切り刃（３）の逃げ面（９）に対して鋭角と
しながら円弧状に形成する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の技術分野】

本考案は、原動機付の刈り払い機に取り付けられる回転刃の改良に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来のこの種の回転刃は、円板のＶ字状の溝の片側部分で、単純な切り刃を備 えており、その切り刃は、円板の外周よりも大きく形成されている。このため、 刈り払い時に、切り刃が石などに当たって、破損することが多く、またその破損 した部分が作業者に当たったときなど、危険が多い。また、従来のほとんどの切 り刃のほとんどは、円板に対して同じ姿勢で固定されており、またすくい角度も 大きなものとなっているため、回転刃の回転速度を高くして使用しなければ、硬 い雑草や柔軟な雑草に対しても充分な切れ味が確保できなかった。

【０００３】

【考案の目的】

本考案の目的は、切り刃の破損を防止するとともに、回転刃の切断能力を高め ることである。

【０００４】

【考案の解決手段】

上記目的の下に、本考案は、刈り払い機用回転刃において、円板の外周縁に形 成された多数のＶ字状の溝の片側に切り刃を固定し、隣り合う両切り刃の間で円 板の外周縁に山を一体的に形成することにより、円板の最大外径を切り刃の最大 外径よりも大きくし、さらに切り刃の刃先を円周方向に沿って異なる向きに交互 に、かつ切り刃の逃げ面に対して鋭角としながら円弧状に構成している。

【０００５】 切り刃の最大外径が円板の最大外径よりも小さくなっているため、刈り払い時 に、切り刃が石などに直接当たらなくなり、切り刃の破損が従来のものよりも低 く抑えられる。また、切り刃が円周沿って交互に異なる向きに形成されているた め、硬い雑草や柔軟な雑草に対しても低い回転速度で充分な切断能力が確保でき る。また、円板の円周方向に沿ってＵ字状の孔が形成されていると、この部分で 刈り払い時の円板の衝撃が吸収でき、またこの部分に雑草などが入り込んで絡み つかないため、円板の割れや破損が未然に防止できる。

【０００６】

【実施例】

図１、２、３は、本考案の刈り払い機用回転刃１を示している。この刈り払い 機用回転刃１は、工具鋼板製の円板２と、この円板２の外周に固定された超硬質 合金製の切り刃３とによって構成されている。円板２は、外周縁に多数のＶ状の 溝４を回転方向にやや傾斜した状態で形成しており、また中心に取り付け孔５を 有し、この中心の取り付け孔５から外周に至る中間部分で円周方向に沿って軽量 化および衝撃吸収用の丸またはＵ字状の孔６を一体的に形成している。

【０００７】 切り刃３は、溝４の部分で、回転方向に向き合う側に固定されている。ここで 隣り合う切り刃３の間で、円板２の外周部分に、山７が一体的に形成されている ため、円板２の最大外径Ｄは、切り刃３の最大外径ｄよりも大きく設定されてい る。

【０００８】 そして、上記切り刃３の刃先８は、円板２の円周方向に沿って異なる向きに交 互に形成されており、またその刃先８の外側先端の角度は、外側の逃げ面９に対 して鋭角となっている。さらに、刃先８は、先端部分で鋭角を形成しながら円弧 状として形成されている。

【０００９】 この刈り払い機用回転刃１が刈り払い機に取り付けられて、図１で反時計方向 に回転したとき、多数の切り刃３は、雑草を溝４の内部に誘導しながら、刃先８ によって切断する。このとき、円板２の山７の部分での最大外径Ｄが切り刃３の 最大外径ｄよりも大きく設定されているため、切り刃３は、石などの硬い障害物 に当たりにくく、したがって、切り刃３の破損は、従来のものよりも低く抑えら れる。

【００１０】 また、刃先８が円周方向に沿って異なる向きに交互に形成されていて、切り刃 ３毎に雑草などの切断位置が異なってくるため、先行の切り刃３である雑草が切 り損なったとしても、それに続く後行の切り刃３によって異なる位置で切断動作 が行われる。この結果、硬い雑草や柔軟な雑草に対しても切り残しなく、刈り払 い動作が行えることになる。

【００１１】 しかも、刃先８が先端で鋭角を形成しながら円弧状のものとして形成されてい るため、溝４の内部に入り込んだ雑草に対して鋭い切り刃角度となって、雑草を 切り込んでいく。したがって、結果的に、円板２の回転速度が従来のものよりも 低くても、充分な刈り払い機能が確保できる。

【００１２】

【考案の効果】

本考案では、切り刃の最大外径が円板の最大外径よりも小さいため、刈り払い 動作時に、切り刃が保護されること、また切り刃が円周方向で異なる向きに交互 に形成されており、また切り刃が鋭角を形成しながら円弧状に形成されているた め、従来のものよりも切断能力が向上しており、これによって、結果的に円板の 回転速度が低くても、充分な刈り払い機能が確保できること、また円板に形成さ れたＵ字状の孔が雑草の入り込みを防止しながら切断時の衝撃を吸収するため、 円板の割れなどが未然に防止できることなどの効果が得られる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の刈り払い機用回転刃の正面図である。

【図２】円板に対する切り刃の取り付け部分の一部の拡
大正面図である。

【図３】円板に対する切り刃の取り付け状態の展開図で
ある。

【符号の説明】

１ 刈り払い機用回転刃 ２ 円板 ３ 切り刃 ４ 溝 ５ 取り付け孔 ６ 孔 ７ 山 ８ 刃先 ９ 逃げ面

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 円板（２）の外周縁に形成された多数の
   Ｖ字状の溝（４）の片側に切り刃（３）を固定し、隣り
   合う両切り刃（３）の間で円板（２）の外周縁に山
   （７）を一体的に形成することにより、円板（２）の最
   大外径（Ｄ）を切り刃（３）の最大外径（ｄ）よりも大
   きくし、さらに切り刃（３）の刃先（８）を円周方向に
   沿って異なる向きに交互に形成してなることを特徴とす
   る刈り払い機用回転刃（１）。
2. 【請求項２】 円板（２）の外周縁に形成された多数の
   Ｖ字状の溝（４）の片側に切り刃（３）を固定し、隣り
   合う両切り刃（３）の間で円板（２）の外周縁に山
   （７）を一体的に形成することにより、円板（２）の最
   大外径（Ｄ）を切り刃（３）の最大外径（ｄ）よりも大
   きくし、さらに切り刃（３）の刃先（８）を円周方向に
   沿って異なる向きに交互に、かつ切り刃（３）の逃げ面
   （９）に対して鋭角としながら円弧状に形成してなるこ
   とを特徴とする刈り払い機用回転刃（１）。
3. 【請求項３】 円板（２）に円周方向に沿って多数のＵ
   字状の孔（６）を形成してなることを特徴とする請求項
   １または請求項２記載の刈り払い機用回転刃（１）。