JPH056740Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は、草刈り用刈払機の刈刃の分野に関す
るものである。

［従来の技術］ 従来稲刈機等の回転刃として、特公昭44−8814
号公報のものと、刈払機用丸鋸として、特開昭61
−31013号公報のものが開示されていた。

［考案が解決しようとする課題］ 従来開示の特公昭44−8814号公報のものは、円
盤状回転刃として、斜状刃が形成されているが、
これらの刃は外周部全体に形成されていた。

従つて刈り込み初動作に回転時の負荷が大きか
つた。

さらに従来開示の特開昭61−31013号公報のも
のは、軸穴の中心を通る直線上の頂部から若干降
下した部分に主鋸刃が刃付けされていることと、
円弧部分の全体に刃が隈なく刃付けされていた。
従つて刈取り時の負荷がきわめて大きかつた。

しかるに本考案は各円弧部分の中、大きい形状
の刃部と、小さい形状の刃部に、さらに切欠部と
を形成し、小さい形状の刃部群によつて、草刈り
時の初期動作である切り込みをきわめて容易に
し、大きい形状の刃部群によつて刈取りをきわめ
て容易にしたものである。

［課題を解決するための手段］ 本考案は、中央部に軸穴を有する刈払機の板状
回転刃において、軸穴の中心を通る同一長さの交
叉状直線上の頂部より所定の長さだけ中心に寄つ
た底部を求めると共に、頂部と底部とを円弧状に
結び、軸穴の中心を通る交叉状直線の頂部及び底
部の直線部分とによつて複数個に仕切り、各円弧
の外側面を切欠部とし、軸穴の中心より最も長い
頂部より最も短い頂部までの約２分の１または３
分の２程度の円弧部分の刃付けを、最も長い頂部
より２分の１程度の円弧部分の刃部を大きい形状
の刃部とし、他の円弧部分の刃付けは小さい形状
の刃部を形成し、前記刃部の裏面部を研磨せし
め、前記刃付けが施されなかつた部分は切欠部と
したことを特徴とする草刈り用刈払機の刈刃であ
る。

［作用］ 本考案の刈刃を構成する各円弧部には、大きい
形状の刃部群と、小さい形状の刃部群と、刃が形
成されていない切欠部の３つの部分から形成され
ており、回転方向は刃がない切欠部より小さい形
状の刃部群へ、さらに大きい形状の刃部群へと、
いわゆる「なで切り」状態となるように回転する
ことを条件としている。

そのため草刈り作業時においては、小さい形状
の刃部群が草木に対し切り込みを入れて刈刃の回
転をスムーズとなし、さらに大きい形状の刃部群
で刈り取るようにしたものである。

さらに本考案は、上述のように、頂部の短い円
弧の外周部の刃付けを小さい形状の刃部として、
頂部の長い円弧の外周部の刃付けを大きい形状の
刃部としたので、エンジンの回転を１分間で5000
〜7000回転の、いわゆる低速〜中速回転でも十分
刈り取りができる。従つて手が触れる職業病に
かゝりにくいものである。

本考案の板状刈刃が刈払機の先端部に軸着して
草刈り作業を行ない、刃部の刃先が損傷して切れ
味が悪くなつたら、刈刃を取外し、刈刃の裏面部
中、刃部の部分だけを家庭用グラインダー等で研
削してやる。その結果損傷していた刃部が研削さ
れて切れ味のよいとされる刃部が再生できる。

以上のように、刈刃の切れ味が悪くなつたら刈
払機から取外し、刃部の裏面部だけをグラインダ
ーで研削すれば、何度でも本考案の刈刃は使用で
きる。

［実施例］ 本考案の実施例を図面に依拠して説明する。図
面において、１は回転式板状刈刃ａを構成する中
央部に形成した軸穴、２は外周部に形成した鋸刃
形状の刃部であつて、以下の構成からなつてい
る。すなわち軸穴１の中心３を通る同一長さの２
本の交叉状直線４の頂部５より所定の長さだけ中
心３に寄つた底部６を求め、頂部５と底部６とを
円弧に結んでやる。そして頂部５と底部６との間
に形成された直線部分７′と、さらに円弧部分７
との間の外側面を切欠して切欠部８を形成する。
上述の円弧部分７のうち、軸穴１の中心より最も
長い頂部より最も短い頂部方向に、刈刃ａの表面
部９に鋸刃形状の刃部２を所定の長さだけ形成す
る。通常中間部分には大きい形状の刃部２を、左
右両側部分には比較的小さい形状の刃部２を形成
する。１０は刃先、１１は刈刃ａの裏面部であ
る。なお、上述した刃部２だけを有する替刃部ｂ
を別設せしめ、止め具１２を介して取替えができ
るようにしてもよい。従つて本考案においては、
刃部２を鋸刃形状を以て形成したので、裏面部１
１は平面状である。以上が刃部２の構成である
が、刃部の形状を上述の如き形状以外に形成する
場合もある。また図面上、刃部２の形成は４個所
となつているが限定するものでない。１３は連結
杆、１４はこの杆１３に取着した握り部１５付き
ハンドル、１６はエンジンである。

［考案の効果］ 本考案は以下に示す効果を奏する。

(1) 刈刃の形状を、頂部と底部との直線部分と、
円弧部分との外側面を切欠して切欠部を形成
し、切欠部と切欠部との間に形成された円弧部
分のうち、約２分の１〜３分の１の円弧部分
に、最も長い頂部より漸次短い頂部に行くに従
つて、最初大きい形状の刃部を、次に小さい形
状の刃部を夫々連続して刃付けせしめたので、
刈り取り作業等において、小さい形状の刃部が
刈り込みを行い、つづいて大きい形状の刃部が
刈り取りを行うようにしたので、エンジンの回
転力を5000〜7000回転の、いわゆる低、中速回
転で十分きれいに草木の刈り取りができると共
に、作業者がかゝりやすい手のふるいによる職
業病を惹起せしめることが全く存しない、すぐ
れた利点を有しているものである。

(2) さらに本考案は、刈刃を構成する円弧部分の
中、切欠部には刃部が形成されていないので、
刈刃の回転が低速や中速のときでも、草等がか
らみつかない利点を有していることと、切欠部
にまで刃部を形成しないので、製作費用も節減
できる利点を併有している。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案草刈り用刈払機の刈刃を軸着し
た状態の刈払機の斜面図、第２図は同刈刃の表面
を示す図、第３図は同刈刃の裏面を示す図、第４
図は要部の一部切欠拡大表面図、第５図は替刃式
の刈刃の表面を示す図、第６図はＡ〜Ａ線の拡大
縦断面図である。 ａ……刈刃、１……軸穴、２……刃部、３……
中心、４……直線、５……頂部、６……底部、７
……円弧部分、７′……直線部分、８……切欠部、
９……表面部、１０……刃先、１１……裏面部、
１２……止め具、１３……連結杆、１４……ハン
ドル、１５……握り部、１６……エンジン、ｂ…
…替刃部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 中央部に軸穴を有する刈払機の板状回転刃にお
   いて、軸穴の中心を通る同一長さの交叉状直線上
   の頂部より所定の長さだけ中心に寄つた底部を求
   めると共に、頂部と底部とを円弧状に結び、軸穴
   の中心を通る交叉状直線の頂部及び底部の直線部
   分とによつて複数個に仕切り、各円弧の外側面を
   切欠部とし、軸穴の中心より最も長い頂部より最
   も短い頂部までの約２分の１または３分の２程度
   の円弧部分の刃付けを、最も長い頂部より２分の
   １程度の円弧部分の刃部を大きい形状の刃部と
   し、他の円弧部分の刃付けは小さい形状の刃部を
   形成し、前記刃部の裏面部を研磨せしめ、前記刃
   付けが施されなかつた部分は切欠部としたことを
   特徴とする草刈り用刈払機の刈刃。