JP3019011B2 - 半導体装置の製造方法 - Google Patents

半導体装置の製造方法

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JP3019011B2 JP8303739A JP30373996A JP3019011B2 JP 3019011 B2 JP3019011 B2 JP 3019011B2 JP 8303739 A JP8303739 A JP 8303739A JP 30373996 A JP30373996 A JP 30373996A JP 3019011 B2 JP3019011 B2 JP 3019011B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は半導体装置の製造のため
にシリコン半導体にP形不純物としてのアルミニウム
(Al)を拡散させる方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の一般的な方法でシリコン半導体に
P形半導体領域を形成する場合には、ホウ素(B)即ち
ボロンを熱拡散させる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、ボロンを使用
してシリコン半導体基板に例えば1015cm-3オーダの
ような比較的低不純物濃度のP形半導体領域を数10μ
m以上の深さに形成する場合には、1200℃以上の高
温で例えば100時間程度の長時間の拡散処理が必要に
なる。拡散処理時間の短縮を図るためにボロンよりも拡
散係数の大きいアルミニウム(Al)をP形不純物とし
て使用することが考えられる。アルミニウムの拡散方法
として、シリコン半導体の表面にアルミニウムを蒸着し
てアルミニウム層を形成し、これを不純物源としてシリ
コン半導体にアルミニウム拡散層を形成する方法と、ア
ルミニウムをイオン注入する方法とがある。しかし、前
者の方法では製造プロセスが複雑になり、後者の方法で
は製造装置がコスト高になる。
【0004】そこで、本発明はP形半導体領域を短時間
且つ容易に形成することができる方法を提供することを
目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の第1番目の発明は、Al(アルミニウム)とAlよりも原
子量及び原子番号が小さいB(ホウ素)、C(炭素)及びN(窒
素)から選択された1つとから成るアルミニウム化合物
の粉末と有機溶剤との混合物から成る液状不純物源を用
意する工程と、前記液状不純物源をシリコン半導体の表
面に塗布する工程と、アルミニウムの拡散温度よりも低
い温度で前記液状不純物源を加熱して前記有機溶剤を蒸
発させ、前記シリコン半導体表面に前記アルミニウム化
合物の層を形成する工程と、前記アルミニウム化合物の
層を表面に有する前記シリコン半導体を加熱してアルミ
ニウムを前記シリコン半導体に拡散し、P形半導体領域
を形成する工程とを有している半導体装置の製造方法に
係わるものである。また第2番目の発明は、耐熱性を有
する板状基体に, アルミニウム(Al)とB(ホウ
素)、C(炭素)及びN(窒素)とから選択された1つ
とから成るアルミニウム化合物の粉末と有機溶剤との混
合物から成る液状不純物源を付着させ、しかる後前記有
機溶剤蒸発させて前記アルミニウム化合物が付着した不
純物源板状基体を得る工程と、シリコン半導体のアルミ
ニウムを拡散する表面と前記不純物源板状基体の表面と
を対向させて加熱炉に収容し、前記不純物源板状基体及
び前記シリコン半導体を加熱し、前記不純物源板状基体
からアルミニウム又はアルミニウム化合物を外に放出さ
せてアルミニウムを前記シリコン半導体に拡散し、P形
半導体領域を形成する工程とを有している半導体装置の
製造方法に係わるものである。なお、請求項3に示すよ
うに板状物体を多孔質物体とすることが望ましい。ま
た、有機溶剤はアルコール系、又はエーテル系、又はエ
ステル系の有機溶剤であることが望ましい。
【0006】
【発明の作用及び効果】各請求項の発明によれば、アル
ミニウムとホウ素、炭素及び窒素から選択された1つと
から成るアルミニウム化合物の粉末と有機溶剤との混合
物から成る液状不純物源を塗布して拡散するという簡単
な製造方法によって表面不純物濃度が1015cm-3オー
ダのような比較的低不純物濃度のP形半導体領域を短時
間で形成することが可能になる。即ち、従来のアルミニ
ウムの蒸着層を不純物源とする方法、又はイオン注入法
に比較して簡単な製造プロセスによって低コストにP形
半導体領域を形成することができる。また、請求項2の
発明によれば、不純物源と半導体とを対向させて拡散を
進めるので、PN接合界面の平坦性が良くなる。また、
請求項3の発明によれば、多孔質物体によってアルミニ
ウム化合物を十分に保持することができ、不純物を安定
的に十分供給することが可能になる。
【0007】
【第1の実施例】次に、図1〜図3を参照して本発明の
第1の実施例の半導体装置の製造方法を説明する。
【0008】まず、図1に示すN形のシリコン半導体基
板1を用意すると共に、Al(アルミニウム)とB(ホ
ウ素)との金属間化合物であるAlB2 の粉末とアルコ
ール系有機溶剤(溶媒)との混合物から成る液状不純物
源を用意する。
【0009】次に、液状不純物源を周知のスピンナー法
によって半導体1の一方の主表面上に均一に塗布して液
状不純物源2を形成する。
【0010】次に、図1に示すものをホットプレート
(ヒートプレート)上に配置し、Alの拡散温度よりも
低い150℃程度に加熱し、溶剤を蒸発させて図2に示
すように半導体基板1の上にAlB2 層2aを残存させ
る。
【0011】次に、図2に示すものを石英又は炭化珪素
等のホルダー(図示せず)にセットして周知の拡散炉
(図示せず)に入れ、窒素ガス単体又は窒素ガスと酸素
ガスの混合物を流した雰囲気で約1260℃、約3時間
の加熱処理を施し、N形の半導体基板1にAlを拡散す
る。これにより、表面不純物濃度が約1×1015
-3、深さが約40μmのP形半導体領域3が形成され
る。なお、AlB2 は加熱処理によってAlとBに解離
し、Bの一部もP形不純物として半導体基板1に拡散す
る。
【0012】上述から明らかなように本実施例ではAl
2 粉末を含む液状不純物を塗布し、乾燥し、拡散する
という簡単な製造工程によって低不純物濃度のP形半導
体領域3を短時間で形成することができる。なお、P形
半導体領域3はダイオードのアノード領域又はトランジ
スタのベース領域、FETのチャネル領域等として使用
することができる。
【0013】
【第2の実施例】次に、図4を参照して第2の実施例の
半導体装置の製造方法を説明する。この実施例において
も第1の実施例と同様にN形半導体基板1を用意すると
共に、AlB2 とアルコール系溶剤とから成る液状不純
物源を用意する。
【0014】次に、アルミニウムの拡散温度よりも高い
融点を有する耐熱性多孔質セラミックから成る板状基体
を用意し、この板状基体4に液状不純物源を塗布又は含
浸させ、しかる後、約150℃で加熱して溶剤を蒸発さ
せ、AlB2 のみを付着させた不純物源板状基体4を作
る。
【0015】次に図4に示すように石英又は炭化珪素か
ら成るホルダー5に不純物源板状基体4と半導体基板1
とをこれ等の主表面が互いに対向するように平行にセッ
トして周知の拡散炉(図示せず)に入れ、窒素ガス単体
又は窒素ガスと酸素ガスとの混合物を流した雰囲気で、
約1260℃、約3時間の加熱処理を施し、不純物源板
状基体4からAlをアウトディフュージョンさせ、Al
を半導体基板1に拡散させてP形半導体領域3を形成す
る。図4のP形半導体領域3の表面不純物濃度は約1×
1015cm-3、拡散の深さは約40μmである。なお、
この第2の実施例でもAlB2 は加熱によって解離し、
AlとBになり、Alと共にBも半導体基板1に拡散す
る。
【0016】この第2の実施例においても不純物源板状
基体4を半導体基板1に対向させるという簡単な方法に
よってAl拡散領域から成るP形半導体領域3を形成す
ることができる。また、この方法ではPN接合の平坦性
が第1の実施例よりも良くなる。
【0017】
【変形例】本発明は上述の実施例に限定されるものでな
く、例えば次の変形が可能なものである。 (1) 拡散温度は1200℃以上の任意の温度にする
ことができるが、好ましくは1200〜1300℃の範
囲である。 (2) AlB2 の代りにAlとC又はNの金属間化合
物とすることができる。また、複数種の金属間化合物を
混合して使用することができる。 (3) 溶剤はアルコール系溶剤に限ることなく、エー
テル系、又はエステル系溶剤等を使用することができ
る。 (4) 各実施例の拡散時に、最初に窒素ガスを流し、
途中から窒素ガスと酸素ガスの混合物を流すことができ
る。 (5) 多孔質セラミックの代りにアルミナ基板又はシ
リコン基板、又はSiO2 基板を使用し、これ等にAl
2 等の金属間化合物を含む液状不純物源を塗布して乾
燥させて溶剤を蒸発させ、これを不純物源板状基体とす
ることができる。 (6) 半導体基板1の表面の選択された領域のみにA
lを拡散する場合にも本発明を適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施例の半導体装置の製造方法を説明す
るものであって半導体基板と液状不純物源層とを示す断
面図である。
【図2】半導体基板とAlB2 層とを示す断面図であ
る。
【図3】N形半導体基板にP形半導体領域を形成した半
導体装置を示す断面図である。
【図4】第2の実施例の半導体装置の製造方法を説明す
るために半導体基板と不純物源板状基体とホルダーとを
示す断面図である。
【符号の説明】
1 半導体基板 2 液状不純物源層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−328845(JP,A) 特開 昭57−28327(JP,A) 特開 昭56−8819(JP,A) 特開 昭57−85224(JP,A) 特開 昭62−234320(JP,A) 特開 昭49−95567(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 21/22 - 21/24

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルミニウムとホウ素、炭素及び窒素か
    ら選択された1つとから成るアルミニウム化合物の粉末
    と有機溶剤との混合物から成る液状不純物源を用意する
    工程と、 前記液状不純物源をシリコン半導体の表面に塗布する工
    程と、 アルミニウムの拡散温度よりも低い温度で前記液状不純
    物源を加熱して前記有機溶剤を蒸発させ、前記シリコン
    半導体の表面に前記アルミニウム化合物の層を形成する
    工程と、 前記アルミニウム化合物の層を表面に有する前記シリコ
    ン半導体を加熱してアルミニウムを前記シリコン半導体
    に拡散し、P形半導体領域を形成する工程とを有してい
    ることを特徴とする半導体装置の製造方法。
  2. 【請求項2】 耐熱性を有する板状基体に、アルミニウ
    ムとホウ素、炭素及び窒素から選択された1つとから成
    アルミニウム化合物の粉末と有機溶剤との混合物から
    成る液状不純物源を付着させ、しかる後前記有機溶剤を
    蒸発させて前記アルミニウム化合物が付着した不純物源
    板状基体を得る工程と、 シリコン半導体のアルミニウムを拡散する表面と前記不
    純物源板状基体の表面とを対向させて加熱炉に収容し、
    前記不純物源板状基体及び前記シリコン半導体を加熱
    し、前記不純物源板状基体からアルミニウム又はアルミ
    ニウム化合物を外に放出させてアルミニウムを前記シリ
    コン半導体に拡散し、P形半導体領域を形成する工程と
    を有していることを特徴とする半導体装置の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記板状基体は多孔質物体であることを
    特徴とする請求項2記載の半導体装置の製造方法。
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