JP3018809U - 簡易着脱壁紙 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 一般消費者でも容易に施工が可能で、また簡
易に剥がして再利用することが可能な壁紙を提供するこ
とにある。 【構成】 簡易着脱壁紙は、塩化ビニル樹脂製、紙製等
の壁紙により形成されている。この簡易着脱壁紙は、裏
面がマイクロポーラスな連続気泡構造を有する粘着シー
トで構成されている。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は接着剤を使用することなしに安易に施工が可能で、かつ改装時にも容 易に剥離可能な簡易着脱壁紙に関する。

【０００２】

【従来の技術】

現在市販されている壁紙は、大別して次の２種がある。 （１）第１には、施工時に接着剤を塗工して施工するもので、大部分がこのタイ プに属する。 （２）第２には、予め壁紙の裏面に接着剤が塗工されており、施工時に離型紙を 剥がして施工するタイプである。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、上記２つの従来技術には、次のような課題がある。 （１）一度施工したものを剥がして再利用することができない。 （２）施工に技術を必要とし、一般消費者が容易に接面加工することができない 。 近年、リホーム需要の増大に伴い、一般消費者が自分で部屋の壁紙を張り替え るケースが増えているが、現行品では、かなり器用な人でないとうまく張れない のが実情である。

【０００４】 本考案は、上記事情に鑑みてなられたもので、その目的は、一般消費者でも容 易に施工が可能で、また簡易に剥がして再利用することが可能な壁紙を提供する ことにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

この課題を解決するために、本考案者は、次の処方を考案した。 （１）第１の手段として、剥がすときには剥がし易く、また接着剤が壁面に残ら ないようにするために、粘着力の低い粘着剤を採用する。

【０００６】 （２）第２の手段として、密着力を強くして通常の状態では剥がれないようにす るために、次のように、タコの吸盤の原理を応用することにした。 即ち、壁紙の接着面（裏面）に、マイクロポーラスな連続気泡構造を有するフ ィルム、又は不織布等のシート状物を採用し、粘着層をマイクロポーラスな連続 気泡構造を有するものとする。

【０００７】 （３）第３の手段として、粘着力の低い粘着剤で比較的高い固着力を得るために 、粘着剤の絶対量を多くする目的で第２の手段のシート状物に一定の厚み（３０ 〜１００μｍ）を有するものを採用することにより、粘着剤がシート状物の内部 に浸透する状態にする。 この場合、低粘度のものが望ましい。 以上、３つの手段の組み合わせによる粘着シート状物を壁紙の裏面に用いる処 方により、上記課題が解決することが判明した。

【０００８】

【作用】

上述したように、マイクロポーラスな連続気泡構造を有する低粘着性のシート 状物を壁紙の裏面に構成して作成された粘着壁紙は、次のような特性があること が判明した。

【０００９】 （１）壁と壁紙との界面に連続気泡構造の粘着層があり、かつこの粘着層が適度 の弾性を有する構造となっている。 従って、ハンドロール等を用いて圧着するだけでかなりの強度の密着力が得ら れる。

【００１０】 （２）粘着剤のタック力（粘着力）を低位に設定していることから、一度張った 壁紙を容易に剥がすことが可能である。 また、壁紙を剥がした後に、粘着剤が残らない。

【００１１】 以上の結果、本考案の壁紙については、次の特徴が確認された。 施工に失敗しても、剥がして再施工が可能である。 施工時に、糊等の接着剤を使用せずに張れる。 従って、本考案によれば、一般の消費者でも容易に施工が可能な壁紙を提供し 得ることとなった。

【００１２】

【実施例】

以下、本考案を実施例により添付図面を参照して詳述する。 図１は、本考案に係る簡易着脱壁紙の実施例を示す断面図である。 図示する実施例では、粘着シートとして高密度発泡ウレタンシートを使用し、 簡易着脱壁紙を、次のようにして、作成する。

【００１３】 （１）表材Ｃの作成 初めに、一般壁紙用の裏打ち紙Ａ（コージン製、５０ｇ／ｍ² ）上に、予め作 成した塩化ビニル壁紙用ペーストをナイフコーターでコート厚１００μｍ〜１５ ０μｍにコーティングし、１７０°Ｃ×５０秒の条件下で熱風乾燥することによ り、表層基材Ｂを作成する。

【００１４】 次に、この表層基材Ｂ上に、グラビア印刷機で織物調等の所定の柄を印刷し、 エンボスロールにかけて表面に適度の凹凸加工を施すことにより、表材Ｃを作成 する。

【００１５】 （２）粘着シートＥの作成 次いで、マイクロポーラスな連続気泡構造を有する厚さ７０μｍの高密度発泡 ウレタンシートに、ロールコーターでＴｇ５０のウレタン樹脂系の低タック粘着 剤（大日本インキ製）を３０ｇ／ｍ² 量コーティングし、熱処理後離型フィルム Ｄを介して捲き上げ連続気泡構造の粘着シートＥを作成する。

【００１６】 （３）簡易着脱壁紙Ｇの作成 次に、先に作成した表材Ｃの裏面に接着剤Ｆを塗工し、ロールラミネーターで 粘着シートＥの非粘着剤塗工面とドライラミネートし、簡易着脱壁紙Ｇを作成す る。

【００１７】 尚、粘着シートＥの作成にあたって、粘着剤を塗工するシートは、マイクロポ ーラスな連続気泡構造のものであれば、乾式不織布でもよいし、他のフィルムで もよい。

【００１８】

【考案の効果】

以上の処方により作成された壁紙を、施工時に必要な寸法に裁断し、離型フィ ルムを剥がしながら粘着面を壁側に圧着することにより、極めて容易に施工する ことができる。 また、張り損なった場合は、剥がして再び施工することが可能であることも判 明した。 この結果、従来は、専門職人でしか施工し得なかった壁紙の張り加工が、本考 案の壁紙を使用すれば、一般消費者でも容易に施工し得るものとなった。

【００１９】

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の実施例を示す断面図である。

【符号の説明】 Ａ 一般壁紙用裏打ち紙 Ｂ 塩化ビニル樹脂を主成分とする表層基材 Ｃ 壁紙表材 Ｄ 離型フィルム Ｅ 粘着シート Ｆ 接着剤層 Ｇ 簡易着脱壁紙

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 塩化ビニル樹脂製、紙製等の壁紙におい
   て、 裏面がマイクロポーラスな連続気泡構造を有する粘着シ
   ートで構成されたことを特徴とする簡易着脱壁紙。