JP2004277530A - 粘着シート及び粘着シートの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】剥離材と、粘着剤層と、シート基材と、を順次に備えた粘着シートおよびその製造方法において、剥離材上に、粘着剤層に対して剥離程度が異なる複数の剥離部が設けてあるとともに、剥離材を剥離する際に、粘着剤層の一部が糸引きして、糸引き部が形成されるか、あるいは、粘着剤層の表面に予め糸引き部を形成しておくことを特徴とする。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、粘着シート及び粘着シートの製造方法に関し、特に、粘着シートの貼り付け位置を容易に調整等することができる一方、粘着剤層の凹凸パターンに影響されて、装飾的な商品価値が低下するおそれが少ない粘着シート及びそのような粘着シートの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、窓、建物、自動車、バス等に貼り付けて使用される粘着シートは、基本的に、剥離材と、粘着剤層と、シート基材と、を順次に積層して、構成されている。そして、かかる粘着シートの寸法が、マーキングフィルム(装飾用フィルム)や飛散防止フィルム等の大型になるほど、被着体に貼り付ける際に空気を巻き込みやすく、いわゆるエアがみを生じるという問題が見られた。また、粘着シートの貼り付け位置を誤った場合、従来の粘着シートでは、貼り直しが困難であるという問題が見られた。
そのため、粘着シートを被着体に貼付した後に、エアがみ部分に針等で小穴を開け、巻き込んだ空気を外部に取り出しているが、粘着シートを傷めたり、貼り付け作業に過度に時間を要するなどの問題が見られた。
【0003】
そこで、粘着層913と被着体との間に巻き込まれた空気を外部に逃がしやすくする一方、貼り直しが容易であるように、図8に示すような剥離紙915および粘着層913の表面に、所定の凸部914を設けた構造の粘着加工シート910が知られている。すなわち、表面シート体911と、散点状に配置された独立した多数の小凸部914を有する粘着層913と、この多数の小凸部914に対応して密着する散点状に配置された独立した多数の小凹部912を有する剥離紙915とから構成し、小凸部914は粘着層913の基本平坦面から突出し、小凸部914の高さ寸法Hを3〜50μmの範囲に設定した粘着加工シート910が開示されている(実用新案文献1参照。)。
【0004】
【実用新案文献1】
実用新案登録第2503717号公報(図1)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、実用新案文献1に開示された粘着加工シート910は、粘着層913の表面に、多数の小凸部914が形成されているため、被着体に貼り付けた後に、表面シート体911を介して、粘着層913の小凸部914が外部から認識されやすいという問題が見られた。このため、かかる粘着加工シート910は、外観性に劣り、商品価値が低下しやすいという問題点があった。
そこで、本発明は、上記の問題点を解決して、空気の巻き込みが少ない一方、粘着シートの貼り付け位置を容易に調整することができ、しかも、粘着剤層の凹凸パターンに影響されて、装飾的な商品価値が低下するおそれが少ない粘着シートおよびそのような粘着シートを効率的に、安定して生産することができる製造方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、剥離基材および剥離部からなる剥離材と、粘着剤層と、シート基材と、を順次に備えた粘着シートであって、剥離基材上に、粘着剤層に対して剥離程度が異なる複数の剥離部が設けてあるとともに、剥離材を剥離する際に、粘着剤層の一部が糸引きしてなる糸引き部が形成される粘着シートが提供され、上述した問題点を解決することができる。
【0007】
また、本発明の粘着シートを構成するにあたり、糸引き部が、粘着剤層の剥離材側表面に、部分的に形成されることが好ましい。
【0008】
また、本発明の粘着シートを構成するにあたり、糸引き部が点在しており、当該糸引き部が規則パターンを有することが好ましい。
【0009】
また、本発明の粘着シートを構成するにあたり、剥離材を剥離する際に、糸引き程度が異なる複数の糸引き部が形成されることが好ましい。
【0010】
また、本発明の粘着シートを構成するにあたり、剥離材において、剥離基材上に、剥離剤を部分的に塗布することにより、粘着剤層に対する剥離程度を変えてあることが好ましい。
【0011】
また、本発明の粘着シートを構成するにあたり、剥離材において、剥離基材上に、剥離程度が異なる複数の剥離剤を塗布することにより、粘着剤層に対する剥離程度を変えてあることが好ましい。
【0012】
また、本発明の粘着シートを構成するにあたり、剥離材において、剥離基材上に、剥離剤の厚さを変えた状態で塗布することにより、粘着剤層に対する剥離程度を変えてあることが好ましい。
【0013】
また、本発明の別の態様は、剥離基材および剥離部からなる剥離材と、粘着剤層と、シート基材と、を順次に備えた粘着シートにおいて、粘着剤層の剥離材側表面に、粘着剤層の一部を糸引きしてなる糸引き部が設けてある粘着シートである。
【0014】
また、本発明の別の態様の粘着シートを構成するにあたり、剥離基材上に、粘着剤層に対して剥離程度が異なる複数の剥離部が設けてあるとともに、剥離材を剥離する際に、粘着剤層の一部が糸引きしてなる糸引き部が形成されることが好ましい。
【0015】
すなわち、本発明の粘着シートによれば、外部への気体除去通路を形成するための、あるいは気体除去通路の一部としての糸引き部が形成されるため、空気の巻き込みが少なくなる一方、仮に巻き込まれた場合であっても、空気を外部に対して容易に逃がすことができる。
また、本発明の粘着シートによれば、糸引き部を押圧して変形させる前であれば、当該糸引き部が被着体に対して点接触しているため、貼付位置を誤った場合であっても、容易に再調整することができる。
さらに、本発明の粘着シートによれば、粘着シートを剥離材から剥離する際に、変形しやすい糸引き部が形成されるため、貼付した後は、糸引き部が外部から認識されることがなく、装飾性の観点から商品価値が低下することを有効に防止することができる。
【0016】
また、本発明の別の態様は、剥離基材および剥離部からなる剥離材と、粘着剤層と、シート基材と、を順次に備えるとともに、剥離材を剥離する際に、粘着剤層の一部が糸引きして、糸引き部が形成される粘着シートの製造方法であって、下記工程(1)および(2)を含むことを特徴とする粘着シートの製造方法である。
(1)剥離基材上に、粘着剤層に対して剥離程度が異なる複数の剥離部を設けた剥離材を準備する工程
(2)剥離材上に、粘着剤層およびシート基材を積層する工程
【0017】
また、本発明の別の態様は、剥離基材および剥離部からなる第1の剥離材と、粘着剤層と、シート基材と、を順次に備えるとともに、粘着剤層の第1の剥離材側表面に、糸引き部が設けてある粘着シートの製造方法において、下記工程(1)〜(3)を含むことを特徴とする粘着シートの製造方法である。
(1)第1の剥離材とは異なる別の剥離材であって、粘着剤層に対して剥離程度が異なる複数の剥離部が設けてある第2の剥離材を準備し、その上に、粘着剤層およびシート基材を積層する工程
(2)第2の剥離材を剥離することにより、粘着剤層の表面に、粘着剤層の一部が糸引きされてなる糸引き部を形成する工程
(3)第1の剥離材を、糸引き部を設けた粘着剤層上に積層する工程
【0018】
すなわち、本発明の粘着シートの製造方法によれば、剥離材を剥離する際に、外部への気体除去通路等としての糸引き部が形成される粘着シートが効率的に提供されるため、空気の巻き込み性が少なく、貼付位置を容易に再調整することができ、さらには、貼付した後は、糸引き部が外部から認識されることが少なく、装飾性の観点から商品価値が低下しない粘着シートを効率的に製造することができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
[第1の実施形態]
第1の実施形態は、図1(a)および(b)に例示されるように、剥離基材110aおよび剥離部110b、110cからなる剥離材110と、粘着剤層130と、シート基材140と、を順次に備えた粘着シート100であって、剥離基材110a上に、粘着剤層130に対して剥離程度が異なる複数の剥離部110b、110cが設けてあるとともに、図4(b)に例示されるように、剥離材110を剥離する際に、粘着剤層130の一部が糸引きしてなる糸引き部122が形成される粘着シート100である。
以下、構成要件ごとに分けて、適宜図面を参照しながら、第1の実施形態に係る粘着シートについて詳細に説明する。
【0020】
1.剥離材
(1)剥離基材
図1(a)に例示される剥離基材110aにおいて、剥離部が形成される剥離基材110aとしては、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリウレタン等のプラスチックフィルムや、上質紙、ポリエチレンラミネート紙、グラシン紙等の、紙類からなるものが好適である。
また、剥離基材の厚さについても特に制限されるものではないが、例えば、10〜300μmの範囲内の値とすることが好ましい。
【0021】
(2)剥離部
また、図1(a)に例示されるように、剥離基材110aの表面であって、糸引き部(図示せず)を形成する側に、粘着剤層130に対して剥離程度が異なる複数の剥離部110b、110c、例えば、軽剥離部110bおよび重剥離部110cが設けてあることを特徴としている。
すなわち、剥離基材上に、シリコーンオイル、シリコーン樹脂、変性シリコーンオイル、変性シリコーン樹脂、フッ素樹脂、ポリエチレン樹脂等の複数の剥離剤を塗布したり、積層したりして、剥離処理を施すことにより、剥離程度が異なる剥離部を形成することができる。
また、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリテトラフロロエチレンフィルム、ポリエチレン含浸紙、およびポリエチレンラミネート紙等のように、それ自体が所定の剥離性を有する場合には、剥離剤処理を特にしないままでも、剥離部の一つを形成するのに好適に用いることができる。すなわち、所定の剥離性を有する剥離基材の表面に、単一の剥離剤を部分的に塗布することによっても、粘着剤層に対して剥離程度が異なる複数の剥離部を形成することができる。
【0022】
また、複数の剥離部における粘着剤層に対する剥離程度の差は、粘着剤層を構成する粘着剤の種類等にもよるが、例えば、表面エネルギーの差として、5〜50dyn/cmの範囲内の値とすることが好ましい。
この理由は、かかる表面エネルギーの差が5dyn/cm未満の値になると、糸引き部を精度良く形成することが困難になる場合があるためである。一方、かかる表面エネルギーの差が50dyn/cmを超えると、使用可能な剥離剤の種類等が過度に制限される場合があるためである。
したがって、複数の剥離部における表面エネルギーの差を10〜40dyn/cmの範囲内の値とすることがより好ましい。
【0023】
また、粘着剤層に対する剥離程度を変える手法についても特に制限されるものではないが、例えば、以下の手法を適宜組み合わせて複数の剥離部を形成することにより、粘着剤層に対する剥離程度を変えることが好ましい。
【0024】
▲1▼剥離剤の部分的塗布
図1(a)に例示されるように、所定の剥離性を有する剥離基材110a上に、剥離剤を部分的塗布(パターン塗布)することにより、剥離程度が異なる複数の剥離部110b、110cを形成することができる。
より具体的には、例えば、剥離基材110aとして、粘着剤層130に対して重剥離であるポリエチレンラミネート紙を用い、それに、粘着剤層130に対して軽剥離の剥離剤を、ポリエチレンラミネート紙の表面を一部露出させた状態で、部分的に塗布することにより、軽剥離部110bおよび重剥離部110cを容易に形成することができる。
【0025】
▲2▼複数の剥離剤の塗布
図5(a)に例示されるように、剥離基材210a上に、複数の剥離剤をそれぞれ部分的に塗布することにより、剥離程度が異なる複数の剥離部210b、210cからなる剥離材210を形成することができる。
より具体的には、例えば、剥離基材210aとして、ポリエステルフィルムを用い、それに、図5(a)に例示されるように、粘着剤層230に対して軽剥離の剥離剤と、重剥離の剥離剤とをそれぞれ部分的に塗布することにより、軽剥離部210bおよび重剥離部210cを容易に形成することができる。
したがって、図6(a)〜(c)に例示されるように、糸引き程度がそれぞれ異なる箇所222a、222bからなる糸引き部222を、剥離材210を剥離する際に、精度良く形成することができる。
【0026】
▲3▼剥離剤の厚さ
剥離基材上に、単一の剥離剤ではあるが、その塗布厚さを部分的に変えることにより、剥離程度が異なる複数の剥離部を形成することができる。
より具体的には、例えば、剥離基材として、ポリエステルフィルムを用い、それに、粘着剤層に対して単一の剥離剤を、第一段階としては全面的に塗布し、次いで、第二段階として、軽剥離部該当部にのみ、剥離剤を重ね塗布することにより、重剥離部および軽剥離部を容易に形成することができる。
【0027】
2.粘着剤層
(1)種類
図1(a)に例示される粘着剤層130に用いる粘着剤としては、公知のものを好ましく用いることができる。例えば、アクリル系粘着剤、天然ゴム又は合成ゴムからなるゴム系粘着剤、ウレタン系粘着剤、シリコーン系粘着剤等があげられる。これらの粘着剤は、有機溶剤に溶解した状態、エマルジョンの状態又はホットメルト型接着剤の溶融状態で塗工することができる。
なお、使用する粘着剤中には、用途によって、粘着付与剤や着色剤等を含有させてもよく、また、消泡剤、界面活性剤、酸化防止剤等の添加剤を添加してもよい。
【0028】
(2)厚さ
また、粘着剤層の厚さを5〜200μmの範囲内の値とすることが好ましい。
この理由は、かかる粘着剤層の厚さが5μm未満の値になると、粘着剤の粘着力が著しく低下したり、糸引き性が不十分になって、糸引き部を精度良く形成したりすることが困難になる場合があるためである。一方、かかる粘着剤層の厚さが200μmを超えると、得られる粘着シートの厚さが過度に厚くなったり、粘着シートを製造するのが困難になったりする場合があるためである。
したがって、粘着剤層の厚さを10〜100μmの範囲内の値とすることがより好ましい。
【0029】
3.シート基材
(1)種類
図1(a)に例示されるシート基材140としては、紙、金属箔、プラスチックフィルム、不織布などを好適に用いることができる。
このうち、プラスチックフィルムとしては、例えば、ポリエステルフィルム、塩化ビニルフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリエチレンフィルム、およびポリスチレンフィルム、合成紙等の各種のプラスチックフィルム等を好適に用いることができる。
なお、装飾性や情報性等の機能を付与するために、シート基材上に印刷を行ったり、文字、図形、記号、模様等からなる装飾部を設けたり、あるいは、金属蒸着層やガラスクロス層等をさらに積層したりすることも好ましい。
【0030】
(2)厚さ
また、シート基材の厚さを10〜500μmの範囲内の値とすることが好ましい。
この理由は、かかるシート基材の厚さが10μm未満の値になると、機械的強度が著しく低下してしまい、剥離材から剥離させた場合に、糸引き性が不十分になって、糸引き部を精度良く形成することが困難になる場合があるためである。一方、かかるシート基材の厚さが500μmを超えると、得られる粘着シートの厚さが過度に厚くなったり、粘着シートを製造するのが困難になったりする場合があるためである。
【0031】
4.糸引き部
(1)表面凹凸
図4(b)に例示される糸引き部122は、図1(a)や図4(a)等に例示されるように、粘着シート100の使用前、すなわち、剥離材110を剥離する前には事実上存在していないが、粘着シート100から剥離材110を剥離する時に、糸引き現象が粘着剤層130に生じて形成される微細な表面凹凸である。
なお、図1(a)に、糸引き部122を形成する予定箇所122´を示すが、実際に形成される糸引き部122の平面形状と、剥離部110b、110cの平面形状とは、必ずしも一致しない場合がある。
ここで、糸引き部の表面凹凸は、粘着シートを被着体に貼り付ける際や粘着シートを被着体に貼り付けた後に、外部への気体除去通路が形成されるような構造であることが好ましい。
また、糸引き部の表面凹凸は、粘着シートを被着体に貼り付ける際に、この表面凹凸の先端部を被着体に最初に軽く貼り付けた場合には、当該先端部のみが被着体に点接触するような点状構造であることが好ましい。
また、糸引き部の表面凹凸は、粘着シートを剥離材から剥離する際に一旦は形状を保持して、表面凹凸が生じるが、粘着シートを被着体に押圧して貼り付けた際には、ある程度つぶれて平坦化されるような変形しやすい構造であることが好ましい。
したがって、糸引き部の大きさやパターンピッチに関し、糸引き部の平均粒径(円相当)を0.01〜5mmの範囲内の値とすることが好ましく、パターンピッチ(隣接する糸引き部の中心間距離)を0.05〜10mmの範囲内の値とすることが好ましい。
【0032】
(2)平面形状および面積
また、糸引き部の平面形状は特に制限されるものではないが、例えば、図1(b)に示されるような正方形や、図2(a)〜(b)に示されるような円形、さらには異形とすることが好ましい。
なお、全面積に対する糸引き部の面積の割合を、粘着性能を確保しつつ、第1の実施形態の効果を有効に発揮させることより、例えば、20〜80%の範囲内の値とすることが好ましい。
【0033】
(3)高さ
また、糸引き部の高さを5〜200μmの範囲内の値とすることが好ましい。
この理由は、かかる糸引き部の高さが5μm未満の値になると、空気を巻き込んだ場合であっても、空気を外部に対して逃がすことが困難になったり、さらには、貼付位置の調整が困難になったりする場合があるためである。一方、かかる糸引き部の高さが200μmを超えると、糸引き部が外部から認識されるやすくなって、装飾性の観点から商品価値が低下する場合場合があるためである。
なお、糸引き部の高さは、粘着剤層の平坦表面位置から、糸引き部の先端部までの平均高さを意味する。
【0034】
5.使用方法
図4(a)〜(c)に、第1の実施形態に係る粘着シート100の使用例を示す。すなわち、図4(a)に示される粘着シート100から、図4(b)に示されるように、複数の剥離程度が異なる剥離部110b、110cを有する剥離材110を剥離することにより、粘着剤層130の一部に糸引き現象を生じさせて、図4(c)に示されるように、適当な形態の糸引き部122を形成することができる。
また、図6(a)〜(c)に、第1の実施形態に係る粘着シートの変形例200の使用例を示すが、同様に、粘着シート200から、図6(b)に示されるように、複数の剥離程度が異なる剥離部210b、210cを有する剥離材210を剥離することにより、粘着剤層230の一部に糸引き現象を生じさせて、図6(c)に示されるように、剥離程度によって凹凸が生じた状態の糸引き部222を形成することができる。
したがって、先端部が点状であって、糸引き部を利用して、粘着シートを貼付する際にも、空気の巻き込みが少ない一方、空気を巻き込んだ場合であっても、容易に外部に逃がすことができる。また、先端部が点状であって、糸引き部を利用して、最終的に強く押圧する前は、糸引き部における針状の先端部が被着体に対して、点接触している状態であることから、粘着シートの貼り付け位置を誤った場合であっても、容易に調整することができる。
さらに、先端部が点状の糸引き部は、容易に変形するため、シート基材を介して、外部に認識されることが少なく、外観性や装飾性に優れた粘着シートを提供することができる。
また、複数の剥離程度が異なる剥離部を有する剥離材を剥離する際に、十分な糸引き現象を生じさせるため、加熱しながら粘着シート100から剥離材110を剥離することがより好ましい。また、このように加熱することにより、室温では糸引き現象を生じないような凝集力が高い粘着剤を使用したとしても、適度な糸引き部を形成することができる。
なお、加熱する温度を、例えば、40〜100℃の範囲内の値とすることが好ましく、50〜90℃の範囲内の値とすることがより好ましい。
【0035】
6.製造方法
第1の実施形態にかかる粘着シートは、図3(a)〜(d)に例示するように、剥離基材110aおよび剥離部110b、110cからなる剥離材110と、粘着剤層130と、シート基材140と、を順次に備えるとともに、剥離材110を剥離する際に、粘着剤層130の一部が糸引きして、図4(b)に例示するように、糸引き部122が形成される粘着シート100の製造方法であって、下記工程(1)および(2)を含むことを特徴とする粘着シート100の製造方法により得ることができる。
(1)剥離基材110a上に、粘着剤層130に対して剥離程度が異なる複数の剥離部110b、110cを設けた剥離材110を準備する工程(以下、単に剥離材準備工程と称する場合がある。)
(2)剥離基材110a上に、粘着剤層130およびシート基材140を積層する工程(以下、単に積層工程と称する場合がある。)
【0036】
1.剥離材準備工程
図3(a)および(b)に例示するように、剥離基材110a上に、粘着剤層130に対して剥離程度が異なる複数の剥離部110b、110cを設けるにあたり、上述したように、剥離剤の部分的塗布、複数の剥離剤の塗布、および剥離剤の厚さ変更の手法を適宜組み合わせることが好ましい。なお、剥離部の形成方法は特に制限されるものではないが、例えば、スプレー、ロールコーター、グラビアコーター、バーコーター、グラビア印刷、スクリーン印刷等の公知の塗布方法や転写法を適宜採用することができる。
【0037】
2.積層工程
図3(c)に例示するように、粘着剤層130を積層する方法についても特に制限されるものではないが、例えば、ロールコーター、グラビアコーター、ナイフコーター等の公知の塗布方法や転写法を適宜採用することができる。
また、図3(d)に例示するように、シート基材140を積層する方法についても、ラミネーターやプレス装置等の公知の積層方法を採用することができる。
【0038】
なお、粘着シートを製造または使用する際には、粘着剤層130を加熱することが好ましい。すなわち、加熱状態あるいは高温雰囲気で剥離材110を剥離することにより、糸引き部122を精度良く、かつ容易に形成することができる。
ここで、加熱条件は、粘着剤層を構成する粘着剤の種類や厚さ、あるいは粘着剤層と、剥離部との間の剥離程度を考慮して定めることが好ましいが、例えば、加熱温度を40〜100℃の範囲内の値とすることが好ましい。
なお、粘着剤層の加熱手段についても特に制限されるものではなく、オーブン、ドライヤー、赤外線ランプ等を好適に使用することができる。
【0039】
[第2の実施形態]
第2の実施形態は、図7(d)に例示されるように、剥離基材110aおよび剥離部110bからなる剥離材110と、粘着剤層130と、シート基材140と、を順次に備えた粘着シート110であって、粘着剤層130の剥離材側表面に、粘着剤層130の一部を糸引きしてなる糸引き部122が設けてある粘着シート100である。
以下、図7(a)〜(d)を参照しつつ、第1の実施形態と異なる点を中心に説明し、糸引き部における同一構成要件等については、適宜説明を省略する。
【0040】
1.基本構造
図7(d)に、その基本構造を例示するように、第2の実施形態の粘着シート100は、粘着剤層130の一部を糸引きさせることにより、粘着剤層130の表面に、糸引き部122が、予め設けてあることを特徴としている。
この理由は、このように糸引き部が予め設けてあることより、粘着シートの貼り付け位置の調整性や空気の巻き込み防止性等の効果がより容易に得られるためである。
【0041】
2.形態
第2の実施形態において、図7(d)に例示される糸引き部122の表面凹凸、形状、高さ等に関する形態については、第1の実施形態と同様の内容とすることができる。
【0042】
3.組み合わせ
また、第2の実施形態において、予め設けてある糸引き部とともに、剥離材を剥離する際に形成される糸引き部を併用することが好ましい。
すなわち、例えば、適当な剥離剤を塗布して構成した剥離材を準備し、その剥離材を積層後、剥離することにより、剥離材を剥離する際にも糸引き部を形成するように構成することが好ましい。
したがって、粘着シートの使用時には、予め設けてある糸引き部と、さらに、剥離材を剥離する際に形成される糸引き部とにより協働作用が起こり、粘着シートにおける空気の巻き込み、空気抜けがより確実となる。
【0043】
4.配置
また、第2の実施形態においても、第1の実施形態と同様に、糸引き部が、粘着剤層の剥離材側表面に、部分的に設けてあることが好ましい。
この理由は、糸引き部が部分的に形成されていると、巻き込まれた空気を容易に逃がすことができ、かつ、粘着シートにおいて粘着力を容易に調整することができるためである。
【0044】
5.複数種
また、糸引き程度が異なる複数の糸引き部を、粘着剤層の表面に、予め形成することが好ましい。
例えば、既に存在している糸引き部以外の箇所に、適当な剥離剤を塗布して構成した剥離材を準備し、その剥離材を、剥離剤の粘着材層面に積層後、剥離することにより、既に存在している糸引き部に加えて、糸引き程度が異なる複数の糸引き部を形成することができる。
したがって、糸引き程度が異なる複数の糸引き部から構成することにより、粘着シートにおける空気の巻き込み性、粘着力、および外観性等を容易に調整することができる。
【0045】
6.製造方法
第2の実施形態に係る粘着シートは、図7(a)〜(d)に例示するように、剥離基材110aおよび剥離部110bからなる第1の剥離材110と、粘着剤層130と、シート基材140と、を順次に備えるとともに、粘着剤層130の第1の剥離材側表面に、糸引き部122が設けてある粘着シート100の製造方法であって、下記工程(1)〜(3)を含むことを特徴とする粘着シート100の製造方法により得ることができる。
(1)第1の剥離材110とは異なる別の剥離材であって、粘着剤層130に対して剥離程度が異なる複数の剥離部410b、410cが設けてある第2の剥離材410を準備し、その上に、粘着剤層130およびシート基材140を積層する工程(以下、単に積層工程と称する場合がある。)
(2)第2の剥離材410を剥離することにより、粘着剤層130の表面に、粘着剤層130の一部が糸引きされてなる糸引き部122を形成する工程(以下、単に糸引き部形成工程と称する場合がある。)
(3)第1の剥離材110を、糸引き部122を設けた粘着剤層130上に積層する工程(以下、単に剥離材積層工程と称する場合がある。)
なお、第2の実施形態に係る粘着シートの製造方法は、剥離材として、第1および第2の剥離材を使用する以外は、基本的に第1の実施形態に係る粘着シートの製造方法と同様とすることができる。また、糸引き部形成工程は、第1の実施形態に係る粘着シートを使用する際に、糸引き部を形成する方法と同様とすることができる。
ただし、剥離材積層工程において、予め形成した糸引き部を過度に変形させないように、プレス圧を調節しながら、第1の剥離材を積層することが好ましい。
【0046】
【実施例】
以下、実施例を参照しながら、本発明の粘着シートを詳細に説明する。但し、言うまでもなく、本発明の技術的範囲は、以下の実施例の記載に制限されるものではない。
【0047】
また、粘着シートは、以下の記載にしたがって評価した。
(1)空気巻き込み防止性
粘着シートを被着体(厚さ2mm、30cm×30cm角のガラス板)に貼り付ける際、粘着シートと被着体との間に巻き込まれた空気を外部に逃がすように粘着シートを貼り付けることができるかどうかを、粘着シートの外観を目視で観察することにより、以下の基準に準拠して評価した。
○:空気の巻き込みは観察されない。
△:空気の巻き込みは少し観察される。
×:空気の巻き込みは顕著に観察される。
【0048】
(2)ふくれ防止特性
粘着シートを軽く押圧して貼り付けた被着体(厚さ2mm、30cm×30cm角のアクリル板)を35℃に加熱した状態で長時間(7日間)放置した。その後、粘着剤層と被着体との間に発生したガスを外部に逃がすことができるかどうかを、粘粘着シートの外観を目視で観察することにより、以下の基準に準拠して評価した。
○:発生ガスによる気泡は観察されない。
△:発生ガスによる気泡が少し観察される。
×:発生ガスによる気泡が顕著に観察される。
【0049】
(3)位置調整性
粘着シートを被着体(厚さ2mm、30cm×30cm角のガラス板)に軽く貼り付け、その後この粘着シートを容易に剥離することができるか否かの位置調整性を、以下の基準に準拠して評価した。
○:容易に剥離することができる。
△:容易ではないが剥離することができる。
×:剥離するのは困難である。
【0050】
(4)外観性
粘着シートを被着体(厚さ2mm、30cm×30cm角のガラス板)に押圧して貼り付けた際に、粘着シートを介して認識される粘着剤層の凹凸パターンが目立つか否かの外観性を、以下の基準に準拠して評価した。
○:ほとんど目立たない。
△:少し目立つ。
×:顕著に目立つ。
【0051】
[実施例1]
糸引き部を部分的に形成させるために、剥離基材上に剥離剤を部分的に設けた例を示す。
すなわち、剥離基材として、厚さ100μmのグラシン紙の片面に、ポリエチレン樹脂を30μm厚さにラミネートした剥離紙を準備した。この剥離紙の表面に、剥離剤として、厚さ0.1μmの無溶剤タイプのシリコーン樹脂(製品名KNS−316、信越化学工業株式会社製)を、部分的にグラビア印刷して剥離部を形成した。なお、印刷パターンとしては、図1(b)に示されたパターン(開口部の一辺の長さ:1mm)を用いた。
次いで、粘着剤として、アクリル系粘着剤(日本合成化学工業株式会社製コーポニールN−2147)100重量部に、イソシアネート系架橋剤(日本ポリウレタン工業株式会社製、コロネートL)を1重量部配合したものを、剥離基材の剥離剤側に、ナイフコーターにより塗布し、乾燥後厚さが30μmの粘着剤層を形成した。
最後に、粘着剤層の上に、シート基材としての50μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(PET)を積層し、粘着シートを作成した。
その結果、表1に示すように、実施例1に係る粘着シートは、空気の巻き込みが少ない一方、巻き込んだ空気を容易に外部に逃がすことができることを確認した。また、粘着シートの貼り付け位置を容易に調整することができる一方、外観性にも優れた粘着シートが得られることを確認した。
【0052】
[実施例2]
糸引き部を形成させるために、剥離基材上に剥離剤を複数設けた例を示す。
すなわち、剥離基材として、厚さ100μmのグラシン紙を準備した。このグラシン紙の片面に、第1の剥離剤として、厚さ0.1μmの無溶剤タイプのシリコーン化合物A(軽剥離タイプ:製品名CF−2154、東レダウコーニングシリコーン株式会社製)を、部分的にグラビア印刷した。次いで、第2の剥離剤として、厚さ0.1μmの無溶剤タイプのシリコーン化合物B(製品名KNS−316、信越化学工業株式会社製)を、部分的にグラビア印刷した。なお、印刷パターンとしては、図5(b)に示されたパターン(開口部の一辺の長さ:1mm)を用いた。
次いで、粘着剤として、実施例1と同じアクリル系粘着剤を塗布し、乾燥後の厚さ30μmの粘着剤層を形成した。
最後に、粘着剤層の上に、シート基材として厚さ50μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(PET)を積層し、粘着シートを作成した。
その結果、表1に示すように、実施例2に係る粘着シートは、空気の巻き込みが少ない一方、巻き込んだ空気を容易に外部に逃がすことができることを確認した。また、粘着シートの貼り付け位置を容易に調整することができる一方、外観性にも優れた粘着シートが得られることを確認した。
【0053】
[実施例3]
糸引き部を形成させるために、剥離剤の厚さを部分的に変えた例を示す。
すなわち、剥離基材として、厚さ0.1μmの無溶剤タイプのシリコーン化合物(製品名CF−2154、東レダウコーニングシリコーン株式会社製)で剥離処理された厚さ100μmのグラシン紙を準備した。この基材の剥離処理を施した表面に、さらに剥離剤として、前述と同様の無溶剤タイプのシリコーン化合物(製品名CF−2154、東レダウコーニングシリコーン株式会社製)を、図5に示されたパターン(一辺の長さ1mmの正方形)にしたがって、厚さ0.1μmとなるように、グラビア印刷により重ね塗りした。
次いで、粘着剤として、実施例1と同じアクリル系粘着剤を塗布し、乾燥後の厚さ30μmの粘着剤層を形成した。
最後に、粘着剤層の上に、シート基材としての50μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(PET)を積層し、これにより実施例3に係る粘着シートとした。
その結果、表1に示すように、実施例3に係る粘着シートは、空気の巻き込みが少ない一方、巻き込んだ空気を容易に外部に逃がすことができることを確認した。また、実施例3に係る粘着シートは、粘着シートの貼り付け位置を容易に調整することができる一方、外観性にも優れた粘着シートが得られることを確認した。
【0054】
[比較例1]
剥離基材として、厚さ100μmの上質紙にポリエチレンを30μm厚さにラミネートした剥離紙の表面に、円錐形の凹部をエンボス加工により形成したものを準備した。
次いで、剥離基材の表面にシリコーン樹脂を0.1μmの厚さに塗布して、この面に、粘着剤として、実施例1と同じアクリル系粘着剤を塗布し、乾燥後の厚さ30μmの粘着剤層とした。この際、粘着剤層には、剥離基材の凹部に対応して凸部が形成されたことを確認した。
最後に、粘着剤層の上に、シート基材としての70μmのポリ塩化ビニルフィルムを積層し、これにより比較例1に係る粘着シートとして、評価した。
その結果、表1に示すように、比較例1に係る粘着シートは、空気の巻き込みが少ない一方、巻き込んだ空気を容易に外部に逃がすことができ、粘着シートの貼り付け位置を容易に調整することができるものの、実施例1〜3に係る粘着シートと比較して、外観性に劣ることを確認した。
【0055】
【表1】
【0056】
【発明の効果】
以上、詳述したように、本発明の粘着シートによれば、剥離材を剥離する際に、あるいは予め粘着剤層の表面に、所定の糸引き部(凹凸パターン)を形成することにより、空気の巻き込みが少ない一方、粘着シートの貼り付け位置を容易に調整することができ、しかも、粘着剤層の凹凸パターンに影響されて、装飾的な商品価値が低下するおそれが少ない粘着シートを容易に提供できるようになった。
また、本発明の粘着シートの製造方法によれば、剥離材を剥離する際に、あるいは予め粘着剤層の表面に、所定の糸引き部を形成することにより、空気の巻き込みが少ない一方、粘着シートの貼り付け位置を容易に調整することができ、しかも、粘着剤層の凹凸パターンに影響されて、装飾的な商品価値が低下するおそれが少ない粘着シートを効率的に生産できるようになった。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)および(b)は、第1の実施形態に係る粘着シートの構造を示す図である。
【図2】(a)および(b)は、第1の実施形態に係る粘着シートのパターン変形例を示す図である。
【図3】(a)〜(d)は、第1の実施形態に係る粘着シートの製造方法を示す図である。
【図4】(a)〜(c)は、第1の実施形態に係る粘着シートの使用例を示す図である。
【図5】(a)および(b)は、第1の実施形態の粘着シートにおける剥離材の変形例を示す図である。
【図6】(a)〜(c)は、第1の実施形態に係る粘着シートの変形例における使用例を示す図である。
【図7】(a)〜(d)は、本発明の第2の実施形態に係る粘着シートの製造方法を示す図である。
【図8】従来の粘着シートの構造を示す図である。
【符号の説明】
100、200:粘着シート
110、210:剥離材(第1の剥離材)
110a、210a:剥離基材
110b、110c、210b、210c:剥離部
122、222:糸引き部
130、230:粘着剤層
140、240:シート基材
410:第2の剥離材
Claims (11)
- 剥離基材および剥離部からなる剥離材と、粘着剤層と、シート基材と、を順次に備えた粘着シートにおいて、
前記剥離基材上に、前記粘着剤層に対して剥離程度が異なる複数の剥離部が設けてあるとともに、
前記剥離材を剥離する際に、前記粘着剤層の一部が糸引きしてなる糸引き部が形成されることを特徴とする粘着シート。 - 前記糸引き部が、前記粘着剤層の剥離材側表面に、部分的に形成されることを特徴とする請求項1に記載の粘着シート。
- 前記糸引き部が点在しており、当該糸引き部が規則パターンを有することを特徴とする請求項1または2に記載の粘着シート。
- 前記剥離材を剥離する際に、糸引き程度が異なる複数の糸引き部が形成されることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の粘着シート。
- 前記剥離材において、前記剥離基材上に、剥離剤を部分的に塗布することにより、前記粘着剤層に対する剥離程度を変えてあることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の粘着シート。
- 前記剥離材において、前記剥離基材上に、剥離程度が異なる複数の剥離剤を塗布することにより、前記粘着剤層に対する剥離程度を変えてあることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の粘着シート。
- 前記剥離材において、前記剥離基材上に、剥離剤の厚さを変えた状態で塗布することにより、前記粘着剤層に対する剥離程度を変えてあることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の粘着シート。
- 剥離基材および剥離部からなる剥離材と、粘着剤層と、シート基材と、を順次に備えた粘着シートにおいて、
前記粘着剤層の剥離材側表面に、前記粘着剤層の一部を糸引きしてなる糸引き部が設けてあることを特徴とする粘着シート。 - 前記剥離基材上に、前記粘着剤層に対して剥離程度が異なる複数の剥離部が設けてあるとともに、前記剥離材を剥離する際に、前記粘着剤層の一部が糸引きしてなる糸引き部が形成されることを特徴とする請求項8に記載の粘着シート。
- 剥離基材および剥離部からなる剥離材と、粘着剤層と、シート基材と、を順次に備えるとともに、前記剥離材を剥離する際に、前記粘着剤層の一部が糸引きして、糸引き部が形成される粘着シートの製造方法において、下記工程(1)および(2)を含むことを特徴とする粘着シートの製造方法。
(1)前記剥離基材上に、前記粘着剤層に対して剥離程度が異なる複数の剥離部を設けて、前記剥離材を準備する工程
(2)当該剥離材上に、前記粘着剤層およびシート基材を積層する工程 - 剥離基材および剥離部からなる第1の剥離材と、粘着剤層と、シート基材と、を順次に備えるとともに、前記粘着剤層の第1の剥離材側表面に、糸引き部が設けてある粘着シートの製造方法において、下記工程(1)〜(3)を含むことを特徴とする粘着シートの製造方法。
(1)前記第1の剥離材とは異なる別の剥離材であって、前記粘着剤層に対して剥離程度が異なる複数の剥離部が設けてある第2の剥離材を準備し、その上に、前記粘着剤層およびシート基材を積層する工程
(2)前記第2の剥離材を剥離することにより、前記粘着剤層の表面に、前記粘着剤層の一部が糸引きされてなる糸引き部を形成する工程
(3)前記第1の剥離材を、糸引き部を設けた粘着剤層上に積層する工程
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