JP2006266798A - 粘着シートの加工適性の評価方法と粘着ラベルの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 粘着ラベル製造ラインで粘着シートの加工試験を実際に行わなくとも、粘着シートの加工適性を判断することが可能な粘着シートの加工適性の評価方法を提供することを目的とする。
【解決手段】 基材、粘着剤、剥離シートの順に積層された粘着シートの加工適性の評価方法であって、
前記剥離シート上に積層された前記基材と前記粘着剤とからなる積層体の任意の箇所を、
前記基材面に対して略垂直方向から、前記積層体に対して切り込みを入れることにより、
前記剥離シート上の前記積層体を部分的に切断し、又は前記剥離シート上の前記積層体を二分し、
その後、前記部分的に切断又は二分された一方の積層体を前記剥離シートから剥離させ、
この剥離させた積層体の断面剥離部分における前記粘着剤の糸曳き面積の大きさにより、
加工適性を評価することを特徴とする粘着シートの加工適性の評価方法を用いる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、基材、粘着剤、剥離シートの順に積層された粘着シートの加工適性の評価方法とこの加工適性の評価方法を工程に組み込んだ粘着ラベルの製造方法に関するものである。
粘着シートは、商業用から家庭用まで広範囲にわたってラベル、ステッカー等の形に加工して使用されている。この粘着シートから粘着ラベルを製造し、被着体である製品やその容器に、この粘着ラベルを貼付する。
その工程は、まず粘着シートの基材表面に目的に応じた印刷を行い、次いで、表面の基材と粘着剤からなる層まで、例えばダイカット刃を入れて切断する行為、いわゆる“ハーフカット”により所望の形状にラベルを打ち抜く(以下、「打ち抜き」という。)。
次いで、この打ち抜きにより生じる不必要部分(基材に印刷が施されておらず、カス部分となる基材層及び粘着剤層)を剥き取った後(以下、「カス取り」という。)、一旦この粘着シートをロール状に巻き直す。
そして、自動貼付機(オートラベラー)を用いて、巻き取った粘着シート上に残っている粘着ラベルを、剥離シートより引き剥がし、被着体に貼り付けている。
そのため、粘着ラベルの加工段階にあっては、ラベルを打ち抜く際の(1)打ち抜き適性と、カス部分を取り除く際の(2)カス取り適性と、ラベルを被着体に貼付する際の(3)オートラベラー適性という3つの加工性が要求される。ここでは、これら3つの加工性を総称して、加工適性と称する。
従来より、この粘着シートの物性を評価する方法として、JIS−Z0237の試験方法が知られている。
しかしながら、この試験方法のみでは、粘着シートの加工適性の良否を適切に判断するのは困難であった。
そこで、実際のラベル製造現場では、上述した粘着ラベル製造ラインに、試作した粘着シートを投入し、加工を行い、被着体に試作ラベルを貼付することにより、その加工適性の良否を判断していた。
しかしながら、実際の粘着ラベル製造ラインに試作シートを投入して、加工適性を評価する上述の方法では、稼動中のラインをわざわざ停止して試験しなくてはならず、(1)手間が掛かり、(2)また評価のためのサンプルのロスが大きく、(3)粘着シート材料のロットぶれを事前に評価し管理することが難しい、という問題があった。
また、粘着剤の糸曳きの度合いを評価する方法として、粘着剤の応力−歪み曲線における400%〜600%の歪み時に測定される応力値により、ラベルを打ち抜く際及び/又はラベル打ち抜きにより生じる不必要部分を剥き取る際の粘着剤の糸曳きの起こり難さを評価する方法が知られている(特許文献1参照)。しかしながら、開示された方法は、粘着剤単体での評価であるため、出来上がった「粘着シート」の状態を評価するものではなかった。そのため、同じ製品間でのロットブレを把握するのは難しく、トラブルの起こった実際の粘着シートと起こっていない実際の粘着シートの比較が難しかった。また、出来上がりの「粘着シート」を評価する場合は、粘着剤を掻き落としたりする手間がかかるものであった。
更に、当該文献では、シール印刷加工機にて、粘着シートを45mm×45mmの正方形状に打ち抜いた後、カス上げを行い、打ち抜き工程では粘着シートにカット刃を入れ引き抜く瞬間を、また、カス上げ工程では必要部分と必要以外の部分を引き剥がす瞬間をビデオ撮影し、粘着剤の糸曳き長さを評価することが記載されており、粘着剤の糸曳き長さが0.5mm未満の場合を◎としている。しかしながら、この方法では、実際の印刷加工機にセットして評価しているので、ロールサンプルを用意する必要があり、少量のサンプルでの評価を行うことを前提としていない。また、糸曳き長さ0.5mm以内で◎の評価基準であるが、現実には、糸曳き長さが0.5mm以内でもラベルの打ち抜き加工性が不良である場合があることがあった。カス部分と共にラベルが持ち上げられるいわゆる“ラベル上がり”の発生は、ラベルを打ち抜いてからカス取りを行うまでに、一度切断された粘着剤面同士の再密着が極度に進行することが原因となるが、糸曳き長さ0.5mm以内で◎の評価基準での判定では、粘着剤同士の再密着性を適切に判断することは難しく、より詳細な評価基準が必要であった。
特開2003−286458号公報(特許請求の範囲、第29段落)
本発明は、上記従来技術の問題点に鑑み、粘着ラベル製造ラインで粘着シートの加工試験を実際に行わなくとも、少量のサンプルで粘着シートの加工適性を判断することが可能な粘着シートの加工適性の評価方法を提供することを目的とする。中でも、カス取り作業時に、粘着剤が糸を曳くことによりラベル表面を汚染するトラブルの起こり易さや、カス部分と共にラベルが持ち上げられるいわゆる“ラベル上がり”の起こり易さを、事前に把握できる評価方法を提供することを目的とする。
また、本発明は、この粘着シートの加工適性の評価方法を工程に組み込んだ粘着ラベルの製造方法を提供することを目的とする。
かかる課題を解決するため、
本発明は、基材、粘着剤、剥離シートの順に積層された粘着シートの加工適性の評価方法であって、
前記剥離シート上に積層された前記基材と前記粘着剤とからなる積層体の任意の箇所を、
前記基材面に対して略垂直方向から、前記積層体に対して切り込みを入れることにより、
前記剥離シート上の前記積層体を部分的に切断し、又は前記剥離シート上の前記積層体を二分し、
その後、前記部分的に切断又は二分された一方の積層体を前記剥離シートから剥離させ、
この剥離させた積層体の断面剥離部分における前記粘着剤の糸曳き面積の大きさにより、
加工適性を評価することを特徴とする粘着シートの加工適性の評価方法を提供するものである。
また、本発明は、基材、粘着剤、剥離シートの順に積層された粘着シートを製造する第1工程と、この粘着シートの基材に印刷を行う第2工程と、この印刷を施した粘着シートから、粘着ラベルを打ち抜く第3工程と、この粘着ラベル打ち抜き後の粘着シートから、カス部分の基材層及び粘着剤層を、前記剥離シートより取り除く第4工程と、このカス取り後の粘着シートを、ロール状に巻き取る第5工程とを有し、これら第1工程乃至第5工程のいずれかの工程の間又は第5工程の後において、請求項1又は2に記載の粘着シートの加工適性の評価方法を行う粘着ラベルの製造方法を提供するものである。
本発明の粘着シートの加工適性の評価方法によれば、粘着ラベル製造ラインで粘着シートの加工試験を実際に行うことなく、粘着シートの加工適性を適切に判断することができる。ラベルを打ち抜いてからカス取り作業を行うまでには、打ち抜いて破断したはずの部分の粘着剤同士が接触して、再密着する。本発明の加工適性の評価方法では、ハーフカットした基材層および粘着剤層の切断面を剥離することを特徴としているため、ラベルを打ち抜いてからカス取り作業を行うまでに起こり得る粘着剤同士の再密着性を適切に再現することができ、カス取り作業時の粘着剤の糸曳きに起因したトラブルやラベル上がりの起こり易さを容易に判定することができる。
特に、本発明の粘着シートの加工適性の評価方法は、従来技術に記載されているような糸曳き「長さ」のみによる判断ではなく、糸曳き部分の「面積」によってラベルの打ち抜き性を判断する方法なので、打ち抜き破断部分の粘着剤同士の再密着の度合いを適性に判断することが出来、再密着に伴うラベル上がりの発生の有無が予測可能である。糸曳き「長さ」のみによる判断では、例えば、次のような現象が起こった場合、ラベル上がりの起きやすさについて判断不可能である。
(1)糸曳き長さが短い場合でも多数の糸曳きが発生した場合(糸曳き面積が大の状態)
;この場合は、多数の糸曳きによりラベル上がりが起き易い。
(2)糸曳き長さが長い場合でも糸曳きの本数が少ない場合(糸曳き面積が小の状態)
;この場合は、糸曳きの本数が少ないのでラベル上がりが起きにくい。
したがって、本発明の評価方法のように、「面積」により判断する方がより適切である。
また、本発明の粘着シートの加工適性の評価方法によれば、手間も掛らず、加工適性の評価時間を短縮することができ、かつ加工適性の評価に必要なサンプル量を、従来法よりも少なくし、粘着シート材料のロットぶれを事前に評価し管理することができる。
さらに、本発明の粘着シートの加工適性の評価方法によれば、加工適性のよい粘着シート材料を容易に選択できる。
そして、本発明の粘着ラベルの製造方法によれば、この粘着シートの加工適性の評価方法を適切に粘着ラベル製造工程に組み込んで、粘着ラベルを製造することができる。
本発明の粘着シートの加工適性の評価方法は、剥離シート上に積層された基材と粘着剤とからなる積層体の任意の箇所を、前記基材面に対して略垂直方向から、前記積層体に対して切り込みを入れることにより、前記剥離シート上の前記積層体を部分的に切断し、又は前記剥離シート上の前記積層体を二分し、その後、前記部分的に切断又は二分された一方の積層体を前記剥離シートから剥離させ、この剥離させた積層体の断面剥離部分における前記粘着剤の糸曳き面積の大きさにより、加工適性を評価するものである。なお、本明細書では、前記の「剥離シート上に積層された基材と粘着剤とからなる積層体の任意の箇所を、前記基材面に対して略垂直方向から、前記積層体に対して切り込みを入れることにより、前記剥離シート上の前記積層体を部分的に切断し、又は前記剥離シート上の前記積層体を二分」することを、「ハーフカット」と記載する。
この粘着シートは、基材、粘着剤、剥離シートの順に積層された構成からなっている。この基材としては、フィルム、不織布、紙等が挙げられる。具体的には、フィルムの材質としては、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエステル、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ナイロン、セロファン等が挙げられる。また、不織布の材質としては、パルプ、レーヨン、マニラ麻、アクリロニトリル、ナイロン、ポリエステル等が挙げられる。また、紙としては、上質紙、樹脂コート紙等が挙げられる。
基材表面の粘着剤を積層する面には、場合によって、コロナ処理を行ったり、アンカーコート剤を塗布してもよい。
粘着剤としては、ポリマーの種類で、ゴム系、アクリル系、シリコーン系、ウレタン系、ビニルエーテル系等が挙げられる。また、粘着剤の形態として、溶剤系、エマルジョン型粘着剤、水溶性粘着剤等の水系、ホットメルト型粘着剤、UV硬化型粘着剤、EB硬化型粘着剤等の無溶剤系等を用いることができる。
この粘着剤の厚みは、乾燥後の厚みで5〜200μmが好ましく、10〜50μmがさらに好ましい。
剥離シートとしては、グラシン紙、クラフト紙、クレーコート紙、ポリエチレン等のポリオレフィンフィルムをラミネートした紙、ポリビニルアルコールやアクリル酸エステル共重合体等の樹脂を塗布した紙、ポリエステルやポリプロピレン等のポリオレフィン系合成樹脂フィルム等に、離型剤であるフッ素樹脂やシリコーン樹脂等を塗布したもの等が挙げられる。
この粘着シートは、例えば、粘着剤を剥離シートに塗工し、乾燥、熱硬化、電離放射線硬化等による処理を行い、そこに基材を貼り合わせる方法により製造することができる。また、逆に、粘着剤を基材に塗工し、乾燥、熱硬化、電離放射線硬化等による処理を行い、そこに剥離シートを貼り合わせる方法でも得られる。また、基材層と粘着剤層の密着性を向上させるために、高温下で、貼り合わせを行ってもよい。
粘着シートの加工適性を評価するには、粘着シートをハーフカットし、続いてハーフカットにより部分的、又は二つに切断された片方の基材層および粘着剤層からなる積層体を剥離させる。この剥離させた積層体の断面の剥離部分を、光学顕微鏡や目視等により観察し、剥離されない方の基材表面と、剥離される積層体との間の粘着剤の剥離過程を観察する。
この剥離は、粘着シートをハーフカット後、室温で直ちに行ってもよいが、ハーフカットした後1分〜3時間放置した後に行うことが好ましい。更に、30〜50℃の温度に30分〜3時間放置した後、行うのが好ましく、中でも40℃の温度雰囲気中に1時間放置するのがより好ましい。上記温度範囲の雰囲気中に上記時間放置した後、剥離を行うと、粘着剤の流動が進行し、切断された粘着剤同士の密着性が増加したり、基材と剥離シートの表面に対する粘着剤の密着性が増加しているため、加速試験の条件になり、糸曳きの差異をはっきりと観察することができ、シール印刷加工機でインラインで観察するだけでは見出すことが難しい差異を把握することができる。
図1は、ハーフカットにより二つに切断された片方の積層体を剥離させている状態を模式的に表した斜視図である。図1は、粘着剤7と粘着剤2の界面で粘着剤同士の密着が起こり、粘着剤5の糸曳きが発生している状態の図である。図2は、この剥離過程における粘着シートの断面剥離部分を、模式的に表した側面図である。この剥離過程では、粘着シート1からハーフカットされた片方の基材6および粘着剤7を、ハーフカットされたもう一方の基材2と粘着剤7とのなす角度θが3〜45度、好ましくは10〜30度、最も好ましくは15度となるまで、距離Lとして0.1〜1.5mm、好ましくは0.2〜0.4mm、最も好ましくは0.3mm剥離させる。この剥離させる速度は、5〜1000mm/分、好ましくは50〜500mm/分、最も好ましくは300mm/分である。
この時、ハーフカットした断面部分である粘着剤7と粘着剤2の界面で粘着剤同士の密着がほとんど起こらなかった場合は、粘着剤5の糸曳きはほとんど発生しない。さらに、剥離が粘着剤7と剥離シート4との界面で起こった場合には、剥離シート4への糊残りという現象は起こらず、また、剥離シート4の剥離と共に粘着剤7が剥離シート4の表面から速やかに剥離すると粘着剤5の糸曳きはほとんど発生しない。図3は、糸曳きがほとんど発生しない粘着シート1の断面剥離部分の側面図である。この粘着シート1では、ラベル加工時に、打ち抜いたラベル断面での粘着剤同士の再密着が起こり難く、またラベルが剥離シート4から容易に剥離できるため、良好な加工適性を奏することができる。
しかし、剥離が基材6および粘着剤7の剥離と共に速やかに進行せず、または剥離が粘着剤5のバルク内で起こり凝集破壊となった場合には、大きな糸曳きが観察される。図4は、大きな糸曳きを発生した粘着シート1の断面剥離部分の側面図である。この粘着シート1では、ラベル加工時に、打ち抜いたラベル断面での粘着剤同士の再密着が起こり易く、またラベルが剥離シート4から容易に剥離できないため、良好な加工適性を奏することができない。
本発明にあっては、図2に示す粘着剤の糸曳き面積3の大小により、粘着ラベルの加工適性の良否を判断する。糸曳き面積3は以下の方法で計算する。
(1)図2に示す剥離工程において、ハーフカットされた片方の粘着剤7と、ハーフカットされたもう一方の基材2の接点をRとする。
(2)粘着剤5の糸曳き部分の中で、接点Rから最も遠い糸曳き部分であって、粘着剤7と接している点をPとする。
(3)同様に、粘着剤5の糸曳き部分の中で、接点Rから最も遠い糸曳き部分であって、基材2と接している点をQとする。
(4)糸曳き面積3は、点Pと、点Qと、点Rとを直線で結んだ三角形PQRの面積とする。
したがって、糸曳き面積3は、三角形PQR内の粘着剤5の部分と、粘着剤5が存在しない空間の部分も含む大きさを意味する。この粘着剤の糸曳き面積3の大きさが小さい場合、好ましくは0.06mm以内、特に好ましくは0.04mm以内ならば、どのような材質の粘着シート1であっても、粘着ラベルの加工適性は良好となる。また、上記の方法で計算して求める糸曳き面積が上記の数値範囲以上であっても、粘着剤5が存在しない空間部分の面積が三角形PQRの面積の90%以上であるときは、糸曳き面積は上記の範囲内であるものとみなすことが好ましい。
なお、当然のことであるが、粘着剤の糸曳き面積3の大きさが上記の範囲内であっても、粘着剤5が凝集破壊を起こし、剥離シート4の表面に残留した場合や基材6から完全に剥離して剥離シート4上に移行した場合は、粘着ラベルの加工適性は不良であることは言うまでもない。
この粘着シートの加工適性の評価方法は、それだけで単独で行ってもよいし、粘着ラベルの製造方法の一工程に組み込んで行ってもよい。
粘着ラベルの製造方法は、基材、粘着剤、剥離シートの順に積層された粘着シートを製造する第1工程と、この粘着シートの基材に印刷を行う第2工程と、この印刷を施した粘着シートから、粘着ラベルを打ち抜く第3工程と、この粘着ラベル打ち抜き後の粘着シートから、カス部分の基材層及び粘着剤層を、剥離シートより取り除く第4工程と、このカス取り後の粘着シートを、ロール状に巻き取る第5工程とから構成されている。これら第1工程乃至第5工程のいずれかの工程の間又は第5工程の後において、本発明の粘着シートの加工適性の評価方法を行うことができる。
この粘着シートの加工適性の評価方法を用いて、良好と評価された粘着シートを使用することにより、粘着ラベルの製造方法におけるラインのトラブルを事前に回避することができる。
以下、実施例により、本発明をさらに詳しく説明する。本発明は、下記実施例に何ら制限されるものではない。
[実施例1]
〈粘着シートの作成〉
剥離シート(OKB−105NC、王子製紙社製)に、乾燥後の厚みが20μmとなるようにアクリル共重合体を主成分とする粘着剤(SPS−1260、大日本インキ化学工業社製)を塗工し、熱風乾燥機を用いて90℃で3分間乾燥させ、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム50μm(エステルA―4100、東洋紡社製)を貼り合わせ、40℃で7日間熟成することにより、粘着シートを作成した。
〈粘着シートの加工適性の評価試験〉
この粘着シートを幅10mm×長さ100mmの大きさに切断した後、長さ方向にダイカット刃でハーフカットし、さらに剥離シート面を保持具固定した。続いてハーフカットにより二つに切断された片方の基材層および粘着剤層を300mm/分の速度で剥離した。
図2において、剥離されない方の基材表面と剥離する方の基材層が積層された粘着剤層とのなす角度θが15度、剥離されない方の基材表面と剥離する方の基材層が積層された粘着剤層との距離Lが0.3mmとなったら剥離を停止し、断面剥離部分を光学顕微鏡(KH−2700、ハイロックス社製)で観察した。光学顕微鏡の倍率は250倍とした。図2に示したように、ハーフカットされた片方の粘着剤7と、ハーフカットされたもう一方の基材2の接点をRとし、粘着剤5の糸曳き部分の中で、接点Rから最も遠い糸曳き部分であって粘着剤7と接している点をPとし、接点Rから最も遠い糸曳き部分であって基材2と接している点をQとして、点Pと、点Qと、点Rとを直線で結んだ三角形PQRで表される粘着剤の糸曳き面積を計測した。
この粘着シートの糸曳き面積は、図3に示すように、0.018mmであった。この値は、粘着ラベルの加工適性の良否を判断する基準である粘着剤の糸曳き面積3の大きさ0.06mm以内に相当する。
〈実際の粘着ラベルの製造ラインでの加工適性の評価〉
この粘着シートを、実際の粘着ラベル製造ラインに投入し、粘着ラベルの打ち抜き、打ち抜き後の粘着シートからのカス取り、カス取り後の粘着シートの巻き取りを行った。次いで、この巻き取りシートを自動貼付機に投入し、被着体容器へ粘着ラベルを貼付した。
この粘着シートは、粘着ラベル加工工程において、打ち抜き適性及びカス取り適性の良好なものであった。さらに、粘着ラベル貼付工程においても、オートラベラー適性は良好であった。特に、カス取り作業時に、粘着剤の糸曳き現象は実用上ほとんど無視できる程度で良好であり、ラベル上がりも発生しなかった。
[実施例2]
粘着剤として、SKダイン701F−L(綜研化学社製)を使用したことと、粘着シートの作成時の熟成期間を23℃で1日間としたこと以外は、実施例1と同様にして粘着シートを作成した。この粘着シートの加工適性の評価は、実施例1と同様の方法で行った。
この粘着シートの糸曳き面積は、図4に示すように、0.16mmであった。この値は、粘着ラベルの加工適性の良否を判断する基準である粘着剤の糸曳き面積3の大きさ0.06mmを超えている。
また、実施例1と同様にして、粘着シートの打ち抜き適性、カス取り適性と、粘着ラベルのオートラベラー適性を評価した。
この粘着シートの打ち抜き適性及びカス取り適性は不良であった。さらに、粘着ラベル貼付工程においても、オートラベラー適性は不良であった。特に、カス取り作業時の粘着剤の糸曳きが顕著に発生し、ラベル表面の汚染が目立った。さらに、ラベル上がりの発生も目立った。
以上の結果から、粘着シートの加工適性の評価方法で、粘着剤の糸曳き面積の小さい粘着シートは、実際の粘着ラベルの製造においても加工適性が良好であることがわかった。
したがって、本発明の粘着シートの加工適性の評価方法を用いれば、粘着ラベル製造ラインで粘着シートの加工試験を実際に行うことなく、粘着シートの加工適性を適切に判断できることが確認された。
剥離過程における粘着シートの断面剥離部分を、模式的に表した斜視図である。 剥離過程における粘着シートの断面剥離部分を、模式的に表した側面図である。 加工適性が良好な粘着シートの断面剥離部分の側面写真である。 加工適性が不良の粘着シートの断面剥離部分の側面写真である。
符号の説明
1 粘着シート
2 基材
3 糸曳き面積
4 剥離シート
5 粘着剤
6 基材
7 粘着剤

Claims (3)

  1. 基材、粘着剤、剥離シートの順に積層された粘着シートの加工適性の評価方法であって、
    前記剥離シート上に積層された前記基材と前記粘着剤とからなる積層体の任意の箇所を、
    前記基材面に対して略垂直方向から、前記積層体に対して切り込みを入れることにより、
    前記剥離シート上の前記積層体を部分的に切断し、又は前記剥離シート上の前記積層体を二分し、
    その後、前記部分的に切断又は二分された一方の積層体を前記剥離シートから剥離させ、
    この剥離させた積層体の断面剥離部分における前記粘着剤の糸曳き面積の大きさにより、
    加工適性を評価することを特徴とする粘着シートの加工適性の評価方法。
  2. 前記粘着シートから前記一方の積層体を、前記基材と前記一方の積層体とのなす角度が3〜45度となるまで、
    5〜1000mm/分の剥離速度で、0.1〜1.5mm剥離させる請求項1に記載の粘着シートの加工適性の評価方法。
  3. 基材、粘着剤、剥離シートの順に積層された粘着シートを製造する第1工程と、
    この粘着シートの基材に印刷を行う第2工程と、
    この印刷を施した粘着シートから、粘着ラベルを打ち抜く第3工程と、
    この粘着ラベル打ち抜き後の粘着シートから、カス部分の基材層及び粘着剤層を、前記剥離シートより取り除く第4工程と、
    このカス取り後の粘着シートを、ロール状に巻き取る第5工程とを有し、
    これら第1工程乃至第5工程のいずれかの工程の間又は第5工程の後において、
    請求項1又は2に記載の粘着シートの加工適性の評価方法を行う粘着ラベルの製造方法。
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