JP3018687B2 - 走査型レーザー顕微鏡 - Google Patents

走査型レーザー顕微鏡

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JP3018687B2
JP3018687B2 JP3328726A JP32872691A JP3018687B2 JP 3018687 B2 JP3018687 B2 JP 3018687B2 JP 3328726 A JP3328726 A JP 3328726A JP 32872691 A JP32872691 A JP 32872691A JP 3018687 B2 JP3018687 B2 JP 3018687B2
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青児 西脇
潤一 麻田
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Panasonic Holdings Corp
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    • G02BOPTICAL ELEMENTS, SYSTEMS OR APPARATUS
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は調整が極めて簡単で共焦
点的効果と検出感度を両立させることができる走査型レ
ーザー顕微鏡に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、レーザー光源を走査させて顕微鏡
光源とする走査型レーザー顕微鏡の研究開発が盛んであ
り、すでに工業的応用も行われている。
【0003】以下図面を参照しながら、上記した従来の
走査型レーザー顕微鏡の一例について説明する。例えば
精密工学会誌(1991年7月度p35)記載の走査型レーザー
顕微鏡があり、図7はこの従来例における走査型レーザ
ー顕微鏡の構成図を示す。
【0004】図7において、1RはHe-Neレーザーなど
の赤色レーザー光源からのレーザー光、1GはArレーザ
ー(515nm)などの緑色レーザー光源からのレーザー光、
1BはArレーザー(488nm)などの青色レーザー光源から
のレーザー光、2R、2G、2Bは凹レンズ、3R、3
G、3Bは凸レンズ、4G、4B、8G、8Bはダイク
ロイックミラー、5はビームスプリッター、6は対物レ
ンズ、7は試料、9R、9G、9Bは集光レンズ、10
R、10G、10Bはピンホール、11R、11G、1
1Bは検出器、12R、12G、12Bはビデオアン
プ、13はカラーモニターである。
【0005】図7においてレーザー光源を出射する赤色
レーザー光1Rは凹レンズ2R、凸レンズ3Rによりビ
ームが拡大され、ダイクロイックミラー4G、4B、ビ
ームスプリッター5を透過して、対物レンズ6により試
料7上に集光される。その反射光は対物レンズ6により
集光された後、ビームスプリッター5を反射して、ダイ
クロイックミラー8B、8Gを透過し、集光レンズ9R
によりピンホール10R上に集光され、その透過光が赤
検出器11Rにより検出され、赤ビデオアンプ12Rに
より信号増幅される。
【0006】またレーザー光源を出射する緑色レーザー
光1G(青色レーザー光1B)は凹レンズ2G(2B)、凸
レンズ3G(3B)によりビームが拡大され、ダイクロイ
ックミラー4G(4B)を反射、ビームスプリッター5を
透過して、対物レンズ6により試料7上に集光される。
その反射光は対物レンズ6により集光された後、ビーム
スプリッター5を反射して、ダイクロイックミラー8G
(8B)を反射し、集光レンズ9G(9B)によりピンホー
ル10G(10B)上に集光され、その透過光が緑検出器
11G(青検出器11B)により検出され、緑ビデオアン
プ12G(青ビデオアンプ12B)により信号増幅され
る。
【0007】これらの増幅信号を取り込み、光束を固定
して試料を走査するか、試料を固定して光束を走査する
かの方法で、試料上の映像信号がカラーモニター13上
に映し出される。
【0008】図8はピンホールを挿入することによる効
果を示す説明図である。試料上の発光点が対物レンズの
焦点Fに位置する場合、戻り光は実線に示すように対物
レンズ6や集光レンズ9を経てピンホール10上に集光
され、これを通り抜けて検出器11に受光される。発光
点が焦点FからF'にずれる場合は破線に示すようにピ
ンホール10に遮られる。
【0009】ピンホールを挿入した走査型レーザー顕微
鏡は共焦点型と呼ばれており、ピンホールのないタイプ
に比べ、面内分解能が約4割以上増加する、ピンホール
が不要散乱光をカットするために非常に高いコントラス
トを得られる、奥行方向分解能も非常に高いものとな
る、などの特長を有することが知られている。以上の効
果を便宜上、共焦点的効果と呼び、ピンホールの穴径が
小さいほどその効果は大きい。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】このような従来の走査
型レーザー顕微鏡に於て以下の問題点があった。すなわ
ち従来例の装置において、検出側の集光スポットが3次
元的広がりを持つことから、ピンホールの位置調整も3
軸方向にわたって行われなければならない。ピンホール
10R、10G、10Bの穴径は集光スポットのエアリ
ー円盤程度、すなわち波長オーダーの大きさであること
から、ピンホールの位置調整も波長オーダーの精度を必
要とする。
【0011】従ってピンホールの調整は極めて困難であ
り、光学系の経時的な位置ずれの影響も受けやすい。ま
たピンホール径が小さい程、共焦点的効果を高めること
ができるが、反対に検出光量の低下を招き、共焦点的効
果と検出感度がトレードオフの関係にある。
【0012】本発明はかかる問題点に鑑み、装置の調整
が容易で経時的な誤差の影響も少なく、安価で簡単な構
成の走査型レーザー顕微鏡を提供することを目的とす
る。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記問題点を解決するた
めに本発明の走査型レーザー顕微鏡は少なくとも1つの
レーザー光源と、この光源からの光を試料面に集光する
の対物レンズと、試料面からの戻り光(または透過光)を
導波層に導くミラーとからなり、導波層上には凹凸等の
周期構造を持つ光結合手段が形成され、周期構造により
戻り光(または透過光)を導波光に結合させて検出するこ
とを特徴とする。特に、周期構造は同心円状である方が
好ましく、この時ミラーと導波層との間に1/4波長板
と集光レンズを挿入する。
【0014】また、周期構造が同心円状の場合、導波層
を光軸に対し傾ける傾斜手段によりレーザー光を導波層
に傾斜して入力させ、同心円中心を通る動径により少な
くとも3つの領域に分割された検出器で、波長の異なる
導波光をそれぞれ検出することを特徴とする。さらに、
Si基板表面に光検出器を形成し、導波層をバッファー
層を挟んでSi基板上に形成し、バッファー層の一部は
Si基板を裏面からエッチングすることで露出してお
り、光結合手段が露出部の領域内に収まり、検出器が露
出部の領域外に収まり、レーザー光をSi基板裏面側か
ら入力することを特徴とする。
【0015】
【作用】本発明は上記した構成によって、入力光のうち
位相整合条件を満たす成分のみが導波層に入力し、導波
光として検出される。特に周期構造が同心円状でレーザ
ー光を導波層に傾斜させて入力する場合、傾斜角に応じ
た導波の方位が存在し、入力光の波長の差異は導波方位
の差異として現れる。従って検出器を同心円中心を通る
動径により分割し、各分割領域ごとに導波光量を検出す
ることで、導波光を波長別に検出できる。さらに導波層
をSi基板の表面側に形成し、レーザー光をSi基板の
裏面側から入力することで、Si基板が遮光体の働きを
兼ね、導波光以外の光が検出器に入るのを防ぐことがで
きる。
【0016】
【実施例】以下本発明の第1実施例の走査型レーザー顕
微鏡について、図面を参照しながら説明する。なお、従
来例と同一の部材には同一番号を付し、詳しい説明は省
略する。
【0017】図1は本発明の第1実施例における走査型
レーザー顕微鏡の構成を示すものであり、14R、14
G、14Bは1/4波長板、9R、9G、9Bは集光レ
ンズ、15R、15G、15Bは検出結合素子である。
【0018】図1においてレーザー光源を出射する赤色
レーザー光1Rは凹レンズ2R、凸レンズ3Rによりビ
ームが拡大され、ダイクロイックミラー4G、4B、ビ
ームスプリッター5を透過して、対物レンズ6により試
料7上に集光される。その反射光は対物レンズ6により
集光された後、ビームスプリッター5を反射して、ダイ
クロイックミラー8B、8Gを透過し、1/4波長板1
4Rを透過して円偏光となり、集光レンズ9Rにより集
光されて赤検出結合素子15Rに入射し、その結合光
(導波光)が検出され、赤ビデオアンプ12Rにより信号
増幅される。
【0019】またレーザー光源を出射する緑色レーザー
光1G(青色レーザー光1B)は凹レンズ2G(2B)、凸
レンズ3G(3B)によりビームが拡大され、ダイクロイ
ックミラー4G(4B)を反射、ビームスプリッター5を
透過して、対物レンズ6により試料7上に集光される。
【0020】その反射光は対物レンズ6により集光され
た後、ビームスプリッター5を反射して、ダイクロイッ
クミラー8G(8B)を反射し、1/4波長板14G(1
4B)を透過して円偏光となり、集光レンズ9G(9B)
により集光されて赤検出結合素子15G(15B)に入射
し、その結合光(導波光)が検出され、緑ビデオアンプ1
2G(青ビデオアンプ12B)により信号増幅される。
【0021】これらの増幅信号を取り込み、光束を固定
して試料を走査するか、試料を固定して光束を走査する
かの方法で、試料上の映像信号がカラーモニター13上
に映し出される。検出結合素子15R、15G、15B
への光入力は集光レンズ9R、9G、9Bと検出結合素
子との位置を相対的に移動することで調整される。
【0022】図2は本発明の第1実施例における検出結
合素子の断面構成を示すものである。図2(a)に於て1
6はSi基板、17はSi基板に形成された輪帯状の光
検出器(後述のグレーティング20に同心する)、18は
Si基板上(表側)に形成されたバッファー層、19はバ
ッファー層上に形成された導波層であり、導波層19は
同心円上の周期的グレーティング20、21が形成され
ている。
【0023】なおグレーティング20は同心円と同軸し
た円形領域内に形成され、グレーティング21は光検出
器の位置に対応して同心円と同軸した輪帯領域内に形成
されている。
【0024】Si基板18はその一部が異方性エッチン
グされ、グレーティング20の領域全体をSi基板の裏
側から見ることができる。バッファー層19はエッチン
グに於けるストッパーの働きを兼ねる。集光レンズ9に
より絞られた光22はグレーティング20に入力し、導
波光23を励起する。導波光23は動径方向に沿って伝
搬し、グレーティング21から放射され、光検出器17
により検出される。集光レンズ9の焦点距離が十分大き
く、光22が導波層19に垂直入射する場合、導波光2
3が励起される条件(位相整合条件)は次式で与えられ
る。
【0025】
【数1】
【0026】ただし、λは入射光の波長、Nは導波層の
等価屈折率、Λはグレーティングピッチであり、qは自
然数である。
【0027】なお、導波光23を検出するには他にいく
つかの方法がある。例えば、図2(b)に示すように光
検出器上の導波層19の厚さを薄くすることで導波光2
3を放射させ検出する方法、図2(c)に示すように光
検出器上のバッファー層18の厚さを薄くすることで導
波光23を検出器17に吸収させる方法などである。
【0028】また、入力結合効率を高めるとともに検出
光量を増加させる方法として、図2(d)に示すように
導波層19上にバッファー層24、反射層25を形成さ
せる方法がある。これにより入力光22のうち導波光2
3を励起せずに導波層19を透過する成分は反射層25
を反射して再び導波光の励起に寄与するので、入力結合
効率は高まる。また、グレーティング21からの放射光
のうち反射層25側に向かう成分が検出器17側に戻る
ので、検出光量が増大する。図2(d)は図2(a)の
モデルにバッファー層24、反射層25を形成させた
が、図2(b)、(c)のモデルに形成させても効果は
同じである。
【0029】図3は本発明の第1実施例における検出結
合素子の効果を示す説明図である。試料上の発光点が対
物レンズの焦点Fに位置する場合、戻り光は実線に示す
ように対物レンズ6や集光レンズ9を経て導波層19上
のグレーティング20に入力する光22となり、導波光
23を励起して検出される。発光点が焦点FからF’に
ずれる場合は破線に示すように垂直入力からずれた光2
2’となり位相整合条件からはずれるので、導波光は特
定の方向には励起されるものの、全方位にわたって励起
されることはなくなり、全体としての導波光量も大幅に
低下する
【0030】この様に本発明の実施例における検出結合
素子は導波路の位相整合条件に基づく検出原理から、従
来例に於けるピンホールと同等の作用(共焦点的効果)を
なす。またそれ以外に、以下の利点が付け加わる。
【0031】(a)検出結合素子は集光レンズの焦平面
上にある必要がなく、導波層上の光スポットは波長の数
百倍程度の大きさである。またグレーティング20の大
きさも光スポット程度の大きさであり、3軸方向にわた
る位置調整を行う必要があるものの、調整は極めて簡単
である。また光学系の経時的な位置ずれの影響も小さ
い。
【0032】(b)共焦点的効果は結合長(グレーティ
ング20の半径)によって決まり、検出光量すなわち入
力結合効率は(結合長×放射損失係数)によって決まる。
従って、共焦点的効果と検出感度を両立させることがで
きる。
【0033】以下本発明の第2の実施例について図面を
参照しながら説明する。第2の実施例は検出結合素子を
除いて第1の実施例と全く同じ構成であり、第1の実施
例と同一の部材には同一番号を付し、詳しい説明を省略
する。
【0034】図4は本発明の第2の実施例における検出
結合素子の構成構成を示すものである。図4(a)に於て
16はSi基板、17はSi基板に形成された輪帯状の
光検出器(後述のグレーティング20に同心する)、18
はSi基板上に形成されたバッファー層、19はバッフ
ァー層上に形成された導波層であり、導波層19は同心
円上の周期的グレーティング20、21が形成されてい
る。なおグレーティング20は同心円と同軸した円形領
域内に形成され、グレーティング21は光検出器の位置
に対応して同心円と同軸した輪帯領域内に形成されてい
る。
【0035】集光レンズ9により絞られた光22はグレ
ーティング20に入力し、導波光23を励起する。導波
光23は動径方向に沿って伝搬し、グレーティング21
から放射され、光検出器17により検出される。導波層
19上にはバッファー層24、反射層25を形成しても
よい。この時、反射層25は光検出器17を覆う形で形
成される。これにより入力光22等の外乱光が検出器1
7に漏れ込むのを防ぐ一方、グレーティング21からの
放射光が反射層25を反射して検出器17側に戻るので
検出光量が増大する。
【0036】また、図4(b)に示すような構成も考えら
れる。図4(a)と違ってグレーティング20は外周の
輪帯領域に、グレーティング21は内周の円形領域に形
成される。集光レンズ9により絞られた光22はグレー
ティング20に入力し、導波光23を励起する。他の作
用は図4(a)と同様であり図4(a)と同等の効果が
得られる。
【0037】以下本発明の第3実施例について図面を参
照しながら説明する。なお、第1の実施例と同一の部材
には同一番号を付し、詳しい説明を省略する。図5は本
発明の第3実施例における走査型レーザー顕微鏡の構成
を示すものであり、14は1/4波長板、9は集光レン
ズ、15は検出結合素子である。
【0038】図5においてレーザー光源を出射する赤色
レーザー光1Rは凹レンズ2R、凸レンズ3Rによりビ
ームが拡大され、ダイクロイックミラー4G、4B、ビ
ームスプリッター5を透過して、対物レンズ6により試
料7上に集光される。その反射光は対物レンズ6により
集光された後、ビームスプリッター5を反射して、1/
4波長板14を透過してほぼ円偏光となり、集光レンズ
9により集光され、光軸に対し傾斜して置かれた検出結
合素子15に入射し、その結合光(導波光)が検出され、
赤ビデオアンプ12Rにより信号増幅される。
【0039】またレーザー光源を出射する緑色レーザー
光1G(青色レーザー光1B)は凹レンズ2G(2B)、凸
レンズ3G(3B)によりビームが拡大され、ダイクロイ
ックミラー4G(4B)を反射、ビームスプリッター5を
透過して、対物レンズ6により試料7上に集光される。
その反射光は対物レンズ6により集光された後、ビーム
スプリッター5を反射して、1/4波長板14を透過し
てほぼ円偏光となり、集光レンズ9により集光されて検
出結合素子15に入射し、その結合光(導波光)が検出さ
れ、緑ビデオアンプ12G(青ビデオアンプ12B)によ
り信号増幅される。
【0040】これらの増幅信号を取り込み、光束を固定
して試料を走査するか、試料を固定して光束を走査する
かの方法で、試料上の映像信号がカラーモニター13上
に映し出される。なお3色(赤、緑、青)のレーザー光を
1個の1/4波長板14により完全な円偏光へ変換する
ことは不可能であるが、中間の波長(緑)対応の1/4波
長板14を用いれば緑では完全な円偏光、赤、青ではほ
ぼ円偏光に近い楕円偏光に変換できる。また、検出結合
素子の構成は光検出器を除いて第1の実施例と全く同じ
構成であるので説明を省略する。
【0041】図6は本発明の第3実施例における光検出
原理を示す説明図である。導波層19を入力光光軸(z
軸)の法平面(xy座標)に対しθだけ傾ける。この時、
導波層法線がxz面内にあるとすると、位相整合条件
(結合波面不整合=0の条件)は次式で表される。
【0042】
【数2】
【0043】ただしκは波数(=2π/λ)、Kはグレーテ
ィングの格子ベクトルの大きさ(=2π/Λ)、φはxy座
標に於ける偏角であり、(数2)の解として得られるφ
は励起される導波光の伝搬する方位を表す。(数2)は
次式に書き換えられる。
【0044】
【数3】
【0045】従ってθ≠0の場合、波長λが異なるとφ
の解も異なる。実際には等価屈折率の波長分散がありこ
れを考慮しなければならないが仮にこれを無視してN=
1.70に固定し、θ=15度、Λ=0.33μmとすると、λ
=0.633μm(赤色レーザー光)のときφR=±30度、λ
=0.515μm(緑色レーザー光)のときφG=±119度、
λ=0.488μm(青色レーザー光)のときφB=±146度
となる。
【0046】従って図6に示すように光検出器を動径に
沿った直線で17R、17G、17Bに分割し、それぞ
れの方位に伝搬する赤、緑、青の導波光23R、23
G、23Bを検出し、ビデオアンプ12R、12G、1
2Bで信号増幅する。
【0047】第3実施例は2個のダイクロイックミラー
の代わりに一個の検出結合素子を傾き調整するだけで赤
緑青の光を分離検出できるので、第1の実施例に比べ大
幅に光学系を簡略化でき、安価で簡単な構成の走査型レ
ーザー顕微鏡を提供できる。
【0048】なお、グレーティング20を動径に沿った
直線でピッチの異なる3つの領域に分割し、各領域で各
波長の入力光を導波光に結合させる方法もある。この
時、(数1)を満たすように各領域のピッチを正確に設
定する難しさがあるが、第3実施例と同様に光学系を大
幅に簡略化できる。
【0049】なお、以上の実施例では反射型の走査型レ
ーザー顕微鏡を例に取って説明したが、透過型に於いて
も全く同じ効果が得られる。またグレーティングを同心
円状とする構成で説明したが他の形状であっても構わ
ず、その効果は同一である。
【0050】
【発明の効果】以上本発明の走査型レーザー顕微鏡によ
り、光検出位置が焦平面上になく光スポットが十分大き
いので、調整が極めて簡単で、光学系の経時的な位置ず
れの影響も小さくなる。また導波路の位相整合条件を利
用した検出原理から、共焦点的効果と検出感度を両立さ
せることができる。さらに2個のダイクロイックミラー
の代わりに一個の検出結合素子を傾き調整するだけで赤
緑青の光を分離検出できるので、大幅に光学系を簡略化
でき、安価で簡単な構成の走査型レーザー顕微鏡を提供
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例における走査型レーザー顕
微鏡の構成図
【図2】本発明の第1実施例における検出結合素子の断
面構成図
【図3】本発明の第1実施例における検出結合素子の効
果を示す説明図
【図4】本発明の第2実施例における検出結合素子の断
面構成図
【図5】本発明の第3実施例における走査型レーザー顕
微鏡の構成図
【図6】本発明の第3実施例における光検出原理を示す
説明図
【図7】従来例における走査型レーザー顕微鏡の構成図
【図8】従来例における走査型レーザー顕微鏡のピンホ
ールを挿入することによる効果の説明図
【符号の説明】
1R、1G、1B レーザー光 2R、2G、2B 凹レンズ 3R、3G、3B 凸レンズ 4G、4B ダイクロイックミラー 5 ビームスプリッター 6 対物レンズ 7 試料 8G、8B ダイクロイックミラー 9R、9G、9B 集光レンズ 12R、12G、12B ビデオアンプ 13 カラーモニター 14R、14G、14B 1/4波長板 15R、15G、15B 検出結合素子
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平3−78720(JP,A) 特開 昭62−218916(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G02B 21/00 G02B 21/06 - 21/36

Claims (12)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも1つのレーザー光源と、この光
    源からの光を試料面に集光するの対物レンズと、前記試
    料面からの戻り光(または透過光)を導波層に導くミラー
    とからなり、前記導波層上には凹凸等の周期構造を持つ
    光結合手段が形成され、前記周期構造により前記戻り光
    (または透過光)を導波光に結合させて検出することを特
    徴とする走査型レーザー顕微鏡。
  2. 【請求項2】周期構造が同心円状であることを特徴とす
    る請求項1記載の走査型レーザー顕微鏡。
  3. 【請求項3】レーザー光源から出射するレーザー光が少
    なくとも3つの波長を含み、戻り光(または透過光の集
    束光)を少なくとも3つのミラーにより波長ごとに分離
    して導波層に導き、各導波層上の周期構造により各波長
    のレーザー光を導波光に結合させて検出することを特徴
    とする請求項1または2記載の走査型レーザー顕微鏡。
  4. 【請求項4】レーザー光源から出射するレーザー光が少
    なくとも3つの波長を含み、前記導波層上の周期構造は
    ピッチの異なる少なくとも3つの領域に分けられ、各領
    域で各波長のレーザー光を導波光に結合させて検出する
    ことを特徴とする請求項1または2記載の走査型レーザ
    ー顕微鏡。
  5. 【請求項5】導波層を光軸に対し傾ける傾斜手段を持つ
    ことを特徴とする請求項1または2記載の走査型レーザ
    ー顕微鏡。
  6. 【請求項6】レーザー光源から出射するレーザー光が少
    なくとも3つの波長を含み、前記導波層を光軸に対し傾
    ける傾斜手段により前記レーザー光を導波層に傾斜して
    入力させ、前記同心円状周期構造の中心を通る動径で少
    なくとも3つの領域に分割された検出器で、波長の異な
    る導波光をそれぞれ検出することを特徴とする請求項2
    記載の走査型レーザー顕微鏡。
  7. 【請求項7】ミラーと導波層との間に1/4波長板と集
    光レンズを挿入し、集光レンズもしくは導波層を光軸に
    沿って動かす摺動手段を持つことを特徴とする請求項2
    記載の走査型レーザー顕微鏡。
  8. 【請求項8】導波層上または導波層の手前にはレーザー
    光を遮る遮光体があり、導波光を検出する検出器を前記
    遮光体によって生じる影の領域に形成することを特徴と
    する請求項1または2記載の走査型レーザー顕微鏡。
  9. 【請求項9】Si基板表面に検出器を形成し、前記導波
    層をバッファー層を挟んで前記Si基板上に形成し、前
    記バッファー層の一部は前記Si基板を裏面からエッチ
    ングすることで露出しており、前記光結合手段が前記露
    出部の領域内に収まり、前記検出器が前記露出部の領域
    外に収まり、レーザー光を前記Si基板裏面側から入力
    することを特徴とする請求項1または2記載の走査型レ
    ーザー顕微鏡。
  10. 【請求項10】検出器の位置に対応する導波層上に凹凸
    等の周期構造を構成することを特徴とする請求項1また
    は2記載の走査型レーザー顕微鏡。
  11. 【請求項11】検出器の位置に対応する導波層を薄くす
    ることを特徴とする請求項1または2記載の走査型レー
    ザー顕微鏡。
  12. 【請求項12】導波層がバッファー層を挟んで検出器上
    に形成され、前記検出器の位置に対応するバッファー層
    を薄くすることを特徴とする請求項1または2記載の走
    査型レーザー顕微鏡。
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