JP2004505312A - 近距離場顕微鏡検査におけるサブ波長アパチャ・アレイの位置および方向の制御 - Google Patents
近距離場顕微鏡検査におけるサブ波長アパチャ・アレイの位置および方向の制御 Download PDFInfo
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Abstract
サブ波長アパチャのアレイを有するマスクを使用して近距離場プローブ・ビームをサンプルに結合する、近距離場干渉顕微鏡検査のためのシステムおよび方法を開示する。マスクの周囲は、マスクとサンプルの間の相対距離を示す干渉信号のベースとなる光をサンプルに結合させる、より大きい1つまたは複数のアパチャをさらに含む。干渉信号は、サンプルに対してマスクを動的に配置するサーボ・システムにおける制御信号のベースとなりうる。
Description
【0001】
(関連出願に対する相互参照)
本出願は、その内容を本願に引用して援用する、2000年7月27日に出願された「近距離場走査顕微鏡検査におけるサブ波長アパチャ・アレイの位置および方向の制御(Control of Position and Orientation of Sub−Wavelength Aperture Array in Near−field Scanning Microscopy)」という発明の名称の仮出願第60/221,287号(ヘンリー エー ヒル(Henry A.Hill))の優先権を主張するものである。
【0002】
(背景)
本発明は、半導体、データ記憶装置、ならびに生物学的材料、構造体およびデバイスの光学的撮像および計測に関する。
近距離場走査プローブは、典型的にはサンプルに近接して配置されるサブ波長アパチャであり、このようにしてオブジェクト平面におけるサブ波長の空間分解能が得られる。近距離場顕微鏡検査の用途に使用される光学ビームの自由空間光学波長より小さいアパチャを、以下、サブ波長アパチャと呼ぶ。
【0003】
近距離場走査プローブを近接して、好ましくは非接触方式で配置することは、当該技術分野では「アプローチ・プロブレム」として知られる。
(発明の概要)
本発明は、サブ波長アパチャのアレイを有するマスクを使用して近距離場プローブ・ビームをサンプルに結合する近距離場干渉顕微鏡検査のためのシステムおよび方法を特徴とする。マスクの周囲は、マスクとサンプルの間の相対距離を示す干渉信号のベースとなる光をサンプルに結合させる、より大きい1つまたは複数のアパチャをさらに含む。干渉信号は、サンプルに対してマスクを動的に配置するサーボ・システムにおける制御信号のベースになりうる。いくつかの実施形態では、大きいアパチャを介してサンプルに結合された光をサンプルによって散乱させ、サブ波長アパチャの1つを介して検出し、参照ビーム成分と混合して、干渉制御信号を生成する。概してシステムは、反射でも透過モードでも動作することができ、サンプルのプロフィルを調査し、サンプルからの光学データを読み取り、および/または光学データをサンプルに書き込むのに使用できる。
【0004】
概して、本発明の1態様は、オブジェクトを撮像するための干渉光学顕微鏡検査システムを特徴とする。該システムは、入力ビームを測定ビームと参照ビームとに分割するために配置されたビーム・スプリッタと、測定ビームを受け取るように配置された測定ビーム光源アレイと、参照ビームを受け取るように配置された参照ビーム光源アレイと、マルチ素子光検出器と、撮像光学系とを含む。
【0005】
測定ビーム光源アレイは、複数の測定アパチャのアレイと、測定アパチャの1つに近接する制御アパチャとを有するマスクを含む。制御アパチャの横方向は、近接する測定アパチャの横断(横方向)寸法より大きい。各測定アパチャおよび制御アパチャは、測定ビームの一部をオブジェクトに放射するように構成される。オブジェクトは、放射された測定ビームの部分と相互作用して、それに応答して測定アパチャを介して信号放射線を戻す方向に向けて測定戻りビームを定める。制御アパチャの横断(横方向)寸法は、制御アパチャに近接する測定アパチャを介して戻す方向に向けられた信号放射線よりも制御アパチャから来た放射線が支配的になるように選択される。参照ビーム光源アレイは、参照ビームの一部を放射するように各々が構成された複数の素子のアレイを含む。放射された参照ビームの部分は参照戻りビームを定める。
【0006】
撮像光学系は、測定ビームと参照戻りビームを光検出器に誘導するように配置され、参照素子のアレイと測定アパチャのアレイの重複複合画像を光検出器上に生成するように構成される。各測定アパチャに対する複合画像は、対応する参照素子の複合画像と重なって、オブジェクトの特定領域を示す光干渉信号を生成する。
【0007】
顕微鏡検査システムの実施形態は、以下の特徴のいずれかをさらに含んでもよい。
該システムは、測定ビーム光源アレイに対してオブジェクトを支持する位置決めシステムと、光検出器および位置決めシステムに結合される電子コントローラとをさらに含んでもよい。動作時に、電子コントローラは位置決めシステムに、制御アパチャに近接する測定アパチャに対応する干渉信号から誘導された制御信号に応答して、測定ビーム光源アレイとオブジェクトの分離度を調節させる。
【0008】
マスクは、それぞれ測定アパチャの1つに近接し、対応する近接測定アパチャの横断寸法より大きい横断寸法を各々が有する複数の制御アパチャを含むことができる。例えば、複数の制御アパチャは、測定アパチャのアレイの周囲を囲むことができる。
【0009】
該システムは、入力ビームを供給するための光源をさらに含んでもよい。さらに、測定アパチャの各々は、光源により供給される入力ビームの真空波長より小さい横断寸法を有することができる。さらに、制御アパチャは、光源により供給される入力ビームの真空波長より大きいかそれと等しい横断寸法を有することができる。
【0010】
測定アパチャのアレイの周囲に制御アパチャを配置することができる。さらに、制御アパチャに近接する測定アパチャ以外の各測定アパチャのオブジェクトに隣接する末端を、第1の共通平面に配置し、制御アパチャおよび制御アパチャに近接する測定アパチャの各々の末端を、第1の共通平面に対してずらすことができる。例えば、制御アパチャおよび制御アパチャに近接する測定アパチャのそのような末端を、第1の共通平面に平行な第2の共通平面に配置することができる。該システムは、入力ビームを供給する光源をさらに含んでもよく、第1の共通平面は、入力ビームの波長の約2倍に相当する分だけ第2の共通平面からずらして配置される。
【0011】
該システムは、光検出器に近接して配置されるピンホール・アレイをさらに含んでもよく、各ピンホールは1つまたは複数の検出器素子の個別的セットと位置を合わせて配置され、撮像システムは、各測定アパチャに対する複合画像の位置をピンホール・アレイの対応するピンホールに合わせる。
【0012】
測定ビーム光源アレイにおけるマスクは、測定散乱素子のアレイをさらに含んでもよく、各測定散乱素子は、測定アパチャのうちの対応する1つのアパチャに近接し、該対応する測定アパチャに匹敵する横断寸法を有する。各測定散乱素子は、測定ビームの一部を散乱させる。そのような場合、測定戻りビームは、測定散乱素子によって散乱する測定ビームの該部分をさらに含む。撮像光学系は、さらに、参照素子のアレイの複合画像に重なる測定散乱素子のアレイの複合画像を生成するように構成される。各測定散乱素子に対する複合画像は対応する参照素子の複合画像に重なって、近接測定アパチャからの散乱を示す光干渉信号を生成する。
【0013】
さらに、散乱素子を含む実施形態では、測定アパチャのアレイの周囲に制御アパチャを配置することができ、制御アパチャに近接する測定アパチャと制御アパチャに近接する測定アパチャに近接する測定散乱素子以外の、各測定アパチャおよび各測定散乱素子のオブジェクトに近接する末端を第1の共通平面に配置することができ、制御アパチャ、制御アパチャに近接する測定アパチャ、および制御アパチャに近接する測定アパチャに近接する測定散乱サイトの各々のオブジェクトに近接する末端を第1の共通平面に対してずらすことができる。さらに、制御アパチャおよび制御アパチャに近接する測定アパチャの末端を、第1の共通平面に平行な第2の共通平面に配置することができる。また、該システムは、入力ビームを供給する光源をさらに含んでもよく、波長の約2倍に相当する分だけ第1の共通平面を第2の共通平面からずらすことができる。
【0014】
さらに、散乱素子を含む実施形態では、該システムは、測定ビーム光源アレイに対してオブジェクトを支持するための位置決めシステムと、光検出器および位置決めシステムに結合された電子コントローラとをさらに含んでもよい。電子コントローラは、動作時に、位置決めシステムに、制御アパチャに近接する測定アパチャに対応する干渉信号および制御アパチャに近接する測定アパチャに近接する測定散乱サイトに対応する干渉信号から誘導される制御信号に応答して、測定ビーム光源アレイとオブジェクトの分離度を調節させる。
【0015】
さらに、散乱素子を含む実施形態では、該システムは、光検出器に近接して配置されるピンホール・アレイをさらに含んでもよい。各ピンホールは、1つまたは複数の検出器素子の個別的セットと位置を合わせて配置され、撮像システムは、各測定アパチャおよび各測定散乱素子に対する複合画像の位置をピンホール・アレイの対応するピンホールに合わせる。
【0016】
各参照素子は、反射要素を含んでもよい。
各参照素子は、透過アパチャを含む。
概して、本発明の他の態様は、オブジェクトを照明するための光源アレイを特徴とする。該光源アレイは、測定ビームを受け取るように配置されたマスクであって、複数の光源アパチャのアレイと、該光源アパチャの1つに近接する制御アパチャとを有するマスクを含む。制御アパチャの横断寸法は近接光源アパチャの横断寸法より大きい。各光源アパチャおよび制御アパチャは、測定ビームの一部をオブジェクトに放射するように構成される。オブジェクトは、制御アパチャから放射された測定ビームの部分と相互作用し、制御アパチャに近接する光源アパチャを介して制御信号放射線を戻す方向に向ける。
【0017】
光源アレイの実施形態は、以下の特徴のいずれかを含むことができる。
マスクは、それぞれが測定アパチャの1つに近接し、それぞれが対応する近接測定アパチャの横断寸法より大きい横断寸法を有する、複数の制御アパチャを含んでもよい。例えば、複数の制御アパチャは、測定アパチャのアレイの周囲を囲むことができる。
【0018】
該システムは、測定ビームを供給するための光源をさらに含んでもよい。さらに、測定アパチャの各々は、光源により供給される測定ビームの真空波長より小さい横断寸法を有することができる。さらに、制御アパチャは、光源により供給される測定ビームの真空波長より大きいかそれと等しい横断寸法を有することができる。
【0019】
測定アパチャのアレイの周囲に制御アレイを配置することができる。さらに、制御アパチャに近接する測定アパチャ以外の各測定アパチャのオブジェクトに近接する末端を、第1の共通平面に配置し、制御アパチャおよび制御アパチャに近接する測定アパチャの各々の末端を第1の共通平面に対してずらすことができる。例えば、制御アパチャおよび制御アパチャに近接する測定アパチャのそのような末端を、第1の共通平面に平行な第2の共通平面に配置することができる。該システムは、入力ビームを供給する光源をさらに含んでもよく、第1の共通平面は、測定ビームの波長の約2倍に相当する分だけ第2の共通平面からずらして配置される。
【0020】
測定ビーム光源アレイにおけるマスクは、測定散乱素子のアレイをさらに含んでもよく、各測定散乱素子は、測定アパチャのうちの対応する1つのアパチャに近接し、該対応する測定アパチャに匹敵する横断寸法を有する。
【0021】
、本発明の他の態様は、オブジェクトを照明するためのシステムであって、上述の光源アレイと、光源アレイに対してオブジェクトを支持するための位置決めシステムと、位置決めシステムに結合される電子コントローラとを含み、動作時に、電子コントローラは位置決めシステムに、制御信号放射線から誘導された干渉信号に基づく制御信号に応答して、測定ビーム光源アレイとオブジェクトの分離度を調節させるシステムを特徴とする。
【0022】
概して、本発明の他の態様は、複数の光源でオブジェクトを照明する方法であって、複数の光源アパチャのアレイと、該光源アパチャの各々の横断寸法より大きい横断寸法を有する制御アパチャとを有するマスクを、オブジェクトに近接させて配置する工程と、放射線をマスクに向けて、各光源アパチャおよび制御アパチャに放射線の一部をオブジェクトに対して放射させる工程と、制御アパチャからオブジェクトに向けられた放射線から誘導される光干渉信号を生成する工程と、光干渉信号から誘導される制御信号に応答して、オブジェクトに対してマスクを再配置する工程とから成る方法を特徴とする。該方法は、顕微鏡検査システムと光源アレイについて上述した特徴のいずれに対応する特徴をさらに含んでもよい。
【0023】
以下の同一出願人が有する仮出願、すなわち2000年8月2日に出願された「走査干渉近距離場共焦点顕微鏡(Scanning Interferometric Near−Field Confocal Microscopy)」という発明の名称の出願番号第09/631,230号(ヘンリー エー ヒル(Henry A.Hill))、および2001年2月8日に公開された対応するPCT公報WO 01/09662 A2;2000年7月27日に出願された「共焦および近距離場顕微鏡用の多数光源アレイ(Multiple−Source Arrays For Confocal And Near−Field Microscopy)」という発明の名称の仮出願番号第60/221,019号(ヘンリー エー ヒル(Henry A.Hill)およびカイル ビー フェリオ(Kyle B.Ferrio))、および2001年7月27日に出願された同じ発明の名称の対応する通常特許出願番号第09/917,402号;2000年7月27日に出願された「バックグラウンド振幅が減衰および補償された走査干渉近距離場共焦点顕微鏡(Scanning Interferometric Near−Field Confocal Microscopy with Background Amplitude Reduction and Compensation)」という発明の名称の仮出願番号第60,221,086号(ヘンリー エー ヒル(Henry A.Hill))、および2001年7月27日に出願された同じ発明の名称の対応する通常特許出願番号第09/917,399号;2000年7月27日に出願された「共鳴キャビティにより光透過が向上された多数光源アレイ(Multiple−Source Arrays with Optical Transmission Enhanced by Resonant Cavities)」という発明の名称の仮出願番号第60/221,091号(ヘンリー エー ヒル(Henry A.Hill))、および2001年7月27日に出願された同じ発明の名称の対応する通常特許出願番号第09/917,400号;ならびに2000年7月27日に出願された「ディファレンシャル干渉共焦近距離場顕微鏡(Differential Interferometric Confocal Near−Field Microscopy)」という発明の名称の仮出願番号第60/221,295号(ヘンリー エー ヒル(Henry A.Hill))および2001年7月27日に出願された同じ発明の名称の対応する通常特許出願番号第09/917,276号には、共焦および近距離共焦点顕微鏡検査システムについても記載されており、上述の出願のそれぞれの内容を本願に引用して援用する。上述の仮出願に開示されている態様および特徴を本願に記載する実施形態に取り入れることができる。
【0024】
本発明の実施形態は、以下の利点のいずれかを含み得る。
1つの利点は、撮像対象サンプルに対する非接触接近において、波長およびサブ波長アパチャのアレイの位置および方向を制御することである。
別の利点は、撮像対象サンプルに対する非接触近接において、波長およびサブ波長アパチャのアレイの位置および方向を制御することである。
【0025】
別の利点は、撮像対象サンプルに対する非接触近接走査において、波長およびサブ波長アパチャのアレイの位置および方向を制御することである。
別の利点は、表面が凹凸を有する撮像対象サンプルに対する非接触近接走査において、波長およびサブ波長アパチャのアレイの位置および方向を制御することである。
【0026】
別の利点は、表面に対する非接触近接において波長およびサブ波長アパチャのアレイの位置および方向を制御するために、表面の走査中に表面輪郭をリアル・タイムでマッピングすることである。
【0027】
別の利点は、撮像対象サンプルに対する非接触近接走査において波長およびサブ波長アパチャのアレイの位置および方向を制御するための情報が、波長およびサブ波長アパチャのアレイの部分集合によって得られることである。
【0028】
他の態様、特徴および利点が以下に続く。
図面においては、いくつかの図を通じて同様の参照符号が同様の要素を表す。
(発明の詳細な説明)
実施形態は、走査干渉近距離場共焦点顕微鏡を含む。近距離場の用途では、1つまたは複数のアパチャは、例えばサブ波長アパチャのような、自由空間入射ビームの波長よりも小さい寸法を有することができる。他の用途では、1つまたは複数のアパチャは、例えば波長アパチャのように、自由空間入射ビームの波長より小さいか、同等か、またはより大きい寸法を有することができる。
【0029】
本発明の装置は幅広い放射源に対して応用されるが、以下の説明は、入射ビームが電磁放射線ビーム、例えば光ビームである光学的測定システムに関して、例示のために提示される。さらなる実施形態では、例えば、アパチャまたは複数のアパチャのアレイに対するビームの入射は、音響放射ビーム、電子ビームおよび原子ビームを含むことができる。
【0030】
本発明の実施形態によって使用される光ビームの光源は、単一および複数波長光源でさまざまに組み合わせられたCWおよびパルス光源を含む。
本発明の装置は幅広い撮像システムに対しても応用されるが、以下の説明は、干渉近距離場共焦点顕微鏡検査測定システムに関して、例示のために提示される。ここで用いられる測定システムは、走査およびステップアンドリピート式干渉近距離場共焦点顕微鏡検査システム、ならびに走査およびステップアンドリピート式共焦点および干渉共焦点顕微鏡検査システムでの使用を含むが、それらに限定されない。
【0031】
詳細に図面を参照すると、図1は、本発明の第1の実施形態を示す略図である。図1に示されるように、第1の実施形態は、干渉計、光源10、オブジェクト物質112、オブジェクト物質チャック160、チャック台162、トランスレータ164、参照オブジェクト20Rおよび、検出器116を備える。干渉計の構成は、当該技術分野ではマイケルソン干渉計として知られ、単純な例として示されている。偏光マイケルソン干渉計や、シー ザノーニ(C.Zanoni)著「距離および角度測定のためのディファレンシャル干渉装置(Differential Interferometer Arrangements for Distance and Angle Measurements)」(VDI Berichte NR.749、pp.93−106、1989年)に記載されている干渉計のような当該技術分野において知られている他の形態の干渉計も、本発明の趣旨および範囲を逸脱することなく、図1の装置に取り入れることができる。
【0032】
第1の実施形態では、光源10は、点源、または光源の表面全体にわたる空間的にコヒーレントな放射線の光源、好ましくはレーザ、あるいはコヒーレントまたは部分コヒーレントな放射線の同様の光源であるのが好ましく、直線偏光するのが好ましい。光源10は入力ビーム12を放射する。図1に示されるように、入力ビーム12は、照準レンズ14に入って入力ビーム16を形成する。入力ビーム16は位相遅延プレート18によって入力ビーム20として伝達される。入力ビーム20の偏光面を位相遅延プレート18によって回転させて、図1の平面に平行または直交させるようにする。しかし、特定の最終用途の分野では、入力ビーム20の偏光面の他の方向を有利に利用することもできる。位相遅延プレート18の機能は、電子コントローラ、信号プロセッサおよびコンピュータ200からの信号128によって制御される。
【0033】
入力ビーム20は非偏光ビーム・スプリッタ100に入射し、その第1の部分が測定ビーム22として伝達される。ビーム・スプリッタ100に入射した入力ビーム20の第2の部分は参照ビーム50として反射される。測定ビーム22はレンズ60のアパチャを透過し、レンズ24,26を備えたレンズ・アセンブリに入射する。
【0034】
図2aには、レンズ・アセンブリを透過する測定ビーム22の伝播が拡大略図として示されている。レンズ26は、アミチ(Amici)型対物レンズである。測定ビーム22は、レンズ・アセンブリによって、要素28にて、サブ波長アパチャのアレイ、サブ波長散乱サイトのアレイおよび波長アパチャのアレイを包囲する要素28のビーム直径に集束される。要素30,32を含む要素28の部分が、アミチ型対物レンズ26の表面に拡大略図として図2bに示されている。
【0035】
図2bに示されるように、サブ波長アパチャおよびサブ波長散乱サイトは、それぞれ要素30および32である。図4にはサブ波長アパチャおよびサブ波長散乱サイト1030および1032がそれぞれ示されている。波長アパチャは要素2030であり、同様に図4に示されている。サブ波長散乱サイト32は、好ましくは複素屈折率が要素28の反射体の複素屈折率と異なる非透過性要素である。複素屈折率は、要素32がサブ波長散乱サイトとして効果的に機能するように差がつけられている。要素30,32の直径をaとすると、a<λ、好ましくはa<<λである(λは測定ビーム22の波長である)。要素30,32の分離度をbとすると、b>a、好ましくはb>>aである。要素28の反射材料の厚さは約20nmであり、サブ波長要素30を含まない要素28の部分によって透過されるプローブ・ビームの部分が<<1となるように選択される。
【0036】
第2のサブ波長アパチャの透過特性に対するあるサブ波長アパチャの影響を最小限にするように、要素28における要素30の相対的間隔はさらに選択される。サブ波長アパチャのアレイによる透過の拡大または縮小をもたらすカップリングは、第1の実施形態の装置によって得られる結果の解釈を複雑にする。
【0037】
サブ波長アパチャ30の直径は、図2bに略図で示したような単一の直径に限定される必要はなく、最終用途の分野に応じて2つ以上の直径を有利に含むことができる。さらに、サブ波長アパチャ30の形状は、本発明の趣旨および範囲を逸脱することなく、円形以外の形状、例えば正方形または長方形であってもよい。
【0038】
サブ波長アパチャ30の間隔は、図2bに略図で示したような単一の値に限定される必要はなく、本発明の趣旨および範囲を逸脱することなく、最終用途の分野に応じて2以上の異なる間隔を有利に含むことができる。
【0039】
さらに、サブ波長アパチャ30の配列は、本発明の趣旨および範囲を逸脱することなく、様々な幾何学パターンまたはランダム・パターンで配列することができる。
【0040】
要素28におけるアパチャ30は、マスクの穴として、またはさもなければ非透過性マスクにおける透過性誘電領域、例えばさもなければ反射要素における透過性バイアスとして形成することができる。さらに、アパチャ30を区画形成する要素28における誘電体は、サンプルに対する近距離場プローブ・ビームの透過を拡大させる導波管または光共振器を形成することができる。例えば、先に引用した出願「共焦および近距離場顕微鏡用の多数光源アレイ(Multiple−Source Arrays For Confocal And Near−Field Microscopy)」を参照されたい。さらに、現在述べている実施形態では、要素28のマスク部を導電性を有するものとして説明し、それが反射性を有することを示す。他の実施形態では、要素28は必ずしも導電性を有するものでなく、一般に非透過性で、近距離場プローブ・ビームのサンプルへのカップリングは要素28のアパチャ30によって遂行される。
【0041】
サブ波長アパチャは、フレネルのゾーン・プレートまたはマイクロレンズをさらに含んで、特定の最終用途の分野において、本発明の趣旨および範囲を逸脱することなくサブ波長アパチャのアレイを介する透過性を有利に変化させることができる。他の特定最終用途の分野において、反射/散乱または透過近距離場プローブ・ビームの空間フィルタとして機能する波長/サブ波長アパチャのアレイに格子を与えて、本発明の趣旨および範囲を逸脱することなく、反射/散乱または透過近距離場プローブ/ビームの特性を変化させることができる。
【0042】
サブ波長アパチャ30に入射する測定ビームの第1の部分は、近距離場プローブ・ビームとして伝達される。近距離場プローブ・ビームの一部はオブジェクト物質112に入射され、その一部は反射および/または散乱されてサブ波長アパチャ30に戻り、その一部は近距離場戻りプローブ・ビームとして伝達される。図2bに示すように、オブジェクト物質112と反射要素28の近接面の空間分離度をhとする。hの値は、約2aであるのが好ましい。サブ波長アパチャ30に入射する測定ビームの第2の部分は、第1のバックグラウンド戻りビームとして反射および/または散乱される。サブ波長散乱サイト32に入射する測定ビームの部分は、第2のバックグラウンド戻りビームとして反射および/または散乱される。近距離戻りプローブ・ビーム、第1のバックグラウンド戻りビームおよび第2のバックグラウンド戻りビームは、図1,図2aにおいて光線32a,32bとして示される戻りビーム34であって、光線32a,32bの間に光線を含む戻りビーム34としてアミチ型対物レンズ26を出る。戻りビーム34はレンズ60によって平行にされ、図1aに光線36A,36Bとして示され、光線36Aと36Bの間に光線を含む戻りビーム36となる。
【0043】
サブ波長アパチャ30および散乱サイト32に入射する測定ビームの一部は、戻り測定ビームとして反射される。戻り測定ビームは、測定ビーム22と実質的に平行なビームとしてレンズ24を出て、その一部がビーム42の戻り測定ビーム成分として反射される。ビーム42は停止部材70に入射し、停止部材70によって実質的に遮蔽される。
【0044】
参照ビーム50は移相器64によって伝達され、レンズ66のアパチャによって伝達され、参照オブジェクト20Rに入射し、図1に光線52a,52bとして示され、光線52aと52bの間に光線を含む反射参照ビーム54として反射される。ビーム54はレンズ66によって平行にされ、図1に光線56Aおよび56Bとして示され、光線56Aと56Bの間に光線を含む反射参照ビーム56として移相器64により伝達される。移相器64は、参照ビーム50が移相器64を2度通過した結果として、反射参照ビーム56に相対移相χを導入する。電子コントローラ、信号プロセッサおよびコンピュータ200からの制御信号132によって、移相χの大きさは制御される。
【0045】
図2cには、参照オブジェクト20Rを透過する参照ビーム52の伝播が拡大略図で示されている。参照オブジェクト20Rはアミチ型対物レンズである。参照ビーム52は、参照オブジェクト20Rによって、要素28R上の少なくとも2つの波長またはサブ波長反射スポットのアレイを包囲する要素28Rのビーム直径に集束される。要素28Rは、アミチ型対物レンズ26Rの表面の反射スポット30R,32Rのアレイとして、拡大略図で図2dに示されている。反射スポット30R,32Rは、要素28のそれぞれ要素30,32に対応するビーム54の反射参照ビーム成分を生成する。反射スポット30R,32Rならびに要素30,32が、それぞれ続く検出器への撮像によって見られる結合体になるように、反射スポット30R,32Rの間隔、ならびにレンズ66の焦点長さが選択される。直径が戻りビーム36の直径と実質的に同じである反射参照ビーム56を効率的に生成するように、反射スポット30R,32Rの直径a”が選択される。反射スポット30R,32Rの相対反射率は、最終用途の分野に応じて、同一であってもよいし、有利に異なっていてもよい。
【0046】
本発明の趣旨および範囲を逸脱することなく、第1の実施形態の要素28Rと相補的な要素を有する参照オブジェクト20Rによって参照ビームが伝達されるように、参照ビームの経路を構成しうることが当業者なら理解されるであろう。既に引用した「共鳴キャビティにより光透過が向上された多数光源アレイ(Multiple−Source Arrays With Optical Transmission Enhanced By Resonant Cavities)」という発明の名称の米国特許仮出願(ヒル(Hill))には、波長および/またはサブ波長アパチャを介してビームを伝達することによる参照ビームの生成の例が記載されている。
【0047】
戻りビーム36はビーム・スプリッタ100に入射し、その一部は、図1aに光線38A,38Bとして示され、光線38A,38Bの間に光線を含むビームの戻りビーム成分として反射される。反射参照ビーム56はビーム・スプリッタ100に入射し、その一部はビーム38の反射参照ビーム成分として透過する。ビーム38は偏光子68による偏光に関して混合され、次いでレンズ62に入射し、図1aに光線40A,40Bとして示され、光線40A,40Bの間に光線を含む混合ビーム40として集束される。混合ビーム40は、画像平面114におけるピンホールがサブ波長アパチャ30の1つまたはサブ波長散乱ポイント32の1つのいずれかの複合画像になるように、ピンホール平面114上に集束される。
【0048】
図3にはピンホール平面114が略図で示されている。ピンホールの直径をcとし、ピンホールの間隔をdとする。間隔dはサブ波長アパチャ30およびサブ波長散乱サイト32の分離度bに等しく、サブ波長アパチャ30およびサブ波長散乱ポイント32をピンホール平面114の対応するピンホールに撮像する撮像システムの倍率に符合する。直径cは、撮像システムによるポイント・オブジェクトの回折限界画像の大きさの約2倍になるように選択され、間隔dは、cより大きくなるように、好ましくは撮像システムによるポイント・オブジェクトの回折限界画像の大きさの約4倍以上になるように選択される。サブ波長アパチャ30およびサブ波長散乱サイト32の回折限界画像の典型的な振幅関数が、図3にそれぞれ破線および実線の輪郭で示されている。
【0049】
混合ビーム40の一部はピンホール平面114のピンホールにより伝達され、検出器116、好ましくは量子光子検出器によって検出される。検出器116は、最終用途の分野の要件に応じて1対のピクセル、ピクセルの1次元アレイまたはピクセルの2次元アレイを始めとする、ピクセルのアレイを含み、ピンホール平面114のピンホールと検出器116のピクセルを1対1に対応づける。検出器116は、ピクセルのアレイに対応する信号値のアレイ[Sn]を含む電気干渉信号を生成する。下付き文字nは、信号値のアレイ[Sn]における素子を示す指数である。信号値のアレイ[Sn]は、最終用途の分野に応じて、1対の素子、少なくとも3つの素子を含む1次元アレイ、または2次元アレイを含むことができる。
【0050】
信号値のアレイ[Sn]は以下の式で近似することができる。
【0051】
【数1】
式中、項(SD)nはサブ波長アパチャ30またはサブ波長アパチャ32に関連する項を表し、項(SI)nはサブ波長アパチャ30またはサブ波長アパチャ32に関連する干渉交差項を表す。
【0052】
サブ波長アパチャ30に関連する項(SD)nは、近距離戻りプローブ・ビーム、第1のバックグラウンド戻りビーム、および反射参照ビームの、対応する部分の振幅平方と、近距離場戻りプローブ・ビームの複素振幅と第1のバックグラウンド戻りビームの複素振幅の間の干渉交差項との合計に比例する。サブ波長アパチャ32に関連する項(SD)nは、第2のバックグラウンド戻りビームおよび反射参照ビームの対応する部分の振幅平方の合計に比例する。サブ波長アパチャ30に関連する項(SI)nは、近距離場戻りプローブ・ビームの複素振幅と反射参照ビームの複素振幅の間の干渉交差項と、第1のバックグラウンド戻りビームの複素振幅と反射参照ビームの複素振幅の間の干渉交差項との合計に比例する。サブ波長アパチャ32に関連する項(SI)nは、第2のバックグラウンド戻りビームの複素振幅と反射参照ビームの複素振幅の間の干渉交差項に比例する。
【0053】
項(SD)nは移相χに無関係である。項(SI)nは、移相χのシヌソイド関数で、以下の式で表すことができる。
【0054】
【数2】
式中、(|SI|n)およびφはそれぞれ、(SI)nに寄与する複素振幅に関連する振幅および位相である。
【0055】
図1a、2aおよび2bに示される本発明の第1の実施形態の装置の動作は、4つの信号値のアレイの測定値のシーケンスの取得に基づく。4つの信号値のアレイ[Sn]1、[Sn]2、[Sn]3および[Sn]4は検出器116によって取得され、移相器64はそれぞれ移相χ0、χ0+π、χ0+π/2およびχ0+3π/2ラジアンのシーケンスを導入する(χ0は移相χの特定の固定値である)。4つの信号値のアレイ[Sn]1、[Sn]2、[Sn]3および[Sn]4は、後続の処理のために、デジタルまたはアナログ形式で、信号131として電子コントローラ、信号プロセッサおよびコンピュータ200に送られる。
【0056】
4つのアレイ[Sn]1、[Sn]2、[Sn]3および[Sn]4をデジタル形式に変換するために、従来の変換回路、すなわちアナログ・デジタル変換回路が検出器116、または電子コントローラ、信号プロセッサおよびコンピュータ200に備えられる。移相器64によって導入された移相χは、生成され、後に電子コントローラ、信号プロセッサおよびコンピュータ200に伝達される信号132によって制御される。移相器64は電子光学タイプのものであってもよい。
【0057】
次に、信号値の差の2つのアレイ[Sn]1−[Sn]2=[(SI)n]1−[(SI)n]2および[Sn]3−[Sn]4=[(SI)n]3−[(SI)n]4が電子コントローラ、信号プロセッサおよびコンピュータ200によって計算される。
【0058】
サブ波長アパチャ30に関連するピクセルに対応する信号値差のアレイの素子は、実質的に、また比較的効率よく、2つの干渉交差項、すなわち近距離場戻りプローブ・ビームの複素振幅と反射参照ビームの複素振幅との間の第1の干渉交差項、ならびに第1のバックグラウンド戻りビームの複素振幅と反射参照ビームの複素振幅との間の第2の干渉交差項のみを含む。
【0059】
実測強度値におけるサブ波長アパチャ30およびサブ波長散乱サイト32に関連するビームの振幅の効果の分離の比較的高い効率性は、パラメータcおよびdの選択によって制御される。
【0060】
近距離場戻りプローブ・ビームの複素振幅は、近距離場戻りプローブ・ビームの複素振幅と反射参照ビームの振幅との間の第1の干渉項の振幅から、電子コントローラ、信号プロセッサおよびコンピュータ200によって計算される。その計算には、第2のバックグラウンド戻りビームの複素振幅の成分と、反射参照ビームの複素振幅の成分との間の干渉交差項の実測値を用いてサブ波長アパチャ30に関連する信号値差の要素の実測値を補償し、第1のバックグラウンド戻りビームの複素振幅の成分と反射参照ビームの複素振幅の成分との間の第2の干渉交差項の寄与率を求めることが含まれる。その計算には、実測値を用いて、ピンホール平面114のピンホールにより伝達され、検出器116により検出される反射参照ビームの部分の振幅の平方を求めることがさらに含まれる。
【0061】
次に、電子コントローラ、信号プロセッサおよびコンピュータ200からの信号128に応答して、位相遅れ要素18により、入力ビーム20の偏光面を90°回転させる。測定された信号値のアレイ[Sn]1、[Sn]2、[Sn]3および[Sn]4に対応する4つの信号値のアレイの第2のセット[Sn]5、[Sn]6、[Sn]7および[Sn]8が、検出器116によって取得される。電子コントローラ、信号プロセッサおよびコンピュータ200によって信号値差のアレイ[Sn]1−[Sn]2=[(SI)n]1−[(SI)n]2および[Sn]3−[Sn]4=[(SI)n]3−[(SI)n]4を計算する。入力ビーム20の非回転状態の偏光についての近距離場戻りプローブ・ビームの複素振幅を計算するのに用いたのと同じアルゴリズムを用いて、直交偏光入力ビーム20に対する近距離戻りプローブ・ビームの複素振幅を電子コントローラ、信号プロセッサおよびコンピュータ200によって計算する。
【0062】
オブジェクト物質112をオブジェクト・チャック160に装着する。オブジェクト・チャック160の角度方向および高さは、チャック台162に取りつけられる3つのトランスデューサ(そのうちの2つを161A,161Bで示す)によって制御される。要素28の表面に対するオブジェクト物質112の角度方向および高さを検出し、それらを用いて誤差信号を生成する。誤差信号の検出および生成は、それぞれサブ波長アパチャおよびサブ波長散乱サイト1030および1032、ならびに図4に示される波長アパチャ要素2030に対応する信号値のアレイから得られる情報に基づいて行われる。
【0063】
誤差信号は、信号166の成分として電子コントローラ、信号プロセッサおよびコンピュータ200に伝達される。誤差信号から電子コントローラ、信号プロセッサおよびコンピュータ200によりサーボ制御信号が生成され、信号166のサーボ制御信号成分としてチャック台162に伝達される。トランスデューサ161A,161Bおよび第3のトランスデューサ(非図示)は、信号166のサーボ制御信号成分に従ってオブジェクト物質112の方向および/または高さを変化させる。
【0064】
要素28の表面と実質的に平行な平面におけるチャック台162の位置は、トランスレータ164によって制御される。チャック台162の位置は、精密距離測定干渉の如き当該技術分野における既知の技術によって検出され、誤差信号は、信号168の誤差信号成分として電子コントローラ、信号プロセッサおよびコンピュータ200に伝達される。[1999年2月18日に出願された「空気による屈折率と光路長の影響を測定する干渉計および方法(Interferometer And Method For Measuring The Refractive Index And Optical Path Length Effect Air)」という発明の名称の米国特許出願番号第09/252,266号(ペータ デ グルート(Peter de Groot)、ヘンリー エー ヒル(Henry A.Hill)およびフランク シー デマレスト(Frank C.Demarest))、ならびに1999年2月18日に出願された「パルチプルパス干渉計を用いた空気による屈折率と光路長の影響を測定する装置および方法(Apparatus And Method For Measuring The Refractive Index And Optical Path Length Effects Of Air Using Multiple−Pass Interferometry)」という発明の名称の米国特許出願番号第09/252,266号(ヘンリー エー ヒル(Henry A.Hill)、ペータ デ グルート(Peter de Groot)およびフランク シー デマレスト(Frank C.Demarest))を参照。両出願の内容を本願に引用して援用する]。サーボ制御信号は、信号168の誤差信号成分から電子コントローラ、信号プロセッサおよびコンピュータ200によって生成され、信号168のサーボ信号成分としてトランスレータ164に伝達される。トランスレータ164は、最終用途の分野の要件に応じて、信号168のサーボ信号成分に応答して、1つまたは2つの直交方向、および1つまたは2つの直交方向面でチャック台162の位置および方向を制御する。
【0065】
次に、最終用途の分野の要件に応じて、オブジェクト物質112の表面と実質的に平行な1つまたは2つの直交方向で、かつオブジェクト物質112の近接面と要素28の間に空間的距離をおいて、オブジェクト物質112が走査される。測定された信号値のアレイ[Sn]1、[Sn]2、[Sn]3および[Sn]4、ならびに最終用途によって必要とされる場合には[Sn]5、[Sn]6、[Sn]7および[Sn]8を、走査パラメータ、ならびに電子コントローラ、信号プロセッサおよびコンピュータ200によって計算されたそれぞれの近距離場戻りプローブ・ビームの複素振幅と反射参照ビームのそれぞれの複素振幅との間のそれぞれの干渉交差項の振幅および位相の関数として取得する。
【0066】
第1の実施形態の装置によるオブジェクト物質112についての情報は、著しく低減されたバックグラウンド信号の存在下で取得される。バックグラウンド信号への寄与源には、第1のバックグラウンド戻りビーム、停止部材70によって遮蔽されていない戻り測定ビームの部分、第1の実施形態の装置において測定ビームに関連する他のビームの反射および/または散乱によって生成されるバックグラウンド、ならびに反射参照ビームに関連する対応するビームが含まれる。第1に第1の実施形態の装置は共焦点光学撮像/検出システムを含み、第2にバックグラウンド補償手順は第2のバックグラウンド戻りビームの測定に基づくという理由から、バックグラウンド信号が著しく低減される。
【0067】
共焦点光学撮像/検出システムは、非共焦点光学撮像/検出システムに比べて、深さ識別能を著しく向上させ、それにより撮像対象平面部からずれた平面部に生成される散乱/反射ビームに対する識別能を著しく向上させてきたことは、当業者によく知られている。しかし、共焦点光学撮像/検出システムは、第1のバックグラウンド戻りビームに対する識別を行わない。第2のバックグラウンド戻りビームの測定に基づくバックグラウンド補償手順は、第1の実施形態の装置の共焦点撮像/検出特性によって識別されない第1のバックグラウンド戻りビームに対する補償を行う。第2のバックグラウンド戻りビームの測定に基づくバックグラウンド補償手順は、第1の実施形態の装置の共焦点撮像/検出特性によって識別されない撮像対象平面部からずれた平面部に生成される散乱/反射ビームに対してさらに補償を行うことに留意されたい。
【0068】
オブジェクト物質112の表面と実質的に平行な1つまたは2つの直交方向を組み合わせ、かつオブジェクト物質112の近接面と要素28の間に空間的距離をおいたオブジェクト物質112の走査が、「ステップアンドリピート」モードとして第1の実施形態に対して行われる。動作を連続操作モードに修正した第1の実施形態は、本発明の第1実施形態の第3の変形例として以下に説明される。
【0069】
誤差信号は、要素28の周囲に位置する波長アパチャ2030のアレイより得られた情報に基づいて検出および生成される。波長アパチャ2030の直径はa1であり、a1はほぼλに等しい。図4に示されるように、波長アパチャ2030の平面は要素30,32の平面から距離Δhだけずれており、Δhはほぼ2λに等しい。要素2030に入射した測定ビームの一部はプローブ・ビームとして伝達される。プローブ・ビームの一部はオブジェクト物質112に入射し、その一部は反射および/または散乱されてサブ波長アパチャ1030に戻り、その一部が戻りプローブ・ビームとして伝達される。要素1032に入射した測定ビームの一部は第2のバックグラウンド戻りビームの成分として散乱/反射される。
【0070】
戻りプローブ・ビームは、測定された信号値のアレイ[Sn]の特定要素として検出される。測定アレイは、サブ波長アパチャおよびサブ波長散乱サイト1030,1032のそれぞれ、ならびに図4に示される波長アパチャ要素2030に対応する信号値をも含む。
【0071】
測定されたアレイの特定の素子に対応する信号値差[Sn]1−[Sn]2および[Sn]3−[Sn]4を電子コントローラ、信号プロセッサおよびコンピュータ200によって計算し、第1のバックグラウンド戻りビームの対応する成分によって補償する。要素1032に伴って取得される情報を該補償に利用する。特定の要素に対応する補償信号値差を用いて、要素2030、およびオブジェクト物質112上の対応するサイトの相対分離度h1を監視する(図4を参照)。
【0072】
測定された高さの値のアレイ[h1]を用いて、電子コントローラ、信号プロセッサおよびコンピュータ200に信号166の成分として伝達される誤差信号を生成する。要素2030の直径であるため、誤差信号生成手順は、約10λ〜30λの高さの値の範囲に対して比較的高感度を維持する。高さの範囲が比較的広いため、要素28を要素112に接近させる上で誤差信号を効果的に利用できる。
【0073】
さらに、オブジェクト物質112を走査すると、要素28の「先端」が高さの値のアレイ[h1]の対応する要素を監視し、要素112の表面輪郭の変化を検出する。図4には、要素番号112で示される平面、要素番号112aで示される凸面、および要素番号112bで示される凹面として、要素112の3つの異なる表面形状が示されている。次いで、要素28と要素112の接触を防ぐために、サーボ制御システムにおいて表面輪郭の変化の検出を予測し、要素112の少なくとも一部を所望の高さレベルに維持する。
【0074】
本発明の範囲および趣旨を逸脱することなく、直径および関連する変位Δhが異なる波長アパチャ2030の追加的なセットを使用できることを当業者なら理解するであろう。
【0075】
本発明の第1の実施形態の第1の変形例は、図1aに略図で示される本発明の第1の実施形態と同じ要素を含む。第1の実施形態の変形例と第1の実施形態との違いは、測定された信号値のアレイを取得するのに使用する手順にある。第1の実施形態の第1の変形例では、ヘテロダイン検出技術、またはデジタル・ヒルベルト変換位相検出器[「Phase−locked loops:theory,design,applications」第2版(マグローヒル(McGraw−Hill)(ニューヨーク)1993年、アール イー ベスト(R.E.Best)著)参照]、位相固定ループ[アール イー ベスト(R.E.Best)、前掲を参照]、参照位相として位相χを用いたスライディング・ウィンドウFFT[Digital Techniques for Wideband Receivers(アルテック・ハウス(Artech House)(ボストン))、1995年(ジェイ ツイ(J.Tsui))著を参照]の如き非パルス信号用位相感度検出技術を用いて、振幅(|SI|)nおよび位相(φ)nが求められる。
【0076】
遅延なく均一に抽出される関数については、該関数についての情報を取得するためのデジタル信号処理に基づく位相感度技術を実施することによって、該関数のチェビシェフ多項式に基づいた結果が得られることが知られている[エイチ エー ヒル(H.A.Hill)およびアール ティー ステビンス(R.T.Stebbins)、Astrophys.J.、200、p 484(1975年)を参照]。以下の式に従って偏差χ0を中心に位相χを走査する例を考える。
【0077】
【数3】
式中、Δχは時間tの関数である。χの走査によって、以下の式で表される、式(2)および(3)による信号値のアレイの素子における成分を生成する。
【0078】
【数4】
次いで、cosΔχおよびsinΔχの係数アレイの位相感度検出によって振幅アレイ[(|SI|)n]および位相アレイ[(ψ+χ0)n]を求める。位相感度検出は、(|SI|)nにcosΔχを乗じ、時間について(|SI|)ncosΔχを積分し、また(|SI|)nにsinΔχを乗じ、時間について(|SI|)nsinΔχを積分する。Δχが、角周波数がω1で振幅が1のシヌソイダル関数、すなわち以下の式で表され、[(|SI|)n]が遅延なく均一に抽出される場合は、cosΔχおよびsinΔχを[(|SI|)n]の特定のチェビシェフ多項係数のアレイとして効果的に表すことができる。
【0079】
【数5】
チェビシェフ多項式の既知の特性を用いて、特定のチェビシェフ多項係数のアレイの素子を以下の式で表すことができる。
【0080】
【数6】
【数7】
式中、T=2π/ω1で、T1およびV1は、それぞれタイプIおよびタイプIIの1位チェビシェフ多項式で、J0は第1種の0位ベッセル関数である[Mathematical Methods for Physicists(ジー アルフケン(G.Arfken))(Academic Press−ニューヨーク)1968年を参照]。
【0081】
一般に、位相ずれΔχは、走査オブジェクト物質112の時間を通じて不変とする条件に合致しない場合は求める必要はない。異なる時刻に得られた結果を比較するためには、2つの異なる測定時刻の間の時間中にχ0に生じた変化を求める必要があるものと考えられる。χ0の相対的な変化は、例えば表面が必要な精度で平坦性を有する等方性媒体、例えば石英ガラスを含むオブジェクト物質112についてのアレイ[Sn]における振幅[(|SI|)n]および位相[(ψ)n]のアレイを取得することによって求めることができる。
【0082】
第1の実施形態の第1の変形例は、ヘテロダイン検出システムの利点を有する。
第1の実施形態の第1の変形例についての残りの説明は、第1の実施形態について述べた説明の対応する部分と同じである。測定ビームは図2aに示される角度でマスク要素28に入射し、要素28と接触するためにレンズ124Aを通過するため、第1の実施形態において使用した近距離場プローブ・ビームと異なる近距離場プローブ・ビームを使用する本発明の第2の実施形態によって、オブジェクト物質112の追加的な反射および/または散乱特性を得ることができる。
【0083】
サブ波長アパチャ30に入射した測定ビームの第1の部分は修正近距離場プローブ・ビームとして伝達される。第2の実施形態の改造近距離場プローブ・ビームと第1の実施形態の近距離場プローブ・ビームとの主要相違点は、近距離場多極子構成の違いである。第1の実施形態の近距離場プローブ・ビームの近距離場多極子構成は、アパチャ30の対応するアパチャに配置された磁気双極子に関連する有効近距離場項を含む。
【0084】
第2の実施形態の近距離場プローブ・ビームの近距離場多極子構成は、磁気双極子と、アパチャ30の対応するアパチャに配置された電気双極子の両方に関連する有効近距離場項を含む[ジェイ ディー ジャクソン(J.D.Jackson)、Classical Electrodynamics、第9章、第2版(ウィレイ−ニューヨーク(Wiley−New York))(1975年);および「Diffraction Theory」、シー ジェイ ブーカンプ(C.J.Bouwkamp)、Reports on Progress in Physics、17、pp.35−100、編集 エー シー ストリックランド(A.C.Strickland)、物理学会(The Physical Society)(1954年)を参照]。磁気双極子に関連する近距離場の空間特性および電気双極子に関連する近距離場の空間特性に違いがあるため(導電要素28の平面に位置を合わせた磁気双極子、および導電要素28の平面に直交するように配向する電気双極子に関連する電場の特定成分の分布については図2bを参照のこと)、第2の実施形態によって測定された近距離場戻りプローブ・ビームの複素振幅は、第1の実施形態によって測定された近距離場戻りプローブ・ビームの複素振幅と異なる。結果として、第2の実施形態によって測定された近距離場戻りプローブ・ビームの複素振幅は、第1の実施形態によって測定された近距離場戻りプローブ・ビームの複素振幅によって表されるオブジェクト物質112の対応する画像と異なるオブジェクト物質112の3次元容量部の「画像」を表す。
【0085】
第2の実施形態についての残りの説明は、第1の実施形態について述べた説明の対応する部分と同じである。
本発明のさらなる実施形態は、上述のシステムを透過方式で動作するように構成することを含む。当該実施形態は、図5に示されている。
【0086】
図5に示される実施形態の多くの要素は、先の実施形態の要素と同様に機能を発揮し、図1に示される第1の実施形態の対応する要素と同じ要素番号で図5に示される。
【0087】
ビーム20は非偏光ビーム・スプリッタ102に入射され、その第1の部分は測定ビーム22Tとして伝達される。次いで、測定ビーム22Tが鏡92で反射され、次いで鏡90で反射された後に基板112Tのスポットに集束される。基板112Tは、ビーム20の波長において透明な基板、ならびに第1の実施形態のアパチャ30に対応する波長および/またはサブ波長アパチャのアレイを含む。スポットに集束された測定ビーム22Tの一部は、近距離場プローブ・ビームのアレイとしてサブ波長アパチャ30により伝達される。サブ波長アパチャ30についての説明は、第1の実施形態のサブ波長アパチャ30のアレイについて述べた説明の対応する部分と同じである。スポットの直径は、サブ波長アパチャ30のアレイをスパンするのに十分な大きさである。
【0088】
近距離場ビームのアレイによって検査するサンプル25は、アミチ型レンズ26Tのフラット面に配置される。近距離場プローブ・ビームのアレイは、第5の実施形態の装置による後続の処理に関して、第1の実施形態のビーム34に対応する透過ビーム34としてサンプル25によって伝達される。
【0089】
図5に示されるように、ビーム20の第2の部分は、参照ビーム50Tとして鏡102に反射される。参照ビーム50Tは、鏡94A,94B,94Cによって反射された後に、参照ビーム52としてレンズ60のアパチャを介して伝達される。参照ビーム52についての説明は、第1の実施形態のビーム52について述べた説明の対応する部分と同じである。
【0090】
さらに、追加の実施形態において、周囲アパチャ2030を介して誘導される放射線は、測定アパチャ30についての波長と異なる波長であってもよい。
他の態様、利点および改造形態も請求項の範囲に含まれる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態を示す略図である。
【図2a】第1の実施形態で使用されるアミチ型対物レンズ26およびレンズ24を備えたレンズ・アセンブリならびに第2の実施形態で使用されるアミチ型対物レンズ26およびレンズ124を備えたレンズ・アセンブリを示す略図である。
【図2b】輪郭作成(プロファイリング)/撮像対象のオブジェクト物質112に対する導電要素28と、サブ波長アパチャ30に位置する電気双極子および磁気双極子に関連する遠距離電場成分の角度分布関数とを示す略図である。
【図2c】第1の実施形態で使用されるアミチ型対物レンズ26Rおよびレンズ24Rを備えた参照オブジェクト20Rを示す略図である。
【図2d】参照オブジェクト20Rに使用される反射要素30R,32Rを備えた要素28を示す略図である。
【図3】画像平面114と、画像平面114のそれぞれのピンホールにおけるサブ波長アパチャ30およびサブ波長散乱サイト32の画像に対する振幅分布関数を示す略図である。
【図4】要素28の周囲にあるオブジェクト物質112に対する要素28を示す略図である。
【図5】透過方式で動作する本発明の実施形態を示す略図である。
(関連出願に対する相互参照)
本出願は、その内容を本願に引用して援用する、2000年7月27日に出願された「近距離場走査顕微鏡検査におけるサブ波長アパチャ・アレイの位置および方向の制御(Control of Position and Orientation of Sub−Wavelength Aperture Array in Near−field Scanning Microscopy)」という発明の名称の仮出願第60/221,287号(ヘンリー エー ヒル(Henry A.Hill))の優先権を主張するものである。
【0002】
(背景)
本発明は、半導体、データ記憶装置、ならびに生物学的材料、構造体およびデバイスの光学的撮像および計測に関する。
近距離場走査プローブは、典型的にはサンプルに近接して配置されるサブ波長アパチャであり、このようにしてオブジェクト平面におけるサブ波長の空間分解能が得られる。近距離場顕微鏡検査の用途に使用される光学ビームの自由空間光学波長より小さいアパチャを、以下、サブ波長アパチャと呼ぶ。
【0003】
近距離場走査プローブを近接して、好ましくは非接触方式で配置することは、当該技術分野では「アプローチ・プロブレム」として知られる。
(発明の概要)
本発明は、サブ波長アパチャのアレイを有するマスクを使用して近距離場プローブ・ビームをサンプルに結合する近距離場干渉顕微鏡検査のためのシステムおよび方法を特徴とする。マスクの周囲は、マスクとサンプルの間の相対距離を示す干渉信号のベースとなる光をサンプルに結合させる、より大きい1つまたは複数のアパチャをさらに含む。干渉信号は、サンプルに対してマスクを動的に配置するサーボ・システムにおける制御信号のベースになりうる。いくつかの実施形態では、大きいアパチャを介してサンプルに結合された光をサンプルによって散乱させ、サブ波長アパチャの1つを介して検出し、参照ビーム成分と混合して、干渉制御信号を生成する。概してシステムは、反射でも透過モードでも動作することができ、サンプルのプロフィルを調査し、サンプルからの光学データを読み取り、および/または光学データをサンプルに書き込むのに使用できる。
【0004】
概して、本発明の1態様は、オブジェクトを撮像するための干渉光学顕微鏡検査システムを特徴とする。該システムは、入力ビームを測定ビームと参照ビームとに分割するために配置されたビーム・スプリッタと、測定ビームを受け取るように配置された測定ビーム光源アレイと、参照ビームを受け取るように配置された参照ビーム光源アレイと、マルチ素子光検出器と、撮像光学系とを含む。
【0005】
測定ビーム光源アレイは、複数の測定アパチャのアレイと、測定アパチャの1つに近接する制御アパチャとを有するマスクを含む。制御アパチャの横方向は、近接する測定アパチャの横断(横方向)寸法より大きい。各測定アパチャおよび制御アパチャは、測定ビームの一部をオブジェクトに放射するように構成される。オブジェクトは、放射された測定ビームの部分と相互作用して、それに応答して測定アパチャを介して信号放射線を戻す方向に向けて測定戻りビームを定める。制御アパチャの横断(横方向)寸法は、制御アパチャに近接する測定アパチャを介して戻す方向に向けられた信号放射線よりも制御アパチャから来た放射線が支配的になるように選択される。参照ビーム光源アレイは、参照ビームの一部を放射するように各々が構成された複数の素子のアレイを含む。放射された参照ビームの部分は参照戻りビームを定める。
【0006】
撮像光学系は、測定ビームと参照戻りビームを光検出器に誘導するように配置され、参照素子のアレイと測定アパチャのアレイの重複複合画像を光検出器上に生成するように構成される。各測定アパチャに対する複合画像は、対応する参照素子の複合画像と重なって、オブジェクトの特定領域を示す光干渉信号を生成する。
【0007】
顕微鏡検査システムの実施形態は、以下の特徴のいずれかをさらに含んでもよい。
該システムは、測定ビーム光源アレイに対してオブジェクトを支持する位置決めシステムと、光検出器および位置決めシステムに結合される電子コントローラとをさらに含んでもよい。動作時に、電子コントローラは位置決めシステムに、制御アパチャに近接する測定アパチャに対応する干渉信号から誘導された制御信号に応答して、測定ビーム光源アレイとオブジェクトの分離度を調節させる。
【0008】
マスクは、それぞれ測定アパチャの1つに近接し、対応する近接測定アパチャの横断寸法より大きい横断寸法を各々が有する複数の制御アパチャを含むことができる。例えば、複数の制御アパチャは、測定アパチャのアレイの周囲を囲むことができる。
【0009】
該システムは、入力ビームを供給するための光源をさらに含んでもよい。さらに、測定アパチャの各々は、光源により供給される入力ビームの真空波長より小さい横断寸法を有することができる。さらに、制御アパチャは、光源により供給される入力ビームの真空波長より大きいかそれと等しい横断寸法を有することができる。
【0010】
測定アパチャのアレイの周囲に制御アパチャを配置することができる。さらに、制御アパチャに近接する測定アパチャ以外の各測定アパチャのオブジェクトに隣接する末端を、第1の共通平面に配置し、制御アパチャおよび制御アパチャに近接する測定アパチャの各々の末端を、第1の共通平面に対してずらすことができる。例えば、制御アパチャおよび制御アパチャに近接する測定アパチャのそのような末端を、第1の共通平面に平行な第2の共通平面に配置することができる。該システムは、入力ビームを供給する光源をさらに含んでもよく、第1の共通平面は、入力ビームの波長の約2倍に相当する分だけ第2の共通平面からずらして配置される。
【0011】
該システムは、光検出器に近接して配置されるピンホール・アレイをさらに含んでもよく、各ピンホールは1つまたは複数の検出器素子の個別的セットと位置を合わせて配置され、撮像システムは、各測定アパチャに対する複合画像の位置をピンホール・アレイの対応するピンホールに合わせる。
【0012】
測定ビーム光源アレイにおけるマスクは、測定散乱素子のアレイをさらに含んでもよく、各測定散乱素子は、測定アパチャのうちの対応する1つのアパチャに近接し、該対応する測定アパチャに匹敵する横断寸法を有する。各測定散乱素子は、測定ビームの一部を散乱させる。そのような場合、測定戻りビームは、測定散乱素子によって散乱する測定ビームの該部分をさらに含む。撮像光学系は、さらに、参照素子のアレイの複合画像に重なる測定散乱素子のアレイの複合画像を生成するように構成される。各測定散乱素子に対する複合画像は対応する参照素子の複合画像に重なって、近接測定アパチャからの散乱を示す光干渉信号を生成する。
【0013】
さらに、散乱素子を含む実施形態では、測定アパチャのアレイの周囲に制御アパチャを配置することができ、制御アパチャに近接する測定アパチャと制御アパチャに近接する測定アパチャに近接する測定散乱素子以外の、各測定アパチャおよび各測定散乱素子のオブジェクトに近接する末端を第1の共通平面に配置することができ、制御アパチャ、制御アパチャに近接する測定アパチャ、および制御アパチャに近接する測定アパチャに近接する測定散乱サイトの各々のオブジェクトに近接する末端を第1の共通平面に対してずらすことができる。さらに、制御アパチャおよび制御アパチャに近接する測定アパチャの末端を、第1の共通平面に平行な第2の共通平面に配置することができる。また、該システムは、入力ビームを供給する光源をさらに含んでもよく、波長の約2倍に相当する分だけ第1の共通平面を第2の共通平面からずらすことができる。
【0014】
さらに、散乱素子を含む実施形態では、該システムは、測定ビーム光源アレイに対してオブジェクトを支持するための位置決めシステムと、光検出器および位置決めシステムに結合された電子コントローラとをさらに含んでもよい。電子コントローラは、動作時に、位置決めシステムに、制御アパチャに近接する測定アパチャに対応する干渉信号および制御アパチャに近接する測定アパチャに近接する測定散乱サイトに対応する干渉信号から誘導される制御信号に応答して、測定ビーム光源アレイとオブジェクトの分離度を調節させる。
【0015】
さらに、散乱素子を含む実施形態では、該システムは、光検出器に近接して配置されるピンホール・アレイをさらに含んでもよい。各ピンホールは、1つまたは複数の検出器素子の個別的セットと位置を合わせて配置され、撮像システムは、各測定アパチャおよび各測定散乱素子に対する複合画像の位置をピンホール・アレイの対応するピンホールに合わせる。
【0016】
各参照素子は、反射要素を含んでもよい。
各参照素子は、透過アパチャを含む。
概して、本発明の他の態様は、オブジェクトを照明するための光源アレイを特徴とする。該光源アレイは、測定ビームを受け取るように配置されたマスクであって、複数の光源アパチャのアレイと、該光源アパチャの1つに近接する制御アパチャとを有するマスクを含む。制御アパチャの横断寸法は近接光源アパチャの横断寸法より大きい。各光源アパチャおよび制御アパチャは、測定ビームの一部をオブジェクトに放射するように構成される。オブジェクトは、制御アパチャから放射された測定ビームの部分と相互作用し、制御アパチャに近接する光源アパチャを介して制御信号放射線を戻す方向に向ける。
【0017】
光源アレイの実施形態は、以下の特徴のいずれかを含むことができる。
マスクは、それぞれが測定アパチャの1つに近接し、それぞれが対応する近接測定アパチャの横断寸法より大きい横断寸法を有する、複数の制御アパチャを含んでもよい。例えば、複数の制御アパチャは、測定アパチャのアレイの周囲を囲むことができる。
【0018】
該システムは、測定ビームを供給するための光源をさらに含んでもよい。さらに、測定アパチャの各々は、光源により供給される測定ビームの真空波長より小さい横断寸法を有することができる。さらに、制御アパチャは、光源により供給される測定ビームの真空波長より大きいかそれと等しい横断寸法を有することができる。
【0019】
測定アパチャのアレイの周囲に制御アレイを配置することができる。さらに、制御アパチャに近接する測定アパチャ以外の各測定アパチャのオブジェクトに近接する末端を、第1の共通平面に配置し、制御アパチャおよび制御アパチャに近接する測定アパチャの各々の末端を第1の共通平面に対してずらすことができる。例えば、制御アパチャおよび制御アパチャに近接する測定アパチャのそのような末端を、第1の共通平面に平行な第2の共通平面に配置することができる。該システムは、入力ビームを供給する光源をさらに含んでもよく、第1の共通平面は、測定ビームの波長の約2倍に相当する分だけ第2の共通平面からずらして配置される。
【0020】
測定ビーム光源アレイにおけるマスクは、測定散乱素子のアレイをさらに含んでもよく、各測定散乱素子は、測定アパチャのうちの対応する1つのアパチャに近接し、該対応する測定アパチャに匹敵する横断寸法を有する。
【0021】
、本発明の他の態様は、オブジェクトを照明するためのシステムであって、上述の光源アレイと、光源アレイに対してオブジェクトを支持するための位置決めシステムと、位置決めシステムに結合される電子コントローラとを含み、動作時に、電子コントローラは位置決めシステムに、制御信号放射線から誘導された干渉信号に基づく制御信号に応答して、測定ビーム光源アレイとオブジェクトの分離度を調節させるシステムを特徴とする。
【0022】
概して、本発明の他の態様は、複数の光源でオブジェクトを照明する方法であって、複数の光源アパチャのアレイと、該光源アパチャの各々の横断寸法より大きい横断寸法を有する制御アパチャとを有するマスクを、オブジェクトに近接させて配置する工程と、放射線をマスクに向けて、各光源アパチャおよび制御アパチャに放射線の一部をオブジェクトに対して放射させる工程と、制御アパチャからオブジェクトに向けられた放射線から誘導される光干渉信号を生成する工程と、光干渉信号から誘導される制御信号に応答して、オブジェクトに対してマスクを再配置する工程とから成る方法を特徴とする。該方法は、顕微鏡検査システムと光源アレイについて上述した特徴のいずれに対応する特徴をさらに含んでもよい。
【0023】
以下の同一出願人が有する仮出願、すなわち2000年8月2日に出願された「走査干渉近距離場共焦点顕微鏡(Scanning Interferometric Near−Field Confocal Microscopy)」という発明の名称の出願番号第09/631,230号(ヘンリー エー ヒル(Henry A.Hill))、および2001年2月8日に公開された対応するPCT公報WO 01/09662 A2;2000年7月27日に出願された「共焦および近距離場顕微鏡用の多数光源アレイ(Multiple−Source Arrays For Confocal And Near−Field Microscopy)」という発明の名称の仮出願番号第60/221,019号(ヘンリー エー ヒル(Henry A.Hill)およびカイル ビー フェリオ(Kyle B.Ferrio))、および2001年7月27日に出願された同じ発明の名称の対応する通常特許出願番号第09/917,402号;2000年7月27日に出願された「バックグラウンド振幅が減衰および補償された走査干渉近距離場共焦点顕微鏡(Scanning Interferometric Near−Field Confocal Microscopy with Background Amplitude Reduction and Compensation)」という発明の名称の仮出願番号第60,221,086号(ヘンリー エー ヒル(Henry A.Hill))、および2001年7月27日に出願された同じ発明の名称の対応する通常特許出願番号第09/917,399号;2000年7月27日に出願された「共鳴キャビティにより光透過が向上された多数光源アレイ(Multiple−Source Arrays with Optical Transmission Enhanced by Resonant Cavities)」という発明の名称の仮出願番号第60/221,091号(ヘンリー エー ヒル(Henry A.Hill))、および2001年7月27日に出願された同じ発明の名称の対応する通常特許出願番号第09/917,400号;ならびに2000年7月27日に出願された「ディファレンシャル干渉共焦近距離場顕微鏡(Differential Interferometric Confocal Near−Field Microscopy)」という発明の名称の仮出願番号第60/221,295号(ヘンリー エー ヒル(Henry A.Hill))および2001年7月27日に出願された同じ発明の名称の対応する通常特許出願番号第09/917,276号には、共焦および近距離共焦点顕微鏡検査システムについても記載されており、上述の出願のそれぞれの内容を本願に引用して援用する。上述の仮出願に開示されている態様および特徴を本願に記載する実施形態に取り入れることができる。
【0024】
本発明の実施形態は、以下の利点のいずれかを含み得る。
1つの利点は、撮像対象サンプルに対する非接触接近において、波長およびサブ波長アパチャのアレイの位置および方向を制御することである。
別の利点は、撮像対象サンプルに対する非接触近接において、波長およびサブ波長アパチャのアレイの位置および方向を制御することである。
【0025】
別の利点は、撮像対象サンプルに対する非接触近接走査において、波長およびサブ波長アパチャのアレイの位置および方向を制御することである。
別の利点は、表面が凹凸を有する撮像対象サンプルに対する非接触近接走査において、波長およびサブ波長アパチャのアレイの位置および方向を制御することである。
【0026】
別の利点は、表面に対する非接触近接において波長およびサブ波長アパチャのアレイの位置および方向を制御するために、表面の走査中に表面輪郭をリアル・タイムでマッピングすることである。
【0027】
別の利点は、撮像対象サンプルに対する非接触近接走査において波長およびサブ波長アパチャのアレイの位置および方向を制御するための情報が、波長およびサブ波長アパチャのアレイの部分集合によって得られることである。
【0028】
他の態様、特徴および利点が以下に続く。
図面においては、いくつかの図を通じて同様の参照符号が同様の要素を表す。
(発明の詳細な説明)
実施形態は、走査干渉近距離場共焦点顕微鏡を含む。近距離場の用途では、1つまたは複数のアパチャは、例えばサブ波長アパチャのような、自由空間入射ビームの波長よりも小さい寸法を有することができる。他の用途では、1つまたは複数のアパチャは、例えば波長アパチャのように、自由空間入射ビームの波長より小さいか、同等か、またはより大きい寸法を有することができる。
【0029】
本発明の装置は幅広い放射源に対して応用されるが、以下の説明は、入射ビームが電磁放射線ビーム、例えば光ビームである光学的測定システムに関して、例示のために提示される。さらなる実施形態では、例えば、アパチャまたは複数のアパチャのアレイに対するビームの入射は、音響放射ビーム、電子ビームおよび原子ビームを含むことができる。
【0030】
本発明の実施形態によって使用される光ビームの光源は、単一および複数波長光源でさまざまに組み合わせられたCWおよびパルス光源を含む。
本発明の装置は幅広い撮像システムに対しても応用されるが、以下の説明は、干渉近距離場共焦点顕微鏡検査測定システムに関して、例示のために提示される。ここで用いられる測定システムは、走査およびステップアンドリピート式干渉近距離場共焦点顕微鏡検査システム、ならびに走査およびステップアンドリピート式共焦点および干渉共焦点顕微鏡検査システムでの使用を含むが、それらに限定されない。
【0031】
詳細に図面を参照すると、図1は、本発明の第1の実施形態を示す略図である。図1に示されるように、第1の実施形態は、干渉計、光源10、オブジェクト物質112、オブジェクト物質チャック160、チャック台162、トランスレータ164、参照オブジェクト20Rおよび、検出器116を備える。干渉計の構成は、当該技術分野ではマイケルソン干渉計として知られ、単純な例として示されている。偏光マイケルソン干渉計や、シー ザノーニ(C.Zanoni)著「距離および角度測定のためのディファレンシャル干渉装置(Differential Interferometer Arrangements for Distance and Angle Measurements)」(VDI Berichte NR.749、pp.93−106、1989年)に記載されている干渉計のような当該技術分野において知られている他の形態の干渉計も、本発明の趣旨および範囲を逸脱することなく、図1の装置に取り入れることができる。
【0032】
第1の実施形態では、光源10は、点源、または光源の表面全体にわたる空間的にコヒーレントな放射線の光源、好ましくはレーザ、あるいはコヒーレントまたは部分コヒーレントな放射線の同様の光源であるのが好ましく、直線偏光するのが好ましい。光源10は入力ビーム12を放射する。図1に示されるように、入力ビーム12は、照準レンズ14に入って入力ビーム16を形成する。入力ビーム16は位相遅延プレート18によって入力ビーム20として伝達される。入力ビーム20の偏光面を位相遅延プレート18によって回転させて、図1の平面に平行または直交させるようにする。しかし、特定の最終用途の分野では、入力ビーム20の偏光面の他の方向を有利に利用することもできる。位相遅延プレート18の機能は、電子コントローラ、信号プロセッサおよびコンピュータ200からの信号128によって制御される。
【0033】
入力ビーム20は非偏光ビーム・スプリッタ100に入射し、その第1の部分が測定ビーム22として伝達される。ビーム・スプリッタ100に入射した入力ビーム20の第2の部分は参照ビーム50として反射される。測定ビーム22はレンズ60のアパチャを透過し、レンズ24,26を備えたレンズ・アセンブリに入射する。
【0034】
図2aには、レンズ・アセンブリを透過する測定ビーム22の伝播が拡大略図として示されている。レンズ26は、アミチ(Amici)型対物レンズである。測定ビーム22は、レンズ・アセンブリによって、要素28にて、サブ波長アパチャのアレイ、サブ波長散乱サイトのアレイおよび波長アパチャのアレイを包囲する要素28のビーム直径に集束される。要素30,32を含む要素28の部分が、アミチ型対物レンズ26の表面に拡大略図として図2bに示されている。
【0035】
図2bに示されるように、サブ波長アパチャおよびサブ波長散乱サイトは、それぞれ要素30および32である。図4にはサブ波長アパチャおよびサブ波長散乱サイト1030および1032がそれぞれ示されている。波長アパチャは要素2030であり、同様に図4に示されている。サブ波長散乱サイト32は、好ましくは複素屈折率が要素28の反射体の複素屈折率と異なる非透過性要素である。複素屈折率は、要素32がサブ波長散乱サイトとして効果的に機能するように差がつけられている。要素30,32の直径をaとすると、a<λ、好ましくはa<<λである(λは測定ビーム22の波長である)。要素30,32の分離度をbとすると、b>a、好ましくはb>>aである。要素28の反射材料の厚さは約20nmであり、サブ波長要素30を含まない要素28の部分によって透過されるプローブ・ビームの部分が<<1となるように選択される。
【0036】
第2のサブ波長アパチャの透過特性に対するあるサブ波長アパチャの影響を最小限にするように、要素28における要素30の相対的間隔はさらに選択される。サブ波長アパチャのアレイによる透過の拡大または縮小をもたらすカップリングは、第1の実施形態の装置によって得られる結果の解釈を複雑にする。
【0037】
サブ波長アパチャ30の直径は、図2bに略図で示したような単一の直径に限定される必要はなく、最終用途の分野に応じて2つ以上の直径を有利に含むことができる。さらに、サブ波長アパチャ30の形状は、本発明の趣旨および範囲を逸脱することなく、円形以外の形状、例えば正方形または長方形であってもよい。
【0038】
サブ波長アパチャ30の間隔は、図2bに略図で示したような単一の値に限定される必要はなく、本発明の趣旨および範囲を逸脱することなく、最終用途の分野に応じて2以上の異なる間隔を有利に含むことができる。
【0039】
さらに、サブ波長アパチャ30の配列は、本発明の趣旨および範囲を逸脱することなく、様々な幾何学パターンまたはランダム・パターンで配列することができる。
【0040】
要素28におけるアパチャ30は、マスクの穴として、またはさもなければ非透過性マスクにおける透過性誘電領域、例えばさもなければ反射要素における透過性バイアスとして形成することができる。さらに、アパチャ30を区画形成する要素28における誘電体は、サンプルに対する近距離場プローブ・ビームの透過を拡大させる導波管または光共振器を形成することができる。例えば、先に引用した出願「共焦および近距離場顕微鏡用の多数光源アレイ(Multiple−Source Arrays For Confocal And Near−Field Microscopy)」を参照されたい。さらに、現在述べている実施形態では、要素28のマスク部を導電性を有するものとして説明し、それが反射性を有することを示す。他の実施形態では、要素28は必ずしも導電性を有するものでなく、一般に非透過性で、近距離場プローブ・ビームのサンプルへのカップリングは要素28のアパチャ30によって遂行される。
【0041】
サブ波長アパチャは、フレネルのゾーン・プレートまたはマイクロレンズをさらに含んで、特定の最終用途の分野において、本発明の趣旨および範囲を逸脱することなくサブ波長アパチャのアレイを介する透過性を有利に変化させることができる。他の特定最終用途の分野において、反射/散乱または透過近距離場プローブ・ビームの空間フィルタとして機能する波長/サブ波長アパチャのアレイに格子を与えて、本発明の趣旨および範囲を逸脱することなく、反射/散乱または透過近距離場プローブ/ビームの特性を変化させることができる。
【0042】
サブ波長アパチャ30に入射する測定ビームの第1の部分は、近距離場プローブ・ビームとして伝達される。近距離場プローブ・ビームの一部はオブジェクト物質112に入射され、その一部は反射および/または散乱されてサブ波長アパチャ30に戻り、その一部は近距離場戻りプローブ・ビームとして伝達される。図2bに示すように、オブジェクト物質112と反射要素28の近接面の空間分離度をhとする。hの値は、約2aであるのが好ましい。サブ波長アパチャ30に入射する測定ビームの第2の部分は、第1のバックグラウンド戻りビームとして反射および/または散乱される。サブ波長散乱サイト32に入射する測定ビームの部分は、第2のバックグラウンド戻りビームとして反射および/または散乱される。近距離戻りプローブ・ビーム、第1のバックグラウンド戻りビームおよび第2のバックグラウンド戻りビームは、図1,図2aにおいて光線32a,32bとして示される戻りビーム34であって、光線32a,32bの間に光線を含む戻りビーム34としてアミチ型対物レンズ26を出る。戻りビーム34はレンズ60によって平行にされ、図1aに光線36A,36Bとして示され、光線36Aと36Bの間に光線を含む戻りビーム36となる。
【0043】
サブ波長アパチャ30および散乱サイト32に入射する測定ビームの一部は、戻り測定ビームとして反射される。戻り測定ビームは、測定ビーム22と実質的に平行なビームとしてレンズ24を出て、その一部がビーム42の戻り測定ビーム成分として反射される。ビーム42は停止部材70に入射し、停止部材70によって実質的に遮蔽される。
【0044】
参照ビーム50は移相器64によって伝達され、レンズ66のアパチャによって伝達され、参照オブジェクト20Rに入射し、図1に光線52a,52bとして示され、光線52aと52bの間に光線を含む反射参照ビーム54として反射される。ビーム54はレンズ66によって平行にされ、図1に光線56Aおよび56Bとして示され、光線56Aと56Bの間に光線を含む反射参照ビーム56として移相器64により伝達される。移相器64は、参照ビーム50が移相器64を2度通過した結果として、反射参照ビーム56に相対移相χを導入する。電子コントローラ、信号プロセッサおよびコンピュータ200からの制御信号132によって、移相χの大きさは制御される。
【0045】
図2cには、参照オブジェクト20Rを透過する参照ビーム52の伝播が拡大略図で示されている。参照オブジェクト20Rはアミチ型対物レンズである。参照ビーム52は、参照オブジェクト20Rによって、要素28R上の少なくとも2つの波長またはサブ波長反射スポットのアレイを包囲する要素28Rのビーム直径に集束される。要素28Rは、アミチ型対物レンズ26Rの表面の反射スポット30R,32Rのアレイとして、拡大略図で図2dに示されている。反射スポット30R,32Rは、要素28のそれぞれ要素30,32に対応するビーム54の反射参照ビーム成分を生成する。反射スポット30R,32Rならびに要素30,32が、それぞれ続く検出器への撮像によって見られる結合体になるように、反射スポット30R,32Rの間隔、ならびにレンズ66の焦点長さが選択される。直径が戻りビーム36の直径と実質的に同じである反射参照ビーム56を効率的に生成するように、反射スポット30R,32Rの直径a”が選択される。反射スポット30R,32Rの相対反射率は、最終用途の分野に応じて、同一であってもよいし、有利に異なっていてもよい。
【0046】
本発明の趣旨および範囲を逸脱することなく、第1の実施形態の要素28Rと相補的な要素を有する参照オブジェクト20Rによって参照ビームが伝達されるように、参照ビームの経路を構成しうることが当業者なら理解されるであろう。既に引用した「共鳴キャビティにより光透過が向上された多数光源アレイ(Multiple−Source Arrays With Optical Transmission Enhanced By Resonant Cavities)」という発明の名称の米国特許仮出願(ヒル(Hill))には、波長および/またはサブ波長アパチャを介してビームを伝達することによる参照ビームの生成の例が記載されている。
【0047】
戻りビーム36はビーム・スプリッタ100に入射し、その一部は、図1aに光線38A,38Bとして示され、光線38A,38Bの間に光線を含むビームの戻りビーム成分として反射される。反射参照ビーム56はビーム・スプリッタ100に入射し、その一部はビーム38の反射参照ビーム成分として透過する。ビーム38は偏光子68による偏光に関して混合され、次いでレンズ62に入射し、図1aに光線40A,40Bとして示され、光線40A,40Bの間に光線を含む混合ビーム40として集束される。混合ビーム40は、画像平面114におけるピンホールがサブ波長アパチャ30の1つまたはサブ波長散乱ポイント32の1つのいずれかの複合画像になるように、ピンホール平面114上に集束される。
【0048】
図3にはピンホール平面114が略図で示されている。ピンホールの直径をcとし、ピンホールの間隔をdとする。間隔dはサブ波長アパチャ30およびサブ波長散乱サイト32の分離度bに等しく、サブ波長アパチャ30およびサブ波長散乱ポイント32をピンホール平面114の対応するピンホールに撮像する撮像システムの倍率に符合する。直径cは、撮像システムによるポイント・オブジェクトの回折限界画像の大きさの約2倍になるように選択され、間隔dは、cより大きくなるように、好ましくは撮像システムによるポイント・オブジェクトの回折限界画像の大きさの約4倍以上になるように選択される。サブ波長アパチャ30およびサブ波長散乱サイト32の回折限界画像の典型的な振幅関数が、図3にそれぞれ破線および実線の輪郭で示されている。
【0049】
混合ビーム40の一部はピンホール平面114のピンホールにより伝達され、検出器116、好ましくは量子光子検出器によって検出される。検出器116は、最終用途の分野の要件に応じて1対のピクセル、ピクセルの1次元アレイまたはピクセルの2次元アレイを始めとする、ピクセルのアレイを含み、ピンホール平面114のピンホールと検出器116のピクセルを1対1に対応づける。検出器116は、ピクセルのアレイに対応する信号値のアレイ[Sn]を含む電気干渉信号を生成する。下付き文字nは、信号値のアレイ[Sn]における素子を示す指数である。信号値のアレイ[Sn]は、最終用途の分野に応じて、1対の素子、少なくとも3つの素子を含む1次元アレイ、または2次元アレイを含むことができる。
【0050】
信号値のアレイ[Sn]は以下の式で近似することができる。
【0051】
【数1】
式中、項(SD)nはサブ波長アパチャ30またはサブ波長アパチャ32に関連する項を表し、項(SI)nはサブ波長アパチャ30またはサブ波長アパチャ32に関連する干渉交差項を表す。
【0052】
サブ波長アパチャ30に関連する項(SD)nは、近距離戻りプローブ・ビーム、第1のバックグラウンド戻りビーム、および反射参照ビームの、対応する部分の振幅平方と、近距離場戻りプローブ・ビームの複素振幅と第1のバックグラウンド戻りビームの複素振幅の間の干渉交差項との合計に比例する。サブ波長アパチャ32に関連する項(SD)nは、第2のバックグラウンド戻りビームおよび反射参照ビームの対応する部分の振幅平方の合計に比例する。サブ波長アパチャ30に関連する項(SI)nは、近距離場戻りプローブ・ビームの複素振幅と反射参照ビームの複素振幅の間の干渉交差項と、第1のバックグラウンド戻りビームの複素振幅と反射参照ビームの複素振幅の間の干渉交差項との合計に比例する。サブ波長アパチャ32に関連する項(SI)nは、第2のバックグラウンド戻りビームの複素振幅と反射参照ビームの複素振幅の間の干渉交差項に比例する。
【0053】
項(SD)nは移相χに無関係である。項(SI)nは、移相χのシヌソイド関数で、以下の式で表すことができる。
【0054】
【数2】
式中、(|SI|n)およびφはそれぞれ、(SI)nに寄与する複素振幅に関連する振幅および位相である。
【0055】
図1a、2aおよび2bに示される本発明の第1の実施形態の装置の動作は、4つの信号値のアレイの測定値のシーケンスの取得に基づく。4つの信号値のアレイ[Sn]1、[Sn]2、[Sn]3および[Sn]4は検出器116によって取得され、移相器64はそれぞれ移相χ0、χ0+π、χ0+π/2およびχ0+3π/2ラジアンのシーケンスを導入する(χ0は移相χの特定の固定値である)。4つの信号値のアレイ[Sn]1、[Sn]2、[Sn]3および[Sn]4は、後続の処理のために、デジタルまたはアナログ形式で、信号131として電子コントローラ、信号プロセッサおよびコンピュータ200に送られる。
【0056】
4つのアレイ[Sn]1、[Sn]2、[Sn]3および[Sn]4をデジタル形式に変換するために、従来の変換回路、すなわちアナログ・デジタル変換回路が検出器116、または電子コントローラ、信号プロセッサおよびコンピュータ200に備えられる。移相器64によって導入された移相χは、生成され、後に電子コントローラ、信号プロセッサおよびコンピュータ200に伝達される信号132によって制御される。移相器64は電子光学タイプのものであってもよい。
【0057】
次に、信号値の差の2つのアレイ[Sn]1−[Sn]2=[(SI)n]1−[(SI)n]2および[Sn]3−[Sn]4=[(SI)n]3−[(SI)n]4が電子コントローラ、信号プロセッサおよびコンピュータ200によって計算される。
【0058】
サブ波長アパチャ30に関連するピクセルに対応する信号値差のアレイの素子は、実質的に、また比較的効率よく、2つの干渉交差項、すなわち近距離場戻りプローブ・ビームの複素振幅と反射参照ビームの複素振幅との間の第1の干渉交差項、ならびに第1のバックグラウンド戻りビームの複素振幅と反射参照ビームの複素振幅との間の第2の干渉交差項のみを含む。
【0059】
実測強度値におけるサブ波長アパチャ30およびサブ波長散乱サイト32に関連するビームの振幅の効果の分離の比較的高い効率性は、パラメータcおよびdの選択によって制御される。
【0060】
近距離場戻りプローブ・ビームの複素振幅は、近距離場戻りプローブ・ビームの複素振幅と反射参照ビームの振幅との間の第1の干渉項の振幅から、電子コントローラ、信号プロセッサおよびコンピュータ200によって計算される。その計算には、第2のバックグラウンド戻りビームの複素振幅の成分と、反射参照ビームの複素振幅の成分との間の干渉交差項の実測値を用いてサブ波長アパチャ30に関連する信号値差の要素の実測値を補償し、第1のバックグラウンド戻りビームの複素振幅の成分と反射参照ビームの複素振幅の成分との間の第2の干渉交差項の寄与率を求めることが含まれる。その計算には、実測値を用いて、ピンホール平面114のピンホールにより伝達され、検出器116により検出される反射参照ビームの部分の振幅の平方を求めることがさらに含まれる。
【0061】
次に、電子コントローラ、信号プロセッサおよびコンピュータ200からの信号128に応答して、位相遅れ要素18により、入力ビーム20の偏光面を90°回転させる。測定された信号値のアレイ[Sn]1、[Sn]2、[Sn]3および[Sn]4に対応する4つの信号値のアレイの第2のセット[Sn]5、[Sn]6、[Sn]7および[Sn]8が、検出器116によって取得される。電子コントローラ、信号プロセッサおよびコンピュータ200によって信号値差のアレイ[Sn]1−[Sn]2=[(SI)n]1−[(SI)n]2および[Sn]3−[Sn]4=[(SI)n]3−[(SI)n]4を計算する。入力ビーム20の非回転状態の偏光についての近距離場戻りプローブ・ビームの複素振幅を計算するのに用いたのと同じアルゴリズムを用いて、直交偏光入力ビーム20に対する近距離戻りプローブ・ビームの複素振幅を電子コントローラ、信号プロセッサおよびコンピュータ200によって計算する。
【0062】
オブジェクト物質112をオブジェクト・チャック160に装着する。オブジェクト・チャック160の角度方向および高さは、チャック台162に取りつけられる3つのトランスデューサ(そのうちの2つを161A,161Bで示す)によって制御される。要素28の表面に対するオブジェクト物質112の角度方向および高さを検出し、それらを用いて誤差信号を生成する。誤差信号の検出および生成は、それぞれサブ波長アパチャおよびサブ波長散乱サイト1030および1032、ならびに図4に示される波長アパチャ要素2030に対応する信号値のアレイから得られる情報に基づいて行われる。
【0063】
誤差信号は、信号166の成分として電子コントローラ、信号プロセッサおよびコンピュータ200に伝達される。誤差信号から電子コントローラ、信号プロセッサおよびコンピュータ200によりサーボ制御信号が生成され、信号166のサーボ制御信号成分としてチャック台162に伝達される。トランスデューサ161A,161Bおよび第3のトランスデューサ(非図示)は、信号166のサーボ制御信号成分に従ってオブジェクト物質112の方向および/または高さを変化させる。
【0064】
要素28の表面と実質的に平行な平面におけるチャック台162の位置は、トランスレータ164によって制御される。チャック台162の位置は、精密距離測定干渉の如き当該技術分野における既知の技術によって検出され、誤差信号は、信号168の誤差信号成分として電子コントローラ、信号プロセッサおよびコンピュータ200に伝達される。[1999年2月18日に出願された「空気による屈折率と光路長の影響を測定する干渉計および方法(Interferometer And Method For Measuring The Refractive Index And Optical Path Length Effect Air)」という発明の名称の米国特許出願番号第09/252,266号(ペータ デ グルート(Peter de Groot)、ヘンリー エー ヒル(Henry A.Hill)およびフランク シー デマレスト(Frank C.Demarest))、ならびに1999年2月18日に出願された「パルチプルパス干渉計を用いた空気による屈折率と光路長の影響を測定する装置および方法(Apparatus And Method For Measuring The Refractive Index And Optical Path Length Effects Of Air Using Multiple−Pass Interferometry)」という発明の名称の米国特許出願番号第09/252,266号(ヘンリー エー ヒル(Henry A.Hill)、ペータ デ グルート(Peter de Groot)およびフランク シー デマレスト(Frank C.Demarest))を参照。両出願の内容を本願に引用して援用する]。サーボ制御信号は、信号168の誤差信号成分から電子コントローラ、信号プロセッサおよびコンピュータ200によって生成され、信号168のサーボ信号成分としてトランスレータ164に伝達される。トランスレータ164は、最終用途の分野の要件に応じて、信号168のサーボ信号成分に応答して、1つまたは2つの直交方向、および1つまたは2つの直交方向面でチャック台162の位置および方向を制御する。
【0065】
次に、最終用途の分野の要件に応じて、オブジェクト物質112の表面と実質的に平行な1つまたは2つの直交方向で、かつオブジェクト物質112の近接面と要素28の間に空間的距離をおいて、オブジェクト物質112が走査される。測定された信号値のアレイ[Sn]1、[Sn]2、[Sn]3および[Sn]4、ならびに最終用途によって必要とされる場合には[Sn]5、[Sn]6、[Sn]7および[Sn]8を、走査パラメータ、ならびに電子コントローラ、信号プロセッサおよびコンピュータ200によって計算されたそれぞれの近距離場戻りプローブ・ビームの複素振幅と反射参照ビームのそれぞれの複素振幅との間のそれぞれの干渉交差項の振幅および位相の関数として取得する。
【0066】
第1の実施形態の装置によるオブジェクト物質112についての情報は、著しく低減されたバックグラウンド信号の存在下で取得される。バックグラウンド信号への寄与源には、第1のバックグラウンド戻りビーム、停止部材70によって遮蔽されていない戻り測定ビームの部分、第1の実施形態の装置において測定ビームに関連する他のビームの反射および/または散乱によって生成されるバックグラウンド、ならびに反射参照ビームに関連する対応するビームが含まれる。第1に第1の実施形態の装置は共焦点光学撮像/検出システムを含み、第2にバックグラウンド補償手順は第2のバックグラウンド戻りビームの測定に基づくという理由から、バックグラウンド信号が著しく低減される。
【0067】
共焦点光学撮像/検出システムは、非共焦点光学撮像/検出システムに比べて、深さ識別能を著しく向上させ、それにより撮像対象平面部からずれた平面部に生成される散乱/反射ビームに対する識別能を著しく向上させてきたことは、当業者によく知られている。しかし、共焦点光学撮像/検出システムは、第1のバックグラウンド戻りビームに対する識別を行わない。第2のバックグラウンド戻りビームの測定に基づくバックグラウンド補償手順は、第1の実施形態の装置の共焦点撮像/検出特性によって識別されない第1のバックグラウンド戻りビームに対する補償を行う。第2のバックグラウンド戻りビームの測定に基づくバックグラウンド補償手順は、第1の実施形態の装置の共焦点撮像/検出特性によって識別されない撮像対象平面部からずれた平面部に生成される散乱/反射ビームに対してさらに補償を行うことに留意されたい。
【0068】
オブジェクト物質112の表面と実質的に平行な1つまたは2つの直交方向を組み合わせ、かつオブジェクト物質112の近接面と要素28の間に空間的距離をおいたオブジェクト物質112の走査が、「ステップアンドリピート」モードとして第1の実施形態に対して行われる。動作を連続操作モードに修正した第1の実施形態は、本発明の第1実施形態の第3の変形例として以下に説明される。
【0069】
誤差信号は、要素28の周囲に位置する波長アパチャ2030のアレイより得られた情報に基づいて検出および生成される。波長アパチャ2030の直径はa1であり、a1はほぼλに等しい。図4に示されるように、波長アパチャ2030の平面は要素30,32の平面から距離Δhだけずれており、Δhはほぼ2λに等しい。要素2030に入射した測定ビームの一部はプローブ・ビームとして伝達される。プローブ・ビームの一部はオブジェクト物質112に入射し、その一部は反射および/または散乱されてサブ波長アパチャ1030に戻り、その一部が戻りプローブ・ビームとして伝達される。要素1032に入射した測定ビームの一部は第2のバックグラウンド戻りビームの成分として散乱/反射される。
【0070】
戻りプローブ・ビームは、測定された信号値のアレイ[Sn]の特定要素として検出される。測定アレイは、サブ波長アパチャおよびサブ波長散乱サイト1030,1032のそれぞれ、ならびに図4に示される波長アパチャ要素2030に対応する信号値をも含む。
【0071】
測定されたアレイの特定の素子に対応する信号値差[Sn]1−[Sn]2および[Sn]3−[Sn]4を電子コントローラ、信号プロセッサおよびコンピュータ200によって計算し、第1のバックグラウンド戻りビームの対応する成分によって補償する。要素1032に伴って取得される情報を該補償に利用する。特定の要素に対応する補償信号値差を用いて、要素2030、およびオブジェクト物質112上の対応するサイトの相対分離度h1を監視する(図4を参照)。
【0072】
測定された高さの値のアレイ[h1]を用いて、電子コントローラ、信号プロセッサおよびコンピュータ200に信号166の成分として伝達される誤差信号を生成する。要素2030の直径であるため、誤差信号生成手順は、約10λ〜30λの高さの値の範囲に対して比較的高感度を維持する。高さの範囲が比較的広いため、要素28を要素112に接近させる上で誤差信号を効果的に利用できる。
【0073】
さらに、オブジェクト物質112を走査すると、要素28の「先端」が高さの値のアレイ[h1]の対応する要素を監視し、要素112の表面輪郭の変化を検出する。図4には、要素番号112で示される平面、要素番号112aで示される凸面、および要素番号112bで示される凹面として、要素112の3つの異なる表面形状が示されている。次いで、要素28と要素112の接触を防ぐために、サーボ制御システムにおいて表面輪郭の変化の検出を予測し、要素112の少なくとも一部を所望の高さレベルに維持する。
【0074】
本発明の範囲および趣旨を逸脱することなく、直径および関連する変位Δhが異なる波長アパチャ2030の追加的なセットを使用できることを当業者なら理解するであろう。
【0075】
本発明の第1の実施形態の第1の変形例は、図1aに略図で示される本発明の第1の実施形態と同じ要素を含む。第1の実施形態の変形例と第1の実施形態との違いは、測定された信号値のアレイを取得するのに使用する手順にある。第1の実施形態の第1の変形例では、ヘテロダイン検出技術、またはデジタル・ヒルベルト変換位相検出器[「Phase−locked loops:theory,design,applications」第2版(マグローヒル(McGraw−Hill)(ニューヨーク)1993年、アール イー ベスト(R.E.Best)著)参照]、位相固定ループ[アール イー ベスト(R.E.Best)、前掲を参照]、参照位相として位相χを用いたスライディング・ウィンドウFFT[Digital Techniques for Wideband Receivers(アルテック・ハウス(Artech House)(ボストン))、1995年(ジェイ ツイ(J.Tsui))著を参照]の如き非パルス信号用位相感度検出技術を用いて、振幅(|SI|)nおよび位相(φ)nが求められる。
【0076】
遅延なく均一に抽出される関数については、該関数についての情報を取得するためのデジタル信号処理に基づく位相感度技術を実施することによって、該関数のチェビシェフ多項式に基づいた結果が得られることが知られている[エイチ エー ヒル(H.A.Hill)およびアール ティー ステビンス(R.T.Stebbins)、Astrophys.J.、200、p 484(1975年)を参照]。以下の式に従って偏差χ0を中心に位相χを走査する例を考える。
【0077】
【数3】
式中、Δχは時間tの関数である。χの走査によって、以下の式で表される、式(2)および(3)による信号値のアレイの素子における成分を生成する。
【0078】
【数4】
次いで、cosΔχおよびsinΔχの係数アレイの位相感度検出によって振幅アレイ[(|SI|)n]および位相アレイ[(ψ+χ0)n]を求める。位相感度検出は、(|SI|)nにcosΔχを乗じ、時間について(|SI|)ncosΔχを積分し、また(|SI|)nにsinΔχを乗じ、時間について(|SI|)nsinΔχを積分する。Δχが、角周波数がω1で振幅が1のシヌソイダル関数、すなわち以下の式で表され、[(|SI|)n]が遅延なく均一に抽出される場合は、cosΔχおよびsinΔχを[(|SI|)n]の特定のチェビシェフ多項係数のアレイとして効果的に表すことができる。
【0079】
【数5】
チェビシェフ多項式の既知の特性を用いて、特定のチェビシェフ多項係数のアレイの素子を以下の式で表すことができる。
【0080】
【数6】
【数7】
式中、T=2π/ω1で、T1およびV1は、それぞれタイプIおよびタイプIIの1位チェビシェフ多項式で、J0は第1種の0位ベッセル関数である[Mathematical Methods for Physicists(ジー アルフケン(G.Arfken))(Academic Press−ニューヨーク)1968年を参照]。
【0081】
一般に、位相ずれΔχは、走査オブジェクト物質112の時間を通じて不変とする条件に合致しない場合は求める必要はない。異なる時刻に得られた結果を比較するためには、2つの異なる測定時刻の間の時間中にχ0に生じた変化を求める必要があるものと考えられる。χ0の相対的な変化は、例えば表面が必要な精度で平坦性を有する等方性媒体、例えば石英ガラスを含むオブジェクト物質112についてのアレイ[Sn]における振幅[(|SI|)n]および位相[(ψ)n]のアレイを取得することによって求めることができる。
【0082】
第1の実施形態の第1の変形例は、ヘテロダイン検出システムの利点を有する。
第1の実施形態の第1の変形例についての残りの説明は、第1の実施形態について述べた説明の対応する部分と同じである。測定ビームは図2aに示される角度でマスク要素28に入射し、要素28と接触するためにレンズ124Aを通過するため、第1の実施形態において使用した近距離場プローブ・ビームと異なる近距離場プローブ・ビームを使用する本発明の第2の実施形態によって、オブジェクト物質112の追加的な反射および/または散乱特性を得ることができる。
【0083】
サブ波長アパチャ30に入射した測定ビームの第1の部分は修正近距離場プローブ・ビームとして伝達される。第2の実施形態の改造近距離場プローブ・ビームと第1の実施形態の近距離場プローブ・ビームとの主要相違点は、近距離場多極子構成の違いである。第1の実施形態の近距離場プローブ・ビームの近距離場多極子構成は、アパチャ30の対応するアパチャに配置された磁気双極子に関連する有効近距離場項を含む。
【0084】
第2の実施形態の近距離場プローブ・ビームの近距離場多極子構成は、磁気双極子と、アパチャ30の対応するアパチャに配置された電気双極子の両方に関連する有効近距離場項を含む[ジェイ ディー ジャクソン(J.D.Jackson)、Classical Electrodynamics、第9章、第2版(ウィレイ−ニューヨーク(Wiley−New York))(1975年);および「Diffraction Theory」、シー ジェイ ブーカンプ(C.J.Bouwkamp)、Reports on Progress in Physics、17、pp.35−100、編集 エー シー ストリックランド(A.C.Strickland)、物理学会(The Physical Society)(1954年)を参照]。磁気双極子に関連する近距離場の空間特性および電気双極子に関連する近距離場の空間特性に違いがあるため(導電要素28の平面に位置を合わせた磁気双極子、および導電要素28の平面に直交するように配向する電気双極子に関連する電場の特定成分の分布については図2bを参照のこと)、第2の実施形態によって測定された近距離場戻りプローブ・ビームの複素振幅は、第1の実施形態によって測定された近距離場戻りプローブ・ビームの複素振幅と異なる。結果として、第2の実施形態によって測定された近距離場戻りプローブ・ビームの複素振幅は、第1の実施形態によって測定された近距離場戻りプローブ・ビームの複素振幅によって表されるオブジェクト物質112の対応する画像と異なるオブジェクト物質112の3次元容量部の「画像」を表す。
【0085】
第2の実施形態についての残りの説明は、第1の実施形態について述べた説明の対応する部分と同じである。
本発明のさらなる実施形態は、上述のシステムを透過方式で動作するように構成することを含む。当該実施形態は、図5に示されている。
【0086】
図5に示される実施形態の多くの要素は、先の実施形態の要素と同様に機能を発揮し、図1に示される第1の実施形態の対応する要素と同じ要素番号で図5に示される。
【0087】
ビーム20は非偏光ビーム・スプリッタ102に入射され、その第1の部分は測定ビーム22Tとして伝達される。次いで、測定ビーム22Tが鏡92で反射され、次いで鏡90で反射された後に基板112Tのスポットに集束される。基板112Tは、ビーム20の波長において透明な基板、ならびに第1の実施形態のアパチャ30に対応する波長および/またはサブ波長アパチャのアレイを含む。スポットに集束された測定ビーム22Tの一部は、近距離場プローブ・ビームのアレイとしてサブ波長アパチャ30により伝達される。サブ波長アパチャ30についての説明は、第1の実施形態のサブ波長アパチャ30のアレイについて述べた説明の対応する部分と同じである。スポットの直径は、サブ波長アパチャ30のアレイをスパンするのに十分な大きさである。
【0088】
近距離場ビームのアレイによって検査するサンプル25は、アミチ型レンズ26Tのフラット面に配置される。近距離場プローブ・ビームのアレイは、第5の実施形態の装置による後続の処理に関して、第1の実施形態のビーム34に対応する透過ビーム34としてサンプル25によって伝達される。
【0089】
図5に示されるように、ビーム20の第2の部分は、参照ビーム50Tとして鏡102に反射される。参照ビーム50Tは、鏡94A,94B,94Cによって反射された後に、参照ビーム52としてレンズ60のアパチャを介して伝達される。参照ビーム52についての説明は、第1の実施形態のビーム52について述べた説明の対応する部分と同じである。
【0090】
さらに、追加の実施形態において、周囲アパチャ2030を介して誘導される放射線は、測定アパチャ30についての波長と異なる波長であってもよい。
他の態様、利点および改造形態も請求項の範囲に含まれる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態を示す略図である。
【図2a】第1の実施形態で使用されるアミチ型対物レンズ26およびレンズ24を備えたレンズ・アセンブリならびに第2の実施形態で使用されるアミチ型対物レンズ26およびレンズ124を備えたレンズ・アセンブリを示す略図である。
【図2b】輪郭作成(プロファイリング)/撮像対象のオブジェクト物質112に対する導電要素28と、サブ波長アパチャ30に位置する電気双極子および磁気双極子に関連する遠距離電場成分の角度分布関数とを示す略図である。
【図2c】第1の実施形態で使用されるアミチ型対物レンズ26Rおよびレンズ24Rを備えた参照オブジェクト20Rを示す略図である。
【図2d】参照オブジェクト20Rに使用される反射要素30R,32Rを備えた要素28を示す略図である。
【図3】画像平面114と、画像平面114のそれぞれのピンホールにおけるサブ波長アパチャ30およびサブ波長散乱サイト32の画像に対する振幅分布関数を示す略図である。
【図4】要素28の周囲にあるオブジェクト物質112に対する要素28を示す略図である。
【図5】透過方式で動作する本発明の実施形態を示す略図である。
Claims (32)
- オブジェクトを撮像するための干渉光学顕微鏡検査システムであって、
入力ビームを測定ビームと参照ビームに分割するように配置されたビーム・スプリッタと;
測定ビームを受け取るように配置された測定ビーム光源アレイであって、複数の測定アパチャのアレイと、測定アパチャの1つに近接する制御アパチャとを有するマスクを含み、制御アパチャの横断寸法は、近接する測定アパチャの横断寸法よりも大きく、各測定アパチャおよび制御アパチャは、測定ビームの一部をオブジェクトに放射するように構成され、オブジェクトは、放射された測定ビームの部分と相互作用して、測定アパチャを介して信号放射線を戻す方向に向けて測定戻りビームを定める、測定ビーム光源アレイと;
制御アパチャの横断寸法は、制御アパチャに近接する測定アパチャを介して戻す方向に向けられた信号放射線よりも制御アパチャから来た放射線が支配的になっていることと;
参照ビームを受け取るように配置された参照ビーム光源アレイであって、参照ビームの一部を放射するように各々が構成された複数の素子のアレイを含み、放射された参照ビームの部分が参照戻りビームを定める、参照ビーム光源アレイと;
マルチ素子光検出器と;
測定および参照戻りビームを光検出器に誘導するように配置され、参照素子のアレイと測定アパチャのアレイとの重複複合画像を光検出器上に生成するように構成された撮像光学系であって、各測定アパチャに対する複合画像は、対応する参照素子の複合画像と重なって、オブジェクトの特定領域を示す光干渉信号を生成する、撮像光学系と;を備えたシステム。 - 測定ビーム光源アレイに対してオブジェクトを支持する位置決めシステムと;
光検出器および位置決めシステムに結合される電子コントローラであって、動作時に、位置決めシステムに、制御アパチャに近接する測定アパチャに対応する干渉信号から誘導された制御信号に応答して、測定ビーム光源アレイとオブジェクトの間の分離度を調節させる電子コントローラと;をさらに含む、請求項1に記載のシステム。 - 制御アパチャは測定アパチャのアレイの周囲に配置される、請求項1に記載のシステム。
- マスクは、それぞれ測定アパチャの1つに近接し、対応する近接測定アパチャの横断寸法より大きい横断寸法を各々が有する複数の制御アパチャを備える、請求項1に記載のシステム。
- 複数の制御アパチャは測定アパチャのアレイの周囲を囲む、請求項4に記載のシステム。
- 入力ビームを供給するための光源をさらに備えた、請求項1に記載のシステム。
- 測定アパチャの各々は、光源により供給される入力ビームの真空波長より小さい横断寸法を有する、請求項6に記載のシステム。
- 制御アパチャは、入力ビームの真空波長に等しい横断寸法を有する、請求項6に記載のシステム。
- 制御アパチャに近接する測定アパチャ以外の各測定アパチャのオブジェクトに近接する末端を、第1の共通平面に配置し、制御アパチャおよび制御アパチャに近接する測定アパチャの各々のオブジェクトに近接する末端を、第1の共通平面に対してずらして配置した、請求項3に記載のシステム。
- 制御アパチャおよび制御アパチャに近接する測定アパチャの末端を、第1の共通平面に平行な第2の共通平面に配置した、請求項9に記載のシステム。
- 入力ビームを供給する光源をさらに備え、入力ビームは波長を有し、第1の共通平面を該波長の約2倍に相当する分だけ第2の共通平面からずらして配置した、請求項10に記載のシステム。
- 光検出器に近接して配置されるピンホール・アレイをさらに備え、各ピンホールは1つまたは複数の検出器素子の個別的セットと位置を合わせて配置され、撮像システムは、各測定アパチャに対する複合画像の位置をピンホール・アレイの対応するピンホールに合わせる、請求項1に記載のシステム。
- 測定ビーム光源アレイにおけるマスクは測定散乱素子のアレイをさらに含み、各測定散乱素子は測定アパチャのうちの対応する1つのアパチャに近接し、対応する測定アパチャに匹敵する横断寸法を有し、各測定散乱素子は測定ビームの一部を散乱させ、測定戻りビームは、測定散乱素子によって散乱した測定ビームの部分をさらに含み、
撮像光学系は、参照素子のアレイの複合画像に重なる測定散乱素子のアレイの複合画像を生成するように構成され、各測定散乱素子に対する複合画像は対応する参照素子の複合画像に重なって、近接測定アパチャからの散乱を示す光干渉信号を生成する、請求項1に記載のシステム。 - 制御アパチャを測定アパチャのアレイの周囲に配置し、制御アパチャに近接する測定アパチャと制御アパチャに近接する測定アパチャに近接する測定散乱素子以外の、各測定アパチャおよび各測定散乱素子のオブジェクトに近接する末端を第1の共通平面に配置し、制御アパチャ、制御アパチャに近接する測定アパチャ、および制御アパチャに近接する測定アパチャに近接する測定散乱サイトの各々のオブジェクトに近接する末端を第1の共通平面に対してずらして配置した、請求項13に記載のシステム。
- 制御アパチャおよび制御アパチャに近接する測定アパチャの末端を、第1の共通平面に平行な第2の共通平面に配置した、請求項14に記載のシステム。
- 入力ビームを供給する光源をさらに備え、入力ビームは波長を有し、第1の共通平面を該波長の約2倍に相当する分だけ第2の共通平面からずらして配置した、請求項15に記載のシステム。
- 測定ビーム光源アレイに対してオブジェクトを支持するための位置決めシステムと;
光検出器および位置決めシステムに結合された電子コントローラであって、動作時に、位置決めシステムに、制御アパチャに近接する測定アパチャに対応する干渉信号および制御アパチャに近接する測定アパチャに近接する測定散乱サイトに対応する干渉信号から誘導される制御信号に応答して、測定ビーム光源アレイとオブジェクトの間の分離度を調節させる電子コントローラと;をさらに備えた、請求項13に記載のシステム。 - 光検出器に近接して配置されるピンホール・アレイをさらに備え、各ピンホールは1つまたは複数の検出器素子の個別的セットと位置を合わせて配置され、撮像システムは、各測定アパチャおよび各測定散乱素子に対する複合画像の位置をピンホール・アレイの対応するピンホールに合わせる、請求項13に記載のシステム。
- 各参照素子は反射要素を含む、請求項1に記載のシステム。
- 各参照素子は透過アパチャを含む、請求項1に記載のシステム。
- オブジェクトを照明するための光源アレイであって、
測定ビームを受け取るように配置されたマスクであって、光源アパチャのアレイと、光源アパチャの1つに近接した制御アパチャとを有し、制御アパチャの横断寸法は近接光源アパチャの横断寸法より大きく、各光源アパチャおよび制御アパチャは、測定ビームの一部をオブジェクトに放射するように構成され、オブジェクトは、制御アパチャから放射された測定ビームの部分と相互作用し、制御アパチャに近接する光源アパチャを介して制御信号放射線を戻す方向に向ける、マスクを備えた光源アレイ。 - オブジェクトを照明するためのシステムであって、
請求項21に記載の光源アレイと;
光源アレイに対してオブジェクトを支持するための位置決めシステムと、
位置決めシステムに結合される電子コントローラであって、動作時に、位置決めシステムに、制御信号放射線から誘導された干渉信号に基づく制御信号に応答して、測定ビーム光源アレイとオブジェクトの間の分離度を調節させる電子コントローラと;を備えたシステム。 - 制御アパチャを光源アパチャのアレイの周囲に配置した、請求項21に記載の光源アレイ。
- マスクは、それぞれ光源アパチャの1つに近接する複数の制御アパチャを備え、各制御アパチャの横断寸法は、対応する近接光源アパチャの横断寸法より大きい、請求項21に記載の光源アレイ。
- 複数の制御アパチャは光源アパチャのアレイの周囲を囲む、請求項24に記載の光源アレイ。
- 測定ビームを供給するための光源をさらに備えた、請求項21に記載の光源アレイ。
- 光源アパチャの各々は、光源により供給される測定ビームの真空波長より小さい横断寸法を有する、請求項26に記載の光源アレイ。
- 制御アパチャは、入力ビームの真空波長より大きいかそれと等しい横断寸法を有する、請求項26に記載の光源アレイ。
- 制御アパチャに近接する光源アパチャ以外の各光源アパチャのオブジェクトに近接する末端を、第1の共通表面に配置し、制御アパチャおよび制御アパチャに近接する各光源アパチャのオブジェクトに近接する末端を、第1の共通平面に対してずらして配置した、請求項23に記載の光源アレイ。
- 制御アパチャおよび制御アパチャに近接する光源アパチャの末端を第1の共通平面に平行な第2の共通平面に配置した、請求項29に記載の光源アレイ。
- マスクは光源散乱素子のアレイをさらに含み、各光源散乱素子は、光源アパチャのうちの対応する1つのアパチャに近接し、対応する光源アパチャに匹敵する横断寸法を有する、請求項21に記載の光源アレイ。
- 複数の光源でオブジェクトを照明する方法であって、
複数の光源アパチャのアレイと、光源アパチャの各々の横断寸法より大きい横断寸法を有する制御アパチャとを有するマスクを、オブジェクトに近接させて配置する工程と;
放射線をマスクに向けて、各光源アパチャおよび制御アパチャに放射線の一部をオブジェクトに対して放射させる工程と;
制御アパチャからオブジェクトに向けられた放射線から誘導される光干渉信号を生成する工程と;
光干渉信号から誘導される制御信号に応答して、オブジェクトに対してマスクの位置を再配置する工程と;から成る方法。
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