JP3017737U - 両回転用オイルシール - Google Patents
両回転用オイルシールInfo
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- JP3017737U JP3017737U JP1995004279U JP427995U JP3017737U JP 3017737 U JP3017737 U JP 3017737U JP 1995004279 U JP1995004279 U JP 1995004279U JP 427995 U JP427995 U JP 427995U JP 3017737 U JP3017737 U JP 3017737U
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 簡単な構造で、回転軸が回転した場合に、回
転軸の回転方向にかかわらず密封流体を密封側に向かっ
て吸引し、長期間に亘り安定した密封性能を保持するこ
とのできる両回転用オイルシールを提供すること。 【構成】 シールリップ6のシール面10に、リップ先
端8に接続している複数の断面略三角形形状の突条12
を軸方向に略平行に延在するように設けたことを特徴と
している。
転軸の回転方向にかかわらず密封流体を密封側に向かっ
て吸引し、長期間に亘り安定した密封性能を保持するこ
とのできる両回転用オイルシールを提供すること。 【構成】 シールリップ6のシール面10に、リップ先
端8に接続している複数の断面略三角形形状の突条12
を軸方向に略平行に延在するように設けたことを特徴と
している。
Description
【0001】
本考案は、密封流体の漏洩防止に用いられる密封装置の一種であるオイルシー ルに係り、特に、回転軸の回転方向にかかわらず良好な密封性能を備えた両回転 用オイルシールに関する。
【0002】
一般に、回転軸が回転した場合に、回転軸の回転方向にかかわらず、密封側か ら大気側に向かって漏洩しようとする密封流体としての潤滑油を、常に密封側に 位置させるポンプ作用と称されるシール機能を流体力学的に支援するようにした 両回転用オイルシールが知られている。
【0003】 この種の従来の両回転用オイルシールとしては、例えば実開昭50−1145 59号公報に記載されているように、シールリップのシール面に、1対の正逆異 にする多条の傾斜突条を複数組設けたものや、特開平7−55014号公報に記 載されているように、シールリップのシール面にほぼ軸方向に延在する細長い凹 部または凸部をリップ先端を除いて多数個設けたものが提案されている。
【0004】
しかしながら、前述した従来の実開昭50−114559号公報に記載されて いる両回転用オイルシールにおいては、シールリップのシール面に、正逆異にす る傾斜突条が交互に形成されており、回転軸の回転に伴って、一方の傾斜突条は 、潤滑油を密封側に向かって吸引してシール性を向上させる機能を有する反面、 他方の傾斜突条は、潤滑油を大気側に漏洩しようとしてシール性を滅殺する機能 を有しているため、潤滑油の漏洩を防止するシール機能としては、信頼性および 安定性に乏しいという問題点があった。さらに、両回転用オイルシールを形成す るための成型用金型のシールリップのシール面に対応する部位に、複数組の正逆 異にする1対の多条の傾斜突条を形成するのは、熟練した高度な技術と多大な時 間とを要するという問題点があった。
【0005】 また、従来の特開平7−55014号公報に記載されている両回転用オイルシ ールにおいては、シールリップのシール面のリップ先端に細長い凹部または凸部 が接続されていないので、潤滑油を密封側に向かって吸引するポンプ作用が少な く、シール性を向上させる機能があまり期待できないという問題点があった。さ らに、両回転用オイルシールを形成するための成型用金型のシールリップのシー ル面に対応するキャビティ部位の加工に、熟練した高度な技術と多大な時間とを 要するという問題点があった。
【0006】 本考案はこれらの点に鑑みてなされたものであり、簡単な構造で、回転軸が回 転した場合に、回転軸の回転方向にかかわらず密封流体を密封側に向かって吸引 し、長期間に亘り安定した密封性能を保持することのできる両回転用オイルシー ルを提供することを目的とする。
【0007】
前述した目的を達成するため本考案の両回転用オイルシールは、シールリップ のシール面に、リップ先端に接続している複数の断面略三角形形状の突条を軸方 向に略平行に延在するように設けたことを特徴としている。
【0008】
前述した構成からなる本考案の両回転用オイルシールによれば、シールリップ のシール面に、リップ先端に接続している複数の断面略三角形形状の突条を軸方 向に略平行に延在するように設けることにより、回転軸の回転に伴ってリップ先 端に接続している各突条の先端が回転軸の回転方向に傾斜し、密封側から大気側 に向かって漏洩しようとする密封流体を常に密封側に位置させるポンプ作用を生 じさせることができる。
【0009】
【実施例】 以下、本考案を図面に示す実施例により説明する。
【0010】 図1から図4は本考案に係る両回転用オイルシールの一実施例を示すものであ り、図1は要部を示す縦半断面図であり、図2は突条を示す拡大図であり、図3 は図2のA−A線に沿った拡大断面図であり、図4は図2のB−B線に沿った拡 大断面図である。
【0011】 図1に示すように、本実施例の両回転用オイルシール1は、回転軸2とハウジ ング3との間に装着されるようにされている。そして、両回転用オイルシール1 は、金属などにより断面略L字形状に形成された環状の補強環4に、ゴム様弾性 体で形成されたシール本体5が一体に焼き付けられて形成されている。
【0012】 前記シール本体5には、補強環4の内周部から密封側OSに向かって徐々に縮 径するように形成された環状のシールリップ6と、補強環4の内周部から大気側 ASに向かって徐々に縮径するように形成された環状のダストリップ7とが形成 されており、シールリップ6は、回転軸2と適宜な締代を有し、回転軸2と接触 するリップ先端8を有している。そして、シールリップ6には、リップ先端8か ら密封側OSに向けて拡径された所定の油面角を有する油面9と、リップ先端8 から大気側ASに向けて拡径された所定のシール角を有するシール面10とを有 しており、シール面10のリップ先端8側の所望の領域が、装着状態において回 転軸2の表面に適宜な締代をもって当接するようにされている。また、シールリ ップ6のリップ先端8の径方向外側の背面には、シールリップ6と回転軸2との 間のラジアル方向の緊迫力を保持するためのガータースプリング11が配設され ている。
【0013】 前記シール面10には、複数の突条12が軸方向に略平行に延在するようにし て形成されている。この突条12は、図2から図4に詳示するように、頂角θが 80〜100度、本実施例においては90度程度、シール面10から頂点までの 高さHが0.03〜0.06mm程度、本実施例においては0.04mm程度の 断面略三角山形形状とされており、この突条12のリップ先端8側(密封側OS )に位置する先端部12aは、リップ先端8に接続されている。そして、シール 面10から突条12の頂点までの高さHが0.03mm未満の場合には、密封側 OSから大気側ASに向かって漏洩しようとする図示しない密封流体を常に密封 側OSに位置させるように吸引するポンプ作用を効果的に発揮させることができ ずに回転軸2が回転した場合のシール機能を向上することができないない傾向が あり、シール面10から頂点までの高さHが0.06mmを越えると後述するシ ールスタティックラインSSLが連続せずに回転軸2の停止時における密封性能 が低下する傾向がある。
【0014】 前記突条12は、シール本体5の加硫成型時に用いる図示しない成形用金型の 表面に突条12に対応する部位をローレット加工などにより形成し、この金型を 用いた加硫成型によって型決めにより形成されている。
【0015】 つぎに、前述した構成からなる本実施例の作用について図5および図6により 説明する。
【0016】 図5は本考案に係る両回転用オイルシールの回転軸停止時におけるシール面の 回転軸に対するリップ接触状態を示す説明図であり、図6は本考案に係る両回転 用オイルシールの回転軸回転時におけるシール面の回転軸に対するリップ接触状 態を示す説明図である。
【0017】 本実施例の両回転用オイルシール1によれば、弾性を有するシールリップ6の シール面10に、リップ先端8に接続している複数の軸方向に略平行に延在する 突条12が突設され、この突条12のリップ先端8側の所望の領域が装着状態に おいて回転軸2と接している。
【0018】 そして、回転軸2が停止している回転軸停止時におけるシール面10の回転軸 2に対する接触状態は、図5に示すように、シールリップ6のリップ先端8と突 条12の先端部12aとがともに回転軸2と接しており、回転軸2の軸心方向に 対して略直交するようにして回転軸2の外周面を囲繞するシールスタティックラ インSSLが形成され、突条12の頂点によりシールスタティックラインSSL から直交するようにして回転軸2の軸心方向に対して略平行に延在する連続的な シールダイナミックラインSDLが大気側ASに向かって形成される。
【0019】 そして、シールスタティックラインSSLにより、回転軸2が密封側OSと大 気側ASとに隔てられ、回転軸停止時における密封側OSに位置する潤滑油など の密封流体が大気側ASに漏洩するのを確実に防止することができる。
【0020】 すなわち、本実施例においては、回転軸停止時においては、回転軸2に対して 接触する連続したシールスタティックラインSSLを形成することができ、この シールスタティックラインSSLにより、回転軸停止時における密封性能を得る ことができる。
【0021】 また、本実施例においては、回転軸2が正逆何れかの方向に回転すると、回転 軸2と接している突条12の先端部12aに近い部位ほど、回転軸2の回転方向 に大きな回転軸2からのフリクションを受ける。したがって、回転軸回転時にお ける回転軸2と接している突条12の先端部12aは、回転軸2の回転に伴って 、回転軸2の回転方向にねじられ、図6に示すように、リップ先端8側(密封側 OS)に位置するシールダイナミックラインSDLの先端部が傾斜して傾斜面1 3が形成され、この傾斜部13により、図示しない従来のスパイラルシールある いはヘリカルシールと称されるねじ付きオイルシールと同様の密封側OSから大 気側ASに向かって漏洩しようとする図示しない密封流体を常に密封側OSに位 置させるように吸引するポンプ作用を確実に生じさせることができる。
【0022】 すなわち、本実施例によれば、回転軸2が正逆何れの方向に回転した場合にお いても、突条12の先端部12aは、回転軸2の回転方向に応じてねじられて、 回転軸2の回転方向に応じてシールダイナミックラインSDLのリップ先端8側 に連続した傾斜面13が形成され、密封側OSから大気側ASに向かって漏洩し ようとする図示しない密封流体を常に密封側OSに向かって吸引するポンプ作用 を効果的に生じさせることができる。
【0023】 したがって、本実施例においては、装着状態において回転軸2に接した連続し たシールスタティックラインSSLおよびシールダイナミックラインSDLを確 実に形成することができるので、回転軸2の停止状態および回転状態にかかわら ず密封側OSから大気側ASに向かって漏洩しようとする図示しない密封流体の 漏洩防止を確実に図ることができるとともに、回転軸2の回転状態においてシー ルダイナミックラインSDLのリップ先端8側に回転軸2の回転方向に応じて連 続した傾斜面13が形成されるので、この傾斜面13により密封側OSから大気 側ASに向かって漏洩しようとする図示しない密封流体を常に密封側OSに位置 させるように吸引するポンプ作用を効果的に発揮させることができ、安定した密 封性能を長期間に亘り確実に保持することができる。
【0024】 さらにまた、シール面10に形成する突条12は、加硫成型時に用いる図示し ない金型の表面に、突条12に対応する部位をローレット加工などにより形成し ておくことなどにより容易に形成することができるので、経済的負担の増加を伴 わずに、簡単に、かつ、効率よく製造することができる。
【0025】 なお、本考案は、前記実施例に限定されるものではなく、必要に応じて変更す ることができる。
【0026】
以上説明したように本考案の両回転用オイルシールによれば、回転軸の回転方 向にかかわらず密封側から大気側に向かって漏洩しようとする密封流体を常に密 封側に位置させるように吸引するポンプ作用を効果的に生じさせることができる ので、安定した密封性能を長期間に亘り確実に保持することができるという実用 的な効果を奏する。
【図1】本考案に係る両回転用オイルシールの一実施例
の要部を示す縦半断面図
の要部を示す縦半断面図
【図2】本考案に係る両回転用オイルシールの突条を示
す拡大図
す拡大図
【図3】図2のA−A線に沿った拡大断面図
【図4】図2のB−B線に沿った拡大断面図
【図5】本考案に係る両回転用オイルシールの回転軸停
止時におけるシール面の回転軸に対するリップ接触状態
を示す説明図
止時におけるシール面の回転軸に対するリップ接触状態
を示す説明図
【図6】本考案に係る両回転用オイルシールの回転軸回
転時におけるシール面の回転軸に対するリップ接触状態
を示す説明図
転時におけるシール面の回転軸に対するリップ接触状態
を示す説明図
1 両回転用オイルシール 4 補強環 5 シール本体 6 シールリップ 8 リップ先端 10 シール面 12 突条 12a (突条の)先端部 13 傾斜面 AS 大気側 OS 密封側 θ (突条の)頂角 H (突条のシール面から頂点までの)高さ SSL シールスタティックライン SDL シールダイナミックライン
Claims (1)
- 【請求項1】 シールリップのシール面に、リップ先端
に接続している複数の断面略三角形形状の突条を軸方向
に略平行に延在するように設けたことを特徴とする両回
転用オイルシール。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1995004279U JP3017737U (ja) | 1995-05-09 | 1995-05-09 | 両回転用オイルシール |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1995004279U JP3017737U (ja) | 1995-05-09 | 1995-05-09 | 両回転用オイルシール |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP3017737U true JP3017737U (ja) | 1995-11-07 |
Family
ID=43153211
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1995004279U Expired - Lifetime JP3017737U (ja) | 1995-05-09 | 1995-05-09 | 両回転用オイルシール |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3017737U (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009216198A (ja) * | 2008-03-11 | 2009-09-24 | Nok Corp | 密封装置 |
Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS56150664A (en) * | 1980-04-22 | 1981-11-21 | Akira Washida | Oil seal |
JPS579361A (en) * | 1980-06-19 | 1982-01-18 | Akira Washida | Oil seal |
-
1995
- 1995-05-09 JP JP1995004279U patent/JP3017737U/ja not_active Expired - Lifetime
Patent Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS56150664A (en) * | 1980-04-22 | 1981-11-21 | Akira Washida | Oil seal |
JPS579361A (en) * | 1980-06-19 | 1982-01-18 | Akira Washida | Oil seal |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2009216198A (ja) * | 2008-03-11 | 2009-09-24 | Nok Corp | 密封装置 |
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