JP3017629B2 - 四輪操舵車の後輪操舵装置 - Google Patents

四輪操舵車の後輪操舵装置

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JP3017629B2
JP3017629B2 JP29816693A JP29816693A JP3017629B2 JP 3017629 B2 JP3017629 B2 JP 3017629B2 JP 29816693 A JP29816693 A JP 29816693A JP 29816693 A JP29816693 A JP 29816693A JP 3017629 B2 JP3017629 B2 JP 3017629B2
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wheel steering
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康生 上原
克己 深谷
耕造 藤田
秀樹 葛谷
洋 中島
任康 宮田
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Toyota Motor Corp
Aisin Corp
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Aisin Seiki Co Ltd
Toyota Motor Corp
Aisin Corp
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、前輪の操舵に加えて、
車両の走行状態に応じて後輪を操舵する四輪操舵車の後
輪操舵装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の装置としては、例えば特
開平5−39055号公報に示されているように、車両
の走行状態に基づいて所定時間毎に目標後輪舵角を決定
するとともに、同決定される目標後輪舵角を前回決定し
た目標後輪舵角から所定の範囲内に制限し、同制限され
た目標後輪舵角と検出した後輪舵角とに応じて電動モー
タを制御して、同モータの回転により後輪を前記制限さ
れた目標後輪舵角に操舵している。これにより、この種
の装置によれば、1回の制御ルーチンにおける電動モー
タの作動量が規制され、同モータにチャタリング的挙動
が生じたり、同モータの作動が不安定にならないように
している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記従来の装
置にあっては、前回の目標後輪舵角が現在の実後輪舵角
からずれていると、新たに決定される目標後輪舵角を前
回決定した目標後輪舵角から所定の範囲内に制限して
も、前記所定の範囲は電動モータのチャタリング的挙動
を避けるために設定されたものであるとともに同モータ
の加速性能には限界があるので、目標後輪舵角と実後輪
舵角との誤差が累積し、後輪を目標後輪舵角に精度よく
操舵制御できない場合がある。また、このような場合に
は、通常、目標後輪舵角は実後輪舵角から離れていくの
で、電動モータには加速性能以上の駆動電流が流され、
同モータの耐久性が悪化する。本発明は上記問題に対処
するためになされたもので、その目的は、後輪を精度よ
く操舵制御するとともに、電動モータの耐久性を良好に
するようにした四輪操舵車の後輪操舵装置を提供するこ
とにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、前記請求項1に係る発明の構成上の特徴は、車両の
走行状態に応じて新たに決定される目標後輪舵角を、後
輪舵角検出手段により検出された現在の後輪舵角から所
定の範囲内に制限する制限手段を設けたことにある。
【0005】また、前記請求項2に係る発明の構成上の
特徴は、車両の走行状態に応じて新たに決定される目標
後輪舵角を、後輪舵角検出手段により検出された現在の
後輪舵角から電動モータの加速性能によって設定される
所定の範囲内に制限する制限手段を設けたことにある。
【0006】さらに、前記請求項3に係る発明の構成上
の特徴は、車両の走行状態に応じて新たに決定される目
標後輪舵角を、同決定された前回の目標後輪舵角から電
動モータの加速性能によって設定される所定の範囲内に
制限する制限手段を設けたことにある。
【0007】
【発明の作用・効果】前記のように構成した請求項1に
係る本発明においては、制限手段は目標後輪舵角を現在
の実後輪舵角から所定の範囲内に制限するので、目標後
輪舵角と実後輪舵角との誤差が累積することはなく、後
輪を目標後輪舵角に精度よく操舵制御できる。また、前
記所定の範囲を電動モータの性能を考慮して決定してお
けば、同モータに不必要な駆動電流が流れることもな
く、電動モータの耐久性が良好になる。
【0008】また、前記のように構成した請求項2に係
る発明においても、制限手段は目標後輪舵角を現在の実
後輪舵角から所定の範囲内に制限し、さらに同発明では
前記所定の範囲は電動モータの加速性能によって設定さ
れる。したがって、この請求項2に係る発明によれば、
目標後輪舵角と実後輪舵角との誤差が累積することがな
くなるとともに、同モータに不必要な駆動電流が流れる
こともなくなり、後輪を目標後輪舵角に精度よく操舵制
御できると同時に、電動モータの耐久性が良好になる。
【0009】さらに、前記のように構成した請求項3に
係る発明においては、制限手段は新たに決定される目標
後輪舵角を前回の目標後輪舵角から所定の範囲内に制限
するが、この所定の範囲内は電動モータの加速性能によ
って設定されるので、順次決定される目標後輪舵角が電
動モータの加速性能を無視して設定されない。したがっ
て、この請求項3に係る発明によっても、目標後輪舵角
と実後輪舵角との誤差が累積することがなくなるととも
に、同モータに不必要な駆動電流が流れることもなくな
り、後輪を目標後輪舵角に精度よく操舵制御できると同
時に、電動モータの耐久性が良好になる。
【0010】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面を用いて説明す
ると、図1は左右前輪FW1,FW2を操舵する前輪操
舵機構10と、左右後輪RW1,RW2を操舵する後輪
操舵機構20と、後輪操舵機構20を電気的に制御する
電気制御装置30とを備えた車両の全体を概略的に示し
ている。
【0011】前輪操舵機構10は回動操作により左右前
輪FW1,FW2を操舵する操舵ハンドル11を備え、
同ハンドル11は操舵軸12の上端に固定されている。
操舵軸12の下端部はステアリングギヤボックス13内
にてラックバー14に噛合している。ラックバー14は
ステアリングギヤボックス13内に軸方向に変位可能に
支持されるとともに、両端にてタイロッド15a,15
b及びナックルアーム16a,16bを介して左右前輪
FW1,FW2を操舵可能に連結している。
【0012】後輪操舵機構20は後輪を操舵するための
アクチュエータとしてのブラシレスモータなどの電動モ
ータ21を備えている。この電動モータ21は2つの並
列接続した界磁巻線を備え、少なくとも一方の巻線に通
電すれば同モータ21は回転駆動される。電動モータ2
1の回転軸はステアリングギヤボックス22内にて減速
機構を介して軸方向に変位可能に支持されたリレーロッ
ド23に接続されており、同ロッド23は同モータ21
の回転に応じて軸方向に変位する。この場合の減速機構
は逆効率が小さくなるように、好ましくは零に設定され
ていて、リレーロッド23側からの外部入力により電動
モータ21が不必要に回転駆動されることがないように
なっている。リレーロッド23の両端にはタイロッド2
4a,24b及びナックルアーム25a,25bを介し
て左右後輪RW1,RW2が接続されていて、左右後輪
RW1,RW2はリレーロッド23の軸方向の変位に応
じて操舵される。
【0013】電気制御装置30は車速センサ31、ヨー
レートセンサ32、前輪舵角センサ33及び後輪舵角セ
ンサ34を備えている。車速センサ31は変速機(図示
しない)の出力軸の回転を測定することにより車速Vを
検出して同車速Vを表す検出信号を出力する。ヨーレー
トセンサ32は車体の重心垂直軸回りのヨーレートγを
検出して同ヨーレートγを表す検出信号を出力する。前
輪舵角センサ33は操舵軸12の回転角を測定すること
より左右前輪FW1,FW2の舵角θf を検出して同舵
角θf を表す検出信号を出力する。後輪舵角センサ34
は電動モータ21の回転軸の回転角を測定することによ
り左右後輪RW1,RW2の舵角θr を検出して同舵角
θr を表す検出信号を出力する。なお、これらのヨーレ
ートγ、前輪舵角θf 及び後輪舵角θr は左回転方向を
正とするとともに右回転方向を負とする。
【0014】これらのセンサ31〜34はマイクロコン
ピュータ35に接続されている。マイクロコンピュータ
35はCPU、ROM、RAM、I/O、タイマなどか
らなり、同ROM内に記憶した図2,3のフローチャー
トに示すプログラムをタイマの作用の基に所定時間毎に
実行する。マイクロコンピュータ35には駆動回路36
a,36b及び警告ランプ37が接続されている。駆動
回路36a,36bはマイクロコンピュータ35により
制御されてバッテリ38からの駆動電流を電動モータ2
1の各界磁巻線にそれぞれ流して同モータ21の回転を
制御する。なお、このバッテリ38からの電圧は各セン
サ31〜34、マイクロコンピュータ35及び警告ラン
プ37にも供給されている。警告ランプ37は運転席近
傍に設けられ、この点灯により左右後輪RW1,RW2
の操舵異常を運転者に警告する。
【0015】次に、上記のように構成した実施例の動作
を図2に示すフローチャートに沿って説明する。イグニ
ッションスイッチ(図示しない)が投入されると、マイ
クロコンピュータ35は図2のステップ100にてプロ
グラムの実行を開始し、ステップ102にて各センサ3
1〜34から車速V、ヨーレートγ、前輪舵角θf 及び
後輪舵角θr を表す各検出信号をそれぞれ入力する。次
に、ステップ104にてROM内に設けたテーブルから
車速Vに応じて変化するヨーレート比例係数K1(図4
(A)参照)及び舵角比例係数K2(図4(B)参照)を読
み出すとともに、これらの係数K1,K2、ヨーレートγ
及び前輪舵角θfを用いた下記数1の演算の実行により
左右後輪RW1,RW2の目標舵角θr*を計算する。
【0016】
【数1】θr*=K1・γ+K2・θf この目標後輪舵角θr*の計算後、マイクロコンピュータ
35はステップ106にて目標舵角制限ルーチンを実行
する。この目標舵角制限ルーチンの詳細は図3のフロー
チャートに示されており、マイクロコンピュータ35は
同ルーチンの実行をステップ200にて開始し、ステッ
プ202〜208の処理により、前記決定した目標後輪
舵角θr*を左右後輪RW1,RW2の左右への最大舵角
を表す予め決められた上限値θrmax及び下限値−θrmax
の範囲内に制限する。すなわち、目標後輪舵角θr*が上
限値θrmaxを正方向に越えていれば目標後輪舵角θr*を
上限値θrmaxに変更し、目標後輪舵角θr*が下限値−θ
rmaxを負方向に越えていれば目標後輪舵角θr*を下限値
−θrmaxに変更し、目標後輪舵角θr*が上限値θrmaxと
下限値−θrmaxの間にあれば目標後輪舵角θr*をそのま
まに保つ。
【0017】次に、ステップ210〜216の処理によ
り、電動モータ21の速度性能を考慮して目標後輪舵角
θr*を上限値θr+Mvmax・Δt及び下限値θr−Mvmax・
Δtの範囲内に制限する。ここで、θr は左右後輪RW
1,RW2の現在の実舵角であり、Mvmaxは電動モータ
21の速度性能の限界を表す最大速度であり、Δtは図
2のプログラム(図3の目標舵角制限プログラムを含
む)の実行時間間隔を表すので、上限値θr+Mvmax・Δ
t及び下限値θr−Mvmax・Δtは、電動モータ21の速
度性能に照らして次のプログラムの実行までに左右後輪
RW1,RW2を操舵可能な正負両側の限界舵角を示し
ている。これらのステップ210〜216の処理におい
ては、前回のステップ104,202〜208の処理に
より決定されかつ制限された目標後輪舵角θr*と今回の
ステップ104,202〜208の処理により決定され
かつ制限された目標後輪舵角θr*との差を前記時間間隔
Δtで除算して目標後輪舵角θr*の変化速度dθr*/dtを
計算し、同変化速度dθr*/dtと電動モータ21の正負両
側の各最大速度Mvmax,−Mvmaxをそれぞれ比較する。
そして、変化速度dθr*/dtがそれぞれ各最大速度Mvma
x,−Mvmaxを正負方向に越えていれば目標後輪舵角θr
*を下記数2,3の実行によって変更し、変化速度dθr*
/dtが各最大速度Mvmax,−Mvmaxの間にあれば目標後
輪舵角θr*をそのままに保つ。
【0018】
【数2】θr*=MIN[θr*,θr+Mvmax・Δt]
【0019】
【数3】θr*=MAX[θr*,θr−Mvmax・Δt] 前記数2中の演算子MIN[]は括弧内の値の小さな方
を選択し、前記数3中の演算子MAX[]は括弧内の値
の大きな方を選択することを意味する。なお、このよう
な演算子を用いる理由は、ステップ202〜208の処
理によって既に目標後輪舵角θr*が上限値θr+Mvmax・
Δt及び下限値θr−Mvmax・Δtの範囲内に制限されて
いる可能性があるからである。
【0020】次に、ステップ218〜224の処理によ
り、電動モータ21の加速性能を考慮して目標後輪舵角
θr*を上限値θr+dθr/dt・Δt+1/2・Mamax・Δt2
び下限値θr+dθr/dt・Δt−1/2・Mamax・Δt2の範囲
内に制限する。ここで、θr,Δtは前述のとおりであ
り、dθr/dt は左右後輪RW1,RW2の現在の実舵角
θr の変化速度であり、Mamaxは電動モータ21の加速
性能の限界を表す最大加速度であるので、上限値θr+d
θr/dt・Δt+1/2・Mamax・Δt2及び下限値θr+dθr/d
t・Δt−1/2・Mamax・Δt2は、電動モータ21の加速性
能に照らして次のプログラムの実行までに左右後輪RW
1,RW2を操舵可能な正負両側の限界舵角を示してい
る。これらのステップ218〜224の処理において
は、前回のステップ210の処理により計算された目標
後輪舵角速度dθr*/dtと今回のステップ210の処理に
より計算された目標後輪舵角速度dθr*/dtとの差を前記
時間間隔Δtで除算して目標後輪舵角θr*の加速度d2θ
r*/dt2を計算し、同加速度d2θr*/dt2と電動モータ21
の正負両側の各最大加速度Mamax,−Mamaxをそれぞれ
比較する。そして、加速度d2θr*/dt2がそれぞれ各最大
加速度Mamax,−Mamaxを正負方向に越えていれば目標
後輪舵角θr*を下記数4,5の実行によって変更し、加
速度d2θr*/dt2が各最大加速度Mamax,−Mamaxの間に
あれば目標後輪舵角θr*をそのままに保つ。
【0021】
【数4】 θr*=MIN[θr*,θr+dθr/dt・Δt+1/2・Mamax・Δt2
【0022】
【数5】 θr*=MAX[θr*,θr+dθr/dt・Δt−1/2・Mamax・Δt2] 前記数4,5中の演算子MIN[]及び演算子MA
X[]は前述のとおりであり、この場合も、ステップ2
02〜208又はステップ210〜216の処理によっ
て既に目標後輪舵角θr*が上限値θr+dθr/dt・Δt+1
/2・Mamax・Δt2 及び下限値θr+dθr/dt・Δt−1/2・
Mamax・Δt2 の範囲内に制限されている可能性を考慮
している。
【0023】前記ステップ106(図2)の目標舵角制
限ルーチンの実行を終了すると、ステップ108にて前
記決定かつ制限された目標後輪舵角θr*と前記入力した
後輪舵角θr の偏差θr*−θrを計算して同偏差θr*−
θrを表す制御信号を駆動回路36a,36bに出力す
る。駆動回路36a,36bは、バッテリ38から供給
され前記制御信号に応じた駆動電流を電動モータ21の
各界磁巻線にそれぞれ流す。これにより、電動モータ2
1は目標後輪舵角θr*に対応した回転角に回転し、同回
転をリレーロッド23に伝達して同ロッド23を前記回
転に応じて軸方向に変位させる。このリレーロッド23
の軸方向の変位はタイロッド24a,24b及びナック
ルアーム25a,25bを介して左右後輪RW1,RW
2に伝達されて、同後輪RW1,RW2は目標後輪舵角
θr*に操舵される。
【0024】前記ステップ108の処理後、ステップ1
10にて電動モータ21の応答性を表す伝達関数G(s)
を用いた下記数6の演算の実行により電動モータ21に
よる目標後輪舵角θr*のシミュレート値θr#を計算す
る。
【0025】
【数6】
【0026】前記数6は電動モータ21の2次遅れ及び
むだ時間を考慮して定められたものであって、a,bは
予め決められた係数であり、τは予め決められた時定数
であり、sはラプラス演算子である。したがって、シミ
ュレート値θr# は電動モータ21の遅れを考慮した左
右後輪RW1,RW2の制御舵角を表すことになる。
【0027】前記ステップ110の処理後、電動モータ
21などの操舵系の異常判定のために、ステップ112
にて前記計算したシミュレート値θr# と検出した左右
後輪RW1,RW2の実舵角θr との差の絶対値|θr
#−θr|が小さな所定値A未満であるか否かを判定す
るとともに、ステップ114にてシミュレート値θr#
の微分値dθr#/dtと左右後輪RW1,RW2の実舵角
θrの微分値(変化速度)dθr/dt との差の絶対値|dθ
r#/dt−dθr/dt|が小さな所定値B未満であるか否か
を判定する。これらの判定において、絶対値|θr#−
θr|が所定値A未満かつ絶対値|dθr#/dt−dθr/dt
|が所定値B未満であれば、両ステップ112,114
にて「NO」と判定してステップ116にてプログラム
の実行を一旦終了する。そして、所定時間の経過後に、
プログラムの実行をステップ100からふたたび開始し
て左右後輪RW1,RW2を目標後輪舵角θr*に操舵制
御する。
【0028】一方、電動モータ21などの操舵系の異常
により、前記絶対値|θr#−θr|が所定値A以上又は
前記絶対値|dθr#/dt−dθr/dt|が所定値B以上にな
ると、ステップ112,114の判定処理によってプロ
グラムをステップ118,120に進める。ステップ1
18においては警告ランプ37に点灯制御信号を出力す
る。警告ランプ37は前記点灯制御信号に応答して点灯
するので、運転者は左右後輪RW1,RW2の操舵に異
常が発生したことを視覚的に認識できる。ステップ12
0においては、左右後輪RW1,RW2が中立位置に復
帰するまで又は所定の最大時間が経過するまで、駆動回
路36a,36bに同後輪RW1,RW2を中立位置に
復帰させるための制御信号を出力する。電動モータ21
は2つの界磁巻線を備えているので、両巻線に断線、シ
ョートなどの異常が同時に発生しない限り左右後輪RW
1,RW2は中立位置へ復帰操舵される。また、この場
合、後輪舵角θr の検出は必要であるが、後輪舵角セン
サ34が故障する可能性は低いと同時に必要に応じて同
センサ34を複数設けることも可能であるので、多くの
場合においては左右後輪RW1,RW2は中立位置に復
帰する。そして、このような左右後輪RW1,RW2の
中立復帰制御によっても同後輪RW1,RW2が中立位
置に復帰しない場合には、最大時間の経過後に電動モー
タ21の駆動制御を停止する。前記ステップ120の処
理後、ステップ122の処理により以降のプログラムの
実行を停止し、以降、左右後輪RW1,RW2の操舵制
御は中止される。
【0029】上記作動説明のように、上記実施例によれ
ば、ステップ104の処理により車両の走行状態に応じ
て左右後輪RW1,RW2の目標後輪舵角θr*を計算し
た後、ステップ106の目標舵角制限ルーチンの処理に
より前記計算した目標後輪舵角θr*は所定の範囲内に制
限される。具体的には、図3の目標舵角制限ルーチンの
ステップ202〜208の処理によって目標後輪舵角θ
r*は左右後輪RW1,RW2の最大舵角θrmaxに対応し
た変化範囲に制限され、ステップ210〜216の処理
によって目標後輪舵角θr*は電動モータ21の速度性能
の限界に基づく上限値θr+Mvmax・Δt及び下限値θr
−Mvmax・Δtの範囲内に制限され、ステップ218〜
224の処理によって目標後輪舵角θr*は電動モータ2
1の加速性能の限界に基づく上限値θr+dθr/dt・Δt
+1/2・Mamax・Δt2及び下限値θrd+dθr/dt・Δt−1/
2・Mamax・Δt2 の範囲内に制限される。そして、これ
らの各上限値及び下限値は、それぞれ現在の左右後輪R
W1,RW2の実舵角θr から電動モータ21の性能に
応じた所定の値に設定されるので、目標後輪舵角θr*と
実後輪舵角θr との誤差が累積することはなく、左右後
輪RW1,RW2は目標後輪舵角θr*に精度よく操舵制
御される。また、前記目標後輪舵角θr*の制限は電動モ
ータ21の性能を考慮して決定されているので、同モー
タ21に不必要な駆動電流が流れることもなく、電動モ
ータ21の耐久性も良好になる。
【0030】また、上記実施例によれば、ステップ11
0の処理により電動モータ21の遅れを考慮した目標後
輪舵角θr*のシミュレート値θr# を計算し、ステップ
112,114の処理によりシミュレート値θr#と実
後輪舵角θrとの差の絶対値|θr#−θr|及び同シミ
ュレート値θr#の微分値dθr#/dtと実後輪舵角θr の
微分値(変化速度)dθr/dt との差の絶対値|dθr#/d
t−dθr/dt|に基づいて電動モータ21などの操舵系の
異常を判定するようにしたので、異常判定の精度を良好
にすることもできる。
【0031】次に、上記実施例における目標後輪舵角θ
r*の制限を行う目標舵角制限ルーチン(図3)の第1及
び第2変形例について説明する。なお、他の部分につい
ては上記実施例と同じである。 a.第1変形例 この第1変形例に係る目標舵角制限ルーチンは図5のフ
ローチャートに詳細に示されており、マイクロコンピュ
ータ35はステップ300にて同ルーチンの実行を開始
し、ステップ302にて左右後輪RW1,RW2の実舵
角θr を微分することにより電動モータ21の回転速度
Mv(=dθr/dt)を計算する。次に、ステップ304に
てこの回転速度Mvの絶対値|Mv|に基づいてマイクロ
コンピュータ35内に設けたテーブル(図6)を参照し
て、前記絶対値|Mv| に対応した電動モータ21の最
大加速度Ma を決定する。このテーブルは、電動モータ
21の回転速度−加速度(トルク)特性に基づく実測結
果により予め決定されているもので、回転速度Mv にそ
れぞれ対応した電動モータ21の限界を示す最大加速度
Maを表している。
【0032】この最大加速度Ma の決定後、ステップ3
06,308にて下記数7,8の演算の実行により目標
後輪舵角θr*の上限値θrmax及び下限値θrminを計算す
る。
【0033】
【数7】θrmax=θr+Mv・Δt+1/2・Ma・Δt2
【0034】
【数8】θrmin=θr+Mv・Δt−1/2・Ma・Δt2 前記数7,8中のΔtも上記実施例と同様にプログラム
が実行される時間間隔であるので、上限値rmax及び下限
値θrminは、電動モータ21の加速性能に照らして次の
プログラムの実行までに左右後輪RW1,RW2を操舵
可能な正負両側の限界舵角を示している。
【0035】前記ステップ306,308の処理後、ス
テップ310,312にて車両の走行状態に応じて図2
のステップ104の処理により決定した目標後輪舵角θ
r*が上限値rmaxと下限値θrminの間にあるか否かを判定
する。目標後輪舵角θr*が上限値rmaxと下限値θrminの
間にあれば、ステップ310,312にて共に「YE
S」と判定し、目標後輪舵角θr*を前記決定した値に保
ったまま、ステップ318にて目標舵角制限ルーチンの
実行を終了する。目標後輪舵角θr*が上限値rmaxを
正方向に越えていれば、ステップ310にて「NO」と
判定してステップ314の処理により目標後輪舵角θr
*を上限値θrmaxに変更する。目標後輪舵角θr*が下限
値θrminを負方向に越えていれば、ステップ312にて
「NO」と判定してステップ314の処理により目標後
輪舵角θr*を下限値θrminに変更する。
【0036】そして、上記実施例と同様に、この制限さ
れた目標後輪舵角θr*に基づいて左右後輪RW1,RW
2が操舵制御されるので、同後輪RW1,RW2の操舵
制御の精度が良好になる。特に、この変形例において
は、ステップ304の処理により回転速度Mvを考慮し
て電動モータ21の最大加速度Maを決定するととも
に、ステップ306,308の処理によりこの最大加速
度Ma を用いて上限値rmax及び下限値θrminを決定する
ようにしたので、上記実施例に比べて上限値rmax及び下
限値θrminの精度がより高くなり、目標後輪舵角θr*は
電動モータ21の加速性能に基づいてより的確に制限さ
れるようになる。
【0037】b.第2変形例 この第2変形例に係る目標舵角制限ルーチンは図7のフ
ローチャートに詳細に示されており、マイクロコンピュ
ータ35はステップ400にて同ルーチンの実行を開始
し、ステップ402にて左右後輪RW1,RW2の実舵
角θr を微分することにより電動モータ21の回転速度
Mv(=dθr/dt)を計算し、ステップ404にて前記回
転速度Mvを微分することにより電動モータ21の回転
加速度Maを計算する。次に、ステップ406にてこの
回転速度Mv及び回転加速度Maに基づいてマイクロコン
ピュータ35内に設けた速度テーブル(図8)及び加速
度テーブル(図9)を参照して電動モータ21の作動状
態を決定する。速度テーブルは電動モータ21の下記
〜の作動状態S1〜S6にそれぞれ対応した時間に対する
速度変化の実測結果を示しており、加速度テーブルは同
モータ21の各作動状態S1〜S6にそれぞれ対応した時間
に対する加速度変化の実測結果を示している。
【0038】作動状態S1は、正方向へ最大速度で回転
していた電動モータ21が最大減速度で減速して、同モ
ータ21の回転が停止するまでの状態を示す。 作動状態S2は、回転を停止していた電動モータ21が
最大加速度で正方向へ回転し始めて、同モータ21の回
転が正方向の最大速度に達するまでの状態を示す。 作動状態S3は、回転を停止していた電動モータ21が
最大加速度で負方向へ回転し始めて、同モータ21の回
転が負方向の最大速度に達するまでの状態を示す。 作動状態S4は、負方向へ最大速度で回転していた電動
モータ21が最大減速度で減速して、同モータ21の回
転が停止するまでの状態を示す。 作動状態S5は、電動モータ21が正方向へ最大速度で
回転し続けている状態を示す。 作動状態S6は、電動モータ21が負方向へ最大速度で
回転し続けている状態を示す。 このように前記作動状態S1〜S6は電動モータ21が作動
する全ての場合を列挙しており、かつ回転速度Mv及び
回転加速度Maの正負及び零の組合せは各作動状態S1〜S
6毎に異なるので、前記ステップ406の処理により電
動モータ21の作動状態S1〜S6が決定される。例えば、
回転速度Mv及び回転加速度Maが共に正であれば電動モ
ータ21は作動状態S2に決定され、また回転速度Mvが
正で回転加速度Maが零であれば電動モータ21は作動
状態S5に決定される。
【0039】次に、ステップ408にて前記決定された
作動状態S1(又はS2〜S6)及び電動モータ21の回転速
度Mv に基づいて速度テーブル(図8)を参照して、回
転速度Mvに対応した時刻txを決定する。次に、ステッ
プ410にて前記と同じ決定された作動状態S1(又はS2
〜S6)及び前記決定された時刻tx に基づいてマイクロ
コンピュータ35内に設けられた舵角変化量テーブル
(図10)を参照して、時刻tx に対応した舵角変化量
Δθ(tx)及び時刻txからプログラムの実行時間間隔Δ
t後の舵角変化量Δθ(tx+Δt) を決定する。図10
の舵角変化量テーブルは、電動モータ21の各作動状態
S1〜S6に対応した左右後輪RW1,RW2の舵角の変化
量Δθを各作動状態の開始から終了までに渡って実測し
た値を表している。したがって、舵角変化量Δθ(tx)
は前記決定された作動状態S1(又はS2〜S6) の開始か
ら現在までに変化した舵角を表しており、舵角変化量Δ
θ(tx+Δt)は次に目標後輪舵角θr* が決定されるま
での舵角を表すことになる。前記ステップ410の処理
後、 ステップ412にて前記決定した舵角変化量Δθ
(tx),Δθ(tx+Δt)を用いた下記数9の演算の実行
により、左右後輪RW1,RW2の現在から次のプログ
ラムの実行までに変化し得る最大舵角変化量Δθxを計
算する。
【0040】
【数9】Δθx=Δθ(tx+Δt)−Δθ(tx) この最大舵角変化量Δθxの計算後、ステップ414に
て最大舵角変化量Δθxが「0」以上であるか否かを判
定する。最大舵角変化量Δθx が「0」以上であれば、
ステップ416にて目標後輪舵角θr*が現在の実舵角θ
r に最大舵角変化量Δθx を加えた上限値θr+Δθxを
正方向に越えたか否かを判定する。前記判定において、
目標後輪舵角θr*が前記上限値θr+Δθxを越えていな
ければ、ステップ416にて「YES」と判定して、同
目標後輪舵角θr*を以前の値に維持したまま、ステップ
422にて目標舵角制限ルーチンの実行を終了する。ま
た、目標後輪舵角θr*が前記上限値θr+Δθxを越えて
いれば、ステップ416にて「NO」と判定して、ステ
ップ420にて同目標後輪舵角θr* を上限値θr+Δθ
xに制限する。
【0041】一方、最大舵角変化量Δθx が「0」未満
であれば、ステップ418にて目標後輪舵角θr*が現在
の実後輪舵角θr に最大舵角変化量Δθxを加えた下限
値θr+Δθx を負方向に越えたか否かを判定する。前
記判定において、目標後輪舵角θr*が前記下限値θr+
Δθxを越えていなければ、ステップ418にて「YE
S」と判定して、同目標後輪舵角θr*を以前の値に維持
したまま、ステップ422にて目標舵角制限ルーチンの
実行を終了する。また、目標後輪舵角θr*が前記下限値
θr+Δθxを越えていれば、ステップ418にて「N
O」と判定して、ステップ420にて同目標後輪舵角θ
r*を下限値θr+Δθxに制限する。
【0042】そして、上記実施例と同様に、この制限さ
れた目標後輪舵角θr*に基づいて左右後輪RW1,RW
2が操舵制御されるので、同後輪RW1,RW2の操舵
制御の精度が良好になる。特に、この変形例において
は、ステップ406〜412の処理により、電動モータ
21の現在の作動状態と加速性能を考慮して、同モータ
21により操舵される最大の左右後輪RW1,RW2の
舵角量を決定するようにしたので、上記実施例及び第1
変形例に比べて目標後輪舵角θr*は電動モータ21の加
速性能に基づいてより的確に制限されるようになる。
【0043】さらに、上記実施例、第1及び第2変形例
においては、目標後輪舵角θr*を現在の実後輪舵角θr
から電動モータ21の速度性能及び加速性能にしたがっ
た所定の範囲内に制限するようにしたが、この目標後輪
舵角θr*を前回のプログラム実行時に決定した目標後輪
舵角θr*から電動モータ21の速度性能及び加速性能に
したがった所定の範囲内に制限するようにしてもよい。
【0044】この場合、上記実施例においては、図3の
ステップ214,216,222,224にて実行され
る数2〜5を下記数10〜13に変更すればよい。
【0045】
【数10】θr*=MIN[θr*,θr*+Mvmax・Δt]
【0046】
【数11】θr*=MAX[θr*,θr*−Mvmax・Δt]
【0047】
【数12】 θr*=MIN[θr*,θr*+dθr*/dt・Δt+1/2・Mamax・Δt2
【0048】
【数13】 θr*=MAX[θr*,θr*+dθr*/dt・Δt−1/2・Mamax・Δt2] また、第1変形例においては、ステップ306,308
にて実行される数7,8を下記数14,15に変更すれ
ばよい。
【0049】
【数14】θrmax=θr*+Mv・Δt+1/2・Ma・Δt2
【0050】
【数15】θrmin=θr*+Mv・Δt−1/2・Ma・Δt2 また、この第1変形例においては、図5のステップ30
2における回転速度Mvを計算するための後輪舵角θrを
用いた微分演算dθr/dtを目標後輪舵角θr*を用いた微
分演算dθr*/dtに変更してもよい。
【0051】さらに、第2変形例においては、図7のス
テップ416,418の判定処理における上限値及び下
限値θr+Δθxの演算を、目標後輪舵角θr*を用いて計
算した上限値及び下限値θr*+Δθx に変更すればよ
い。また、この第2変形例においても、図7のステップ
402,404における回転速度Mv及び回転加速度Ma
を計算するための後輪舵角θr及び後輪操舵速度dθr/dt
を用いた各微分演算dθr/dt,d2θr/dt2を、それぞれ目
標後輪舵角θr*及び目標後輪舵角速度dθr*/dtを用いた
微分演算dθr*/dt,d2θr*/dt2に変更してもよい。
【0052】このように、電動モータ21の速度性能及
び加速性能を考慮して、左右後輪RW1,RW2の実舵
角θr を用いる代わりに目標後輪舵角θr*を用いて目標
後輪舵角θr*の制限を行うようにしても、順次決定され
る目標後輪舵角θr*が電動モータ21の速度性能及び加
速性能に応じて設定される。したがって、この場合にも
目標後輪舵角θr*と実後輪舵角θr との誤差が累積する
ことがなくなり、目標後輪舵角θr*の制限は的確に行わ
れるので、上記実施例、第1及び第2変形例と同等な効
果を期待できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例に係る車両の全体概略図であ
る。
【図2】 図1のマイクロコンピュータにて実行される
プログラムに対応したフローチャートである。
【図3】 図2の目標舵角制限ルーチンの詳細を示すフ
ローチャートである。
【図4】 (A)は車速に対するヨーレート比例係数の変
化特性図、(B)は車速に対する舵角比例係数の変化特性
図である。
【図5】 第1変形例に係る目標舵角制限ルーチンの詳
細を示すフローチャートである。
【図6】 電動モータの回転速度に対する加速度の変化
特性を示すグラフである。
【図7】 第2変形例に係る目標舵角制限ルーチンの詳
細を示すフローチャートである。
【図8】 電動モータの各作動状態における回転速度の
時間変化特性を示すグラフである。
【図9】 電動モータの各作動状態における加速度の時
間変化特性を示すグラフである。
【図10】 電動モータの各作動状態における後輪の舵
角変化量の時間変化特性を示すグラフである。
【符号の説明】
FW1,FW2…前輪、RW1,RW2…後輪、10…
前輪操舵機構、20…後輪操舵機構、21…電動モー
タ、30…電気制御装置、31…車速センサ、32…ヨ
ーレートセンサ、33…前輪舵角センサ、34…後輪舵
角センサ、35…マイクロコンピュータ、36a,36
b…駆動回路、37…警告ランプ。
フロントページの続き (72)発明者 藤田 耕造 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自 動車株式会社内 (72)発明者 葛谷 秀樹 愛知県刈谷市朝日町2丁目1番地 アイ シン精機株式会社内 (72)発明者 中島 洋 愛知県刈谷市朝日町2丁目1番地 アイ シン精機株式会社内 (72)発明者 宮田 任康 愛知県刈谷市朝日町2丁目1番地 アイ シン精機株式会社内 (56)参考文献 特開 平4−293675(JP,A) 特開 平5−24551(JP,A) 特開 平4−325381(JP,A) 特開 平4−95576(JP,A) 特開 平6−107197(JP,A) 実開 平5−26731(JP,U) 実開 平5−26733(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B62D 6/00 - 6/04 B62D 7/14

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電動モータを有し同モータの回動に応じ
    て後輪を操舵する後輪操舵機構と、車両の走行状態を検
    出する走行状態検出手段と、後輪舵角を検出する後輪舵
    角検出手段と、前記検出された車両の走行状態に基づい
    て目標後輪舵角を所定時間毎に決定する目標後輪舵角決
    定手段と、前記決定した目標後輪舵角及び前記検出した
    後輪舵角に基づいて前記電動モータを制御して後輪を同
    目標後輪舵角に操舵する操舵制御手段とを備えた四輪操
    舵車の後輪操舵装置において、前記新たに決定される目
    標後輪舵角を前記検出された現在の後輪舵角から所定の
    範囲内に制限する制限手段を設けたことを特徴とする四
    輪操舵車の後輪操舵装置。
  2. 【請求項2】 電動モータを有し同モータの回動に応じ
    て後輪を操舵する後輪操舵機構と、車両の走行状態を検
    出する走行状態検出手段と、後輪舵角を検出する後輪舵
    角検出手段と、前記検出された車両の走行状態に基づい
    て目標後輪舵角を所定時間毎に決定する目標後輪舵角決
    定手段と、前記決定した目標後輪舵角及び前記検出した
    後輪舵角に基づいて前記電動モータを制御して後輪を同
    目標後輪舵角に操舵する操舵制御手段とを備えた四輪操
    舵車の後輪操舵装置において、前記新たに決定される目
    標後輪舵角を前記検出された現在の後輪舵角から前記電
    動モータの加速性能によって設定される所定の範囲内に
    制限する制限手段を設けたことを特徴とする四輪操舵車
    の後輪操舵装置。
  3. 【請求項3】 電動モータを有し同モータの回動に応じ
    て後輪を操舵する後輪操舵機構と、車両の走行状態を検
    出する走行状態検出手段と、後輪舵角を検出する後輪舵
    角検出手段と、前記検出された車両の走行状態に基づい
    て目標後輪舵角を所定時間毎に決定する目標後輪舵角決
    定手段と、前記決定した目標後輪舵角及び前記検出した
    後輪舵角に基づいて前記電動モータを制御して後輪を同
    目標後輪舵角に操舵する操舵制御手段とを備えた四輪操
    舵車の後輪操舵装置において、前記新たに決定される目
    標後輪舵角を同決定された前回の目標後輪舵角から前記
    電動モータの加速性能によって設定される所定の範囲内
    に制限する制限手段を設けたことを特徴とする四輪操舵
    車の後輪操舵装置。
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