JP3250493B2 - 車両の後輪操舵装置 - Google Patents

車両の後輪操舵装置

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JP3250493B2
JP3250493B2 JP22537397A JP22537397A JP3250493B2 JP 3250493 B2 JP3250493 B2 JP 3250493B2 JP 22537397 A JP22537397 A JP 22537397A JP 22537397 A JP22537397 A JP 22537397A JP 3250493 B2 JP3250493 B2 JP 3250493B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両のハンドル舵
角、ヨーレート、横加速度などの車両の各種状態量を検
出して、同検出した状態量に基づいて後輪を操舵制御す
る車両の後輪操舵装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、この種の装置においては、車
両の各種状態量を各種検出手段によりそれぞれ検出して
同検出結果に応じて後輪を操舵制御するが、各種検出手
段の中には状態量の検出動作を確保するために所定の設
定動作を必要とするものがあるために、イグニッション
スイッチの投入後、全ての各種検出手段の前記設定動作
の終了後に、同各種検出手段の検出結果を用いて後輪の
操舵制御を開始するようにしている(例えば特開平3−
153466号公報参照)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前記各種検出
手段の中には前記設定動作に比較的長い時間を必要とす
るものもあり、前記従来の装置にあっては、後輪の操舵
制御開始が車両の走行開始から遅れて後輪操舵による効
果を充分に享受できない場合があるという問題があっ
た。
【0004】
【発明の概要】本発明は上記問題に対処するためになさ
れたもので、その目的は、車両の走行開始から遅れるこ
となく後輪の操舵制御による効果を享受できるようにし
た車両の後輪操舵装置を提供することにある。
【0005】上記目的を達成するために、本発明は、後
輪を操舵する後輪操舵機構と、車両の操舵時における複
数の状態量のうち少なくともその一つを表す第1状態量
を検出する第1検出手段と前記複数の状態量のうちス
テアリング舵角関連量を表す第2状態量を検出し同第2
状態量の設定動作に所定の補正時間を必要とする第2検
出手段と、前記検出手段により検出された第1状態量と
第2状態量に基づいて前記後輪操舵機構の作動による後
輪の操舵を制御する操舵制御手段とを備えた車両の後輪
操舵装置において、前記操舵制御手段が、前記第1状態
量と第2状態量に基づいて後輪の操舵を制御する通常制
御手段と、前記第2状態量を用いることなく前記第1状
態量に基づいて後輪の操舵を制御する代替制御手段と、
前記第2検出手段による前記第2状態量の設定動作を終
了するまで前記代替制御手段による後輪の操舵制御を行
わせ、前記第2状態量の設定動作が終了した後に前記通
常制御手段による後輪の操舵制御に移行させる移行制御
手段とを備えていることを特徴とする車両の後輪操舵装
置を提供するものである。
【0006】上記のように構成した後輪操舵装置におい
ては、第2検出手段による第2状態量の設定動作が終了
する前であっても、後輪は第1検出手段によって検出さ
れた第1状態量を用いて操舵制御されるので、車両の走
行開始から遅れることなく後輪の操舵制御による効果を
享受できる。
【0007】また、本発明は、後輪を操舵する後輪操舵
機構と、車両の操舵時における複数の状態量のうち少な
くともその一つを表す第1状態量を検出する第1検出手
段と、前記複数の状態量のうちステアリング舵角関連量
を表す第2状態量を検出し同第2状態量の設定動作に所
定の補正時間を必要とする第2検出手段と、前記検出手
段により検出された第1状態量と第2状態量に基づいて
前記後輪操舵機構の作動による後輪の操舵を制御する操
舵制御手段とを備えた車両の後輪操舵装置において、前
記操舵制御手段が、前記第1状態量と第2状態量に基づ
いて後輪の操舵を制御する通常制御手段と、前記第2状
態量を用いることなく前記第1状態量に基づいて後輪の
操舵を制御する第1代替制御手段と、前記第1状態量を
用いることなく前記第2状態量に基づいて後輪の操舵を
制御する第2代替制御手段と、前記第1検出手段の異常
を検出する第1異常検出手段と、前記第2検出手段の異
常を検出する第2異常検出手段と、前記第2検出手段に
よる前記第2状態量の設定動作を終了するまで前記第1
代替制御手段による後輪の操舵制御を行わせ、前記第2
状態量の設定動作を終了した後に前記通常制御手段によ
る後輪の操舵制御に移行させる移行制御手段と、前記移
行制御手段による後輪の操舵制御の移行前に、前記第1
異常検出手段により第1検出手段の異常が検出されたと
きには少なくとも所定時間の間は前記第1代替制御手段
による後輪の操舵制御を一時的に中断させる中断制御手
段と、前記移行制御手段による後輪の操舵制御の移行後
に、前記第2異常検出手段により第2検出手段の異常が
検出されかつ前記第1異常検出手段により第1検出手段
の異常が検出されないときには前記通常制御手段による
後輪の操舵制御に代えて前記第1代替制御手段による後
輪の操舵制御に切り替え、前記第1異常検出手段により
第1検出手段の異常が検出されかつ前記第2異常検出手
段により第2検出手段の異常が検出されないときには前
記通常制御手段による後輪の操舵制御に代えて前記第2
代替制御手段による後輪の操舵制御に切り替え、前記第
1異常検出手段により第1検出手段の異常が検出されか
つ前記第2異常検出手段により第2検出手段の異常が検
出されたときには後輪の操舵制御を停止する切替制御手
段とを備えていることを特徴とする車両の後輪操舵装置
を提供するものである。
【0008】上記のように構成した後輪操舵装置におい
ては、前記後輪の操舵制御の移行前に第1検出手段に異
常が発生しても後輪の操舵制御が停止されるわけではな
く一時的に中断されるのみであるので、前記後輪の操舵
制御の移行後に第2検出手段が正常であることを条件に
第2代替制御が行われることになる。その結果、第1検
出手段の異常が少なくとも短時間で回復されるものであ
れば、後輪の操舵制御が停止されてしまうことなく、第
2代替制御が行われるとともに、その後には通常制御も
行われるので、前記第1の特徴による場合よりもさらに
後輪の操舵制御による効果を享受できる。
【0009】上記の後輪操舵装置においては、前記後輪
の操舵制御の移行前に第1検出手段の異常が前記所定時
間以上に渡って継続したときには後輪の操舵制御を停止
するとともに、前記後輪の操舵制御の移行後に第1又は
第2検出手段の異常が所定時間以上に渡って継続したと
きにも後輪の操舵制御を停止するようにすることが望ま
しい
【0010】これによれば、第1又は第2検出手段の異
常が恒久的なものである場合には同検出手段を用いた制
御を続行することは好ましくなく、この場合には後輪の
操舵制御が停止されるので、前記第2の特徴による効果
に加えて、車両の走行安全性が確保される。
【0011】更に、本発明は、前輪及び後輪のタイヤと
異なる径のタイヤをスペアタイヤとして搭載した車両に
適用され、後輪を操舵する後輪操舵機構と、左右輪の車
輪速差を検出する車輪速差検出手段と、車両の操舵時に
おける複数の状態量のうち少なくともその一つを表す第
1状態量を検出する第1検出手段と、前記複数の状態量
のうちの他の一つを表す第2状態量として操舵ハンドル
の舵角を検出し同第2状態量を前記車輪速度差検出手段
により検出された車輪速度差に応じて設定するにあたっ
て所定の補正時間を必要とする第2検出手段と、前記第
1検出手段と第2検出手段によって検出された第1状態量
と第2状態量に基づいて前記後輪操舵機構の作動による
後輪の操舵を制御する操舵制御手段とを備えた車両の後
輪操舵装置において、前記操舵制御手段が、前記第1状
態量と第2状態量に基づいて後輪の操舵を制御する通常
制御手段と、前記第2状態量を用いることなく前記第1
状態量に基づいて後輪の操舵を制御する代替制御手段
と、前記車輪速差の検出に用いた左右輪のタイヤの径が
同一であるかを判定するタイヤ判定手段と、前記第2検
出手段による前記第2状態量の設定動作が終了しかつ前
記タイヤ判定手段により左右輪のタイヤの径が同一であ
ると判定されるまで前記代替制御手段による後輪の操舵
制御を行わせ、前記第2検出手段による前記第2状態量
の設定動作が終了しかつ前記タイヤ判定手段により左右
輪のタイヤの径が同一であると判定された後に前記通常
制御手段による後輪の操舵制御に移行させる移行制御手
段とを備えていることを特徴とする車両の後輪操舵装置
を提供するものである。
【0012】上記のように構成した後輪操舵装置におい
ても、第2検出手段の検出動作が確保されるまで、後輪
は第1検出手段によって検出された第1状態量を用いて
操舵制御されるので、前記第1の特徴と同様に、車両の
走行開始から遅れることなく後輪の操舵制御による効果
を享受できる。また、スペアタイヤとして前輪及び後輪
と異なる径のタイヤが採用されている車両においては、
タイヤ交換により左右輪の車輪速差の検出に利用された
車輪に他のタイヤと径の異なるタイヤが組み付けられて
いる可能性があり、この場合には、左右輪の車輪速差を
用いて設定動作の行われた第2検出手段は第2状態量
(操舵ハンドルの舵角)を正確に検出していない。この
ような車両にあっては、代替制御から通常制御に移行さ
れる前に、第2検出手段により検出された第2状態量の
正確さがタイヤの径によって判定され、正確でない場合
には第2状態量を用いた通常制御に移行されないので、
車両の走行安全性が良好に保たれる。
【0013】また、本発明は、前輪及び後輪のタイヤと
同一径のタイヤをスペアタイヤとして搭載した車両に適
用され、後輪を操舵する後輪操舵機構と、左右輪の車輪
速差を検出する車輪速差検出手段と、車両の操舵時にお
ける複数の状態量のうち少なくともその一つを表す第1
状態量を検出する第1検出手段と、前記複数の状態量の
うちの他の一つを表す第2状態量として操舵ハンドルの
舵角を検出し同第2状態量を前記車輪速度差検出手段に
より検出された車輪速度差に応じて設定するにあたって
所定の補正時間を必要とする第2検出手段と、前記第1
検出手段と第2検出手段によって検出された第1状態量
と第2状態量に基づいて前記後輪操舵機構の作動による
後輪の操舵を制御する操舵制御手段とを備えた車両の後
輪操舵装置において、前記操舵制御手段が、前記第1状
態量と第2状態量に基づいて後輪の操舵を制御する通常
制御手段と、前記第2状態量を用いることなく前記第1
状態量に基づいて後輪の操舵を制御する代替制御手段
と、前記車輪速差の検出に用いた左右輪のタイヤの径が
異なるかを判定するタイヤ判定手段と、前記第2検出手
段による前記第2状態量の設定動作が終了するまで前記
代替制御手段による後輪の操舵制御を行わせ、前記第2
状態量の設定動作が終了した後に前記通常制御手段によ
る後輪の操舵制御に移行させる移行制御手段と、前記移
行制御手段による後輪の操舵制御の移行後に前記タイヤ
判定手段により前記車輪速差の検出に用いた左右輪のタ
イヤの径が異なることが判定されたとき前記通常制御を
代替制御に切り替える切替制御手段とを備えていること
を特徴とする車両の後輪操舵装置を提供するものであ
る。
【0014】上記のように構成した後輪操舵装置におい
ても、車両の走行開始から遅れることなく後輪の操舵制
御による効果を享受できる。また、スペアタイヤとして
前輪及び後輪と同一径のタイヤが採用されている場合に
は、タイヤ交換によっても左右輪の車輪速差の検出に利
用された車輪に他のタイヤと径の異なるタイヤが組み付
けられている可能性がほとんどなく、この場合には、左
右輪の車輪速差を用いて設定動作の行われた第2検出手
段は第2状態量(操舵ハンドルの舵角)を正確に検出し
ていると考えてもほとんど間違わない。この第5の特徴
によれば、このように車両にあっては、代替制御から通
常制御に移行された後に、第2検出手段により検出され
た第2状態量の正確さがタイヤの径によって判定され、
正確でない場合にのみ第2状態量を用いた通常制御に移
行されるので、車両の走行安全性を考慮した上で、通常
制御による後輪の操舵制御が不必要に遅れることを回避
でき、後輪の操舵制御による効果を充分に享受できる。
【0015】
【実施形態】
a.第1実施形態 まず、本発明の第1実施形態について説明すると、同第
1実施形態は、左右前輪FW1,FW2及び左右後輪R
W1,RW2の各タイヤと異なる径のタイヤ(テンパタ
イヤ)をスペアタイヤとして搭載した四輪操舵車に本発
明を適用したものである。図1は、この四輪操舵車の全
体を概略的に示すもので、同四輪操舵車は、左右前輪F
W1,FW2を操舵する前輪操舵機構10と、左右後輪
RW1,RW2を操舵する後輪操舵機構20と、後輪操
舵機構20を電気的に制御する電気制御装置30とを備
えている。
【0016】前輪操舵機構10は操舵ハンドル11を備
え、同ハンドル11の回動操作は操舵軸12を介してス
テアリングギヤボックス13に伝達される。ステアリン
グギヤボックス13は操舵軸12の回転運動をリレーロ
ッド14の軸線方向の運動に変換し、リレーロッド14
がその軸線方向の運動により左右前輪FW1,FW2を
操舵するようになっている。
【0017】後輪操舵機構20は後輪を操舵するために
電気アクチュエータとしてのブラシレスモータ21を備
えている。ブラシレスモータ21は減速機22を介して
運動方向変換機23に接続されている。運動方向変換機
23は、減速機22を介したブラシレスモータ21の回
転運動をリレーロッド24の軸線方向の運動に変換して
出力する。リレーロッド24は、車幅方向に延設されて
左右後輪RW1,RW2を操舵可能に連結するもので、
軸線方向の変位により左右後輪RW1,RW2を操舵す
る。
【0018】電気制御装置30は、車速センサ31、左
右車輪速センサ32a,32b、ヨーレートセンサ3
3、ステアリングセンサ34、第1後輪舵角センサ35
及び第2後輪舵角センサ36を備えている。
【0019】車速センサ31は、変速機(図示しない)
の出力軸の回転をピックアップすることにより、同回転
速度に反比例する周期を有するパルス列信号を出力す
る。車輪速センサ32a,32bは、左右の従動輪の各
回転(後輪駆動車にあっては左右前輪FW1,FW2の
各回転、前輪駆動車にあっては左右後輪RW1,RW2
の各回転)をそれぞれピックアップすることにより、各
回転速度に反比例する周期のパルス列信号をそれぞれ出
力する。ヨーレートセンサ33は、車体の重心近傍位置
に組み付けられた振動子を備えてなりコリオリ力を用い
て車体重心位置の垂直軸回りの角速度を検出する角速度
センサで構成されており、車体に作用するヨーレートの
向きを表すとともに同ヨーレートの大きさに比例した大
きさを表す信号を出力する。ステアリングセンサ34
は、操舵軸12に組み付けられた回転センサで構成され
ており、操舵軸12が所定角度だけ回転する毎にレベル
が変化するパルス列信号であって、位相が互いに4分の
1周期だけ異なるとともに操舵軸12の回動方向により
位相の進む側が互いに逆になる2相のパルス列信号を出
力する。第1後輪舵角センサ35はブラシレスモータ2
1に組み付けられた磁極位置センサにより構成され、同
モータ21の回転子の固定子に対する回転位置を表す信
号を出力する。第2後輪舵角センサ36は、リレーロッ
ド24に組み付けられたポテンショメータで構成され、
同ロッド24の軸線方向の変位量(左右後輪RW1,R
W2の操舵角)を直接表す信号を出力する。
【0020】これらのセンサ31〜36は、マイクロコ
ンピュータ37に接続されている。マイクロコンピュー
タ37は、図2,3に示すフローチャートに対応したメ
インプログラムを繰り返し実行するとともに、このメイ
ンプログラム実行中に、図4に示すフローチャートに対
応した割込みプログラムを所定の短時間毎に割り込み実
行する。マイクロコンピュータ37には駆動制御回路3
8が接続されており、同回路38はマイクロコンピュー
タ37により制御されてブラシレスモータ21を駆動し
て左右後輪RW1,RW2を操舵する。
【0021】次に、上記のように構成した第1実施形態
の動作を説明する。イグニッションスイッチ(図示しな
い)の投入により、マイクロコンピュータ37は図2,
3のメインプログラムのステップ100にてプログラム
の実行を開始して、ステップ102にて後輪操舵の制御
状態を表す状態フラグSTを”0”に設定することをは
じめとして、メイン及び割込みプログラムにて利用され
る各種変数を初期値に設定する。このステップ102の
処理後、マイクロコンピュータ37はステップ104以
降の処理を実行する。
【0022】このメインプログラムの実行中、マイクロ
コンピュータ37は所定の短時間毎に図4の割込みプロ
グラムを割込み実行する。この割込みプログラムの実行
はステップ200にて開始され、車速センサ31から入
力されたパルス列信号に基づいて同パルス列信号の周期
に反比例した値を車速Vとして計算する。この車速Vの
計算後、ステップ204にて状態フラグSTの値をチェ
ックする。いま、状態フラグSTは”0”に設定されて
いるので、ステップ204にて「YES」と判定して、
ステップ222にてこの割込みプログラムの実行を終了
するので、状態フラグSTが”0”に設定されているこ
の状態では、この割込みプログラムの実行により車速V
のみが計算され続ける。
【0023】一方、メインプログラムにおいては、ステ
ップ104にて車速Vが所定車速V1(例えば25km/
h)以上であるか否か判定する。前記計算した車速Vが
所定車速V1に達するまでは、ステップ104にて「N
O」と判定し続ける。そして、車速Vが所定車速V1以
上になった時点で、ステップ104にて「YES」と判
定してプログラムをステップ106に進める。
【0024】ステップ106においては、第2後輪舵角
センサ36からの検出信号を入力し、同検出信号が左右
後輪RW1,RW2の中立位置を表すように同後輪RW
1,RW2を操舵するための制御信号を駆動制御回路3
8に出力する。駆動制御回路38はブラシレスモータ2
1を駆動し、同駆動によるブラシレスモータ21の回転
は減速機22を介して運動方向変換機23に伝達され、
同変換機23はリレーロッド24を軸方向に駆動して左
右後輪RW1,RW2を中立位置まで操舵する。なお、
第2後輪舵角センサ36はポテンショメータで構成され
ていて、中立補正などの処理を必要とすることなく左右
後輪RW1,RW2の舵角を直接的に表すので、この左
右後輪RW1,RW2の中立位置設定はイグニッション
スイッチの投入直後においても可能である。前記ステッ
プ106の処理後、ステップ108にて車両の状態量に
応じた後輪の操舵制御に利用される後輪舵角θrを
「0」に設定し、ステップ110にて状態フラグST
を”1”に更新する。なお、前記後輪舵角θrは左右後
輪RW1,RW2の舵角を表す変数としてマイクロコン
ピュータ37に記憶される変数である。メインプログラ
ムにおいては、これらのステップ106〜110の処理
後、ステップ112〜118からなる処理を実行する。
【0025】前記ステップ112〜118からなる循環
処理中に割込みプログラムが実行されると、状態フラグ
STは”1”に設定されているので、ステップ202に
おける車速Vの計算後、ステップ204にて「NO」と
判定してプログラムをステップ206以降に進める。ス
テップ206においては、各種センサ31〜35からの
各検出信号をそれぞれ入力して、同各検出信号に基づい
て左右車輪速W1,W2、ステアリング舵角θs’、後
輪舵角θr及びヨーレートγを計算して更新する。
【0026】左右車輪速W1,W2の計算においては、
左右車輪速センサ32a,32bからそれぞれ入力され
た各パルス列信号に基づいて同各パルス列信号の周期に
反比例した値をそれぞれ左右車輪速W1,W2として計
算する。ステアリング舵角θs’の計算においては、ス
テアリングセンサ34から入力された2相パルス列信号
に基づいて、両パルス列信号のレベルが変化する毎に操
舵軸12の回動方向(2相のパルス列信号のレベルの変
化の仕方によって検出される)に応じて以前のステアリ
ング舵角θs’を所定角度ずつ増減する。したがって、
このステアリング舵角θs’は中立補正前にあっては初
期値からの相対的な角度を表すのみで、絶対的な舵角を
表していない。後輪舵角θrの計算においては、第1後
輪舵角センサ35から入力したブラシレスモータ21の
回転子の回転位置を表す信号に基づいて回転子の固定子
に対する回転方向及び所定角度の回転を検出して、同所
定角度の回転の検出毎に回転の回転方向に応じて以前の
後輪舵角θrを所定角度ずつ増減する。なお、この後輪
舵角θrは、前記ステップ108の処理により左右後輪
RW1,RW2を中立位置に初期設定した際に「0」に
初期設定されているので、前記増減による後輪舵角θr
は左右後輪RW1,RW2の絶対的な舵角を表すように
なる。ヨーレートγの計算においては、ヨーレートセン
サ33からのヨーレートの方向及び大きさを表す信号を
ヨーレートγとして設定するのみである。なお、このヨ
ーレートセンサ33からのヨーレートの大きさを表す信
号は、イグニッションスイッチを投入した直後から安定
するものであるので、ヨーレートγは実質的にイグニッ
ションスイッチの投入直後から検出されることになる。
【0027】前記ステップ206の処理後、ステップ2
08にて中立補正ルーチンを実行する。この中立補正ル
ーチンは図5に詳細に示されており、同ルーチンの実行
はステップ300にて開始され、ステップ302による
車速Vが所定車速V2,V3間(例えばV2=30km/
h,V3=120km/h)にあることを条件に、前記計算
したステアリング舵角θs’を中立補正する。まず、ス
テップ304〜308の処理により、前記計算した左右
車輪速W1,W2に基づいて下記数1に従ってステアリ
ング舵角を推定演算して同推定値をθswとし、前記計算
したステアリング舵角θs’と前記推定値θswとの偏差
Δθsw=θs’−θswを計算し、同偏差Δθswをこの中
立補正ルーチンの実行毎に累算して同累算値をΔθssと
する。
【0028】
【数1】
【0029】次に、ステップ310〜314の処理によ
り、所定時間T11が経過する毎に同所定時間T11に渡る
平均偏差を計算して中立補正値Δθs=Δθss/T11と
する。なお、前記ステップ310〜314の処理で利用
される変数CT1はメインプログラムの前記ステップ1
02の初期設定処理により「0」に設定されるとともに
時間経過を計測するための変数であり、所定値ΔT1は
割込みプログラムの実行時間間隔(中立補正ルーチンの
実行時間間隔)に等しい時間を表している。前記ステッ
プ314の処理後、ステップ316にて累算値θss及び
変数CT1を「0」にクリアし、ステップ318にて中
立補正値Δθsが算出されたことを表す中立補正フラグ
θCFを”1”に設定する。なお、この中立補正フラグ
θCFは、メインプログラムの前記ステップ102の処
理により”0”に初期設定されたものである。そして、
ステップ320にて、この中立補正値Δθsを用いて前
記計算したステアリング舵角θs’を中立補正して補正
ステアリング舵角θs=θs’−Δθsとして設定し、
ステップ324にてこの中立補正ルーチンの実行を終了
する。
【0030】したがって、これらの中立補正値Δθs及
び補正ステアリング舵角θsは車速Vが所定車速V2,
V3間に所定時間T11以上保たれて初めて計算される。
そして、その後には、中立補正値Δθsは車速Vが所定
車速V2,V3間に所定時間T11以上保たれる毎に更新
されるとともに、補正ステアリング舵角θsは前記更新
された中立補正値Δθsを用いてこの中立補正ルーチン
の実行毎に計算される。車速Vが所定車速V2,V3間
に所定時間T11以上保たれなければ、その時点でステッ
プ302における「NO」との判定のもとに、ステップ
322にて時間計測のための変数CT1及び累算値Δθ
ssを「0」にクリアする。
【0031】前記図4のステップ208の処理後、ステ
ップ210のヨーレート異常判定ルーチンを実行する。
このルーチンは図6に詳細に示すようにステップ400
にて開始される。前記開始後、ステップ402にて前記
計算した左右車輪速W1,W2に基づいて下記数2に従
った推定ヨーレートγeを計算する。
【0032】
【数2】
【0033】次に、ステップ404にて前記計算したヨ
ーレートγ及び推定ヨーレートγeを所定時間に渡って
累算し、所定時間に渡る累算が終了すると、ステップ4
06における「YES」との判定のもとにプログラムを
ステップ408以降に進める。所定時間に渡る累算が終
了するまでは、ステップ406における「NO」との判
定のもとに、ステップ428にてこのヨーレート異常ル
ーチンの実行を終了する。
【0034】ステップ408においては、前記ヨーレー
トγ及び推定ヨーレートγeの各累算値を前記所定時間
で除算して、同所定時間に渡るヨーレートγ及び推定ヨ
ーレートγeの各平均値γav,γeavをそれぞれ計算し、
前記計算した各平均値γav,γeavで各今回平均値γav
1,γeav1を更新するとともに同更新する前の各今回平
均値γav1,γeav1で各前回平均値γav2,γeav2を更新
しておく。そして、ステップ410,412にて、各今
回平均値γav1,γeav1と各前回平均値γav2,γeav2と
の差の絶対値|γav1−γav2|,|γeav1−γeav2|が
それぞれ所定値γ1,γe1以上であるか否かを判定す
る。ヨーレートγ側の前記絶対値|γav1−γav2|が所
定値γ1以上であれば、ヨーレートセンサ33の出力は
正常であるとの判断のもとに、ステップ410にて「Y
ES」と判定してプログラムをステップ414,416
に進める。この正常判定は、前記所定時間をある程度長
い時間に設定すれば、その間に車体に作用するヨーレー
トは必ず多少は変化するはずであるという理屈に基づく
ものである。ステップ414においては時間計測値CT
2を「0」に設定し、ステップ416においてはヨーレ
ート異常フラグγFを”0”に設定して、ステップ42
8にてこのヨーレート異常判定ルーチンの実行を終了す
る。なお、前記時間計測値CT2及びヨーレート異常フ
ラグγFはメインプログラムの前記ステップ102の初
期設定処理によっても「0」及び”0”に設定されてい
るものである。
【0035】一方、ヨーレートγ側の前記絶対値|γav
1−γav2|が所定値γ1未満であり、かつ推定ヨーレー
トγe側の前記絶対値|γeav1−γeav2|が所定値γe1
以上であれば、ヨーレートセンサ33の出力は異常であ
るとの判断のもとに、ステップ410にて「NO」と判
定するとともにステップ412にて「YES」と判定し
てプログラムをステップ418〜424に進める。これ
らのステップ418〜424の処理により、所定の短時
間T21以上に渡ってヨーレートセンサ33の出力が異常
であると判定され続けると、ヨーレート異常フラグγF
は”1”に変更される。前記短時間T21より長い所定の
長時間T22以上に渡ってヨーレートセンサ33の出力が
異常であると判定され続けると、ヨーレート異常フラグ
γFは”2”に変更される。また、ヨーレートγ側の前
記絶対値|γav1−γav2|が所定値γ1未満であり、か
つ推定ヨーレートγe側の前記絶対値|γeav1−γeav2
|も所定値γe1未満であれば、ヨーレートセンサ33の
出力は異常であるか正常であるかを保留するとの判断の
もとに、ステップ410,412にて共に「NO」と判
定して、時間計測値CT2及びヨーレート異常フラグγ
Fを変更することなく、ステップ428にてこのヨーレ
ート異常判定ルーチンの実行を終了する。
【0036】このヨーレート異常判定ルーチンの処理に
より、ヨーレートセンサ33の出力が正常である間及び
異常になっても同異常の継続時間が所定の短時間T21内
の間、ヨーレート異常フラグγFは”0”に保たれる。
また、前記異常の継続時間が前記短時間T21以上かつ所
定の長時間T22(T22>T21)未満であればヨーレート
異常フラグγFは”1”に設定され、同異常の継続時間
が前記長時間T22以上になるとヨーレート異常フラグγ
Fは”2”に設定されることになる。そして、ヨーレー
ト異常フラグγFが”1”に設定されても、ヨーレート
センサ33の出力が正常に戻ればヨーレートフラグγF
は”0”に戻される。ただし、後述する処理により、ヨ
ーレートフラグγFが一旦”2”に設定された後には、
ヨーレートフラグγFが変更されることはない。
【0037】前記図4のステップ210のヨーレート異
常判定ルーチンの実行後、ステップ212において状態
フラグSTが”1”であるか否かを判定する。いま、状
態フラグSTは”1”に設定されているので、ステップ
212にて「YES」と判定して、ステップ222にて
この割込みプログラムの実行を終了する。
【0038】ふたたび図2,3のメインプログラムの説
明に戻ると、ステップ110の処理後、ステップ112
にてヨーレート異常フラグγFをチェックする。ヨーレ
ート異常フラグγFが”0”であれば、ステップ112
の判定処理によりステップ114の第1代替制御を実行
する。この第1代替制御は、補正ステアリング舵角θs
を用いることなくヨーレートγのみを用いて左右後輪R
W1,RW2を操舵制御するもので、マイクロコンピュ
ータ37に内蔵のテーブルに記憶された車速Vに応じて
変化する係数K1’(図9(B)参照)を読出すととも
に、同係数K1’を前記計算したヨーレートγに乗算す
ることにより目標後輪舵角θr*=K1’・γを計算し
て、左右後輪RW1,RW2を同目標後輪舵角θr*に
操舵するための制御信号を出力する。具体的には、前記
計算した目標後輪舵角θr*と第1後輪舵角センサ35
の出力に基づいて前記計算した後輪舵角θrとの差に応
じて駆動制御回路38を介してブラシレスモータ21の
回転を制御して、左右後輪RW1,RW2を同目標後輪
舵角θr*に操舵する。
【0039】前記ステップ114の処理後、ステップ1
18にて中立補正フラグθCFが”1”である否か、す
なわちステアリング舵角θs’の中立補正が完了したか
否かが判定される。前述のように、ステアリング舵角θ
s’の中立補正は車速Vが所定車速V2,V3間に所定
時間T21以上保たれて初めて行われるので、車両の走
行開始からしばらくの期間、中立補正フラグθCFは”
0”に保たれる。したがって、ステップ118における
「NO」との判定のもとに、プログラムはステップ11
2に戻されて、左右後輪RW1,RW2は第1代替制御
により操舵制御され続ける。
【0040】このようなステップ114による第1代替
制御中に、ヨーレートセンサ33の出力に異常が発生し
たとする。この場合、前記異常が所定の短時間T21未満
であれば、ヨーレート異常フラグγFは前記ヨーレート
異常判定ルーチンの実行により”0”に保たれ続けるの
で、左右後輪RW1,RW2は前記第1代替制御により
操舵制御される。しかし、前記異常が所定の短時間T21
以上かつ所定の長時間T22未満に渡って続くと、ヨーレ
ート異常フラグγFは前記ヨーレート異常判定ルーチン
の実行により”1”に設定されるので、ステップ112
の判定処理によりプログラムはステップ116に進めら
れる。ステップ116においては、目標後輪舵角θr*
が「0」に設定されて、左右後輪RW1,RW2は前述
したようにして中立位置に戻される。このステップ11
6の処理は左右後輪RW1,RW2の操舵制御の一時的
な中断を意味し、ヨーレートセンサ33の出力の正常復
帰によってヨーレート異常フラグγFが”0”に復帰す
れば、ステップ114の第1代替制御により左右後輪R
W1,RW2はふたたび操舵制御されるようになる。
【0041】さらに、前記異常が所定の長時間T22以上
に渡って続くと、ヨーレート異常フラグγFは前記ヨー
レート異常判定ルーチンの実行により”2”に設定され
るので、ステップ112の判定処理によりプログラムは
ステップ126に進められる。ステップ126において
は、車速Vが所定車速V4(例えば25km/h)以下にな
るまで待つ。そして、車速Vが所定車速V4(例えば2
5km/h)以下になると、ステップ126における「YE
S」との判定のもとに、ステップ128にて図示しない
異常ランプを点灯するとともに左右後輪RW1,RW2
の操舵制御を停止して、ステップ130にてプログラム
の実行も終了する。このように車速Vが小さくなった状
態で操舵制御を停止することにより、車両の安全性が確
保される。なお、この状態では、左右後輪RW1,RW
2の操舵がふたたび開始されることはない。
【0042】一方、前記ステップ114の第1代替制御
による左右後輪RW1,RW2の操舵制御中、又はステ
ップ116の左右後輪RW1,RW2の操舵の一時中断
中に、ステアリング舵角θs’の初回の中立補正が完了
して中立補正フラグθCFが前記中立補正ルーチンの実
行により”1”に設定されると、ステップ118にて
「YES」と判定してプログラムをステップ120以降
に進める。ステップ120においては状態フラグST
を”2”に設定し、プログラムをステップ122に進
め、同ステップ122にてタイヤフラグTFが”1”で
あるか否かを判定する。このタイヤフラグTFも前記ス
テップ102の初期設定により最初”0”に設定されて
いるので、状態フラグSTが”2”に設定された直後に
は、ステップ122における「NO」との判定のもと
に、ステップ112〜122からなる循環処理により、
左右後輪RW1,RW2は第1代替制御又は中立復帰制
御により操舵制御される。
【0043】前記のように状態フラグSTが”2”に設
定されると、図4の割込みプログラムにおいては、ステ
ップ202〜212の処理後、ステップ214にて「Y
ES」と判定してプログラムをステップ216に進め
る。ステップ216においては、タイヤフラグTFが”
0”であるか否かを判定する。タイヤフラグTFは前述
のように最初”0”に設定されているので、同ステップ
216における「YES」との判定のもとに、ステップ
218のタイヤ異径判定ルーチンを実行する。
【0044】このタイヤ異径判定ルーチンは、左右前輪
FW1,FW2のタイヤ径が異なれば、ヨーレートセン
サ33出力に基づいて計算したヨーレートγが車両の直
進時を表す小さな値であっても、左右車輪速W1,W2
に基づいて中点補正されたステアリング舵角θsが大き
な値となることを利用したものであり、その詳細が図7
に示されている。
【0045】このタイヤ異径判定ルーチンの実行はステ
ップ500にて開始され、ステップ502にて前記計算
したヨーレートγの絶対値|γ|が小さな所定値γo以
下であるか否かを判定する。ヨーレートγの絶対値|γ
|が所定値γo以下に保たれていれば、ステップ502
における「YES」との判定のもとに、ステップ502
〜508の処理により、所定時間T31に渡って前記計算
した補正ステアリング舵角θsが累算され続けて累算値
θstとして更新され続ける。前記累算中に、ヨーレート
γの絶対値|γ|が所定値γoより大きくなると、ステ
ップ502における「NO」との判定のもとにプログラ
ムをステップ518に進めて、同ステップ518にてこ
のタイヤ異径判定ルーチンの実行を一旦終了する。な
お、前記ステップ502〜508の処理で利用される変
数CT3はメインプログラムの前記ステップ102の初
期設定処理によって「0」に設定されるとともに時間経
過を計測するための変数であり、所定値ΔT3は割込み
プログラムの実行時間間隔(タイヤ異径判定ルーチンの
実行時間間隔)に等しい時間を表している。
【0046】そして、ヨーレートγの絶対値|γ|が所
定値γo以下である状態の合計時間が所定時間T31以上
になると、ステップ508にて「YES」と判定してプ
ログラムをステップ510,512に進める。ステップ
510においては、累算値θstを所定時間T31で除算す
ることにより、同所定時間T31に渡る補正ステアリング
舵角θsの平均値θsavを計算する。ステップ512に
おいては、前記計算した平均値θsavが小さな所定値θs
1以下であるか否かを判定する。前記計算した平均値θs
avが小さな所定値θs1以下であれば、ステップ512に
おける「YES」との判定のもとに、ステップ514に
てタイヤフラグTFが”1”に設定される。前記計算し
た平均値θsavが小さな所定値θs1より大きければ、ス
テップ512における「NO」との判定のもとに、ステ
ップ516にてタイヤフラグTFが”2”に設定され
る。
【0047】このようなタイヤ異径判定ルーチンの実行
により、左右前輪FW1,FW2のタイヤ異径判定が終
了するまでは、タイヤフラグTFは”0”に保たれる。
また、左右前輪FW1,FW2のタイヤ径が同じであれ
ばタイヤフラグTFは”1”に設定され、左右前輪FW
1,FW2のタイヤ径が異なればタイヤフラグTFは”
2”に設定される。なお、このタイヤ異径判定は、前記
図4のステップ216の処理により、左右前輪FW1,
FW2のタイヤの径が同じであること又は異なることが
一度判定されれば、ふたたび行われることはない。
【0048】ふたたび、図2,3のメインプログラムの
説明に戻ると、タイヤフラグTFが”0”に維持されて
いる間又は同フラグTFが”2”に変更された場合、ス
テップ122にて「NO」と判定するので、ステップ1
12〜122からなる循環処理により、左右後輪RW
1,RW2は第1代替制御又は中立復帰制御により操舵
制御され続ける。一方、前記タイヤ異径判定ルーチンに
て左右前輪FW1,FW2のタイヤの径が同じであるこ
とが確認されて、タイヤフラグTFが”1”に設定され
ると、ステップ122にて「YES」と判定してプログ
ラムをステップ124以降に進める。ステップ124に
おいては状態フラグSTを”3”に設定して、図3のス
テップ132〜138からなる循環処理により左右後輪
RW1,RW2を操舵制御する。
【0049】このように状態フラグSTが”3”に設定
されると、図4の割込みプログラムにおいては、ステッ
プ202〜212の処理後、ステップ214にて「N
O」と判定されて、ステップ220のステアリング舵角
異常判定ルーチンが実行されるようになる。このステア
リング舵角異常判定ルーチンは、図8に詳細に示されて
いるようにステップ600〜628からなり、図6のヨ
ーレート異常判定ルーチンのヨーレートγを補正ステア
リング舵角θsに変更したものであって、左右車輪速W
1,W2に基づいて計算した推定ステアリング舵角θse
を用いて補正ステアリング舵角θsの異常を検出するよ
うにしている。なお、推定ステアリング舵角θseは下記
数3に従って計算される。
【0050】
【数3】
【0051】そして、ステアリング舵角異常判定ルーチ
ンの実行により、補正ステアリング舵角θsが正常であ
る間及び異常になっても同異常の継続時間が所定の短時
間T41内の間、ステアリング舵角異常フラグθFは”
0”に保たれる。また、前記異常の継続時間が前記短時
間T41以上かつ所定の長時間T42(T42>T41)未満で
あればステアリング舵角異常フラグθFは”1”に設定
され、同異常の継続時間が前記長時間T42以上になると
ステアリング舵角異常フラグθFは”2”に設定される
ことになる。そして、ステアリング舵角異常フラグθF
が”1”に設定されても、補正ステアリング舵角θsが
正常に戻ればステアリング舵角異常フラグθFは”0”
に戻される。ただし、後述する処理により、ステアリン
グ舵角異常フラグθFが一旦”2”に設定された後に
は、ステアリング舵角異常フラグθFが変更されること
はない。
【0052】ふたたび、図2,3のメインプログラムの
説明に戻ると、ステップ132においては、ヨーレート
異常フラグγF及びステアリング舵角異常フラグθFの
値をチェックする。両フラグγF,θFが共に”0”に
設定されていれば、ステップ132の判定処理によりス
テップ134の処理が実行されて、同ステップ134に
てマイクロコンピュータ37に内蔵のテーブルに記憶さ
れた車速Vに応じて変化する係数K1,K2(図9(A)
参照)を読出すとともに、両係数K1,K2を前記計算
したヨーレートγ及びステアリング舵角θsにそれぞれ
乗算することにより目標後輪舵角θr*=K1・γ+K
2・θsを計算して、前記ステップ114の処理と同様
にして左右後輪RW1,RW2を同計算した目標後輪舵
角θr*に操舵制御する。
【0053】ヨーレート異常フラグγFが”0”に設定
されておりかつステアリング舵角異常フラグθFが”
1”に設定されれば、ステップ132の判定処理により
ステップ136の処理が実行されて、左右後輪RW1,
RW2は前記ステップ114と同様に第1代替制御によ
って操舵制御される。ヨーレート異常フラグγFが”
1”に設定されかつステアリング舵角異常フラグθF
が”0”に設定されていれば、ステップ132の判定処
理によりステップ138の処理が実行されて、同ステッ
プ138にてマイクロコンピュータ37に内蔵のテーブ
ルに記憶された車速Vに応じて変化する係数K2’(図
9(C)参照)を読出すとともに、同読出した係数K2’
を前記計算したステアリング舵角θsに乗算することに
より目標後輪舵角θr*=K2’・θsを計算して、前
記ステップ114の処理と同様にして左右後輪RW1,
RW2を同計算した目標後輪舵角θr*に操舵制御す
る。これにより、この場合には、左右後輪RW1,RW
2は、ヨーレートγを用いることなく補正ステアリング
舵角θsのみを用いた第2代替制御により操舵制御され
る。
【0054】ヨーレート異常フラグγFが”0”に設定
されているとともに、ステアリング舵角異常フラグθF
が”2”に設定されれば、ステップ132の判定処理に
より、プログラムをステップ140,142に進める。
ステップ140,142の処理により、車速Vが所定車
速V4(例えば25km/h)以下になるまで前記と同様な
第1代替制御が実行され、車速Vが所定車速V4以下に
なると、ステップ144にて前記異常ランプを点灯する
とともに左右後輪RW1,RW2の操舵制御を停止し
て、ステップ150にてメインプログラムの実行を終了
する。また、ヨーレート異常フラグγFが”2”に設定
されるとともに、ステアリング舵角異常フラグθFが”
0”設定されていれば、ステップ132の判定処理によ
り、プログラムをステップ146,148に進める。ス
テップ146,148の処理により、車速Vが所定車速
V4(例えば25km/h)以下になるまで前記と同様な第
2代替制御が実行され、車速Vが所定車速V4以下にな
ると、前記と同様にステップ144にて異常ランプを点
灯するとともに左右後輪RW1,RW2の操舵制御を停
止して、ステップ150にてメインプログラムの実行を
終了する。このようにヨーレートγ及び補正ステアリン
グ舵角θsに長時間に渡る異常が発生している場合に
は、車速Vが小さくなった状態で操舵制御を停止するこ
とにより、車両の安全性が確保される。なお、この状態
では、左右後輪RW1,RW2の操舵がふたたび開始さ
れることはない。
【0055】さらに、ヨーレート異常フラグγFが”
1”又は”2”に設定されかつステアリング舵角異常フ
ラグθFも”1”又は”2”に設定されていれば、ステ
ップ132の判定処理によりプログラムは直接ステップ
144に進められる。この場合には、前述したステップ
144の処理により、両フラグγF,θFの前記設定か
ら即座に異常ランプが点灯されるとともに左右後輪RW
1,RW2の操舵が停止制御される。
【0056】以上のような動作説明からも理解できると
おり、上記第1実施形態によれば、補正ステアリング舵
角θsが中点補正されるまで、ステップ112,11
4,118の処理により、左右後輪RW1,RW2は左
右後輪RW1,RW2はヨーレートγのみを用いた第1
代替制御により操舵制御されるので、車両の走行開始か
ら遅れることなく左右後輪RW1,RW2の操舵制御に
よる効果を享受できる。また、補正ステアリング舵角θ
sが中点補正されるまでにヨーレートセンサ33の出力
に長時間T22に及ばない異常が発生しても、ステップ1
12,116,118の処理により、左右後輪RW1,
RW2の操舵が停止されてしまうことなく、補正ステア
リング舵角θsの中立補正後におけるステップ138の
第2代替制御による左右後輪RW1,RW2の操舵制御
に移行できるようにしたので、このような場合にも、左
右後輪RW1,RW2の操舵制御の効果を享受できる。
さらに、補正ステアリング舵角θsの中点補正の前後を
問わず、ヨーレートセンサ33の出力の異常又は補正ス
テアリング舵角θsの異常が長時間T22に及ぶ場合に
は、ステップ112,126〜130,132,140
〜148の処理により、車速Vが所定車速V4以下にな
った状態で異常ランプを点灯するとともに左右後輪RW
1,RW2の操舵制御を停止してしまうので、車両の走
行安定性が良好に保たれる。
【0057】また、上記実施形態に係る車両において
は、左右前輪FW1,FW2のタイヤと径の異なるタイ
ヤがスペアタイヤとして搭載されているので、タイヤ交
換により左右前輪FW1,FW2の径が異なっている可
能性もある。そして、この場合には、左右車輪速W1,
W2に基づいて補正した補正ステアリング舵角θsに大
きな誤差が含まれる場合がある。しかし、左右前輪FW
1,FW2のタイヤの径が異なる場合には、ステップ1
22の処理により、補正後輪ステアリング舵角θsを用
いたステップ134の通常制御による左右後輪RW1,
RW2の操舵制御は行われないようにしたので、車両の
走行安定性が良好に保たれる。
【0058】b.第2実施形態 次に、本発明の第2実施形態について説明すると、同第
2実施形態は、左右前輪FW1,FW2及び左右後輪R
W1,RW2の各タイヤと同一の径のタイヤ(グランド
タイヤ)をスペアタイヤとして搭載した四輪操舵車に本
発明を適用したものである。また、この第2実施形態に
係る車両も上記第1実施形態と同様に図1のように構成
されており、マイクロコンピュータ37は、図2,3の
メインプログラム及び図4の割込みプログラムに代え
て、図10,11のメインプログラム及び図12の割込
みプログラムをそれぞれ実行する。図5〜8のプログラ
ムに関しては上記第1実施形態と同じである。
【0059】図10,11のメインプログラムは図2,
3のメインプログラムとほぼ同様に構成されているが、
図10,11のプログラムにおいては、図2,3のステ
ップ122,124が省略されるとともに、ステップ1
32とステップ134,138との各間にステップ15
2,154の処理が挿入されている点で図2,3のメイ
ンプログラムと相違する。ステップ152,154の処
理は、タイヤフラグTFが”2”であるか否か、すなわ
ち左右前輪FW1,FW2の径が異なるか否かを判定す
るものである。また、図12の割込みプログラムも図4
の割込みプログラムとほぼ同様に構成されているが、図
12のプログラムにおいては、図4のステップ214が
省略されるとともに、同ステップ214の位置にステッ
プ220のステアリング舵角異常判定ルーチンが置かれ
ている。これにより、状態フラグSTが”2”に設定さ
れた以降は、ステップ220のステップ舵角異常判定ル
ーチンが実行されるようになる。
【0060】前記のように、図2,3のステップ12
2,124の処理が省略されたことにより、ステアリン
グ舵角θs’の中立補正が行われて中立補正フラグθC
Fが”1”に設定されると、ステップ120の処理を経
て、タイヤフラグTFのチェックを行うことなく、ステ
ップ132〜138からなる循環処理により左右後輪R
W1,RW2が通常制御、第1または第2代替制御によ
り操舵制御される。これは、スペアタイヤとして左右前
輪FW1,FW2及び左右後輪RW1,RW2と同一径
のタイヤが採用されている場合には、タイヤ交換によっ
ても左右前輪FW1,FW2として異なるタイヤが組み
付けられている可能性がほとんどないためである。これ
により、後輪操舵制御が不必要に遅れることがなくな
る。
【0061】そして、ステップ134の通常制御による
左右後輪RW1,RW2の操舵制御中に、図7のタイヤ
異径判定ルーチンの実行によりタイヤフラグTFが”
2”に設定されると、ステップ152における「YE
S」との判定によりプログラムはステップ136に進め
られる。したがって、この場合には、左右後輪RW1,
RW2の操舵制御は、通常制御から第1代替制御に切り
替えられる。また、ステップ138の第2代替制御によ
る左右後輪RW1,RW2の操舵制御中に、タイヤフラ
グTFが”2”に設定された場合には、ステップ154
における「YES」との判定によりプログラムはステッ
プ144に進められて、左右後輪RW1,RW2の操舵
制御が停止される。その結果、左右前輪FW1,FW2
のタイヤの径が異なるために、誤った補正ステアリング
舵角θsによる左右後輪RW1,RW2の操舵制御が回
避され、車両の走行安定性が良好になる。なお、このタ
イヤ異径判定に関係した効果以外の上記第1実施形態の
効果については、この第2実施形態においても同じであ
る。
【0062】c.変形例 上記第1及び第2実施形態においては、図6のステップ
410,412及び図8のステップ610,612の判
定処理をヨーレートセンサ33の出力の異常検出及び補
正ステアリング舵角θsの異常検出のための各前提条件
としたが、ヨーレートセンサ33及びステアリングセン
サ34から引き出された導線の断線及び短絡をも同異常
検出の前提条件としたり、ヨーレートγ及び補正ステア
リング舵角θsの変化率異常を前記異常検出の前提条件
としてもよい。すなわち、前記断線、短絡又は変化率異
常が検出された場合には、プログラムをそれぞれステッ
プ420,620以降に進めるようにすればよい。
【0063】また、上記第1及び第2実施形態において
は、通常制御、後輪の中立復帰、第1代替制御、第2代
替制御及び操舵制御の停止間の各切り替えの過程につい
ては詳しい説明を省略したが、後輪舵角θrの急変を避
けて各切り替え時には後輪舵角θrを徐々に変更する繋
ぎ制御を行うようにするとよい。
【0064】また、上記第1及び第2実施形態として
は、車両の第1及び第2状態量としてヨーレート及びス
テアリング舵角を採用するようにしたが、これらの状態
量に代えて車両の横加速度、車体のスリップ角などの他
の車両の状態量を採用するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1及び第2実施形態に係る車両の
全体概略図である。
【図2】 前記第1実施形態に係り図1のマイクロコン
ピュータにより実行されるメインプログラムの前半部分
を示すフローチャートである。
【図3】 同メインプログラムの後半部分を示すフロー
チャートである。
【図4】 同第1実施形態に係り図1のマイクロコンピ
ュータにより実行される割込みプログラムのフローチャ
ートである。
【図5】 図4の中立補正ルーチンの詳細を示すフロー
チャートである。
【図6】 図4のヨーレート異常判定ルーチンの詳細を
示すフローチャートである。
【図7】 図4のタイヤ異径判定ルーチンの詳細を示す
フローチャートである。
【図8】 図4のステアリング舵角異常判定ルーチンの
詳細を示すフローチャートである。
【図9】 (A)は図2の通常制御処理にて利用される車
速に対するヨーレート比例係数K1及び舵角比例係数K
2の変化特性図であり、(B)は図2の第1代替制御処理
にて利用される車速に対するヨーレート比例係数K1’
の変化特性図であり、(C)は図2の第2代替制御処理に
て利用される車速に対する舵角比例係数K2’の変化特
性図である。
【図10】 前記第2実施形態に係り図1のマイクロコ
ンピュータにより実行されるメインプログラムの前半部
分を示すフローチャートである。
【図11】 同メインプログラムの後半部分を示すフロ
ーチャートである。
【図12】 同第2実施形態に係り図1のマイクロコン
ピュータにより実行される割込みプログラムのフローチ
ャートである。
【符号の説明】
FW1,FW2…前輪、RW1,RW2…後輪、10…
前輪操舵機構、11…操舵ハンドル、20…後輪操舵機
構、21…ブラシレスモータ、24…リレーロッド、3
0…電気制御装置、31…車速センサ、32a,32b
…車輪速センサ、33…ヨーレートセンサ、34…ステ
アリングセンサ、35…第1後輪舵角センサ、36…第
2後輪舵角センサ、37…マイクロコンピュータ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B62D 6/00 B62D 7/14

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】後輪を操舵する後輪操舵機構と、 車両の操舵時における複数の状態量のうち少なくともそ
    一つを表す第1状態量を検出する第1検出手段と、前記 複数の状態量のうちステアリング舵角関連量を表
    同第2状態量を検出同2状態量の設定動作に所定の補
    正時間を必要とする第2検出手段と、 前記検出手段により検出された第1状態量と第2状態量
    に基づいて前記後輪操舵機構の作動による後輪操舵
    制御する操舵制御手段とを備えた車両の後輪操舵装置に
    おいて、 前記操舵制御手段、 前記第1状態量と第2状態量に基づいて後輪の操舵を制
    御する通常制御手段と、 前記第2状態量を用いることなく前記第1状態量に基づ
    いて後輪の操舵を制御する代替制御手段と、 前記第2検出手段による前記第2状態量の設定動作を
    するまで前記代替制御手段による後輪の操舵制御を行
    わせ、前記第2状態量の設定動作が終了した後に前記通
    常制御手段による後輪の操舵制御に移行させる移行制御
    手段とを備えていることを特徴とする車両の後輪操舵装
    置。
  2. 【請求項2】後輪を操舵する後輪操舵機構と、 車両の操舵時における複数の状態量のうち少なくともそ
    一つを表す第1状態量を検出する第1検出手段と、前記 複数の状態量のうちステアリング舵角関連量を表す
    第2状態量を検出同第2状態量の設定動作に所定の補
    正時間を必要とする第2検出手段と、 前記検出手段により検出された第1状態量と第2状態量
    に基づいて前記後輪操舵機構の作動による後輪操舵
    制御する操舵制御手段とを備えた車両の後輪操舵装置に
    おいて、 前記操舵制御手段、 前記第1状態量と第2状態量に基づいて後輪の操舵を制
    御する通常制御手段と、 前記第2状態量を用いることなく前記第1状態量に基づ
    いて後輪の操舵を制御する第1代替制御手段と、 前記第1状態量を用いることなく前記第2状態量に基づ
    いて後輪の操舵を制御する第2代替制御手段と、 前記第1検出手段の異常を検出する第1異常検出手段
    と、 前記第2検出手段の異常を検出する第2異常検出手段
    と、 前記第2検出手段による前記第2状態量の設定動作を
    するまで前記第1代替制御手段による後輪の操舵制御
    を行わせ、前記第2状態量の設定動作を終了した後に前
    記通常制御手段による後輪の操舵制御に移行させる移行
    制御手段と、 前記移行制御手段による後輪の操舵制御の移行前に、前
    記第1異常検出手段により第1検出手段の異常が検出さ
    れたときには少なくとも所定時間の間は前記第1代替制
    御手段による後輪の操舵制御を一時的に中断させる中断
    制御手段と、 前記移行制御手段による後輪の操舵制御の移行後に、前
    記第2異常検出手段により第2検出手段の異常が検出さ
    れかつ前記第1異常検出手段により第1検出手段の異常
    が検出されないときには前記通常制御手段による後輪の
    操舵制御に代えて前記第1代替制御手段による後輪の操
    舵制御に切り替え、前記第1異常検出手段により第1検
    出手段の異常が検出されかつ前記第2異常検出手段によ
    り第2検出手段の異常が検出されないときには前記通常
    制御手段による後輪の操舵制御に代えて前記第2代替制
    御手段による後輪の操舵制御に切り替え、前記第1異常
    検出手段により第1検出手段の異常が検出されかつ前記
    第2異常検出手段により第2検出手段の異常が検出され
    たときには後輪の操舵制御を停止する切替制御手段と
    備えていることを特徴とする車両の後輪操舵装置。
  3. 【請求項3】前記請求項2に記載の操舵制御手段に、さ
    らに、 前記移行制御手段による後輪の操舵制御の移行前に、前
    記第1異常検出手段による第1検出手段の異常の検出が
    前記所定時間以上にわたって継続したときには前記中断
    制御手段による後輪の操舵制御の中断に代えて後輪の操
    舵制御を停止する第1停止制御手段と、 前記移行制御手段による後輪の操舵制御の移行後に、前
    記第1又は第2異常検出手段による第1又は第2検出手
    段の異常の検出が所定時間以上にわたって継続したとき
    前記第1又は第2代替制御手段による後輪の操舵制御に
    代えて後輪の操舵制御を停止する第2停止制御手段とを
    設けたことを特徴とする車両の後輪操舵装置。
  4. 【請求項4】前輪及び後輪のタイヤと異なる径のタイヤ
    をスペアタイヤとして搭載した車両に適用され、 後輪を操舵する後輪操舵機構と、 左右輪の車輪速差を検出する車輪速差検出手段と、 車両の操舵時における複数の状態量のうち少なくともそ
    一つを表す第1状態量を検出する第1検出手段と、 前記複数の状態量のうちの他の一つを表す第2状態量と
    して操舵ハンドルの舵角を検出し同第2状態量を前記車
    輪速度差検出手段により検出された車輪速度差に応じて
    設定するにあたって所定の補正時間を必要とする第2検
    出手段と、 前記第1検出手段と第2検出手段によって検出された第1
    状態量と第2状態量に基づいて前記後輪操舵機構の作動
    による後輪の操舵を制御する操舵制御手段とを備えた車
    両の後輪操舵装置において、 前記操舵制御手段、 前記第1状態量と第2状態量に基づいて後輪の操舵を制
    御する通常制御手段と、 前記第2状態量を用いることなく前記第1状態量に基づ
    いて後輪の操舵を制御する代替制御手段と、 前記車輪速差の検出に用いた左右輪のタイヤの径が同一
    であるかを判定するタイヤ判定手段と、 前記第2検出手段による前記第2状態量の設定動作が終
    了しかつ前記タイヤ判定手段により左右輪のタイヤの径
    が同一であると判定されるまで前記代替制御手段による
    後輪の操舵制御を行わせ、前記第2検出手段による前記
    第2状態量の設定動作が終了しかつ前記タイヤ判定手段
    により左右輪のタイヤの径が同一であると判定された後
    に前記通常制御手段による後輪の操舵制御に移行させる
    移行制御手段とを備えていることを特徴とする車両の後
    輪操舵装置。
  5. 【請求項5】前輪及び後輪のタイヤと同一径のタイヤを
    スペアタイヤとして搭載した車両に適用され、 後輪を操舵する後輪操舵機構と、 左右輪の車輪速差を検出する車輪速差検出手段と、 車両の操舵時における複数の状態量のうち少なくともそ
    一つを表す第1状態量を検出する第1検出手段と、前記 複数の状態量のうちの他の一つを表す第2状態量と
    して操舵ハンドルの舵角を検出し同第2状態量を前記車
    輪速度差検出手段により検出された車輪速度差に応じて
    設定するにあたって所定の補正時間を必要とする第2検
    出手段と、 前記第1検出手段と第2検出手段によって検出された第1
    状態量と第2状態量に基づいて前記後輪操舵機構の作動
    による後輪の操舵を制御する操舵制御手段とを備えた車
    両の後輪操舵装置において、 前記操舵制御手段、 前記第1状態量と第2状態量に基づいて後輪の操舵を制
    御する通常制御手段と、 前記第2状態量を用いることなく前記第1状態量に基づ
    いて後輪の操舵を制御する代替制御手段と、 前記車輪速差の検出に用いた左右輪のタイヤの径が異な
    るかを判定するタイヤ判定手段と、 前記第2検出手段による前記第2状態量の設定動作が終
    するまで前記代替制御手段による後輪の操舵制御を行
    わせ、前記第2状態量の設定動作が終了した後に前記通
    常制御手段による後輪の操舵制御に移行させる移行制御
    手段と、 前記移行制御手段による後輪の操舵制御の移行後に前記
    タイヤ判定手段により前記車輪速差の検出に用いた左右
    輪のタイヤの径が異なることが判定されたとき前記通常
    制御を代替制御に切り替える切替制御手段とを備えてい
    ことを特徴とする車両の後輪操舵装置。
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