JP3017627B2 - 薄膜形成方法 - Google Patents
薄膜形成方法Info
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Description
に薄膜を形成するプラズマ励起化学気相成長(Plasma En
hanced CVD) 法を利用した薄膜形成方法に関する。
を形成するためには、反応容器内に導入した原料ガスに
ある周波数の高周波を印加してプラズマを発生させ、該
原料ガスを活性化させることにより化学反応を促進し、
生成した反応生成物を試料面に堆積させるプラズマ励起
化学気相成長(以下、PECVDという)法が、広く利
用されている。
間の層間絶縁膜または配線保護膜(パッシベーション
膜)の形成に際しては、配線(Al)中のヒロック(hil
lock) 形成を阻止できるように、十分低い形成温度を用
いることが極めて好ましい。そこで、400℃程度の低
温で絶縁膜ないし保護膜を形成させることが可能なPE
CVDが今日まで広く用いられ、今後ますます利用され
る傾向にある。
体基板の表面にSiO2 膜を堆積させるために、原料ガ
スとしてはSiH4 /N2 O系ガスやテトラエトキシシ
ラン(TEOS)/O2 系ガスが使用されて来た。
積回路(LSI)の高集積化の実現要求に伴い、PEC
VDのおいてもサブミクロン・スケールでの微細化形成
技術の開発が極めて重要になってきた。このような観点
から、本発明者は従来のPECVD法によって生成され
る薄膜形状を実験的検証を試みた。以下、本発明者によ
る実験結果について述べる。
反応容器内に設けられている対向電極間にテトラエトキ
シシラン(以下、「TEOS」という)/O2 系ガスを
導入し13.56[MHz]の高周波電力と350[K
Hz]の低周波電力とを同時に印加することによってプ
ラズマを発生させ、反応生成物であるSiO2 薄膜を半
導体基板表面のSiO2 膜上およびその表面に形成され
ているAl配線上に被覆した場合の実験結果(縦断面
図)を示す。図3は、顕微鏡写真をトレースして示した
ものである。
(c)のように配線間のスペースに余裕がある場合に
は、そのスペースにおけるSiO2 薄膜の被覆形状は順
テーパに近い良好な形状であるが、図3(d)〜(f)
のような配線の相互間隔が狭くなるパターンに対する薄
膜形成においては、サブミクロンルールによりその被覆
形状が逆テーパの傾向を示すようになり、配線間に溝の
ような隙間が形成され、これが更に進行すると隣接した
配線上のSiO2 薄膜同士が頭部で繋がり、空洞すなわ
ちボイドを形成するようになった。
直角あるいは曲線となる場所の近傍においては、配線間
距離が大きくなるために薄膜同士が頭部で繋がらず、上
記ボイドは巣のような開口部を形成する傾向があった。
したがって、このボイド、隙間、開口部を、SOG(ス
ピンオングラス)法により塗布される液状の平坦化材で
完全に埋め込むことは困難であり、しかもボイドに入り
込んだ液状の平坦化材にベーク、UVキュア、高真空キ
ュア等のキュアを加えて液体成分を完全に抜き取ること
も困難であった。
装置の反応容器内に設けられている対向電極間にSiH
4 とN2 Oとからなる混合ガスを導入し、これに13.
56MHz等の高周波電力を印加することによりプラズ
マを発生させて、このプラズマ中の反応生成物を半導体
基板表面のSiO2 膜上およびAl配線上に形成した場
合のSiO2 薄膜の被覆形状に対する実験結果(縦断面
図)を示す。図4は、顕微鏡写真をトレースして示した
ものである。
(f)のような配線パターンに対する薄膜形成におい
て、形成されたSiO2 薄膜は配線の頭部において繋が
り、ボイドが発生する問題たあった。また、図4(a)
のようにアスペクト比が比較的低い場合においても、S
iO2 薄膜は配線の頭部においてオーバーハングが顕著
に現れ、被覆膜厚が不均一であり問題点があった。
場合においても同様な問題があった。この残留した液状
成分はSiO2 薄膜の耐湿性を悪化させるばかりでな
く、後に層間絶縁膜に形成される多層配線間のコンタク
トホール内の接触不良およびエレクトロマイグレーショ
ンによる配線の断線等の原因にもなった。更に、従来の
PECVDを用いたSiO2 薄膜形成技術においては、
SiH4 /N2 O系を用いることで、良好な膜特性を有
する(耐湿性に優れる)SiO2 薄膜を形成させること
ができるが、被覆形状が劣っているためLSIの高集積
化、微細化に伴いその適用が困難になっている。そこ
で、近年、良好な被覆形状が得られるTEOS/O2 系
によるSiO2 薄膜の形成が要請され、現在、SiH4
/N2 O系に代わり高集積化したLSIに広く適用され
ている。しかしながら、TEOS/O2 系を用いたSi
O2 薄膜はその膜中に多分な水分を含んでおり、この水
分は時として様々な不良の原因となるため、デバイスの
信頼性低下をもたらすといった問題点があった。
の問題点に鑑みて成されたものであり、その目的は更な
る高集積化、高信頼化に対応し得る薄膜形成方法を提供
することにある。
よれば、前述の目的は、基板を収容する反応容器内にお
いて、有機シラン系化合物と、窒素酸化物とからなる混
合ガスに、より高い周波数を有する第1の電力と、より
低い周波数を有する第2の電力とを印加してプラズマを
発生させるステップと、このプラズマ放電エネルギによ
り該混合ガスを励起させて、反応生成物を基板上に堆積
させるステップとから達成される。あるいは、基板を収
容する反応容器内において、有機シラン系化合物と、窒
素化合物と、酸素化合物とからなる混合ガスに、より高
い周波数を有する第1の電力と、より低い周波数を有す
る第2の電力とを印加してプラズマを発生させるステッ
プと、このプラズマ放電エネルギにより混合ガスを励起
させて反応生成物を前記基板上に堆積させるステップと
から達成される。
おいて、有機シラン系化合物と、窒素酸化物とからなる
混合ガス、あるいは有機シラン系化合物と、窒素化合物
と、酸素化合物とからなる混合ガスに、より高い周波数
を有する電力と、より低い周波数を有する電力とを印加
してプラズマを発生させ、このプラズマ放電エネルギに
より混合ガスを励起し、化学結合を分解し、原子または
分子のラジカルとして、これらの活性粒子に基づく反応
生成物を基板上に堆積させる。
より形成するSiO2 薄膜において、供給ガス系がSi
H4 系の場合と比べて、有機シラン系化合物(TEOS
等)系の場合では、有機シラン系化合物がSiO結合を
もともと有しているため、その反応性に基づき、良好な
被覆形状が得られる。また、供給ガス系が有機シラン系
化合物/O2 系の場合と比べ、有機シラン系化合物/窒
素酸化物系の場合では、窒素酸化物の効果により、後の
平坦化工程の際に有利な被覆形状が得られる。
ている有機シラン系化合物を供給ガスとして単に用いた
場合には、更に薄膜形成温度が低温であると、形成され
たSiO2 薄膜中にある程度の水素が取り込まれてしま
うことは防止できなかった。
ラン系化合物と同時に供給する酸化剤として窒素酸化物
を用い、酸化反応を抑制し窒化反応を促進させること
で、水素はSiOH結合の形ではなく、SiNH結合の
形でSiO2 薄膜中に取り込むことが可能となる。
膜中の水分が原因となる不良を削除することができ、且
つ、SiO2 薄膜中に窒素が取り込まれることにより
(LSIの保護膜としてSiN薄膜を適用した場合と同
様に)、不純物(水分、Na+イオン)の浸透を防ぐ特
性を有する機能をSiO2 薄膜にもたせることが可能と
なる。
する大規模集積回路(LSI)においても、良好な層間
絶縁膜あるいは保護膜が提供できると考えられる。
いて、TEOS/O2 系あるいはTEOS/O3 系によ
り形成されるSiO2 薄膜は、凹部が壺のような場合に
は十分に埋めることができずにボイドが発生し問題とな
る。
る第1の電力と、より低い周波数を有する第2の電力と
を有機シラン系化合物/窒素酸化物系の混合ガスに印加
している。これにより、基板全体にわたって、形成され
るSiO2 薄膜の好適な成長速度および均一性が主に第
1の電力の印加によって与えられるのみならず、オーバ
ハングしない該SiO2 薄膜の形状が主に第2の電力の
印加によって与えられる。しかも下地配線の側壁部に対
して形成されるSiO2 膜厚が、下地配線の上面部に比
べて薄くなるという効果が得られる。したがって、本発
明によれば、隣接する配線間に形成される溝が従来のよ
うに狭く形成されることはない。このように本発明によ
り形成された溝(凹凸状の段差部)に液状シリカガラス
等の平坦化剤をスピンコート等により塗布した場合に
は、該平坦化剤により凹部を効果的に埋め込むことが可
能となる。
第1の電力の周波数は、13.56[MHz]であるこ
とが好ましく、「より低い周波数」を有する第2の電力
の周波数の範囲が300〜400[kHz]であること
が好ましい。
100〜300[W]であることが好ましく、第2の電
力の出力範囲は、50〜200[W]であることが好ま
しい。第1の電力の出力と、第2の電力の出力との出力
比は、膜厚の面内均一性等の点から1以上であることが
好ましかった。
おいては基板上に形成されるSiO2 薄膜中において、
窒素原子がケイ素のみと結合し、酸素とは直接結合しな
い{N(SiO3 )3 }なる分子構造が一部形成される
と考えられる。したがって、SiO2 薄膜中の窒素含有
量を増加させることにより膜中の水分が低減され、より
緻密な膜質構造となり、その結果、膜の耐湿性が向上す
ると考えられる。
物と、窒素化合物と、酸素化合物とからなることが好ま
しい。これにより、混合ガス中の窒素あるいは酸素の占
める割合を変化させることができるので、形成されるS
iO2 薄膜中の窒素含有量が変えられ得、したがって半
導体装置の層間絶縁膜あるいはパッシベーション膜とし
て必要とされる耐湿性を好適に実現し得る。
は、有機基を有するシラン化合物をいう。本発明におけ
る有機シラン系化合物としては、下記構造式(化1)を
有する化合物を用いることが好ましい。
ニル基を表わし、R2 はアルキル基を表わし、mおよび
nは、m+n=4の関係を有する自然数を表わす。〕 より具体的には、本発明においては、R1 はC1 〜C6
のアルキル、アリール、又はアルケニル基であることが
好ましく、R2 はC1 〜C4 の低級アルキル基であるこ
とが好ましい。
2 H5 )4 、(C2 H5 )Si(OC2 H5 )3 、C5
H11Si(OC2 H5 )3 、CH2 CHSi(OC2 H
5 )3 、C6 H5 Si(OC2 H5 )3 、(CH3 )2
Si(OC2 H5 )2 、Si(OCH3 )4 、Si4 C
8 H24O4 、Si4 C4 H16O4 、Si1 C12H
24O6 、Si2 C6 H18O1 、および(C2 H5 )2 S
iH2 から選ばれた少なくとも一種類のガスを含むこと
好ましく、これらの有機シラン系化合物中では、反応性
の点からTEOS、Si(OC2 H5 )4 が特に好まし
く用いられる。
は、Nx Oy 〔xおよびyは、自然数を表わす〕なる構
造式を有する化合物を用いることが好ましい。窒素酸化
物は、N2 O、NO、およびNO2 から選ばれた少なく
とも一種類の酸化物を含むことが更に好ましい。これら
の中でもN2 Oが反応性および膜の被覆形状の点から好
ましい。
N原子を含む化合物(単体のN2 を含む)であって、O
原子を含まないものをいう。本発明における窒素化合物
としては、N2 およびNH3 から選ばれた少なくとも一
種類の化合物を含むことが好ましい。
O原子を含む化合物(単体のO2 、O3 を含む)であっ
て、N原子を含まないものをいう。本発明における酸素
化合物としては、O2 およびO3 から選ばれた少なくと
も一種類の化合物を含むことが好ましく、反応性の点か
らはO2 が好ましい。
を構成する有機シラン系化合物の流量(相対比)を10
とした場合、窒素酸化物の流量は10〜40程度(更に
は20〜30程度)であることが好ましく、あるいは、
窒素化合物の流量は10〜40程度(更には20〜30
程度)であることが好ましく、酸素化合物の流量は2〜
20程度(更には2〜10程度)であることが好まし
い。これらの流量を調節することにより、以下に述べる
薄膜中の「好ましい窒素含有量」が得られるように好適
に調整することが可能である。
述するキャリアガスとして用いることも可能である。混
合ガスがこの窒素化合物を含む態様においては、プラズ
マ放電の安定により膜厚の均一性を更に向上させること
が可能となる。
いては、SiO2 薄膜中の{N(SiO3 )3 }なる分
子構造を減少させることができるので、窒素の含有量を
適度にコントロールすることができる。したがって、形
成されたSiO2 薄膜に含まれる窒素量が過度に増加す
ることによりストレスが増大したり、誘電率の増大によ
りデバイスのアクセス速度が低下する場合には、酸素化
合物を混合ガスに添加することにより、容易にこれらを
防止することができる。
件としては、例えば、以下のような条件を好ましく使用
することができる。
膜)中の窒素含有量は、該薄膜の耐湿性の点からは0.
1〜5重量%程度が好ましい。この耐湿性に加えて、薄
膜の段差被覆形状、成膜速度、面内均一性、膜ストレス
等の点をも考慮した場合、上記窒素含有量は、0.1〜
1%程度が好ましい。このような窒素含有量は、例え
ば、X線光電子分光法(XPS)により測定することが
可能である。
は、通常、0.1〜1.0μm程度(更には0.2〜
0.3μm程度)であることが好ましい。この膜厚が薄
い場合には、耐湿性の点から上記した窒素含有量は多い
方が好ましい。
物と、窒素酸化物あるいは窒素化合物および酸素化合物
とを反応容器内に導入するために、必要に応じて、キャ
リアガスを使用してもよい。このキャリアガスとして
は、例えば、Ar、He等の不活性ガスを好ましく用い
ることができる。有機シラン系化合物の流量(相対比)
を10とした場合、キャリアガスの流量は5〜50程度
(更には10〜30程度)であることが好ましい。
件としては、例えば、以下のような条件を好ましく使用
することができる。
r] より高い周波数: 13.56 [MHz] より低い周波数: 350 [KHz] より高い周波数の第1の電力: 50 [W]〜
400 [W] より低い周波数の第2の電力: 50 [W]〜
200 [W] 基板温度: 350 [℃]〜 450 [℃] 電極間距離: 100 [Mils]〜 400
[Mils] 混合ガスの総流量: 1000 [SCCM]〜 50
00 [SCCM] 本発明の薄膜形成方法に使用可能な反応装置について
は、基板を収容する反応容器と、少なくとも有機シラン
系化合物と、窒素酸化物とを含む混合ガス、あるいは少
なくとも有機シラン系化合物と、窒素化合物と、酸素化
合物とを含む混合ガスをこの反応容器に導入可能な導入
系と、この混合ガスにより高い周波数と、より低い周波
数とを印加する電極とを有する反応装置である限り特に
制限されないが、例えば、図1に模式断面図を示すよう
なPECVD装置が好ましく用いられる。
図1に基いて説明する。図1を参照して、外気から密封
された反応室1を実現するための反応容器2内に対向電
極3、4が収容されている。一方の電極4は、アース電
位に保持されるとともに、対向面に薄膜形成用の半導体
基板5が載置され、他方の電極3にはプラズマ発生用の
より高い周波数の発振源8から出力された第1の電力が
インピーダンスマッチング回路9を介して印加され、さ
らに、より低い周波数の発振源10から出力された第2
の電力がインピーダンスマッチング回路11と、高域遮
断フィルタ12とを介して印加されている。また、電極
3の上側から反応室1へ配管6を介して反応ガスが導入
されるとともに、反応容器2の排気口から排気する構造
となっている。また、電極4側には温度制御用のヒータ
7が設けられている。
的に説明する。
件にてSiO2 薄膜を形成した。
にて予め400℃に加熱された半導体基板5を反応容器
2内の決められた場所に載置し、Heをキャリアガスと
して使用しTEOS(有機シラン系化合物)とN2 O
(窒素酸化物)とからなる混合ガスを反応室1内に導入
する。これに、より高い周波数を有する第1の電力とし
ての高周波発振源8とより低い周波数を有する第2の電
力としての低周波発振源10を印加し、これらの出力電
力比を適宜に調整してプラズマ放電エネルギにより活性
化させて、化学結合を分解し、原子または分子のラジカ
ルとし、これらの活性な粒子間による反応生成物を半導
体基板5の表面に堆積させSiO2 薄膜を形成させた。
また、キャリアガスにN2 あるいはArを使用してもよ
い。
/min] N2 O : 1000[SCCM] He(キャリアガス): 800[SCCM] より高い周波数の第1の電力と、より低い周波数の第2
の電力との出力比率(HF:LF)は、耐湿性、成長速
度、面内均一性、膜ストレス等、他の特性を考慮に入れ
ると、実用上1:1から5:1が適当であった。
長速度は約0.5μm/minで、屈折率は約1.47
であった。
含有量の好ましい範囲は、0.1%以上5%以下であっ
た。被覆形状、成長速度、面内均一性、膜のストレス等
の他の特性を考慮すると、窒素含有量は1%以上2%以
下が好ましかった。
混合ガス条件を以下の表1に示すように変えた以外は実
施例1と同様に半導体基板5の表面にSiO2薄膜を堆
積させた。
M]から2000[SCCM]の範囲が好ましかった。
00[SCCM]の範囲が好ましかった。
00[SCCM]の範囲が好ましかった。
00[SCCM]の範囲が好ましかった。
0[SCCM]の範囲が好ましかった。
長速度は約0.3〜0.6μm/minであった。屈折
率は約1.45〜1.49であった。
反応容器2内に載置される前に、予めハロゲンランプに
より400℃に加熱しておくことが、SiO2 薄膜の成
長特性の再現性を向上させる点から好ましかった。
び結合状態をXPS(X-ray Photoelectron Spectroscop
y)により調べた。この結果、窒素は、Si3N4のような
孤立したグレインを形成しておらず、SiO2薄膜中に
原子オーダで均一に分散していてケイ素のみと結合し、
酸素とは直接結合しない{N(SiO3)3}なる分子構
造にて存在することが判明した(下記の構造式(化2)
参照)。
れたAl配線上に、更に実施例1と同様の薄膜形成条件
を用いて絶縁被覆のためのSiO2薄膜を形成した場合
の縦断面形状を、図2(a)〜(f)に示す。これらの
同図は、縦断面形状の顕微鏡写真の輪郭部分をトレース
して示す断面図であり、縦横の長さは同図中の単位スケ
ール(0.5μm)にて示す通りである。
示したようにそれぞれのAl配線の幅および相対間隔が
サブミクロン範囲の場合にあっても、配線側壁部の薄膜
化により、配線の頭部で繋がることはない。しかも、T
EOSのような有機シラン系化合物とN2 Oのような窒
素酸化物とからなる混合ガスもしくはTEOSのような
有機シラン系化合物および窒素化合物ないし酸素化合物
からなる混合ガスに基づき、PECVD法により形成さ
れるSiO2 薄膜は、前述のように窒素を含有して膜中
の水分を除去しているので耐湿性が向上しており、有機
シラン系ガスとO2 との混合ガスより形成されるSiO
2 薄膜に比べて、膜厚を薄くしても同等もしくはそれ以
上の耐湿性が得られた。したがって、サブミクロンデバ
イス設計上において高集積度が要求されても、配線上に
形成されるSiO2 薄膜の膜質が耐湿性に優れているの
で、従来よりも薄膜にて要求を満たすことができ、隣接
したAl配線頭部においてSiO2 薄膜が繋がらないよ
うに設計することができた。すなわち、SiO2 薄膜形
成においてデバイス設計上の余裕(自由度)が広くなっ
た。
含有量について赤外吸収スペクトルによって調べたとこ
ろ、波数3400cm-1付近において窒素関連の吸収ピ
ークが見られ、膜中に窒素が含有されていることが確認
された。また、TEOS/O2 系の混合ガスを用いたP
ECVD法により形成されたSiO2 薄膜に比べて、波
数3670cm-1付近において水(OH)関連の吸収ピ
ークが低減していることが確認され、この結果により、
TEOS/Nx Oy 系あるいはTEOS/N2 系の混合
ガスに基づくSiO2 薄膜は、TEOS/O2 系の混合
ガスに基づくものに比べて窒素含有量が増加していると
ともに水の含有量が減少していることが実証された。
法によれば、PECVD法により、反応容器内におい
て、有機シラン系化合物と、窒素酸化物とからなる混合
ガス、あるいは有機シラン系化合物と、窒素化合物と、
酸素化合物とからなる混合ガスにより高い周波数を有す
る第1の電力と、より低い周波数を有する第2の電力と
を印加してプラズマを発生させて、このプラズマ放電エ
ネルギにより混合ガスを励起させて得られる反応生成物
を基板上に堆積させることによりSiO2 薄膜が形成さ
れる。したがって、本発明によれば、形成されるSiO
2 薄膜中において窒素原子がケイ素のみと結合し、酸素
とは直接結合しない{N(SiO3 )3 }なる分子構造
が形成される。これにより、膜中の窒素含有量を増加さ
せることができ、同時に膜中の水分は低減されるので、
得られたSiO2 薄膜は、より緻密な組成を有し得、さ
らに外部からの水分を透過させないので耐湿性に優れた
薄膜となる。
1の電力の出力と、第2の電力の出力とを印加している
ため、高アスペクト比である凹凸段差に該SiO2 薄膜
を形成させても、配線頭部にてオ−バハングせず、しか
も配線上面において形成された膜厚に対して配線側壁の
膜厚を薄膜化することができる。
と、第2の電力とを混合ガスに印加しているため、微細
配線に対しても均一な膜厚で再現性のよいなだらかな被
覆形状を実現し得る。上記した理由により、本発明によ
れば、サブミクロンルールの配線上に形成されるSiO
2 薄膜は、隣接する配線間においてボイドが発生しない
ように薄膜化することができる。
OS/O2 系ないしTEOS/O3系により形成された
絶縁膜による平坦化が要求される場合にも、本発明にお
いて成長されたSiO2 薄膜をこの上に適用することに
より、該薄膜の耐湿性を保持することができる。この結
果、本発明によれば、高密度化、高信頼化する大規模集
積回路に対応し得る半導体装置の薄膜形成が可能とな
る。
ためのPECVD装置の概略構成を示す模式断面図であ
る。
形成されたSiO2 薄膜の形状を示す縦断面図である。
成方法により形成されたSiO2 薄膜の形状を示す縦断
面図である。
形成方法により形成されたSiO2 薄膜の形状を示す縦
断面図である。
導体基板、6…配管、7…ヒータ、8…高周波電源、
9、11…インピーダンスマッチング回路、10…低周
波電源、12…高域遮断フィルタ回路
Claims (7)
- 【請求項1】 基板を収容する反応容器内において、有
機シラン系化合物および窒素酸化物からなる混合ガス、
並びにHeまたはArのキャリアガスに、第1の電力
と、該第1の電力より低い周波数を有する第2の電力と
を同時に印加してプラズマを発生させるステップと、 このプラズマ放電エネルギにより混合ガスを励起させて
反応生成物を前記基板上に堆積させるステップと、 からなることを特徴とする薄膜形成方法。 - 【請求項2】 基板を収容する反応容器内において、有
機シラン系化合物、窒素化合物、および酸素化合物とか
らなる混合ガス、並びにHeまたはArのキャリアガス
に、第1の電力と、該第1の電力より低い周波数を有す
る第2の電力とを同時に印加してプラズマを発生させる
ステップと、 このプラズマ放電エネルギにより混合ガスを励起させて
反応生成物を前記基板上に堆積させるステップと、 からなることを特徴とする薄膜形成方法。 - 【請求項3】 前記有機シラン系化合物が、Si(OC2
H5)4、(C2H5)Si(OC2H5)3、C5H11Si(OC2
H5)3、CH2CHSi(OC2H5)3、C6H5Si(OC2
H5)3、(CH3)2Si(OC2H5)2、Si(OCH3)4、S
i4C8H24O4、Si4C4H16O4、Si1C12H24O6、
Si2C6H18O1、および(C2H5)2SiH2から選ばれ
た少なくとも一種類の化合物を含む請求項1に記載のの
薄膜形成方法。 - 【請求項4】 前記有機シラン系化合物が、Si(OC2
H5)4、(C2H5)Si(OC2H5)3、C5H11Si(OC2
H5)3、CH2CHSi(OC2H5)3、C6H5Si(OC2
H5)3、(CH3)2Si(OC2H5)2、Si(OCH3)4、S
i4C8H24O4、Si4C4H16O4、Si1C12H24O6、
Si2C6H18O1、および(C2H5)2SiH2から選ばれ
た少なくとも一種類の化合物を含む請求項2に記載のの
薄膜形成方法。 - 【請求項5】 前記窒素酸化物が、N2O、NO、およ
びNO2から選ばれた少なくとも一種類の酸化物を含む
請求項1又は3に記載の薄膜形成方法。 - 【請求項6】 前記窒素化合物が、N2およびNH3から
選ばれた少なくとも一種類の化合物を含む請求項2又は
4に記載の薄膜形成方法。 - 【請求項7】 前記酸素化合物が、O2およびO3から選
ばれた少なくとも一種類の化合物を含む請求項2、4お
よび6のいずれか1項に記載の薄膜形成方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5284743A JP3017627B2 (ja) | 1993-11-15 | 1993-11-15 | 薄膜形成方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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