JP2848985B2 - 缶入り飲料 - Google Patents

缶入り飲料

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JP2848985B2 JP3204500A JP20450091A JP2848985B2 JP 2848985 B2 JP2848985 B2 JP 2848985B2 JP 3204500 A JP3204500 A JP 3204500A JP 20450091 A JP20450091 A JP 20450091A JP 2848985 B2 JP2848985 B2 JP 2848985B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、缶入り飲料に関し、特
に低温域において開缶時の缶外への吹き出しを防止する
ことができる缶入り飲料に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、オレンジジュースやリンゴジュー
ス等の果汁飲料、コーヒー飲料、紅茶やウーロン茶等の
茶類、スポーツドリンク等の非炭酸性の飲料が缶入りで
市場に出回っており、これらの非炭酸性の飲料は、一般
に、3ピース陰圧充填用鉄缶に充填されて市販されてき
ている。
【0003】3ピース陰圧充填用鉄缶においては、充填
された飲料が酸化するのを防止するために、缶のヘッド
スペースが35〜45cmHg程度の陰圧とされてい
る。この3ピース陰圧缶は外圧により缶胴部がへこみ
(バネリング)易いために、該缶胴部の板厚を0.2m
m程度としてバネリングを防止している。
【0004】近年、非炭酸性の飲料においても、前記3
ピース陰圧缶に代わり2ピース陽圧充填用アルミ缶、2
ピース陽圧充填用鉄缶等の2ピース陽圧缶が用いられつ
つある。
【0005】これらの2ピース陽圧缶は、元来、充填物
自体が過飽和のガスを含有しているもの、すなわち炭酸
ガスを含んだソフトドリンク、ビールなどに用いられて
きたものであるが、バネリングを起すことがなく、特に
アルミ製の2ピース陽圧缶においては、金属の地の色を
生かしたデザインが可能であり、また耐腐食性、フレー
バー性などにも優れた特性を有することなど、従来の3
ピース陰圧缶に比べ有利な点が多くその用途の拡大が計
られてきている。
【0006】2ピース陽圧缶の缶胴部の板厚は0.08
〜0.15mm程度と非常に薄いものであるから、非炭
酸飲料を単に充填しただけでは缶胴部に凹みが生じてし
まい使用に耐えることができない。そこで、充填された
缶内容物に液体窒素を滴下するという手法を用いること
により、缶の内圧を0.5〜2.5kg/cm2程度の
陽圧とし、缶の機械的強度を高めて非炭酸飲料の使用に
供することが広く行われるようになった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、前記非炭酸
飲料のなかには、例えばオレンジジュースやリンゴジュ
ース等の様に静置しておくと成分が分離するものが数多
くあり、一般の消費者においては、開飲前に缶を振ると
いう動作が日常化している。
【0008】この場合、缶入り飲料自体が容易に起泡し
やすい成分を含むいわゆる起泡性飲料の場合には特に顕
著であるが、開缶した瞬間に内容物が噴出し衣類や手な
どを汚すという不具合が生じることとなる。
【0009】これは、缶を振盪した際に充填された内容
物が起泡し、開缶した瞬間に加圧状態のガスが缶外部に
噴出するに伴い泡を構成している内容物が噴き出してく
るために起こる現象である。
【0010】この不具合が起こりやすい飲料としては、
例えばコーヒー、紅茶、ウーロン茶など茶類全般、スー
プなどの高粘性の飲料、その他トマトジュース等、かな
りの数にのぼる。
【0011】上記の噴出現象を防止するには、缶に0.
5kg/cm2程度の内圧で飲料を充填することによっ
て達成可能ではあるが、しかし、この程度の内圧では缶
強度が十分ではなく、輸送中に凹みや潰れ等の不具合を
生じる可能性があり実用的な方法ではない。また、缶強
度の不足を缶胴部の板厚を厚くすることにより補うこと
も考えられ、これは技術的に可能な方法ではあるが、高
コストになるという欠点がある。
【0012】本発明は、上記の事情に鑑みてなされたも
のであって、以上の問題点や欠点を有効に解決すること
ができ、特に低温域において開缶時の缶外への吹き出し
を防止することができる缶入り飲料を提供することにあ
る。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明者らは、缶入り飲料の起泡発生を抑制するこ
とができる添加物に関して鋭意研究を重ねた結果、次の
ような知見を得た。
【0014】食品添加物として承認されている各種の物
質の中で、消泡効果が期待されるもの(添加物)として
は、グリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エス
テル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、レシチ
ン、食用油、ジメチルシリコーンオイルなどが挙げら
れ、これらのものは実際に例えば豆腐の製造工程等にお
いて使用されている。
【0015】各種易泡性の飲料は5〜60℃の温度範囲
で飲用に供される場合が多いので、噴き出し防止を目的
として使用する添加物は、上記の温度範囲のすべての温
度域で十分な効果を有すること、通常振盪後から開缶ま
での時間が非常に短かいので数秒以内に泡が許容レベル
まで消滅していること、の2点を満たす必要がある。
【0016】一般的に、上記の消泡材料において最も消
泡効果の大きなものはジメチルシリコーンオイルであ
る。このジメチルシリコーンオイルは、大抵の用途に対
しては十分満足できる性能を有しており、各種易泡性飲
料に対してもかなりの破泡効果を示す。ジメチルシリコ
ーンオイルのこの様な優れた破泡性は、その表面張力が
極端に低いことに起因すると考えられる。
【0017】このジメチルシリコーンオイルにおける消
泡剤としての欠点は、溶媒に対して分散性が悪いことで
ある。すなわち、泡膜にジメチルシリコーンオイルが取
り込まれた場合、該ジメチルシリコーンオイルの泡膜内
部への移動速度が遅く、破泡が起こるまでには誘導時間
が若干かかる。したがって、開缶した瞬間には消泡効果
は現われず、泡を構成している内容物が噴き出してくる
こととなる。
【0018】ジメチルシリコーンオイルの場合、20℃
以上の温度域では非常に速い破泡効果を示し、大部分の
飲料に対して数秒以内に十分なレベルまで泡が減少す
る。
【0019】しかし、5〜20℃の低温域においては、
破泡効果は有するもののその破泡速度は十分ではなく、
泡は数秒以内では実用レベルまで減少しない。この理由
は、低温域では飲料中の水を初めとする諸成分の分子運
動が低下しているために、泡膜内部へのジメチルシリコ
ーンオイルの移動速度が著しく遅いためであると考えら
れる。
【0020】一方、一部の蔗糖脂肪酸エステル、ソルビ
タン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリ
グリセリン脂肪酸エステル等の脂肪酸エステル類の中に
はかなりの消泡性を有するものが存在する。これらのも
のは、ジメチルシリコーンオイルと比較した場合、表面
張力が高いため破泡力は劣るが分散力は優っており、消
泡効果は速やかに現われる。
【0021】すなわち、前記脂肪酸エステル類は泡膜中
に事前に取り込まれているために振盪直後における抑泡
効果は高いものの、その後の破泡効果はジメチルシリコ
ーンオイルに比べて著しく劣る。また、これらの脂肪酸
エステル類は、いずれもその消泡効果の温度依存性が大
きいために、5〜60℃の全温度領域での有効な効果は
期待できない。
【0022】そこで、ジメチルシリコーンオイルと前記
脂肪酸エステル類を組み合わせて非炭酸性飲料に添加す
ると、当該飲料の泡立ちを大幅に減少させ得ることを発
見し、その結果、本発明の目的である振盪を加えた後に
開缶しても噴き出しを防止することができる缶入り飲料
を得ることに成功した。
【0023】すなわち、上記目的を達成することのでき
る請求項1記載の缶入り飲料は、陽圧缶に充填してなる
缶入り飲料であって、該缶入り飲料は、ジメチルシリコ
ーンオイルを0.0005〜0.005重量%添加する
とともに、融点が−5〜50℃の脂肪酸を主構成脂肪酸
とし、HLB(親水親油バランス:hydrophil
e−lypophile balance)値が7以下
である、蔗糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステ
ル、グリセリン脂肪酸エステル及びポリグリセリン脂肪
酸エステルから選択された少なくとも1種を0.001
〜0.015重量%添加してなることを特徴とするもの
である。
【0024】また、請求項2記載の缶入り飲料は、請求
項1記載の缶入り飲料において、(1)ジメチルシリコ
ーンオイル、並びに(2)蔗糖脂肪酸エステル、ソルビ
タン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル及びポ
リグリセリン脂肪酸エステルから選択された少なくとも
1種の合計100重量部と、HLB値が10以上の乳化
剤1〜30重量部とを、水性エマルジョンとして添加し
てなることを特徴とするものである。
【0025】前記ジメチルシリコーンオイルの添加量を
0.0005〜0.005重量%に限定した理由は、
0.0005重量%未満の添加量では十分な破泡効果を
得ることができないからであり、また、0.005重量
%を越えて添加しても効果が変わらず飲料の味覚に悪影
響を及ぼす恐れがあり好ましくないからである。また、
この値は食品衛生法上の上限値であって、これ以上の添
加は同法上認められていない。
【0026】また、前記各種脂肪酸エステル類の添加量
を0.001〜0.015重量%に限定した理由は、
0.001重量%未満の添加量では十分な抑泡効果を得
ることができないからであり、また、0.015重量%
を越えて添加しても顕著な効果が望めないばかりでなく
飲料の味覚に悪影響を及ぼす恐れがあり好ましくないか
らである。
【0027】また、本発明では前記各種脂肪酸エステル
として、融点が−5〜50℃の脂肪酸を主構成脂肪酸と
して有する脂肪酸エステル類が用いられる。例えば、主
構成脂肪酸としては、オレイン酸(融点16℃)、カプ
リン酸(デカン酸:融点31.3℃)、ラウリン酸(融
点43.6℃)、カプリル酸(オクタン酸:融点16.
5℃)、エルカ酸(融点33.5℃)、酪酸(融点ー
4.7℃)、カプロン酸(融点ー1.5℃)等が好適に
用いられる。もちろん、融点が−5〜50℃の範囲外の
脂肪酸1種以上との混合物として構成脂肪酸とすること
も可能である。
【0028】ただし、融点が前記範囲以外の脂肪酸を主
構成脂肪酸として有する脂肪酸エステル類は、20℃を
越える温度領域ではかなりの効果を示すこともあるが、
20℃以下の温度領域ではそれ自身の分子間力が大きす
ぎるために効果が低く、本発明の目的を満たさない。
【0029】前記各種脂肪酸エステル類は1種のみ使用
しても構わないが、2種以上のものを混合して使用して
も構わない。HLB値が0〜3のものと、4〜7のもの
を合わせて用いるとより効果的である。
【0030】この理由は、HLB値4〜7の比較的分散
力の大きいエステル類が、HLB値0〜3の比較的表面
張力の小さいエステル類を泡膜に引き込む働きがあるた
めであると考えられる。HLB値が7を越えるものは抑
泡効果がないばかりではなく生成した泡を安定化させる
こともあり、消泡を目的として添加するには適当ではな
い。
【0031】前記ジメチルシリコーンオイル及び各種脂
肪酸エステル類は、水系飲料への分散性を考慮して、H
LB値が10以上の乳化剤を用いて水性エマルジョンと
して用いることが望ましい。水性エマルジョンとするこ
とによって均一に飲料中に添加することができ、安定し
た消泡性を維持でき、ハンドリングも容易である。
【0032】HLB値が10以上の乳化剤としては特に
制限はないが、ポリグリセリン脂肪酸エステル、蔗糖脂
肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、
ソルビタン脂肪酸エステル等が挙げられる。前記乳化剤
の添加量は、(1)ジメチルシリコーンオイル、並びに
(2)蔗糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステ
ル、グリセリン脂肪酸エステル及びポリグリセリン脂肪
酸エステルから選択された少なくとも1種の合計100
重量部に対し、前記HLB値が10以上の乳化剤1〜3
0重量部とするのが好適である。
【0033】また、ジメチルシリコーンオイルと前記各
種脂肪酸エステル類は予め、水性エマルジョンとしてか
ら混合してもよいし、あるいは両者をあらかじめ混合し
ておき、これに乳化剤を加えて混合体のエマルジョンを
作成した後に飲料に添加する方法も有効である。これら
エマルジョンの分散濃度はとくに限定されるものではな
いが、10〜30重量%に調整しておくと粘度的に取り
扱いやすくエマルジョンも比較的安定である。
【0034】このようにして調整した添加物を易泡性の
飲料に添加するわけであるが、水分散性に優れたエマル
ジョンにしてあるため、単に飲料に添加し緩く攪拌する
だけで容易に分散させることができる。
【0035】飲料充填時のどの時点で添加物を添加する
かは特に限定されないが、ミルク入りの茶類などの場合
はホモジナイザー前の工程で添加すると、ホモジナイザ
ーに於ける添加物の更なる分散が期待できるため望まし
い。これら添加物は微細な状態で分散しているほど、長
期にわたり安定した効果を維持できる。
【0036】このように、前記添加物を加えた缶入り飲
料は従来と同じ方法で陽圧缶に充填される。飲料中には
充填後レトルト殺菌が必要な物も多いが、これも通常通
り行っても何等差し支えはない。レトルト処理は飲料種
によって殺菌条件は異なるが、前記添加物はいずれも熱
安定性に優れているため、消泡作用は125℃、60分
の熱処理を加えてもほとんど変化することはない。
【0037】このようにして作製された缶入り飲料は、
0.5〜2.5kg/cm2の内圧で充填されており
(於20℃換算)、5〜60℃の温度範囲であれば、開
缶前に激しく振盪しても内容物が噴出する事はない。
【0038】
【実施例】以下、本発明の各実施例について説明する。
【0039】(実施例1)ジメチルシリコーンオイル及
び各種エステル類の合計100重量部に対し、乳化剤と
してHLB値が16の蔗糖パルミチン酸エステル12.
5重量部を加え、濃度20%の水性エマルジョンを得
た。これらのエマルジョンを所定の割合で混合すること
により表1に示す添加物(ジメチルシリコーンオイルと
各種エステル類の組合せ)を作成し、各種易泡性飲料に
これらの添加物を所定量添加した。
【0040】ここでは、エステルとしては、蔗糖オレイ
ン酸エステル(Su−O)、ソルビタンオレイン酸エス
テル(So−O)、グリセリンカプリン酸エステル(G
−Cp)、ソルビタンカプロン酸エステル(So−Cp
o)、グリセリンオレイン酸エステル(G−O)の5種
を選び、また、易泡性飲料としては、ミルクコーヒー、
ブラックコーヒー、ウーロン茶、ミルクティー、コンソ
メスープ、トマトジュースの6種を選んだ。
【0041】次に、これらの各飲料を液体窒素滴下法を
用いて陽圧缶に充填した。この場合の充填内圧は2.0
kg/cm2(於29℃)とした。これは噴き出しに関
しては最も厳しい条件である。使用した缶は250gア
ルミ缶であり充填後のヘッドスペースは15mmとし
た。
【0042】各飲料を充填した後に、125℃、20分
の条件においてレトルト処理を施し、その後、噴き出し
量の試験を行い評価した。
【0043】噴き出し量の試験は、振盪機を用いて1
7.8Gの加速度、25cmの振り幅で振盪した後、3
秒後に開缶し、開缶時の噴き出し量を測定した。開缶時
の液温は5、20、60℃の3水準で行った。
【0044】これらの試験結果を表1ないし表3に示
す。
【0045】
【表1】
【0046】
【表2】
【0047】
【表3】
【0048】また、前記易泡性飲料に前記添加物を加え
ていないものを上記実施例と同一条件の下で陽圧缶に充
填し、噴き出し量の試験を行い評価した。この試験結果
を表4に示す。
【0049】
【表4】
【0050】また、前記易泡性飲料に前記添加物を本発
明の範囲から外れた量添加したもの及び本願の請求範囲
以外の主構成脂肪酸からなるエステルを添加したものに
ついても上記実施例と同一条件の下で陽圧缶に充填し、
噴き出し量の試験を行い評価した。この試験結果を表5
に示す。
【0051】
【表5】
【0052】これらの表から明らかな様に、上記実施例
では、無添加品や範囲から外れた量を添加したものと比
較して噴き出し量が1桁以上減少しており顕著な添加効
果があることがわかる。特に、0.2gまでの噴き出し
量の場合では、ミスト状に散布するのみで手や衣類に飲
料が付着することはほとんどなく、使用上全く問題がな
い。また、味覚についても無添加のものと比べて変わり
が無く、使用上全く問題がない。
【0053】以上説明した様に、上記実施例1の缶入り
飲料によれば、種々の易泡性飲料を5〜60℃までの広
範囲な温度域に渡り安定して難泡性とすることができ
る。
【0054】また、上記実施例1の添加物を添加した飲
料を通常の内圧において陽圧缶に充填した場合におい
て、激しい震動を与えた後に開缶しても内容物が噴出す
ることはほとんどなく、従来陽圧缶に充填することが困
難であると考えられていた各種の飲料を工程や装置等の
変更なしに充填可能とすることができる、という優れた
効果が得られる。また、易泡性飲料に上記実施例の添加
物を加えても味覚にはほとんど悪影響を与えない。
【0055】(実施例2)ジメチルシリコーンオイル及
びグリセリンモノオレイン酸エステルの合計100重量
部に対し、乳化剤としてHLB値が16の蔗糖パルミチ
ン酸エステル12.5重量部を加え、濃度20%の水性
エマルジョンを得た。このエマルジョンをジメチルシリ
コーンオイルの添加量が0.002重量%、グリセリン
モノオレイン酸エステルの添加量が0.01重量%とな
るように、添加物をミルクコーヒーに添加し、試験をお
こなった。
【0056】試験方法は、振盪後所定時間経過した後の
5℃におけるミルクコーヒー100ml当りの起泡量を
メスシリンダー法を用いて測定することにより行った。
【0057】また、無添加のもの、ジメチルシリコーン
オイルのみ添加したもの、グリセリンモノオレイン酸エ
ステルのみ添加したものも同時に作成し、比較例とし
た。
【0058】図1は、上記の試験結果を示したもので、
振盪後経過時間と起泡量との関係を示すグラフである。
【0059】図中、Cはこの実施例のものであり、Nは
無添加のもの、Dはジメチルシリコーンオイルのみ添加
したもの、Gはグリセリンモノオレイン酸エステルのみ
添加したものである。また、Lは噴き出しが問題となら
ない起泡量の基準値であり、tは、通常、振盪後開缶ま
でに要する時間である。
【0060】図1から明らかな様に、上記実施例2の飲
料では、比較例と比べて起泡量が大幅に低減しており、
しかも時間の経過とともに一次関数的に漸減しているこ
とがわかる。
【0061】以上説明した様に、上記実施例2の缶入り
飲料においても、易泡性飲料(ミルクコーヒー)の振盪
後所定時間経過した後の起泡量を大幅に低減することが
でき、安定して難泡性とすることができる。
【0062】
【発明の効果】以上説明した様に、本発明の請求項1記
載の缶入り飲料によれば、陽圧缶に充填してなる缶入り
飲料であって、該缶入り飲料は、ジメチルシリコーンオ
イルを0.0005〜0.005重量%添加するととも
に、融点が−5〜50℃の脂肪酸を主構成脂肪酸とし、
HLB値が7以下である、蔗糖脂肪酸エステル、ソルビ
タン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル及びポ
リグリセリン脂肪酸エステルから選択された少なくとも
1種を0.001〜0.015重量%添加してなるの
で、種々の易泡性飲料を5〜60℃までの広範囲な温度
域に亘り安定して難泡性とすることができる。
【0063】また、易泡性飲料の振盪後所定時間経過し
た後の起泡量を大幅に低減することができ、安定して難
泡性とすることができる。
【0064】また、本発明の添加物を添加した飲料を通
常の内圧において陽圧缶に充填した場合において、激し
い震動を与えた後に開缶しても内容物が噴出することは
ほとんどなく、従来陽圧缶に充填することが困難である
と考えられていた各種の飲料を工程や装置等の変更なし
に充填可能とすることができる、という優れた効果が得
られる。また、易泡性飲料に本発明の添加物を加えても
味覚にはほとんど悪影響を与えない。
【0065】また、本発明の請求項2記載の缶入り飲料
によれば、請求項1記載の缶入り飲料において、前記缶
入り飲料は、(1)ジメチルシリコーンオイル、並びに
(2)蔗糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステ
ル、グリセリン脂肪酸エステル及びポリグリセリン脂肪
酸エステルから選択された少なくとも1種の合計100
重量部と、HLB値が10以上の乳化剤1〜30重量部
とを、水性エマルジョンとして添加してなるので、請求
項1記載の缶入り飲料と同様に種々の易泡性飲料を5〜
60℃までの広範囲な温度域に亘り安定して難泡性とす
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の添加物を添加した飲料の振盪後経過時
間と起泡量との関係を示すグラフである。
フロントページの続き (72)発明者 諏訪 信行 神奈川県横浜市緑区鴨志田町1000番地 三菱化成株式会社 総合研究所内 (56)参考文献 特開 平2−27967(JP,A) 特開 平4−320667(JP,A) 特開 平4−320668(JP,A) 特開 平2−127218(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) A23L 2/00 - 2/40

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 陽圧缶に充填してなる缶入り飲料であっ
    て、 該缶入り飲料は、ジメチルシリコーンオイルを0.00
    05〜0.005重量%添加するとともに、融点が−5
    〜50℃の脂肪酸を主構成脂肪酸とし、HLB値が7以
    下である、蔗糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エス
    テル、グリセリン脂肪酸エステル及びポリグリセリン脂
    肪酸エステルから選択された少なくとも1種を0.00
    1〜0.015重量%添加してなることを特徴とする缶
    入り飲料。
  2. 【請求項2】 前記缶入り飲料は、(1)ジメチルシリ
    コーンオイル、並びに(2)蔗糖脂肪酸エステル、ソル
    ビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル及び
    ポリグリセリン脂肪酸エステルから選択された少なくと
    も1種の合計100重量部と、HLB値が10以上の乳
    化剤1〜30重量部とを、水性エマルジョンとして添加
    してなることを特徴とする請求項1記載の缶入り飲料。
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