JP3016668B2 - 透明膜付き銀複合物品およびその製造方法 - Google Patents

透明膜付き銀複合物品およびその製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、銀を主体とした基材
の表面に酸化シリコン膜を形成して銀の表面を透明膜で
保護する銀複合物品およびその製造方法に関する。この
ような銀複合物品としては、たとえば、高反射率を必要
とする光学的反射鏡や照明器具のリフレクター、銀の高
輝度性を特徴とする装飾品等が挙げられる。
【0002】
【従来の技術】従来、たとえば、反射体には、一般に表
面に不動態膜を形成した比較的安定なアルミニウムが用
いられている。銀は、可視光域での反射率が高く反射体
としての価値は高いが、周辺雰囲気中の硫黄化合物等に
より硫化、塩化、酸化等の影響を受け、反射率が低下す
るため利用されにくい。したがって、高反射率を必要と
する反射体の表面に銀を利用するためには、硫化や塩化
からの保護層が必要となる。
【0003】保護層の形成には、銀反射体保護の目的だ
けではなくアルミニウム反射体も含めた保護層の研究が
多く行われており、たとえば、有機塗料の塗布、特開昭
55−144606号公報に挙げられるスパッタリング
法、真空蒸着によるSiO2膜の形成等が試みられてい
る。しかし、アルミニウムと異なり、銀は大気中で不動
態膜を形成しないため、長時間の放置は腐食を促進させ
てしまう。したがって、銀の反射率を維持したまま腐食
から保護するためには、銀表面を完全に覆う透明な膜を
できるだけ簡易に形成する必要がある。有機塗料の塗布
は、作業性、衛生環境性等の問題があり、真空蒸着やス
パッタリングでは、保護機能を十分に満たす膜は得られ
ていない。
【0004】プラズマCVDによるSiO2 膜の形成
は、半導体分野を中心に多くなされているので、材料も
含めた膜形成技術はそれほど困難ではない。また、透過
率等の光学特性も透明保護膜として妥当である。さら
に、平板ではない基材に対しても成膜するという点や膜
の緻密性から、プラズマCVDは成膜法として有効であ
る。しかし、プラズマCVDにより銀層上に酸化膜を形
成する際には、反応性ガスとして酸素を用いるので、銀
層が酸素プラズマにより酸化されて光輝性を失い黒色化
し、保護膜を形成する以前に反射率の低下を招く。この
ため、酸化プラズマ密度を上げて成膜速度を促進させた
り膜中の酸素不足を補う等して、成膜条件を制限してい
る。特開平3−171503号公報では、イオンプレー
ティングによりアルミニウム上に誘電体層の傾斜膜を形
成することを提案している。この方法により銀層上にS
iO2 膜を形成するには、イオンプレーティングを行う
際の酸素プラズマにより銀が酸化する可能性が大きく、
上述と同様の問題がある。
【0005】この問題の対策として、真空蒸着やスパッ
タリング等により銀層上にSiO2等の透明膜を薄く成
膜しておくことが有効と考えられるが、そのために1工
程追加せねばならず、産業的に有効な方法とはいえな
い。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】そこで、この発明は、
反射率や耐食性に優れた銀複合物品と、この銀複合物品
を銀を酸化させることなく効率よく製造する方法を提供
することを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、この発明の銀複合物品は、銀を主体とした所定形状
の基材の表面に、保護層として、透明性を維持できる厚
さの窒化シリコン膜とその上に形成された、保護機能を
満たす膜厚の酸化シリコン膜からなる層が設けられてな
る。この場合において、窒化シリコン膜と酸化シリコン
膜の間には、透明性を維持できる厚さの酸化窒化シリコ
ン膜が形成されていてもよい。なお、ここでいう銀と
は、銀単体であってもよいし、銀を含む複合物品や銀薄
膜を形成したものであってもよい。
【0008】上記銀複合物品を製造するために、この発
明の製造方法は、基材表面に保護層を形成するにあた
り、まずプラズマCVDを用いて窒化シリコン膜を形成
し、この窒化シリコン膜が所定の膜厚に達すると、反応
ガスである窒素を酸素と切り替えて続けて酸化シリコン
膜の形成を行うようにする。この場合において、反応ガ
スである窒素を酸素と切り替える際に、両者の流量比を
徐々に変える工程を含み、この工程により徐々に組成が
変化する酸化窒化シリコン膜の形成を行うようにしても
よい。
【0009】以上にみたように、この発明では、基材表
面の銀層上に酸化シリコン膜を形成する前に予め窒化シ
リコン膜を形成しておき、これを酸素プラズマに対する
バリア層とし、かつ保護機能をも持たせるようにしてい
る。シリコン窒化層の形成は、シリコン酸化層の形成と
同様にして、酸素プラズマの代わりに窒素プラズマを形
成することにより可能となる。この場合に、窒素プラズ
マを形成して窒化シリコン膜を成膜した直後に窒素の供
給量を徐々に減らし、その代わりに酸素の供給量を徐々
に増加させることにより、シリコン窒化層とシリコン酸
化層との間にシリコン酸化窒化層が形成され、各層間の
密着力を向上できる。
【0010】つまり、この発明にかかる銀複合物品は、
図1にみるように、基材1表面の銀層2上に窒化シリコ
ン膜3を酸素プラズマのバリア層として形成し、その上
に本来の保護層である酸化シリコン膜4が形成されてい
る膜構成をとっている。または、図2にみるように、銀
層2上に酸素プラズマバリア層として窒化シリコン膜3
を形成した上に、シリコン酸化窒化膜5を形成し、その
上に本来の保護層であるシリコン酸化膜4が形成されて
いる膜構成をとっている。ここで必要なことは、高反射
率を維持するために、銀層上の保護膜はいずれも透明で
あることである。
【0011】
【作用】窒化シリコン膜が酸素プラズマのバリア層とな
り、銀の酸化を防ぐ。さらに、酸化シリコン膜が形成さ
れていることにより、銀の腐食を防ぎ、高反射率を維持
できる。
【0012】
【実施例】以下に、この発明の実施例として、銀複合物
品の一例である反射体を図1により模式的に示す。図1
にみるように、この銀複合物品では、基材1表面の銀層
2上に窒化シリコン膜3を酸素プラズマのバリア層とし
て形成し、その上に本来の保護層である酸化シリコン膜
4が形成されている膜構成をとっている。
【0013】以下に、この反射体の作り方を説明する。
基材にはアルミニウムを用い、所定の形状に成形した
後、表面を平滑にするために樹脂を塗布する。その後、
反射率を上げるため銀膜を形成する。銀膜の形成方法
は、真空蒸着やスパッタリング等が一般的であるが、そ
の他の方法であってもよい。また、高反射率の反射体を
形成するために、銀の膜厚は1000Å以上が望まし
い。このようにして得られた銀膜は、耐食性が悪く、耐
食性を上げるためには、その上に保護膜を必要とするの
で、この発明による保護膜形成を行う。
【0014】以下に、この発明による保護膜形成の一実
施例を図3により説明する。CVD装置内に上記の銀膜
が形成された基材が配置されている。基材の近傍には膜
を構成する原料ガスとなるTEOSの吹き出し口が、原
料ガスが基材に均一に供給されるよう配置されている。
一方、基材と対向するようプラズマ生成室があり、反応
ガスである酸素または窒素が供給できる。プラズマ生成
には、マグネットとマイクロ波によるECRプラズマを
用い、マグネットは基材方向へ発散するような磁場設計
となっている。なお、プラズマCVDにはこのようなE
CRプラズマである必要はなく高周波やDCプラズマで
あってもよい。
【0015】このような装置により、銀膜上に透明保護
膜を形成する。以下にその製造方法の詳細を記す。ま
ず、装置内を1×10-5Torr以下に排気する。TEOS
を基材近傍に供給し、プラズマ室には窒素を供給する。
マイクロ波をプラズマ室に石英窓を通して導入し、窒素
プラズマを形成する。これにより、基材上には窒化シリ
コン膜が形成され始める。
【0016】水晶振動子による膜厚モニターにより窒化
シリコン膜が数十Å堆積されたことを確認すると、続い
て窒素ガスの代わりに酸素ガスを供給することによりプ
ラズマ室内には酸素プラズマが形成されるようになる。
この間、TEOSガスは、基板近傍に供給し続け連続し
て成膜できるようにする。これにより、基材上には酸化
シリコン膜が形成し始め、保護機能を十分満たすだけの
膜厚となるまで堆積を続ける。この膜厚は5000Å以
上が望ましい。膜厚の管理は、このような膜厚モニター
によらず成膜時間による管理等でもよい。
【0017】この発明により形成した保護層は、JIS
−Z2371による塩水噴霧試験において24時間(1
サイクル)で3サイクルの耐久が認められた。
【0018】
【発明の効果】この発明によれば、窒化シリコン膜を酸
化シリコン膜の形成に先立って形成することにより、酸
化膜形成時に銀の酸化を警戒する必要がなくなる。した
がって、酸素流量の増加やプラズマの高密度化が可能と
なり、保護層としての酸化シリコン膜の膜質向上が可能
となる。これにより、反射率の高い銀を用いた反射体等
を生産性よく製造することができ、得られた反射体等
は、耐食性に優れ高反射率を長期間維持することができ
る。また、この発明の製造方法によれば、特別な装置
的、操作的複雑さを伴わずに、所定の膜厚が得られた時
点で窒素と酸素を切り替えるだけで、酸化膜と窒化膜の
形成の振り分けや混合層の形成をさせることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の透明膜付き銀複合物品を模式的に表
した断面図である。
【図2】この発明の透明膜付き銀複合物品を模式的に表
した断面図である。
【図3】この発明の製造方法に用いる装置の模式図であ
る。
【符号の説明】
1 基材 2 銀層 3 窒化シリコン膜 4 酸化シリコン膜 5 酸化窒化シリコン膜
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭54−29886(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C23C 14/00 - 16/56 C23C 24/00 - 30/00 F21V 7/22 G02B 1/10

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 銀を主体とした所定形状の基材の表面
    に、保護層として、透明性を維持できる厚さの窒化シリ
    コン膜とその上に形成された、保護機能を満たす膜厚の
    酸化シリコン膜からなる層が設けられており、窒化シリ
    コン膜と酸化シリコン膜の間に、透明性を維持できる厚
    さの酸化窒化シリコン膜が形成されている透明膜付き銀
    複合物品。
  2. 【請求項2】 銀を主体とした所定形状の基材の表面
    に、保護層として、透明性を維持できる厚さの窒化シリ
    コン膜とその上に形成された、保護機能を満たす膜厚の
    酸化シリコン膜からなる層が設けられている透明膜付き
    銀複合物品を製造する方法であって、基材表面に保護層
    を形成するにあたり、まずプラズマCVDを用いて窒化
    シリコン膜を形成し、この窒化シリコン膜が所定の膜厚
    に達すると、反応ガスである窒素を酸素と切り替えて続
    けて酸化シリコン膜の形成を行う透明膜付き銀複合物品
    の製造方法。
  3. 【請求項3】 請求項記載の製造方法において、反応
    ガスである窒素を酸素と切り替える際に、両者の流量比
    を徐々に変える工程を含み、この工程により徐々に組成
    が変化する酸化窒化シリコン膜の形成を行うようにする
    請求項記載の透明膜付き銀複合物品の製造方法。
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