JP3016300B2 - 超音波センサを用いた減衰力切換装置 - Google Patents

超音波センサを用いた減衰力切換装置

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JP3016300B2 JP4085154A JP8515492A JP3016300B2 JP 3016300 B2 JP3016300 B2 JP 3016300B2 JP 4085154 A JP4085154 A JP 4085154A JP 8515492 A JP8515492 A JP 8515492A JP 3016300 B2 JP3016300 B2 JP 3016300B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は超音波センサを用いた減
衰力切換装置に関する。
【0002】
【従来の技術】車両の前部に超音波センサを取り付け、
この超音波センサから車両の前方下方に向かって超音波
を送信し、その反射波の強さを検出することにより前方
路面の突起を検出し、車輪が突起を乗り越えるときには
ショックアブソ−バの減衰力をソフトに切換えておくよ
うにして突起を乗り越える時の衝撃を吸収して乗り心地
を向上させるようにした超音波センサを用いた減衰力切
換装置が知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】このような超音波セン
サを用いた減衰力切換装置を搭載した車両が降雨中を走
行すると、雨滴が車両前部に取り付けられた超音波セン
サに入り込み、センサ内部に設けられた超音波振動子を
振動させ、超音波センサを誤作動させる。このため、降
雨状態では不必要にサスペンションの減衰力が長い間ソ
フトに切換えられてしまうため、操安性が悪化するとい
う問題点がある。
【0004】また、超音波センサを用いた減衰力切換装
置を搭載した車両を石畳路上を走行させた場合も、路面
を突起が常に検出され続けるためにサスペンションの減
衰力がソフトに切換え続けられ、ばね下共振に対し悪影
響を与えるという問題点がある。
【0005】本発明は上記の点に鑑みてなされたもの
で、その目的は超音波センサにより前方の路面の突起を
検出し減衰力をソフトに切換えるようにした装置におい
て、ソフトに切換えることにより操安性が悪化する状況
を自動的に検出し、その状況下ではソフトに切換えるこ
とを禁止するようにして操安性を確保するようにした超
音波センサを用いた減衰力切換装置を提供することにあ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明に係わる超音波セ
ンサを用いた減衰力切換装置は、車両の前方下方の路面
に向かって超音波信号を送信し、その反射波の強さを検
出することにより前方の路面の突起を検知して突起信号
を出力する路面突起検出手段と、車両のサスペンション
の減衰力を切換える減衰力切換えアクチュエ−タと、
記路面突起検出手段から出力される突起信号を所定時間
毎に計数し、その計数値が車速の増加に応じて漸増する
所定値を越えたとき降雨状態と判定する降雨判定手段
と、同降雨判定手段により降雨状態でないと判定された
場合には上記路面突起検出手段から出力される突起信号
を検出すると上記アクチュエ−タを作動させてサスペン
ションの減衰力をソフトに切換える切換え制御を行な
い、上記降雨判定手段により降雨状態と判定されたとき
に減衰力の切換制御を禁止する減衰力切換制御手段とを
具備したことを特徴とする。
【0007】
【作用】降雨判定手段により降雨状態でないと判定され
た場合には路面突起検出手段から出力される突起信号を
検出するとアクチュエ−タを作動させてサスペンション
の減衰力をソフトに切換える切換え制御を行ない、降雨
判定手段により降雨状態と判定されたときに減衰力の切
換制御を禁止するようにしている。
【0008】
【実施例】以下図面を参照して本発明の一実施例に係わ
る超音波センサを用いた減衰力切換装置について説明す
る。図1は超音波センサを用いた減衰力切換装置のシス
テム構成図、図2は超音波センサの取付け場所を示す車
両前部の斜視図、図3は車速に応じて変化する禁止フラ
グのセット条件及びリセット条件の閾値を示す図、図4
は動作を説明するためのタイミング図、図5は降雨判定
部の機能を示すフロ−チャ−トである。
【0009】まず、図1を参照して超音波センサを用い
た減衰力切換装置のシステム構成図について説明する。
図において、11R,11Lはそれぞれ車両の前部右
側、前部左側に取り付けられて、超音波を放射する放射
面が車両の前方下側を向いている超音波センサである。
【0010】これら超音波センサ11R,11Lは例え
ば8msec毎に超音波を前方下側に向けて送信し、路面か
らの反射波を受信する送受信部12と、この送受信部1
2で受信された反射波のレベルが所定値以上であると
“路面突起あり”と判定する突起判定部13と、判定部
13により突起が検出されると突起信号として1パルス
を出力する突起信号出力部14とから構成されている。
ここで、超音波センサ11R,11Lからそれぞれ出力
される突起信号をp1,p2と呼称する。
【0011】超音波センサ11R,11Lから出力され
る突起信号p1,p2はそれぞれコントロ−ラ15の減
衰力切換判定部17に送られる。この減衰切換判定部1
7には現在の車速を更新しながら記憶しているメモリ1
9、ロ−ル制御中フラグ,ダイブ制御中フラグ,スクワ
ット制御中フラグを記憶するメモリ20、図4に示す降
雨判定を行い降雨時には禁止フラグをセットする降雨判
定部21が接続される。そして、この減衰力切換判定部
17はメモリ19にロ−ル制御中フラグ,ダイブ制御中
フラグ,スクワット制御中フラグがセットされていな
く、しかも降雨判定部21での判定で禁止フラグがリセ
ットされていれば、突起信号p1あるいはp2の入力に
応答して減衰力を切換える判定を行なう。この減衰力切
換判定部17には減衰力切換指示部18が接続される。
この減衰力切換指示部18は減衰力切換判定部17によ
り減衰力切換判定が行われと、突起が車輪を乗り越える
タイミングを見計らって前後輪のショックアブソ−バの
減衰力をソフトに切換える指示を減衰力切換アクチュエ
−タ16に出力する。この減衰力切換アクチュエ−タ1
6により車両の前後輪のショックアブソ−バの減衰力が
ソフトあるいはハ−ドに切換えられる。
【0012】次に、上記のように構成された本発明の一
実施例の動作について説明する。超音波センサ11R,
11Lが作動されると、超音波センサ11R,11Lの
送受信部12から8msec毎に超音波が車両の前方下方に
向かって送信される。この超音波センサ11R,11L
は路面で反射された超音波を送受信部12で受信し、そ
のレベルが所定値以上であると“突起あり”と突起判定
部13で判定する。そして、突起信号出力部14はその
判定が行われる毎に突起信号p1あるいはp2をコント
ロ−ラ15に出力する。
【0013】これら突起信号p1,p2は減衰力切換判
定部17に送られる。そして、降雨判定部17は詳細な
動作を後述する図4のフロ−チャ−トに示すように10
sec毎に突起信号p1,p2の入力回数を計数し、そ
の計数値が車速に応じて可変設定される閾値PREIN
以上であれれば、降雨と判定して禁止フラグを設定
し、閾値PREOUT以下であれば禁止フラグをリセットする
処理を行う。
【0014】そして、減衰力切換判定部17は降雨判定
部21で禁止フラグがセットされていれば、突起信号p
1あるいはp2が入力されても減衰力を切換えない判定
を行なう。一方、禁止フラグがリセットされていれば、
突起信号p1あるいはp2が入力されると減衰力を切換
える判定を行ない、その判定信号を減衰力切換指示部1
8に出力する。
【0015】減衰力切換指示部18は判定信号が入力さ
れると、突起が車輪を乗り越えるタイミングを見計らっ
て前後輪のショックアブソ−バの減衰力をソフトに切換
える指示を減衰力切換アクチュエ−タ16に出力する。
このようにして、前輪あるいは後輪が突起を乗り越える
ときにはショックアブソ−バの減衰力はソフトに切換え
られているので、突起を乗り越えるときのショックを車
体に伝達されるのを抑制し、乗り心地を向上させること
ができる。
【0016】次ぎに、降雨判定部21の判定動作につい
て図のフロ−チャ−トを参照して説明する。まず、突
起信号p1あるいはp2を計数するカウンタNに“0”
がセットされ、10sec タイマがセットされてタイマの
計時動作が開始される(ステップS1,S2)。
【0017】そして、突起信号p1あるいはp2が入力
されたか判定し、入力された場合にはカウンタNを+1
し、10sec タイマに10sec が経過されるまではステ
ップS3,S4の処理が繰り返し行われ、突起信号p1
あるいはp2の計数が行われる(ステップS3〜S
5)。そして、ステップS5において「YES」、つま
り10sec タイマで10secが経過したと判定されると
10sec タイマがリセットされる(ステップS6)。
【0018】そして、禁止フラグがセットされているか
判定される(ステップS7)。このステップS7の判定
で「YES」と判定された場合には、前述のステップS
4で計数されたカウンタNの計数値が閾値PREIN 以上で
あれるか判定され、「YES」であれば禁止フラグがセ
ットされる(ステップS8,S9)。
【0019】一方、ステップS7の判定で「YES」、
つまり禁止フラグがセットされていると判定された場合
には、前述のステップS4で計数されたカウンタNの計
数値が閾値PREOUT以下であれるか判定され、「YES」
であれば禁止フラグがリセットされる(ステップS1
0,S11)。
【0020】ところで、閾値PREIN は図に示すよう
に、車速が高くなると大きくなるように設定されてい
る。これは、車速が高くなると同じ降雨状態でも超音波
センサ11R,11Lの超音波振動子に衝突する雨滴の
数が増加するためである。また、この閾値PREIN は降雨
でない状態で突起信号p1あるいはp2を計数してもそ
の計数値Nが閾値PREIN 以上とならないように設定され
ている。これは、降雨でない状態で計数値Nが閾値PREI
N 以上となると、禁止フラグがセットされてしまい、突
起を乗り越えるときに減衰力をソフトに切換える制御が
なされなくなるためである。一般に高速道路の継目など
の突起は10mに1回程度である。このため、時速12
0Km/h で走行する車両は毎秒33m走行するため、1
秒間に3個の突起を乗り越える。この突起を両センサ1
1R,11Lで検出すると10sec で60個の突起信号
を計数することになる。そこで、車速が110Km/h 乃
至120Km/h の間ではその「60」より大きい[6
1」に閾値を設定しておくことにより、降雨状態でない
状態で禁止フラグがセットされるのを防止している。な
お、他の車速領域での閾値も同様の主旨に基づいて設定
されている。
【0021】例えば、図3に示すように時刻t1で「N
≧PREIN 」であることが判定されてもまた、すぐには禁
止フラグをセットしないで、10sec タイマに10sec
が経過した時刻t2で始めて禁止フラグをセットするよ
うにしている。これは、まれに1m間隔程度で継目があ
る場合を考慮して、測定時間内の時刻t1に「N≧PREI
N 」である条件が成立してもすぐに禁止フラグをセット
しないで測定時間終了時(時刻t2)に禁止フラグをセ
ットするようにしている。つまり、1m間隔程度で継目
があると、測定時間内の早く時刻で「N≧PREIN 」であ
る条件が成立する。この時点ですぐに禁止フラグをセッ
トしてしまうと、減衰力はソフトに切換えることが禁止
されてしまい、突起を乗り越えるときの振動が車体に伝
達されて乗り心地が悪化してしまうためである。
【0022】以上のように、降雨状態での走行であると
判定された場合には、禁止フラグがセットするようにし
たので、雨滴による誤動作により突起があると判定され
てショックアブソ−バの減衰力がソフトに切換えられた
状態が継続して操安性が悪化するのを防止している。ま
た、雨滴による超音波センサの誤作動に限らず車両を石
畳路上を走行させた場合も、路面を突起が常に検出され
続けるためにサスペンションの減衰力がソフトに切換え
続けられ、ばね下共振によるストロ−ク変化が大きくな
ることを防止することができる。なお、上記実施例にお
いて超音波センサ11R,11Lは突起を検出していた
が、突起に限らず溝を検出するようにしても良い。
【0023】
【発明の効果】以上詳述したように本発明によれば、超
音波センサにより前方の路面の突起を検出し減衰力をソ
フトに切換えるようにした装置において、降雨等のよう
ソフトに切換えることにより操安性が悪化する状況を
自動的に検出し、その状況下ではソフトに切換えること
を禁止するようにしたので、操安性を向上させることが
できる超音波センサを用いた減衰力切換装置を提供する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係わる超音波センサを用い
た減衰力切換装置のシステム構成図。
【図2】超音波センサの取付け場所を示す車両の斜視
図。
【図3】車速に応じて変化する禁止フラグのセット条件
及びリセット条件の閾値を示す図。
【図4】一実施例の動作を説明するためのタイミング
図。
【図5】降雨判定部の機能を示すフロ−チャ−ト。
【符号の説明】
11R,11L…超音波センサ、15…コントロ−ラ、
16…減衰力切換えアクチュエ−タ、17…減衰力切換
判定部、21…降雨判定部。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭61−36013(JP,A) 特開 平4−59408(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B60G 23/00 B60G 17/015

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車両の前方下方の路面に向かって超音波
    信号を送信し、その反射波の強さを検出することにより
    前方の路面の突起を検知して突起信号を出力する路面突
    起検出手段と、 車両のサスペンションの減衰力を切換える減衰力切換え
    アクチュエ−タと、上記路面突起検出手段から出力される突起信号を所定時
    間毎に計数し、その計数値が車速の増加に応じて漸増す
    る所定値を越えたとき降雨状態と判定する降雨判定手段
    と、 同降雨判定手段により降雨状態でないと判定された場合
    には上記路面突起検出手段から出力される突起信号を検
    出すると上記アクチュエ−タを作動させてサスペンショ
    ンの減衰力をソフトに切換える切換え制御を行ない、上
    記降雨判定手段により降雨状態と判定されたときに減衰
    力の切換制御を禁止する 減衰力切換制御手段とを具備し
    たことを特徴とする超音波センサを用いた減衰力切換装
    置。
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