JPH05238238A - 車両用サスペンション制御装置 - Google Patents

車両用サスペンション制御装置

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JPH05238238A
JPH05238238A JP4096692A JP4096692A JPH05238238A JP H05238238 A JPH05238238 A JP H05238238A JP 4096692 A JP4096692 A JP 4096692A JP 4096692 A JP4096692 A JP 4096692A JP H05238238 A JPH05238238 A JP H05238238A
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JP
Japan
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damping force
unevenness
vehicle
wheel
value
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Withdrawn
Application number
JP4096692A
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English (en)
Inventor
Akihiko Togashi
明彦 富樫
Tadao Tanaka
忠夫 田中
Takao Morita
隆夫 森田
Hiroaki Yoshida
裕明 吉田
Hisahiro Kishimoto
尚浩 岸本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Motors Corp
Original Assignee
Mitsubishi Motors Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 車輪が凹凸を通過する際に車体に伝達される
衝撃力を緩和し、車輪が凹凸を通過後に減衰力を切り換
えることにより発生する乗り心地の悪化を防止するこ
と。 【構成】 車輪を車体に支持するサスペンションの減衰
力を変更可能な減衰力切換アクチュエ−タ12と、車両
前方における路面の凹凸の有無を検出するプレビ−セン
サ13と、車両の走行速度を検出する車速センサ16
と、車輪のストロ−ク速度を検出するストロ−ク速度検
出手段11と、各検出手段の検出出力に基づいて減衰力
切換アクチュエ−タの作動を制御するコントロ−ラ11
とを有し、同コントロ−ラ11は、上記路面検出手段に
より路面の凹凸を検出すると車速センサ16の出力に基
づいて車輪が凹凸に到達する直前時点を演算し同時点に
おいて減衰力が低下するよう減衰力切換アクチュエ−タ
12を作動させ、その後はストロ−ク速度検出手段の出
力の変動が所定値以下になったことを検知すると減衰切
換アクチュエ−タの作動を復帰させるように構成されて
いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、自動車等の車両に使用
されるサスペンション制御装置の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、例えば、特開昭61−1522号
公報に示されるもののように、非接触型の路面センサを
使用して車輪前方の路面を予見し、車輪が該凹凸を通過
するタイミングに合わせてサスペンション特性を柔らか
く変更するサスペンション制御装置が知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】この従来例において
は、路面センサで車輪前方の凹凸部を検知すると、その
検知時刻から前輪及び後輪が該凹凸部を通過する時刻を
それぞれ演算し、その通過時刻まではショックアブソ−
バの減衰力を低くしておき、その通過時刻を過ぎると直
ちにショックアブソ−バの減衰力を高くする制御を時間
管理下で行なっている。
【0004】このように制御することにより、車輪が凸
部に乗り上げる際には、車体に伝達される衝撃力を緩和
し、車輪が凸部を乗り上げた直後に車体に生じる揺動を
抑制するようにしている。しかし、車輪が凸部を乗り越
えた直後は、周波数が高いばね下振動が発生し、その後
周波数が低いばね上振動が発生する。
【0005】従って、単純に車輪が凸部を乗り上げる通
過時刻直後にショックアブソ−バの減衰力を高く切換え
ると、ばね下振動が発生しているときにショックアブソ
−バの減衰力を高くしてしまい、ショックアブソ−バの
減衰力を切り換える際に切換えショックが発生し、乗心
地が悪化するという問題点がある。
【0006】また、ショックアブソ−バの減衰力の切換
えをばね上振動が発生してから行なうと、その切換えま
でに車体がフワフワ振動する、いわゆるフワフワ感が生
じて乗り心地が悪くなるという問題が生じる。
【0007】本発明の上記の点に鑑みてなされたもの
で、その目的は車輪前方の凹凸を検知すると、車輪が凹
凸に到達する直前時点を演算し、その時点でショックア
ブソ−バの減衰力を低下させ、その後ばね下振動からば
ね上振動に切替わる時点を検知して、減衰力を高するこ
とにより、車輪が凹凸を通過する際に車体に伝達される
衝撃力を緩和し、車輪が凹凸を通過後に減衰力を切り換
えることにより発生する乗り心地の悪化を防止すること
ができる車両用サスペンション制御装置を提供すること
にある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明に係わる車両用サ
スペンション制御装置は車輪を車体に支持するサスペン
ションの減衰力を変更可能な減衰力変更手段と、車両前
方における路面の凹凸の有無を検出する路面凹凸検出手
段と、車両の走行速度を検出する車速検出手段と、上記
車輪のストロ−ク速度を検出するストロ−ク速度検出手
段と、上記各検出手段の検出出力に基づいて上記減衰力
変更手段の作動を制御する制御手段とを有し、同制御手
段は、上記路面検出手段により路面の凹凸を検出すると
上記車速検出手段の出力に基づいて上記車輪が上記凹凸
に到達する直前時点を演算し同時点において上記減衰力
が低下するよう上記減衰力変更手段を作動させ、その後
は上記ストロ−ク速度検出手段の出力の変動が所定値以
下になったことを検知すると上記減衰力変更手段の作動
を復帰させるように構成されていることを特徴とする。
【0009】
【作用】路面凹凸検出手段により車両前方の路面の凹凸
を検出すると、車輪が凹凸に到達する直前時点を演算
し、その時点で減衰力を低下させ、その後ストロ−ク速
度検出手段の出力変動が所定値以下となったとき(つま
り、ばね下振動からばね上振動に切換わるとき)に減衰
力を元の状態に戻すようにしている。このようにして、
減衰力を元に戻した際に発生する乗心地の悪化を低減し
ている。
【0010】
【実施例】以下図面を参照して本発明の一実施例に係わ
る車両用サスペンション制御装置について説明する。図
1は本発明の一実施例に係わるシステム構成図、図2は
プレビュ−センサを使用した突起乗り越し検出の原理
図、図3は同制御装置の制御内容を示すフロ−チャ−ト
の一部を示す図、図4は同制御装置の制御内容を示すフ
ロ−チャ−トの一部を示す図、図5は割り込み処理によ
り行われるサスペンションのストロ−ク速度の絶対値の
ピ−ク値を保持するピ−クホ−ルド処理を示すフロ−チ
ャ−ト、図6は減衰力の切換え動作を説明するためのタ
イミング図である。
【0011】図1において、11は本制御装置を統括し
て制御するマイクロコンピュ−タを中心にして構成され
たコントロ−ラであり、図3乃至図5のフロ−チャ−ト
に示す制御手段等を有する。このコントロ−ラ11には
減衰力切換アクチュエ−タ12が接続される。この減衰
力切換アクチュエ−タ12は各輪毎のサスペンションユ
ニットに設けられたショックアブソ−バの減衰力をノ−
マル、ソフトの2段階に切換えるためのアクチェエ−タ
であり、その切換えはコントロ−ラ11からの切換信号
により制御される。
【0012】このコントロ−ラ11には車両前方の路面
に突起があることを検出するプレビュ−センサ13の検
出出力、各車輪毎に設けられサスペンションのストロ−
ク値Stn を検出するストロ−クセンサ14、車体に作用
する上下方向の加速度を各車輪毎に対応して検出するば
ね上Gセンサ15の検出出力、車両の走行速度を検出す
る車速センサ16の検出出力が入力される。コントロ−
ラ11はこれらセンサの検出出力に基づいて減衰力切換
アクチュエ−タ12に切換信号を出力する。なお、プレ
ビュ−センサ13としては、超音波センサを車体前方で
且つ下方に傾斜して配置したものが左右輪毎に設けられ
ている。
【0013】次ぎに、図3乃至図6のフロ−チャ−トを
参照しながら動作について説明する。先ずステップS1
において、初期設定としてカウンタN及び各フラグA〜
Dが0に設定され、続くステップS2では各センサ13
〜16の出力が読み込まれる。その後はステップS3に
進んでプレビューセンサ13の出力から車両前方に突起
あるいは段差(以下、単に突起と記載)があるか否かが
判別され、突起がないと判別された場合はステップS4
でカウンタNが0であるか否かが判別されるが、最初は
カウンタNが0であるので、この場合はステップS2に
戻る。
【0014】一方、前述のステップSにおいて突起があ
ると判別されると、ステップS5に進む。ステップS5
ではカウンタNが0であるか否かが判別されるが、最初
はカウンタNが0であるのでステップS6に進んで車速
センサ32の出力に基づいて車輪が路面の突起に到達す
る直前時点までの遅延時間T0 が演算される。すなわ
ち、この遅延時間T0 は、図2に示すように、車両前方
の路面に存在する突起と車輪までの距離(前輪の場合は
L、後輪の場合はL′)と、車速センサ34から検出さ
れる車速Vとから演算されるものである。この場合、プ
レビューセンサ13は車体前方の所定距離における突起
の有無を検出するものとなっており、上記のL値は固定
値となる。そして、ステップS6で車輪が突起に達する
直前時点までの遅延時間T0 が演算された後は、ステッ
プS7に進んでフラグAが1に設定され、続くステップ
S8ではタイマT1 がリセットされる。そしてステップ
S9に進むとカウンタNの値に1が加算され、最初はカ
ウンタNは0であるのでカウンタNは1になる。ステッ
プS9を経過するとステップS10に進んで、タイマT
1 の記憶値に演算周期INTが加算されてタイマT1 の
値が書き換えられる。続くステップS10においては、
タイマT1 の計数値が前述のステップS6で演算された
遅延時間T0 以上か否かが判別され、タイマT1 の値が
T0 に満たない場合はステップS2に戻る。
【0015】上記処理を経てステップS2に戻った後、
プレビューセンサ13が突起の存在を検出し続けていた
場合には、ステップS3からステップS5に進むが、カ
ウンタNは1となっているので、ステップS12に進み
フラグAが0か否かが判別される。この場合は前述のス
テップS7においてフラグAは1となっているので、前
述のステップS10,11の処理が行われる。
【0016】更に、タイマT1 の値がT0 に達する前
に、プレビューセンサ13からの突起の検出信号が無く
なると、ステップS3からステップS4に進むが、この
時カウンタNは1となっているので、ステップS13に
進んでフラグAを0に設定した後、前述のステップS1
0,11の処理が行われる。
【0017】また、タイマT1 の値がT0 に達する前
に、プレビューセンサ13からの突起の検出信号が一旦
無くなった後に検出信号が再び発生したとすると、ステ
ップS3,5を経てステップS12に進んでフラグAが
0か否かが判別されるが、この時は前述のステップS1
3でフラグAは0となっているので、ステップS14に
進んでフラグAが1に設定される。その後は前述のステ
ップS9にてカウンタNに1が加算されてカウンタNが
2となった後、前述のステップS10,11の処理が行
われる。
【0018】そして、タイマT1 の値がT0 に達するま
では上記の処理が繰り返されることになるが、新しい突
起が検出されるたびにカウンタNが増加し、カウント値
Nの値は車両前方に存在する突起の数のカウント値とな
る。なお、フラグAは同じ突起を何度もカウンタしない
ために設けられるものである。
【0019】プレビューセンサ13により最初の突起が
検出されてからの経過時間T1 が、車輪が突起に到達す
る時間T0 に達すると、コントロ−ラ11から減衰力切
換アクチュエ−タ12に切換信号が出力されて、サスペ
ンションの減衰特性が柔らかくなり、突起乗り越し時の
振動吸収特性が効率良く向上する。
【0020】ステップS15の経過後は、ステップS1
6でサスペンションの減衰特性がソフトであることを表
すフラグBが1であるか否かが判別され、最初は0であ
るのでステップS17に進んでフラグBが1に設定され
る。続くステップS18では、カウンタNに1が加算さ
れ、これによりカウンタNの値は通過することが予測さ
れる突起数より1多い数となる。その後は、ステップS
19にてタイマT2 がリセットされ、ステップS19の
経過後及び前述のステップS16にてフラグBが1であ
ると判別された場合は、ステップS20にてタイマT2
の記憶値に演算周期INTが加算されてタイマT2 の値
が書き換えられる。タイマT2 はサスペンションの減衰
特性をソフトに保持する保持時間を計数するためのもの
であり、ステップS20の経過後は、ステップS21に
おいて、タイマT2 の計数値が予め設定される最大連続
開放時間Tmax (0.5秒程度)より大きいか否かが判
別される。
【0021】最初はタイマT2 の計数値はTmax より小
さいので、ステップS21からステップS22に進み、
カウンタNの値が1であるか否かが判別されるが、ステ
ップS9,18の処理によって最初はカウントNの値が
2以上となっているので、ステップS23に進む。ステ
ップS23ではばね上Gセンサ15で検出される上下G
の値が所定値G0 以上であるか否かが判別され、G0 以
上の時すなわち車輪8が突起を通過して車体に所定以上
の振動が発生したときには、ステップS24に進んで、
フラグDが1であるか否かが判別される。この場合、最
初はフラグDが0であるのでステップS25に進んでフ
ラグDを1に設定した後、ステップS26においてカウ
ンタNの値から1が減算され、ステップS2に戻る。ま
た、上下Gの値が上記所定値G0 以上である状態のま
ま、再びステップS24に至った場合は、既にフラグD
は1となっているので、そのままステップS2に戻り、
ステップS26における減算は実行されない。更に、上
下Gの値が所定値G0 以上でない場合は、スステップS
23からステップS27に進んでフラグDが0に設定さ
れてステップS2に戻るので、その後再び上下Gの値が
所定値G0 以上になるとステップS26におけるカウン
トNの減算が実行されることになる。
【0022】このように、ステップS23〜27の処理
によると、車輪が突起を乗り越して車体に所定値G0 以
上の上下Gが発生する度にカウンタNの値が減算される
ことになるので、プレビューセンサ33により検出した
数だけの突起を乗り越すとカウントNの値は1になるこ
とになる。
【0023】そして、カウントNの値が1になると、ス
テップS22からステップS28に進んでフラグCが1
であるか否かが判別され、最初は0であるのでステップ
S29にてフラグCが1に設定される。
【0024】ステップS30において、サスペンション
のストロ−ク量Stn を微分しその絶対値のピ−クホ−ル
ド値Vphが所定値Vpc以下か判定される。このピ−クホ
−ルド値Vphは後述する図5のフロ−チャ−トに示すよ
うに、所定時間毎に求められている。そして、ピ−クホ
−ルド値Vphが所定値Vpcより大きい場合には、ステッ
プS2に戻るが、図6に示すようにそのピ−クホ−ルド
値Vphが所定値Vpc以下となると、ステップS33に進
んで、サスペンションの減衰力をノ−マルに戻され、車
体の振動の収れん性が高められる。つまり、車体のばね
下振動がばね上振動に切換わるときに、ピ−クホ−ルド
値Vphが所定値Vpcに等しくなるように所定値Vpcを設
定しておくことにより、サスペンションの減衰力のノ−
マルへの切換えを車体のばね下振動がばね上振動に切換
わるときに行うことができる。このため、ばね下振動中
に減衰力を切換えることによる切換えショックやばね上
振動が起こってから減衰力をソフトに切換えるまでに発
生するフワフワ感を防止することができる。
【0025】そして、ステップS33の経過後は、ステ
ップS34において、初期設定と同様にカウンタN及び
各フラグA〜Dが0に設定されて、前述のステップS2
以降の処理が繰り返される。
【0026】ところで、所定時間の割込み処理により、
図5に示したピ−クホ−ルド処理が実行される。まず、
ストロ−クセンサ14から出力されるサスペンションの
ストロ−ク値Stn がコントロ−ラ11に読み込まれ、前
回のストロ−ク値St(n−1)との差をサンプリング時
間tsで割算することによりストロ−ク速度Vpnが演算
される。そして、ストロ−ク速度Vpnの絶対値が求めら
れ、ストロ−ク速度の絶対値|Vpn|を微分値G′の符
号が「+」から「−」に変化すると、前回のストロ−ク
速度Vp (n−1)の絶対値をピ−クホ−ルド値Vphと
して更新記憶する。一方、ストロ−ク速度Vの絶対値|
Vpn|を微分値G′が「−」から「+」に変化した場合
にはピ−クホ−ルド値Vphの更新は行われない。従っ
て、ストロ−ク速度Vpが図6に示すように変化する
と、ピ−クホ−ルド値Vphはステップ状に減衰していく
ことになる。
【0027】また、ステップS30を経由する処理は、
車輪が実際に突起を乗り越して所定以上の上下Gが発生
しカウンタNが1にならないと実行されないが、実際の
走行状態においてはプレビューセンサによる誤検出や、
進路の変更により実際には突起を乗り越さない場合もあ
るので、前述の最大連続開放時間Tmax が設定されてい
る。このため、サスペンションの減衰力をソフトに切換
えてからTmax 時間以内に上記ステップS30を経由す
るサスペンションの減衰力をノ−マルに戻す制御が実行
されなければ、前述のステップS21においてタイマT
2 の値がTmax以上であると判別されて、ステップS2
1からステップS33に直接進むことにより、強制的に
サスペンションの減衰力がノ−マルに戻される。
【0028】このように、突起が車両前方の路面に存在
することを検出してからT0 時間後(車輪8の突起通過
時)にサスペンションの減衰力がソフトに切換えられ
る。これにより、高周波振動に対する減衰力は大幅に小
さくなると同時に車体への振動伝達力も小さくなるの
で、突起乗り越し時の突き上げ感を大幅に低減すること
ができる。
【0029】また、車輪が突起を乗り越してG0 以上の
上下加速度が発生した後、ピ−クホ−ルド値Vphが所定
値Vpc以下になると、減衰力が増大することから、突起
乗り越し後の振動を効率良く収束することができる。つ
まり、車体のばね下振動がばね上振動に切換わるとき
に、ピ−クホ−ルド値Vphが所定値Vpcに等しくなるよ
うに所定値Vpcを設定しておくことにより、サスペンシ
ョンの減衰力のノ−マルへの切換えを車体のばね下振動
がばね上振動に切換わるときに行うことができる。この
ため、ばね下振動中に減衰力を切換えることによる切換
えショックやばね上振動が起こってから減衰力をソフト
に切換えるまでに発生するフワフワ感を防止することが
できる。
【0030】また、誤検出等により突起を通過しなかっ
た時の対策として最大開放継続時間Tmax が設定してあ
り、サスペンションの減衰力をソフトに保持する継続時
間がTmax を越えると強制的にサスペンションの減衰力
はノ−マルに戻されるようになっている。
【0031】上記実施例によれば、車両前方の突起等を
検出して突起等の通過時に事前にサスペンションの減衰
力を低下させることができるので、突起等の通過時に車
体に発生する振動を低減できるし、突起等の通過を直接
的に検知して減衰力の高めるものであるので、突起等の
通過後に比較的早く減衰力の高めることができ車体振動
の収れん性を向上して安定性が向上する効果を奏する。
【0032】すなわち、プレビューセンサ33の出力は
サスペンションの減衰力をソフトに切換えるタイミング
に関して使用されているため、比較的誤差が大きくても
突起等の通過時より前にサスペンションの減衰力をソフ
トにさせさえすれば特に大きな問題はなく検出距離を長
く設定して制御可能な車速領域を拡大することが可能で
あるし、サスペンションの減衰力をノ−マルに戻すタイ
ミングをピ−クホ−ルド値Vphに基づいて設定している
ので突起等の通過後における車体振動の収れん性を確実
に向上できる利点がある。
【0033】さらに、サスペンションの減衰力をソフト
に保持する最大開放継続時間Tmaxを設定しているの
で、上記のような設定を用いても誤検出時などに大きな
不都合が発生することなく信頼性に優れる利点がある。
【0034】なお、本発明は上記実施例に何ら限定され
るものではなく、図7に示すような油圧サスペンション
の減衰力切換についても同様に実施できる。図7におい
て、オイルポンプ21は油路22を介してリザ−ブタン
ク23内に貯留されるオイルを吸入して供給油路24に
オイルを吐出するように設けられている。供給油路24
にはオイルフィルタ29及びチェック弁30が介装され
ており、チェック弁30は下流側から上流側へのオイル
の流れを禁止するものとなっている。供給油路24のチ
ェック弁20下流にはライン圧保持用のアキュ−ムレ−
タ31が接続されており、アキュ−ムレ−タ31の下流
側には、サスペンションユニット32が接続されてい
る。図7には1つのサスペンションユニット32を代表
して示したが、サスペンションユニット32は各車輪毎
に設けられるものとなっており、各サスペンションユニ
ットにはリザ−ブタンク23に連通される排出油路26
も接続されている。
【0035】各サスペンションユニット32は、同一構
造を有するものとなっており、車体27と車輪28との
間にはサスペンションスプリング33と単動型の油圧ア
クチュエ−タ34とが設けられ、油圧アクチュエ−タ3
4の油圧室35に連通する油路36と供給油路24及び
排出油路26との間に介装された制御バルブ37により
油圧アクチュエ−タ34の油圧室35への油圧の給排が
制御されるものとなっている。制御バルブ37は、供給
油路24側から排出油路26側に流出するオイル流量を
制御することにより油圧アクチュエ−タ34に作用する
圧力を制御し、供給される電流値に応じて弁開度が制御
される。このため、この制御バルブ37は供給される電
流値に比例して油圧アクチュエ−タ34内の圧力を制御
できるものとなっており、供給される電流値が大きいほ
ど油圧アクチュエ−タ34の発生する支持力が増大する
ものとなっている。
【0036】また、油圧アクチュエ−タ34の油圧室に
連通する油路35には第1オリフィス39を介してアキ
ュ−ムレ−タ40が接続されており、第1オリフィス3
9により振動減衰効果が発揮されると共に、アキュ−ム
レ−タ40内にはガスが封入されてガスばね作用を発揮
するものとなっている。更に、アキュ−ムレ−タ40と
油路35との間には、第1オリフィス39と並列に第2
オリフィス41が設けられており、この第2オリフィス
41とアキュ−ムレ−タ40との間には切換バルブ42
が設けられ、第2オリフィス41とアキュ−ムレ−タ4
0との連通及び遮断を切換えることにより減衰力の切換
えを可能とするものとなっている。
【0037】制御バルブ37及び切換バルブ42の作動
は、マイクロコンピュ−タにより構成されるコントロ−
ラ50により制御される。このコントロ−ラ50は制御
バルブ37の作動を制御することにより油圧アクチュエ
−タの支持力を制御して能動的なサスペンション作動を
行なわせるほか、切換バルブ42に対しては図1のコン
トロ−ラ11と同じ機能を有しているもので、切換バル
ブ42の制御に関する各センサ13〜16の役割も図1
と同じである。また、このほか本発明の要旨を逸脱しな
い範囲内で種々の変形実施が可能であることは言うまで
もない。
【0038】
【発明の効果】以上詳述したように本発明によれば、車
輪前方の凹凸を検知すると、車輪が凹凸に到達する直前
時点を演算し、その時点でショックアブソ−バの減衰力
を低下させ、その後ばね下振動からばね上振動に切替わ
る時点を検知して、減衰力を高することにより、車輪が
凹凸を通過する際に車体に伝達される衝撃力を緩和し、
車輪が凹凸を通過後に減衰力を切り換えることにより発
生する乗り心地の悪化を防止することができる車両用サ
スペンション制御装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係わるシステム構成図。
【図2】プレビュ−センサを使用した突起乗り越し検出
の原理図。
【図3】同制御装置の制御内容を示すフロ−チャ−トの
一部を示す図。
【図4】同制御装置の制御内容を示すフロ−チャ−トの
一部を示す図。
【図5】割り込み処理により行われるサスペンションの
ストロ−ク速度の絶対値のピ−ク値を保持するピ−クホ
−ルド処理を示すフロ−チャ−ト。
【図6】減衰力の切換え動作を説明するためのタイミン
グ図。
【図7】本発明の変形例を示す構成図。
【符号の説明】
11…コントロ−ラ、12…減衰力切換アクチェエ−
タ、13…プレビュ−センサ、14…ストロ−クセン
サ、15…ばね上Gセンサ、16…車速センサ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 吉田 裕明 東京都港区芝五丁目33番8号 三菱自動車 工業株式会社内 (72)発明者 岸本 尚浩 東京都港区芝五丁目33番8号 三菱自動車 工業株式会社内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車輪を車体に支持するサスペンションの
    減衰力を変更可能な減衰力変更手段と、車両前方におけ
    る路面の凹凸の有無を検出する路面凹凸検出手段と、車
    両の走行速度を検出する車速検出手段と、上記車輪のス
    トロ−ク速度を検出するストロ−ク速度検出手段と、上
    記各検出手段の検出出力に基づいて上記減衰力変更手段
    の作動を制御する制御手段とを有し、同制御手段は、上
    記路面検出手段により路面の凹凸を検出すると上記車速
    検出手段の出力に基づいて上記車輪が上記凹凸に到達す
    る直前時点を演算し同時点において上記減衰力が低下す
    るよう上記減衰力変更手段を作動させ、その後は上記ス
    トロ−ク速度検出手段の出力の変動が所定値以下になっ
    たことを検知すると上記減衰力変更手段の作動を復帰さ
    せるように構成されていることを特徴とする車両用サス
    ペンション制御装置。
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