JP2882004B2 - 車両用アクティブサスペンション装置 - Google Patents

車両用アクティブサスペンション装置

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JP2882004B2
JP2882004B2 JP21872990A JP21872990A JP2882004B2 JP 2882004 B2 JP2882004 B2 JP 2882004B2 JP 21872990 A JP21872990 A JP 21872990A JP 21872990 A JP21872990 A JP 21872990A JP 2882004 B2 JP2882004 B2 JP 2882004B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) この発明は、車輪から車体への振動伝達を抑制し、乗
り心地を向上させた車両用アクティブサスペンション装
置に関する。
(従来の技術) この種のアクティブサスペンション装置は、車体と各
車輪との間の夫々に油圧支持手段、つまり、油圧シリン
ダからなる油圧アクチュエータを介装し、主として、こ
れら油圧アクチュエータが発生する油圧でもって、車体
を支持するようにしている。従って、上述したように車
体を油圧アクチュエータを介して支持していれば、車体
の姿勢変化に対応し、この車体の姿勢変化を打ち消すよ
うに各油圧アクチュエータの油圧を制御することで、車
体の上下変動を抑制し、その乗り心地を向上しようとす
るものである。
従来、この油圧アクチュエータの油圧を、ばね上上下
Gセンサ(ばね上加速度検出手段)が検出する車体の上
下加速度を一階積分し、この積分値(単純にセンサ値を
積分すると低周波数域でゲインが無限大となり、センサ
出力中のDC成分の影響で、車体が振動する不都合が生じ
るので、実際には一次遅れ要素処理される)に応じて制
御する、所謂「スカイフックダンパ制御」が知られてい
る。この従来の制御方法では、ばね上共振周波数近傍の
振動を効果的に抑制することができる。
(発明が解決しようとする課題) このような従来の「スカイフックダンパ制御」では、
制御バルブ等には応答遅れがあるため、ばね上共振周波
数以上の周波数帯域では振動減衰効果が得られず、乗り
心地の改善がいま一つ得られないという問題がある。
そこで、ばね上共振周波数近傍では、従来どおり車体
の上下速度に応じ、また、共振周波数により大の周波数
帯域では、ばね上上下加速度に比例して油圧制御量を決
定することにより、低周波数域から高周波数域まで広い
範囲に亘って振動伝達特性を改善することを提案するこ
とができる。
しかしながら、このようなアクティブサスペンション
装置の導入によって、車体の上下方向の振動は良好に制
御することができるようになるが、突起乗り越し時や舗
装の継ぎ目走行時に発生する衝撃的な振動を充分に抑制
することができない。
本発明はこのような問題を解決するためになされたも
ので、突起等の乗り越し時に発生する衝撃的な振動に対
して、最適に油圧制御できるように図った車両用アクテ
ィブサスペンション装置を提供することを目的とする。
(課題を解決するための手段) 上記の目的を達成するために、本発明の車両用アクテ
ィブサスペンション装置は、車体と各車輪との間に夫々
介装され、車体を支持する油圧支持手段と、各車輪に対
応する部位での車体の上下速度を検出し、上下速度と第
1の制御ゲインから決定される油圧制御量に基づき、各
油圧支持手段への油圧の給排を制御して車輪から車体へ
の振動伝達を抑制する油圧制御手段とを備えた車両用ア
クティブサスペンション装置において、各車輪に対応す
る部位での車体の上下加速度を検出するばね上加速度検
出手段と、車両前方の振動入力物体を検出する振動入力
検出手段とを備え、前記油圧制御手段は、前記振動入力
検出手段が振動入力物体を検出しないとき、前記車体の
上下速度と第1の制御ゲインから決定される油圧制御量
に、前記ばね上加速度検出手段が検出した車体の上下加
速度に応じて位相進み補正を加え、補正した第1の油圧
制御量に基づき、各油圧支持手段への油圧の給排を制御
する一方、振動入力検出手段が振動入力物体を検出した
とき、前記第1の油圧制御量に、前記車体の上下加速度
と第2の制御ゲインから決定される油圧制御量を加えて
第2の油圧制御量を求め、この第2の油圧制御量に基づ
き、各油圧支持手段への油圧の給排を制御することを特
徴とする。
(作用) 上述のアクティブサスペンション装置によれば、油圧
制御手段は、振動入力検出手段が突起等の振動入力物体
を検出したとき、ばね上共振周波数近傍では車体の上下
速度に応じ、また、共振周波数より大の周波数帯域で
は、ばね上上下加速度に比例して油圧制御量を決定し油
圧制御するので、低周波数域から高周波数域まで広い範
囲に亘って振動伝達特性が改善される。
また、油圧制御手段は、振動入力検出手段が突起等を
検出したとき、上記油圧制御量に、ばね上上下加速度と
等価的に車体質量を増加させるべく設定した制御ゲイン
とから決定される油圧制御量を、加算して油圧制御する
ので、車輪が突起等を乗り越すときに、振動伝達特性が
更に改善されて車体の上下変動が抑制される。
(実施例) 以下、本発明の一実施例を図面に基づいて詳細に説明
する。
第1図は、自動車の油圧アクティブサスペンション装
置の構成を示す。この図には、各輪、すなわち、左右前
輪及び左右後輪の夫々に設けられる油圧支持手段として
のサスペンションユニット12が示されており、このサス
ペンションユニット12のサスペンションスプリング13及
び単動型の油圧シリンダからなる油圧アクチュエータ14
は、車体7と車輪8との間に介装されている。尚、第1
図には、1つの車輪と組み合わされるサスペンションユ
ニットが代表して図示されている。
サスペンションユニット12の制御バルブ17は、油圧ア
クチュエータ14の油圧室15に連通する油路16と、後述す
る供給油路4及び排出油路6との間に介装されている。
油路16の途中には、分岐路16aの一端が接続されてお
り、分岐路16aの他端には、アキュムレータ20が接続さ
れている。アキュムレータ20内にはガスが封入されてお
り、ガスの圧縮性により、所謂ガスばね作用が発揮され
る。そして、分岐路16aの途中には絞り19が配設されて
おり、この絞り19は、アキュムレータ20と油圧アクチュ
エータ14の油圧室15との間を流れる作動油の油量を規制
し、これにより、所望の振動減衰効果が発揮される。
前述した供給油路4の他端は、オイルポンプ1の吐出
側に接続されており、オイルポンプ1の吸い込み側は、
油路2を介してリザーブタンク3内に連通している。従
って、オイルポンプ1が駆動されると、リザーブタンク
3内に貯留されている作動油は、供給油路4側に吐出さ
れる。供給油路4には、オイルポンプ1側から順にオイ
ルフィルタ9、チェックバルブ10及びライン圧保持用の
アキュムレータ11が配設されている。チェックバルブ10
は、オイルポンプ1側からサスペンションユニット12側
に向かう作動油の流れのみを許容するものであり、この
チェックバルブ10によりアキュムレータ11内に高圧の作
動油を蓄えることができる。
制御バルブ17は、供給される電流値に比例して、その
弁開度を変化させるタイプのものであり、この弁開度に
応じて、供給油路4側と排出油路6側との間での油量の
給排、つまり、油圧アクチュエータ14に対する油圧の給
排を制御することができる。そして、制御バルブ17に供
給される電流値が大である程、油圧アクチュエータ14内
の油圧、即ち、その発生する支持力が増大するように構
成されている。制御バルブ17から排出油路6側に排出さ
れる作動油は、前述したリザーバタンク3に戻される。
制御バルブ17は、油圧制御手段を構成するコントロー
ラ30の出力側に電気的に接続され、コントローラ30から
の駆動信号により、その作動が制御されるようになって
いる。それ故、コントローラ30の入力側には、各種のセ
ンサが夫々接続されており、これらセンサには、車体7
に取付けられ、車体7に作用する横加速度を検出する横
Gセンサ31、各車輪の部位での車体7に取付けられ、車
体7の上下加速度を検出するばね上上下Gセンサ32と、
自動車のステアリングハンドル(図示しない)のハンド
ル角を検出するハンドル角センサ33と、自動車の走行速
度、即ち、車速を検出する車速センサ34と、車両前方の
路面の突起等を検出し、突起等の大きさに応じた出力信
号値を出力するプレビューセンサ35(振動入力検出手
段)等がある。ここで、第1図においては、1個の上下
Gセンサ32のみを代表して示してある。また、各車輪の
部位の車体7の上下加速度を夫々検出するにあたって
は、各車輪毎に上下Gセンサ32を配置しなくとも、3個
の上下Gセンサ32のみを配置するだけでもよい。即ち、
上下Gセンサ32が配置されていない車輪の部位の車体7
の上下加速度は、車体7が剛体と見做せるから、3個の
上下Gセンサ32からの上下加速度に基づいて算出するこ
とができる。
また、上下Gセンサ32は、本実施例では、ばね上加速
度を検出するために使用されると共に、その検出値を積
分して車体の上下速度を検出するためにも使用される。
なお、プレビューセンサ35としては、例えば、超音波
センサが使用され、このセンサ35は、車体前部に、車体
前方で且つ斜め下方に向けて取付けられる。(第2図参
照)。
さて、前述した制御バルブ17は、詳細は後述するよう
に、各センサの検出信号に基づき、コントローラ30によ
ってその作動が制御され、これにより油圧アクチュエー
タ14への油圧の給排が制御される。そして、この油圧ア
クチュエータ14への油圧の給排制御と相まって、路面か
ら車体に入力される振動は、油圧アクチュエータ14の油
圧室15が絞り19を介してアキュムレータ20に連通してい
ることにより、吸収且つ減衰されるようになっている。
次に、突起乗り越し等の衝撃力の入力がない通常走行
時に、コントローラ30により制御されるサスペンション
ユニット12の作動、つまり、制御バルブ17の作動による
車両の乗り心地制御に関し、第3図に示す1輪モデルに
ついて説明する。
いま、タイヤから車体に作用する制御力をFとし、こ
の制御力をばね上上下速度(上下Gセンサ32にから得ら
れる上下加速度の1階積分)のKV倍、ばね上上下加速度
のKG倍により発生させると仮定し、ばね定数をk、減衰
力をc、車体質量をMとすると、第3図に示すモデルの
運動方程式は以下のように表される。
M=−k(x−xin)−c(−in)+F ……(1) F=−KV −KG ……(2) (1)および(2)式から、下記(3)式が得られ
る。
(M+KG)+(c+KV)−cin)+k(x−
xin)=0 ……(3) ここに、xは車体7の変位量、xinは車輪8の変位量
である。
(3)式の左辺第1項に注目すると、あたかも車体質
量MがKGだけ増加したと見なすことができ、車体の質量
をその分増加させたと同じ効果があるので、ばね上上下
速度に比例させて油圧を制御する「スカイフックダンパ
制御」に対比させて「マスインクリース制御」と呼ぶこ
とができる。
上記(3)式をラプラス変換し、制御の安定性を考慮
すると、ばね上上下Gセンサ32からの信号に基づく各輪
の油圧制御量の演算手順は、第4図の30eで囲まれるブ
ロック線図に示す等価回路で表わすことができる。
すなわち、ばね上上下Gセンサ32が検出する車体7の
上下加速度は1次遅れ要素回路30aにおいて積分され、
この積分値は位相進み補償回路30bにおいて位相進み補
正される。そして、このように補正された値に制御ゲイ
ンKが乗算されて油圧制御量が求められる。
第4図に示す1次遅れ要素回路30aおよび位相進み補
償回路30bで構成される信号処理ブロック30dにおける周
波数特性は、第5図に示される。同図により明らかなよ
うに、ばね上共振周波数より低い周波数域および高い周
波数域において、いずれの周波数域での特性を悪化させ
ることなく、ゲインを下げることができ、また、ばね上
共振周波数の位相を進めたことにより、共振周波数より
高い周波数域におけるゲイン低下が著しい。このため、
通常走行時の振動伝達率(x/xin;dB)は、第8図に示す
ように、従来の単なる「スカイフックダンパ制御」に比
べ、位相を進ませた分だけ改善されており、高周波数域
における車輪から車体への振動伝達が抑制されることに
なる。
このように、コントローラ30により、ばね上上下加速
度および上下速度に応じ、油圧アクチュエータ14内の油
圧が増減圧制御される。油圧アクチュエータ14内の油圧
の増圧は、結果的に車体7の沈み込みに対する抵抗とな
り、車体7を水平に維持することとなる。これに対し、
油圧アクチュエータ14内の油圧の減圧は、結果的に車体
7の浮き上がりを低減することになる。
そして、1次遅れ要素回路30aのT1値を適宜に設定す
ると、このT1値に応じたカットオフ周波数(例えば、0.
2Hz)が設定され、このカットオフ周波数以下のゲイン
を低減させることができる。また、位相進み補償回路30
bのT2値およびβ値を適宜に設定すると、これらの値に
応じたカットオフ周波数(例えば、3.0Hz)が設定さ
れ、このカットオフ周波数以上のゲインを低減させるこ
とができるのである。
このように、所謂「スカイフックダンパ制御」に「マ
スインクリース制御」が加味され、ばね上共振周波数以
上の周波数域で、等価的にばね上質量を増加させる効果
が得られ、通常走行時においては、この領域での車輪か
ら車体に伝達される振動を抑制することができる。
次に、突起等乗り越し時のような衝撃力が入力する場
合の、コントローラ30による制御バルブ17の油圧制御
(プレビュー制御)を、第4図,第6図,第7図および
第8図を参照して説明する。
第6図によると、まずコントローラ30は、プレビュー
センサ35の信号値を常時監視しており、検出された超音
波反射波の出力信号値を読み込む(ステップS10)。
そして、プレビューセンサ35の出力信号値から、突起
等の振動入力物体の検出を示すプレビュー制御信号の出
力(第7図参照)があるか否かを判別する(ステップS1
2)。
ステップS12の判別結果が否定(No)の場合は、ステ
ップS10,S12が繰り返される。
ステップS12の判別結果が肯定(Yes)の場合は、次の
ステップS14に進み、遅延時間T1が演算される。
T1=(L1+L2)/V …(1) T1=(L1+L2+Lw)/V …(2) ここに、(1)式は前輪に対する遅延時間を求めるも
のであり、(2)式は後輪に対する遅延時間を求めるも
のである。L1はセンサ35と検出される突起等間の最小検
出距離、L2はセンサ35と前輪間の距離、Lwは車輪間距離
(ホイールベース)、Vは車速センサ34により検出され
る車速である(第2図参照)。
次に、ステップS16に進み、遅延タイマおよび保持タ
イマを、タイマ値T1および後述するタイマ値T2に各々セ
ットして、こをスタートする。
この遅延タイマは、前述のステップS14で設定した遅
延時間T1をカウントするためのもので、このタイマは、
前輪用および後輪用にそれぞれ用意されている。又、保
持タイマも前輪用および後輪用にそれぞれ準備されてお
り、セットされるタイマ値T2は次式(3)により演算さ
れる。
T2=T1+T0 …(3) ここにT0は、制御バルブ17を、後に詳述する突起等の
乗り越しのために必要な油圧制御状態に保持しておくた
めの保持時間であり、例えば、0.1secに設定される。
又、T1は前式(1)又は(2)により演算された遅延時
間である。
なお、遅延タイマと保持タイマは、いずれもセットさ
れたタイマ値までカウントアップするとオン信号を出力
するアップカウンタである。
次に、ステップS18に進み、上述の遅延タイマがセッ
トされたタイマ値T1までカウントアップしたか否かを判
別する。
ステップS18の判別結果が否定の場合は、遅延タイマ
がカウントアップし終えるまで、ステップS18を繰り返
す。
ステップS18の判別結果が肯定の場合は、次に、第4
図に示されるコントローラ30の等価回路にて、30Sで示
されるスイッチ回路が閉じられ、オンとなる(ステップ
S20)。
他方、位相進み補償回路30fでは、ばね上Gセンサ32
が検出した車体7の上下加速度と制御ゲインKAとが乗算
されるので、ここで求められた油圧制御量が、加算回路
30gにより、前述した等価回路3eで演算された通常走行
時の油圧制御量に加算されて、最終的に制御バルブ17を
制御する油圧制御量が決定される。
これに基づきコントローラ30は、制御バルブ17を作動
させるための駆動信号を変化させ、制御バルブが、油圧
アクチュエータ14の油圧室に加わる油圧を、前述した油
圧制御量に相当する油圧値まで減少させる方向に油圧の
給排を変化させるのである。
この効果は、通常走行時の車体質量に、制御ゲインKA
相当分、等価的に車体質量を増加させたときの効果と同
一であり、車輪が突起等を乗り越すときに、ばね上の車
体変動が抑制されて、乗り心地を向上させることができ
る。
次に、プレビューセンサ35が突起等を検出したときに
のみ、スイッチ回路30Sをオンとして制御ゲインKAを発
生させる効果を、第8図を参照して説明すると、突起の
乗り越しに相当するような衝撃入力周波数帯域では、前
述したように、制御ゲインKAによる補償を加えることに
より振動伝達率が通常走行時の振動伝達率から更に改善
されるので、衝撃力が入力するときに車体変動が抑制さ
れる一方、低周波数域では却って振動伝達率が上昇し、
車体のフワつき現象を発生させる。このため、低周波数
域を走行するとき、すなわち通常走行時に、乗り心地を
逆に悪化させてしまうのである。
そこで、後述するように、前述の保持時間T2経過後に
は、速やかに通常走行時の油圧制御量に戻し、振動伝達
率が上昇した状態で低周波数域を走行することを回避さ
せているのである。
このように、プレビューセンサ35が突起等を検出した
ときにのみ、スイッチ回路30Sをオンとして制御ゲインK
Aによる補償を加算することで、突起等の乗り越し時に
車輪が受ける衝撃力の緩和と、低周波数域での車体のフ
ワつき防止という二つの問題を同時に解決しているので
ある。
次に、第6図でステップS22に進み、前述の保持タイ
マがセットされたタイマ値T2までカウントアップしたか
否かを判別する。
ステップS22の判別結果が否定の場合は、保持タイマ
がカウントアップし終えるまで、ステップS22を繰り返
す。
ステップS22の判別結果が肯定の場合は、第4図に示
されるコントローラ30の等価回路で、スイッチ回路30S
がオフにされ(ステップS24)、コントローラ30による
制御バルブ17の制御は、再び前述した通常走行時の油圧
制御状態に戻されたことになる。
以上により、当該ルーチンは終了し、リターンされ
る。
この発明は、上述した一実施例に制約されるものでは
ない。例えば、アクティブサスペンション装置の構成
は、第1図に示したものに限らず、その具体的な構成は
種々に変形可能であり、また、コントローラに関して
は、実際上、マイクロコンピュータを含む回路から構成
されるものである。
(発明の効果) 上述のアクティブサスペンション装置によれば、油圧
制御手段は、振動入力検出手段が突起等の振動入力物体
を検出したとき、ばね上共振周波数近傍では車体の上下
速度に応じ、また、共振周波数より大の周波数帯域で
は、ばね上上下加速度に比例して油圧制御量を決定して
油圧制御し、低周波数域から高周波数域まで広い範囲に
亘って振動伝達特性を改善している一方、油圧制御手段
は、振動入力検出手段が突起等を検出したとき、上記油
圧制御量に、ばね上上下加速度と等価的に車体質量を増
加させるべく設定した制御ゲインとから決定される油圧
制御量を、加算して油圧制御し、車輪が突起等を乗り越
すときに、更に振動伝達特性を改善しているので、乗り
心地を著しく向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
図面は本発明の一実施例を示し、第1図は、本発明に係
る車両用アクティブサスペンション装置の構成を示すブ
ロック図、第2図は、プレビューセンサ35が突起等を検
出した位置と車輪位置との関係を示す図、第3図は、振
動解析のための1輪モデルを示す図、第4図は、第1図
に示すコントローラ30の等価回路の構成を示すブロック
図、第5図は、ゲインと位相の周波数特性を示すグラ
フ、第6図は、第1図に示すコントローラ30により実行
されるプレビュー制御の手順を示すフローチャート、第
7図は、プレビューセンサ35が突起等を検出したタイミ
ングと、制御ゲインKAを発生させるためのスイッチ回路
を切り替えるタイミングとの関係を示すグラフ、第8図
は、車輪に入力する振動周波数と振動伝達率との関係を
示すグラフである。 7…車体、8…車輪、12…サスペンションユニット、14
…油圧アクチュエータ(油圧支持手段)、17…制御バル
ブ、20…アキュムレータ、30…コントローラ(油圧制御
手段)、31…横Gセンサ、32…ばね上上下Gセンサ(ば
ね上加速度検出手段)、33…ハンドル角センサ、34…車
速センサ、35…プレビューセンサ(振動入力検出手
段)。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 青野 和彦 東京都港区芝5丁目33番8号 三菱自動 車工業株式会社内 (72)発明者 森田 隆夫 東京都港区芝5丁目33番8号 三菱自動 車工業株式会社内 (72)発明者 富樫 明彦 東京都港区芝5丁目33番8号 三菱自動 車工業株式会社内 (72)発明者 田中 忠夫 東京都港区芝5丁目33番8号 三菱自動 車工業株式会社内 (56)参考文献 特開 昭62−289420(JP,A) 特開 昭61−200019(JP,A) 特開 昭59−63219(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B60G 17/015

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】車体と各車輪との間に夫々介装され、車体
    を支持する油圧支持手段と、各車輪に対応する部位での
    車体の上下速度を検出し、上下速度と第1の制御ゲイン
    から決定される油圧制御量に基づき、各油圧支持手段へ
    の油圧の給排を制御して車輪から車体への振動伝達を抑
    制する油圧制御手段とを備えた車両用アクティブサスペ
    ンション装置において、各車輪に対応する部位での車体
    の上下加速度を検出するばね上加速度検出手段と、車両
    前方の振動入力物体を検出する振動入力検出手段とを備
    え、前記油圧制御手段は、前記振動入力検出手段が振動
    入力物体を検出しないとき、前記車体の上下速度と第1
    の制御ゲインから決定される油圧制御量に、前記ばね上
    加速度検出手段が検出した車体の上下加速度に応じて位
    相進み補正を加え、補正した第1の油圧制御量に基づ
    き、各油圧支持手段への油圧の給排を制御する一方、振
    動入力検出手段が振動入力物体を検出したとき、前記第
    1の油圧制御量に、前記車体の上下加速度と第2の制御
    ゲインから決定される油圧制御量を加えて第2の油圧制
    御量を求め、この第2の油圧制御量に基づき、各油圧支
    持手段への油圧の給排を制御することを特徴とする車両
    用アクティブサスペンション装置。
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