JP2529180Y2 - 車両用アクティブサスペンション装置 - Google Patents

車両用アクティブサスペンション装置

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JP2529180Y2
JP2529180Y2 JP1990077631U JP7763190U JP2529180Y2 JP 2529180 Y2 JP2529180 Y2 JP 2529180Y2 JP 1990077631 U JP1990077631 U JP 1990077631U JP 7763190 U JP7763190 U JP 7763190U JP 2529180 Y2 JP2529180 Y2 JP 2529180Y2
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vibration damping
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泰孝 谷口
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Description

【考案の詳細な説明】 (産業上の利用分野) この考案は、自動車等の車両に使用され、油圧アクチ
ュエータ(油圧支持手段)により、突起等乗り越し時の
衝撃力を緩和する車両用アクティブサスペンション装置
に関する。
(従来の技術) 従来、車両の上下振動を吸収、緩和する所謂アクティ
ブサスペンション装置が提案されている。このアクティ
ブサスペンション装置は、各車輪毎に、車輪と車体間に
油圧アクチュエータを介装し、この油圧アクチュエータ
の油圧室をオリフィスを介してアキュムレータに接続す
ると共に、オイルポンプから各油圧アクチュエータの油
圧室に作動油を供給する油路の途中に、比例電磁弁から
なる制御弁を配置して構成されている。そして、このア
クティブサスペンションにより、車両の上下振動を制御
する場合には、ばね上Gセンサからの振動入力情報に基
づいてコントローラにより上述の制御弁の作動を制御
し、車体に発生する振動を低減するようにしている。
(考案が解決しようとする課題) このような従来のアクティブサスペンション装置にお
いては、車体の上下方向の振動を良好に抑制することが
できるが、突起乗り越し時や舗装の継ぎ目走行時におい
て発生する衝撃的な振動を充分に抑制することができな
かった。
このような衝撃的な振動を抑制するためには、入力す
る衝撃力を充分に吸収できるように、油圧支持手段の振
動減衰力を小に変化させてやる必要がある一方、突起等
乗り越し後の振動の収斂性を高め、所謂車体のフワつき
現象を防止するために、振動減衰力を一旦小から大へ変
化させた後、通常走行時の振動減衰力に戻す必要があ
る。
しかしながら、突起等乗り越し後の振動減衰力を、い
きなり大から通常走行時の振動減衰力に切り替えた場合
には、振動を滑らかに収斂させることができない。ま
た、振動減衰力を小から大へ切り替えるための保持時間
および大から通常走行時の振動減衰力に漸減させるため
の時間を一定値として設定すると、車速の変化に対して
適切なタイミングで振動減衰力を変化させることができ
ず、却って衝撃の発生あるいは振動の減衰悪化を招くこ
とになる。
本考案はこのような問題を解決するためになされたも
ので、入力する衝撃的振動に対して、適格に衝撃力を吸
収するとともに、突起等乗り越し後の振動を滑らかに収
斂させるために、油圧支持手段の振動減衰力の変化を最
適に油圧制御できるように図った車両用アクティブサス
ペンション装置を提供することを目的とする。
(課題を解決するための手段) 上述の目的を達成するため、本考案の車両用アクティ
ブサスペンション装置は、車体と車輪間に介装され、油
圧の給排抵抗を制御することにより振動減衰力を変化さ
せる油圧支持手段と、車両前方の振動入力物体を検出す
るプレビューセンサと、車速を検出する車速検出手段
と、油圧支持手段の振動減衰力を制御する油圧制御手段
とを備えている。
そして、本考案の油圧制御手段は、車速検出手段にて
検出した車速が所定の車速値以下にあり且つプレビュー
センサが振動入力物体を検出したときには、車速に基づ
き車輪が振動入力物体を乗り越す時点を推定し、油圧支
持手段の油圧の給配抵抗を変化させる指令信号を出力し
て、前記推定した乗り越し時点までに、油圧支持手段の
振動減衰力を通常走行時の振動減衰力より小の第1の値
に変化させる第1切替モードを実施する一方、第1切替
モードを所要時間だけ継続した後、振動減衰力を通常走
行時の振動減衰力より大の第2の値に変化させる第2切
替モードを実施し、さらに、第2切替モードから振動減
衰力を通常走行時の振動減衰力まで漸減させる第3切替
モードを実施し、車速が所定の車速値を越え且つプレビ
ューセンサが振動入力物体を検出したときには、第1切
替モードの実施を中止して第2切替モードを実施し、こ
の後、第2切替モードから振動減衰力を通常走行時の振
動減衰力まで直ちに変化させる第4切替モードを実施す
るものとなっている。
好ましくは、油圧制御手段は、第1及び第2切替モー
ドのそれぞれの保持時間、並びに、第3切替モードを実
施する時間を車速検出手段により検出した車速で車速補
正するものとなっている。
(作用) 上述の車両用アクティブサスペンション装置によれ
ば、車速が所定の車速値以上にあって且つプレビューセ
ンサが突起等の振動入力物体を検出したとき、油圧支持
手段は油圧制御手段からの指令信号により油圧の給排抵
抗を変化させ、その振動減衰力を通常走行時の振動減衰
力よりも小の第1の値に変化させた第1切替モードを実
施し、これにより、車輪が突起等を乗り越すときの衝撃
力が最大限吸収、緩和される。
また、車輪が突起等を乗り越した後には、油圧支持手
段の振動減衰力を通常走行時の振動減衰力より大の第2
の値に変化させた第2切替モードが実施され、更に、第
2切替モードから振動減衰力を通常走行時の減衰力まで
漸減させ第3切替モードが実施され、振動は滑らかに収
斂する。
一方、車速が所定の車速値を越え且つプレビューセン
サが突起等の振動入力物体を検出したときにあっては、
第1切替モードの実施が中止され、車輪が突起等を乗り
越した後に第2切替モードが実施されて、車体振動の収
斂される。この後、第2切替モードからは油圧支持手段
の振動減衰力を通常走行時の振動減衰力に直ちに戻す第
4切替モードが実施されて、車体の揺り戻しが抑制され
る。
ここで、第1及び第2切替モードの保持時間、また、
第3切替モードの実施時間が車速に応じて補正される
と、油圧支持手段の振動減衰力は適切なタイミングで切
り換えられる。
(実施例) 以下、本考案の実施例を図面に基づいて詳細に説明す
る。
第1図は、本考案に係る自動車のアクティブサスペン
ション装置の構成を示す。この図には、各輪毎に設けら
れるサスペンションユニット(一つの車輪のサスペンシ
ョンユニットが代表して図示されている)12が示されて
おり、このサスペンションユニット12のサスペンション
スプリング13および単動型の油圧アクチュエータ14は、
車体7と車輪8間に介装されている。
サスペンションユニット12の制御バルブ17は、油圧ア
クチュエータ14の油圧室15に連通する油路16と、後述す
る供給油路4および排出油路6との間に介装されてい
る。油路16の途中には分岐路16aの一端が接続されてお
り、分岐路16aの他端にアキュムレータ20が接続されて
いる。アキュムレータ20内にはガスが封入されており、
ガスの圧縮性により、いわゆるガスばね作用が発揮され
る。そして、分岐路16aの途中には振動減衰力切替装置2
2が配設されており、アキュムレータ20と油圧アクチュ
エータ14の油圧室15との間を流れる作動油の油量を規制
することにより、振動減衰効果が発揮される。
振動減衰力切替装置22は、サスペンションユニット12
の振動減衰力を、コントローラ30の指令信号により、通
常走行時のミディアム値(中),突起等の乗り越し時に
衝撃力を吸収、緩和させるためのソフト値(小)、突起
等乗り越し後の振動の収斂性を高めるための、前述のミ
ディアム値より大であるハード値(大)および振動の収
斂を滑らかに行わせるための、前述のミディアム値より
大であり、かつ、ハード値より小であるミディアム・ハ
ード値(中・大)の4段階に切り替えることができる。
本装置としては、例えば第2図に示すように、2個の
切替バルブと3個の固定型オリフィスの組合せから成る
ものを提案することができる。すなわち、油路16とアキ
ュムレータ20間には、第1オリフィスと、これをバイパ
スする2つのバイパス路16bおよび16cが並列に接続さ
れ、このバイパス路16bには第1切替バルブ24と第2オ
リフィス25が、またバイパス路16cには、第2切替バル
ブ26と第3オリフィス27が各々配設されている。
ここで、第2オリフィス25の油路断面積は、第3オリ
フィス27のそれより大に設定されている。そして、後に
詳述するように、これら2個の切替バルブ24,26の開閉
を操作することにより、サスペンションユニット12の振
動減衰力を4段階に変化させることができる(第3図参
照)。
なお、振動減衰力切替装置22としては、上述例のほ
か、その油路断面積が電気信号により制御可能な可変型
オリフィスを用いるものでもよい。
次に、前述した供給油路4の他端はオイルポンプ1の
吐出側に接続されており、オイルポンプ1の吸入側は油
路2を介してリザーブタンク3内に連通している。従っ
て、オイルポンプ1が作動するとリザーブタンク3内に
貯留されている作動油が供給油路4側に吐出される。供
給油路4にはオイルポンプ1側から順にオイルフィルタ
9、チェック弁10およびライン圧保持用のアキュムレー
タ11が配設されている。チェック弁10は、オイルポンプ
1側からサスペンションユニット12側に向かう作動油の
流れのみを許容するものであり、このチェック弁10によ
りアキュムレータ11内に高圧の作動油を蓄えることが出
来る。
制御バルブ17は、供給される電流値に比例して弁開度
を変化させるタイプのものであり、この弁開度に応じ
て、供給油路4側から排出油路6側に流出する油量を制
御することにより油圧アクチュエータ14に作用する圧力
を制御するものである。そして、制御バルブ17に供給さ
れる電流値が大であるほど、油圧アクチュエータ14の発
生する支持力(支持荷重)が増大するように構成されて
いる。制御バルブ17から排出油路6側に排出される作動
油は前述したリザーブタンク3に戻される。
制御バルブ17および振動減衰力切替装置22はコントロ
ーラ30の出力側に電気的に接続されており、コントロー
ラ30からの指令信号により作動制御される。コントロー
ラ30の入力側には、サスペンションユニット12を制御す
るための各種センサ、例えば、各車輪毎に設けられ、車
体に作用する上下方向の加速度を検出するばね上Gセン
サ31、各車輪毎に設けられ、車輪のストローク量を検出
する車高センサ32、車両前方の路面の突起等を検出し、
突起等の大きさに応じた出力信号値を出力するプレビュ
ーセンサ33、車両の走行速度を検出する車速センサ34等
が接続されている。車輪毎に配設された、前述の制御バ
ルブ17および振動減衰力切替装置22は、これらのセンサ
の検出信号に基づいて作動制御される。
なお、プレビューセンサ33としては、例えば、超音波
センサが使用され、このセンサ33は、車体前部に、車体
前方で且つ斜め下方に向けて取付けられる(第4図参
照)。
次に、走行状態に応じた本実施例に係るアクティブサ
スペンションの機能について説明する。
まず、通常走行時においては、コントローラ30の指令
信号により前述した振動減衰力切替装置22が切り替えら
れ、サスペンションユニット12の振動減衰力がミディア
ム値に設定される。これを第2図に示す振動減衰力切替
装置で説明すると、バイパス路16b,16cに各々配設され
た切替バルブ24と26の内、第2切替バルブ24のみを開弁
状態とし、第2切替バルブ26を閉弁状態として、第1オ
リフィス23と第2オリフィス25が開成状態にある(第3
図参照)。このとき、路面から車体に入力する僅かな振
動は、油圧アクチュエータ14の油圧室15が振動減衰力切
替装置22を介してアキュムレータ20に連通していること
により吸収され、減衰される。また、制御バルブ17に
は、ばね上Gセンサ31等の出力信号に応じて所要の大き
さの電流が供給され、油圧アクチュエータ14に供給され
る作動油圧がPID制御され、これにより、車体の上下振
動が抑制される。
次に、コントローラ30による突起等の乗り越し時にお
ける振動減衰力切替装置22の制御(プレビュー制御)の
手順を、第5A図,第5B図,第5C図,第6図および第7図
を参照して説明する。
まず、コントローラ30は、プレビューセンサ33の信号
値を常時監視しており、入力する超音波反射波の出力信
号値を読み込む(ステップS10)。
そして、ステップS12で、プレビューセンサ33が突起
等の振動入力物体を検出したときに出力するプレビュー
信号の出力があるか否かを判別する(第7図のt0
点)。
ステップS12の判別結果が否定(No)の場合は、ステ
ップS5で変数値をリセットし、後に説明するフラグFLGP
Vを0(ゼロ)にクリアして、ステップS10のプレビュー
信号の読み込みを再開する。
ステップS12の判別結果が肯定(Yes)の場合、すなわ
ち、プレビュー制御を実施するための突起等の検出があ
った場合には、次に、車両の旋回状態を知るために、操
舵角センサ35が検出した操舵角θHの読込みを行う(ス
テップS14)。そして、読込んだ操舵角θHが、ほぼ直進
走行状態を想定するために設定された所定の微小角α内
にあるか否かを判別する(ステップS16)。これは、車
両旋回中にプレビュー制御を実施し、サスペンションユ
ニット12の振動減衰力をソフト値に変化させた場合には
車両の操安定性を損うことがあり、車両旋回中のプレビ
ュー制御を禁止するために実行される。
ステップS16の判別結果が否定の場合は、プレビュー
制御は実施されず、サスペンションユニット12の振動減
衰力が、通常走行時のミディアム値に保持されたまま、
車輪はプレビューセンサ33により検出された突起等を乗
り越す。そして、ステップS12における判別結果が否定
の場合と同様に、ステップS5で変数値をリセットし、ま
た、フラグ値FLGPVを値0にクリアして、ステップS10の
プレビュー信号の読込みを再開する。
ステップS16の判別結果が肯定の場合は、次に、ステ
ップS18に進み、車速センサ34が検出した高速Vの読込
みを行う。ここで、車速Vを読込むのは、車速Vが所定
値V0より早い高速域にあるか否かを判別するためである
(ステップS20)。
そして、車速Vが所定車速値V0を超える場合は、前述
した通常モードのプレビュー制御は実施されず、後述す
るように、高速モードのプレビュー制御が実施される。
そこで、まず、車速Vが所定車速値V0を超えない場合、
すなわち、ステップS20の判別結果が肯定の場合のプレ
ビュー制御について、説明する(ステップS22〜S52)。
前述したように、プレビューセンサ33が突起等を検出
したとき、サスペンションユニット12の振動減衰力は、
車輪が突起等を乗り越すときはソフト値,車輪が突起等
を乗り越し終えた時点でハード値、そして一旦、ミディ
アム・ハード値に切り替えられた後、ミディアム値に戻
される。ここで、第7図に示されるソフト値,ハード値
およびミディアム・ハード値の各保持時間TS,TH1およ
びTMHは、各基準値に、第6図で示される車速補正テー
ブルから車速Vに応じて決定された車速補正係数Kを乗
じることにより、車速補正されて設定される(ステップ
S22)。なお、第6図は、車速ゼロ(V=0)を基準
(K=1)として、車速Vの増加とともに車速補正係数
Kが減少する関係を示すテーブルであり、ステップS22
の実行によって、前述のTS,TH1およびTMHも、車速Vの
増加とともに短縮される。これにより、車速Vが変化し
ても、適切なタイミングでサスペンションユニット12の
振動減衰力の切り替えを行うことができる。
次に、ステップS26で、プレビューセンサ33が突起等
を検出した時点(第7図のt0時点)から、サスペンショ
ンユニット12の振動減衰力を変化させるために、振動減
衰力切替装置22を、ミディアム・モードからソフト・モ
ードに切り替える時点(第7図のt1時点)までの遅延時
間T1、ソフト・モードからハード・モードに切り替える
時点(第7図のt2時点)までの切替時間T2、ハード・モ
ードからミディアム・ハード・モードに切り替える時点
(第7図のt31時点)までの切替時間T31およびミディア
ム・ハード・モードからミディアム・モードに切り替え
る時点(第7図のt4時点)までの切替時間T4が、各々次
式(1)〜(5)により演算される。
T2=T1+TS ……(3) T31=T2+TH1 ……(4) T4=T31+TMH ……(5) ここに、(1)式は前輪に対する遅延時間を求めるも
のであり、(2)式は後輪に対する遅延時間を求めるも
のである。L1はセンサ33と検出される突起等間の最小検
出距離、L2はセンサ33と前輪間の距離、LWは車輪間距離
(ホイールベース)、Vは車速センサ34により検出され
る車速である(第4図参照)。また、(3)式のTS
(4)式のTH1および(5)式のTMHは、前述したソフト
値、ハード値およびミディアム・ハード値の各保持時間
である。
そして、(1)および(2)式で求められた前輪用お
よび後輪用の遅延時間T1を各々(3)式に代入し、また
(3)式で求められたT2を各々(4)式に、(4)式で
求められたT31を各々(5)式に順次代入することによ
り、切替時間T2,T31およびT4についても前輪用および
後輪用が求められたことになる。
次に、ステップS30に進み、遅延タイマと3個の切替
タイマを、各々前述のタイマ値T1,T2、およびT31およ
びT4にセットしてスタートさせる。
これらのタイマは、前述のステップS30で設定した遅
延時間T1と、切替時間T2,T31およびT4を各々カウント
するためのもので、これらタイマは、各々前輪用および
後輪用が用意されている。そして、こららのタイマは、
セットされたタイマ値までカウントアップすると、振動
減衰力切替装置22のモード切替のための指令信号を出力
するアップカウンタであり、以下に詳述するように、各
々カウントアップした時点で前輪用および後輪用の振動
減衰力切替装置22が、対応するモードに切り替えられ
る。
次に、ステップS34に進み、前述した遅延タイマT
1が、セットされたタイマ値T1までカウントアップした
か否かを判別する。
ステップS34の判別結果が否定の場合は、遅延タイマT
1がカウントアップし終えるまで、ステップS34が繰り返
される。
ステップS34の判別結果が肯定の場合は、コントロー
ラ30から指令信号が出力され、振動減衰力切替装置22は
ソフト・モードに切り替えられる(ステップS36)。こ
れを第2図の実施例で説明すると、コントローラ30の指
令信号により、第1切替バルブ24に加え、第2切替バル
ブ26も開弁状態になり(第3図参照)、第1オリフィス
23,第2オリフィス25および第3オリフィス27の全てが
開成したことになる。これにより、サスペンションユニ
ット12の振動減衰力はソフト値になり、車輪が突起等を
乗り越すときに、衝撃力が最大限吸収,緩和される。
次に、ステップS38に進み、前述した切替タイマT
2が、セットされたタイマ値T2までカウントアップした
か否かを判別する。
ステップS38の判別結果が否定の場合は、切替タイマT
2がカウントアップし終えるまで、ステップS38が繰り返
される。
ステップS38の判別結果が肯定の場合は、コントロー
ラ30から指令信号が出力され、振動減衰力切替装置22は
ソフト・モードからハード・モードに切り替えられる
(ステップS40)。これを第2図の実施例で説明する
と、コントローラ30の指令信号により、第1切替バルブ
24および第2切替バルブ26が、ともに閉弁状態に切り替
えられ(第3図参照)、第1オリフィス23のみが開成し
た状態になる。これにより、サスペンションユニット12
の振動減衰力はハード値に切り替えられたので、車輪が
突起等を乗り越した後の車体振動の収斂性が高められ、
車体のフワつきが防止できる状態になったことになる。
次に、ステップS42に進み、車速Vが高速モードによ
るプレビュー制御が実行されていることを示すプログラ
ム変数であるフラグ値FLGPVが、FLGPV=1であるか否か
を判別する。
ステップS42の判別結果が肯定の場合、すなわち、車
速Vが高速域にある場合の高速モードのプレビュー制御
は、後に詳述する。
ステップS42の判別結果が否定の場合は、次にステッ
プS44に進み、前述の切替タイマT31が、セットされたタ
イマ値T31までカウントアップしたか否かを判別する。
ステップS44の判別結果が否定の場合は、切替タイマT
31がカウントアップし終えるまで、ステップS44が繰り
返される。
ステップS44の判別結果が肯定の場合は、コントロー
ラ30から指令信号が出力され、振動減衰力切替装置22
は、ハード.モードからミディアム・ハード・モードに
切り替えられる(ステップS48)。すなわち、コントロ
ーラ30の指令信号により、第2切替バルブ26のみが開弁
状態に切り替えられ、第1切替バルブ24は閉弁状態のま
まとされる。この結果、第1オリフィス23と第3オリフ
ィス25のみが開成されたことになる(第3図参照)。こ
こで、前述したミディアム・モードとの相違は、ミディ
アム・モードでは開成されている第2オリフィス25が、
ここでは開成され、これに代って第2オリフィスより油
路断面積が小に設定されている第3オリフィスが開成さ
れたことである。これにより、サスペンションユニット
12の振動減衰力は、ミディアム値より大であるがハード
値より小であるミディアム・ハード値に切り替えられ、
車体振動を滑らかに収斂させることができる。
次に、ステップS50に進み、前述した切替タイマT4
セットされたタイマ値T4までカウントアップしたか否か
を判別する。
ステップS50の判別結果が否定の場合は、切替タイマT
4がカウントアップし終えるまで、ステップS50が繰り返
される。
ステップS50の判別結果が肯定の場合は、コントロー
ラ30から指令信号が出力され、振動減衰力切替装置22
は、ミディアム・ハード・モードからミディアム・モー
ドに切り替えられる(ステップS52)。すなわち、コン
トローラ30の指令信号により、第1切替バルブ24は、こ
れまで閉面状態であったものが開弁状態に、また第2切
替バルブ26は、これまで開弁状態であったものが閉弁状
態に各々切り替えられる。この結果、第1オリフィス23
と第2オリフィス25が開成されたことになる。このよう
に、ミディアム・ハード・モードで開成されていた第3
オリフィスは閉成され、これに代って第3オリフィスよ
り油路断面積が大に設定されている第2オリフィスが開
成されたことにより、サスペンションユニット12の振動
減衰力は、ミディアム・ハード値より小であるがソフト
値より大であるミディアム値に切り替えられて、通常走
行時の振動減衰力に戻ったことになる。
次に、ステップS20における判別結果が否定の場合、
すなわち、車速Vが高速域にある場合の高速モードのプ
レビュー制御について説明する。
高速域において、突起等の乗り越し時に、高速域でな
い場合と同様にサスペンションユニット12の振動減衰力
をソフト値に変化させると、却って走行安定性を悪化さ
せることがある。このため、所定車速値V0以上の車速で
は、突起等の乗り越し時に、サスペンションユニット12
の振動減衰力をソフト値に変化させることを禁止し、通
常走行時のミディアム値を維持する必要がある。但し、
突起等の乗り越し後には、車速VがV0を超えない場合と
同様に、車体振動の収斂性を高めるために、サスペンシ
ョンユニット12の振動減衰力はハード値に切り替えられ
る。しかし、車速Vが高速域の場合は、所謂揺り返し周
波数も高くなるため、サスペンションユニット12の振動
減衰力を所定時間ハード値に保持した後、直ちに通常走
行時の振動減衰力に戻してやる必要がある。このため、
車速Vが高速域でない場合に実施したようなハード値か
らミディアム・ハード値への切り替えは行わず、ハード
値から直接ミディアム値に切り替えられる。
したがって、ステップS24では、ソフト保持時間TS
ハード保持時間TH2のみに対し、ステップS22におけると
同様の車速補正がなされる。なお、ここでソフト保持時
間T5を設定し、かつ車速補正を行うのは、後述する遅延
時間T2の演算にTSを用いるためである。また、ステップ
S24では、前述のフラグ値FLGPVが、値1にセットされ
る。
そして、ステップS28で、プレビューセンサ33が突起
等を検出した時点(第7図のt0時点)から、振動減衰力
切替装置22をミディアム・モードからハード・モードに
切り替える時点(第7図のt2時点)までの切替時間T2
よびハード・モードからミディアム・モードに切り替え
る時点(第7図のt32時点)までの切替時間T32が、前述
した式(1)〜(3)、及び次式(6)により、それぞ
れ演算される。
T32=T2+TH2 ……(6) ここで、(6)式中のTH2は、前述したハード値の保
持時間である。
次に、ステップS42に進み、切替タイマT2,T32に、各
々前述のタイマ値T2およびT32をセットしてスタートさ
せる。タイマT32は、前述の切替タイマT31と同じもので
ある。
次に、前述したステップS38に進み、前述した切替タ
イマT2が、セットされたタイマ値T2までカウントアップ
したか否かを判別する。
そして、コントローラ30は、切替タイマT2がカウント
アップし終えるのを待って、指令信号を出力し、振動減
衰力切替装置22をミディアム・モードからハード・モー
ドに切り替える(ステップS40)。これにより、サスペ
ンションユニット12の振動減衰力はハード値に切り替え
られたので、車輪が突起等を乗り越した後の車体振動の
収斂性が高められたことになる。
次に、ステップS42に進み、フラグ値FLGPVが値1であ
るか否かを判別する。
車速Vが高速域にある場合には、ステップS24におい
て、フラグ値FLGPVが値1にセットされているので、次
に、ステップS46に進み、切替タイマT32が、セットされ
たタイマ値T32までカウントアップしたか否かを判別す
る。
ステップS46の判別結果が否定の場合は、保持タイマT
32がカウントアップし終えるまで、ステップS46が繰り
返される。
ステップS46の判別結果が肯定の場合は、コントロー
ラ30から指令信号が出力され、振動減衰力切替装置22
は、ハード・モードからミディアム・モードに切り替え
られ(ステップS52)、サスペンションユニット12の振
動減衰力は、通常走行時のミディアム値に戻ったことに
なる。
以上の結果、一連のプレビュー制御は完了し、次にプ
レビューセンサ33の出力信号値について、コントローラ
30がプレビュー制御を実施する必要があると判定するま
で、通常走行状態が維持されることになる。
なお、上述の実施例においては、車速Vが高速域でな
い場合(V≦V0)における突起等乗り越し後のサスペン
ションユニット12の振動減衰力を、ハード値から、ミデ
ィアム・ハード値を介してミディアム値まで漸減させて
いるが、本考案は上述の実施例に限定されることなく、
振動減衰力をハード値からミディアム値まで、二段階以
上の振動減衰力を介して漸減させるようにしてもよい
し、又、第7図に破線で示されるように、連続的に振動
減衰力を漸減させるようにしてもよい。
但し、いずれの場合も、本考案の効果を得るために、
第6図に示される、車速補正係数Kを用いた車速補正を
実施することが好ましい。
(考案の効果) 以上説明したように、本考案の車両用アクティブサス
ペンション装置によれば、低車速域にあっては、車輪が
突起等を乗り越す前に油圧支持手段の振動減衰力を通常
走行時の場合よりも小さくした第1切替モードを実施
し、突起等の乗り越した後には油圧支持手段の振動減衰
力を通常走行時の場合よりも一旦大とした第2切替モー
ドの実施後、その振動減衰力を漸減させる第3切替モー
ドを実施するようにしたから、突起等の乗り越しに伴う
衝撃力の吸収、緩和を図れ、且つ、車体振動の収斂性を
滑らかにすることができる。一方、高車速域にあって
は、第1切替モードの実施を中止して第2切替モードを
実施し、この後、油圧支持手段の振動減衰力を直ちに戻
す第4切替モードを実施するようにしたから、突起等の
乗り越しても走行安定性を悪化させることはないし、車
体振動の揺り戻しをも抑制することができる。更に、好
ましい構成では、第1及び第2切替モードの保持時間、
並びに第3切替モードの実施時間を車速に応じて補正す
るようにしたから、第1〜第3切替モードを適切なタイ
ミングで実施でき、突起等の乗り越しによる衝撃の発生
と車体振動の減衰悪化を防止して、その乗り心地の向上
を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本考案に係る車両用アクティブサスペンショ
ン装置の概略構成を説明するためのブロック図、第2図
は、第1図中の振動減衰力切替装置22の具体例を示す
図、第3図は、第2図中の2個の切替バルブの開閉状態
と振動減衰力の変化の関係を示す図、第4図は、第1図
中のプレビューセンサ33が突起を検出した位置と車輪位
置との関係を示す図、第5A図,第5B図および第5C図は、
第1図中のコントローラ30により実行されるプレビュー
制御の手順を示すフローチャート、第6図は、第1図中
の振動減衰力切替装置22の切り替えタイミングを車速補
正するために用いる、車速と車速補正係数との関係のテ
ーブルを示すグラフ、第7図は、第1図中のプレビュー
センサ33が突起等を検出したタイミングと、サスペンシ
ョンユニット12の振動減衰力の時間変化の関係を示すグ
ラフである。 1……オイルポンプ、7……車体、8……車輪、12……
サスペンションユニット(油圧支持手段)、13……サス
ペンションスプリング、14……油圧アクチュエータ、15
……油圧室、17……制御バルブ(油圧制御手段)、19…
…第1オリフィス、20……アキュムレータ、22……振動
減衰力切替装置、30……コントローラ(油圧制御手
段)、33……プレビューセンサ(振動入力検出手段)、
34……車速センサ、35……操舵角センサ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)考案者 森田 隆夫 東京都港区芝5丁目33番8号 三菱自動 車工業株式会社内 (56)参考文献 特開 昭61−235213(JP,A) 特開 平2−14908(JP,A) 特開 昭61−249889(JP,A)

Claims (2)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】車体と車輪間に介装され、油圧の給排抵抗
    を制御することにより振動減衰力を変化させる油圧支持
    手段と、 車両前方の振動入力物体を検出するプレビューセンサ
    と、 車速を検出する車速検出手段と、 前記車速検出手段にて検出した車速が所定の車速値以下
    にあり且つ前記プレビューセンサが振動入力物体を検出
    したときには、前記車速に基づき車輪が振動入力物体を
    乗り越す時点を推定し、前記油圧支持手段の油圧の給排
    抵抗を変化させる指令信号を出力して、前記推定した乗
    り越し時点までに、油圧支持手段の振動減衰力を通常走
    行時の振動減衰力より小の第1の値に変化させる第1切
    替モードを実施する一方、該第1切替モードを所要時間
    だけ継続した後、振動減衰力を通常走行時の振動減衰力
    より大の第2の値に変化させる第2切替モードを実施
    し、さらに、該第2切替モードから振動減衰力を通常走
    行時の振動減衰力まで漸減させる第3切替モードを実施
    し、前記車速が前記所定の車速値を越え且つ前記プレビ
    ューセンサが振動入力物体を検出したときには、前記第
    1切替モードの実施を中止して前記第2切替モードを実
    施し、この後、該第2切替モードから振動減衰力を通常
    走行時の振動減衰力まで直ちに変化させる第4切替モー
    ドを実施する油圧制御手段とを備えることを特徴とする
    車両用アクティブサスペンション装置。
  2. 【請求項2】前記油圧制御手段は、前記第1及び前記第
    2切替モードのそれぞれの保持時間、並びに、前記第3
    切替モードを実施する時間を、前記車速検出手段により
    検出した車速で車速補正することを特徴とする請求項1
    に記載の車両用アクティブサスペンション装置。
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