JP3015513B2 - 車両のサスペンション装置 - Google Patents
車両のサスペンション装置Info
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、車体側部材と各車輪側
部材との間にそれぞれ配設された流体シリンダと、この
流体シリンダの液圧室に対する作動流体の給排を制御す
ることによってサスペンション特性を変更する流量制御
弁とを備えた車両のサスペンション装置に関するもので
ある。
部材との間にそれぞれ配設された流体シリンダと、この
流体シリンダの液圧室に対する作動流体の給排を制御す
ることによってサスペンション特性を変更する流量制御
弁とを備えた車両のサスペンション装置に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】従来、例えば特開昭63−130418
号公報に示されるように、車体側部材と各車輪側部材と
の間に設けられた流体シリンダに対する作動流体の給排
を、車両の運転状態に応じて制御することにより、流体
シンリダ内の流体量を変化させてサスペンション特性を
変更するように構成されたアクティブサスペンション装
置が知られている。
号公報に示されるように、車体側部材と各車輪側部材と
の間に設けられた流体シリンダに対する作動流体の給排
を、車両の運転状態に応じて制御することにより、流体
シンリダ内の流体量を変化させてサスペンション特性を
変更するように構成されたアクティブサスペンション装
置が知られている。
【0003】上記アクティブサスペンション装置は、上
記流体シリンダの液圧室に対する作動流体の給排を制御
する流量制御弁と、車体の上下方向の加速度を検出する
上下加速度検出手段と、車体の横方向の加速度を検出す
る横加速度検出手段と、車体の前後方向の加速度を検出
する前後加速度検出手段と、上記上下加速度検出手段の
検出信号を積分する積分手段と、上記各検出手段および
積分手段の出力信号に基づいて流量制御弁の制御量を求
める制御手段とを有し、例えば車体がロールしている場
合に、上記制御手段により求めた制御量に応じた制御信
号を流量制御弁に出力して流体シリンダに対する作動流
体の給排量をPID制御することにより、車体のロール
変位を制御するように構成されている。
記流体シリンダの液圧室に対する作動流体の給排を制御
する流量制御弁と、車体の上下方向の加速度を検出する
上下加速度検出手段と、車体の横方向の加速度を検出す
る横加速度検出手段と、車体の前後方向の加速度を検出
する前後加速度検出手段と、上記上下加速度検出手段の
検出信号を積分する積分手段と、上記各検出手段および
積分手段の出力信号に基づいて流量制御弁の制御量を求
める制御手段とを有し、例えば車体がロールしている場
合に、上記制御手段により求めた制御量に応じた制御信
号を流量制御弁に出力して流体シリンダに対する作動流
体の給排量をPID制御することにより、車体のロール
変位を制御するように構成されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記アクティブサスペ
ンション装置の制御に使用される検出手段は、電源を投
入した後、ある程度時間が経過しなければ安定した検出
信号が得られないジャイロスコープおよび音叉振動型等
からなる加速度センサ等の経時安定型の検出手段と、電
源を投入した後、短時間で安定した検出信号を得ること
ができるポテンショメータおよび光センサ等の車高セン
サ等の即時応答型の検出手段とがある。そして、上記経
時安定型の検出手段から出力される検出信号に基づいて
流量制御弁の制御量を求め、この制御量に応じた制御信
号を出力してサスペンション特性の可変制御を実行する
よう構成した場合には、上記経時安定型の検出手段の検
出精度が安定するまでの間、適正な制御を実行すること
が困難であるという問題がある。
ンション装置の制御に使用される検出手段は、電源を投
入した後、ある程度時間が経過しなければ安定した検出
信号が得られないジャイロスコープおよび音叉振動型等
からなる加速度センサ等の経時安定型の検出手段と、電
源を投入した後、短時間で安定した検出信号を得ること
ができるポテンショメータおよび光センサ等の車高セン
サ等の即時応答型の検出手段とがある。そして、上記経
時安定型の検出手段から出力される検出信号に基づいて
流量制御弁の制御量を求め、この制御量に応じた制御信
号を出力してサスペンション特性の可変制御を実行する
よう構成した場合には、上記経時安定型の検出手段の検
出精度が安定するまでの間、適正な制御を実行すること
が困難であるという問題がある。
【0005】本発明は、上記問題点を解決するためにな
されたものであり、経時安定型の検出手段を使用した車
両のサスペンション装置において、電源投入直後に不正
確な検出信号が出力されることによる走行安定性の低下
を防止できるようにすることを目的としている。
されたものであり、経時安定型の検出手段を使用した車
両のサスペンション装置において、電源投入直後に不正
確な検出信号が出力されることによる走行安定性の低下
を防止できるようにすることを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る発明は、
車体側部材と各車輪側部材との間にそれぞれ配設された
流体シリンダと、この流体シリンダの液圧室に対する作
動流体の給排を制御することによってサスペンション特
性を変更する流量制御弁とを備えた車両のサスペンショ
ン装置において、車体の挙動を検出する経時安定型の検
出手段および即時応答型の検出手段と、各検出手段から
出力される検出信号に基づいて上記流量制御弁の制御量
を求める制御手段とを設け、この制御手段に、車両の電
源投入時点から上記経時安定型の検出手段の検出精度が
安定するまでの時間に対応する精度安定時間を経過した
か否かを判別する判別手段と、この判別手段において精
度安定時間が経過したことが確認されるまでの間、上記
流量制御弁の制御を規制する規制手段とを設けたもので
ある。
車体側部材と各車輪側部材との間にそれぞれ配設された
流体シリンダと、この流体シリンダの液圧室に対する作
動流体の給排を制御することによってサスペンション特
性を変更する流量制御弁とを備えた車両のサスペンショ
ン装置において、車体の挙動を検出する経時安定型の検
出手段および即時応答型の検出手段と、各検出手段から
出力される検出信号に基づいて上記流量制御弁の制御量
を求める制御手段とを設け、この制御手段に、車両の電
源投入時点から上記経時安定型の検出手段の検出精度が
安定するまでの時間に対応する精度安定時間を経過した
か否かを判別する判別手段と、この判別手段において精
度安定時間が経過したことが確認されるまでの間、上記
流量制御弁の制御を規制する規制手段とを設けたもので
ある。
【0007】請求項2に係る発明は、流体シリンダの液
圧室に連通するガスばねが設けられてなる請求1記載の
車両のサスペンション装置において、電源投入時点から
精度安定時間が経過したことが判別手段によって確認さ
れるまでの間、流体シリンダの液圧室に対する作動流体
の給排を停止するように構成したものである。
圧室に連通するガスばねが設けられてなる請求1記載の
車両のサスペンション装置において、電源投入時点から
精度安定時間が経過したことが判別手段によって確認さ
れるまでの間、流体シリンダの液圧室に対する作動流体
の給排を停止するように構成したものである。
【0008】請求項3に係る発明は、請求1記載の車体
のサスペンション装置において、電源投入時点から精度
安定時間が経過したことが判別手段によって確認される
までの間、経時安定型の検出手段から出力される検出信
号に対応する制御ゲインを0に設定するとともに、即時
応答型の検出手段から出力される検出信号に対応する制
御ゲインを通常時に比べて低下させるように構成したも
のである。
のサスペンション装置において、電源投入時点から精度
安定時間が経過したことが判別手段によって確認される
までの間、経時安定型の検出手段から出力される検出信
号に対応する制御ゲインを0に設定するとともに、即時
応答型の検出手段から出力される検出信号に対応する制
御ゲインを通常時に比べて低下させるように構成したも
のである。
【0009】請求項4に係る発明は、請求1記載の車体
のサスペンション装置において、電源投入時点から精度
安定時間が経過したことが判別手段によって確認される
までの間、経時安定型の検出手段から出力される検出信
号に対応する制御ゲインを0に設定し、かつ通常時に比
べて即時応答型の検出手段から出力される検出信号に対
応する制御ゲインを低下させるとともに、上記即時応答
型の検出手段から出力される検出信号の微分値に対応す
る制御ゲインを増大させるように構成したものである。
のサスペンション装置において、電源投入時点から精度
安定時間が経過したことが判別手段によって確認される
までの間、経時安定型の検出手段から出力される検出信
号に対応する制御ゲインを0に設定し、かつ通常時に比
べて即時応答型の検出手段から出力される検出信号に対
応する制御ゲインを低下させるとともに、上記即時応答
型の検出手段から出力される検出信号の微分値に対応す
る制御ゲインを増大させるように構成したものである。
【0010】請求項5に係る発明は、車体側部材と各車
輪側部材との間にそれぞれ配設された流体シリンダと、
この流体シリンダの液圧室に対する作動流体の給排を制
御することによってサスペンション特性を変更する流量
制御弁とを備えた車両のサスペンション装置において、
車体の挙動を検出する経時安定型の検出手段および即時
応答型の検出手段と、各検出手段から出力される検出信
号に基づいて上記流量制御弁の制御量を求める制御手段
とを設け、この制御手段に、車両の電源が投入された時
点で上記制御手段による流量制御弁の制御を規制すると
ともに、時間に経過に応じて上記規制状態を徐々に解除
する規制手段を設けたものである。
輪側部材との間にそれぞれ配設された流体シリンダと、
この流体シリンダの液圧室に対する作動流体の給排を制
御することによってサスペンション特性を変更する流量
制御弁とを備えた車両のサスペンション装置において、
車体の挙動を検出する経時安定型の検出手段および即時
応答型の検出手段と、各検出手段から出力される検出信
号に基づいて上記流量制御弁の制御量を求める制御手段
とを設け、この制御手段に、車両の電源が投入された時
点で上記制御手段による流量制御弁の制御を規制すると
ともに、時間に経過に応じて上記規制状態を徐々に解除
する規制手段を設けたものである。
【0011】
【作用】上記請求項1記載の発明によれば、判別手段に
おいて経時安定型の検出手段の検出精度が安定する精度
安定時間が経過したことが確認されるまでの間、流量制
御弁の制御状態が規制されるとともに、上記精度安定時
間が経過したことが確認された時点で、各検出手段の検
出信号に応じて求められた制御量に基づいて流量制御弁
を制御する通常の制御状態に移行することになる。
おいて経時安定型の検出手段の検出精度が安定する精度
安定時間が経過したことが確認されるまでの間、流量制
御弁の制御状態が規制されるとともに、上記精度安定時
間が経過したことが確認された時点で、各検出手段の検
出信号に応じて求められた制御量に基づいて流量制御弁
を制御する通常の制御状態に移行することになる。
【0012】上記請求項2記載の発明によれば、判別手
段において経時安定型の検出手段の検出精度が安定する
精度安定時間が経過したことが確認されるまでの間、流
量制御弁の作動が拘束されて流体シリンダの流体室に対
する作動流体の給排が停止され、上記ガスばねによって
サスペンション特性が固定状態に設定されることにな
る。
段において経時安定型の検出手段の検出精度が安定する
精度安定時間が経過したことが確認されるまでの間、流
量制御弁の作動が拘束されて流体シリンダの流体室に対
する作動流体の給排が停止され、上記ガスばねによって
サスペンション特性が固定状態に設定されることにな
る。
【0013】上記請求項3記載の発明によれば、判別手
段において経時安定型の検出手段の検出精度が安定する
精度安定時間が経過したことが確認されるまでの間、経
時安定型の検出手段の検出信号に応じた流量制御弁の制
御が中止されるとともに、即時応答型の検出手段の検出
信号に応じた制御が規制されつつ実行されることにな
る。
段において経時安定型の検出手段の検出精度が安定する
精度安定時間が経過したことが確認されるまでの間、経
時安定型の検出手段の検出信号に応じた流量制御弁の制
御が中止されるとともに、即時応答型の検出手段の検出
信号に応じた制御が規制されつつ実行されることにな
る。
【0014】上記請求項4記載の発明によれば、判別手
段において経時安定型の検出手段の検出精度が安定する
精度安定時間が経過したことが確認されるまでの間、即
時応答型の検出手段の検出信号に応じた流量制御弁の制
御が規制状態で実行されるとともに、上記検出信号の微
分値に応じた制御が積極的に実行されることになる。
段において経時安定型の検出手段の検出精度が安定する
精度安定時間が経過したことが確認されるまでの間、即
時応答型の検出手段の検出信号に応じた流量制御弁の制
御が規制状態で実行されるとともに、上記検出信号の微
分値に応じた制御が積極的に実行されることになる。
【0015】上記請求項5記載の発明によれば、車両の
電源投入時には、規制手段によって流量制御弁の制御状
態が規制されとともに、この規制状態が時間の経過とと
もに徐々に解除され、上記精度安定時間が経過した時点
で通常の制御状態に移行することになる。
電源投入時には、規制手段によって流量制御弁の制御状
態が規制されとともに、この規制状態が時間の経過とと
もに徐々に解除され、上記精度安定時間が経過した時点
で通常の制御状態に移行することになる。
【0016】
【実施例】第1図は、本発明に係る車両のサスペンショ
ン装置の概略構成を示し、この車両の車体1と、前輪2
Fおよび後輪2Rとの間には、流体シリンダ3がそれぞ
れ設けられている。この流体シリンダ3は、下端部が車
輪側部材に連結されたシリンダ本体3aと、このシリン
ダ本体3a内に嵌挿されてシリンダ本体3aの内部に液
圧室3cを形成するピストン3bとを備えている。上記
ピストン3bの上面には、上端部が車体1に支持された
ピストンロッド3dが突設されている。
ン装置の概略構成を示し、この車両の車体1と、前輪2
Fおよび後輪2Rとの間には、流体シリンダ3がそれぞ
れ設けられている。この流体シリンダ3は、下端部が車
輪側部材に連結されたシリンダ本体3aと、このシリン
ダ本体3a内に嵌挿されてシリンダ本体3aの内部に液
圧室3cを形成するピストン3bとを備えている。上記
ピストン3bの上面には、上端部が車体1に支持された
ピストンロッド3dが突設されている。
【0017】上記流体シリンダ3の液圧室3cには、ガ
スばね5と連通する連通路4が接続されている。そして
上記ガスばね5は、ダイヤフラム5eによりガス室5f
と、液圧室5gとに区画され、この液圧室5gは、上記
連通路4および流体シリンダ3のピストン3bに設けら
れた通路を介して流体シリンダ3の液圧室3cに連通し
ている。
スばね5と連通する連通路4が接続されている。そして
上記ガスばね5は、ダイヤフラム5eによりガス室5f
と、液圧室5gとに区画され、この液圧室5gは、上記
連通路4および流体シリンダ3のピストン3bに設けら
れた通路を介して流体シリンダ3の液圧室3cに連通し
ている。
【0018】車体1の前端部には、図外のエンジンによ
って駆動される油圧ポンプ8が設置され、この油圧ポン
プ8には流量制御弁9を有する液圧管路10が接続され
ている。上記流量制御弁9は、流体シリンダ3への作動
流体の供給、排出を制御して作動流体の流量を調節する
ものである。
って駆動される油圧ポンプ8が設置され、この油圧ポン
プ8には流量制御弁9を有する液圧管路10が接続され
ている。上記流量制御弁9は、流体シリンダ3への作動
流体の供給、排出を制御して作動流体の流量を調節する
ものである。
【0019】また車体1には、油圧ポンプ8の吐出圧を
検出する吐出圧センサ12と、各流体シリンダ3の液圧
室3cの液圧を検出する液圧センサ13と、各車輪2
F,2Rに対する車高の変位量、つまりシリンダストロ
ークを検出する車高センサ14と、車両の上下加速度、
つまり車輪2F,2Rのばね上の加速度を検出する上下
加速度センサ15と、ステアリングホイールの操舵角を
検出する舵角センサ16と、車両の走行速度を検出する
車速センサ17と、車体に作用する横加速度を検出する
横加速度検出手段18とが設けられている。上記上下加
速度センサ15は、左右の前輪2Fの上方にそれぞれ一
個設けられるとともに、左右の後輪2Rの車幅方向の中
央部に一個設けられている。
検出する吐出圧センサ12と、各流体シリンダ3の液圧
室3cの液圧を検出する液圧センサ13と、各車輪2
F,2Rに対する車高の変位量、つまりシリンダストロ
ークを検出する車高センサ14と、車両の上下加速度、
つまり車輪2F,2Rのばね上の加速度を検出する上下
加速度センサ15と、ステアリングホイールの操舵角を
検出する舵角センサ16と、車両の走行速度を検出する
車速センサ17と、車体に作用する横加速度を検出する
横加速度検出手段18とが設けられている。上記上下加
速度センサ15は、左右の前輪2Fの上方にそれぞれ一
個設けられるとともに、左右の後輪2Rの車幅方向の中
央部に一個設けられている。
【0020】上記各センサ12〜18の検出信号は、内
部にCPU等を有するコントローラ19からなる制御手
段に入力される。そして上記検出信号に応じた制御信号
がコントローラ19から上記流量制御弁9に出力される
ことにより、流体シリンダ3に給排される作動流体の流
量が制御され、サスペンション特性の可変制御が行われ
るようになっている。
部にCPU等を有するコントローラ19からなる制御手
段に入力される。そして上記検出信号に応じた制御信号
がコントローラ19から上記流量制御弁9に出力される
ことにより、流体シリンダ3に給排される作動流体の流
量が制御され、サスペンション特性の可変制御が行われ
るようになっている。
【0021】第2図は、上記流体シリンダ3に対する作
動流体の給排を制御する油圧回路を示している。この油
圧回路には、エンジン20により駆動される油圧ポンプ
8が設けられている。そして上記油圧ポンプ8の吐出管
21には、アキュムレータ22が設けられ、その下流部
は前輪2F用の配管23Fと、後輪2R用の配管23R
とに分岐している。上記前輪2F用の配管23Fは、そ
の下流部が左右の配管23FL,23FRに分岐し、こ
の両配管23FL,23FRがそれぞれ対応する流体シ
リンダ3FL,3FRの液圧室3cに接続されている。
また、上記後輪2R用の配管23Rは、その下流部が左
後輪用の配管23RLと、右後輪用の配管23RRとに
分岐し、この両配管23RL,23RRがそれぞれ対応
する流体シリンダ3RL,3RRの液圧室3cに接続さ
れている。
動流体の給排を制御する油圧回路を示している。この油
圧回路には、エンジン20により駆動される油圧ポンプ
8が設けられている。そして上記油圧ポンプ8の吐出管
21には、アキュムレータ22が設けられ、その下流部
は前輪2F用の配管23Fと、後輪2R用の配管23R
とに分岐している。上記前輪2F用の配管23Fは、そ
の下流部が左右の配管23FL,23FRに分岐し、こ
の両配管23FL,23FRがそれぞれ対応する流体シ
リンダ3FL,3FRの液圧室3cに接続されている。
また、上記後輪2R用の配管23Rは、その下流部が左
後輪用の配管23RLと、右後輪用の配管23RRとに
分岐し、この両配管23RL,23RRがそれぞれ対応
する流体シリンダ3RL,3RRの液圧室3cに接続さ
れている。
【0022】上記各流体シリンダ3FL〜3RRに接続
された各ガスばね5FL〜5RRは、それぞれ4個のガ
スばね部材5a,5b,5c,5dを有し、このガスば
ね部材5a〜5dは、それぞれ分岐連通路4a〜4dを
介して上記連通路4に接続されている。また、上記各ガ
スばね部材5a〜5dの分岐通路4a〜4dには、それ
ぞれオリフィス25a〜25dが設けられ、このオリフ
ィス25a〜25dの減衰作用および各ガスばね部材5
a〜5dのガス室5fに封入されたガスの緩衝作用によ
り、サスペンション装置としての基本的機能が達成され
るように構成されている。
された各ガスばね5FL〜5RRは、それぞれ4個のガ
スばね部材5a,5b,5c,5dを有し、このガスば
ね部材5a〜5dは、それぞれ分岐連通路4a〜4dを
介して上記連通路4に接続されている。また、上記各ガ
スばね部材5a〜5dの分岐通路4a〜4dには、それ
ぞれオリフィス25a〜25dが設けられ、このオリフ
ィス25a〜25dの減衰作用および各ガスばね部材5
a〜5dのガス室5fに封入されたガスの緩衝作用によ
り、サスペンション装置としての基本的機能が達成され
るように構成されている。
【0023】上記各ガスばね5FL〜5RRの第1ガス
ばね部材5aと、第2ガスばね部材5bとの間に位置す
る連通路4には、その通路面積を調節して減衰力を切り
替える減衰力切換バルブ26が設けられている。この減
衰力切換バルブ26は、上記連通路4を開放する開放位
置と、連通路4の通路面積を絞る絞り位置との二位置を
有している。
ばね部材5aと、第2ガスばね部材5bとの間に位置す
る連通路4には、その通路面積を調節して減衰力を切り
替える減衰力切換バルブ26が設けられている。この減
衰力切換バルブ26は、上記連通路4を開放する開放位
置と、連通路4の通路面積を絞る絞り位置との二位置を
有している。
【0024】上記油圧ポンプ8の吐出管21には、アキ
ュムレータ22の近傍にアンロードリリーフ弁28が設
けられている。このアンロードリリーフ弁28は、上記
吐出圧センサ12によって検出された作動流体の吐出圧
が上限設定値以上の場合に、図示の閉位置から開位置に
切り替えられて油圧ポンプ8から供給された作動流体を
リザーブタンク29に直接戻し、アキュムレータ22の
作動流体の蓄圧力を設定値に保持するように構成されて
いる。このようにして各流体シリンダ3への作動油の供
給がアキュムレータ22の蓄圧力に応じて行われるよう
になっている。
ュムレータ22の近傍にアンロードリリーフ弁28が設
けられている。このアンロードリリーフ弁28は、上記
吐出圧センサ12によって検出された作動流体の吐出圧
が上限設定値以上の場合に、図示の閉位置から開位置に
切り替えられて油圧ポンプ8から供給された作動流体を
リザーブタンク29に直接戻し、アキュムレータ22の
作動流体の蓄圧力を設定値に保持するように構成されて
いる。このようにして各流体シリンダ3への作動油の供
給がアキュムレータ22の蓄圧力に応じて行われるよう
になっている。
【0025】上記各車輪毎に設けられた流体シリンダ3
の油圧回路は、同一の構成を有しているため、以下左前
輪用の油圧回路の構成について説明する。上記左前輪用
の配管23FLに設けられた流量制御弁9は、全ポート
を閉じる図示された停止位置と、上記配管23FLを供
給側に開く供給位置と、上記配管23FLをリターン通
路32に連通させる排出位置との三位置を有するととも
に、一対の圧力補償弁9aを内蔵している。この圧力補
償弁9aは、流量制御弁9が上記供給位置あるいは排出
位置にある場合に、流体シリンダ3の液圧を所定値に保
持するために設けられている。
の油圧回路は、同一の構成を有しているため、以下左前
輪用の油圧回路の構成について説明する。上記左前輪用
の配管23FLに設けられた流量制御弁9は、全ポート
を閉じる図示された停止位置と、上記配管23FLを供
給側に開く供給位置と、上記配管23FLをリターン通
路32に連通させる排出位置との三位置を有するととも
に、一対の圧力補償弁9aを内蔵している。この圧力補
償弁9aは、流量制御弁9が上記供給位置あるいは排出
位置にある場合に、流体シリンダ3の液圧を所定値に保
持するために設けられている。
【0026】上記流量制御弁9の流体シリンダ3側には
左前輪用の配管23FLを開閉するパイロット圧応動型
の開閉弁33が設けられている。この開閉弁33は、上
記油圧ポンプ8の吐出管21に連通する前輪側配管23
Fに配設された電磁弁34の開時に、この電磁弁34の
液圧がパイロット圧として導入され、このパイロット圧
が所定値以上の場合に開作動して上記配管23FLを開
き、流量制御弁9による流体シリンダ3への作動油の給
排制御を可能とするものである。
左前輪用の配管23FLを開閉するパイロット圧応動型
の開閉弁33が設けられている。この開閉弁33は、上
記油圧ポンプ8の吐出管21に連通する前輪側配管23
Fに配設された電磁弁34の開時に、この電磁弁34の
液圧がパイロット圧として導入され、このパイロット圧
が所定値以上の場合に開作動して上記配管23FLを開
き、流量制御弁9による流体シリンダ3への作動油の給
排制御を可能とするものである。
【0027】なお、第2図において、符号35は流体シ
リンダ3の液圧室3cの異常上昇時に開作動してこの液
圧室3c内の作動流体をリターン通路32に戻すリリー
フ弁である。また符号36はアキュムレータ22の近傍
において油圧ボンプ8の吐出管21に接続されたイグニ
ッションキー連動弁であり、イグニッションキーがオフ
状態にある場合に、開作動してアキュムレータ22内に
蓄えられた作動流体をリザーブタンク29に戻し、その
高圧状態を解除するものである。また、符号37は油圧
ポンプ8の吐出圧の異常上昇時に、その吐出油をリザー
ブタンク29に戻して降圧させるポンプ内リリーフ弁で
あり、符号38はリターン通路32に設けられたリター
ンアキュムレータであり、流体シリンダ3からの作動流
体の排出時に蓄圧を行うものである。
リンダ3の液圧室3cの異常上昇時に開作動してこの液
圧室3c内の作動流体をリターン通路32に戻すリリー
フ弁である。また符号36はアキュムレータ22の近傍
において油圧ボンプ8の吐出管21に接続されたイグニ
ッションキー連動弁であり、イグニッションキーがオフ
状態にある場合に、開作動してアキュムレータ22内に
蓄えられた作動流体をリザーブタンク29に戻し、その
高圧状態を解除するものである。また、符号37は油圧
ポンプ8の吐出圧の異常上昇時に、その吐出油をリザー
ブタンク29に戻して降圧させるポンプ内リリーフ弁で
あり、符号38はリターン通路32に設けられたリター
ンアキュムレータであり、流体シリンダ3からの作動流
体の排出時に蓄圧を行うものである。
【0028】上記コントローラ19からなる制御手段
は、図3に示すように、上記車高センサ14から出力さ
れる検出信号に基づいて車高を目標車高に一致させるよ
うに制御する車高制御部39と、上記車高センサ14の
検出信号を微分器40において微分することによって得
られる車高変位速度信号に基づいて車高変位速度を適正
に制御する車高変位速度制御部41と、各流体シリンダ
3の液圧センサ13から出力される液圧の検出信号に基
づいて車体の捩じれを抑制するように制御する捩じれ制
御部42と、上記上下加速度センサ15から出力される
上下加速度の検出信号に基づいて車両の上下振動を抑制
するように制御する上下振動制御部43と、上記横加速
度センサ18から出力される横加速度の検出信号に基づ
いて車両のロール変位を適正状態に制御するロール変位
制御部44とを備えている。
は、図3に示すように、上記車高センサ14から出力さ
れる検出信号に基づいて車高を目標車高に一致させるよ
うに制御する車高制御部39と、上記車高センサ14の
検出信号を微分器40において微分することによって得
られる車高変位速度信号に基づいて車高変位速度を適正
に制御する車高変位速度制御部41と、各流体シリンダ
3の液圧センサ13から出力される液圧の検出信号に基
づいて車体の捩じれを抑制するように制御する捩じれ制
御部42と、上記上下加速度センサ15から出力される
上下加速度の検出信号に基づいて車両の上下振動を抑制
するように制御する上下振動制御部43と、上記横加速
度センサ18から出力される横加速度の検出信号に基づ
いて車両のロール変位を適正状態に制御するロール変位
制御部44とを備えている。
【0029】そして各制御部39,41〜44において
算出した制御量を加算することによって流量制御弁9の
トータル制御量を求め、このトータル制御量に対応した
制御信号を流量制御弁9に出力することによってサスペ
ンション特性の可変制御を実行するように構成されてい
る。
算出した制御量を加算することによって流量制御弁9の
トータル制御量を求め、このトータル制御量に対応した
制御信号を流量制御弁9に出力することによってサスペ
ンション特性の可変制御を実行するように構成されてい
る。
【0030】上記液圧センサ13および車高センサ14
は、ポテンショメータ等の即時応答型の検出手段からな
り、これに対して上記上下加速度センサ15および横加
速度センサ18は、音叉振動型センサ等の経時安定型の
検出手段からなっている。また、上記コントローラ19
には、図4に示すように、イグニッションキースイッチ
45が操作されて車両の電源が投入された後、上記上下
加速度センサ15等からなる経時安定型の検出手段の検
出精度が安定するまでの時間に対応した精度安定時間を
設定するタイマ46と、このタイマ46がタイムアップ
したか否かを判別することによって上記精度安定時間が
経過したことを確認する判別手段47と、この判別手段
47において上記精度安定時間が経過したことが確認さ
れるまでの間、上記流量制御弁9の制御を規制する規制
手段48とが設けられている。
は、ポテンショメータ等の即時応答型の検出手段からな
り、これに対して上記上下加速度センサ15および横加
速度センサ18は、音叉振動型センサ等の経時安定型の
検出手段からなっている。また、上記コントローラ19
には、図4に示すように、イグニッションキースイッチ
45が操作されて車両の電源が投入された後、上記上下
加速度センサ15等からなる経時安定型の検出手段の検
出精度が安定するまでの時間に対応した精度安定時間を
設定するタイマ46と、このタイマ46がタイムアップ
したか否かを判別することによって上記精度安定時間が
経過したことを確認する判別手段47と、この判別手段
47において上記精度安定時間が経過したことが確認さ
れるまでの間、上記流量制御弁9の制御を規制する規制
手段48とが設けられている。
【0031】上記構成のサスペンション装置の制御動作
を、図5に示すフローチャートに基づいて説明する。こ
の制御動作がスタートすると、まずステップS1におい
てイグニッションキースイッチ45の出力信号に応じて
車両の電源が投入されたか否かを判定する。この判定結
果がYESとなった時点で、ステップS2において、上
記タイマ46をスタートさせて精度安定時間の計測を開
始した後、ステップS3において上記タイマ46がタイ
ムアップしたか否かを判定する。
を、図5に示すフローチャートに基づいて説明する。こ
の制御動作がスタートすると、まずステップS1におい
てイグニッションキースイッチ45の出力信号に応じて
車両の電源が投入されたか否かを判定する。この判定結
果がYESとなった時点で、ステップS2において、上
記タイマ46をスタートさせて精度安定時間の計測を開
始した後、ステップS3において上記タイマ46がタイ
ムアップしたか否かを判定する。
【0032】上記ステップS3の判定結果がNOである
場合には、ステップS4において、サスペンション特性
の可変制御を停止状態とする。すなわち、上記各制御部
39,41〜44において算出される各制御量に対応す
る制御ゲインを全て0に設定することにより、流量制御
弁9による液圧室3aに対する作動流体の給排を停止
し、専らガスばね5FL,5FR,5RL,5RRによ
ってサスペンション特性を固定状態に設定する。
場合には、ステップS4において、サスペンション特性
の可変制御を停止状態とする。すなわち、上記各制御部
39,41〜44において算出される各制御量に対応す
る制御ゲインを全て0に設定することにより、流量制御
弁9による液圧室3aに対する作動流体の給排を停止
し、専らガスばね5FL,5FR,5RL,5RRによ
ってサスペンション特性を固定状態に設定する。
【0033】また、上記ステップS3でYESと判定さ
れ、上記精度安定時間が経過したことが確認された場合
には、ステップS5において、上記上下加速度センサ1
5および横加速度センサ18からなる経時安定型の検出
手段から出力される検出信号に基づく制御量Qgを演算
するとともに、ステップS6において、上記液圧センサ
13および車高センサ14からなる即時応答型の検出手
段から出力される検出信号に基づく制御量Qhを演算す
る。
れ、上記精度安定時間が経過したことが確認された場合
には、ステップS5において、上記上下加速度センサ1
5および横加速度センサ18からなる経時安定型の検出
手段から出力される検出信号に基づく制御量Qgを演算
するとともに、ステップS6において、上記液圧センサ
13および車高センサ14からなる即時応答型の検出手
段から出力される検出信号に基づく制御量Qhを演算す
る。
【0034】すなわち、下式(1)に示すように、上下
加速度センサ15の検出信号に応じて求めた上下加速度
制御量Quと、横加速度センサ18の検出信号に応じて
求めた横ロール制御量Qrとを加算することによって第
1制御量Qgを算出するとともに、下式(2)に示すよ
うに、車高センサ14の検出信号に応じて求めた車高変
位制御量Qxと、車高センサ14の検出信号の微分値か
らなる車高変位速度に応じて求めた車高変位速度制御量
Qxaと、液圧センサ13の検出信号に応じて求めた圧
力制御量Qpとを加算することによって第2制御量Qh
を算出する。
加速度センサ15の検出信号に応じて求めた上下加速度
制御量Quと、横加速度センサ18の検出信号に応じて
求めた横ロール制御量Qrとを加算することによって第
1制御量Qgを算出するとともに、下式(2)に示すよ
うに、車高センサ14の検出信号に応じて求めた車高変
位制御量Qxと、車高センサ14の検出信号の微分値か
らなる車高変位速度に応じて求めた車高変位速度制御量
Qxaと、液圧センサ13の検出信号に応じて求めた圧
力制御量Qpとを加算することによって第2制御量Qh
を算出する。
【0035】 Qg=Qu+Qr (1) Qh=Qx+Qxa+Qp (2) 次にステップS7において、予め設定された移行時間
T、つまりサスペンション特性の可変制御を中止した状
態を徐々に解除して通常の制御状態に復帰させるために
設定された所定時間が経過したか否かを判定する。この
判定結果がNOであり、上記移行時間Tが未だ経過して
いないことが確認された場合には、ステップS8におい
て、サスペンション特性の可変制御を停止した状態から
通常の制御状態に徐々に移行させる過渡期の制御を実行
する。すなわち、下式(3)に示すように、ステップS
5,6で算出した第1制御量Qgおよび第2制御量Qh
と、図6に示すように、移行時間T内における時間の経
過とともにとともに値が0から1に徐々に増大する関数
f(x)とに基づき、トータル制御量Qを算出する。
T、つまりサスペンション特性の可変制御を中止した状
態を徐々に解除して通常の制御状態に復帰させるために
設定された所定時間が経過したか否かを判定する。この
判定結果がNOであり、上記移行時間Tが未だ経過して
いないことが確認された場合には、ステップS8におい
て、サスペンション特性の可変制御を停止した状態から
通常の制御状態に徐々に移行させる過渡期の制御を実行
する。すなわち、下式(3)に示すように、ステップS
5,6で算出した第1制御量Qgおよび第2制御量Qh
と、図6に示すように、移行時間T内における時間の経
過とともにとともに値が0から1に徐々に増大する関数
f(x)とに基づき、トータル制御量Qを算出する。
【0036】 Q=f(x)・(Qg+Qh) (3) そして上記ステップS7でYESと判定され、上記移行
時間Tが経過したことが確認されると、上記第1制御量
Qgと、第2制御量Qhとを加算することによってトー
タル制御量Qを算出し、このトータル制御量Qに対応し
た制御信号を流量制御弁9に出力する通常の制御を実行
する。
時間Tが経過したことが確認されると、上記第1制御量
Qgと、第2制御量Qhとを加算することによってトー
タル制御量Qを算出し、このトータル制御量Qに対応し
た制御信号を流量制御弁9に出力する通常の制御を実行
する。
【0037】上記のように上記上下加速度センサ15等
からなる経時安定型の検出手段の検出精度が安定するま
での間、流量制御弁9の制御を停止し、専らガスばね5
FL,5FR,5RL,5RRによってサスペンション
特性を固定状態に設定するように構成したため、上記経
時安定型の検出手段から出力される不正確な検出信号に
基づいた不安定なサスペンション特性の可変制御が実行
されるのを効果的に防止し、車両の電源を投入した直後
における走行安定性の低下を効果的に防止することがで
きる。そして上記精度安定時間が経過した後において
は、上記経時安定型の検出手段および即時応答型の検出
手段の両方から出力される検出信号に基づいた適正な制
御を実行することができる。
からなる経時安定型の検出手段の検出精度が安定するま
での間、流量制御弁9の制御を停止し、専らガスばね5
FL,5FR,5RL,5RRによってサスペンション
特性を固定状態に設定するように構成したため、上記経
時安定型の検出手段から出力される不正確な検出信号に
基づいた不安定なサスペンション特性の可変制御が実行
されるのを効果的に防止し、車両の電源を投入した直後
における走行安定性の低下を効果的に防止することがで
きる。そして上記精度安定時間が経過した後において
は、上記経時安定型の検出手段および即時応答型の検出
手段の両方から出力される検出信号に基づいた適正な制
御を実行することができる。
【0038】また、上記実施例に示すように、上記精度
安定時間が経過した後に関数f(x)に基づいた移行制
御を実行し、サスペンション特性の可変制御の停止状態
を徐々に解除して通常の制御状態に復帰させるように構
成した場合には、流量制御弁9の作動状態が急激に変化
するのを防止し、これによって上記電源投入直後におけ
る始動時と、通常の制御状態との過渡期におけるサスペ
ンション特性の可変制御を適正に実行することができ
る。
安定時間が経過した後に関数f(x)に基づいた移行制
御を実行し、サスペンション特性の可変制御の停止状態
を徐々に解除して通常の制御状態に復帰させるように構
成した場合には、流量制御弁9の作動状態が急激に変化
するのを防止し、これによって上記電源投入直後におけ
る始動時と、通常の制御状態との過渡期におけるサスペ
ンション特性の可変制御を適正に実行することができ
る。
【0039】なお、上記実施例では、各制御部39,4
1〜44において算出される各制御量に対応する制御ゲ
インを全て0に設定することにより、液圧室3aに対す
る作動流体の給排を完全に停止するように構成している
が、上記上下加速度センサ15および横加速度センサ1
8からなる経時安定型の検出手段から出力される検出信
号に対応する制御ゲインのみを0に設定し、この検出信
号に基づく流量制御弁9の制御だけを停止し、上記液圧
センサ13および車高センサ14からなる即時応答型の
検出手段から出力される検出信号に基づく制御を継続す
るように構成してもよい。
1〜44において算出される各制御量に対応する制御ゲ
インを全て0に設定することにより、液圧室3aに対す
る作動流体の給排を完全に停止するように構成している
が、上記上下加速度センサ15および横加速度センサ1
8からなる経時安定型の検出手段から出力される検出信
号に対応する制御ゲインのみを0に設定し、この検出信
号に基づく流量制御弁9の制御だけを停止し、上記液圧
センサ13および車高センサ14からなる即時応答型の
検出手段から出力される検出信号に基づく制御を継続す
るように構成してもよい。
【0040】すなわち、下式(4)に示すように、上記
即時応答型の検出手段から出力される検出信号に応じて
求めた第2制御量Qhと、予め1よりも小さな値、例え
ば0.5程度に設定された制御ゲインαとに基づいてト
ータル制御量Qを算出する。
即時応答型の検出手段から出力される検出信号に応じて
求めた第2制御量Qhと、予め1よりも小さな値、例え
ば0.5程度に設定された制御ゲインαとに基づいてト
ータル制御量Qを算出する。
【0041】 Q=α・Qh (4) このように上記即時応答型の検出手段から出力される検
出信号に対応する制御ゲインαを通常時に比べて低下さ
せた状態で、流量制御弁9のトータル制御量Qを算出
し、このトータル制御量Qに基づいた制御を実行するよ
うに構成した場合には、上記経時安定型の検出手段から
出力される検出信号に対応する制御ゲインを0に設定す
ることによる制御バランスの崩れを抑制しつつ、サスペ
ンション特性の可変制御を全面的に停止することによる
乗り心地の低下等を効果的に防止することができるとい
う利点がある。
出信号に対応する制御ゲインαを通常時に比べて低下さ
せた状態で、流量制御弁9のトータル制御量Qを算出
し、このトータル制御量Qに基づいた制御を実行するよ
うに構成した場合には、上記経時安定型の検出手段から
出力される検出信号に対応する制御ゲインを0に設定す
ることによる制御バランスの崩れを抑制しつつ、サスペ
ンション特性の可変制御を全面的に停止することによる
乗り心地の低下等を効果的に防止することができるとい
う利点がある。
【0042】また、上記のように即時応答型の検出手段
から出力される検出信号に応じて求めた第2制御量Qh
に対応する制御ゲインαを通常時に比べて一律に低下さ
せる構成に代え、下式(5)に示すように、車高センサ
14の検出信号に応じて求めた車高変位制御量Qxに対
応する制御ゲインβを例えば0.8程度に設定すること
により、通常時に比べて低下させるとともに、上記車高
センサ14の検出信号の微分値からなる車高変位速度に
応じて求めた車高変位速度制御量Qxaに対応する制御
ゲインγを1.2程度に設定して通除時に比べて増大さ
せるように構成してもよい。
から出力される検出信号に応じて求めた第2制御量Qh
に対応する制御ゲインαを通常時に比べて一律に低下さ
せる構成に代え、下式(5)に示すように、車高センサ
14の検出信号に応じて求めた車高変位制御量Qxに対
応する制御ゲインβを例えば0.8程度に設定すること
により、通常時に比べて低下させるとともに、上記車高
センサ14の検出信号の微分値からなる車高変位速度に
応じて求めた車高変位速度制御量Qxaに対応する制御
ゲインγを1.2程度に設定して通除時に比べて増大さ
せるように構成してもよい。
【0043】 Qh=β・Qx+γ・Qxa+Qp (5) 上記の構成によれば、上記制御ゲインβを低下させるこ
とによる車高制御の応答性の低下を、上記制御ゲインγ
を増大させて車高変位速度の制御を積極的に実行するこ
とによって抑制し、上記応答性の低下に起因した発振現
象の発生等を効果的に防止することができる。
とによる車高制御の応答性の低下を、上記制御ゲインγ
を増大させて車高変位速度の制御を積極的に実行するこ
とによって抑制し、上記応答性の低下に起因した発振現
象の発生等を効果的に防止することができる。
【0044】また、上記各実施例では、精度安定時間が
経過するまでの間、上下加速度センサ15および横加速
度センサ18からなる経時安定型の検出手段から出力さ
れる検出信号に対応する制御ゲインを0に設定し、この
検出信号に基づく流量制御弁9の制御を停止するように
構成しているが、図7に示すように、ステップS11に
おいて、車両の電源が投入されたことが確認された時点
で、ステップS12,13において、第1制御量Qgお
よび第2制御量Qhを算出するとともに、ステップS1
4において、時間とともに値が徐々に増大する関数f
(y)を制御ゲインとして使用する制御を実行するよう
に構成してもよい。
経過するまでの間、上下加速度センサ15および横加速
度センサ18からなる経時安定型の検出手段から出力さ
れる検出信号に対応する制御ゲインを0に設定し、この
検出信号に基づく流量制御弁9の制御を停止するように
構成しているが、図7に示すように、ステップS11に
おいて、車両の電源が投入されたことが確認された時点
で、ステップS12,13において、第1制御量Qgお
よび第2制御量Qhを算出するとともに、ステップS1
4において、時間とともに値が徐々に増大する関数f
(y)を制御ゲインとして使用する制御を実行するよう
に構成してもよい。
【0045】すなわち、上記ステップS14において、
上記第1制御量Qgおよび第2制御量Qhと、図8に示
すように電源投入時点T1から精度安定時間が経過した
時点T2に掛けて値が0から1に徐々に増大する関数f
(y)とに基づいてトータル制御量Qを算出し、このト
ータル制御量Qに対応する制御信号を流量制御弁9に出
力する。この結果、上記規制手段48による流量制御弁
9の制御規制状態が、時間の経過に応じて徐々に解除さ
れることになる。
上記第1制御量Qgおよび第2制御量Qhと、図8に示
すように電源投入時点T1から精度安定時間が経過した
時点T2に掛けて値が0から1に徐々に増大する関数f
(y)とに基づいてトータル制御量Qを算出し、このト
ータル制御量Qに対応する制御信号を流量制御弁9に出
力する。この結果、上記規制手段48による流量制御弁
9の制御規制状態が、時間の経過に応じて徐々に解除さ
れることになる。
【0046】そしてステップS15において、タイマ4
6がタイムアップして予め設定された精度安定時間が経
過したことが確認されるまでの間、ステップS12〜1
5に示すフローを繰り返した後、上記ステップS15で
上記精度安定時間が経過したことが確認された時点で、
ステップS16に移行し、通常のサスペンション特性の
可変制御を実行する。
6がタイムアップして予め設定された精度安定時間が経
過したことが確認されるまでの間、ステップS12〜1
5に示すフローを繰り返した後、上記ステップS15で
上記精度安定時間が経過したことが確認された時点で、
ステップS16に移行し、通常のサスペンション特性の
可変制御を実行する。
【0047】上記のように、規制手段48による制御規
制状態を時間の経過とともに、徐々に解除するように構
成した場合には、経時安定型の検出手段の検出精度が安
定するのに伴い、サスペンション特性の可変制御を規制
状態から通常の制御状態に徐々に移行させることがで
き、簡単な構成で電源の投入直後において走行安定性の
低下を防止するという効果と、通常時において経時安定
型の検出手段の検出信号に基づいたサスペンション特性
の可変制御を適正に実行することができるという効果と
が同時に得られるという利点がある。
制状態を時間の経過とともに、徐々に解除するように構
成した場合には、経時安定型の検出手段の検出精度が安
定するのに伴い、サスペンション特性の可変制御を規制
状態から通常の制御状態に徐々に移行させることがで
き、簡単な構成で電源の投入直後において走行安定性の
低下を防止するという効果と、通常時において経時安定
型の検出手段の検出信号に基づいたサスペンション特性
の可変制御を適正に実行することができるという効果と
が同時に得られるという利点がある。
【0048】なお、上記実施例では、経時安定型の検出
手段として音叉振動型のセンサからなる上下加速度セン
サ15および横加速度センサ18を使用した例について
説明したが、これらに加えてジャイロスコープ等からな
る角速度センサを使用して車両の旋回状態を検出し、こ
の検出信号に基づいて流量制御弁9を制御するように構
成された車両のサスペンション装置においても、本発明
の構成を採用することができる。
手段として音叉振動型のセンサからなる上下加速度セン
サ15および横加速度センサ18を使用した例について
説明したが、これらに加えてジャイロスコープ等からな
る角速度センサを使用して車両の旋回状態を検出し、こ
の検出信号に基づいて流量制御弁9を制御するように構
成された車両のサスペンション装置においても、本発明
の構成を採用することができる。
【0049】
【発明の効果】以上説明したように、本発明は、音叉型
振動センサおよびジャイロスコープ等からならる経時安
定型の検出手段を用いて車両の挙動を検出し、この経時
安定型の検出手段から出力される検出信号に基づいてサ
スペンション特性を可変制御するように構成されたサス
ペンション装置において、電源投入直後に車両の走行安
定性が低下するのを防止しつつ、通常時に上記経時安定
型の検出手段の検出信号に基づく制御を適正に実行する
ことができる。
振動センサおよびジャイロスコープ等からならる経時安
定型の検出手段を用いて車両の挙動を検出し、この経時
安定型の検出手段から出力される検出信号に基づいてサ
スペンション特性を可変制御するように構成されたサス
ペンション装置において、電源投入直後に車両の走行安
定性が低下するのを防止しつつ、通常時に上記経時安定
型の検出手段の検出信号に基づく制御を適正に実行する
ことができる。
【図1】本発明に係る車両のサスペンション装置の概略
説明図である。
説明図である。
【図2】上記サスペンション装置の油圧回路の構成を示
す回路図である。
す回路図である。
【図3】上記サスペンション装置の制御部の構成を示す
ブロック図である。
ブロック図である。
【図4】コントーローラの内部構成を示すブロック図で
ある。
ある。
【図5】上記コントローラの制御動作を示すフローチャ
ートである。
ートである。
【図6】関数f(x)を示すタイムチャートである。
【図7】本発明の別の実施例を示すフローチャートであ
る。
る。
【図8】関数f(y)を示すタイムチャートである。
1 車体 2 車輪 3 流体シリンダ 3c 液圧室 9 流量制御弁 13 圧力センサ(速度応答型の検出手段) 14 車高センサ(速度応答型の検出手段) 15 上下加速度センサ(経時安定型の検出手段) 18 横加速度センサ(経時安定型の検出手段) 47 判別手段 48 規制手段
Claims (5)
- 【請求項1】 車体側部材と各車輪側部材との間にそれ
ぞれ配設された流体シリンダと、この流体シリンダの液
圧室に対する作動流体の給排を制御することによってサ
スペンション特性を変更する流量制御弁とを備えた車両
のサスペンション装置において、車体の挙動を検出する
経時安定型の検出手段および即時応答型の検出手段と、
各検出手段から出力される検出信号に基づいて上記流量
制御弁の制御量を求める制御手段とを設け、この制御手
段に、車両の電源投入時点から上記経時安定型の検出手
段の検出精度が安定するまでの時間に対応する精度安定
時間が経過したか否かを判別する判別手段と、この判別
手段において精度安定時間が経過したことが確認される
までの間、上記流量制御弁の制御を規制する規制手段と
を設けたことを特徴とする車両のサスペンション装置。 - 【請求項2】 流体シリンダの液圧室に連通するガスば
ねが設けられてなる車両のサスペンション装置におい
て、電源投入時点から精度安定時間が経過したことが判
別手段によって確認されるまでの間、流体シリンダの液
圧室に対する作動流体の給排を停止するように構成した
ことを特徴とする請求項1記載の車両のサスペンション
装置。 - 【請求項3】 電源投入時点から精度安定時間が経過し
たことが判別手段によって確認されるまでの間、経時安
定型の検出手段から出力される検出信号に対応する制御
ゲインを0に設定するとともに、即時応答型の検出手段
から出力される検出信号に対応する制御ゲインを通常時
に比べて低下させるように構成したことを特徴とする請
求項1記載の車両のサスペンション装置。 - 【請求項4】 電源投入時点から精度安定時間が経過し
たことが判別手段によって確認されるまでの間、経時安
定型の検出手段から出力される検出信号に対応する制御
ゲインを0に設定し、かつ通常時に比べて即時応答型の
検出手段から出力される検出信号に対応する制御ゲイン
を低下させるとともに、上記即時応答型の検出手段から
出力される検出信号の微分値に対応する制御ゲインを増
大させるように構成したことを特徴とする請求項1記載
の車両のサスペンション装置。 - 【請求項5】 車体側部材と各車輪側部材との間にそれ
ぞれ配設された流体シリンダと、この流体シリンダの液
圧室に対する作動流体の給排を制御することによってサ
スペンション特性を変更する流量制御弁とを備えた車両
のサスペンション装置において、車体の挙動を検出する
経時安定型の検出手段および即時応答型の検出手段と、
各検出手段から出力される検出信号に基づいて上記流量
制御弁の制御量を求める制御手段とを設け、この制御手
段に、車両の電源が投入された時点で上記制御手段によ
る流量制御弁の制御を規制するとともに、時間の経過に
応じて上記規制状態を徐々に解除する規制手段を設けた
ことを特徴とする車両のサスペンション装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3154626A JP3015513B2 (ja) | 1991-06-26 | 1991-06-26 | 車両のサスペンション装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3154626A JP3015513B2 (ja) | 1991-06-26 | 1991-06-26 | 車両のサスペンション装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH054507A JPH054507A (ja) | 1993-01-14 |
JP3015513B2 true JP3015513B2 (ja) | 2000-03-06 |
Family
ID=15588302
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3154626A Expired - Lifetime JP3015513B2 (ja) | 1991-06-26 | 1991-06-26 | 車両のサスペンション装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3015513B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2007007820A1 (ja) * | 2005-07-12 | 2007-01-18 | Morio Okatsu | 二輪車 |
JP6764549B1 (ja) * | 2020-02-12 | 2020-09-30 | 株式会社ショーワ | 車高調整装置、鞍乗型車両 |
-
1991
- 1991-06-26 JP JP3154626A patent/JP3015513B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH054507A (ja) | 1993-01-14 |
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