以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
図2は本発明の実施の形態における段差学習システムの構成を示すブロック図である。
図に示されるように、本実施の形態における段差学習システムは、道路情報としての車両の走行環境情報を出力する走行環境情報出力ユニットとしてのナビゲーション装置10、車両のサスペンション(懸架装置)を制御する制御ユニットとしてのサスペンション制御装置20、及び、サスペンションユニット30を有する。ここで、前記車両は乗用車、トラック、バス、二輪車等道路を走行可能なものであればいかなる種類のものであってもよいが、本実施の形態においては、説明の都合上、前記車両が4つの車輪を備える乗用車である場合について説明する。なお、前記サスペンションユニット30は4つの車輪のそれぞれに取り付けられているものとする。
そして、11はGPS(Global Positioning System)センサ、12は車両の回転角速度、すなわち、旋回角を検出するジャイロセンサ、13は車両の速度を検出する車速センサ、及び、14は車両の加速度を検出するGセンサである。
ここで、前記ナビゲーション装置10は、CPU、MPU等の演算手段、半導体メモリ、磁気ディスク等の記憶手段、CRT、液晶ディスプレイ、LED(Light Emitting Diode)ディスプレイ、レーザホログラム等の表示手段、タッチパネル、リモートコントローラ、押しボタンスイッチ等の入力手段、通信インターフェイス等を備える。なお、前記ナビゲーション装置10は、前記GPSセンサ11、ジャイロセンサ12、車速センサ13、Gセンサ14に加えて、運転者が操作する車両のステアリングの舵(だ)角を検出するステアリングセンサ、車両の方向指示器としてのウィンカの動作を検出するウィンカセンサ、運転者が操作するアクセル開度を検出するアクセルセンサ、運転者が操作する車両のブレーキペダルの動きを検出するブレーキセンサ、車両の重量情報を取得する車重センサ、地磁気センサ、距離センサ、ビーコンセンサ、高度計等を備えていてもよい。この場合、前記GPSセンサ11は、図示されないGPS衛星が発信した電波を受信することによって地球上における現在位置を検出し、前記地磁気センサは、地磁気を測定することによって車両が向いている方位を検出し、前記距離センサは、道路上の所定の位置間の距離等を検出する。また、前記ビーコンセンサは、道路に沿って配設されたビーコンからの位置情報を受信して現在位置を検出する。そして、前記ナビゲーション装置10は、前記GPSセンサ11、ジャイロセンサ12、車速センサ13、Gセンサ14等からの信号に基づいて、車両の現在位置、車両が向いている方位、車両の速度、車両の移動距離等を検出する。
また、前記ナビゲーション装置10の記憶手段は、地図データファイル、交差点データファイル、ノードデータファイル、道路データファイル、及び、各地域のホテル、ガソリンスタンド等の施設の情報が記憶された施設情報データファイルから成る地図データベース部15を備える。さらに、前記記憶手段は、サスペンション制御装置20が検出した道路上の段差に関する情報、すなわち、段差情報や経路を探索するためのデータの他、前記表示手段の画面に、探索された経路に沿って案内図を表示したり、次の交差点までの距離、次の交差点における進行方向等を表示したり、他の案内情報を表示したりするための各種のデータを記憶する記憶メディア部19を備える。なお、該記憶メディア部19には、所定の情報を音声出力するための各種のデータも記憶される。また、前記記憶手段は、磁気テープ、磁気ディスク、磁気ドラム、フラッシュメモリ、CD−ROM、MD、DVD−ROM、光ディスク、MO、ICカード、光カード、メモリカード等、あらゆる形態の記憶媒体を含むものであり、取り外し可能な外部記憶媒体を使用することもできる。
そして、前記交差点データファイルには交差点データが、ノードデータファイルにはノードデータが、道路データファイルには道路データが、それぞれ、記憶され、前記交差点データ、ノードデータ及び道路データによって道路状況が表示手段の画面に表示される。なお、前記交差点データには、交差点の種類、すなわち、交通信号灯器の設置されている交差点であるか又は交通信号灯器の設置されていない交差点であるかが含まれる。また、前記ノードデータは、前記地図データファイルに記録された地図データにおける少なくとも道路の位置及び形状を構成するものであり、実際の道路の分岐点(交差点、T字路等を含む)、ノード点、及び、各ノード点間を連結するリンクを示すデータから成る。さらに、前記ノード点は、少なくとも道路の屈曲点の位置を示す。
また、前記道路データには、道路自体について、幅員、勾(こう)配、カント、高度、バンク、路面の状態、道路の車線数、該車線数の減少する地点、幅員の狭くなる地点等のデータが含まれる。なお、高速道路や幹線道路の場合、対向方向の車線のそれぞれが別個の道路データとして格納され、二条化道路として処理される。例えば、片側2車線以上の幹線道路の場合、二条化道路として処理され、上り方向の車線と下り方向の車線は、それぞれ、独立した道路として道路データに格納される。また、コーナについては、曲率半径、交差点、T字路、コーナの入口等のデータが含まれる。さらに、道路属性については、踏切、高速道路出入口ランプウェイ、高速道路の料金所、降坂路、登坂路、道路種別(国道、主要地方道、一般道、高速道等)等のデータが含まれる。
さらに、前記ナビゲーション装置10の通信インターフェイスは、サスペンション制御装置20との間で通信を行うとともに、FM送信装置、電話回線網、インターネット、携帯電話網等との間で各種のデータの送受信を行うためのものであり、例えば、図示されない情報センサ等によって受信した渋滞等の道路情報、交通事故情報、GPSセンサ11の検出誤差を検出するD−GPS情報等の各種のデータを受信する。
そして、前記ナビゲーション装置10は、車両の現在位置を検出する現在位置検出部16、サスペンション制御装置20が検出した段差に関する情報に基づいて段差エリア算出処理を実行する段差エリア算出処理部17、及び、車両の進行方向前方の道路上にある段差についての情報をサスペンション制御装置20に通知するための段差情報通知処理を実行する段差情報通知処理部18を有する。さらに、ナビゲーション装置10は、同一地点において送信された学習要求の数をカウントするカウンタとしての図示されない学習要求カウンタを有する。また、前記ナビゲーション装置10は、通常の車両用ナビゲーション装置と同様に、目的地までの経路の探索、経路中の走行案内、特定区間の決定、地点、施設等の検索等の基本処理を実行し、地図を表示手段の画面に表示し、前記地図上に車両の現在位置、該現在位置から目的地までの経路、該経路に沿った案内情報等を表示する。なお、該案内情報は、発音手段によって音声出力されるようにしてもよい。また、前記ナビゲーション装置10は車両の現在位置を特定する現在位置特定手段として機能する。さらに、前記ナビゲーション装置10は、車両の走行経路において車両の前方に位置するコーナ等(交差点、T字路、高速道路出入口ランプウェイ等も含む)の形状、該コーナ等への推奨進入速度等を含む走行環境情報を認識する。そして、該走行環境情報はサスペンション制御装置20に送信される。
また、該サスペンション制御装置20は、CPU、MPU等の演算手段、半導体メモリ、磁気ディスク等の記憶手段、通信インターフェイス等を備える。そして、前記サスペンション制御装置20は、例えば、車両内に配設されたボディ通信網としての車内LAN(Local Area Network)等の通信網を介して、ナビゲーション装置10と通信可能に接続されている。なお、前記サスペンション制御装置20は、道路上にある段差を検出する段差検出処理を実行する段差検出処理部21、及び、サスペンションユニット30の特性を制御するサスペンション特性制御部としての減衰力制御部25を有する。
そして、前記段差検出処理部21は、段差検出センサ22に接続され、該段差検出センサ22の検出信号に基づいて、車両が段差上を走行したことを検出する。前記段差検出センサ22は、例えば、上下加速度センサであり、サスペンションユニット30における車体側の部分であるばね上部分が上下方向に移動する加速度としての車両の上下方向加速度を検出する。なお、前記ナビゲーション装置10のGセンサ14や図示されない車高センサを段差検出センサ22として兼用することもできる。そして、段差検出処理部21は、上下加速度の高周波成分をバンドパスフィルタで抽出し、所定の閾(しきい)値以上であれば、車両が段差上を走行したと判断する。なお、検出された上下加速度が低周波である場合には、段差によるものでなく、路面のうねりによるものと考えることができるので、車両が段差上を走行したと判断しないようになっている。
また、前記減衰力制御部25は、車両の速度を検出する車速センサ26及び運転者が操作する車両のステアリングの舵角を検出するステアリングセンサ27に接続され、前記車速センサ26及びステアリングセンサ27の検出信号、並びに、ナビゲーション装置10の段差情報通知処理部18から取得した段差情報に基づいて、各サスペンションユニット30の特性を制御する。なお、前記ナビゲーション装置10の車速センサ13及びステアリングセンサを車速センサ26及びステアリングセンサ27として兼用することもできる。また、減衰力制御部25は、前記サスペンションユニット30のいかなる特性を制御してもよく、例えば、ばね部材のばねレート(ばね定数又はスプリングレート)の値を制御してもよいが、ここでは、サスペンションユニット30の特性としての減衰力を制御する場合について説明する。また、該減衰力の制御はいかなる方法で行われてもよいが、ここでは、各サスペンションユニット30の油圧ダンパ34に内蔵されたアクチュエータを駆動してオリフィス切り換え型減衰可変バルブを回転させることによって、油流路におけるオリフィスの直径の大きさを変化させるものとする。
ここで、サスペンションユニット30は、一端が車体に回動可能に取り付けられ、他端が車軸を支持するハブ部材等に取り付けられたアッパーアーム31、ロワーアーム32等の車輪支持装置、並びに、コイルスプリング33等のばね部材及び油圧ダンパ34等の減衰器から成る緩衝装置を有する。なお、図に示される車輪支持装置及び緩衝装置は、一例に過ぎず、サスペンションユニット30はいかなるタイプの車輪支持装置及び緩衝装置を有するものであってもよい。図に示される油圧ダンパ34は、アクチュエータ内蔵型の減衰力可変ダンパである。なお、前記サスペンションユニット30は、サスペンション制御装置20に制御状況情報を送信する。また、図に示される例においては、サスペンション制御装置20が独立した構成になっているが、サスペンション制御装置20が有する機能をサスペンションユニット30に付属させることもできる。
本実施の形態において、段差学習システムは、機能の観点から、段差検出手段、記憶手段、比較手段、記憶処理手段及び段差制御手段を有する。前記段差検出手段は、道路の段差を検出するものであり、段差検出処理部21、段差検出センサ22等の機能を含むものである。また、前記記憶手段は、段差検出手段が検出した段差エリアの段差情報を、該段差情報の信頼性情報とともに記憶するものであり、記憶メディア部19等の機能を含むものである。さらに、前記比較手段は、記憶手段に記憶されている段差エリアの段差情報と、段差検出手段が検出した段差エリアの段差情報とを比較するものであり、現在位置検出部16、段差エリア算出処理部17等の機能を含むものである。さらに、前記記憶処理手段は、比較手段による比較結果に基づいて、記憶手段に記憶されている段差エリアの段差情報を補正するものであり、現在位置検出部16、段差エリア算出処理部17等の機能を含むものである。さらに、段差制御手段は、記憶手段に記憶されている段差エリアの段差情報に基づいて段差制御を行うとともに、前記信頼性情報に応じて制御量を変化させるものであり、減衰力制御部25、サスペンションユニット30等の機能を含むものである。
次に、前記構成の段差学習システムの動作について説明する。
図1は本発明の実施の形態における段差エリアの位置情報を補正する動作を示す図、図3は本発明の実施の形態における学習要求を結合する動作を示す図、図4は本発明の実施の形態における同一地点判定の動作を示す図である。
車両が道路上の段差を走行する際に、例えば、減衰力を弱くすることによって、サスペンションユニット30の特性をソフトな、すなわち、柔らかな設定に変更することにより、乗り心地を向上させることができる。しかし、段差があることを検出してからサスペンションユニット30の特性を変更しても間に合わないので、十分な効果を得ることができない。そのため、十分な効果を得るためには、サスペンションユニット30の特性を事前に柔らかな設定に変更する必要がある。そして、サスペンションユニット30の特性を事前に変更するためには、ナビゲーション装置10の地図データベース部15にあらかじめ段差情報を格納し、該段差情報と車両の現在位置とに基づいて、車両の進行方向前方の所定距離範囲内に段差があることを判断することが考えられるが、道路のすべての段差に関する段差情報を格納した地図データファイルや道路データファイルを作成することは、コストが高く、また、ファイルの記憶容量が膨大なものになってしまうので、事実上困難である。また、車両に取り付けたカメラ等の撮像装置やミリ波レーダ等のレーダ装置によって、車両の進行方向前方の所定距離範囲内にある段差を検出することも考えられるが、高い精度で段差を検出することはコストが高くなる。
そこで、本実施の形態においては、サスペンション制御装置20が段差を検出するとナビゲーション装置10に学習要求として段差を検出した旨の信号を送信し、ナビゲーション装置10が学習要求に応じて検出された段差エリアの段差情報を記憶メディア部19に記憶して学習するようになっている。なお、前記段差エリアは、道路上において段差の存在する範囲である。また、前記段差情報は、前記段差エリアの始点及び終点の位置情報等を含む段差エリアに関する情報である。
そして、段差情報を記憶メディア部19に記憶した後に該当する段差エリアのある道路を走行する場合、ナビゲーション装置10は記憶した段差エリアの段差情報を事前にサスペンション制御装置20に送信する。そのため、該サスペンション制御装置20は、ナビゲーション装置10から受信した段差情報に基づいてサスペンションユニット30の特性を事前に柔らかな設定に変更することができる。この場合、前述のようにコストが高くなることがなく、また、ファイルの記憶容量が膨大なものになることもなく、乗り心地を向上させることができる。
ところで、サスペンション制御装置20からの学習要求が短い間隔で複数送信された場合に、ナビゲーション装置10がすべての学習要求に応じて検出された段差エリアの段差情報をそのまま記憶メディア部19に記憶し、記憶した段差エリアの段差情報に基づいてサスペンション制御装置20がサスペンションユニット30の特性を変更すると、該サスペンションユニット30の特性が短い間隔で変化するので、車両の運転者や同乗者は違和感を感じてしまう。また、記憶メディア部19に記憶する記憶データが増加し、記憶メディア部19の記憶容量が圧迫されてしまう。
そこで、本実施の形態においては、近接した段差エリアを統合する段差エリア統合処理を行い、図3に示されるように、検出された段差エリアとしての学習要求エリアの間隔が短い場合には、複数の学習エリアをまとめて学習された段差エリアとしての学習エリアを作成するようになっている。なお、段差エリアとは、道路において段差が存在する区間であり、その長さは車両の進行方向に沿って計測される。そして、図3において、横軸は車両の進行方向に沿った距離を示し、縦軸はサスペンション制御装置20から送信された学習要求の有無を示している。また、線Aは学習要求を示し、線Bは学習エリアを示し、Cは学習要求が有となる値を示している。また、A1〜A5は検出された段差エリアとしての学習要求エリアを示し、B1及びB2は学習された段差エリアとしての学習エリアを示している。そして、サスペンション制御装置20からの学習要求が、図3(a)に示されるように、短い間隔で複数送信されたとすると、ナビゲーション装置10は、図3(b)に示されるように、学習エリアB1及びB2を作成して記憶メディア部19に記憶する。すなわち、学習要求エリアA1〜A3のように、隣接する学習要求エリア同士の間隔があらかじめ設定された閾値、例えば、30〔m〕未満の場合には、統合して単一の学習エリアを作成する。また、学習要求エリアA3及びA4のように、隣接する学習要求エリア同士の間隔が閾値以上の場合には統合しない。これにより、学習要求エリアA1〜A3を統合した学習エリアB1と学習要求エリアA4及びA5を統合した学習エリアB2が学習された段差エリアとして作成される。
また、道路上の同じ場所にある段差を複数回走行する場合、走行する度に学習要求に応じて検出された段差エリアの段差情報を記憶メディア部19に記憶すると、記憶データが増加し、記憶メディア部19の記憶容量を圧迫してしまう。
そこで、本実施の形態においては、図4に示されるように、検出された段差エリアとしての学習要求エリアを既に記憶メディア部19に記憶されている段差エリア、すなわち、学習エリアと比較して、同一地点における段差エリアであるか否かを判定する同一地点判定を行い、同一地点における段差エリアである場合には、記憶メディア部19に記憶しないようになっている。ここで、図4において、横軸は車両の進行方向に沿った距離を示し、縦軸はサスペンション制御装置20から送信された学習要求の有無を示している。そして、Cは学習要求が有となる値を示し、線Dは記憶メディア部19に記憶済みの段差エリアとしての学習エリアを示し、線Eは今回検出された段差エリアとしての今回の学習要求エリアを示している。また、D1及びD2は記憶済みの段差エリアとしての学習エリアを示し、E1〜E3は今回の学習要求エリア、すなわち、新規学習エリアを示している。そして、サスペンション制御装置20からの今回の学習要求エリアがE1のように、D1のような記憶済みの段差エリアとしての学習エリアと重なっている部分があるときは、該学習エリアと同一地点における段差エリアであると判定し、新たに記憶メディア部19に記憶しない。また、サスペンション制御装置20からの今回の学習要求エリアがE2のように、いずれの学習エリアと重なっていなくても、D2のような記憶済みの段差エリアとしての学習エリアからの距離がマッチング距離誤差以内にあるときは、前記学習エリアと同一地点における段差エリアであると判定し、新たに記憶メディア部19に記憶しない。なお、前記マッチング距離誤差は、マップマッチングの際に生じる誤差の最大距離であり、例えば、30〔m〕である。そして、サスペンション制御装置20からの今回の学習要求エリアがE3のように、いずれの学習エリアと重なっておらず、かつ、D2のような記憶済みの段差エリアとしての学習エリアからの距離がマッチング距離誤差より大であるときは、前記学習エリアと同一地点における段差エリアでないと判定し、新たな学習エリアとして記憶メディア部19に記憶する。
さらに、同一地点判定を行い、同一地点における段差エリアである場合には、段差エリアの位置情報を補正する。この場合、図1に示されるように、既に記憶メディア部19に記憶されている記憶済みの段差エリアとしての学習エリアの始点及び終点の位置情報と、今回検出された段差エリアとしての今回の学習要求エリアの始点及び終点の位置情報とを平均する平均化処理を行い、該平均化処理によって得られた始点及び終点の位置情報を補正後の段差エリアの始点及び終点の位置情報とする。そして、補正後の段差エリアとしての補正後学習エリアによって記憶済みの段差エリアとしての学習エリアを更新するようになっている。なお、平均化処理においては、記憶メディア部19に記憶されている記憶済みの段差エリアの始点及び終点の位置情報に重み付けを行って、加重平均を算出することもできる。図1において、横軸は車両の進行方向に沿った距離を示し、縦軸はサスペンション制御装置20から送信された学習要求の有無を示している。そして、F1は記憶メディア部19に既に記憶済みの段差エリアとしての学習エリアを示し、F2は今回検出された段差エリアとしての今回の学習要求エリアを示し、F3は補正後の段差エリアとしての補正後学習エリアを示している。
このようにして、段差エリアの位置情報の補正を繰り返すほど、ナビゲーション装置10が検出した段差エリアの始点及び終点の位置情報のばらつきを平準化することができるので、記憶済みの段差エリアとしての学習エリアの始点及び終点の位置情報が正確なものになる。すなわち、学習された段差エリアの位置情報の信頼性が向上する。そこで、段差エリアの位置情報についての補正回数を学習された段差エリアの位置情報の信頼性を示すための信頼性情報として記憶メディア部19に記憶させ、サスペンション制御装置20に段差情報を通知する際に信頼性情報としての補正回数を併せて通知することによって、サスペンション制御装置20は、補正回数に応じて、すなわち、学習された段差エリアの位置情報の信頼性情報に応じて、サスペンションユニット30の特性を変更することができる。そして、補正回数が多く、位置情報の信頼性が高いと考えられる学習エリアについては、減衰力制御部25が制御量を大きくしてサスペンションユニット30の特性を比較的大きく変更し、補正回数が少なく、位置情報の信頼性が低いと考えられる学習エリアについては、制御タイミングのずれを考慮して、減衰力制御部25が制御量を小さくしてサスペンションユニット30の特性を比較的小さく変更することによって、車両の運転者や同乗者が違和感を感じることがなく、段差に対して適切なサスペンション制御を効果的に行うことができる。
次に、段差学習システムを実行する処理について説明する。
図5は本発明の実施の形態における段差学習システムを実行する処理の手順を示すフローチャートである。
まず、サスペンション制御装置20は段差検出処理を実行する。ここで、該段差検出処理は、サスペンション制御装置20の段差検出処理部21が、段差検出センサ22の検出信号に基づいて、車両が段差上を走行したことを検出する処理である。この場合、前記段差検出処理部21は、段差検出処理を所定周期で、例えば、10〔msec〕毎に繰り返して実行し、実行する都度、段差が検出されているか否かを判断する。そして、段差が検出されていない状態から検出されている状態に変化したときには段差検出ON信号をナビゲーション装置10に送信し、段差が検出されている状態から検出されていない状態に変化したときには段差検出OFF信号をナビゲーション装置10に送信する。したがって、段差検出ON信号は、図3(a)に示されるA1〜A5のような検出された段差エリアとしての学習要求エリアの始点、すなわち、パルスのリーディングエッジに該当し、段差検出OFF信号は、図3に示されるA1〜A5のような検出された段差エリアとしての学習要求エリアの終点、すなわち、パルスのトレーリングエッジに該当する。
続いて、ナビゲーション装置10は段差情報記憶処理を実行する。ここで、該段差情報記憶処理は、ナビゲーション装置10の現在位置検出部16及び段差エリア算出処理部17が記憶メディア部19にアクセスして、検出された段差エリアを記憶メディア部19に記憶する処理である。この場合、図3(b)に示されるように、近接する段差エリアを統合し、学習された段差エリアとしての学習エリアを作成して記憶する。また、図4に示されるように、同一地点判定を行い、検出された段差エリアが既に記憶されている学習エリアと同一地点における段差エリアでない場合には前記検出された段差エリアを学習エリアとして記憶し、検出された段差エリアが既に記憶されている学習エリアと同一地点における段差エリアである場合には前記検出された段差エリアを記憶せず、既に記憶されている学習エリアについての学習要求カウンタのカウント値を1だけ増加、すなわち、インクリメントする。
また、ナビゲーション装置10は段差情報通知処理を実行する。ここで、該段差情報通知処理は、ナビゲーション装置10の段差情報通知処理部18が、現在位置検出部16から取得した車両の現在位置及び記憶メディア部19から取得した学習エリアの情報に基づいて、車両の進行方向前方における所定範囲内にある学習された段差エリアとしての学習エリアの段差情報をサスペンション制御装置20に送信する処理である。この場合、段差情報通知処理部18は段差エリアが存在する道路の道路種別を判断し、学習要求カウンタのカウント値が道路種別に対応する閾値以上である学習エリアの段差情報だけをサスペンション制御装置20に送信する。
続いて、該サスペンション制御装置20は減衰力制御処理を実行する。ここで、該減衰力制御処理は、サスペンション制御装置20の減衰力制御部25が、ナビゲーション装置10から受信した段差情報に基づいて、サスペンションユニット30の減衰力を下げて乗り心地を向上させる処理である。なお、車両が旋回中である場合には、車両の安定性に影響を及ぼすので、サスペンションユニット30の減衰力を変更しない。
次に、フローチャートについて説明する。
ステップS1 サスペンション制御装置20は段差検出処理を実行する。
ステップS2 ナビゲーション装置10は段差情報記憶処理を実行する。
ステップS3 ナビゲーション装置10は段差情報通知処理を実行する。
ステップS4 サスペンション制御装置20は減衰力制御処理を実行する。
次に、ステップS1における段差検出処理のサブルーチンについて説明する。
図6は本発明の実施の形態における段差検出処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
この場合、段差検出処理は所定タイミング、例えば、10〔msec〕毎に1回ずつ、繰り返して実行される。まず、サスペンション制御装置20の段差検出処理部21は、車体の上下加速度を段差検出センサ22からの検出信号に基づいて検出する。そして、前記段差検出処理部21は、上下加速度の高周波成分を抽出する。
続いて、段差検出処理部21は段差検出フラグがONであるか否かを判断する。ここで、前記段差検出処理部21は、繰り返して実行する段差検出処理において、前回実行された段差検出処理で段差を検出せずに、今回の段差検出処理で段差を検出すると、段差検出フラグをONにするようになっている。そして、段差検出フラグをONのままに維持し、段差検出処理で段差を検出しなくなると、段差検出フラグをOFFにする。そのため、段差検出フラグがONであることは、車両は段差エリアを走行中であり、少なくとも前回の段差検出処理で段差を検出したことを意味する。また、段差検出フラグがONでなくOFFであることは、車両は段差エリアを走行中でなく、少なくとも前回までの段差検出処理で段差を検出しなかったことを意味する。
そして、段差検出フラグがONでない場合、すなわち、段差検出フラグがOFFである場合、段差検出処理部21は上下加速度の高周波成分が第1の所定値としての所定値1以上であるか否かを判断する。ここで、所定値1は車両が段差上を走行したと判断することができる程度の上下加速度の大きさであり、任意に設定することができる。そして、前記上下加速度の高周波成分が所定値1以上でない場合には、そのまま処理を終了する。また、前記上下加速度の高周波成分が所定値1以上である場合、段差検出処理部21は段差検出フラグをONにする。そして、ナビゲーション装置10に段差検出ON信号を送信して処理を終了する。
また、段差検出フラグがONであるか否かを判断して段差検出フラグがONである場合、段差検出処理部21は上下加速度の高周波成分が第2の所定値としての所定値2未満であるか否かを判断する。ここで、所定値2は車両が段差上を走行しなくなったと判断することができる程度の上下加速度の大きさであり、ヒステリシスを持たせるために、前記所定値よりも小さな値であり、任意に設定することができる。そして、前記上下加速度の高周波成分が所定値2未満でない場合には、そのまま処理を終了する。また、前記上下加速度の高周波成分が所定値2未満である場合、段差検出処理部21は段差検出フラグをOFFにする。そして、ナビゲーション装置10に段差検出OFF信号を送信して処理を終了する。
次に、フローチャートについて説明する。
ステップS1−1 車体の上下加速度を段差検出センサ22からの検出信号に基づいて検出する。
ステップS1−2 上下加速度の高周波成分を抽出する。
ステップS1−3 段差検出フラグがONであるか否かを判断する。段差検出フラグがONである場合はステップS1−7に進み、段差検出フラグがONでない場合はステップS1−4に進む。
ステップS1−4 上下加速度の高周波成分が所定値1以上であるか否かを判断する。上下加速度の高周波成分が所定値1以上である場合はステップS1−5に進み、上下加速度の高周波成分が所定値1以上でない場合は処理を終了する。
ステップS1−5 段差検出フラグをONにする。
ステップS1−6 ナビゲーション装置10に段差検出ON信号を送信して処理を終了する。
ステップS1−7 上下加速度の高周波成分が所定値2未満であるか否かを判断する。上下加速度の高周波成分が所定値2未満である場合はステップS1−8に進み、上下加速度の高周波成分が所定値2未満でない場合は処理を終了する。
ステップS1−8 段差検出フラグをOFFにする。
ステップS1−9 ナビゲーション装置10に段差検出OFF信号を送信して処理を終了する。
次に、ステップS2における段差情報記憶処理のサブルーチンについて説明する。
図7は本発明の実施の形態における段差情報記憶処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
まず、ナビゲーション装置10は、段差学習要求がONであるか否か、すなわち、段差検出処理部21から受信した信号が段差検出ON信号であるか段差検出OFF信号であるかを判断する。そして、段差学習要求がON、すなわち、段差検出ON信号である場合、始点登録済みであるか否かを判断する。すなわち、図3(a)に示されるA1〜A5のような検出された段差エリアとしての学習要求エリアの始点が登録されているか否かを判断する。そして、登録済みである場合にはそのまま処理を終了する。また、登録済みでない場合には、段差エリア始点登録を行い、検出された段差エリアの始点を登録して処理を終了する。
また、段差学習要求がONであるか否かを判断してONでない場合、すなわち、段差検出OFF信号である場合、ナビゲーション装置10は、段差エリア始点が登録済みであるか否かを判断する。すなわち、図3(a)に示されるA1〜A5のような検出された段差エリアの始点が登録されているか否かを判断する。そして、登録済みでない場合にはそのまま処理を終了する。また、登録済みである場合には、段差エリア終点登録を行い、検出された段差エリアの終点を登録する。
続いて、ナビゲーション装置10は、今回の段差エリア手前所定範囲に別の段差エリアがあるか否かを判断する。すなわち、今回の段差情報記憶処理において終点が登録された段差エリアよりも、車両の進行方向に関する手前側の所定範囲、例えば、前記段差エリアの始点より手前側30〔m〕以内の範囲に、既に登録された他の段差エリアがあるか否かを判断する。そして、別の段差がある場合、すなわち、既に登録された他の段差エリアがある場合には、段差エリアを結合する。すなわち、図3において、学習要求エリアA1〜A3を結合した学習エリアB1と学習要求エリアA4及びA5を結合した学習エリアB2とを作成したように、今回の段差情報記憶処理において終点が登録された段差エリアを既に登録された他の段差エリアと結合して単一の学習エリアを作成する。なお、別の段差がない場合、すなわち、既に登録された他の段差エリアがない場合には、段差エリアを結合しない。
続いて、ナビゲーション装置10は、既に記憶メディア部19に登録済みの段差エリアで距離が所定値以内のものがあるか否かを判断する。すなわち、図4に示されるように、検出された段差エリアを既に記憶メディア部19に記憶されている段差エリア、すなわち、学習エリアと比較して、同一地点における段差エリアであるか否かを判定する同一地点判定を行う。そして、距離が所定値以内のものがある場合、すなわち、同一地点における段差エリアである場合には、今回の学習要求情報に基づき、登録済みの段差情報を補正する。つまり、今回の学習要求エリアの始点及び終点の位置情報に基づき、既に記憶メディア部19に登録済みの段差エリアの始点及び終点の位置情報を補正する。具体的には、図1に示されるような記憶メディア部19に既に記憶済みの段差エリアF1の始点及び終点の位置情報と、今回検出された段差エリアとしての今回の学習要求エリアF2の始点及び終点の位置情報との平均化処理を行い、補正後の段差エリアF3のような始点及び終点の位置情報を得る。続いて、対応する学習エリアの補正回数をインクリメントして処理を終了する。この場合、検出された段差エリアを記憶メディア部19に記憶せず、既に記憶メディア部19に記憶されている学習エリアの補正回数を計数するための補正回数カウンタのカウント値を1だけ増加させる。
また、距離が所定値以内のものがない場合、すなわち、同一地点における段差エリアでない場合には、段差エリアを記憶メディア部19に新規登録して処理を終了する。この場合、検出された段差エリアを、図3に示される学習要求エリアがE3のように、新たな学習エリアとして記憶メディア部19に記憶する。
次に、フローチャートについて説明する。
ステップS2−1 段差学習要求がONであるか否かを判断する。段差学習要求がONである場合はステップS2−2に進み、段差学習要求がONでない場合はステップS2−4に進む。
ステップS2−2 始点登録済みであるか否かを判断する。始点登録済みである場合は処理を終了し、始点登録済みでない場合はステップS2−3に進む。
ステップS2−3 段差エリア始点登録を行い、処理を終了する。
ステップS2−4 段差エリア始点が登録済みであるか否かを判断する。段差エリア始点が登録済みである場合はステップS2−5に進み、段差エリア始点が登録済みでない場合は処理を終了する。
ステップS2−5 段差エリア終点登録を行う。
ステップS2−6 今回の段差エリア手前所定範囲に別の段差エリアがあるか否かを判断する。今回の段差エリア手前所定範囲に別の段差エリアがある場合はステップS2−7に進み、今回の段差エリア手前所定範囲に別の段差エリアがない場合はステップS2−8に進む。
ステップS2−7 段差エリアを結合する。
ステップS2−8 既に記憶メディア部19に登録済みの段差エリアで距離が所定値以内のものがあるか否かを判断する。既に記憶メディア部19に登録済みの段差エリアで距離が所定値以内のものがある場合はステップS2−9に進み、既に記憶メディア部19に登録済みの段差エリアで距離が所定値以内のものがない場合はステップS2−11に進む。
ステップS2−9 今回の学習要求情報に基づき、登録済みの段差情報を補正する。
ステップS2−10 対応する学習エリアの補正回数をインクリメントして処理を終了する。
ステップS2−11 段差エリアを記憶メディア部19に新規登録して処理を終了する。
次に、ステップS3における段差情報通知処理のサブルーチンについて説明する。
図8は本発明の実施の形態における段差情報通知処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
まず、ナビゲーション装置10は、現在位置前方道路の段差情報を記憶メディア部19から読み出す。この場合、現在位置検出部16から取得した車両の現在位置に基づき、車両の進行方向前方の道路にある学習された段差エリアの段差情報を記憶メディア部19から取得する。続いて、前方に段差エリアがあるか否かを判断する。この場合、車両の進行方向前方における所定範囲内にある学習された段差エリアがあるか否かを判断する。
そして、前方に段差エリアがない場合には処理を終了する。また、前方に段差エリアがある場合、ナビゲーション装置10はサスペンション制御装置20に段差情報を送信して処理を終了する。この場合、段差情報の補正回数も送信する。
次に、フローチャートについて説明する。
ステップS3−1 現在位置前方道路の段差情報を記憶メディア部19から読み出す。
ステップS3−2 前方に段差エリアがあるか否かを判断する。前方に段差エリアがある場合はステップS3−3に進み、前方に段差エリアがない場合は処理を終了する。
ステップS3−3 サスペンション制御装置20に段差情報(補正回数も含む)を送信して処理を終了する。
次に、ステップS4における減衰力制御処理のサブルーチンについて説明する。
図9は本発明の実施の形態における減衰力制御処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
まず、サスペンション制御装置20の減衰力制御部25は、ナビゲーション装置10から前方の段差情報を受信したか否か、すなわち、車両の進行方向前方における所定範囲内にある学習された段差エリアについての段差情報を受信したか否かを判断する。そして、段差情報を受信していない場合にはそのまま処理を終了する。また、段差情報を受信した場合、減衰力制御部25は旋回中であるか否かを判断する。この場合、減衰力制御部25はステアリングセンサ27の検出信号に基づいて車両が旋回中であるか否かを判断する。なお、減衰力制御部25が図示されないヨーレートセンサや横加速度センサに接続されているのであれば、該ヨーレートセンサや横加速度センサの検出信号に基づいて車両が旋回中であるか否かを判断することもできる。
そして、車両が旋回中である場合にはそのまま処理を終了する。また、車両が旋回中でない場合、減衰力制御部25は、ナビゲーション装置10から通知された段差情報の補正回数に応じて、サスペンションユニット30の減衰力を下げて乗り心地を向上させ、処理を終了する。ここで、補正回数が多ければ、学習された段差エリアの位置情報の信頼性が高く、制御タイミングのずれが小さいと考えられるので、制御量を大きくし、サスペンションユニット30の特性を比較的大きく変更してもよい。そのため、減衰力の下げ量を大きくする。また、補正回数が少なければ、学習された段差エリアの位置情報の信頼性が低いと考えられ、制御タイミングのずれが大きいと考えられるので、制御量を小さくし、サスペンションユニット30の特性を比較的小さくしか変更しないようにして、車両の運転者や同乗者に違和感を感じさせないようにする必要がある。そのため、減衰力の下げ量を小さくする。
次に、フローチャートについて説明する。
ステップS4−1 ナビゲーション装置10から前方の段差情報を受信したか否かを判断する。ナビゲーション装置10から前方の段差情報を受信した場合はステップS4−2に進み、ナビゲーション装置10から前方の段差情報を受信していない場合は処理を終了する。
ステップS4−2 旋回中であるか否かを判断する。旋回中である場合は処理を終了し、旋回中でない場合はステップS4−3に進む。
ステップS4−3 ナビゲーション装置10から通知された段差情報の補正回数に応じて、サスペンションユニット30の減衰力を下げて乗り心地を向上させて、処理を終了する。
このように、本実施の形態においては、車両の走行中にサスペンション制御装置20が道路上にある段差を検出すると、ナビゲーション装置10は検出された段差エリアの存在を学習する。この場合、ナビゲーション装置10は、段差エリアが検出されると同一地点判定を行って、同一地点における段差エリアについては位置情報を補正するようになっている。そのため、学習された段差エリアの位置情報は、ばらつきが平準化されて正確なものとなり、信頼性が向上する。また、記憶メディア部19に記憶する記憶データの記憶容量を削減することができ、記憶メディア部19の記憶容量を圧迫することがない。
さらに、サスペンション制御装置20は、補正回数に応じて、すなわち、学習された段差エリアの位置情報の信頼性情報に応じて制御量を変化させることによって、サスペンションユニット30の特性を変更するので、段差に対して適切にサスペンション制御を行うことができる。すなわち、補正回数が多く、位置情報の信頼性が高いと考えられる段差エリアについては、サスペンション制御装置20が制御量を大きくしてサスペンションユニット30の特性を比較的大きく変更するので、車両が段差上を走行する際に受ける衝撃を適切に吸収することができる。また、補正回数が少なく、位置情報の信頼性が低いと考えられる段差エリアについては、サスペンション制御装置20が制御量を小さくしてサスペンションユニット30の特性を比較的小さく変更するので、制御タイミングがずれても、車両の運転者や同乗者が違和感を感じることがない。
さらに、ナビゲーション装置10は、検出された複数の段差エリアを間隔が短い場合には結合して単一の段差エリアとするので、記憶メディア部19に記憶する記憶データの記憶容量を削減することができ、記憶メディア部19の記憶容量を圧迫することがない。また、サスペンションユニット30の特性が短い間隔で変化することがなく、段差に対して適切にサスペンション制御を行うことができる。
なお、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々変形させることが可能であり、それらを本発明の範囲から排除するものではない。