JP3015243U - 寝たきり病人用のおむつ替え具 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】寝たきり病人のおむつを取り替える際、病人に
とっても看護人にとっても負担が少ない便利な寝たきり
病人用のおむつ替え具を提供する。 【構成】 ベッドａの前後方向中間部の左右両側に対向
状態に立設する支柱１，２上に門型枠体３を架設し、門
型枠体３の上部の梁体３'の左右寄りに一対の左滑車４
と右滑車５を設け、この左滑車４と右滑車５に門型枠体
３若しくはベッドａに設けた紐巻取装置６により吊り上
げられる吊紐７，８を懸架し、この吊紐７，８の下端に
膝吊り上げ帯９，10を設けた寝たきり病人用のおむつ替
え具。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は寝たきり病人のおむつを取り替えるに便利な寝たきり病人用のおむつ 替え具に係るものである。

【０００２】

【従来の技術及び考案が解決しようとする課題】

寝たきり病人のおむつを取り替える作業は、病人にとってもまた看護人にとっ ても大変苦労の多い作業であった。

【０００３】 発明者は左右一対の膝吊り上げ帯を仰臥した病人の膝の裏側に通した後その両 端を上方で合わせて環状に形成し、この環状の膝吊り上げ帯を膝の関節の曲がり を利用しながら上方に引き上げると、病人の腰が斜め前方上方に引きずられるよ うに引き上げられ、病人の腰を何の苦痛もなく容易に浮き上がらせることができ ることを見出し本発明を完成した。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

添付図面を参照して本考案の要旨を説明する。

【０００５】 ベッドａの前後方向中間部の左右両側に対向状態に立設する支柱１，２上に門 型枠体３を架設し、門型枠体３の上部の梁体３'一対の左滑車４と右滑車５を設 け、この左滑車４と右滑車５に門型枠体３若しくはベッドａに設けた紐巻取装置 ６により吊り上げられる吊紐７，８を懸架し、この吊紐７，８の下端に膝吊り上 げ帯９，10を設けたことを特徴とする寝たきり病人用のおむつ替え具に係るもの である。

【０００６】

【作用】

ベッドａに仰臥した寝たきり病人の左右の膝の裏側に膝吊り上げ帯９，10を通 してその各々の両端を上方で合わせて環状に形成し、この環状の膝吊り上げ帯９ ，10を紐巻取装置６により病人の膝の関節の曲がりを利用しながら上方に引き上 げると、病人の腰が斜め前方上方にひきずられるように引き上げられ病人の腰が 浮き上がるのでその位置で紐巻取装置６の巻き取りを係止し、病人のおむつを取 り替える。

【０００７】 病人のおむつが取り替えられたら紐巻取装置６を逆に回して病人の腰を着床さ せ、膝吊り上げ帯９，10を病人の膝から外す。

【０００８】

【実施例】

添付図面は本考案に好適な実施の一例を図示したもので、ベッドａの前後方向 中間部の左右両側を対向状態に短柱状の支柱１，２を立設し、この支柱１，２上 に門型枠体３を起伏可能に架設する。

【０００９】 図示した実施例では、前記支柱１，２の上部寄りに外側に切り込んだ切り込み 段部１'．２'を刻設し、門型枠体３の左右の脚柱に前記切り込み段部１'，２'に 係合する内側に切り込んだ切り込み段部３"・３"を設け、支柱１，２の切り込み 段部１'，２'上に門型枠体３の切り込み段部３"・３"を立設し、この左右の切り 込み段部１'・３"，２'・３"を枢着軸12，13で枢着して門型枠体３を支柱１，２ に対し起伏自在に設け、この枢着軸12，13の下方に蝶ボルト形状の止着ボルト14 ，15を設けて支柱１，２上に門型枠体３を起伏可能に固定する。

【００１０】 門型枠対３の上部の梁体３'の左右寄りに一対の左滑車４と右滑車５を設ける 。図示した実施例ではこの左滑車４と右滑車５とを梁体３'内にほぞ穴状の切り 込み凹部を穿孔し、この穿穴凹部内に滑車を埋設状態に設けた場合を図示してい るが、梁体３'の前側面に位置を違えて付設しても良い。

【００１１】 門型枠体３若しくはベッドａの右側に紐巻取装置６として逆転防止用ラチェッ ト機構付の電動ウインチを付設し、門型枠体３の梁体３'の右端に複列滑車16を 設ける。図示した実施例ではこの複列滑車16を梁体３'内に埋設するよう設けた が、梁体３'の前側面の位置に設けても良い。前記電動ウインチの巻取ドラムに 夫々吊紐７，８を巻回し、左用の紐体７の他端を複列滑車16・左滑車４に、右用 の紐体８の他端を複列滑車16・右滑車４に迂回して下方に垂設し、この吊紐７， ８の下端に空気を入れたビニールチューブのような帯体の両端を引っ掛けて環状 にした膝吊り上げ帯９，10を止着するフック部17，18を設ける。

【００１２】 本考案の実施例を上記のように構成したので、ベッドａに仰臥した寝たきり病 人の左右の膝の裏側に膝吊り上げ帯９，10の一端を通した後その両端を上方のフ ック部17，18で引っ掛けて環状に形成し、この環状の膝吊り上げ帯９，10を紐巻 取装置６の電動ウインチにより上方に引き上げると、病人の腰が斜め前方上方に 引きずられるように引き上げられて病人の腰を浮き上がらせる。

【００１３】 この状態で電動ウインチの回転を停止しラチェット機構により巻取ドラムの逆 転を防止し、病人のおむつを取り替える。

【００１４】 病人のおむつを取り替えたらラチェット機構を解除し電動ドラムを逆転して病 人の腰を着床させ、膝吊り上げ帯９，10を病人の膝から外す。

【００１５】 また、止着ボルト14，15を外して門型枠体３を前方に折り曲げて倒すと、門型 枠体３はそのまま手摺りとして使用でき、また食台を乗せる事に利用することも 可能である。

【００１６】 また、吊紐７，８を病人の腰の部分に止着すると病人を持ち上げることも可能 となる。

【００１７】 尚、符号19は左右の支柱１，２に埋め込まれた止着ボルト14，15用のナットで ある。

【００１８】 また、畳や床上に板状の簡易寝台を設け、この簡易寝台の両側に本考案の門型 枠体３を立設して寝たきりの病人のおむつ替え具を構成しても良い。

【００１９】

【考案の効果】

本考案は上記のようにベッドの前後方向中間部の左右両側に対向状態に立設す る支柱上に門型枠体を架設し、門型枠体の上部の梁体の左右寄りに一対の左滑車 と右滑車を設け、この左滑車と右滑車に門型枠体若しくはベッドに設けた紐巻取 装置により吊り上げられる吊紐を懸架し、この吊紐の下端に膝吊り上げ帯を設け たので、膝吊り上げ帯を仰臥した寝たきり病人の膝の裏側に通した後、その両端 を上方で合わせて環状に形成し、この環状の膝吊り上げ帯を膝の関節の曲がりを 利用しながら紐巻取装置により上方に引き上げることにより、病人の腰を病人に 何の苦痛も与えないで容易に浮き上がらせておむつを取り替えることができるの で、病人にとっても、また看護人にとっても負担が少なく実用的で便利な寝たき り病人用のおむつ替え具となる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本実施例の斜視図である。

【図２】本実施例の要部の一部を切欠ける側面図であ
る。

【図３】本実施例の使用状態を示す図面で、左右の膝吊
り上げ帯の内面をベッドに仰臥した寝たきり病人の膝の
裏側に当接した状態を示す説明用正面図である。

【図４】本実施例の使用状態を示す図面で、紐巻取装置
により左右の環状の膝吊り上げ帯を上方に引き上げ病人
の腰を浮かせた状態を示す説明用正面図である。

【符号の説明】

ａ ベッド １，２ 支柱 ３ 門型枠体 ３’ 梁体 ４ 左滑車 ５ 右滑車 ６ 紐巻取装置 ７，８ 吊紐 ９，10 膝吊り上げ帯

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 ベッドの前後方向中間部の左右両側に対
   向状態に立設する支柱上に門型枠体を架設し、門型枠体
   の上部の梁体一対の左滑車と右滑車を設け、この左滑車
   と右滑車に門型枠体若しくはベッドに設けた紐巻取装置
   により吊り上げられる吊紐を懸架し、この吊紐の下端に
   膝吊り上げ帯を設けたことを特徴とする寝たきり病人用
   のおむつ替え具。