JP3014756U - 漏水防止瓦 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】降雨により隣接する瓦の下面に瓦の尻側および
衿側から漏水することを防ぐことにある。 【構成】尻側に尻の側辺とおよそ平行に頭側から尻側に
かけて階段状に３段の水返しが設けられ、衿側面に沿っ
て衿表面の尻側から頭側にかけて衿側溝が設けられたこ
とを特徴とする漏水防止瓦。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、漏水防止瓦に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来、水返しを備えた瓦において、水返しは２段以内に設けられていた。 ところで、従来屋根の勾配は４寸から４寸５分勾配がほとんどであったのが近 時３寸勾配の緩勾配となるものも増加しつつある。 しかし、上記のような緩勾配屋根においては、水返しが２段以内の瓦を屋根に 葺いた際に、従来急勾配の屋根に葺いたときと比較して、表面の頭側から尻側に かけての傾斜角が緩やかになるため尻側に吹き込む降雨が容易に水返しを乗り越 え、隣接する瓦の下方へ漏水することが少なくなかった。

【０００３】 一方、瓦を葺く際には瓦を順次積み重ねる必要があるため、水返し全体の高さ を一定以上に高くすることは施工上不可能である。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

本考案は、上記した従来技術の欠点を除くためになされたものであって、その 目的とするところは、尻側に尻の側辺とおよそ平行に頭側から尻側にかけて階段 状に設けられた３段の水返しにより、従来水返しが２段以内に設けられた瓦で防 げない瓦尻側からの漏水を防止することにあり、とりわけ緩勾配屋根に葺かれる 瓦で従来防げなかった漏水を防止することにある。

【０００５】 また他の目的は、衿側面に沿って衿表面の尻側から頭側にかけて設けられた衿 側溝により、衿側から隣接する瓦の下面に漏水することを防ぐことにある。

【０００６】 更に他の目的は、尻側に尻の側辺とおよそ平行に頭側から尻側にかけて階段状 に設けられた３段の水返しと、衿側面に沿って衿表面の尻側から頭側にかけて設 けられた衿側溝により、隣接する瓦の下面に漏水することを防ぐことにある。

【０００７】

【課題を解決するための手段】

要するに本考案の瓦は、尻側に尻の側辺とおよそ平行に頭側から尻側にかけて 階段状に３段の水返しが設けられたことを特徴とするものである。

【０００８】 また、本考案の別の瓦は、衿側面に沿って衿表面の尻側から頭側にかけて衿側 溝が設けられたことを特徴とするものである。

【０００９】 また、本考案のさらに別の瓦は、尻側に尻の側辺とおよそ平行に頭側から尻側 にかけて階段状に３段の水返しが設けられ、衿側面に沿って衿表面の尻側から頭 側にかけて衿側溝が設けられたことを特徴とするものである。

【００１０】

【実施例】

この考案の実施例の詳細を図１〜図３を参照して説明する。 なお、図２は本考案に係る瓦を施工した際に重なり合う２枚の瓦の頭と尻の頭 尻方向の要部拡大縦断面図である。また、図３は本考案に係る瓦を施工した際に 重なり合う２枚の瓦の桟と衿の桟衿方向の要部拡大縦断面図である。

【００１１】 本考案に係る瓦は３段の水返し１２ａ、１２ｂ、１２ｃと衿側溝１６を備えて いる。

【００１２】 尻１０側の表面に３段に水返し１２ａ、１２ｂ、１２ｃが設けられている。 ３段の水返し１２ａ、１２ｂ、１２ｃはそれぞれ尻１０側面とおよそ平行に設 けられている。 これらは、頭１８側から尻１０側に吹き込む降雨がいずれの方向から吹き込ん でもできるだけ確実に降雨を頭１８側に誘導するためである。

【００１３】 ３段の水返し１２ａ、１２ｂ、１２ｃは瓦の頭１８方向から尻１０側辺方向に 向けて階段状に設けられている。 まず１段目の水返し１２ａにより一定の降雨を頭１８側に誘導しつつ、１段目 の水返し１２ａを乗り越え、尻１０側に向かおうとする降雨の勢いを弱める。 さらに２段目の水返し１２ｂおよび３段目の水返し１２ｃも１段目の水返し１ ２ａと同様の働きをする。

【００１４】 このようにして、階段状に３段に設けられた水返し１２ａ、１２ｂ、１２ｃが それぞれ相待って尻１０側からの漏水を防止する。

【００１５】 衿側溝１６は瓦主体２２の表面の衿１４に沿わせてその内側に尻１０側から頭 １８側にかけて設けられている。 これにより瓦の表面を流れる降雨のうち衿１４側方向に流れる水が瓦の頭１８ 側方向に誘導される。

【００１６】 なお、該衿側溝１６はリブでもよい。

【００１７】

【考案の効果】

本考案に係る３段の水返しを備えた瓦においては、瓦の表面の尻側に尻の側辺 とおよそ平行に頭側から尻側にかけて階段状に３段の水返しが設けられているの で、瓦の頭側から尻側にかけて吹き込む降雨が３段階にわたり頭側にはねかえさ れ、降雨が水返しを容易に乗り越えて瓦尻側に隣接する瓦の下面に漏水すること を防ぐことができる。

【００１８】 また、さらに衿側面に沿って衿表面の尻側から頭側にかけて衿側溝が設けられ たものにあっては、瓦の表面を流れる降雨のうち衿側方向に流れる水が該衿側溝 により瓦の頭側方向に誘導されるので、瓦衿側から隣接する瓦の下面に降雨が漏 水することを防ぐことができる。

【００１９】 さらに、該３段の水返しと該溝が併せて設けられている瓦にあっては、その相 乗効果により、より効率的に隣接する瓦下面への漏水を防止することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】 この考案の実施例の平面図である。

【図２】 この考案の実施例の概略拡大縦断面図であ
る。

【図３】 この考案の実施例の概略拡大縦断面図であ
る。

【符号の説明】

１０ 尻 １２ 水返し １４ 衿 １６ 衿側溝 １８ 頭 ２０ 桟 ２２ 瓦主体

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 尻（１０）側に尻（１０）の側辺とおよ
   そ平行に頭側から尻側にかけて階段状に３段の水返し
   （１２ａ、１２ｂ、１２ｃ）が設けられたことを特徴と
   する漏水防止瓦
2. 【請求項２】 衿（１４）側面に沿って衿（１４）表面
   の尻（１０）側から頭（１８）側にかけて衿側溝（１
   ６）が設けられたことを特徴とする漏水防止瓦
3. 【請求項３】 尻（１０）側に尻（１０）の側辺とおよ
   そ平行に３段の水返し（１２ａ、１２ｂ、１２ｃ）が設
   けられ、衿（１４）側面に沿って衿（１４）表面の尻
   （１０）側から頭（１８）側にかけて衿側溝（１６）が
   設けられたことを特徴とする漏水防止瓦