JP3014430B2 - 移動局用アンテナ - Google Patents

移動局用アンテナ

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JP3014430B2
JP3014430B2 JP2283384A JP28338490A JP3014430B2 JP 3014430 B2 JP3014430 B2 JP 3014430B2 JP 2283384 A JP2283384 A JP 2283384A JP 28338490 A JP28338490 A JP 28338490A JP 3014430 B2 JP3014430 B2 JP 3014430B2
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保裕 風間
保 須田
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] この発明は衛星通信システムに用いる移動局用アンテ
ナに関するものである。
[従来の技術] 大型船舶を中心に始まった衛星利用の移動体通信は、
今日では船舶のみならず航空機,列車および自動車等の
陸上移動体へと展開し、これに伴い通信システムとして
も、従来の電話,高速FAX,TELEX等のオールマイティ形
のシステムだけでなく、電話専用あるいはTELEX専用な
どの、多種多様のシステムが出現している。
従って、衛星通信用のアンテナも、パラボラアンテナ
のような大形アンテナから、ヘリカルアンテナ,スパイ
ラルアンテナのような小形なアンテナに至るまで、各種
のアンテナが開発されている。
ところで、陸上移動体通信システム、特に車載移動局
用のアンテナでは、アンテナを車の屋根などに装着する
必要性から、特に小形,薄形で軽量なアンテナが要求さ
れる。
第2図は従来の移動局用アンテナの一例を示す斜視図
で、反射板付スパイラルアンテナをアンテナ素子とする
配列アンテナを示し、図において(10)は主反射板、
(11)は側壁反射板、(12)はスパイラルアンテナ(ア
ンテナ素子)、(13)は配列アンテナ全体を示す。
第2図に示すように、移動局用の反射板付スパイラル
アンテナは、プリント基板上に1本の導体をスパイラル
状に巻いて形成したスパイラル状導体に、同軸給電線を
結線し、更にそのスパイラル状導体から約1/4波長離れ
た位置に反射板としての金属導体を配置した構造のアン
テナ素子(12)を、少なくとも2個以上配列して構成さ
れる。
然しながら、第2図に示すような反射板付スパイラル
アンテナでは、アンテナの小形化による反射板の小形化
に伴い、円偏波軸比が劣化することに起因し、アンテナ
素子(12)と反射板(10)との側壁を金属導体(側壁反
射板(11))で覆う必要があり、構造面や製造面での不
利を伴い、更にこの構造がキャビティ現象を起こすこと
から周波数帯域幅も狭くなるという特性面での欠点を持
つ。
第3図は、従来の移動局用アンテナの他の一例を示す
斜視図で、反射板付クロスダイポールアンテナをアンテ
ナ素子とする配列アンテナを示し、図において(20)は
反射板、(21)は同軸給電線、(22)は支持棒、(23)
はクロスダイポールアンテナ(アンテナ素子)、(24)
は配列アンテナ全体を示す。
第3図に示すように、移動局用の反射板付クロスダイ
ポールアンテナは、互いに直交する2組のダイポールア
ンテナに同軸給電線(21)から、長さの同じダイポール
アンテナを用いる場合には互いに90度位相の異なる電流
を給電し、長さが異なるダイポールアンテナを用いる場
合には同位相の電流を給電し、さらに2組のダイポール
アンテナを含む面から約1/4波長離れた位置に反射板と
しての金属導体(20)を配置した構造のアンテナ素子
(23)を、少なくとも2個以上配列して構成される。
然しながら、第3図に示すような反射板付クロスダイ
ポールアンテナにおいても、反射板(20)を小形化する
ことにより、アンテナの利得および円編波軸比が劣化す
るという欠点がある。
[発明が解決しようとする課題] 上記のような従来の移動局用アンテナは以上のように
構成され、反射板を小形化すると利得や円偏波軸比が劣
化するという問題点があった。
この発明はかかる課題を解決するためになされたもの
で、反射板を小形化しても利得や円偏波軸比が劣化する
ことのない移動局用アンテナを得ることを目的としてい
る。
[課題を解決するための手段] この発明に係わる移動局用アンテナは、アンテナ素子
としてのクロスダイポールアンテナそれぞれに、少なく
とも2個以上の板状金属導体を設けた非励振ループを備
えることとした。
[作用] この発明の移動局用アンテナにおいては、各アンテナ
素子それぞれに板状金属導体を設けた非励振ループを備
えることにより、各非励振ループの入力インピーダンス
を高めることができ、各非励振ループに誘起される電流
の位相を円偏波発生のための位相条件に近ずけることが
可能となる。
[実施例] 以下、この発明の実施例を図面を用いて説明する。第
1図はこの発明の一実施例を示す斜視図で、図において
(1)は誘電体基板上にエッチングなどにより作られた
給電回路を有する反射板、(2)は平衡系アンテナに給
電を行うため誘電体基板で形成された平衡不平衡回路、
(3)は互いに直交する長さの異なる2組のダイポール
アンテナよりなるクロスダイポールアンテナ(アンテナ
素子)、(4)は非励振ループ(後述する)、(5)は
誘電体基板で形成された非励振ループ(4)と電気的に
接続された板状金属導体、(6)は支持棒、(7)は誘
電体基板上に複数のアンテナ素子(3)を配列してなる
配列アンテナ全体を示す。
次に動作について説明する。平衡不平衡回路(2)を
通し、各アンテナ素子(3)に給電された電力は各アン
テナ素子(3)により円偏波を形成する電磁波に変換さ
れ、空間へ放射される。放射された電磁波の一部は、反
射板(1)で反射された後、主放射方向(反射板(1)
に垂直な方向)へ放射される直接波と合成され、合成波
として主放射方向へ進む。
またアンテナ素子(3)から側方向に放射された電磁
波の一部は、第3図に示すような非励振ループ(4)を
持たない場合には、そのまま隣り合うアンテナ素子
(3)に誘起電流を生じさせ、この結果、配列アンテナ
(7)の利得や円偏波軸比を劣化させる。
本願出願人は係る問題点を解決すべく、本願出願とは
別に昭和56年9月6日、「アンテナ素子」と題する特許
出願を行い(特願昭56−141831号,以下、これを先出願
という)、クロスダイポールアンテナに非励振ループを
設け、指向性および利得の改善を行う発明を開示してい
る。第1図に示す本願の実施例は、この先出願に係る発
明の原理を応用するもので、それぞれのアンテナ素子
(3)ごとに、板状金属導体(5)を設けた周囲長が約
2波長の非励振ループ(4)を備え、側方向への放射を
抑えて主放射方向への放射を増大させ、指向性の劣化を
防ぎ、利得の向上をはかることとし、板状金属導体
(5)により非励振ループ(4)の入力インピーダン
ス、特にリアクタンスを高め、非励振ループ(4)に誘
起された円偏波電流を、一層、円偏波発生のための位相
条件(互いに直交する直線偏波電流の位相が90度)に近
ずけ、各アンテナ素子(3)の円偏波軸比を改善するこ
とにより、配列アンテナ(7)全体の軸比の改善をはか
ることとしている。
特に、長さが異なる2組のダイポールアンテナを用い
る配列アンテナでは、長さが同じ2組のダイポールアン
テナを用いてハイブリッドにより90度位相の異なる電流
を供給する方式の配列アンテナに比べ、2dB以下の良好
な軸比を生じる周波数の帯域幅が、反射板が小さい場合
にひどく劣化し、通常の衛星通信に必要な周波数の比帯
域10%を得ることができなくなってしまうが、この実施
例のように板状金属導体(5)を設けた非励振ループ
(4)を各アンテナ素子(3)ごとに備えることによ
り、通常の衛星通信に必要な周波数の比帯域を確保する
ことができる。
[発明の効果] この発明は以上説明したように、各アンテナ素子ごと
に板状金属導体を設けた非励振ループを設けることによ
り、高利得で良好な円偏波軸比を持つ移動局用アンテナ
が得られるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの発明の一実施例を示す斜視図、第2図,第
3図は従来の移動局用アンテナの構成を示す斜視図であ
る。 図において(1)は反射板、(2)は平衡不平衡回路、
(3)はクロスダイポールアンテナ、(4)は非励振ル
ープ、(5)は板状金属導体、(6)は支持棒、(7)
は配列アンテナを示す。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭62−216502(JP,A) 特開 昭58−43604(JP,A) 特開 昭55−91208(JP,A) 特開 昭58−182304(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01Q 21/26 H01Q 9/16 H01Q 19/10

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】反射板を持つ給電用のクロスダイポールア
    ンテナをアンテナ素子とし、このアンテナ素子を複数個
    配列して配列アンテナとした移動局用アンテナにおい
    て、 複数個配列した各アンテナ素子それぞれに、少なくとも
    2個以上の板状金属導体をそれぞれ設けた非励振ループ
    を備えたことを特徴とする移動局用アンテナ。
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