JP2591806B2 - マイクロストリップアレーアンテナ - Google Patents

マイクロストリップアレーアンテナ

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JP2591806B2
JP2591806B2 JP63287357A JP28735788A JP2591806B2 JP 2591806 B2 JP2591806 B2 JP 2591806B2 JP 63287357 A JP63287357 A JP 63287357A JP 28735788 A JP28735788 A JP 28735788A JP 2591806 B2 JP2591806 B2 JP 2591806B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、直接衛星放送受信などに用いられ、指向性
制御、利得、及び効率向上に優れたマイクロストリップ
アレーアンテナに関するものである。
(従来の技術) マイクロストリップアレーアンテナは、マイクロ波帯
における衛星放送や衛星通信用の薄型送受信用アンテナ
として、パラボラに替わるものとして開発が進められて
いる。
その構造は、第4図(a),(b)に示すように、接
地導体12の上に誘電体13を重ね、電波放射のための給電
素子14及び給電線路15を形成したもの、第5図(a),
(b)に示すように第4図に示すものの上に誘電体19を
重ね、更に給電素子14よりやや大きな穴17を形成した接
地導体18を形成したもの、第6図(a),(b)に示す
ように給電素子14上に無給電素子20を形成したものが提
案されている。これらの図面には、給電素子14の形状と
して円形のものを記憶しているが、方形、多角形、楕円
形、縮退分離素子を装荷したものを用いたものもある。
また、これらの給電素子14は、給電線路15が必要であ
るが、マイクロストリップアテナでは、これらの給電線
路15も給電素子14と同一平面上にマイクロストリップ線
路で形成されることが多い。
第5図(a),(b)において接地導体18に形成され
た給電素子よりやや大きい穴17の中心は給電素子14の中
心軸上にあり、第6図における接地導体18に形成された
穴17及び無給電素子20の中心も給電素子14の中心軸上に
あるのが通常である。
これらのマイクロストリップアンテナを多数配列して
マイクロストリップアレーアンテナとし、各々のマイク
ロストリップアンテナを特定の位相差φで励振すること
により、アレーアンテナの垂線に対して所望の方向θに
主ビームを向けるようにすることは良く知られている。
(発明が解決しようとする課題) この種のアンテナはTM110モードで動作し、その垂直
面内の指向性は、第4図(b)、第5図(b)、及び第
6図(b)に点線16で示すようにアンテナ正面方向に対
して利得が高いが、正面から、所望の方向θへの感度が
要求される場合は、利得が低下し、特にθを30゜以上必
要とする場合は、利得低下が著しい。従ってこの種のア
ンテナを多数配列したアレーアンテナにおいても、各々
アンテナを特定の位相差φで励振して、アレーアンテナ
の垂直面内で主ビーム方向を正面方向から所望の方向θ
に向けた場合、そのアレーアンテナの利得は、第7図に
示すように著しく低下してしまうという問題があった。
本発明は、利得の低下が少なくしかも主ビーム方向を
所望の方向に向けることができるマイクロストリップア
レーアンテナを提供するものである。
(課題を解決するための手段) 本発明のマイクロストリップアレーアンテナは、接地
導体5、空気層、第1の誘電体基板1、空気層、第2の
誘電体基板2の順に積み重ねられ、第1の誘電体基板1
を支持するスペーサー9及び第2の誘電体基板2を支持
するスペーサー10を有し、第1の誘電体基板1が第2の
誘電体基板2に対向する面に複数の給電素子3とその給
電素子3に接続された給電回路網4とを有し、第2の誘
電体基板2がその外側の面の複数の給電素子3に相当す
る位置に他の導体から隔離された複数の無給電素子8を
有するとともにその無給電素子8の周囲を取り囲むよう
に連続した接地導体6を有し、その接地導体6と全ての
無給電素子8との間のギャップ7の間隔が、アンテナの
ビーム方向を傾ける側と同一方向で大きくなるように形
成され、複数個配列された給電素子3及び無給電素子8
をアンテナのビーム方向を傾ける角度に応じた位相差で
励振することを特徴とする。
このときに、指向性利得の向上する方向がアレーアン
テナの垂直線に対し30゜〜55゜の角度となるように励振
する位相差を、給電回路網で設定すれば、衛星放送を受
信する際に、建物の壁や屋根に直接取りつけて受信する
ことが可能となり好ましい。
本発明に用いる誘電体基板1、2の材質は、絶縁樹脂
ならばどのようなものでも用いることができるが、給電
素子3の利得を向上させ、給電回路網4の損失を低く抑
えるため比誘電率と誘電正接の低いものを使用し、例え
ばフッ素樹脂、ポリオレフィン樹脂などが好ましく、誘
電体基板1、2には、それぞれ異なる材質のものを使用
することもできる。さらに好ましくは、薄いフィルム状
誘電体や空気による比誘電率の低減を図った発泡樹脂誘
電体を用いるのがよい。
接地導体5、6、給電回路網4、給電素子3、無給電
素子8は、導体である必要があるため、金属箔や金属板
等を使用するのが一般的であり、具体的には銅箔やアル
ミ箔、アルミ板等を用いる場合が多いが、他の方法とし
てめっき等で形成することもできる。
給電素子3及び給電回路網4と第1の接地導体5の間
隔は周波数に応じてその最適な間隔は異なるが、おおむ
ね波長の1/10〜1/16が良く、給電素子3及び給電回路網
4と無給電素子8及び第2の接地導体6の間隔もおおむ
ね波長の1/10〜1/16が良い。
また、第2図に示すように、給電素子3にマイクロス
トリップ路線の終端を用いても構成することができる。
(作用) 本発明において、第1図aに示すように、第1の誘電
体基板1と接地導体5と給電回路網4及び給電素子3に
より、マイクロストリップ構造のアンテナを形成してお
り、第2の誘電体基板2に形成された無給電素子8は、
給電素子3と電磁結合して、空間への電波放射を行うと
ともに、高次モードを発生することなく実質的に接地導
体5との間隔を広げ、アンテナとして作用する周波数帯
域を広くしている。
また、第2の接地導体6は、第1図(c)に示すよう
に、給電回路網4の線路屈曲部から不要に放射される伝
播を抑制して、電力を効率良く各給電素子3に伝達させ
る働きをすると共に、第1図(d)に示すように、無給
電素子8の周囲にギャップ7を形成し、そのギャップ7
の間隔が、アンテナのビーム方向を傾ける側と同一方向
で大きくなるように形成しているので、後述する給電素
子3への電力をアンテナのビーム方向を傾ける角度に応
じた位相差で励振しているので、ギャップ7の大きい方
向への放射が強くなり、1対の給電素子3と無給電素子
8で構成された基本素子12の指向性を所望の方向θに向
ける働きをしている。そして、全てのギャップ7、給電
素子3及び無給電素子8をアレー化しているので、第1
図(b)に示すように、アンテナ全体として指向性を所
望の方向θに向ける働きをしている。
更に第1図(a),(b)に示すように、アレーアン
テナにおいては、給電回路網4は、特定の位相差φで電
力を分配し、これによりアレーアンテナの指向性を所望
の方向θで合成する働きをする。第1の誘電体基板1と
第1の接地導体5の間及び第1と第2誘電体基板1、2
の間に保持された空気層は、給電素子3と第1の接地導
体5及び給電素子3と無給電素子8の間に比誘電率を低
くして、電波放射を促進すると共に給電回路網4におけ
る損失を下げる働きをしている。
実施例 誘電体基板として、発泡ポリエチレン樹脂の片面に銅
箔を貼り合わせたものを用い、これに第1図(a)に示
す導体パターンを、エッチングして形成させた。
スペーサとして、ポリエチレン樹脂成形体を用いた。
給電素子3及び給電回路網4と第1の接地導体5の間
隔は波長の約1/16とし、給電素子3及び給電回路網4と
無給電素子8及び第2の接地導体6の間隔も同様とし
た。
この結果、第3図の実線に示すように、約31度の角度
の方向に主ビームを傾けることができた。比較として、
第5図(a)に示す構造のアンテナであって、各アンテ
ナに一定の位相差で励振して、その主ビームの方向を実
施例と同じ方向に傾けるように調整したときには、第3
図の破線で示すように、利得が実施例と比べて約6dB低
下した上、サイドローブが大きいものであった。
(発明の効果) 本発明のマイクロストリップアレーアンテナは、第3
図に示すように35゜の指向方向を有した上で指向性合成
を効率的に行うことができ、かつ、不要な方向への感度
も下げることができた。
【図面の簡単な説明】
第1図(a)は本発明の一実施例を示す一部切欠斜視
図、第1図(b)は本発明の一実施例を示す断面図、第
1図(c)は本発明の一実施例の一部を示す斜視透視
図、第1図(d)は本発明の一実施例の一部を示す断面
図、第2図は本発明の他の実施例の一部を示す斜視透視
図、第3図は本発明の一実施例の効果を示す線図、第4
図(a),(b)は従来例を示す斜視図及び断面図、第
5図(a),(b)は他の従来例を示す斜視図及び断面
図、第6図(a),(b)は他の従来例を示す斜視図及
び断面図、第7図は従来例の課題を説明するための線図
である。 符号の説明 1……第1の誘電体基板 2……第2の誘電体基板 3……給電素子、4……給電線路 5……接地導体 6……接地導体 7……ギャップ、8……無給電素子 9……スペーサ、10……スペーサ 11……ビーム

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】接地導体(5)、空気層、第1の誘電体基
    板(1)、空気層、第2の誘電体基板(2)の順に積み
    重ねられ、第1の誘電体基板(1)を支持するスペーサ
    ー(9)及び第2の誘電体基板(2)を支持するスペー
    サー(10)を有し、第1の誘電体基板(1)が第2の誘
    電体基板(2)に対向する面に複数の給電素子(3)と
    その給電素子(3)に接続された給電回路網(4)とを
    有し、第2の誘電体基板(2)がその外側の面に複数の
    給電素子(3)に相当する位置に他の導体から隔離され
    た複数の無給電素子(8)を有するとともにその無給電
    素子(8)の周囲を取り囲むように連続した接地導体
    (6)を有し、その接地導体(6)と全ての無給電素子
    (8)との間のギャップ(7)の間隔が、アンテナのビ
    ーム方向を傾ける側と同一方向で大きくなるように形成
    され、複数個配列された給電素子(3)及び無給電素子
    (8)をアンテナのビーム方向を傾ける角度に応じた位
    相差で励振することを特徴とするマイクロストリップア
    レーアンテナ。
  2. 【請求項2】指向性利得の向上する方向がアレーアンテ
    ナの垂直線に対し30゜〜55゜の角度となるように励振す
    る位相差を、給電回路網(4)で設定したことを特徴と
    する請求項1に記載のマイクロストリップアレーアンテ
    ナ。
  3. 【請求項3】第1の誘電体基板(1)及び第2の誘電体
    基板(2)に、フィルム状誘電体又は発泡樹脂誘電体を
    用いたことを特徴とする請求項1又は2に記載のマイク
    ロストリップアレーアンテナ。
  4. 【請求項4】給電素子(4)に、マイクロストリップ線
    路の終端を用いたことを特徴とする請求項1、2又は3
    のうちいずれかに記載のマイクロストリップアレーアン
    テナ。
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Families Citing this family (4)

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JP2693565B2 (ja) * 1989-03-27 1997-12-24 日立化成工業株式会社 平面アンテナ
JP2765556B2 (ja) * 1996-02-29 1998-06-18 日本電気株式会社 マイクロストリップアンテナ
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FR2810164A1 (fr) * 2000-06-09 2001-12-14 Thomson Multimedia Sa Perfectionnement aux antennes source d'emission/reception d'ondes electromagnetiques pour systemes de telecommunications par satellite

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JPS6365703A (ja) * 1986-09-05 1988-03-24 Matsushita Electric Works Ltd 平面アンテナ

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