JP3014276B2 - エチレン/プロピレンコポリマーゴム - Google Patents

エチレン/プロピレンコポリマーゴム

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JP3014276B2
JP3014276B2 JP6165811A JP16581194A JP3014276B2 JP 3014276 B2 JP3014276 B2 JP 3014276B2 JP 6165811 A JP6165811 A JP 6165811A JP 16581194 A JP16581194 A JP 16581194A JP 3014276 B2 JP3014276 B2 JP 3014276B2
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    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、通常結晶含量が約15
重量%より少ない、エチレン/プロピレンコポリマー
(EPM)及びエチレン/プロピレン/エチリデンノル
ボルネンターポリマー(EPDM)を含むエチレン/プ
ロピレンコポリマーゴム(EPR)の製造方法に関す
る。
【0002】
【従来技術】EPRはホース及びチュービング、ワイヤ
及びケーブル、ガスケット並びに単層の屋根材のような
用途において用いられるエラストマー性コポリマー及び
ターポリマーである。それらに充填剤、油、加工助剤及
び安定剤を配合し、ポリマーを促進剤の存在においてイ
オウと或はイオウとジクミルペルオキシドのような有機
ペルオキシドとの組合せとを反応させることによってキ
ュアー(加硫)するのが普通である。
【0003】これらのポリマーは、現在、可溶性のバナ
ジウム触媒を用いて溶液及びスラリープロセスで商業的
に製造される。これらのプロセスは、溶媒除去及びスチ
ームストリッピング工程を要して運転するのに極めて費
用が掛かる。加えて、これらの溶液触媒は流動床におい
て満足すべき粒子形態学を具備しない。後反応費用をほ
とんど招かないために、これらのプロセスを改良するの
が望ましく、特にこれらの同じ生成物を生成する気相プ
ロセスを開発することは一層経済的に魅力のあることで
ある。EPRを気相で製造するのに選ばれる触媒の内の
一種は米国特許第4,508,842号に記載されてい
る。この触媒はポリエチレンを製造するために有用な幾
種類かの慣用の触媒の内の一種であり、単に良好な性質
を有するポリエチレンを製造するのに利用することがで
きるばかりでなく、またEPRを好結果が得られるよう
に製造するために使用することもできる触媒を有するこ
とは商業上有利になる。
【0004】典型的には、上述した米国特許に記載され
る触媒は、三塩化バナジウムと電子供与体との反応生成
物である触媒プリカーサーと、クロロホルムのようなプ
ロモーターと、トリイソブチルアルミニウム助触媒とで
構成され、プリカーサーはアルミニウム含有改質剤と反
応され、シリカ担体中に含浸される。この触媒は良好な
粒子形態学を達成するが、不良な総括生成物を達成し、
例えばこの触媒により作られるEPRは不良なキュアー
を示しかつずっと高い温度の結晶化度を含有する。これ
はプロピレンの分配不良の結果であると考えられ、EP
DMの場合、ジエンの分配不良の結果であると考えられ
る。助触媒及びプロモーターに関して調整することがプ
ロピレン分配を改善しかつ高温結晶化度を多少低下させ
ることが分かったが、達成されるキュアーの改善はほん
のわずかにすぎなかった。
【0005】従って、本発明の目的は高いキュアー性能
を有するEPRの生成を達成することができ、かつその
上またポリエチレンを好結果が得られるように製造する
のに使用することができる気相方法を提供するにある。
その他の目的及び利点は本明細書以降で明らかになるも
のと思う。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明に従えば、上記の
目的は下記を見出すことによって満足される。すなわ
ち、エチレン、プロピレン、及び必要に応じてジエンを
含む混合物を気相で下記を含む触媒系に重合条件下で接
触させることを含むEPRの製造方法: (a)バナジウム(アセチルアセトネート)3 からな
プレポリマーの形態の又はプレポリマーの形態でな
触媒プリカーサー(先駆物質); (b)必要に応じて、該プリカーサー用担体; (c)本質的に(i)AlR(3-a)a 式(式中、各々
のRは独立に炭素原子1〜14を有するアルキルであ
り;各々のXは独立に塩素、臭素、或は沃素であり;a
は1又は2である)を有するハロゲン化アルキルアルミ
ニウム、及び(ii)必要に応じて、トリアルキルアル
ミニウムからなる助触媒、但し、ハロゲン化アルキルア
ルミニウム対トリアルキルアルミニウムのモル比は少な
くとも約1.5:1になるようにし;及び (d)塩素原子を少なくとも2個有する塩素化エステ
ル;炭素原子を少なくとも3個及びハロゲン原子を少な
くとも6個有する飽和或は不飽和脂肪族ハロカーボン;
もしくはハロアルキル置換された芳香族炭化水素(ハロ
アルキル置換基はハロゲン原子を少なくとも3個有す
る)であるプロモーター(促進剤)。
【0007】好適な実施態様の説明 触媒プリカーサーはバナジウム(アセチルアセトネー
ト)3 であり、これは1個のバナジウムカチオン及び3
個のエノラートアニオンを有する既知の化合物であり、
慣用の方法によって作られる。それは、また、バナジウ
ムトリアセチルアセトネートとも呼ぶことができる。
【0008】上述した通りに、担体は随意である。担体
は、使用するならば、シリカ、アルミナ、或はポリマー
にすることができ、シリカが好適である。ポリマー担体
の例は多孔質の架橋ポリスチレン及びポリプロピレンで
ある。典型的なシリカ或はアルミナ担体は、本質的に重
合に不活性な固体の、粒状、多孔質物質である。それ
は、平均粒径約10〜約250ミクロン、好ましくは約
30〜約100ミクロン;表面積少なくとも200m2
/グラム、好ましくは少なくとも約250m2 /グラ
ム;及び細孔寸法少なくとも約100オングストロー
ム、好ましくは少なくとも約200オングストロームを
有する乾燥粉末として用いる。通常、担体の使用量は、
担体1グラム当りバナジウム約0.1〜約1.0ミリモ
ル、好ましくは担体1グラム当りバナジウム約0.4〜
約0.9ミリモルになるようにするものである。上述し
た触媒プリカーサーをシリカ担体中に含浸させるのは、
プリカーサーとシリカゲルとを不活性溶媒中で混合した
後に、減圧下で溶媒除去することによって行う。
【0009】シリカ或はその他の無機固形分含量をほと
んど或は何ら有しない形のよい触媒プリカーサーを生成
するのに、スプレー乾燥技術を用いることができる。
【0010】助触媒は本質的にAlR(3-a)a 式(式
中、各々のRは独立に炭素原子1〜14を有するアルキ
ルであり;各々のXは独立に塩素、臭素、或は沃素であ
り;aは1又は2である)を有するハロゲン化アルキル
アルミニウム、及び必要に応じて、トリアルキルアルミ
ニウムからなる。上記式の中に含まれるハロゲン化アル
キルアルミニウムはアルキルアルミニウムモノ−及びジ
クロリド(各々のアルキルラジカルは炭素原子1〜6を
有する)を含む。ハロゲン化アルキルアルミニウムの例
は下記の通りである:ジエチルアルミニウムクロリド;
エチルアルミニウムジクロリド;エチルアルミニウムセ
スキクロリド;ジ−n−ブチルアルミニウムクロリド;
ジイソブチルアルミニウムクロリド;メチルアルミニウ
ムセスキクロリド;イソブチルアルミニウムセスキクロ
リド;ジメチルアルミニウムクロリド;ジ−n−プロピ
ルアルミニウムクロリド;メチルアルミニウムジクロリ
ド;及びイソブチルアルミニウムジクロリド。
【0011】AlR3 式(式中、Rは前と同じである)
を有することができるトリアルキルアルミニウム化合物
の例は下記の通りである:トリイソブチルアルミニウ
ム、トリヘキシルアルミニウム、ジ−イソブチルヘキシ
ルアルミニウム、イソブチルジヘキシルアルミニウム、
トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、ト
リプロピルアルミニウム、トリイソプロピルアルミニウ
ム、トリ−n−ブチルアルミニウム、トリオクチルアル
ミニウム、トリデシルアルミニウム、及びトリドデシル
アルミニウム。トリアルキルアルミニウム化合物を存在
させるとすれば、ハロゲン化アルキルアルミニウム対ト
リアルキルアルミニウム化合物のモル比は少なくとも約
1.5:1にし、約2:1〜約3:1の範囲にするのが
好ましい。
【0012】助触媒は触媒系においてバナジウム1グラ
ム原子当り助触媒約10〜約500モルの量で存在させ
ることができ、バナジウム1グラム原子当り助触媒約5
0〜約150モルの量で導入するのが好ましい。流動床
プロセスでは、助触媒は流動床に存在する樹脂(注:樹
脂は流動床をもたらすのに用いる初期樹脂;生成される
樹脂;及び存在するとすれば流動化助剤を含む)重量に
よる百万部当り約1000〜約10,000部(pp
m)の量で導入することができ、樹脂百万部当り約15
00〜約5000部の量で導入するするのが好ましい。
プロモーターは、助触媒1モル当り約0.01〜約10
モル、好ましくは約0.1〜約2モル用いることができ
る。流動床プロセスでは、プロモーターは流動床プラス
に存在する樹の脂重量による百万部当り約500〜約2
500部(ppm)の量で導入することができ、樹脂百
万部当り約800〜約1400部の量で導入するのが好
ましい。
【0013】随意のプロモーターは塩素原子を少なくと
も2個有する塩素化エステル或は過塩素化エステルにす
ることができる。プロモーターは、所望の場合、担体中
に含浸させることができる。適したエステルはCl3
COOC25 (エチルトリクロロアセテート);Cl
3 CCOOCH3 (メチルトリクロロアセテート);C
Cl3 CCl=CClCOOC49 ;C65 CCl
2 COOR(式中、Rは炭素原子1〜8を有するアルキ
ルラジカルである);及びCl2 C=CClCCl2
OOC49 である。プロモーターは、またC3 (X)
a (F)b (H)c 式(式中、各々のXは独立に塩素、
臭素、或は沃素であり;aは6〜8の整数であり;b及
びcは0〜2の整数であり;a+b+cは8に等しい)
を有する飽和脂肪族ハロカーボンにすることができる。
これらのハロカーボンプロモーターの例はヘキサクロロ
プロパン、ヘプタクロロプロパン、及びオクタクロロプ
ロパンである。これらの飽和ハロカーボンプロモーター
は米国特許第4,892,853号に挙げられている。
加えて、プロモーターは、また、ペルクロロプロペンの
ような不飽和脂肪族ハロカーボン或はCX3 基(式中、
各々のXは独立に塩素、臭素、或は沃素である)をC=
C基に結合させた任意の不飽和ハロカーボン、或はハロ
アルキル置換された芳香族炭化水素(ハロアルキル置換
基は少なくとも3個のハロゲン原子を有する)、例えば
トリクロロトルエン、及びトリクロロキシレンにするこ
とができる。再び、ハロゲンは塩素、臭素、或は沃素に
することができる。ハロカーボン或はハロアルキル置換
基における炭素原子の数は1〜14にすることができ、
ハロカーボン或は芳香族炭化水素におけるベンゼン環の
数は1〜3にすることができるが、1が好ましい。
【0014】上述した通りに、所望の場合、触媒プリカ
ーサーを担体中に含浸させることができる。何にして
も、触媒プリカーサーを、担体を有しても或は有しない
でも、乾燥させる。それを重合反応装置に担持された形
態;溶媒に溶解した液体原料として;或はスプレー乾燥
された形態で導入することができる。プリカーサーは、
コモマーを導入する前に、バッチプロセスで、及び連続
プロセスで連続して加えるのが普通である。助触媒及び
プロモーターは好ましくは混ぜない状態で別々に加え或
はイソペンタンのような不活性な溶媒に溶解した溶液と
して、エチレンの流れを開始するのと同時に重合反応装
置に加える。
【0015】EPR重合は気相で行い、粒状EPM或は
EPDMで作られた流動床において行うのが好ましい。
流動床は撹拌式流動床反応装置或は撹拌しない流動床反
応装置にすることができる。流動床に関して、空塔速度
約1〜約4.5フィート/秒(0.3〜1.4m/
秒)、好ましくは約1.5〜約3.5フィート/秒
(0.46〜1.1m/秒)を用いることができる。全
反応装置圧力は約150〜約600psia(10〜4
2kg/cm2A)の範囲にすることができ、約250〜約5
00psia(18〜35kg/cm2A)の範囲にするのが
好ましい。エチレン分圧は約25〜約350psi
(1.8〜25kg/cm2)の範囲にすることができ、約8
0〜約250psi(5.6〜18kg/cm2)の範囲にす
るのが好ましい。エチレン、プロピレン、及び水素(或
はその他の連鎖移動剤)のガス状供給流は反応装置循環
管路に供給するのが好ましく、一方使用するならば、液
状エチリデンノルボルネン或は別のジエンは直接流動反
応装置に供給して混合及び分散を増進させるのが好まし
い。EPM或はEPDM生成物の組成は、気相における
プロピレン/エチレンモル比及び流動床におけるジエン
濃度を変えることによって変えることができる。床レベ
ルが重合によって増加するにつれて、生成物を反応装置
から断続的に排出させる。生産速度は触媒供給速度を調
節することによって制御する。
【0016】プロピレン/エチレンモル比は、コポリマ
ー或はターポリマー中に加入されるプロピレンのレベル
を制御するために調整する。上記のバナジウム触媒につ
いて、約0.35:1〜約3:1の範囲が好適である。
水素/エチレンモル比は、平均分子量を制御するために
調整する。同じ触媒系について、約0.001:1〜約
0.3:1の範囲が好適である。使用する場合、床にお
けるジエンのレベルは床の重量を基準にして約1〜約1
5重量%の範囲にし、約2〜約10重量%の範囲にする
のが好ましい。有用なジエンの例は、エチリデンノルボ
ルネン(ENB)に加えて、1、4−ヘキサジエン及び
ジシクロペンタジエンダイマーである。
【0017】上記の触媒プリカーサーはプレポリマー形
態で用いることができる。プレ(予備)重合させる技術
は米国特許第4,970,279号に見ることができ
る。プレ重合は液相で希薄スラリー重合と同様の方法で
行うのが典型的である。プレ重合において用いる触媒系
は気相重合において用いられることになる同じものであ
る。差異は用いるモノマー及びモノマー対触媒プリカー
サーの重量比に在り、その重量比は少なくとも約10:
1であり、約50:1〜約300:1が典型的である。
それらの数は選定する特定の触媒系によって変わること
に注意すべきである。プレポリマーは主重合の樹脂生成
物と同じものにする必要はない。
【0018】触媒プリカーサー1グラム当りのプレポリ
マーのグラムで表わす、形成されるプレポリマーの量
は、プレポリマーの組成、生成されるポリマーの組成、
及び使用する触媒の生産性に依存するのが普通である。
プレポリマー添加量は、生成物樹脂中のプレポリマー残
分を最少にするように選ぶ。エチレン/プロピレンコプ
レポリマーを用いる場合、プレポリマー添加量は、触媒
プリカーサー1グラム当りのプレポリマー約10〜約5
00グラムの範囲にすることができ、触媒プリカーサー
1グラム当りのプレポリマー約50〜約300グラムの
範囲にするのが好ましい。
【0019】典型的なプレ重合はスラリープレポリメラ
イザーで行うことができる。その装置はモノマー供給
系、反応容器、及び不活性なスクリーナーを含む。反応
装置はジャケット式圧力容器であり、良好な固形分混合
をもたらすための螺旋リボン撹拌機、及び固形分排出を
容易にするための底部コーンを備える。エチレンをシリ
ンダーから調節する圧力によって供給し、4A或は13
Xモレキュラーシーブを通して不純物を除き、次いで流
量計を通して流量を測定する。必要とするならば、その
他のオレフィンを、シリンダーからシリンダー充填空間
に供給する窒素圧力によりジップチューブを経て供給す
る。それらもまた4A或は13Xモレキュラーシーブ及
び流量計を通過する。モノマーは反応装置充填空間か或
は内層面のいずれかに供給することができ、内層面は物
質移動工程を1つ省くことにより反応速度を増大させる
ので好適である。温度を閉ループの調節される(tem
pered)水系により調節する。圧力はベント/メー
クアップ系により調節する。
【0020】完成したプレ重合された触媒を篩分けして
気相反応装置への供給困難の原因に成り得るスキン、凝
集物、及びその他のタイプの篩上(oversize)
粒子を取り除く。篩分けは20メッシュスクリーンを有
する振動スクリーナーによって行う。スクリーナーは、
プレ重合された触媒活性を維持するために窒素雰囲気下
に保つ。篩上物質を処分するために集める。所望の篩下
(undersize)フラクションを貯蔵及び輸送す
るためにシリンダー中に排出する。
【0021】典型的なプレ重合はエチレン及び一種又は
それ以上のコモノマーの温和な条件下でのスラリー重合
である。イソペンタン、ヘキサン及びヘプタンを溶媒と
して用いることができ、イソペンタンがその揮発度が高
いために好適である。温和な条件は、プレ重合の数か月
後に行なわれ得る後の気相重合のための十分な活性が有
るように、プレ重合の間の触媒減退を最少にさせるのに
必要である。そのような条件は触媒系が異なると変わる
ことになるが、典型的には温度約25°〜約70℃、モ
ノマー分圧約15〜約40psi(1.1〜2.8kg/c
m2)、並びにバナジウム1モル当り助触媒及び触媒プロ
モーター約1〜約5モルのレベルである。プレポリマー
添加量は、担持された触媒プリカーサー1グラム当りプ
レポリマー約10〜約500グラム、好ましくは約50
〜約300グラム/グラムの範囲である。プレポリマー
のコモノマー含量は約1〜約40重量%の範囲にするこ
とができる。水素、或はその他の連鎖移動剤を重合の開
始時に或は重合中ずっと加えて分子量を調節することが
できる。重合が完了した時に、撹拌機を停止しかつ固形
分を沈降させ、それで過剰の溶媒をデカントすることに
よって除くことができる。残留する溶媒は、触媒減退を
避けるために低い温度を使用して乾燥させることによっ
て除く。乾燥させたプレポリマー触媒は、篩上(+20
メッシュ)物質を取り除くために不活性なスクリーナー
を通して貯蔵シリンダー中に排出する。
【0022】気相重合において凝集を低減させる工程を
採用することができる。例えば、米国特許第4,99
4,534号に記載される通りに流動化助剤を供するこ
とができる。また、反応装置と生成物ポットとの間の生
成物排出管路は生成物が落ちる間隔の間にチャンクによ
って閉塞されることがしばしばある。管路における窒素
の連続したパージ流れは閉塞問題を防止する。また、反
応装置表面を表面エネルギーの小さい物質で被覆するの
も、ファウリング蓄積速度を遅くするのに有利であるこ
とが示されている。加えて、床における静電レベルを制
御することは、静電誘起される粒子の凝集を防ぐ。静電
は、反応速度を制御して用いる、ガス組成を急に変え
る、静電中和用化学薬品を選択使用する、及びアルミニ
ウムアルキルで表面を不動態化させることによって満足
すべきレベルに調節することができる。
【0023】静電は、またカーボンブラックのような不
活性な導電性粒状物質を少量使用することによって制御
することができる。不活性な粒状物質の量は、静電を制
御する程の量、すなわち流動床の重量を基準にして約
0.5〜約1.5重量%である。カーボンブラックは好
適な帯電防止物質である。不活性な導電性粒状物質の平
均粒径は約0.01〜約150ミクロン、好ましくは約
0.01〜約10ミクロンの範囲である。平均粒径とは
粒子それ自体或はカーボンブラックの場合のような凝集
体を言うことができる。使用するカーボンブラック物質
は一次粒径約10〜約100ナノメートル及び凝集体
(一次構造)の平均寸法約0.1〜約10ミクロンを有
することができる。カーボンブラックの表面積は約30
〜約1500m2 /グラムにすることができ、ジブチル
フタレート(DBP)吸収約80〜約350cm3 /1
00グラムを示すことができる。粒状物質を反応装置に
導入する前に、微量の水分及び酸素を除くために処理す
ることが好適である。これは、物質を窒素ガスでパージ
し、慣用の手順を用いて加熱することによって行うこと
ができる。その他の帯電防止剤は、また、例えば米国特
許第5,194,526号に述べられている通りに、静
電レベルを抑制するのに有効であるのが認められる。
【0024】コモノマー、生成物、樹脂、及び触媒系の
混合物の流動床における滞留時間は約1.5〜約8時間
の範囲にすることができ、約2〜約4時間の範囲にする
のが好ましい。上述した通りに、分子量は水素或はその
他の連鎖移動剤を用いて調節することができる。最終の
EPM或はEPDM生成物は下記の量の反応されるコモ
ノマーを含有することができる:エチレン約35〜約8
0重量%;プロピレン約18〜約50重量%;及びジエ
ン約0〜約15重量%。またEPM或はEPDMの全重
量を基準にした重量%で表わす結晶化度はゼロ(本質的
に非晶質)〜約15重量%(非晶質に近い)の範囲にす
ることができる。ムーニー粘度は約10〜約150の範
囲にすることができ、約30〜約100にするのが好ま
しい。ムーニー粘度は、EPM或はEPDMを大きなロ
ーターにより容器に導入し、100℃で1分間予備加熱
し、次いで同じ温度で4分間撹拌することによって測定
する。粘度は100℃において通常の方法で測定する。
【0025】流動床反応装置は米国特許第4,482,
687号に記載されているもの或は例えばポリエチレン
を気相製造するための別の慣用の反応装置にすることが
できる。床は反応装置で製造するつもりの同じ粒状樹脂
で作るのが普通である。これより、床は、重合中、形成
されるポリマー粒子、成長ポリマー粒子、及び触媒粒子
を、粒子を分離させかつ流体として作用させる程の流量
或は速度で導入する重合性及び改質用ガス状成分によっ
て流動させてなる。流動用ガスは初期原料、メークアッ
プ原料、及び循環(再循環)ガス、すなわちモノマー並
びに所望ならば、改質剤及び/又は不活性キャリヤーガ
スで構成される。典型的な循環ガスはエチレン、窒素、
水素、及びプロピレンの単独或は組合せのいずれかで構
成される。そのプロセスはバッチ或は連続様式で行うこ
とができ、後者が好適である。第一反応装置の必須部分
は容器、床、ガス分配板、入口及び出口パイピング、圧
縮機、循環ガス冷却器、及び生成物排出系である。容器
中、床より上に、速度減小域、及び床中に、反応域があ
る。両方共ガス分配板より上にある。
【0026】所望ならば、反応装置の変更を導入するこ
とができる。一つの変更は循環ガス圧縮機を冷却器の上
流から下流に移し替えることを含み、別の変更は生成物
排出容器の充填レベルを改善するために、ベント管路を
生成物排出容器(撹拌式生成物タンク)の上部から反応
装置の上部に戻して加えることを含む。発明の利点は、
キュアー性能の向上;高温結晶化度の向上;種々の密度
及びモノマー含量のEPM及びEPDM並びにポリエチ
レンの両方を製造するための市販されている触媒系に等
しい或はそれより良好な触媒系の提供;並びに良好な粒
子形態学に見られる。
【0027】上述した通りに、本発明の方法は、またポ
リエチレンを製造するのにも用いることができる。これ
らのポリエチレンは均質であり、狭い分子量分布及び狭
いコモノマー分布を特徴とする。上記の触媒系を用いる
ことができる代表的なプロセスは上述した米国特許第
4,508,842号に見ることができる。触媒プリカ
ーサーはポリエチレン生産において、丁度EPR生産の
場合のように、プレポリマー形態で使用することができ
る。均質なポリエチレンを製造するための好適な温度は
約65°〜約85℃の範囲である。ポリエチレンは、大
概エチレンと炭素原子3〜12、好ましくは炭素原子3
〜8を有する一種又はそれ以上のアルファ−オレフィン
とのコポリマーである。アルファ−オレフィンの例はプ
ロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、4−メチル−1
−ペンテン、及び1−オクテンである。代表的なコモノ
マーモル比は下記の通りである:プロピレン/エチレン
比は約0.05:1〜約2.5:1の範囲にすることが
でき、約0.25:1〜約1.5:1の範囲にするのが
好ましい。1−ヘキセン/エチレンモル比は約0.00
5:1〜約0.050:1の範囲にすることができ、約
0.008:1〜約0.012:1の範囲にするのが好
ましい。一つの一層有利な点は、EPR及び均質なポリ
エチレンの両方に関して上記したプロセスを、通常、バ
ナジウムが+3又はそれ以上の酸化状態である任意のバ
ナジウムプリカーサーによって行なうことができる点で
あるが、これらは好適な実施態様ではない。これらのプ
リカーサーを供するのに用いることができるバナジウム
化合物は、例えば米国特許第4,918,038号、及
び上述したその他の特許に見ることができる。本願にお
いて挙げる特許を本明細書中に援用する。発明を下記の
例によって例示する。
【0028】
【実施例】例1〜8 例において用いた触媒系は、触媒プリカーサーとしてバ
ナジウム(アセチルアセトネート)3 、助触媒、及びプ
ロモーターを含む。バナジウム(アセチルアセトネー
ト)3 をヘキサン溶媒中でシリカゲルに含浸させて担体
1グラム当りバナジウム0.5ミリモルとし、担持させ
た触媒プリカーサーを乾燥させる。上記と同様の流動床
反応装置をまたこれらの例で使用する。
【0029】重合 例1〜6 初期のC3/C2モル比は1.2であり、初期のH2/
C2モル比は0.125である。エチリデンノルボルネ
ン(ENB)を表1において生成物について挙げるEN
Bの量とする程の量で反応装置に供給する。初期反応温
度はエチレン分圧90psia(6.3kg/cm2A)及び
全反応装置圧力300psig(21kg/cm2G)におい
て30℃である。カーボンブラックを流動化助剤として
用いる。イソペンタン中のDEAC10重量%溶液を助
触媒として反応装置に供給し、かつイソペンタン中のE
TCA10重量%溶液をプロモーターとして反応装置に
供給する。これらの条件でおよそ24時間した後に、H
2/C2モル比を0.20に、次いで0.25に増大さ
せる。
【0030】触媒生産性は物質収支により求め、ポリマ
ー組成はNMR(核磁気共鳴)分析により求める。重合
プロセス変数及び樹脂の種々の性質を下記の表Iに挙げ
る。
【0031】
【表1】
【0032】
【表2】
【0033】
【表3】
【0034】
【表4】
【0035】例7及び8 初期のC3/C2モル比は3.0であり、初期のH2/
C2モル比は0.02である。エチリデンノルボルネン
(ENB)を生成物中のENBをそれぞれ3.5重量%
及び3.0重量%とする程の量で反応装置に供給する。
初期反応温度はエチレン分圧それぞれ60psia
(6.3kg/cm2A)及び70psia(4.9kg/cm
2A)、並びに全反応装置圧力それぞれ300psig
(21kg/cm2G)及び350psig(25kg/cm2G)
において30℃である。カーボンブラックを流動化助剤
として用いる。イソペンタン中のDEAC/TEAL
(モル比2:1)10重量%溶液を助触媒として反応装
置に供給し、かつイソペンタン中のETCA10重量%
溶液をプロモーターとして反応装置に供給する。
【0036】触媒生産性は物質収支により求め、ポリマ
ー組成はNMR(核磁気共鳴)分析により求める。重合
プロセス変数及び樹脂の種々の性質を下記の表IIに挙
げる。
【0037】
【表5】
【0038】
【表6】
【0039】
【表7】
【0040】例及び表への注記: 1.DEAC=ジエチルアルミニウムクロリド TEAL=トリエチルアルミニウム ETCA=エチルトリクロロアセテート C2=エチレン C3=プロピレン ENB=エチリデンノルボルネン mmol=ミリモル EPDM=エチレン/プロピレン/エチリデンノルボル
ネンターポリマーゴム
【0041】2.バナジウム(重量%)=担持された触
媒プリカーサーの重量を基準にしたバナジウムの重量% 3.触媒生産性(g/mmolV)=生成されるEPD
M+流動化助剤のグラムで表わす量/バナジウム1ミリ
モル。 4.フローインデックス(g/10min)=フローイ
ンデックスはASTM−1238、Condition
F下で190℃及び21.6キログラムにおいて求め
る。 5.ムーニー(EST ODR)=ムーニー粘度は振動
ディスク流動計(ODR)を使用して評価する。それ
は、標準条件下のガムムーニー粘度[125℃における
M(L)(最小トルク抵抗)1+4]を、ODRを16
0℃及び100cpmで1°アークにおいて使用してA
STM D−3568第1式で測定したM(L)により
直線補正して評価する。
【0042】6.キュアー:M(H)−M(L)=AS
TM D−3568の第1式を、ミニチュア内部ミキサ
ーについてのProcedure 6.1.2及びPr
actice D−3182に従って用いる。Brab
ender(登録商標)ミキサーを混合ヘッドを90℃
に保って使用する。加硫特性を、ODRについてのAS
TM D−2084試験法に従って求める。硬化メータ
ー試験キャビティを160℃に保つ。ディスクを100
cpmにおける1°アーク回転振幅により振動させる。
ディスクを最大振幅に回転させるのに要する力を連続し
て測定する。最大トルク抵抗の間、すなわちM(H)と
M(L)との間の差を記録する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ケビン・ジョゼフ・キャン アメリカ合衆国ニュージャージー州ロッ キーヒル、モントゴメリー・アベニュー 31 (72)発明者 ファティ・デイビッド・フセイン アメリカ合衆国ウエストバージニア州ク ロスレインズ、ベネット・ドライブ5403 (72)発明者 キウ・ヒー・リー アメリカ合衆国ウエストバージニア州サ ウスチャールストン、ラストリング・ロ ード1002 (72)発明者 ダニエル・ポール・ジルカー・ジュニア アメリカ合衆国ウエストバージニア州チ ャールストン、ジョンソン・ロード1336 (72)発明者 ジェイムズ・ウィリアム・ニコレッティ アメリカ合衆国ニュージャージー州ピス カタウェイ、マイケル・ストリート23 (72)発明者 シンライ・バイ アメリカ合衆国ニュージャージー州ピス カタウェイ、スペンサー・ストリート 2301 (56)参考文献 特開 昭56−22308(JP,A) 特開 昭57−131212(JP,A) 特開 平2−142804(JP,A) 特公 昭62−57642(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08F 2/34,4/68 C08F 210/02,210/16

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エチレン、プロピレン、及び必要に応じ
    てジエン又は一種又はそれ以上のその他のアルファ−オ
    レフィンを気相で本質的に下記からなる触媒系に重合条
    件下で接触させることを含む方法: (a)バナジウム(アセチルアセトネート)3 からな
    プレポリマーの形態の又はプレポリマーの形態でな
    触媒先駆物質; (b)必要に応じて、該先駆物質用担体; (c)本質的に(i)AlR(3-a)a 式(式中、各々
    のRは独立に炭素原子1〜14を有するアルキルであ
    り;各々のXは独立に塩素、臭素、或は沃素であり;a
    は1又は2である)を有するハロゲン化アルキルアルミ
    ニウム、及び(ii)必要に応じて、トリアルキルアル
    ミニウムからなる助触媒、但し、ハロゲン化アルキルア
    ルミニウム対トリアルキルアルミニウムのモル比は少な
    くとも1.5:1になるようにし;及び (d)塩素原子を少なくとも2個有する塩素化エステ
    ル;炭素原子を少なくとも3個及びハロゲン原子を少な
    くとも6個有する飽和或は不飽和脂肪族ハロカーボン;
    もしくはハロアルキル置換された芳香族炭化水素(ハロ
    アルキル置換基はハロゲン原子を少なくとも3個有す
    る)である促進剤。
  2. 【請求項2】 エチレン、プロピレン、及び必要に応じ
    てジエンを流動床において気相で本質的に下記: (a)バナジウム(アセチルアセトネート)3 からな
    プレポリマーの形態の又はプレポリマーの形態でな
    触媒先駆物質; (b)該先駆物質用シリカ担体; (c)ジエチルアルミニウムクロリドからなる助触媒;
    及び (d)エチルトリクロロアセテートからなる促進剤 からなる触媒系に重合条件下で接触させることを含む方
    法であって、方法に導入する助触媒の量は流動床におけ
    るポリマー百万重量部当り1000〜10,000部に
    する方法。
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