JP3011532U - 羽毛布団 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】中地と側生地とのキルトパターン状の接合及び
中地とマチ布との接着部の剥離を確実に防止することが
できる羽毛布団を提供することにある。 【構成】表裏の側生地１，２間に中地３を介装すると共
に該中地と表地との間及び中地と裏地との間にマチ布５
を表層１Ａと裏層２Ａとではそれぞれ位置をずらして升
目状に取り付けて表層と裏層のそれぞれに複数個の羽毛
収容室４を形成し、それぞれの羽毛収容室に羽毛Ｕを充
填した二層式の羽毛布団において、一端部に長手方向に
沿って接着芯地テープ６を取り付けた４枚のマチ布テー
プ５ａ〜５ｄを重合してその他端部同士を長手方向に沿
って縫着連結してマチ布５とし、これらマチ布テープの
２枚づつをその一端側の上記接着芯地テープを介して側
生地と中地のそれぞれに接着し、しかも一方のマチ布テ
ープが断面「Ｌ」字形に、他方のマチ布テープが断面逆
「Ｌ」字形になるように、それぞれ接着した。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、完全マチ入りの二層式の羽毛布団に係り、特に、ノンキルティング で中地にマチ布を取り付けた羽毛布団に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来より、布団を表層と裏層の二層構造にするために、表裏の側生地間に中地 を介装すると共に該中地と表地との間及び中地と裏地との間にマチ布を表層と裏 層とではそれぞれ位置をずらして升目状に取り付けることにより表層と裏層のそ れぞれに複数個の羽毛収容室を形成し、それぞれの羽毛収容室に羽毛を充填して なる二層式の羽毛布団があり、中地にマチ布を升目状に取り付けるに際してはマ チ布の端部を逢着している。

【０００３】 一方、二層構造でない羽毛布団においても中地を使用する形式のものとしては 、布団の表裏の側生地間に中地を該中地がジグザグ状態になるように取り付けて 一方向に複数個の区画室を形成すると共に上記側生地と中地間の上記区画室と交 差する方向に所定の間隔をおいてマチ布を配置し、該マチ布の両端を側生地と中 地のそれぞれに接着芯地テープ等で取り付けることにより上記区画室を分割して 多数の羽毛収容室を形成し、該羽毛収容室に羽毛を充填した状態ではマチ布が斜 めになるようにしたものも提案されている（例えば、特公平４−６２７３０号公 報等）。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

上記した従来の二層式の羽毛布団においては、中地にマチ布を表層側と裏層側 とで位置をずらして逢着する際に、縦横のマチ布の交差部において一方のマチ布 テープが縫い付けられてしまうために、この縫い付けられた部分のマチ布テープ を切断して起立せしめる必要があり、作業が面倒であるばかりでなく、切断され た部分から羽毛が他の羽毛収容室に移動してしまう欠点がある。

【０００５】 一方、上記従来提案の羽毛布団及びその製造法は、羽毛を充填しない状態の布 団の袋地の製作時に接着芯地テープ等を使用することにより、布団の側生地と中 地或はマチ布を扁平状態で熱プレスして取り付けることができるという利点があ る。

【０００６】 ところが、この提案のものでは羽毛を充填した状態においてもマチ布が斜めに なるようにして製作時に扁平状態で熱プレスできるようにしたものであるが、実 際の羽毛布団の使用時においては、表地や裏地だけをもって持ち上げたりするこ とは少なく、むしろ布団を蹴ったり引っ張ったりすることにより表地と裏地が水 平方向にずれることの方が多いから、マチ布が垂直状態となる位置から更に逆方 向に引っ張られるとマチ布を剥離する状態となり、マチ布接着部の強度が低下す るおそれがある。

【０００７】 一般に、接着芯地テープを使用してマチ布を取り付ける手段は、ノンキルティ ングの羽毛布団の製造に有利であるが、接着芯地テープの接着強度は引っ張り強 度は強いが剥離強度は弱い、という難点がある。

【０００８】 本考案の目的は、上記した従来の羽毛布団の欠点を解消し、中地と側生地との キルトパターン状の接合及び中地とマチ布との接着部の剥離を確実に防止するこ とができる羽毛布団を提供することにある。

【０００９】

【課題を解決するための手段】

本考案の羽毛布団は、布団を表層と裏層の二層構造にするために、表裏の側生 地間に中地を介装すると共に該中地と表地との間及び中地と裏地との間にマチ布 を表層と裏層とではそれぞれ位置をずらして升目状に取り付けることにより表層 と裏層のそれぞれに複数個の羽毛収容室を形成し、それぞれの羽毛収容室に羽毛 を充填してなる二層式の羽毛布団において、上記マチ布は一端部に長手方向に沿 って接着芯地テープを取り付けた４枚のマチ布テープを重合してその他端部同士 を長手方向に沿って縫着連結して構成すると共にこれらマチ布テープの２枚づつ をその一端側の上記接着芯地テープを介して側生地と中地のそれぞれに接着し、 しかも一方のマチ布テープが断面「Ｌ」字形に、他方のマチ布テープが断面逆「 Ｌ」字形になるように、それぞれ接着したものである。

【００１０】 この場合、断面「Ｌ」字形をなす一方のマチ布テープと断面逆「Ｌ」字形をな す他方のマチ布テープを少許の間隔をおいて接着するのが好ましい。

【００１１】

【作用】

表裏の側生地と中地との間に取り付けられるマチ布は逢着手段ではなく接着芯 地テープで接着されているからノンキルティングとなり、マチ布テープは逢着さ れていないからマチ布の交差部においてマチ布テープを切断してこれを立てたり する必要がなく、作業が容易であると共にマチ布テープの切断部から羽毛が移動 したりすることはない。

【００１２】 また、マチ布は一端部に長手方向に沿って接着芯地テープを取り付けた４枚の マチ布テープを重合してその他端部側同士を縫着連結することにより構成され、 しかも一方のマチ布テープが断面「Ｌ」字形に、他方のマチ布テープが断面逆「 Ｌ」字形になるように、それぞれ接着されているから、マチ布が横方向に引っ張 られた際に、いずれか一方のマチ布テープは剥離方向に引っ張られるが、他方の マチ布テープがあるからこれによって補強され、マチ布の接着強度が低下したり することはない。

【００１３】 特に、断面「Ｌ」字形をなす一方のマチ布テープと断面逆「Ｌ」字形をなす他 方のマチ布テープが少許の間隔をおいて接着されているから、マチ布が横方向に 引っ張られた際に剥離方向に作用するマチ布テープには弛みが生じ、剥離が防止 される。

【００１４】

【実施例】 図１〜図３において、Ａは表層１Ａと裏層２Ａとで構成された二層式の羽毛布 団を示し、羽毛布団の側生地である表地１と裏地２との間に中地３を介装すると 共に該中地３と表地１との間及び中地３と裏地２との間にマチ布５を表層１Ａと 裏層２Ａとではそれぞれ位置をずらして升目状に取り付けることにより表層と裏 層のそれぞれに複数個の羽毛収容室４を形成し、それぞれの羽毛収容室に羽毛Ｕ を充填したものである。 従って、表層１Ａと裏層２Ａとでは羽毛収容室の数が異なっており、表層１Ａ が、例えば、３×４個とすれば、裏層２Ａにおいては４×５個とする。

【００１５】 図１及び図２に示すように、上記マチ布５は一端部に長手方向に沿って接着芯 地テープ６を取り付けた４枚のマチ布テープ５ａ，５ｂ，５ｃ，５ｄを重合して その他端部同士を長手方向に沿って縫着連結７することにより構成され、この状 態でマチ布テープの２枚づつ５ａ，５ｂと５ｃ，５ｄとがその一端側の上記接着 芯地テープ６を介して表地１及び裏地２と中地３のそれぞれに接着される。 この場合、一方のマチ布テープ５ａ，５ｃが断面「Ｌ」字形に、他方のマチ布 テープ５ｂ，５ｄが断面逆「Ｌ」字形になるように、即ち、向きが逆になるよう にそれぞれ接着される。

【００１６】 この場合、断面「Ｌ」字形をなす一方のマチ布テープ５ａ，５ｃと断面逆「Ｌ 」字形をなす他方のマチ布テープ５ｂ，５ｄとは少許の間隔Ｓをおいて接着する 。

【００１７】 なお、各羽毛収容室４を連通させるようにマチ布５と中地３との接着部には羽 毛充填パイプを挿入すための筒状布（図示しない）を接着しておいて羽毛の充填 作業を容易になし得るようにすることは従来と同様である。 また、表地１，裏地２と中地３をその周縁部において縫合して袋地を作成し、 上記筒状布から各羽毛収容室４内に羽毛Ｕを充填することも従来同様である。

【００１８】

【考案の効果】 本考案の羽毛布団によれば、表裏の側生地と中地との間に取り付けられるマチ 布は逢着手段ではなく接着芯地テープで接着されているからノンキルティングと なり、マチ布は逢着されたものではないから、交差部においてマチ布テープを切 断して立てたりする必要はなく、作業が容易であるのは勿論、マチ布テープの切 断部から羽毛が移動したりすることはない。

【００１９】 また、マチ布は一端部に長手方向に沿って接着芯地テープを取り付けた４枚の マチ布テープを重合してその他端部側同士を縫着連結することにより構成され、 しかも一方のマチ布テープが断面「Ｌ」字形に、他方のマチ布テープが断面逆「 Ｌ」字形になるように、それぞれ接着されているから、マチ布が横方向に引っ張 られた際に、いずれか一方のマチ布テープは剥離方向に引っ張られるが、他方の マチ布テープによって補強され、マチ布の接着強度が低下したりすることはない 。

【００２０】 特に、断面「Ｌ」字形をなす一方のマチ布テープと断面逆「Ｌ」字形をなす他 方のマチ布テープを少許の間隔をおいて接着した場合には、マチ布が横方向に引 っ張られた際に剥離方向に作用するマチ布テープには弛みが生じ、剥離を確実に 防止することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に係る羽毛布団の要部の断面図。

【図２】マチ布の配置状態を示す羽毛布団の表面図。

【図３】マチ布の配置状態を示す羽毛布団の裏面図。

【符号の説明】

Ａ 羽毛布団 １ 表地 ２ 裏地 ３ 中地 ４ 区画室 ５ マチ布 ５ａ，５ｃ 一方のマチ布テープ ５ｂ，５ｄ 他方のマチ布テープ ６ 接着芯地テープ ７ 逢着連結部 Ｓ 間隔

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 布団を表層と裏層の二層構造にするため
   に、表裏の側生地間に中地を介装すると共に該中地と表
   地との間及び中地と裏地との間にマチ布を表層と裏層と
   ではそれぞれ位置をずらして升目状に取り付けることに
   より表層と裏層のそれぞれに複数個の羽毛収容室を形成
   し、それぞれの羽毛収容室に羽毛を充填してなる二層式
   の羽毛布団において、 上記マチ布は一端部に長手方向に沿って接着芯地テープ
   を取り付けた４枚のマチ布テープを重合してその他端部
   同士を長手方向に沿って縫着連結して構成されると共に
   これらマチ布テープの２枚づつがその一端側の上記接着
   芯地テープを介して側生地と中地のそれぞれに接着さ
   れ、しかも一方のマチ布テープが断面「Ｌ」字形に、他
   方のマチ布テープが断面逆「Ｌ」字形になるように、そ
   れぞれ接着されていることを特徴とする羽毛布団。
2. 【請求項２】 断面「Ｌ」字形をなす一方のマチ布テー
   プと断面逆「Ｌ」字形をなす他方のマチ布テープが少許
   の間隔をおいて接着されていることを特徴とする請求項
   １記載の羽毛布団。