JP3011465B2 - ヘキサヒドロベンズ[cd]インドール - Google Patents

ヘキサヒドロベンズ[cd]インドール

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JP3011465B2
JP3011465B2 JP3048879A JP4887991A JP3011465B2 JP 3011465 B2 JP3011465 B2 JP 3011465B2 JP 3048879 A JP3048879 A JP 3048879A JP 4887991 A JP4887991 A JP 4887991A JP 3011465 B2 JP3011465 B2 JP 3011465B2
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    • C07D209/80[b, c]- or [b, d]-condensed
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は合成有機化学および薬化
学の分野に関与し、様々な中枢神経系の疾患に罹患して
いるまたは罹患しやすい個体の治療に有用な化合物のた
めの貴重な中間体、およびそれらの中間体を製造する方
法を提供するものである。
【0002】
【従来の技術】米国特許第4,576,959号において
フラウ(Flaugh)は、6−置換−4−ジアルキルアミノ−
1,3,4,5−テトラヒドロベンズ[cd]インドール類を
開示し、これを中枢神経系のセロトニン拮抗剤であり抗
鬱薬として有用であると記述している。フラウは、開示
された化合物のうちある種のもの、特に6−アミノカル
ボニルを含有する化合物の中間体として6−ブロモ−
1,2,2a,3,4,5−ヘキサヒドロベンズ[cd]インドー
ルを開示している。フラウにより開示された工程では、
ブロモ置換基をシアン化銅と反応させることによりシア
ノで置換し、続いてシアン基を加水分解してアミノカル
ボニル置換基を得る。
【0003】パラジウム触媒の存在下で、アリール、複
素環式またはビニルのハロゲン化物を一酸化炭素および
第一または第二アミンと反応させることにより第一また
は第二アミドを製造するための方法が報告されている
(A.Schoenberg and R.F.Heck,J.Org.Chem.,39,
p.3327,1974)。さらに触媒反応において、アミンの代わ
りにアルコールを用いてエステルを生成することができ
ることも報告されている(A.Schoenberg,I.Bartolet
ti,and R.F.Heck,J.Org.Chem.,39,p 3318,197
4)。これらの参考文献により臭化アリールおよびヨウ化
アリールの両者はこのパラジウムで触媒されたカルボニ
ル化反応に対して有用な基質であることが教示されてい
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、フラウ
の6−ブロモ−1,2,2a,3,4,5−ヘキサヒドロベン
ズ[cd]インドールがこのカルボニル化反応に対する基質
としては不適当であり、一方、6−ヨード−1,2,2a,
3,4,5−ヘキサヒドロベンズ[cd]インドールと一酸化
炭素およびアンモニアとのパラジウム触媒反応は驚くほ
ど容易で、迅速に進行し、6−アミノカルボニル−1,
2,3,4−テトラヒドロベンズ[cd]インドールに変換し
得る6−アミノカルボニル−1,2,2a,3,4,5−ヘキ
サヒドロベンズ[cd]インドールが高い収率で得られるこ
とを見い出した。また、6位においてアルキルおよびア
リールで置換されたアミドおよびエステルは、アミンま
たはアルコールをそれぞれ6−ヨード−1,2,2a,3,
4,5−ヘキサヒドロベンズ[cd]インドールと共に用い
て製造することができることも見い出した。
【0005】また、以下に示す式Iの6−ヨード化合物
は5HT3セロトニン受容体と結合することが見い出さ
れた。
【0006】本発明の目的は、以下の化合物式Iを提供
することである:
【化2】 [式中、R1は水素またはアミノ保護基であり;R2は水
素、C1〜C4アルキル、アリルまたはアミノ保護基であ
り;そしてR3は水素、C1〜C4アルキルまたはアリル
である]。
【0007】 本発明のもう1つの目的は次の化合物式
I:
【化3】 [式中、R1は水素またはアミノ保護基]を製造する方法
であって; a)以下の化合物:
【化4】 [式中、R1は前記と同じで、R2は水素、C1〜C4アル
キル、アリルまたはアミノ保護基]をアルキル化し;R1
およびR2は前記と同じでR3がC1〜C4アルキルである
式Iの化合物を生成させるか; b)以下の構造を有する化合物:
【化5】 [式中、R1は水素またはアミノ保護基であり;R2は水
素、C1〜C4アルキル、アリルまたはアミノ保護基であ
り;そしてR3は水素、C1〜C4アルキルまたはアリル
である]をヨード化することを特徴とする方法を提供す
ることである。
【0008】さらにもう1つの目的は、活性成分として
式Iの化合物を、1またはそれ以上の薬学的に許容しう
る賦形剤と共に含有する医薬製剤を提供するものであ
る。
【0009】本明細書で用いられる全ての温度は摂氏で
表される。”アミノ保護基”なる用語は、本明細書にお
いて有機化学において通常用いられるように使用され、
従って、ある分子の他の官能基での反応においてアミノ
基が共に反応していまうことを防止することができる
が、反応を起こしたい場合にはアミンから除去し得る基
を意味する。このような基については、グリーン(T.
W.Greene)著“有機合成における保護基"(Protective
Groups in Organic Synthesis)[John Wileyand
Sons,New York,(1981年)]第7章およびバートン
(J.W.Barton)著“有機化学における保護基"(Protec
tive Groups In Organic Chemistry)[J.F.W.Mc
Omie,ed.,Plenum Press,New York,(1973年)]
第2章に記述されており、これら全ては本明細書の一部
を構成するものとする。このような基の例は式−COO
Rで示される基を含み、ここでRはメチル、エチル、プ
ロピル、イソプロピル、2,2,2−トリクロロエチル、
1−メチル−1−フェニルエチル、イソブチル、t−ブ
チル、t−アミル、ビニル、アリル、フェニル、ベンジ
ル、p−ニトロベンジル、o−ニトロベンジル、および
2,4−ジクロロベンジル;ベンジルおよび3,4−ジメ
トキシベンジル、o−ニトロベンジル、トリフェニルメ
チルなどの置換されたベンジル;アシルおよびホルミ
ル、アセチル、クロロアセチル、ジクロロアセチル、ト
リクロロアセチル、トリフルオロアセチル、フェノキシ
アセチル、ベンゾイルおよびp−メトキシベンゾイルな
どの置換されたアシル;およびメタンスルホニル、p−
トルエンスルホニル、p−ブロモベンゼンスルホニル、p
−トルエンスルホニルアミノカルボニルなどの他の基を
含む。
【0010】”C1−C4アルキル”なる用語はメチル、
エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec
−ブチルおよびt−ブチルを含む。
【0011】以下に示す化合物は、読者の理解を確実な
ものにするために本発明の化合物の例として示すもので
ある: 1−ベンゾイル−4−アミノ−6−ヨード−1,2,2a,
3,4,5−ヘキサヒドロベンズ[cd]インドール 1−アセチル−4−メチルアミノ−6−ヨード−1,2,
2a,3,4,5−ヘキサヒドロベンズ[cd]インドール 1−トリクロロアセチル−4−(ジ−n−プロピル)アミ
ノ−6−ヨード−1,2,2a,3,4,5−ヘキサヒドロベ
ンズ[cd]インドール 1−(t−ブトキシカルボニル)−4−トリフルオロアセ
チルアミノ−6−ヨード−1,2,2a,3,4,5−ヘキサ
ヒドロベンズ[cd]インドール 1−フェノキシアセチル−4−(t−ブチル)アミノ−6
−ヨード−1,2,2a,3,4,5−ヘキサヒドロベンズ[c
d]インドール 1−アリルオキシカルボニル−4−アリルオキシカルボ
ニルアミノ−6−ヨード−1,2,2a,3,4,5−ヘキサ
ヒドロベンズ[cd]インドール 1−ベンゾイル−4−(ジ−n−プロピル)アミノ−6−
ヨード−1,2,2a,3,4,5−ヘキサヒドロベンズ[cd]
インドール 1−(2,2,2−トリクロロエトキシ)カルボニル−4−
ジエチル−アミノ−6−ヨード−1,2,2a,3,4,5−
ヘキサヒドロベンズ[cd]インドール 1−(p−トルエンスルホニル)−4−イソプロピルアミ
ノ−6−ヨード−1,2,2a,3,4,5−ヘキサヒドロベ
ンズ[cd]インドール 1−ベンゾイル−4−(n−プロピル)アミノ−6−ヨー
ド−1,2,2a,3,4,5−ヘキサヒドロベンズ[cd]イン
ドール 1−(2,2,2−トリクロロエトキシ)カルボニル−4−
(2,2,2−トリクロロエトキシ)カルボニルアミノ−6
−ヨード−1,2,2a,3,4,5−ヘキサヒドロベンズ[c
d]インドール 1−ベンゾイル−4−トリフルオロアセチルプロピルア
ミノ−6−ヨード−1,2,2a,3,4,5−ヘキサヒドロ
ベンズ[cd]インドール
【0012】式Iの化合物の好ましい態様は、R1がアミ
ノ保護基、R2が水素、n−プロピルまたはアミノ保護基
そしてR3が水素またはn−プロピルである式Iの化合物
である。R1およびR2の両方がアミノ保護基である場合
には、これらの一方を脱離させ、もう一方をその部位に
残すことができるように、アミノ基を脱離させる通常の
方法に対する両者の反応性が異なることが望ましいこと
が多い。R1についての好ましいアミノ保護基はアセチ
ル、トリクロロアセチル、トリフルオロアセチル、p−
トルエンスルホニル、そして特にベンゾイルである。R
2がアミノ保護基である場合には、トリフルオロアセチ
ルであることが好ましい。
【0013】本発明の化合物が少なくとも2つの不斉中
心を有し、1つは2a位に、もう1つは4位に存在する
ことは当業者には認められるであろう。従って、各々の
式Iの化合物には少なくとも4つの独立した立体異性体
が存在し、置換基に不斉中心が存在する場合にはそれ以
上の立体異性体が存在する。本発明は、混合物もしくは
実質的に純粋な形の様々な立体異性体の全てを包含する
が、実質的に純粋なエナンチオマーである化合物が好ま
しい。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明の化合物の製造に
好ましい出発物質は以下の式IIで示される化合物であ
る:
【化6】 これはバッハおよびコーンフェルド(Bach and Kornfel
d,米国特許第4,110,339号)の方法により製造す
ることができる。好ましい出発物質は、以下の方法によ
り製造することができる式IIの化合物の実質的に純粋な
エナンチオマーである。
【0015】1−ベンゾイル−4,5−エポキシ−1,
2,2a,3,4,5−ヘキサヒドロベンズ[cd]インドール
の以下に示す2対のエナンチオマーのうちどちらか一方
を、レアンナら[Leanna,et al.,Tet.Lett.,30,no.3
0,pp.3935-3938(1989)]の方法により選択的に製造する
ことができる。
【化7】 対となっているエナンチオマーIIIa-bもしくはIIIc-d
らの適切な選択は、製造しようとする所望の式Iの化合
物の立体化学に依存する。議論を単純なものにするため
に、α−エナンチオマーから得られる立体化学を以下に
示す。β−エナンチオマーを選択した場合、それは、そ
れから導かれる中間体および生成物の立体化学配置に影
響するであろうことは当業者には理解されるであろう。
【0016】IIIaおよびIIIbのラセミ混合物とS−1−
フェニルエチルアミンとの反応により、以下の式で示さ
れる1対のジアステレオマーが製造される:
【化8】 ジアステレオマーは、クロマトグラフィーおよび選択的
結晶化などの当分野でよく用いられているいくつかの方
法により分離することができる。
【0017】式IVaの実質的に純粋なジアステレオマー
を1工程で製造する特に有利な方法は以下の通りであ
る。n−ブタノール中、溶媒9mlに対してα−エナンチ
オマー約1gの濃度で約16時間約90℃で反応を行
う。およそ室温まで冷却した時点で、式IVbのジアステ
レオマーは溶液中に残存し、式IVaのジアステレオマー
は結晶化し、濾過により回収することができる。
【0018】議論を単純にするために、それ以降の中間
体および生成物は、式IVaの化合物から得たものを以下
に示す。勿論、R−1−フェニルエチルアミンをS−1
−フェニルエチルアミンの代わりに使用すると、式IVa
の鏡像体を選択的に結晶化することになり、これを本合
成法において使用した場合、それに続く中間体および生
成物は以下に示す化合物のエナンチオマーとなる。
【0019】本発明の化合物に対する好ましい出発物質
の製造における次の工程は、式Vのアジリジンを生成す
ることである。βアミノアルコールからアジリジンを生
成するいくつかの方法は当分野で知られている。好まし
い方法は、ジクロロメタン中、式IVaの化合物をトリエ
チルアミンおよび塩化メタンスルホニルと反応させる方
法である。以下の式Vで示されるアジリジン化合物はそ
の反応溶液から単離することができる:
【化9】 勿論、式IVの他のエナンチオマーまたはその混合物の使
用により、式Vの異なったエナンチオマーまたはその混
合物が製造される。
【0020】式Vで示されるアジリジンはパラジウムな
どの貴金属触媒上で水素化を行う。好ましい溶媒は酢酸
およびメタノールの混合液であり、この反応は好ましく
は約1気圧の水素ガスの下で行なう。この反応混合物を
約−5℃でアジリジンがなくなるまで撹拌する。アジリ
ジンの消失は、薄層クロマトグラフィーまたは液体クロ
マトグラフィーにより測定する。この水素化による生成
物は第二アミン、1−ベンゾイル−4−(S−1−フェ
ニルエチル)アミノ−1,2,2a,3,4,5−ヘキサヒド
ロベンズ[cd]インドールであり、これは単離する必要が
ない。この水素化は約55℃で約1気圧の水素ガスの下
に第二アミンが消費されるまで行い、この消費は薄層ク
ロマトグラフィーまたは液体クロマトグラフィーにより
測定する。単離、例えば結晶化による単離によって、実
質的に純粋な以下に示す式IIのエナンチオマーが得られ
る:
【化10】 勿論、式IIの化合物の他のエナンチオマーまたはそれら
の混合物は、式Vの化合物の対応するエナンチオマーか
ら製造する。
【0021】式Iの化合物は、立体異性体の混合物また
は実質的に純粋なエナンチオマーの形の式IIの化合物か
ら、通常の試薬および当分野で周知の方法を用いて製造
する。6位にヨード置換基を導入する好ましい方法は、
酢酸エチルなどの溶媒中で、トリフルオロ酢酸または硫
酸などの酸の存在下に、ヨウ素およびオルト過ヨウ素酸
と共に反応させる方法である。ヨード化のもう1つの好
ましい方法は、トリフルオロ酢酸の存在下にN−ヨード
スクシンイミドを使用することである。もし所望なら
ば、グリーン(Greene,supra)およびバートン(Barton,
supra)により開示された方法と同様の方法により、アミ
ノ保護基を4−アミノ置換基に加えることができる。も
し所望なら、モリソンおよびボイド[Morrison and Bo
yd,Chapter 22,Organic Chemistry,Third Edition,A
llyn and Bacon,Boston,(1973)]により論じられている
適当なハロゲン化物のアンモノリシスと同様の常法を用
いて4−アミノ置換基にアルキル基を加えることができ
る。所望ならば、既知の方法を用いて、ベンゾイル基を
1位から脱離させ、所望なら他のアミノ保護基と置換す
ることができる。これらのアミノ保護基およびアルキル
基を、所望によりヨード化の前もしくは後に加えること
ができる。
【0022】式Iの好ましい化合物、(2aR,4S)−1
−ベンゾイル−4−(ジ−n−プロピル)アミノ−6−ヨ
ード−1,2,2a,3,4,5−ヘキサヒドロベンズ[cd]イ
ンドールを酢酸水溶液などの溶媒中で硫酸またはトリフ
ルオロ酢酸などの存在下、ヨウ素およびオルト過ヨウ素
酸によりヨード化し、続いてアセトニトリルなどの溶媒
中、炭酸カリウムなどの塩基の存在下でヨウ化n−プロ
ピルを用いてアルキル化することができる。別法では、
アルキル化をヨード化より先に行うことができる。
【0023】式Iの化合物は、フラウ(Flaugh)[米国特
許第4,576,959号]の化合物(6位の置換基がアミ
ノカルボニル)、または誘導体(6位の置換基がアルキル
もしくはアリール置換アミドまたはアルキルカルボン酸
エステルもしくはアリールカルボン酸エステルである)
の有用な中間体である。ヘック反応(Heck reaction)に
おいて通常用いられるパラジウム触媒の存在下で、式I
の化合物をアンモニアおよび一酸化炭素と反応させるこ
とにより、アミノカルボニル基を導入することができ
る。この反応において、アンモニアの代わりにアミンを
用いることにより、置換アミドを導入することができ
る。アンモニアの代わりにアルコールを用いることによ
りカルボン酸エステルを製造することができる。この好
ましいパラジウム触媒は塩化ビス(トリフェニルホスフ
ィン)パラジウムおよび臭化ビス(トリフェニルホスフィ
ン)パラジウムである。アセトニトリルまたはトルエン
などの非反応性溶媒が適している。アンモニアを用いた
場合には、およそ等モルの一酸化炭素およびアンモニア
の混合物を約1から約20気圧の下で反応に供する。ア
ンモニアの代わりにアミンまたはアルコールなどの反応
物を用いた場合には、所望の一酸化炭素の圧力を与え
る。次いで反応器を密封し、反応混合物を約25℃から
約150℃の間の温度で、反応物が実質的に消費される
まで撹拌する。この消費は、例えば、薄層クロマトグラ
フィーまたは液体クロマトグラフィーで測定する。この
ヘック反応の次にアミノ保護基を脱離し、所望なら、ア
ルキルまたはアリル置換基をアミノ基の4位に加え、2
位と2a位の間の結合を酸化して二重結合にする反応を
行うことができる。勿論、この合成経路に修飾を加えた
方法が好ましいこともあるかもしれないが、最終化学工
程に酸化を行うことは有利であることが多い。
【0024】フラウの好ましい化合物4−(ジ−n−プロ
ピル)アミノ−6−アミノカルボニル−1,3,4,5−テ
トラヒドロベンズ[cd]インドールを、1−ベンゾイル−
4−(ジ−n−プロピル)アミノ−6−ヨード−1,2,2
a,3,4,5−ヘキサヒドロベンズ[cd]インドールから一
酸化炭素およびアンモニアを用いて製造する方法につい
ては後述する。
【0025】本発明の式Iの化合物は5−ヒドロキシト
リプトアミン(5−HT)受容体、特に5−HT3受容体
に結合することが見い出された。これらの化合物は、5
−HT3受容体機能を変化させることが必要な疾病状態
の治療に有用である。この変化には、該受容体の機能に
対する作動物質もしくは拮抗物質としての作用が含まれ
る。これらの疾病状態には不安、抑鬱、悪心などが含ま
れる。本明細書の一部を構成する米国特許第4,576,
959号に開示されている様に、式Iの化合物の薬学的
に有効な量を、1もしくはそれ以上の医薬賦形剤と共に
好ましくは経口で用いることができる。
【0026】以下に挙げる実施例は説明のためのもので
あって本発明の範囲を限定するものではない。
【0027】実施例1 (2a−R,4−S)−1−ベンゾイル−4−ア
ミノ−1,2,2a,3,4,5−ヘキサヒドロベンズ[cd]イ
ンドールの製造 実施例1A:(2a−R,4−R,5−R)−1−ベンゾイ
ル−4−(S−1−フェニルエチル)アミノ−5−ヒドロ
キシ−1,2,2a,3,4,5−ヘキサヒドロベンズ[cd]イ
ンドールの製造 (2a−RS,2a−α,4−α,5−α)−1−ベンゾイル
−4,5−エポキシ−1,2,2a,3,4,5−ヘキサヒド
ロベンズ[cd]インドール(482.5g、1.74モル)をn
−ブタノール(4400ml)に溶解し、5000mlの3口
フラスコ2つに分けて入れ、各々に撹拌装置、熱電対お
よび窒素の挿入口を先端に付けたコンデンサーを取り付
けた。(S)−1−フェニルエチルアミン(全量900m
l、各フラスコ中450ml、6.98モル)を加え、溶液
を90℃で一夜撹拌した。これより少量を取り、n−ブ
タノールを真空下で除去して薄層クロマトグラフィー
[二酸化ケイ素(SiO2)、ヘキサン:酢酸エチル(1:
1)]を行ったところ、24時間後には出発物質は検出さ
れなかった。反応混合物を室温まで冷却した時点で、所
望のアミノアルコールが反応混合物から直接結晶化し
た。この結晶物質を濾過し、ジエチルエーテル(各20
00ml)で洗浄し、乾燥した。両反応物を合わせた最初
の収量は、所望の生成物168.26gであり、これを直
接次の反応に用いた。2回目の反応生成物は、上記の濾
液を蒸発により乾燥させてトルエン(200ml)に溶解
し、さらにヘキサン(100ml)およびジエチルエーテル
(100ml)を加えることにより得た。得られた溶液を冷
蔵庫に一夜静置し、濾過の後、所望の生成物(39.2g)
がさらに得られた。回収した生成物を赤外スペクトル
(IR)および核磁気共鳴スペクトル(NMR)、マススペ
クトル(MS)、紫外スペクトル(UV)、薄層クロマトグ
ラフィー(TLC)により分析した。元素分析も行った。
次に示す結果は、生成物(2a−R,4−R,5−R)−1
−ベンゾイル−4−(S−1−フェニルエチル)アミノ−
5−ヒドロキシ−1,2,2a,3,4,5−ヘキサヒドロベ
ンズ[cd]インドールを確認して得られたものである。 物理データ: 融点: 158−160℃ IR: 3480(br)、1638(s)、1610(w)、1
470(s)、1457(s)、1394(s)cm-1。 NMR:(1H,ppm,CDCl3):7.02−7.56(m,1
3H)、4.21(q,1H,J=6.6Hz)、4.25(br s,
1H)、3.63(m,2H)、3.42(m,2H)、2.72(b
r s,1H,D2Oと交換)、1.99(m,1H)、1.80(m,
1H)、1.47(d,3H,J=6.6Hz)。 M.S.:m/e=398、355、249、145、10
5。 U.V.:λmax=292(ε=8930)、265(ε=1
1400)[エタノール中]。 TLC:Rf=0.68[二酸化ケイ素(SiO2)、酢酸エ
チル:ヘキサン:トリエチルアミン(42:42:1
6)]=所望のジアステレオマーRf=0.62[二酸化ケ
イ素(SiO2)、酢酸エチル:ヘキサン:トリエチルアミ
ン(42:42:16)]=所望でないジアステレオマー Rf=0.36[二酸化ケイ素(SiO2)、ヘキサン:酢酸
エチル(1:1)]=アミノアルコール(混合物)。
【0028】 実施例1B:(2a−R,4−S,5−R)−1−ベンゾイ
ル−4,5−(S−1−フェニルエチル)アジリノ−1,
2,2a,3,4,5−ヘキサヒドロベンズ[cd]インドール
の製造 実施例1Aの方法により製造した化合物(749.5g)の
塩化メチレン(6000ml)溶液を窒素雰囲気下で−10
℃まで冷却した。次いでトリエチルアミン(590g、
3.1当量)をこの混合物に加え、続いて塩化メタンスル
ホニル(330g、1.5当量)を0℃以下に温度を保ちな
がら、一定の速度で滴下した。塩化メタンスルホニルの
添加が終了した後に、反応混合物を0℃でさらに0.5
時間撹拌し、次に室温まで暖めた。次いで反応混合物を
水(6000ml)、5%重炭酸ナトリウム水溶液(600
0ml)、および食塩水(6000ml)で順次洗浄した。次
いで有機層を硫酸ナトリウム(250g)で乾燥し、濾過
した。アセトニトリル(3000ml)を濾液に加えた。真
空下での蒸発により約3000mlまで容量を減少させた
ところ、沈殿が生じた。さらにアセトニトリル(300
0ml)を加え、真空下での蒸発により容量を2000ml
まで減少させた。得られた懸濁液を氷浴で冷却して1.
5時間撹拌した。沈殿を濾過し、冷却したアセトニトリ
ルで洗浄し、真空下に50℃で乾燥して、(2a−R,4
−S,5−R)−1−ベンゾイル−4,5−(S−1−フェ
ニルエチル)アジリノ−1,2,2a,3,4,5−ヘキサヒ
ドロベンズ[cd]インドールに対応する以下の分析値を有
する生成物(607.5g)を得た。物理データ: 融点: 172−176℃ NMR:構造が確認された。 (13C,ppm,CDCl3):168.6、144.4、141.
6、136.5、132.8、130.5、128.6、1
28.3、127.3、127.0、126.7、124.
1、69.9、59.0、38.6、37.7、34.5、
31.6、23.6。M.S.:m/e=380、275、2
61、105、77。U.V.:λmax=302(ε=87
30)、272(ε=14000)[エタノール中]。 TLC:Rf=0.72[二酸化ケイ素(SiO2)、ヘキサ
ン:酢酸エチル(1:1)]=所望のジアステレオマー Rf=0.60[二酸化ケイ素(SiO2)、ヘキサン:酢酸
エチル(1:1)]=所望でないジアステレオマー Rf=0.28[二酸化ケイ素(SiO2)、ヘキサン:酢酸
エチル(1:1)]=アミノアルコール Rf=0.16[二酸化ケイ素(SiO2)、ヘキサン:酢酸
エチル(1:1)]=酸化トリフェニルホスフィン Rf=0.47[二酸化ケイ素(SiO2)、ヘキサン:酢酸
エチル(1:1)]=還元されたDEAE UVおよびヨウ素染色により視覚化を行った。
【0029】 実施例1C:(2a−R,4−S)−1−ベンゾイル−4−
アミノ−1,2,2a,3,4,5−ヘキサヒドロベンズ[cd]
インドールの製造 撹拌装置、熱電対および3方向のガス/真空アダプター
を先端に付けたコンデンサーを取り付けた500mlの3
口丸底フラスコに、実施例1Bの方法により製造した化
合物(19.0g、0.050モル)を入れ、次に予め−5
℃に冷却した氷酢酸:エタノール(170ml:70ml)溶
液を加えた。得られた溶液を−5℃で撹拌し、空気を窒
素で置き換えた。氷酢酸(40ml)中の10%Pd/C
(8.50g)懸濁液を加え、およそ大気圧の下に空気を水
素で置き換え、反応混合物を−5℃で2時間撹拌した。
次いで反応混合物を55℃でさらに6時間撹拌して、第
二の還元すなわちキラルなフェニルエチル補助物の分裂
を完全にした。反応混合物を室温まで冷却し、濾過助剤
を通して濾過し、酢酸(5×50ml)で洗浄して濾液を真
空下30℃で濃縮した。この粘着性の残留物に塩化メチ
レン(200ml)および1N塩酸(200ml)を加えた。層
を分離し、有機層をさらに1N塩酸(2×100ml)で抽
出した。合わせた水層を5N水酸化ナトリウムで塩基性
にして、塩化メチレン(200ml+2×100ml)で完全
に抽出した。合わせた有機層を食塩水次いで硫酸ナトリ
ウムで乾燥した。真空下で溶媒を除去して、(2a−R,
4−S)−1−ベンゾイル−4−アミノ−1,2,2a,3,
4,5−ヘキサヒドロベンズ[cd]インドール(12.46
g)を得た。これは静置により結晶化した。イソプロパノ
ールまたは50%エタノール水溶液からの再結晶により
短い針状結晶が得られ、これは以下の分析値を有してい
た。 物理データ: 融点: 147−150℃ IR: 1225(w)、1396(s)、1457(s)、1
488(m)、1597(m)、1612(s)、1637(s)、
3009(m)cm-1。 NMR:(1H,ppm,CDCl3):7.38−7.57(m,5
H)、6.99(m,1H)、6.78(m,2H)、4.25(br
m,1H)、3.62(t,1H,J=11.5Hz)、3.29
(m,2H)、3.12(dd,1H,J=6.1,16.7Hz)、
2.39(dd,1H,J=10.3,16.7Hz)、2.17
(m,1H)、1.49(br s,2H)、1.31(q,1H,J=
11.5HZ)。 (13C,ppm,CDCl3):168.5、141.4、136.
6、133.3、132.6、130.7、130.1、1
28.8、128.1、127.7、127.6、127.
1、123.1、122.6、58.2、48.6、37.
3、37.2、36.9。 M.S.:m/e=278、261、235、130、10
5、77。 U.V.:λmax=291(ε=8150)、266(ε=1
0600)[エタノール中]。 TLC:Rf=0.19[二酸化ケイ素(SiO2)、CH2
l2:メタノール(4:1)]=所望の生成物 Rf=0.41[二酸化ケイ素(SiO2)、酢酸エチル:ヘ
キサン(1:1)]=アジリジン Rf=0.86[二酸化ケイ素(SiO2)、CH2Cl2:メタ
ノール(4:1)]=第二アミン Rf=0.13[二酸化ケイ素(SiO2)、酢酸エチル:ヘ
キサン(1:1)]=第二アミン UVおよびヨウ素染色による視覚化を行った。
【0030】実施例2 (2a−R,4−S)−1−ベンゾイル−4−ア
ミノ−6−ヨード−1,2,2a,3,4,5−ヘキサヒドロ
ベンズ[cd]インドールの製造磁気の撹拌子を入れた50
mlフラスコ中へ、酢酸(10ml)、水(2ml)、実施例1の
方法により製造した(2a−R,4−S)−1−ベンゾイル
−4−アミノ−1,2,2a,3,4,5−ヘキサヒドロベン
ズ[cd]インドール(500mg、1.8ミリモル)、トリフ
ルオロ酢酸(277μl、3.6ミリモル)、オルト過ヨウ
素酸(103mg、0.45ミリモル)、およびヨウ素(23
3mg、0.9ミリモル)を加え、これらの全てをおよそ室
温においてフラスコ中で合わせた。フラスコを継続的に
窒素で浄化しながら反応混合物を70℃に熱した。温度
を70℃に1時間45分保ち、その後反応混合物を0℃
に冷却した。重量10%硫酸ナトリウム水溶液(約5ml)
を加え、過剰なヨウ素またはオルト過ヨウ素酸を破壊し
た。塩化メチレン(10ml)をフラスコに加えた。濃水酸
化アンモニウム水溶液(20ml)を滴下し、この添加の後
に水層のpHを約10にした。反応混合物を分離用漏斗
に移した。反応用フラスコを塩化メチレン(10mlずつ
2回)ですすぎ、これも分離用漏斗に加えた。層を分離
し、水層を塩化メチレン(2×20ml)で抽出した。合わ
せた有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液(20ml)で抽出
し、次いで無水硫酸ナトリウムで乾燥した。真空下で溶
媒を蒸発させ、かすかな黄色の泡状の固体(640mg)を
得た。この固体は(2a−R,4−S)−1−ベンゾイル−
4−アミノ−6−ヨード−1,2,2a,3,4,5−ヘキサ
ヒドロベンズ[cd]インドールに対応する以下の物理デー
タを示した。 IR:(KBr):3450(br)、2915(w)、2870
(w)、1641(s)、1600(w)、1577(w)、146
5(w)、1451(s)、1379(s)cm-1。 NMR:(1H,ppm,CDCl3):7.3−7.7(m,7H)、
4.25(br m,1H)、3.65(t,1H)、3.30(m,2
H)、3.05(dd,1H)、2.3−2.05(m,2H)、1.
50(br s,2H)、1.30(q,1H)。 M.S.:m/e=404。
【0031】実施例3 (2a−R,4−S)−1−ベンゾイル−4−
(ジ−n−プロピル)アミノ−6−ヨード−1,2,2a,3,
4,5−ヘキサヒドロベンズ[cd]インドールの製造 実施例3A:磁気撹拌子を入れた100mlフラスコ中
に、実施例2の方法により製造した(2a−R,4−S)−
1−ベンゾイル−4−アミノ−6−ヨード−1,2,2a,
3,4,5−ヘキサヒドロベンズ[cd]インドール(630m
g、1.56ミリモル)およびアセトニトリル(20mg)を
入れた。炭酸カリウム(1.08g、7.8ミリモル)を、
熱をもった乳鉢および乳棒で粉にしてフラスコに加え
た。1−ヨードプロパン(769μl、7.8ミリモル)を
加えた。反応混合物を窒素で浄化しながら70℃で28
時間撹拌した。反応の副生成物である塩を反応混合物か
ら濾過し、アセトニトリル(2×25ml)で洗浄し、濾液
に加えた。濾液から溶媒を真空下で除去した。残留した
オレンジ色のペーストを酢酸エチル(50ml)および水
(25ml)の混合液中に入れた。有機層を水層から分離
し、水(2×25ml)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾
燥した。溶媒を真空下で除去して、かすかな茶色の固体
(650mg)を得た。固体の生成物は、実施例3Bから得
た生成物と同じNMRスペクトルを有していた。
【0032】実施例3B:別法: アセトニトリル中の1−ベンゾイル−4−(ジ−n−プロ
ピル)アミノ−1,2,2a,3,4,5−ヘキサヒドロベン
ズ[cd]インドール(約500mg、約1.4ミリモル)を1
00mlフラスコ中に入れた。溶媒を真空下で除去し、粘
着性の油状物を得た。この油状物に酢酸、水および硫酸
の混合液(25ml、容量比100:20:3)を加えた。
得られた溶液にオルト過ヨウ素酸(96mg、0.42ミリ
モル)およびヨウ素(218mg、0.89ミリモル)を加え
た。反応混合物を70℃に加熱して窒素雰囲気下で25
分間その温度に保った。溶媒および過剰なヨウ素を真空
下で除去した。残留物を水(50ml)中に取った。5N水
酸化ナトリウム水溶液(15ml)をさらに加え、pHを約
12に上昇させると、固体の沈殿物が生じた。この混合
物を約0℃まで冷却した。この固体を濾過し、水(3×
30ml)で洗浄し、真空下で乾燥し、黄褐色の固体(61
9mg)を得た。この物質は、(2a−R,4−S)−1−ベ
ンゾイル−4−(ジ−n−プロピル)アミノ−6−ヨード
−1,2,2a,3,4,5−ヘキサヒドロベンズ[cd]インド
ールに対応する以下のデータを示した。 IR: (CHCl3):3010(w)、2961(m)、29
34(m)、2870(w)、1638(s)、1467(s)、1
453(s)、1382(s)、1222(w)cm-1。 NMR:(1H,ppm,CDCl3):7.3−7.7(m,7H)、
4.25(br m,1H)、3.65(t,1H)、3.30(m,1
H)、3.20(m,1H)、2.80(dd,1H)、2.45(m,
5H)、2.15(m,1H)、1.25−1.60(m,5H)、
0.90(t,6H)。 M.S.:m/e=448。
【0033】実施例4 (2a−R,4−S)−1−ベンゾイル−4−
(トリフルオロアセチル)アミノ−6−ヨード−1,2,2
a,3,4,5−ヘキサヒドロベンズ[cd]インドールの製造 実施例1の方法により製造した(2a−R,4−S)−1−
ベンゾイル−4−アミノ−1,2,2a,3,4,5−ヘキサ
ヒドロベンズ[cd]インドール(1.00g、3.6ミリモ
ル)、塩化メチレン(20ml)、および無水トリフルオロ
酢酸(2つに分割;各564μl、4.0ミリモル)を20
0mlフラスコに入れた。反応混合物を室温で1時間撹拌
した。3回分目の無水トリフルオロ酢酸(564μl、
4.0ミリモル)を加え、反応混合物を室温で1時間撹拌
した。溶媒を真空下で除去して黄褐色のペーストを得、
それにオルト過ヨウ素酸(210mg、0.9ミリモル)、
酢酸、水および硫酸の混合物(50ml、容量比100:
20:3)、およびヨウ素(460mg、1.8ミリモル)を
加えた。この反応混合物を窒素雰囲気下で1時間70℃
に加熱した。反応混合物の温度を70℃に保ちながら重
亜硫酸ソーダ水溶液(15ml、重量10%)を加えた。水
(100ml)を暖めた反応混合物に加え、次いでこれを−
20℃に冷却した。沈殿した生成物を濾過し、水(20
0ml)で洗浄し、真空下70℃で乾燥して、綿毛様の黄
色の固体(1.6g)を得た。該固体の分析により以下のデ
ータが得られた。 IR: (KBr):3270(br)、3100(w)、294
0(w)、2860(w)、1701(s)、1662(s)、15
65(s)、1466(s)、1453(s)、1370(s)、1
354(s)cm-1。 NMR:(1H,ppm,DMSO−d6):9.60(d,1H)、
7.4−7.7(m,7H)、4.25(m,1H)、4.15(m,
1H)、3.80(m,1H)、3.45(m,1H)、2.87(d
d,1H)、2.45(dd,1H)、2.10(m,1H)、1.4
5(q,1H)。 M.S.:m/e=500。
【0034】実施例5 1−ベンゾイル−4−ベンジルオキシカルボ
ニル−6−ヨード−1,2,2a,3,4,5−ヘキサヒドロ
ベンズ[cd]インドールの製造実施例1の方法により製造
した(2a−R,4−S)−1−ベンゾイル−4−アミノ−
1,2,2a,3,4,5−ヘキサヒドロベンズ[cd]インドー
ル(100mg、0.36ミリモル)、塩化メチレン(5m
l)、トリエチルアミン(56μl、0.40ミリモル)、お
よびベンジルクロロホルメート(57μl、0.40ミリ
モル)を5mlフラスコに入れた。混合物を室温で約15
分間撹拌した。溶媒を真空下で除去して白色の固体を得
た。この白色固体に、酢酸、水および硫酸の混合物(1
0ml、容量比100:20:3)、オルト過ヨウ素酸(2
1mg、0.09ミリモル)、およびヨウ素(46mg、0.1
8ミリモル)を加えた。この混合物を55℃に加熱し、
その温度で約1時間撹拌し、次いで30℃に冷却した。
重亜硫酸ソーダ水溶液(重量10%、2ml)を加えて過剰
なヨウ素を還元した。撹拌しながら水(25ml)を滴下し
た。水の添加により沈殿したかすかな黄色の固体を減圧
濾過により回収し、水で洗浄し、フィルター上で乾燥し
た。その固体(199mg)を液体クロマトグラフィー[(シ
リカ6gを充填、塩化メチレン:ジエチルエーテル(容量
比9:1)にて溶離]により精製した。溶離された分画
を、薄層クロマトグラフィー[シリカ、塩化メチレン:
ジエチルエーテル(容量比9:1)]により分析した。生
成物を含む分画を集めて真空下で蒸発させて、(2a−
R,4−S)−1−ベンゾイル−4−アミノ−1,2,2a,
3,4,5−ヘキサヒドロベンズ[cd]インドール(120m
g)を得た。これは以下の分析値を示した。 IR: (CHCl3):1719(br)、1635(br)、1
510(br)、1468(s)、1454(s)、1380(br)
cm-1。 NMR:(1H,ppm,DMSO−d6):7.2−7.7(m,1
2H)、5.0(s,2H)、4.05(br m,1H)、3.85
(m,1H)、3.75(m,1H)、3.40(m,1H)、2.8
5(dd,1H)、2.25(dd,1H)、2.05(m,1H)、
1.15(q,1H)。 M.S.:m/e=538。
【0035】実施例6 (2a−R,4−S)−4−(ジ−n−プロピル)
アミノ−6−アミノカルボニル−1,3,4,5−テトラ
ヒドロベンズ[cd]インドールの製造実施例6A:1−ベ
ンゾイル−4−(ジ−n−プロピル)アミノ−6−アミノ
カルボニル−1,2,2a,3,4,5−ヘキサヒドロベンズ
[cd]インドールの製造実施例3の方法により製造した
(2a−R,4−S)−1−ベンゾイル−4−(ジ−n−プロ
ピル)アミノ−6−ヨード−1,2,2a,3,4,5−ヘキ
サヒドロベンズ[cd]インドール(1.33g、2.7ミリモ
ル)のトルエン(100ml)溶液および臭化ビス(トリフェ
ニルホスフィン)パラジウム(111mg、0.14ミリモ
ル)をオートクレーブに入れた。オートクレーブを組立
てて一酸化炭素を吹き込んだ。オートクレーブおよびそ
の内容物を0℃まで冷却し、無水アンモニアで圧力を5
0psig(1平方インチ当たり50ポンド)(1c2m当たり
3.515kg)の圧力に上昇させた。次いで一酸化炭素を
用いてオートクレーブ中の圧力を100psig(1c2m当た
り7.03kg)に上昇させ、オートクレーブを密封した。
反応混合物を100℃に加熱して6時間撹拌した。これ
を閉鎖したオートクレーブ中に室温で一夜保存した。こ
の反応混合物を濾過し、オートクレーブをトルエン(2
5ml)ですすぎ、次いでこれを濾過して最初の濾液に加
えた。濾液を初めに水酸化ナトリウム水溶液(1.0N、
20ml)で抽出し、飽和塩化ナトリウム水溶液(各25m
l)で2回抽出した。トルエン層を無水硫酸ナトリウムで
乾燥し、濾過し、真空下で蒸発させて暗黄色の固体を得
た。この固体を酢酸エチル(5ml)中に取った。ヘキサン
(15ml)を加え、得られた混合物を蒸気浴上で加熱し
た。酢酸エチル(約1ml)を加えて固体を完全に溶解し、
溶液を一夜室温まで冷却した。混合物を−30℃に冷却
した。混合物を濾過して固体をヘキサンで洗浄した。こ
の固体を塩化メチレン(20ml)中に取り、溶媒を真空下
で蒸発させた。再び固体を塩化メチレン(20ml)中に取
り、溶媒を真空下で蒸発させて黄褐色の固体を得た。こ
の固体生成物は実施例6Bの生成物と同じNMRスペク
トルを示した。
【0036】 実施例6B:4−(ジ−n−プロピル)アミノ−6−アミ
ノカルボニル−1,2,2a,3,4,5−ヘキサヒドロベン
ズ[cd]インドールの製造 実施例3の方法により製造し、トルエン(150ml)に溶
解した(2a−R,4−S)−1−ベンゾイル−4−(ジ−n
−プロピル)アミノ−6−ヨード−1,2,2a,3,4,5
−ヘキサヒドロベンズ[cd]インドール(16.5g、33.
8ミリモル)および塩化ビス(トリフェニルホスフィン)
パラジウム(Alfa Products製、1.19g、1.69ミリ
モル)をオートクレーブに入れた。オートクレーブを組
立てて一酸化炭素を4回吹き込んだ。オートクレーブお
よびその内容物を氷浴中で約0℃まで冷却した。無水ア
ンモニアを撹拌しながら吹き込み、最終圧力を約50ps
ig(1c2m当たり3.515kg)にした。一酸化炭素ガスを
撹拌しながら吹き込み、0℃での最終圧力を100psig
(1c2m当たり7.03kg)にした。オートクレーブを密封
し、撹拌しながら100℃まで加熱した。容器内の初め
の圧力は100℃で約270psig(1c2m当たり18.9
8kg)であった。反応混合物を100℃に4.5時間加熱
した。反応混合物をオートクレーブ中、一酸化炭素雰囲
気の下に一夜室温で放置した。オートクレーブの蒸気を
排出させ開けると、パドルおよび容器の壁に黄色の結晶
性の固体が観察された。液層を濾過し、黄色の固体を塩
化メチレン(100ml)に溶解した。オートクレーブの容
器およびパドルを塩化メチレン(50ml)ですすぎ、この
塩化メチレン溶液を濾過してトルエン溶液と合わせた。
合わせた有機層を1規定の水酸化ナトリウム(50ml)で
抽出すると、乳濁液が生成した。飽和塩化ナトリウム溶
液(200ml)を加え、乳濁物を破壊するように混合物を
振盪した。水性の下層を除去して有機性の上層を飽和塩
化ナトリウム溶液(各回200ml)で2回抽出した。有機
層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、スパーテル一杯の黒
炭を混合物に加えた。得られた混合物を濾過し、固体を
塩化メチレンで洗浄し、得られた溶媒の容量を減圧下で
約100mlまで減少させた。この液体を再度濾過して、
残存している炭素を除去した。この液体を室温まで冷却
し、固体物質の実質的な量が結晶化した後に、混合物を
一夜約−30℃まで冷却した。この冷却した混合物を濾
過し、得られた固体をヘキサン(50mlずつ2回)ですす
いだ。固体を吸引乾燥して、黄味がかった結晶性の固体
(10.6g)を得た。この固体を真空オーブンで約5時間
乾燥して黄味がかった結晶性の固体(9.1g)を得た。固
体を分析して、上記のヘキサヒドロベンズ[cd]インドー
ルに対応する以下の結果が得られた。 IR: (KBr):3347(br)、3177(br)、29
58(s)、2932(s)、2871(s)、1676(br)、
1639(br)、1579(s)、1465(s)、1450
(s)、1368(br)cm-1。 NMR:(1H,ppm,CDCl3):7.3−7.7(m,7H)、
5.80(br s,2H)、4.30(br m,1H)、3.65(t,
1H)、3.1−3.4(m,3H)、2.90(dd,1H)、2.
45(m,4H)、2.20(m,1H)、1.40(m,5H)、
0.90(t,6H)。 M.S.:m/e=405。
【0037】実施例6C:4−(ジ−n−プロピル)アミ
ノ−6−アミノカルボニル−1,2,2a,3,4,5−ヘキ
サヒドロベンズ[cd]インドールの製造 実施例6Bの方法により製造した1−ベンゾイル−4−
(ジ−n−プロピル)アミノ−6−アミノカルボニル−1,
2,2a,3,4,5−ヘキサヒドロベンズ[cd]インドール
(6.65g、16.4ミリモル)およびモレキュラーシー
ブで乾燥したテトラヒドロフラン(140ml)を500ml
モルトンフラスコに加えた。フラスコを密封して窒素を
吹き込んだ。反応混合物を撹拌しながら乾燥アセトン浴
中で約−78℃まで冷却した。N−ブチルリチウムのヘ
キサン溶液(1.6モルブチルリチウム溶液41ml、ブチ
ルリチウム65.6ミリモル)を冷却した反応混合物に撹
拌しながら滴下した。反応混合物を窒素雰囲気下−78
℃で約1時間撹拌した。−78℃に保った混合物に酢酸
(4.7ml、82ミリモル)を滴下することにより反応を
とめた。冷浴を除去して、オレンジ色が徐々に消えて濃
い黄褐色のスラッシュが生成する間、撹拌を続けた。オ
レンジ色が消えた後、反応混合物が室温まで暖められる
以前に塩酸水溶液(140ml、1.0N)を撹拌しながら
滴下した。2層の混合物を分離用漏斗に注いで塩化メチ
レン(140ml)を加えた。振盪の後、有機性の下層を排
出した。酸性の水層を塩化メチレン(40mlずつ3回)で
抽出した。水酸化ナトリウム水溶液(70ml、5.0N)
を撹拌しながら水層に滴下しpHを約12にした。白色
の固体が沈殿した。この懸濁液を塩化メチレン(50ml
ずつ4回)で抽出した。塩化メチレン層を集めて、無水
硫酸ナトリウムで乾燥した。乾燥した塩化メチレンを濾
過して、風袋重量を計ったフラスコに入れ、残存した固
体を等量の塩化メチレンで3回すすいだ。塩化メチレン
溶液を蒸発させて真空下で乾燥し、固体(4.63g)を得
た。 IR: (KBr):3392(br)、3180(br)、29
57(m)、2934(m)、2870(w)、2810(w)、1
654(s)、1584(s)、1457(s)、1380(s)、
1350(s)cm-1。 NMR:(1H,ppm,CDCl3):7.30(d,1H)、6.4
0(d,1H)、5.7(br s,2H)、3.9(m,1H)、3.7
0(m,1H)、3.05−3.30(m,4H)、2.85(dd,
1H)、2.45(m,4H)、2.15(m,1H)、1.45
(m,4H)、0.90(t,6H)。 M.S.:m/e=301。
【0038】実施例6D:4−(ジ−n−プロピル)アミ
ノ−6−アミノカルボニル−1,3,4,5−テトラヒド
ロベンズ[cd]インドールの製造 2Lフラスコ中で二酸化マンガン(43.3g、498ミ
リモル)を1,2−ジクロロエタン(400ml)に懸濁し
た。二酸化マンガン懸濁液を−5℃に冷却し、酢酸(3
00ml)をフラスコに加えた。この二酸化マンガン懸濁
液を再び−5℃に冷却した。4−(ジ−n−プロピル)ア
ミノ−6−アミノカルボニル−1,2,2a,3,4,5−ヘ
キサヒドロベンズ[cd]インドール(100g、332ミリ
モル)を酢酸(300ml)に溶解した。温度を−6〜0℃
に保ちながら、溶液を二酸化マンガン懸濁液に加えた。
反応混合物を2.5時間撹拌した。反応混合物に濾過助
剤(45g)を加え、次いで濾過した。濾過ケーキを酢酸
(600ml)およびジクロロエタン(800ml)で洗浄し
た。濾液を真空下で蒸発させた。残留物をトルエン(5
00ml)に取り、この溶液を真空下で蒸発させた。残留
物を再びトルエン(500ml)に取り、溶液を真空下で蒸
発させた。この残渣(186g)に水酸化ナトリウム水溶
液(2.0N、700ml)を加えた。この混合物を30分
間撹拌し、濾過助剤(45g)を混合物に加えた。混合物
を濾過し、濾過ケーキを1,2−ジクロロエタン(500
ml)で洗浄した。濾液の有機層を水(700ml)、そして
飽和塩化ナトリウム(700ml)で洗浄し、次いで硫酸ナ
トリウムで乾燥した。溶媒を真空下で蒸発させて所望の
化合物(96.8g)を得た。この化合物は既知の化合物の
NMRとの比較により確認した。
【0039】実施例7 1−ベンゾイル−4−(トリフルオロアセチ
ル)アミノ−6−エトキシカルボニル−1,2,2a,3,
4,5−ヘキサヒドロベンズ[cd]インドールの製造1−
ベンゾイル−4−(トリフルオロアセチル)アミノ−6−
ヨード−1,2,2a,3,4,5−ヘキサヒドロベンズ[cd]
インドール(500mg、1ミリモル)および塩化ビス(ト
リフェニルホスフィン)パラジウム(50mg)、トリエチ
ルアミン(0.5ml)およびエタノール(200ml)をオー
トクレーブに入れた。オートクレーブに一酸化炭素を3
回吹き込み、次いで圧力を室温で100psig(1c2m当た
り7.03kg)にした。反応混合物を130℃に加熱して
温度を約125℃に2時間保った。加熱中、容器内の圧
力を150psig(1c2m当たり10.5kg)に上昇させた。
加熱器を除去して混合物を25℃に冷却した。反応器の
内容物を丸底フラスコに注いだ。液体を真空下で除去
し、白色の残留物(690mg)を得た。この残留物を塩化
メチレンおよび水の混合液に溶解した。塩化メチレン層
を分離し、水で1回洗浄した。有機層を硫酸ナトリウム
で乾燥し、蒸発させて白色の固体(450mg)を得た。こ
の固体を沸騰トルエン(10ml)に溶解し、次いで冷却し
て固体を結晶化させた。結晶を濾過、乾燥して細かい針
状結晶(330mg)を得た。これは以下の分析値を示し
た。 融点:240−241℃ U.V.:(エタノール)λmax=305(ε=1890
0)、290(ε=18000)。 M.S.:m/e=446(18%)、400(4%)、333
(3%)、105(100%)、77(49%)。 I.R.:(CHCl3)3019、1723、1706、1
453、1380、1366、1269、1226、1
218、1206、1178。 NMR:(CDCl3)エチル基1個の存在を示した。
【0040】実施例8 1−ベンゾイル−4−(トリフルオロアセチ
ル)アミノ−6−エトキシカルボニル−1,2,2a,3,
4,5−ヘキサヒドロベンズ[cd]インドールの製造1−
ベンゾイル−4−(トリフルオロアセチル)アミノ−6−
ブロモ−1,2,2a,3,4,5−ヘキサヒドロベンズ[cd]
インドール(453mg、1ミリモル)および塩化ビス(ト
リフェニルホスフィン)パラジウム(50mg)、トリエチ
ルアミン(0.5ml)およびエタノール(200ml)を50
0mlオートクレーブに加えた。オートクレーブに一酸化
炭素を3回吹き込んで60psig(1c2m当たり4.22kg)
とし、次いで室温で加圧して100psig(1c2m当たり
7.03kg)にした。混合物を120℃に加熱して温度を
約2時間保つと、その間に圧力は約140psig(1c2m当
たり9.84kg)に上昇した。容器を冷却し、蒸気を排出
して開けると、澄んだ溶液が得られた。反応混合物につ
いて高圧液体クロマトグラフィーを行った結果、出発物
質のみで反応生成物は存在しないことが示された。反応
混合物をオートクレーブに戻した。さらにトリエチルア
ミン(0.5ml)を塩化ビス(トリフェニルホスフィン)パ
ラジウム(50mg)と共に加えた。オートクレーブに一酸
化炭素を3回吹き込んで圧力を100psig(1c2m当たり
7.03kg)にして、145℃に加熱した。圧力を160
psig(1c2m当たり11.25kg)に高めた。反応混合物を
冷却後、約130℃に一夜維持した。高圧液体クロマト
グラフィーにより反応混合物を分析した結果、全ての出
発物質が本質的に残存し、極く小さなピークが存在する
他の物質に相当する事がわかった。
【0041】実施例9 1−ベンゾイル−4−(トリフルオロアセチ
ル)アミノ−6−ジベンジルアミノカルボニル−1,2,
2a,3,4,5−ヘキサヒドロベンズ[cd]インドールの製
造 1−ベンゾイル−4−(トリフルオロアセチル)アミノ−
6−ヨード−1,2,2a,3,4,5−ヘキサヒドロベンズ
[cd]インドール(500mg、1.0ミリモル)、臭化ビス
(トリフェニルホスフィン)パラジウム(16mg、0.02
ミリモル)、ジベンジルアミン(460ml、2.4ミリモ
ル)およびトルエン(100ml)をオートクレーブに入れ
た。オートクレーブを密封し、一酸化炭素を3回吹き込
み、一酸化炭素で100psig(1c2m当たり7.03kg)に
加圧した。容器を100℃に加熱し、100℃および1
00psig(1c2m当たり7.03kg)の一酸化炭素雰囲気を
6時間維持した。加熱を終了し、容器を室温まで冷却し
て一夜静置した。容器の蒸気を排出し、開けて、内容物
を塩化メチレン(30ml)ですすいだものと共に取り出し
た。塩酸(20ml、1.0N)をこの混合物に加え、混合
物を振盪し、黄褐色の固体を含む2層を得た。有機層を
分離し、水(25mlずつ2回)で抽出した。次いで有機層
を無水硫酸ナトリウムで乾燥して、濾過し、液体を真空
下で蒸発させてオレンジ色の固体(約630mg)を得た。
この固体をエタノール/水の混合液に加熱しながら溶解
した。冷却している時点で、固体の結晶が生じ、それを
分離してエタノール/水の混合液ですすいだ。所望の生
成物を、HPLC保持時間およびNMRによって既知の
生成物と比較することにより確認した。
【0042】実施例10 1−ベンゾイル−4−(ジ−n−プロピル)
アミノ−6−アミノカルボニルヘキサヒドロベンズ[cd]
インドールの製造の試み 1−ベンゾイル−4−(ジ−n−プロピル)アミノ−6−
ブロモ−ヘキサヒドロベンズ[cd]インドール(500m
g、1.13ミリモル)、塩化ビス(トリフェニルホスフィ
ン)パラジウム(40mg、0.057ミリモル)、およびト
ルエン(100ml)を500mlオートクレーブに入れた。
オートクレーブを密封し、室温で一酸化炭素を3回吹き
込んだ。内容物を撹拌しながらオートクレーブを約15
℃まで冷却した。無水アンモニアを15℃で撹拌しなが
らオートクレーブに吹き込み、圧力を約60psig(1c2m
当たり4.22kg)にした。次いで一酸化炭素ガスを15
℃で撹拌しながらオートクレーブに吹き込み、最終圧力
が約130psig(1c2m当たり9.14kg)になるようにし
た。オートクレーブを撹拌しながら約100℃まで加熱
し、100℃における最初の圧力が約300psig(1c2m
当たり21.1kg)になるようにした。反応温度を約10
0℃に5時間維持し、5時間後の最終圧力は約240ps
ig(1c2m当たり16.9kg)であった。オートクレーブを
約24℃まで冷却し、蒸気を排出して、内容物を高圧液
体クロマトグラフィーにて分析したところ、実質的に何
の反応も起こっていないことが示された。元の出発物質
を含むオートクレーブを再び密封して、一酸化炭素ガス
を3回吹き込んだ。撹拌しながらオートクレーブを約1
5℃まで冷却し、含水アンモニアを約15℃で撹拌しな
がらオートクレーブに吹き込み、圧力を約50psig(1c
2m当たり3.52kg)にした。次いで一酸化炭素ガスを約
15℃で撹拌しながらオートクレーブに吹き込み、最終
圧力が約150psig(1c2m当たり10.5kg)になるよう
にした。オートクレーブを密封し、約160℃まで加熱
し、約5時間撹拌しながらその温度を維持した。160
℃における最初の圧力は約400psig(1c2m当たり2
8.1kg)であった。5時間後、加熱を終了し、容器を一
夜室温まで冷却した。反応混合物を高圧液体クロマトグ
ラフィーにより分析した結果、約10%の出発物質が所
望の6−アミノカルボニル生成物に変換されていること
が示された。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ジェイムズ・パトリック・ウェプシィッ ク アメリカ合衆国46224インディアナ州イ ンディアナポリス、ビー・モナーク・ド ライブ6353番 (56)参考文献 欧州特許出願公開332968(EP,A 1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C07D 209/90 CA(STN) REGISTRY(STN)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 以下の式: 【化1】 [式中、R1は水素またはアミノ保護基であり; R2は水素、C1〜C4アルキル、アリルまたはアミノ保
    護基であり;そしてR3は水素、C1〜C4アルキルまたは
    アリルである]で示される化合物。
  2. 【請求項2】 R1がベンゾイルでR2およびR3がn−プ
    ロピルであり、2a位がR配置、4位がS配置である請
    求項1記載の化合物。
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