JP3011364B2 - 電気機器の終端接続部構造 - Google Patents

電気機器の終端接続部構造

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JP3011364B2
JP3011364B2 JP7186407A JP18640795A JP3011364B2 JP 3011364 B2 JP3011364 B2 JP 3011364B2 JP 7186407 A JP7186407 A JP 7186407A JP 18640795 A JP18640795 A JP 18640795A JP 3011364 B2 JP3011364 B2 JP 3011364B2
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信幸 瀬間
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昭和電線電纜株式会社
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【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えばGIS(ガス絶
縁開閉装置)のような電気機器の終端接続部構造に関す
る。
【0002】
【従来の技術】GISの終端接続部は、例えばCVケー
ブルのようなゴム、プラスチック絶縁ケーブルの接続の
ために、この機器の壁体のような板状取付け部に設けら
れる。この終端接続部は、機器の内部導体とケーブルの
電気的接続部を包囲する電気絶縁材料からなる筒状のブ
ッシングが適用されている。このブッシングは、機器の
板状の取付け部に形成された取付け開口を貫通して配置
されており、外周部には取付け部の開口縁部に当接する
円形の取付けフランジ部が形成されている。また、ブッ
シングには、このフランジ部に連続して基部が設けられ
ている。基部には、その端面からケーブルを受け入れる
挿入端が規定されており、横断面形状が円形を呈する。
ブッシングは、この基部側から挿入されてブッシングの
取り付けフランジ部を覆う円形の固定板を締結具により
取付け部に固定することにより、固定板と取付け部との
間で、取付けフランジが保持され、これによりブッシン
グが固定される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記のよう
な従来の終端接続部が設けられる機器の軽量、小型化に
伴って、この終端接続部の軽量、小型化が図られてい
る。しかしながら、この終端接続部は、2相あるいは3
相交流電流で使用されることから、複数の終端接続部が
水平にあるいは正三角形状に整列して配置されており、
終端接続部自体の小型化に加えて、終端接続部の整列間
隔の縮小が機器のコンパクト化を図る上で、大きな問題
となる。前記した終端接続部構造では、筒状ブッシング
の円形フランジ部を覆う円形の固定板が、隣合う終端接
続部構造間の最も近接した部分になる。そこで、整列す
る終端接続部の間隔を縮めるには、各終端接続部の円形
フランジ部およびこれを覆う円形固定板の小径化が考え
られる。
【0004】しかしながら、ブッシングに加わる外力
は、円形フランジ部と固定板との当接面積に作用するこ
とから、円形フランジ部および円形固定板の小径化に
は、その機械的強度の上で、制限がある。また、固定板
における円形フランジ部からはみ出した相互に近接する
円弧の縁部分を直線状に切除し、この切除した縁部分に
相当する距離の分、終端接続部構造のブッシングを相互
に近接して間隔をつめることができるが、円形フランジ
部の小径化を図ることなく固定板の間隔のみをつめて
も、コンパクト化には、限度がある。そこで、本発明の
目的は、終端接続部構造のブッシング取付け強度の低下
を招くことなくあるいは強度の増大を図り、終端接続部
構造のコンパクト化を図ることにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、前述した課題
を解決するために、電気機器の内部導体およびケーブル
の電気的接続部を包囲して配置されかつ電気機器の板状
の取付け部に形成された取付け開口を貫通して配置さ
れ、外周部に取付け部の一方の面の側でその開口縁部に
当接する円形外形を有する取付けフランジ部と該フラン
ジ部の当接面と反対側の面からフランジ部に連なって伸
長しケーブルを受け入れる挿入端を規定する基部とを備
える電気絶縁材料からなる筒状ブッシングと、筒状ブッ
シングの基部側から該筒状ブッシングに挿入され取り付
けフランジ部を覆って配置される固定板と、該固定板を
取付け板に固定することにより、該両者の間で取付けフ
ランジを保持するための締結具とを含む終端接続部構造
において、筒状ブッシングの基部における外形をその横
断面形状で見て多角形形状とし、固定板に前記多角形形
状に適合する多角形開口を形成しかつ該固定板の外縁部
に少なくとも一対の直線縁部分を形成したことを特徴と
する。
【0006】
【作用】本発明に係る終端接続部構造では、筒状ブッシ
ングの取付けフランジ部は、従来におけると同様な円形
外形を呈するが、この取付けフランジ部に連なる基部の
外形は、その横断面形状で見て例えば四角形のような多
角形形状を呈する。また、基部を受け入れる固定板の開
口は基部の外形に適合する多角形開口であることから、
前記基部が円形外形を有する場合に比較して、取付けフ
ランジ部と固定板との当接面積は、弧と弦とで囲まれる
面積分が増大する。従って、この面積増大分、取付けフ
ランジ部に集中する荷重の分担を軽減することにより、
機械的強度を高めることができ、あるいは面積増大分に
応じて取付けフランジ部の外形寸法の低減およびそれに
伴う固定板の小径化を図り、さらに取付け部の一対の直
線縁部分により削除された分、隣接する終端接続部構造
の固定板を互いに近接して配置することが可能となる。
【0007】
【実施例】以下、本発明を図示の実施例に沿って詳細に
説明する。図1は、本発明の終端接続部構造の筒状ブッ
シングを概略的に示す斜視図である。本発明に係る終端
接続部構造10は、筒状ブッシング11と、該ブッシン
グを例えばGISの壁体のような板状取付け部12に保
持するための固定板13と、該固定板を取付け部12に
固定する例えばボルトのような締結具14とを含む。
【0008】筒状ブッシング11は、例えばエポキシ樹
脂のような電気絶縁材料からなる。筒状ブッシング11
は、その一端にGISの内部導体15が埋設された先細
りの円筒部16と、該円筒部分の大径端に一体的に設け
られた環状の取付けフランジ部17と、該フランジ部と
一体的に円筒部16と反対の側に伸長する基部18とを
備える。円筒部16およびフランジ部17は、筒状ブッ
シング11の長手方向軸線と直角な横断面で見て、それ
ぞれ円形の外形を有する。これに対し、基部18は、同
様な横断面で見て、例えば4角形の外形形状を有する。
基部18には、内部導体15に接続されるケーブル19
(図2参照)を受け入れる挿入端が規定されている。
【0009】筒状ブッシング11は、基部18が機器の
外方側に位置するように、円筒部16から取付け部12
の取付け開口12Aに挿入される。この筒状ブッシング
11の開口12Aへの挿入により、フランジ部17の一
方の面17Aは、取付け部12の外面側で開口12Aの
縁部に当接して配置される。
【0010】固定板13の一方の面には、フランジ部1
7を受け入れる円形凹所20が設けられている。凹所2
0の深さ寸法は、フランジ部17の厚さ寸法よりも僅か
に小さく、これにより、後で説明する固定板13の取付
け部12への固定時には、フランジ部17に適正な押圧
力が作用する。凹所20の底部には、基部18の貫通を
許す開口21が形成されている。図示の例では、開口2
1は、基部18の外形形状に対応した四角形の開口であ
る。また、固定板13の外縁は、開口21に整合した四
角形を呈し、これにより固定板13の外縁部には互いに
直角な二組の直線縁部13A、13Bが規定されてい
る。
【0011】固定板13は、フランジ部17の反対側の
面すなわち他方の面17Bから伸長する基部18に開口
21を貫通させかつ凹所20内にフランジ部17を収容
するように、筒状ブッシング11の基部18の側からこ
の筒状ブッシング11に挿入される。その後、締結具1
4を、固定板13に設けられた貫通孔22を貫いて取付
け部12のねじ孔23に螺合させ、この締結具14の締
め付けにより、固定板13を取付け部12に固定するこ
とができる。この固定板13の固定により該固定板と取
付け部12との間で、凹所20に収容されたフランジ部
17を挟持することができ、これにより筒状ブッシング
11が取付け部12に保持される。
【0012】取付け部12に保持された筒状ブッシング
11のフランジ部17は、固定板13の凹所20の底面
20Aの全面で接触する。この接触面積は、図1に斜線
領域で示す弧と弦とで囲まれる面積Sの総和分、前記基
部が円形外形を有する場合に比較して、増大する。従っ
て、この面積増大分、フランジ部17に集中する荷重の
分担を軽減することにより、機械的強度を高めることが
でき、あるいは面積増大分に応じて取付けフランジ部1
7の外形寸法の減少およびそれに伴う固定板の小径化を
図り、さらに固定板13の直線縁部分13A、13Bに
より固定板13の寸法削減を図ることができ、その分、
隣接する終端接続部構造10を相互に近接して配置する
ことが可能となり、電気機器のコンパクト化が可能とな
る。
【0013】図2は、図1に示した終端接続部構造10
の内部の具体例を示す部分断面図であり、図3はその端
面図である。筒状ブッシング11には、その基部18か
らケーブル19を受け入れるための円形の挿入孔24が
形成され、該挿入孔は内部導体15の連通孔25に連な
る。ケーブル19の終端部は、端末処理によりシース2
6から遮蔽層27、半導電層28、絶縁層29および導
体30が順次露出され、導体30に内部導体15との接
続のために着脱機構31が設けられている。
【0014】着脱機構31は、図示の例では、導体30
に圧縮により接続された接続導体32が係止され、連通
孔25に挿入される接続アダプタ33と、該アダプタの
縁部に連なる外方筒状部材34と、この外方筒状部材3
4の軸線方向に滑動可能な内方筒状部材35とを備え
る。外方筒状部材34には、球体36が内部導体15の
凹溝37内に突出可能に保持されている。外方筒状部材
34と内方筒状部材35との間には、該内方部材を球体
36の引込位置に保持させる圧縮コイルスプリング38
が配置されている。
【0015】この圧縮コイルスプリング38のばね力に
打ち勝って内方筒状部材35を外方筒状部材34に押し
込むことにより、球体36を凹溝37内に突出させるこ
とができ、これにより着脱機構31は導体30をロック
状態で内部導体15に接続する。また、内方筒状部材3
5の押込力を解除することにより、ケーブルの導体30
を着脱機構31と一体的に内部導体15の連通孔25か
ら引き抜くことができる。導体30と接続アダプタ33
との間およびこの接続アダプタ33と内部導体15との
間に、電気的接続を図るための従来よく知られた筒状板
ばね部材からなる筒状接続子が配置される。
【0016】ケーブル19の絶縁層29には、耐電圧特
性を高めるためのストレスコーン39が配置され、また
ストレスコーン39の外端部には、押し金具40、圧縮
コイルスプリング41が配置され、図3に示すように、
基部18の端面の外形に対応したベース部42Aを備え
る保護金具42がボルト43により、基部18の端面に
固定されている。基部18とベース部42Aとの間に
は、円形の挿入孔24を取り巻くオー・リングのような
環状シール部材44が配置されている。
【0017】ボルト43の締め付けにより、保護金具4
2が基部18の端面に固定されると、ストレスコーン3
9は、押し金具40を介して伝えられる圧縮コイルスプ
リング41の押圧力により筒状ブッシング11の挿入孔
24に均等に押しつけられ、これにより所定の耐電圧特
性を発揮する。このストレスコーン39はその先端に設
けられたストッパ45を介して着脱機構31の内方筒状
部材35を球体36の突出位置に押し込むことから、ケ
ーブル19は電気機器の挿入孔24からの抜け落ちを確
実に防止されている。
【0018】本発明の終端接続部構造10では、内部導
体15、この内部導体15にケーブル19の導体30を
取り外し可能に接続する着脱機構31を含む電気接続部
を包囲する筒状ブッシング11のフランジ部17と、固
定板13の凹所20の底面20Aとの接触面積を増大す
ることができることから、フランジ部17のクラックお
よび剪断力に対する機械的強度を高めることができ、あ
るいは面積増大分に応じて取付けフランジ部17の外形
寸法の減少およびそれに伴う固定板の小径化を図ること
ができ、さらに固定板13の直線縁部分13Aまたは1
3Bを隣合う終端接続部構造10のそれと整列して配置
することにより、隣接する終端接続部構造10を相互に
近接して配置することが可能となることから、電気機器
のコンパクト化に極めて有効となる。
【0019】本発明は以上の実施例に限定されない。電
気機器としてGISの例について説明したが、本発明の
終端接続部構造はこれに限らず種々の電気機器に適用す
ることができる。また、ケーブルを着脱可能に接続する
終端接続部構造の例を示したが、ケーブルの固定的な接
続にも本願発明を適用することができる。また、筒状ブ
ッシングの基部の外形形状として、四角形以外の多角形
形状を適用できるが、フランジ部と固定板との当接面積
の増大効果、配置スペースのコンパクト化および製造工
程の単純化等の観点から、図示の通り、基部の外形を四
角形形状とし、また、固定板の外形を四角形状とするこ
とが望ましい。
【0020】
【発明の効果】以上説明した本発明の終端接続部構造に
よれば、筒状ブッシングの円形取付けフランジ部と固定
板との当接面積の増大を図ることにより、集中する荷重
の分担を軽減して機械的強度を高め、あるいは面積増大
分に応じて取付けフランジ部の外形の減少およびそれに
伴う固定板の小径化を図ることができ、さらに、取付け
板の直線縁部分により削除された分、隣接する終端接続
部構造の固定板を互いに近接して配置することが可能と
なることから、終端接続部構造のブッシング取付け強度
の低下を招くことなくあるいは強度の増大を図り、終端
接続部構造のコンパクト化を図ることができ、これによ
り電気機器の全体的なコンパクト化に大きく寄与するこ
とができる。また、基部を多角形とすることによりブッ
シングの電気絶縁材料の使用量の低減を図り、コストダ
ウンを図ることもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の終端接続部構造の筒状ブッシングを概
略的に示す斜視図である。
【図2】本発明の終端接続部構造を部分的に破断して示
す断面図である。
【図3】本発明の終端接続部構造の端面図である。
【符号の説明】
10 終端接続部構造 11 筒状ブッシング 12 取付け部 12A 取付け開口 13 固定板 13A、13B 直線縁部分 14 締結具 15 内部導体 17 フランジ部 18 基部 19 ケーブル 21 多角形開口
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平3−195318(JP,A) 特開 平7−212951(JP,A) 特開 平9−19039(JP,A) 特開 平9−308074(JP,A) 実開 昭63−162413(JP,U) 実開 平4−138(JP,U) 実公 昭48−20392(JP,Y1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H02G 15/00 - 15/196

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電気機器の内部導体にケーブルを接続す
    る電気機器の終端接続部構造であって、 前記内部導体および前記ケーブルの電気的接続部を包囲
    して配置されかつ前記電気機器の板状の取付け部に形成
    された取付け開口を貫通して配置され、外周部に前記取
    付け部の一方の面の側で前記開口縁部に当接する円形外
    形を有する取付けフランジ部と該フランジ部の前記当接
    面と反対側の面から前記フランジ部に連なって伸長し前
    記ケーブルを受け入れる挿入端を規定する基部とを備え
    る電気絶縁材料からなる筒状ブッシングと、 前記筒状ブッシングの前記基部側から該筒状ブッシング
    に挿入され前記取り付けフランジ部を覆って配置される
    固定板と、 該固定板を前記取付け板に固定することにより、該両者
    の間で前記取付けフランジを保持するための締結具とを
    含み、 前記筒状ブッシングの前記基部における外形はその横断
    面形状で見て多角形形状を呈し、 前記固定板は、前記多角形形状に適合する多角形開口を
    有し、該固定板の外縁部には少なくとも一対の直線縁部
    分が形成されていることを特徴とする、電気機器の終端
    接続部構造。
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