JP3011177U - メガネフレームのツル継手及び継手構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 メガネフレームのツルを折り畳み可能に連結
するツル継手構造において、長期間の使用においてもツ
ルはガタ付くこともなく、しかも製作並びに組立作業が
簡単な継手構造の提供。 【構成】 ツル５とヨロイ３間には継手Ａを介在して連
結し、該継手は円筒８の上下端に軸ピン９、９を突出し
たキャップ１０、１０を有し、又円筒内にはコイルバネ
１１を内蔵して上記キャップ１０、１０にバネ力を付勢
し、この継手Ａをツル端に取着し、ヨロイ先端をコ型断
面としてその上下片１２、１３にはピン孔２２、２２…
を形成し、上記継手の軸ピン９、９をピン孔２２、２２
に嵌入する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は常にガタ付きを生じることなく、構造も簡単なメガネフレームのツル 継手構造に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

メガネフレームのツルは一般に蝶番を介して折り畳み可能に連結されている。 該蝶番は軸ネジを中心として両側に蝶片を有し、片方の蝶片はフロントフレーム にロウ付けしたヨロイに固定され、他方の蝶片はツルに固定される。したがって 、ツルは蝶番の軸ネジを中心として屈曲し、折り畳まれる。

【０００３】 ところで、該蝶番は比較的長いツルを連結する為の継手部材としては小さく、 特に蝶番の軸ネジは細くて短い。したがって、ツルを繰り返し折り畳み操作する ならば、両蝶片の摺動面は摩耗し、また軸ネジは緩み、その結果ツルにはガタ付 きを生じ、着用したメガネは位置ズレを生じる。ツルがガタ付くことなく安定し て折り畳み出来るのはメガネを購入して僅かの期間に過ぎず、該ツルがガタ付く 度ごとに軸ネジを増し締めしている。

【０００４】 蝶番は片方の蝶片に凹部を形成し、他方の蝶片には凸部を有して互いに嵌合さ せて軸ネジにて連結している為に、両蝶片が互いに屈曲するならば、上記凹部と 凸部の金属接触面は必然的に摩耗する。勿論、ツルのガタ付きは摺動面の摩耗に よるのみならず、凹部に凸部を嵌入して組み付けする際に、一旦増し締めした軸 ネジが緩むことに起因することが大きい。一方、該蝶番はその大きさが小さい為 に製作が容易でなく、軸ネジとなるビスは更に細くて小さいことから製作は面倒 であるとともに、蝶番の組立作業も熟練のいる仕事となっている。

【０００５】

【本考案が解決しようとする課題】

このように、メガネフレームのツルを連結する蝶番には上記のごとき問題があ る。本考案が解決しようとする課題はこれら問題点であって、蝶番を用いること なく折り畳み操作を可能とし、又ツルのガタ付きをなくすとともに、構造が簡単 なツル継手構造を提供する。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

本考案のツル継手構造は屈曲中心となる軸を有した従来の蝶番構造ではなく、 ツル端には軸ピンを上下に有す継手を設けている。そして一方のヨロイはツル端 を抱きかかえるような形状をなしていて、その上下片にはピン孔が形成され、該 ピン孔には上記軸ピンが嵌合する。すなわち、ツル端はヨロイの先端に嵌め込ま れた状態で、軸ピンがピン孔に嵌合し、ツルは軸ピンを中心として折り畳まれる 。勿論、ヨロイ側に継手を設けてツル側に軸ピンが嵌入するピン孔を形成するこ とも出来る。

【０００７】 ところで、軸ピンには弾性力が付勢されて常に外方向へ突出し、先端を押圧す るならば後退することが出来る。軸ピンを収容する為の円筒がツル端又はヨロイ 先端に取着され、筒の内部にはコイルバネ又はその他の弾性材が収容されて継手 を構成している。以下、本考案に係る実施例を図面に基づいて詳細に説明する。

【０００８】

【実施例】

図１はメガネの外観を示した場合であって、該メガネはレンズを保持する為の リム１、１を有し、該リム１、１は連結部材２にて左右対称に連結されている。 そして、リム１、１の外側にはヨロイ３、３がロウ付けされ、又リム１、１の内 側には鼻当てパット４、４が取着されている。上記ヨロイ３、３にはツル５、５ が連結されていて、ツル５はヨロイ３との間に設けた継手を介して折り畳み出来 るように連結している。

【０００９】 ここで、メガネフレームの外観は任意であるが、ヨロイ３とツル５の連結形態 に特徴がある。図１（ｂ）に示すように、ヨロイ先端部はその高さを大きくし、 ツル端には上アーム６と下アーム７が延びている。そしてコ型断面をしたヨロイ ３に上下アーム６、７の先端が嵌合しており、該ヨロイ３と上下アーム６、７は 図２に示す継手を介して連結している。

【００１０】 図２に示すように、上下アーム６、７の先端には貫通孔を形成し、この孔に継 手Ａの本体となる円筒８の両端を固着することなく挿入し、円筒８の両端には軸 ピン９を形成したキャップ１０を有している。キャップ１０は円筒８内にセット したコイルバネ１１のバネ力の作用で常に外方向へ押し出されるようになってい る。又上下アーム６、７は上記円筒８に固定されることなく、コ型断面をしたヨ ロイ３の上片１２と下片１３に隙間なく密着するように、さらには多少の圧接力 をもって嵌入している。

【００１１】 ヨロイ３の上下片１２、１３にはピン孔が貫通し、このピン孔に上記軸ピン９ 、９が嵌合した継手構造と成っている。ツル５は軸ピン９、９を中心として屈曲 して折り畳むことが出来る。ただしツル５が開いた場合にはヨロイ３の正面板１ ４に当接して開き度が規制される。軸ピン９、９は先端を押圧するならばコイル バネ１１が圧縮されて後退し、その状態で上下アーム６、７をヨロイ３の上下片 １２、１３間に嵌入する。軸ピン９、９が上下片１２、１３に形成したピン孔に 位置したところで、外方向へ突出してピン孔に嵌入する。

【００１２】 図２に示す実施例では円筒８を上下アーム６、７に貫通した孔に挿入している だけであるが、継手Ａの取着形態は色々ある。図３は上下アーム６、７の先端に 円筒８をロウ付けしている。又図４に示す実施例では上下アーム６、７に円筒ケ ース１５をロウ付けし、該円筒ケース１５の空間１６に継手Ａを挿入出来るよう になっている。すなわち、前記図２の場合に類似しているが、上下アーム６、７ は円筒ケース１５に固定されている為に、ヨロイ３の上下片１２、１３と圧接状 態になることはない。従って、図３の場合も同じであるが、キャップ１０、１０ を張り出しするバネ力を比較的強くすることが良い。

【００１３】 図５は継手Ａを単独で表した場合であり、円筒８の上下端に配置されるキャッ プ１７にはツバ１８を形成している。そして該継手Ａの取付け方法は図２に示す ように上下アーム６、７の先端に貫通した孔に挿入してもよく、図３のごとく上 下アーム６、７の先端に円筒８を溶接することも出来る。更に図４のごとく上下 アーム６、７に溶接した円筒ケース１５の空間に挿入する場合もある。

【００１４】 図６は前記図４に示す実施例を変形した場合であり、円筒ケース１５ａは上ア ーム６先端にロウ付けされ、他の円筒ケース１５ｂは下アーム７の先端にロウ付 けされている。そして、この両円筒ケース１５ａ、１５ｂには継手Ａが挿入され 、該継手Ａを軸として円筒ケース１５ａ、１５ｂ間にはコイルバネ１９が取着さ れている。コイルバネ１９の一端２０はヨロイ側へ真直ぐに延びて係止し、他端 ２１は屈曲してツル５の下アーム７に係止している。従って、該コイルバネ１９ を利用してツル５が自然に折り畳むようにすることが出来るとともに、ツル５を 開く場合には該コイルバネ１９のバネ力が作用して、ツル５が顔に密着するよう になっている。

【００１５】 図７はヨロイ３の先端部を示す拡大図である。ヨロイ３は概略コ型断面を成し 、その上下片１２、１３にはピン孔２２、２２…が貫通している。継手Ａの軸ピ ン９、９はこのピン孔２２、２２に嵌入して軸支され、ピン孔２２、２２を軸受 けとして軸ピン９、９は回転する。そして、軸ピン９、９が嵌入するピン孔２２ 、２２の位置を変えることによりツル５の長さを調整することが出来る。

【００１６】 ところで、以上述べた実施例ではツル側に継手を取着し、該継手の軸ピンが嵌 入するピン孔をヨロイ側に形成しているが、継手をヨロイ側にしてピン孔をツル 側に形成することも出来る。そして、該継手を取着するツルには必ずしもアーム を設ける必要はない。このように、ツルを連結する為に継手を用い、該継手の軸 ピンをピン孔に嵌入したものであり、次のような効果を得ることが出来る。

【００１７】

【考案の効果】

本考案はツルをヨロイに連結する為の部材として継手を用い、該継手をツル端 に取着するとともに、継手上下端から突出した軸ピンをヨロイの上下片のピン孔 に嵌入したものであり、組み立て作業はいたって簡単である。そして該継手は円 筒に内蔵したコイルバネのバネ力がキャップを押圧して上下片に圧接し、従って ツルは安定した折り畳み操作が出来る。

【００１８】 更に、継手の軸ピンが嵌入する為のピン孔をヨロイの上下片に一定間隔をおい て複数個形成するならば、軸ピンの嵌入位置を変えることでツルの長さを自由に 調整することも出来る。

【図面の簡単な説明】

【図１】メガネの外観図。

【図２】本考案のツル継手構造を示す実施例。

【図３】ツル端に継手をロウ付けした場合。

【図４】ツル端にロウ付けした円筒ケースに継手を挿入
する場合。

【図５】継手の他の具体例。

【図６】ツル端にロウ付けした円筒ケースに継手を挿入
し、コイルバネを取着した場合。

【図７】ヨロイ先端にピン孔を形成した場合。

【符号の説明】

１ リム ２ 連結部材 ３ ヨロイ ４ 鼻当てパット ５ ツル ６ 上アーム ７ 下アーム ８ 円筒 ９ 軸ピン 10 キャップ 11 コイルバネ 12 上片 13 下片 14 正面板 15 円筒ケース 16 空間 17 キャップ 18 ツバ 19 コイルバネ 20 一端 21 他端 22 ピン孔

Claims (4)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 メガネフレームのツルを連結する為の継
   手であって、該継手はヨロイとツル間に介在し、円筒の
   上下端には外方向へ突出した軸ピンを形成したキャップ
   を有し、円筒内にはコイルバネ等の弾性材を内蔵して上
   記両キャップに弾性力を付勢し、ツル又はヨロイの一方
   に該継手を取着し、他方には軸ピンを嵌入して互いに連
   結することを特徴とするメガネフレームのツル継手。
2. 【請求項２】 メガネフレームのツルを連結する為の継
   手構造において、継手はヨロイとツル間に介在して互い
   に連結し、該継手は円筒の上下端に外方向へ突出した軸
   ピンを形成したキャップを有し、円筒内にはコイルバネ
   等の弾性材を内蔵して上記両キャップに弾性力を付勢
   し、ツル端に設けた上アームと下アームの先端に貫通孔
   を形成し、該貫通孔に上記継手を挿入すると共に、コ型
   断面をしたヨロイの上下片間に嵌入し、該上下片に形成
   したピン孔には軸ピンを嵌入したことを特徴とするメガ
   ネフレームのツル継手構造。
3. 【請求項３】 メガネフレームのツルを連結する為の継
   手構造において、継手はヨロイとツル間に介在して互い
   に連結し、該継手は円筒の上下端に外方向へ突出した軸
   ピンを形成したキャップを有し、円筒内にはコイルバネ
   等の弾性材を内蔵して上記両キャップに弾性力を付勢
   し、ツル端に設けた上アームと下アームの先端に上記継
   手を固定すると共に、コ型断面をしたヨロイの上下片間
   に嵌入し、該上下片に形成したピン孔には軸ピンを嵌入
   したことを特徴とするメガネフレームのツル継手構造。
4. 【請求項４】 メガネフレームのツルを連結する為の継
   手構造において、継手はヨロイとツル間に介在して互い
   に連結し、該継手は円筒の上下端に外方向へ突出した軸
   ピンを形成したキャップを有し、円筒内にはコイルバネ
   等の弾性材を内蔵して上記両キャップに弾性力を付勢
   し、ツル端に設けた上アームと下アームの先端に円筒ケ
   ースを固定し、該円筒ケースの空間内に上記継手を挿入
   すると共に、コ型断面をしたヨロイの上下片間に嵌入
   し、該上下片に形成したピン孔には軸ピンを嵌入したこ
   とを特徴とするメガネフレームのツル継手構造。