JP2008298909A - メガネフレームのツル継手構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】 メガネのフロント部両側に取付けたツルが何時までもガタ付くことなく折畳み操作が出来るツル継手構造の提供。
【解決手段】 フロント部両側のヨロイ部7,7には二つ折りした上側片12と下側片13から成る継手部11をカシメやロウ付けなどにて取着し、該継手部11は形状記憶合金やステンレスなどのバネ性材質にて構成してツル10の基部15を弾性力を付勢して挟み込み、継手部11の下側片13には軸18を突出し、この軸18を基部15に設けた軸穴16に嵌めて軸支している。
【選択図】 図2
【解決手段】 フロント部両側のヨロイ部7,7には二つ折りした上側片12と下側片13から成る継手部11をカシメやロウ付けなどにて取着し、該継手部11は形状記憶合金やステンレスなどのバネ性材質にて構成してツル10の基部15を弾性力を付勢して挟み込み、継手部11の下側片13には軸18を突出し、この軸18を基部15に設けた軸穴16に嵌めて軸支している。
【選択図】 図2
Description
本発明はメガネのフロント部両サイドに取付けてツルが何時までもガタ付くことなく折畳み出来るように連結した簡単なツル継手構造に関するものである。
メガネにはフロント部の両側にツルを備えていて折畳むことが出来る。すなわち、メガネを顔に掛ける場合に両ツルを開き、顔から外した場合には両ツルは折畳んで閉じられる。ところで、メガネのツルを連結している蝶番は非常に小さくなっていて、長いツルを支えるには大きな負担がかかる。従って、開閉操作に伴って蝶番の摺動面は摩耗し、ツルはガタ付きを生じて掛けているメガネが位置ズレするなど安定性が損われる。
特に近年のメガネフレームは軽くてバネ性に優れた材質が好まれる為に、この要求を満たす材質としてチタン材が多用されている。そして、蝶番もチタン製とされる場合が多く、このチタン製蝶番ではその摺動面の摩耗が特に著しい。そしてチタン製蝶番では切削加工された摺動面が鋳物のように微細な凹凸面となっていて、すなわち滑らかな面でないことから、ツルの折畳み操作に際してキシミを発生し、滑らかな折畳み操作が出来ない。これは滑らかな摺動が得られない為である。
そこで、従来ではこの小さな蝶番の摺動面にワッシャを介在することで滑らかな摺動をもたらし、磨耗を防止する対策が講じられている。特開2004−138718号に係る「メガネフレームのツル折畳み継手及び蝶番並びにワッシャ」は、互いに噛み合う一方の蝶片コマの軸穴にワッシャの筒部を嵌入し、該筒部に別のワッシャの筒部を嵌めて他方の蝶片コマと軸ネジを介して組み付けしている。しかし、小さな蝶番にさらに小さなワッシャを取付けて組付ける作業は容易でなく、生産性が悪くなる。勿論、製作コストは高く成ってしまう。
又、特開2002−207198に係る「メガネフレームのツル継手構造」は、ヨロイ先端には軸受けを備えると共に軸受けの軸穴には円形ツバを形成した軸を回転可能に嵌め、そして軸にはツルを連結して軸穴から外側に貫通したスライド溝に沿ってツルは開閉することが出来、スライド溝を形成するガイド片の一部にはツルが挿通する大きさの切欠き部を有し、そして軸部の外周面には押圧部を当接してバネ力を付勢した構造となっている。従って、ツルは折畳み操作に際してガタ付くことはないが、しかし構造が複雑になり、コストは必然的に高く成ってしまう。
特開2004−138718号に係る「メガネフレームのツル折畳み継手及び蝶番並びにワッシャ」
特開2002−207198に係る「メガネフレームのツル継手構造」
このように、従来のツル継手構造には上記のごとき問題がある。本発明が解決しようとする課題はこれら問題点であり、極めて簡単な構造であって製作並びに組付けコストも安くなり、さらにツルが何時までもガタ付くことなく安定した折畳み操作を持続することが出来るメガネフレームのツル継手構造を提供する。
本発明に係るツル継手構造は、ヨロイ先端に設けた継手部にツルの基部を挟み込んだ構造としている。すなわち、継手部は上側片と下側片とが二つ折りして構成され、上側片と下側片とで基部が挟まれる。ここで、継手部は一般に形状記憶合金が用いられ、常温ではツルの基部に弾性力が付勢された状態で挟まれている。又はステンレス材や合金バネ材などにて継手部を構成することも可能であり、いずれの材質からなる継手部であっても基部に弾性力を付勢した状態で挟み込んだ構造としている。
ただし、上側片と下側片にて挟み込むだけではツルの基部を位置決めすることは出来ない為に、本発明では一方の側片側に軸を設けており、該軸を基部に形成した軸穴に嵌めてツルを連結すると共に折畳み動作を可能としている。又、軸を基部側に設け、この軸を一方の側片に形成した軸穴に嵌めてツルを折畳み可能とすることも出来る。上記一方の側片としては一般に下側片が用いられる。
ここで、ツルの折畳み操作に際して側片と基部間の回転摺動を滑らかならしむと共に磨耗防止を図る為に、継手部の上側片及び下側片と基部との間にワッシャを介在することもある。そして、二つ折りされた継手部の一部又はヨロイ部先端にストッパーとして機能する部位を設け、該部位に当ることでツルが開く際の開き度が規制される。
本発明に係るツル継手構造は、ツルの基部がヨロイ側に設けた継手部に挟まれる構造となっている。そして、二つ折りされた継手部の側片に突出した軸が基部に設けた軸穴に嵌って軸支され、又は基部に設けた軸が側片に形成した軸穴に嵌って軸支されることで、ツルは軸を中心に旋回して折畳まれる。継手部は形状記憶合金やステンレスなどのバネ性材料を材質としているために、弾性力を付勢した状態で基部は挟み込まれ、従ってツルは何時までもガタ付くことなく滑らかな折畳み操作が可能と成る。
すなわち、基部の摺動面及び継手部の摺動面が多少摩耗しても該基部を挟み込む弾性力が大きく低下することはない。継手部の材質として形状記憶合金を使用するならば、二つ折りした該継手部を加熱したり又は冷却するならば、該継手部は軟らかくなって開口から基部を間に挟みこむことが出来、ツルの取付け作業も至って簡単である。勿論、構造も簡素化されることでコストは安く、故障することなく安定した折畳み操作が保証される。ここで、上記基部が軸支される軸をネジ軸とすることも可能であるが、側片と一体化した軸とすることで弛みや脱落もない。
図1は本発明に係るツル継手構造を備えているメガネを表している。同図に示すメガネはレンズ1の上側に位置するハーフリム部2と下側に張設した水糸3にて該レンズ1を保持した構造であり、一般にナイロールフレームと称されている。ハーフリム部2,2は中央に連結部4を設け、外側にはヨロイ部7,7を設けて連続し、連結部4の背面側には補助連結部5が重なり合って中央部の強度を高くしている。
補助連結部5は両側にアーム6,6を延ばした概略門形を成し、アーム先端とヨロイ部7に水糸3の先端を固定してレンズ1が保持されている。そして、上記アーム6には湾曲した脚8をロウ付けし、該脚先端には鼻当てパット9を取付けている。そして、このように構成しているメガネのフロント部の両側となるヨロイ部7,7には継手部11,11を介してツル10,10が折畳み出来るように取付けられている。
ところで、ヨロイ部7の先端には上記継手部11が固定され、この継手部11にツル10が取付けられる。該継手部11はヨロイ部7の先端にピン14を穴に挿通してカシメ、その後ロウ付けした取着構造となっている。そして、この継手部11にツル10が取付けられているが、該継手部11は上側片と下側片の二つ折り形態と成っていて、ツル10の基部は上側片と下側片とで挟み込まれた継手構造を構成している。
図2はツル継手構造を表している実施例である。継手部11は二つ折りされて上側片12と下側片13を有し、上側片12は長く成っていてヨロイ部7の先端とピン14にてカシメられ、しかも動かないようにロウ付けされている。従って、継手部11はヨロイ部7の先端に固定された状態にある。又、継手部11をヨロイ部7に固定するのではなく、該ヨロイ部7に一体化して形成することもある。
そして、この継手部11にはツル10の基部15が回転出来るように連結され、その為に、上側片12と下側片13とで基部15が挟み込まれている。しかし、挟まれただけの状態では継手部11から基部15は離脱する為に、基部15に設けた軸穴16には下側片13から突出した軸18が嵌っている。ここで、上側片12には軸を設けていない。
従って、基部15は継手部11から離脱することはなく、軸18を中心として回転し、ツル10はスムーズに旋回して折畳まれる。そして、基部15の先端にはストッパー19が形成され、このストッパー19はヨロイ部7の先端に当って停止し、ツル10の開き度が規制される。
図3は継手部11を単独で表しているが、この材質は形状記憶合金が使用され、常温では同図に示すように下側片13は上側片12の側へ僅かに寄っていて、開口20にツル10の基部15を挟むことは出来ない。すなわち、この状態で記憶されていて、該継手部11を一定以上の高温に加熱することで、又は一定以下の温度に冷却することで軟らかくなり、開口20を開くことが出来る。
従って、継手部11を軟らかくした状態で基部15を簡単に挟んで、軸穴16には下側片13から起立した軸18を嵌めることが出来る。そして、該継手部11が常温になるならば、図3の状態に復元する弾性力(バネ力)が発生し、この弾性力によって基部15は挟み込まれる。従って、基部15と上側片12及び下側片13との間に隙間が発生することはなく、ツル10の開閉操作に際してガタ付くこともない。使用に伴って回転摺動面が多少摩耗しても、弾性力が低下して隙間が生じることもない。
図2に示している継手構造の場合、継手部11の上側片12と下側片13とで基部15を直接挟み込み、又軸穴16に下側片13から起立した軸18を直接嵌めている。従って、ツル10を折畳む場合には、基部15が回転して上側片12の内面及び下側片13の内面と該基部15の上下面とが擦れ合い、又軸18の外周面は基部15の軸穴16の内周面と擦れ合う。そこで、直接接して擦れ合うことを避ける為に、回転摺動面にワッシャを介在することもある。
図4は本発明に係るツル継手構造の展開図を示す他の実施例である。継手部11は概略コ形を成して上側片12と下側片13を有し、下側片13には穴17が貫通している。そして、ツル10の基部15には軸21が下方へ突出し、基部15の上面には穴22を形成している。穴22の中心は軸21の中心と同軸を成し、該軸21にはワッシャ23が嵌り、穴22にはワッシャ24が嵌着される。
ところで、軸21にワッシャ23を嵌め、穴22にワッシャ24を嵌めた状態で基部15は継手部11に取付けられ、軸21に嵌ったワッシャ23は下側片13に貫通して設けた穴17に嵌められる。ここで、上記ワッシャ23,24の材質は特に限定しないが、継手部11の上側片12及び下側片13、又は基部15との間で滑らかに摺動できる材質が用いられる。
一方、上記ワッシャ23,24を用いることなく、基部15の下方へ突出した軸21を直接継手部11の下側片13に形成した穴17に嵌めることもある。勿論、この場合の穴径は小さくなる。基部15の上面と継手部11の上側片12との間に介在する上記ワッシャ24は、該基部15側に取付けることなく上側片12側に取付けることもある。従って、この場合には基部15の穴22は不要となり、その代わり上側片12に穴を設けて位置決めされる。
1 レンズ
2 ハーフリム部
3 水糸
4 連結部
5 補助連結部
6 アーム
7 ヨロイ部
8 脚
9 鼻当てパット
10 ツル
11 継手部
12 上側片
13 下側片
14 ピン
15 基部
16 軸穴
17 穴
18 軸
19 ストッパー
20 開口
21 軸
22 穴
23 ワッシャ
24 ワッシャ
2 ハーフリム部
3 水糸
4 連結部
5 補助連結部
6 アーム
7 ヨロイ部
8 脚
9 鼻当てパット
10 ツル
11 継手部
12 上側片
13 下側片
14 ピン
15 基部
16 軸穴
17 穴
18 軸
19 ストッパー
20 開口
21 軸
22 穴
23 ワッシャ
24 ワッシャ
Claims (6)
- メガネのフロント部両側に折畳み出来るようにツルを取付ける継手構造において、フロント部両側のヨロイ又はヨロイ部には二つ折りした上側片と下側片から成る継手部をカシメやロウ付けなどにて取着し、該継手部は形状記憶合金やステンレスなどのバネ性材質にて構成してツルの基部を弾性力を付勢して挟み込み、継手部の一方側片には軸を突出し、この軸を基部に設けた軸穴に嵌めて軸支したことを特徴とするメガネのツル継手構造。
- メガネのフロント部両側に折畳み出来るようにツルを取付ける継手構造において、フロント部両側のヨロイ又はヨロイ部には二つ折りした上側片と下側片から成る継手部をカシメやロウ付けなどにて取着し、該継手部は形状記憶合金やステンレスなどのバネ性材質にて構成してツルの基部を弾性力を付勢して挟み込み、継手部の一方側片には穴を設け、この穴に基部に設けた軸に嵌めて軸支したことを特徴とするメガネのツル継手構造。
- 上記継手部の上側片及び下側片と基部との間にワッシャを介在した請求項1、又は請求項2記載のメガネのツル継手構造。
- 継手部の下側片に軸又は穴を設けた請求項1、請求項2、又は請求項3記載のメガネのツル継手構造。
- 上記基部の先端にはツルが開いた際にヨロイ先端に当るストッパーを形成した請求項1、請求項2、請求項3、又は請求項4記載のメガネのツル継手構造。
- 上記継手部をヨロイと一体化した請求項1、請求項2、請求項3、、請求項4、又は請求項5記載のメガネのツル継手構造。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007142831A JP2008298909A (ja) | 2007-05-30 | 2007-05-30 | メガネフレームのツル継手構造 |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2007142831A JP2008298909A (ja) | 2007-05-30 | 2007-05-30 | メガネフレームのツル継手構造 |
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Family
ID=40172510
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JP2007142831A Pending JP2008298909A (ja) | 2007-05-30 | 2007-05-30 | メガネフレームのツル継手構造 |
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Country | Link |
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JP (1) | JP2008298909A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2016004058A (ja) * | 2014-06-13 | 2016-01-12 | 株式会社三工光学 | 眼鏡のフロントフレーム構造 |
US9645410B2 (en) | 2013-08-06 | 2017-05-09 | Cheryl Barnett | Foldable glasses with magnifier |
-
2007
- 2007-05-30 JP JP2007142831A patent/JP2008298909A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2016004058A (ja) * | 2014-06-13 | 2016-01-12 | 株式会社三工光学 | 眼鏡のフロントフレーム構造 |
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A521 | Written amendment |
Effective date: 20081020 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821 |
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A711 | Notification of change in applicant |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A711 Effective date: 20081205 |
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A521 | Written amendment |
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