JP3010868B2

JP3010868B2 - 薄板供給装置

Info

Publication number: JP3010868B2
Application number: JP3335223A
Authority: JP
Inventors: 伊藤　　隆
Original assignee: Sony Corp
Current assignee: Sony Corp
Priority date: 1991-12-18
Filing date: 1991-12-18
Publication date: 2000-02-21
Anticipated expiration: 2015-02-21
Also published as: JPH05167292A

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、例えば、電気回路印
刷配線基板のような薄板を後の工程に供給する薄板供給
装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来技術を図３及び図４を用いて説明す
る。図３は従来技術の薄板供給装置の正面図であり、図
４は図３に示した薄板供給装置の側面図である。図３に
おいて、符号１は全体として薄板供給装置を示す。この
ような薄板供給装置１は、例えば、電気回路印刷配線基
板を製造する工程においては、各種工程の基板処理に時
間差があるために、その時間差を調整するために使用さ
れるものである。なお、以下の説明では、薄板として電
気回路印刷配線基板を例に挙げて説明し、この電気回路
印刷配線基板を以下、単に「基板」と略して記す。

【０００３】この薄板供給装置１は、基本的に、搬送装
置２、吸着装置３、投入装置５及び薄板位置検出器７と
から構成されている。この搬送装置２は、回転軸２１
と、この回転軸２１に固定された２個のローラ２２、２
３と、これらとそれぞれ対になり、共通の回転軸２４に
固定されたローラ２５、２６と、これら２対のローラ２
２、２３、２５、２６に掛け渡され、駆動される一対の
無端ベルト２７、２８とから構成されていて、これらの
無端ベルト２７、２８は、図示していないが、例えば、
電動モータにて前記回転軸２１、２４を可逆的に回転駆
動することにより、後述するように、図において左右に
駆動される。

【０００４】次に、前記吸着装置３は、基準面に対し一
列並行に配列された複数の吸着盤３１と、これらの吸着
盤３１を取り付けた中空パイプ３２と、これらの中空パ
イプ３２を駆動するエアーシリンダー３３と、前記中空
パイプ３２と空気吸引装置（図示していない）とを接続
したホース３４と、これらを支持する支持装置３５とか
ら構成されている。この支持装置３５はその本体部分３
６が断面逆Ｕ字型のチャンネル構造に形成されており、
その両先端部にはベアリングローラ３７、３８が取り付
けられている。前記本体部分３６の他端は取付け基板４
０に固定されている。支持板９は、薄板供給装置１のシ
ャーシに固定した基板３９に、図示していないが、エア
ーシリンダーを介して、そのエアーシリンダーにより、
基板３９に対し平行に上下移動するように取り付けられ
ている。また、この支持板９の上面には取付け基板４０
が固定されていて、この取付け基板４０に間座４１を介
してボルト等で前記エアーシリンダー３３を取り付け、
固定している。前記中空パイプ３２は、一対の側板４２
に固定された支持ブロック部材４３で支持されており、
そして前記一対の側板４２は取付け板４４の側縁に固定
されている。この取付け板４４には一対のロッド受け４
５、４６が固定されていて、これらのロッド受け４５、
４６に前記エアーシリンダー３３の両端に出ているロッ
ド４７、４８をそれぞれ固定している。従って、エアー
シリンダー３３をオン・オフすることによって吸着盤３
１等を矢印Ｘａの方向に前進及び後退させることができ
る。

【０００５】次に、投入装置５の構成を説明する。この
投入装置５は、薄板供給装置１のシャーシに軸支された
回転軸５０と、前記吸着装置３及び前記支持装置３５の
両側に配置され、基部５１、５２が前記回転軸５０に固
定され、他端５３、５４に投入爪５５、５６が固定され
ている一対のアーム５７、５８とで構成されている。ま
たこれらのアーム５７、５８の他端５３、５４には、前
記各投入爪５５、５６の内側で、細長いガイド板５９、
６０が前記各アーム５７、５８にほぼ垂直に固定されて
いる。これらの各アーム５７、５８は回転軸５０の回動
と共に矢印Ｙ（図４）の方向に回動し、後述するよう
に、複数の基板１００を一枚毎に上方に持ち上げる働き
をする。

【０００６】符号７は発光装置７０と受光装置７１とか
らなる、光電変換を行う薄板位置検出器である。この薄
板位置検出器７の光軸を基板１００がよぎった瞬間に、
後記の薄板収納ラック８が停止するよう、受光装置７１
の出力信号で、前記搬送装置４の駆動電源を切るように
構成している。

【０００７】次に、前記薄板供給装置１に搭載される可
搬型の薄板収納ラック８について説明する。この薄板収
納ラック８は、同一傾斜平面Ｈを構成する同一寸法の角
材からなるフレーム８０、８１、８２、８３と、図４に
示したように、それらの水平面に対し９０°よりやや鈍
角で、右方に傾斜した基板１００の受け面Ｖを有する背
板８４とから構成されていて、連結杆８５でフレーム８
０、８１、８２、８３のそれぞれの一端の下面を連結し
ており、またそれらの他端は前記背板８４の下端に固定
されている。フレーム８０と８１との間隔及びフレーム
８２と８３との間隔は十分に開け、それらの間隔の間に
在って前記投入装置５の投入爪５５、５６がそれぞれ薄
板収納ラック８に収納された基板１００の下方に延び、
上下に回動できるように構成されている。このような薄
板収納ラック８は前段の処理工程で処理された基板１０
０を揃えて前記背板８４に斜めに立て掛けて蓄積し、後
段の処理工程に送るために、これらの図に示したよう
に、可搬し、搬送装置２の無端ベルト２７、２８上に搭
載されるのである。

【０００８】次に、前記の薄板供給装置１の動作を説明
する。前述のように、複数の基板１００を収納した薄板
収納ラック８を無端ベルト２７、２８上に搭載する。こ
の搭載に当たって、図示していないエアーシリンダー支
持板９を少し上方に持ち上げる。従って、吸着装置３の
支持装置３５全体も上方に上がり、そしてそのベアリン
グローラ３７、３８も上がる。その状態で薄板収納ラッ
ク８のフレーム８０、８１、８２、８３部分をベアリン
グローラ３７、３８の下方に差し込み、ベアリングロー
ラ３７、３８がそれぞれフレーム８１、８２の平面Ｈ上
で回転できるようにする。このように薄板収納ラック８
を搭載した搬送装置２を駆動して、複数の基板１００を
同時に矢印Ｘｂの左方向に、即ち、吸着装置３の方へ水
平に移動させる。吸着装置３側に在る最前の基板１００
が薄板位置検出器７の直線光軸を遮った瞬間（吸着盤３
１が基板１００を吸着できる基準位置）、受光装置７１
の出力側に発生した停止信号により搬送装置２を停止さ
せる。このような基板１００の位置状態で吸着装置３の
エアーシリンダー３３が働き、吸着盤３１が矢印Ｘａの
右方向に突き出し、前記最前の基板１００に付き当て、
その一枚の基板１００を、ホース３４に繋がっている空
気吸引装置にて吸引する。その基板１００を吸引する
と、エアーシリンダー３３が反対方向に働き、吸着盤３
１を矢印Ｘａの左方に動かし、吸引した一枚の基板１０
０を投入装置５の投入爪５５、５６上に持ち来す。そし
て、即座にアーム５７、５８が上方に回動し、投入爪５
５、５６のＵ字溝でその基板１００の下縁を支え、ガイ
ド板５９、６０で基板１００の面を支えながら、その基
板１００を上方に回動しながら持ち上げて、図４に示し
た次工程の搬送コンベア１１０に送り込むように働く。
そしてこの基板１００を送り込むと投入装置５は元に復
帰する。またこの動作中に、前記搬送装置２も矢印Ｘｂ
の右方向に駆動され、薄板収納ラック８は吸着装置３か
ら後退して停止し、次の基板１００を搬送するために待
機する。そして、前述の基板投入動作を一枚毎に繰り返
し、所定の枚数の基板１００を次工程に搬送する。

【０００９】

【発明が解決しようとする課題】しかし、基板１００は
各種工程を経るにしたがい、また薄板収納ラック８で時
間を経るにしたがい、図示したように、基板１００に反
りが生じる。この反りが薄板収納ラック８に立て掛けら
れている最前の基板１００に生じると、前述のように薄
板収納ラック８が吸着装置３の方（矢印Ｘｂの左方）へ
移動した時に、最前の基板１００の両端部が所定の位
置、即ち、薄板位置検出器７の直線光軸を早めに横切
り、受光装置７１に発生する停止信号により所定の位置
よりも手前で最前の基板１００が留まるように薄板収納
ラック８が停止する。従って、吸着装置３の吸着盤３１
が最前の基板１００の中央部に届かず、その最前の基板
１００を吸着することができず、吸着不良となり、この
薄板供給装置１は自動運転を停止して作業が中断され、
生産効率が低下することにつながる。この発明はこのよ
うな不都合を除去することを目的とするものである。

【００１０】

【課題を解決するための手段】本願の主要な発明は、収
納器に立て掛けて収納された複数の薄板を、吸着装置に
て該収納器から一枚毎に該薄板の幅方向のほぼ中央部を
吸着して取り出し、その取り出された薄板を投入装置に
て次工程に供給する薄板供給装置において、前記吸着装
置が一枚の薄板を吸着する前に、該薄板の幅方向の両端
側の近傍を押圧して該薄板の反りを矯正する矯正装置を
備えたことを特徴とする薄板供給装置に関するものであ
る。

【００１１】

【作用】従ってこのような薄板供給装置によれば、薄板
に反りが生じた場合に、このような薄板の幅方向の両端
側の近傍を押圧する矯正装置によって反りが矯正される
ようになり、矯正された薄板の幅方向のほぼ中央部を吸
着装置によって吸着して収納器から取り出し、次工程に
供給することになる。

【００１２】

【実施例】以下、この発明の実施例を図面と共に詳述す
る。図１はこの発明の薄板供給装置の平面図であり、図
２は図１の薄板供給装置の側面図である。なお、図３及
び図４に示した従来技術の薄板供給装置の構成部分と同
一の構成部分には同一の符号を付し、それらの構成及び
動作の説明を省略する。

【００１３】この発明の薄板供給装置１Ａでは、従来技
術の薄板供給装置１に一対の薄板押圧装置１２０を備え
付けた。これらの薄板押圧装置１２０はエアーシリンダ
ー１２１と、そのロッド１２２の先端に固定されたカラ
ー１２３と、そのカラー１２３の先端から内部に入り込
み、ストロークが調節できる調節ロッド１２４と、その
調節ロッド１２４の先端に固定、取り付けられたパッド
１２５と、このパッド１２５とカラー１２３との間で、
調節ロッド１２４に巻き付けたコイルバネ１２６とから
構成されている。これらの薄板押圧装置１２０は同一に
構成されている。このような薄板押圧装置１２０のエア
ーシリンダー１２１はそれぞれ前記基板３９の最外端の
両端下面に固定されている。また各パッド１２５の位置
は、前記薄板位置検出器７の直線光軸と干渉しない高さ
で、そしてそれらのパッド１２５の先端は、これらの薄
板押圧装置１２０の初期動作時には前記直線光軸より右
側に位置するように、押圧完了動作時には前記直線光軸
上あるいはそれよりやや左側に位置するようにカラー１
２３及び調節ロッド１２４で調整、配置される。

【００１４】このような構成、配置の薄板押圧装置１２
０はそれぞれ同時に次のような動作を行う。即ち、〔従
来の技術〕の項で説明したように、薄板収納ラック８が
矢印Ｘｂの左方へ、つまり吸着盤３１の方へ移動を開始
し始めた時にエアーシリンダー１２１を駆動させ、パッ
ド１２５を矢印Ｘｃの右方、つまり前記直線光軸を横切
って十分に最前の基板１００の方に突出させ、その最前
の基板１００の反っている両端面を押圧する。前記薄板
収納ラック８の左方への移動に伴って、その基板１００
の反りは矯正され、そしてその押圧状態を保ちながら、
両パッド１２５及び調節ロッド１２４はなおも左方に移
動する薄板収納ラック８に押され、コイルバネ１２６に
抗しながら後退する。その押圧され、矯正された最前の
基板１００が前記直線光軸を横切った瞬間に薄板収納ラ
ック８は停止し、代わって前記吸着装置３のエアーシリ
ンダー３３が働いて前記吸着盤３１がその最前の基板１
００を吸着する。それと共に、前記薄板押圧装置１２０
のエアーシリンダー１２１はオフにされ、元の状態に復
帰するよう制御される。そしてその後、投入装置５等が
動作するが、それは従来の薄板供給装置１の動作と同一
であるので省略する。以上記述したように薄板押圧装置
１２０は動作し、一枚毎に基板１００を次工程へ送る度
に、このような動作を殆ど瞬時に行い、それを繰り返
す。なお、パッド１２５の材質はそれが基板１００を押
圧した時に、その面に傷を付けないフェルト、ゴム等の
ような柔らかいものを用いている。

【００１５】基板１００の反りが図示の向きの反りと反
対の反りになる場合もある。この薄板押圧装置１２０は
そのような反対の反りを矯正することは難しいが、その
ような反りが最前の基板１００に生じている場合には、
吸着盤３１が十分に吸着できるので、生産ラインの運転
を停止させるようなことはない。

【００１６】

【発明の効果】本願の主要な発明は、吸着装置が一枚の
薄板を吸着する前に、該薄板の幅方向の両端側の近傍を
押圧して該薄板の反りを矯正する矯正装置を備えるよう
にしたものである。従ってこの薄板の幅方向のほぼ中央
部であって吸着装置によって吸着される部位が凹むよう
に凹状に反った場合に、矯正装置によって薄板の幅方向
の両端側の近傍を押圧することにより反りを矯正するこ
とが可能になる。従って薄板の幅方向の両端側の部分に
よって薄板の供給位置を検出し、これに応じて吸着装置
によって薄板を吸着して取り出すようにした場合に、吸
着装置のストロークが不足して薄板の幅方向のほぼ中央
部を吸着できなくなって薄板を取り出すことができなく
なるというトラブルが解消されるようになる。従って薄
板に反りがあっても、このような反りに影響されること
なく安定して薄板を次工程に連続的に供給することが可
能になり、生産性の向上に資することになる。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明の薄板供給装置の平面図である。

【図２】図１の薄板供給装置の側面図である。

【図３】従来技術の薄板供給装置の正面図である。

【図４】図３に示した薄板供給装置の側面図である。

【符号の説明】

１Ａ薄板供給装置２搬送装置３吸着装置５投入装置７薄板位置検出器８薄板収納ラック９支持板３１吸着盤５５投入爪５６投入爪１００基板（薄板）１１０搬送コンベア１２０薄板押圧装置１２１エアーシリンダー１２５パッド

Claims

(57)【特許請求の範囲】

【請求項１】収納器に立て掛けて収納された複数の薄板
を、吸着装置にて該収納器から一枚毎に該薄板の幅方向
のほぼ中央部を吸着して取り出し、その取り出された薄
板を投入装置にて次工程に供給する薄板供給装置におい
て、前記吸着装置が一枚の薄板を吸着する前に、該薄板の幅
方向の両端側の近傍を押圧して該薄板の反りを矯正する
矯正装置を備えたことを特徴とする薄板供給装置。
【請求項２】前記矯正装置が押圧方向のストロークが調
整可能な押圧ロッドを具備し、該押圧ロッドの先端部で
前記薄板を押圧することを特徴とする請求項１に記載の
薄板供給装置。
【請求項３】前記押圧ロッドが摺動自在に取り付けられ
るとともに、該押圧ロッドの外周部にコイルばねが介装
され、該コイルばねの弾性復元力によって前記薄板が弾
性的に押圧されることを特徴とする請求項２に記載の薄
板供給装置。
【請求項４】前記押圧ロッドの先端部に柔軟な材料から
成るパッドが取り付けられており、該パッドを介して前
記押圧ロッドによって前記薄板が押圧されることを特徴
とする請求項２に記載の薄板供給装置。