JP3010338B2 - 静電荷像現像用磁性トナー - Google Patents

静電荷像現像用磁性トナー

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JP3010338B2
JP3010338B2 JP6077914A JP7791494A JP3010338B2 JP 3010338 B2 JP3010338 B2 JP 3010338B2 JP 6077914 A JP6077914 A JP 6077914A JP 7791494 A JP7791494 A JP 7791494A JP 3010338 B2 JP3010338 B2 JP 3010338B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電子写真、静電記録の
ような画像形成方法における静電荷潜像を顕像化するた
めの静電荷像現像用磁性トナーに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、電子写真法としては米国特許第
2,297,691号、特公昭42−23910号公
報、及び特公昭43−24748号公報などに種々の方
法が記載されている。
【0003】これらの電子写真法に適用される現像方法
としては、大別して乾式現像法と湿式現像法とがある。
前者は、さらに二成分系現像剤を用いる方法と一成分系
現像剤を用いる方法に分けられる。一成分系現像剤を用
いる現像方法は、現像装置を小型化できるという特長を
有する。しかし、トナーへの摩擦帯電付与が十分に行な
われにくいためにトナーおよび現像システムの設計許容
範囲が狭いという問題点を有する。一方、二成分系現像
剤を用いる現像方法は、トナーへの電荷付与を十分に行
なえるため、設計の許容範囲が広いという利点を有して
いるが、トナーとキャリアの混合比を一定に制御するた
めの手段が必要であるため装置が複雑になるという問題
点を有する。
【0004】これらの現像法に適用するトナーとして
は、従来、天然あるいは合成樹脂中に染料または顔料の
如き着色剤を分散させた微粉体が使用されている。例え
ば、ポリスチレンの如き結着樹脂中に着色剤を分散させ
たものを1〜30μm程度に微粉砕した粒子がトナーと
して用いられている。磁性トナーとしては、マグネタイ
トの如き磁性体粒子をトナー粒子に含有させたものが用
いられている。
【0005】現像される静電潜像の極性に応じて、トナ
ーは正または負の電荷を有する。トナーに電荷を保有せ
しめるためには、トナーの成分である樹脂の摩擦帯電性
を利用することも出来るが、この方法ではトナーの帯電
性が小さいので、現像によって得られるトナー画像はカ
ブリ易く、不鮮明なものとなりやすい。所望の摩擦帯電
性をトナーに付与するために、帯電性を制御する染料ま
たは顔料、更には電荷制御剤を添加することが行われて
いる。
【0006】しかしながら、これらの電荷制御剤を含有
するトナーは、現像スリーブなどのトナー担持体を汚染
し易いため、それらを用いたトナーは、複写枚数の増加
に伴い摩擦帯電量が低下し、画像濃度の低下を引き起こ
しやすい。ある種の電荷制御剤は、摩擦帯電量が低く、
温度及び湿度の影響を受け易いため、環境の変動にとも
なって画像濃度の変動の原因となる。ある種の電荷制御
剤は樹脂に対する分散性が不良であるため、これを用い
たトナーはトナー粒子間の摩擦帯電量が不均一となりや
すくカブリが発生し易い。ある種の電荷制御剤は、保存
安定性が悪く、長期保存中にトナーの摩擦帯電能が低下
する場合がある。
【0007】これらの問題点を解決する手段として、特
公昭43−17955号公報、特公昭55−42752
号公報、特公昭63−1994号公報に各種金属錯体が
負電荷制御剤として提案されている。これらの電荷制御
剤は確かに、優れた負摩擦帯電性を示すが、それらの多
くはクロム化合物であり、環境安全性の点から、改良が
望まれている。
【0008】特開昭61−155464号公報、特開昭
61−101558号公報および特開昭61−1554
63号公報に鉄系錯体が提案されている。
【0009】これらの公報では、鉄系錯体が、負摩擦帯
電性を有し、極めて良好な樹脂相溶性を示すことが開示
されている。しかし、本発明者らが検討したところ、後
述するような一成分現像法でさらに画質の安定した磁性
トナーを提供できるのは、鉄系錯体の中で一部のものに
過ぎないことが分かった。
【0010】複写枚数の増加によらず初期の高画質を安
定に保つためには、摩擦帯電量の維持だけでは不十分で
あり、初期におけるトナーの粒径分布を一定に保つこと
が必要である。特に、比較的粒径の大きなトナー粒子
(粗粉)を効率良く現像し、その蓄積を抑制するのが重
要である。そのためには、磁性トナーの磁気特性と摩擦
帯電量を適正値に調整する必要がある。本発明者らは、
これらの点を考慮し電荷制御剤を検討したところ、対イ
オンを有機アンモニウムイオンにすると負摩擦帯電量が
低くなった。この原因は不明であるが、通常知られてい
るような、有機アンモニウムイオンの正摩擦帯電性に起
因するものと思われる。特開昭61−101558号公
報では、有機アンモニウムイオンの効果により、より一
層金属錯体の樹脂中での分散性が良好になると記載され
ている。しかし、本発明者らの検討では、磁性トナーを
用いた一成分現像の場合、分散性向上の効果よりも摩擦
帯電性低下の影響の方が大きく、現像回数の増加と共に
トナー中の粗粉の蓄積が起こり、若干の画質の低下が起
きた。
【0011】また、特開昭63−267793号公報に
記載されている多価の無機イオンの場合も同様にトナー
中の粗粉の蓄積が起こった。特開昭63−267793
号公報に記載されている負電荷制御剤は、対イオンを多
価イオンにすることで1分子の構造が大きくなり、特開
昭61−155464号公報に記載されている負電荷制
御剤よりもさらに樹脂中での分散性が向上する。その結
果、トナーによるキャリア汚染がより減少し、従来の制
御剤を用いた現像剤の5万〜10万枚の寿命を、20万
枚に延ばせることが記載されている。しかし、本発明者
らの検討によれば、一成分現像法における磁性トナーを
用いて初期の良好な画質を維持する場合、摩擦帯電量を
一定に保つだけでは不十分であり、前述したように、ト
ナー中の粗粉も現像されるような高い摩擦帯電量を保持
する必要がある。このような点から、特開昭63−26
7793号公報で開示されているような多価イオンの鉄
錯体は磁性トナーには適していない。特開昭61−15
5463号公報に示されているニトロ基や特開昭61−
155464号公報に例示されているスルホンアミド基
などの置換基を有する鉄錯体の場合も粗粉の蓄積が起こ
る傾向があった。
【0012】一方、磁性トナーの磁気特性に関し、特開
昭58−95748号公報、特開昭58−98744号
公報および特開平3−95578号公報などがある。
【0013】特開昭58−95748号公報によれば、
飽和磁化は磁性トナー粒子の搬送性に影響を与える。2
5emu/g未満では磁気搬送力が弱くなり現像むらが
発生する傾向にある。そして、50emu/gを超える
と、磁性トナー中の磁性粉の量が多くなるので、定着性
の低下や現像性の悪化が起こる。保磁力が、150エル
ステッド未満では現像性が著しく低下し、350エルス
テッド以上ではトナー粒子の凝集性が強くなり、トナー
搬送性に問題を生じる。
【0014】特開昭58−98744号公報では、反転
現像法においてカブリのない画像を得るには150エル
ステッド以上の保磁力を必要とすることが記載されてい
る。
【0015】特開平3−95578号公報は、磁性体量
を減らして濁りの少ないカラートナーを得ようとするも
のである。そのため、磁性トナーの飽和磁化は40em
u/g以下にしているが、それによる磁性トナーの搬送
力の低下を磁石ローラー(現像スリーブ)の工夫で補っ
ている。いずれのも磁性トナーの搬送性を考慮して飽和
磁化を規制し、現像性のために保磁力を規制している。
しかしながら、磁性トナーの磁気特性を規制することで
初期画像の画質改良は可能であるが、現像回数の増加に
伴うトナー粒径変化による画像劣化を抑制することは困
難である。磁性トナー粒径変化を抑制するには、磁性ト
ナーの摩擦帯電量と磁気特性の両方を考慮する必要があ
る。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
の問題を解決した静電荷像現像用磁性トナーを提供する
ことにある。
【0017】さらに、本発明の目的は、多数枚耐久時の
画像結果の少ない静電荷像現像用磁性トナーを提供する
ことにある。
【0018】さらに、本発明の目的は、環境安定性に優
れている静電荷像現像用磁性トナーを提供することにあ
る。
【0019】さらに、本発明の目的は、放置安定性に優
れている静電荷像現像用磁性トナーを提供することにあ
る。
【0020】
【課題を解決するための手段及び作用】本発明は、少な
くとも結着樹脂,磁性体及び下記一般式(I)で示され
る鉄化合物を含有し、飽和磁化が20〜50Am2/k
gであり、保磁力が40〜200エルステッドであるこ
とを特徴とする静電荷像現像用磁性トナー。
【0021】
【化3】
【0022】[式中、R1およびR2は水素原子、スルホ
ン酸、カルボン酸、カルボキシエステル、ヒドロキシ、
または、ハロゲン原子を表わし、同一であっても異なっ
ていても良く、n1およびn2は1〜4の整数を表し、X
1およびX2は水素原子またはハロゲン原子を表し、m1
およびm2は1〜3の整数を表し、A+は、(i)アンモ
ニウムイオンと水素イオン,(ii)アンモニウムイオ
ンとアルカリ金属イオン,又は,(iii)アンモニウ
ムイオンと水素イオンとアルカリ金属イオンのいずれか
を表わす。]に関する。
【0023】本発明者らの検討によれば、一成分現像法
における磁性トナーを用いて初期の良好な画質を維持す
るためには、磁性トナーの摩擦帯電量と磁気特性のバラ
ンスを適正に保つことが重要である。これらの知見を基
にして本発明者らは、種々の電荷制御剤を種々の磁気特
性の磁性トナーに適用して検討を行った。その結果、飽
和磁化20〜50Am2/kg及び保磁力40〜200
エルステッドを有する静電荷現像用磁性トナーに特定な
鉄化合物を適用した場合に、現像回数の増加に伴う磁性
トナーの粒径変化が抑制され、初期の良好な画質を維持
し得ることを見い出し、本発明に至った。
【0024】本発明で使用される鉄化合物は、下記式
(I)を有する。
【0025】
【化4】
【0026】[式中、R1およびR2は水素原子、スルホ
ン酸、カルボン酸、カルボキシエステル、ヒドロキシ、
または、ハロゲン原子を表わし、同一であっても異なっ
ていても良く、n1およびn2は1〜4の整数を表し、X
1およびX2は水素原子またはハロゲン原子を表し、m1
およびm2は1〜3の整数を表し、A+は、(i)アンモ
ニウムイオンと水素イオン,(ii)アンモニウムイオ
ンとアルカリ金属イオン,又は,アンモニウムイオンと
水素イオンとアルカリ金属イオンのいずれかを表わ
す。]
【0027】A+は、アンモニウムイオンまたはアンモ
ニウムイオンを主成分(70モル%以下)とすることが
好ましい。A+は、アンモニウムイオンとアルカリ金属
イオンとの混合物、アンモニウムイオンと水素イオンと
の混合物、または、アンモニウムイオンとアルカリ金属
イオンと水素イオンとの混合物であり、アンモニウムイ
オンを主成分とすることがより好ましい。さらに好まし
くは、該混合物においてアンモニウムイオンが80〜9
8モル%(より好ましくは、85〜95モル%)含まれ
ていることが良い。
【0028】本発明者らが検討したところ、アンモニウ
ムイオンとアルカリ金属イオンまたは水素イオンと組み
合せると、高湿下に放置後の磁性トナーの摩擦帯電量は
良好に放置前の帯電量に復帰し、さらに、復帰速度が向
上し、画像濃度が安定している。一方、プロトンやアル
カリ金属だけをカチオンとして有する場合には、高湿放
置後の磁性トナーの摩擦帯電の帯電速度は速いが、磁性
トナーの摩擦帯電量は、良好には放置前の摩擦帯電量ま
では復帰しなく、画像濃度が低下する傾向にあった。
【0029】本発明者らが検討したところ、カチオン成
分としてアンモニウムイオンとアルカリ金属イオンまた
は/及びプロトンとを共存させることで、長期放置に対
し劣化の少ない良好な化合物が得られる。
【0030】特に、アンモニウムイオンが80モル%〜
98モル%になると復帰速度と復帰量が良好に維持され
る。アンモニウムイオンが80モル%未満になると放置
前の帯電量に対する復帰量が若干低くなる。一方、98
モル%を超えると復帰速度が低くなる。さらに、アンモ
ニウムイオンの割合が85モル%〜95モル%になると
復帰速度がさらに速くなるので好ましい。また、高湿下
での復帰特性においてもさらに良好になる。
【0031】この原因は、摩擦帯電機構のひとつとして
提案されているイオン伝導メカニズムによれば、以下の
ように推察される。
【0032】高湿状態のような比較的水分量が多い場合
には、イオン半径の小さな1価のカチオンの移動速度が
速く、放置状態で一端漏洩した帯電量を速やかに復帰さ
せ得るものと思われる。
【0033】そのためには、1価のカチオンとしてアル
カリ金属イオンまたは水素イオンが2モル%以上均一に
含有されていることが好ましく、5モル%以上含有され
ていることがより好ましい。
【0034】本発明において、高湿度下での摩擦帯電量
の復帰特性とは、高湿環境下で摩擦帯電させた磁性トナ
ーを長期間放置後、再度鉄粉キャリアと振とうすること
で復帰する帯電量の放置前の帯電量に対する割合で表
す。
【0035】具体的には、磁性トナー2.5gと鉄粉キ
ャリア47.5gを50cm3のポリエチレン容器に採
取し、開封状態で2日間、温度30℃,相対湿度80%
RHの環境下に放置する。これをターブラミキサーで2
40秒間振とう後、約0.5g採取し、ブローオフ法に
より摩擦帯電量を測定する。この値を放置前の高湿度下
での帯電量とする。さらに、4日間開封状態で放置後、
ターブラミキサーでの振とう時間0秒、60秒、240
秒の磁性トナーの摩擦帯電量を測定し、放置前の磁性ト
ナーの摩擦帯電量に対する比率を求める。
【0036】帯電量測定装置を図2に示す。底に500
メッシュ(キャリア粒子の通過しない大きさに適宜変更
可能)の導電性スクリーン23のある金属製の測定容器
22に試料を入れ、金属製の蓋24をする。次に、吸引
機21(測定容器22と接する部分は少なくとも絶縁
体)において、吸引口27から吸引し風量調節弁26を
調整して真空計25の圧力を250mmH2Oとする。
この状態で充分(約1分間)吸引を行う。この時の電位
計の電圧をV(ボルト)とする。ここで28はコンデン
サーであり、容器をC(μF)とする。これから得られ
る電荷量を吸引除去した磁性トナー量(g)で除したも
のが、摩擦帯電量(μC/g)である。
【0037】本発明の磁性トナーは感光体削れ抑制につ
いても良好である。本発明の磁性トナーの転写率が良好
であるために、転写工程後に感光体上に残留している磁
性トナーが少なく、クリーニング工程における負荷が少
ないことが考えられる。本発明で使用している鉄化合物
が磁性体表面に作用して樹脂中での分散状態が良好にな
り、磁性トナー粒子表面に存在する磁性体量が減少して
いるとも解される。
【0038】本発明においては、式(I)で示される鉄
化合物を混合することでカチオンの混合物を有する鉄化
合物を得ることもできるが、鉄化合物を合成中にカチオ
ン成分の比率やpHを変えることで一度に合成したもの
の方が良好な放置安定特性を示す。これは、一度に合成
した方が各カチオンの分散状態が均一になるとともに、
異なったカチオン錯体中の相互作用も良好に生じるため
と思われる。
【0039】以下、式(I)で示される鉄化合物の具体
例を示す。参考のために、A+がアンモニウムイオンの
みの例(化合物例(11)〜(16))についても示
す。
【0040】
【化5】
【0041】
【化6】
【0042】
【化7】
【0043】
【化8】
【0044】上記鉄化合物(1)〜(10)において、
1〜a10は0.80〜0.98であり、b1〜b10
0.01〜0.20であり、c1〜c10は残量であるこ
とが好ましく、より好ましくは、a1〜a10は0.85
〜0.95であり、b1〜b10は0.01〜0.150
であり、c1〜c10は残量であることが良い。
【0045】上記鉄化合物(1)においては、a1
0.80〜0.98であり、b1は0.01〜0.19
であり、c1は0.01〜0.19であることが好まし
い。より好ましくは、a1は0.85〜0.95であ
り、b1は0.01〜0.14であり、c1は0.01〜
0.14であることが良い。
【0046】
【化9】
【0047】
【化10】
【0048】鉄化合物を磁性トナーに含有させる方法と
しては、磁性トナー粒子内部に添加する方法と外添する
方法とがある。鉄化合物の使用量は、好ましくは結着樹
脂100重量部に対して0.1〜10重量部、より好ま
しくは0.1〜5重量部の範囲で用いられる。外添する
場合は、結着樹脂100重量部に対し0.01〜10重
量部(より好ましくは、0.01〜3重量部)が好まし
く、特に、メカノケミカル的に磁性トナー粒子表面に鉄
化合物の粒子を固着させるのが好ましい。
【0049】本発明で用いられる鉄化合物は、鉄化合物
の効果を損なわない限り、従来公知の電荷制御剤と組み
合わせて使用しても良い。
【0050】本発明者らの検討によれば、初期の高画質
維持のために現像回数の増加に伴う磁性トナーの粒径変
化を抑制するには、本発明の鉄化合物を用い、さらに磁
性トナーの飽和磁化を20〜50Am2/kgにし、保
磁力を40〜200エルステッドにすることが重要であ
る。特に、飽和磁化を25〜40Am2/kg、保磁力
を50〜150エルステッドにすることが好ましい。
【0051】飽和磁化が20Am2/kgを下回ると、
従来から指摘されているように、磁性トナーの搬送性が
低下する。特に、現像領域への磁性トナー中の粗粉の搬
送性が低下し、現像回数の増加と共に現像器内の磁性ト
ナー中の粗粉の蓄積が起こりやすい。飽和磁化が50A
2/kgを超えると、現像スリーブ上での磁気拘束力
が増加し、特に粗粉の現像性が低下する。この原因は必
ずしも明確ではないが、磁性トナーの摩擦帯電量が磁性
トナー粒子径の2乗に比例すると考えられているのに対
して、飽和磁化は3乗に比例する。そのために、特に、
磁性トナー中の粗粉において、磁性トナーの摩擦帯電量
よりも現像スリーブ上の磁気拘束力がより大きくなり、
現像性の低下がおこり、粗粉の蓄積が起こるものと思わ
れる。
【0052】一方、磁性トナーの保磁力は200エルス
テッドを超える場合では粗粉の蓄積が発生しやすかっ
た。
【0053】磁気力の測定は、例えば東映工業社製のV
SMまたは理研電子(株)製のVSM−BHU−30を
用い、磁場1kエルステッドにおける値を測定する。
【0054】本発明の磁性トナー中に含まれる磁性材料
としては、マグネタイト、γ−酸化鉄、フェライト、鉄
過剰型フェライト等の酸化鉄;鉄、コバルト、ニッケル
のような金属或いはこれらの金属とアルミニウム、コバ
ルト、銅、鉛、マグネシウム、スズ、亜鉛、アンチモ
ン、ベリリウム、ビスマス、カドミウム、カルシウム、
マンガン、セレン、チタン、タングステン、バナジウム
のような金属との合金及びその混合物等が挙げられる。
【0055】これらの磁性体は、平均粒径が0.1〜1
μm、好ましくは0.1〜0.5μmのものが好まし
い。
【0056】磁性トナー中に含有させる量としては、下
記式を満足するのが好ましい。
【0057】 MT=−(10/3)×d+(70±15)
【0058】[式中、MTは磁性体の含有量(重量%)
を示し、dは磁性トナーの重量平均粒径(μm)を示
す。但し、dは9μm以下である。]
【0059】磁性体量が上記を下回ると、一般には、磁
性トナーの飽和磁化が低くなり、磁性トナーの搬送性が
低下しやすい。その結果、現像領域に十分な量の磁性ト
ナーを供給できないために低い濃度のトナー画像しか得
られない。一方、飽和磁化の高い磁性体を用いて上記磁
性体量以下で搬送性の良好な磁性トナーを得ると、磁性
体量の低下により磁性トナーの電気抵抗が高くなる。そ
の結果、鉄系化合物(I)を使用すると摩擦帯電量が適
正値より高くなり、現像性の低下を引き起こしやすい。
【0060】一方、磁性体量が上記を上回ると、磁性ト
ナーの飽和磁化や保磁力が大きくなりすぎ、磁性トナー
の流動性が低下したり、現像スリーブ上での磁気拘束力
が増加する。その結果、磁性トナーの現像性が低下した
り、現像回数の増加に伴う磁性トナーの粗粉蓄積が起こ
り、画質が低下しやすい。磁性体量が増加すると、磁性
トナーの摩擦帯電量が低下するので、この点からも、磁
性トナーの現像性が低下する要因となる。
【0061】このように、現像回数の増加に伴う粗粉量
の蓄積を抑制し、初期の高品位な画像を維持するには、
上述したように磁性トナーの磁気特性と摩擦帯電量を制
御することが重要である。そのためには、特定な鉄系化
合物(I)を電荷制御剤として用いて、磁性トナーの摩
擦帯電量を制御することが必要であり、その際、磁性体
量は上式の範囲内にすることが好ましい。
【0062】本発明の磁性トナーにおいては、重量平均
粒径が3〜9μmの磁性トナーが好ましい。特に、5〜
9μmの重量平均粒径を有する磁性トナーが好ましい。
【0063】磁性トナーの粒度分布は種々の方法によっ
て測定できるが、本発明においてはコールターカウンタ
ーを用いて行うのが適当である。
【0064】測定装置としてはコールターカウンターT
A−II型(コールター社製)を用いた。アパチャーと
して100μmアパチャーを用いて、磁性トナーの体
積、個数を測定して2〜40μmの粒子の体積分布と個
数分布とを算出する。それから、本発明に係る体積分布
から求めた重量基準の重量平均径(D4)(各チャンネ
ルの中央値をチャンネルごとの代表値とする)、体積分
布から求めた重量基準の粗粉量を求める。
【0065】本発明の磁性トナーにおいては、無機酸化
物微粉体を外添して使用することが好ましい。
【0066】無機酸化物微粉体としては、シリカ、酸化
チタン、酸化アルミニウム、酸化セリウム、チタン酸ス
トロンチウムなど、種々のものが使用できる。中でも、
金属イオンの電気陰性度が10〜15のものが、帯電速
度や環境安定性の点から好ましい。
【0067】本発明の磁性トナーに流動性付与などの目
的で、シリカ微粉末または酸化チタン微粉体を外添する
のは非常に好ましい。
【0068】ここでいうシリカ微粉体には、無水二酸化
ケイ素(シリカ)の他、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸ナ
トリウム、ケイ酸カリウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ
酸亜鉛等のケイ酸塩をいずれも適用できる。
【0069】上記シリカ微粉体のうちで、BET法で測
定した窒素吸着による比表面積が30m2/g以上(特
に50〜400m2/g)のものが母体シリカとして好
ましい。
【0070】これらの処理されたシリカ微粉体の適用量
は、磁性トナー重量に対して、0.01〜20重量%で
あり、特に好ましくは0.03〜5重量%である。
【0071】シリカ微粉体は、必要に応じてシランカッ
プリング剤、有機ケイ素化合物の如き処理剤やシリコー
ンオイル等で処理されていても良い。
【0072】処理剤としては、例えば、ヘキサメチルジ
シラザン、卜リメチルシラン、トリメチルクロルシラ
ン、トリメチルエトキシシラン、ジメチルジクロルシラ
ン、メチルトリクロルシラン、アリルジメチルクロルシ
ラン、アリルフェニルジクロルシラン、ベンジルジメチ
ルクロルシラン、ブロムメチルジメチルクロルシラン、
α−クロルエチルトリクロルシラン、β−クロルエチル
トリクロルシラン、クロルメチルジメチルクロルシラ
ン、トリオルガノシリルメルカプタン、トリメチルシリ
ルメルカプタン、トリオルガノシリルアクリレート、ビ
ニルジメチルアセトキシシラン、ジメチルエトキシシラ
ン、ジメチルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシ
シラン、ヘキサメチルジシロキサン、1,3−ジビニル
テトラメチルジシロキサン、1,3−ジフェニルテトラ
メチルジシロキサン、及び1分子当り2から12個のシ
ロキサン単位を有し末端に位置する単位にそれぞれ1個
宛のSiに結合した水酸基を含有するジメチルポリシロ
キサン等がある。これらは1種あるいは2種以上の混合
物で用いられる。
【0073】最終的に、処理されたシリカ微粉体の疎水
化度がメタノール滴定試験によって測定された疎水化度
として、30〜80の範囲の値を示す様に疎水化された
場合にこの様なシリカ微粉体を含有する現像剤の摩擦帯
電量がシャープで均一なる正荷電性を示す様になるので
好ましい。ここでメタノール滴定試験は疎水化された表
面を有するシリカ微粉体の疎水化度の程度が確認され
る。
【0074】処理されたシリカ微粉体に疎水化度を評価
するために本明細書において規定される“メタノール滴
定試験”は次の如く行う。シリカ微粉体0.2gを容量
250mlの三角フラスコ中の水50mlに添加する。
メタノールをビューレットからシリカの全量が湿潤され
るまで滴定する。この際、フラスコ内の溶液はマグネチ
ックスターラーで常時撹拌する。その終点はシリカ微粉
体の全量が液体中に懸濁されることによって観察され、
疎水化度は終点に達した際のメタノール及び水の液状混
合物中のメタノールの百分率として表わされる。
【0075】本発明に使用される結着樹脂としては、ポ
リスチレン;ポリ−p−クロルスチレン、ポリビニルト
ルエンの如きスチレン置換体の単重合体;スチレン−p
−クロルスチレン共重合体、スチレン−ビニルトルエン
共重合体、スチレン−ビニルナフタリン共重合体、スチ
レン−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−メタク
リル酸エステル共重合体、スチレン−α−クロルメタク
リル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共
重合体、スチレン−ビニルメチルエ−テル共重合体、ス
チレン−ビニルエチルエーテル共重合体、スチレン−ビ
ニルメチルケトン共重合体、スチレン−ブタジエン共重
合体、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−アク
リロニトリル−インデン共重合体の如きスチレン系共重
合体;ポリ塩化ビニル、フェノール樹脂、天然変性フェ
ノール樹脂、天然樹脂変性マレイン酸樹脂、アクリル樹
脂、メタクリル樹脂、ポリ酢酸ビニール、シリコーン樹
脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン、ポリアミド樹
脂、フラン樹脂、エポキシ樹脂、キシレン樹脂、ポリビ
ニルブチラール、テルペン樹脂、クマロンインデン樹
脂、石油系樹脂が挙げられる。
【0076】架橋されたスチレン系共重合体も好ましい
結着樹脂である。
【0077】スチレン系共重合体のスチレンモノマーに
対するコモノマーとしては、アクリル酸、アクリル酸メ
チル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル
酸ドデシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸−2−エ
チルヘキシル、アクリル酸フェニル、メタクリル酸、メ
タクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸
ブチル、メタクリル酸オクチル、アクリロニトリル、メ
タクリロニトリル、アクリルアミドのような二重結合を
有するモノカルボン酸もしくはその置換体;マレイン
酸、マレイン酸ブチル、マレイン酸メチル、マレイン酸
ジメチルのような二重結合を有するジカルボン酸及びそ
の置換体;塩化ビニル、酢酸ビニル、安息香酸ビニルの
ようなビニルエステル類;エチレン、プロピレン、ブチ
レンのようなエチレン系オレフィン類;ビニルメチルケ
トン、ビニルヘキシルケトンのようなビニルケトン類;
ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニル
イソブチルエーテルのようなビニルエーテル類が挙げら
れ、これらのビニル単量体が単独もしくは2つ以上用い
られる。
【0078】架橋剤としては、主として2個以上の重合
可能な二重結合を有する化合物が用いられる。ジビニル
ベンゼン、ジビニルナフタレンのような芳香族ジビニル
化合物;エチレングリコールジアクリレート、エチレン
グリコールジメタクリレート、1,3−ブタンジオール
ジメタクリレートのような二重結合を2個有するカルボ
ン酸エステル;ジビニルアニリン、ジビニルエーテル、
ジビニルスルフィド、ジビニルスルホンの如きジビニル
化合物;3個以上のビニル基を有する化合物;が挙げら
れる。これらは、単独もしくは混合して用いられる。特
に、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)
により測定される分子量分布で、分子量3×103〜5
×104の領域に少なくとも一つのピークを有し、分子
量105以上の領域に少なくとも一つのピークあるいは
ショルダーを有するスチレン系共重合体が好ましい。
【0079】GPCによる分子量分布は以下の条件で測
定される。
【0080】40℃のヒートチャンバ中でカラムを安定
化させ、この温度におけるカラムに、溶媒としてTHF
を毎分1mlの流速で流し、THFに溶解した試料溶液
を100μl注入して測定する。試料の分子量測定にあ
たっては、試料の有する分子量分布を数種の単分散ポリ
スチレン標準試料により作成された検量線の対数値とカ
ウント数との関係から算出する。検量線作成用の標準ポ
リスチレン試料としては、例えば、東ソー社製あるいは
昭和電工社製の分子量が102〜107程度のものを用
い、少なくとも10点程度の標準ポリスチレン試料を用
いるのが適当である。検出器にはRI(屈折率)検出器
を用いる。カラムとしては市販のポリスチレンジェルカ
ラムを複数本組み合わせるのが良い。例えば、昭和電工
社製のshodex GPC KF−801,802,
803,804,805,806,807,800Pの
組み合わせや、東ソー社製のTSKgel G1000
H(HXL),G2000H(HXL),G3000H(H
XL),G4000H(HXL),G5000H(HXL),
G6000H(HXL),G7000H(HXL),TSK
guardcolumnの組み合わせを挙げることがで
きる。
【0081】試料は以下のようにして作製する。
【0082】試料をTHF中に入れ、数時間放置した
後、充分に振とうし、試料の合一体がなくなるまでTH
Fと良く混合し、さらに12時間以上静置する。この
時、THF中への放置時間が24時間以上となるように
する。その後サンプル処理フィルタ(ポアサイズ0.4
5〜0.5μm、例えば、マイショリディスクH−25
−5東ソー社製、エキクロディスク25CR ゲルマン
サイエンス ジャパン社製等が利用できる)を通過さ
せたものをGPCの試料とする。試料濃度は、樹脂成分
が0.5〜5mg/mlとなるように調整する。
【0083】加圧定着方式を用いる場合には、圧力定着
性樹脂の使用が可能である。例えばポリエチレン、ポリ
プロピレン、ポリメチレン、ポリウレタンエラストマ
ー、エチレン−エチルアクリレート共重合体、エチレン
−酢酸ビニル共重合体、アイオノマー樹脂、スチレン−
ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、
線状飽和ポリエステル、パラフィン等がある。
【0084】本発明の磁性トナーは、必要に応じて添加
剤と混合されていてもよい。添加剤としては、例えばス
テアリン酸亜鉛の如き滑剤;酸化セリウム、炭化ケイ素
の如き研磨剤;酸化アルミニウムの如き流動性付与剤;
ケーキング防止剤;カーボンブラック、酸化スズの如き
導電性付与剤がある。
【0085】ポリビニリデンフルオライド微粉末の如き
フッ素含有重合体微粉末も流動性、研磨性、帯電安定性
等の点から好ましい添加剤である。
【0086】熱ロール定着時の離型性を良くする目的で
低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン、マイ
クロクリスタリンワックス、カルナバワックス、サゾー
ルワックス、パラフィンワックスの如きワックス状物質
を0.5〜5wt%トナーに加えることも本発明の好ま
しい形態の一つである。特に、サゾールワックスは好ま
しい離型剤のひとつである。
【0087】本発明の磁性トナーを製造するにあたって
は、上述したような磁性トナー構成材料をボールミルの
如き混合機により十分混合した後、熱ロールニーダー、
エクストルーダーの如き熱混練機を用いて良く混練し、
混練物を冷却固化後、固化物を機械的に粉砕し、粉砕物
を分級することによって磁性トナーを得る方法が好まし
い。他には、結着樹脂溶液中に構成材料を分散した後、
噴霧乾燥することにより磁性トナーを得る方法;結着樹
脂を構成すべき単量体に所定の材料を混合して乳化懸濁
液とした後に、重合させて磁性トナーを得る重合法;コ
ア材及びシェル材から成るマイクロカプセル磁性トナー
において、コア材あるいはシェル材、あるいはこれらの
両方に所定の材料を含有させる方法;等の方法がある。
さらに必要に応じ所望の添加剤と磁性トナーとをヘンシ
ェルミキサーの如き混合機により十分に混合し、磁性ト
ナーを製造することができる。
【0088】本発明の磁性トナーは、電子写真、静電記
録及び静電印刷等における静電荷像を顕像化する為の現
像に良好に使用可能なものである。
【0089】図1に本発明の磁性トナーを適用し得る現
像装置の一実施形態を示す。
【0090】静電像保持体1は矢印の方向に回転する。
トナー担持体である非磁性円筒(現像スリーブ)4は、
現像部において静電像保持体1と同方向に回転する。現
像スリーブ4内部には、多極永久磁石9が配置されてい
る。トナー容器12から送られる磁性トナー11を現像
スリーブ4上に塗布し、磁性ブレード10により磁性ト
ナー層の厚さを薄く、均一に規制する。現像領域におい
て、現像スリーブ4にバイアス印加手段13により直流
バイアスを印加するが、その際、交流バイアスを同時に
印加してもよい。この際の交流バイアスは、周波数が2
00〜4000Hz、ピークとピークの電位差が300
0〜5000Vが良い。図1において、磁性ブレード1
0は現像スリーブに4当接していないが、磁性トナー層
厚を規制するために、プラスチックまたはゴムなどの弾
性体を当接して用いても良い。
【0091】以下、本発明を実施例により具体的に説明
するが、これは、本発明を何ら限定するものではない。
以下の配合における部数は、重量部である。
【0092】
【実施例】実施例1 スチレン−ブチルメタクリレート共重合体(重量平均分子量25万)100部 (ピーク1:分子量10,000、ピーク2:分子量70,000) 磁性体(平均粒径0.2μm,保磁力90エルステッド) 80部 サゾールワックス 3部 鉄化合物(1) 2部 (NH + 4とNa+とH+のモル比=0.9:0.05:0.05)
【0093】上記材料をブレンダーでよく混合した後、
130℃に設定した2軸混練押出機にて混練した。得ら
れた混練物を冷却後、粗粉砕し、ジェット気流を用いた
微粉砕機を用いて粗粉砕物を微粉砕した。さらに、得ら
れた微粉砕品をコアンダ効果を利用した多分割分級装置
(日鉄鉱業社製エルボジェット分級機)で超微粉及び粗
粉を同時に厳密に分級除去して、重量平均粒径8.5μ
mの黒色微粉体(負帯電性磁性トナー)を得た。
【0094】得られた負帯電性磁性トナー100部と疎
水性シリカ微粉体(平均粒径15nm)0.6部とチタ
ン酸ストロンチウム微粉体(平均粒径1μm)0.3部
とをヘンシェルミキサーで混合して一成分系磁性トナー
とした。磁性トナーは、飽和磁化が28Am2/kgで
あり、保磁力は90エルステッドであった。
【0095】得られた磁性トナーを市販の電子写真複写
機NP−6060(キヤノン(株)製)を用いて潜像形
成,現像,転写及び定着をおこなって複写テストを行っ
た。
【0096】温度23℃/湿度60%RHの常温常湿環
境下で20,000枚複写したところ、初期から画像濃
度1.40±0.03の鮮明な画像が得られた。画像の
解像性も初期の6.3本/mmを維持していた。
【0097】次に、温度15℃/湿度10%RHの低温
低湿環境下で20,000枚の複写テストを行ったとこ
ろ、初期から画像濃度1.40±0.03の良好な画像
が得られた。
【0098】さらに、温度30℃/湿度80%RHの高
温高湿環境下で10,000枚の複写テストを行った。
初期から画像濃度1.35±0.03の良好な画像が得
られた。引き続き高温高湿環境下で4日間放置後、1
0,000枚の複写を行った。再開1枚目から、1.3
5±0.03の良好な画像が得られた。高温高湿環境下
における磁性トナーの摩擦帯電量の復帰特性について表
1に示す。
【0099】実施例2 スチレン−ブチルメタクリレート共重合体(重量平均分子量25万)100部 (ピーク1:分子量10,000、ピーク2:分子量70,000) 磁性体(平均粒径0.2μm,保磁力90エルステッド) 80部 サゾールワックス 3部 鉄化合物(1) 2部 ((NH + 4とNa+とH+のモル比=0.98:0.01:0.01)
【0100】上記材料を用いる以外は、実施例1と同様
にして一成分系磁性トナーを得た。磁性トナーの飽和磁
化は28Am2/kgであり、保磁力は90エルステッ
ドであった。
【0101】得られた一成分系磁性トナーを市販の電子
写真複写機NP−6060(キヤノン(株)製)を用い
て実施例1と同様にして複写テストを行った。
【0102】温度23℃/湿度60%RHの環境下で2
0,000枚複写したところ、初期から画像濃度1.4
0±0.03の鮮明な画像が得られた。画像の解像性も
初期の6.3本/mmを維持していた。
【0103】次に、温度15℃/湿度10%RHの低温
低湿環境下で20,000枚の複写テストを行ったとこ
ろ、初期から画像濃度1.40±0.03の良好な画像
が得られた。
【0104】さらに、温度30℃/湿度80%RHの高
温高湿環境下で10,000枚の複写テストを行った。
初期から画像濃度1.35±0.03の良好な画像が得
られた。高温高湿環境下で4日間放置後、10,000
枚の複写を行った。再開1枚目は1.30と若干放置前
の画像濃度より低かったが10枚目以降から、1.35
±0.03の良好な画像が得られた。高湿環境下におけ
る磁性トナーの摩擦帯電量の復帰特性について表1に示
す。
【0105】実施例3 スチレン−ブチルメタクリレート共重合体(重量平均分子量25万)100部 (ピーク1:分子量10,000、ピーク2:分子量70,000) 磁性体(平均粒径0.2μm,保磁力90エルステッド) 80部 サゾールワックス 3部 鉄化合物(1) 2部 ((NH + 4とNa+とH+のモル比=0.8:0.15:0.15)
【0106】上記材料を用いる以外は、実施例1と同様
にして一成分系磁性トナーを得た。磁性トナーは、飽和
磁化が28Am2/kgであり、保磁力は90エルステ
ッドであった。
【0107】得られた一成分系磁性トナーを市販の電子
写真複写機NP−6060(キヤノン(株)製)を用い
て実施例1と同様にして複写テストを行った。
【0108】温度23℃/湿度60%RHの環境下で2
0,000枚複写したところ、初期から画像濃度1.4
0±0.03の鮮明な画像が得られた。画像の解像性も
初期の6.3本/mmを維持していた。
【0109】次に、温度15℃/湿度10%RHの低温
低湿環境下で20,000枚の複写テストを行ったとこ
ろ、初期から画像濃度1.40±0.03の良好な画像
が得られた。
【0110】さらに、温度30℃/湿度80%RHの高
温高湿環境下で10,000枚の複写テストを行った。
初期から画像濃度1.35±0.03の良好な画像が得
られた。高温高湿環境下で4日間放置後、10,000
枚の複写を行った。再開1枚目は1.28と若干放置前
の画像濃度より低かったが30枚目以降から、1.35
±0.03の良好な画像が得られた。高湿環境下におけ
る磁性トナーの摩擦帯電量の復帰特性について表1に示
す。
【0111】実施例4 スチレン−ブチルメタクリレート共重合体(重量平均分子量25万)100部 (ピーク1:分子量10,000、ピーク2:分子量70,000) 磁性体(平均粒径0.2μm,保磁力90エルステッド) 80部 サゾールワックス 3部 鉄化合物(1) 2部 ((NH + 4とNa+とH+のモル比=0.5:0.2:0.3)
【0112】上記材料を用いる以外は、実施例1と同様
にして一成分系磁性トナーを得た。磁性トナーは、飽和
磁化が28Am2/kgであり、保磁力が90エルステ
ッドであった。
【0113】得られた一成分系磁性トナーを市販の電子
写真複写機NP−6060(キヤノン(株)製)を用い
て実施例1と同様にして複写テストを行った。
【0114】温度23℃/湿度60%RHの環境下で2
0,000枚複写したところ、初期から画像濃度1.4
0±0.03の鮮明な画像が得られた。画像の解像性も
初期の6.3本/mmを維持していた。
【0115】次に、温度15℃/湿度10%RHの低温
低湿環境下で20,000枚の複写テストを行ったとこ
ろ、初期から画像濃度1.40±0.03の良好な画像
が得られた。
【0116】さらに、温度30℃/湿度80%RHの高
温高湿環境下で10,000枚の複写テストを行った。
初期から画像濃度1.35±0.03の良好な画像が得
られた。引き続き高温高湿環境下で4日間放置後、1
0,000枚の複写を行った。再開1枚目は1.25と
若干放置前の画像濃度より低かったが30枚目以降か
ら、1.30±0.03の良好な画像が得られた。高湿
環境下における磁性トナーの摩擦帯電量の復帰特性につ
いて表1に示す。
【0117】実施例5 磁性体量を120部に変更する以外は実施例1と同様に
して一成分系磁性トナーを得た。磁性トナーは、飽和磁
化が42Am2/kgであり、保磁力は90エルステッ
ドであった。
【0118】得られた一成分系磁性トナーを市販の電子
写真複写機NP−6060(キヤノン(株)製)を用い
て実施例1と同様にして複写テストを行った。
【0119】温度23℃/湿度60%RHの環境下で2
0,000枚複写したところ、初期から画像濃度1.3
5±0.03の鮮明な画像が得られた。画像の解像性も
初期の6.3本/mmを維持していた。
【0120】次に、温度15℃/湿度10%RHの低温
低湿環境下で20,000枚の複写テストを行ったとこ
ろ、初期から画像濃度1.40±0.03の良好な画像
が得られた。
【0121】さらに、温度30℃/湿度80%RHの高
温高湿環境下で10,000枚の複写テストを行った。
初期から画像濃度1.30±0.03の良好な画像が得
られた。引き続き高温高湿環境下で4日間放置後、1
0,000枚の複写を行った。再開1枚目から、1.3
0±0.03の良好な画像が得られた。高湿環境下にお
ける磁性トナーの摩擦帯電量の復帰特性を表1に示す。
【0122】実験例1 鉄化合物例(1)の代わりに、下記式(17)で示され
る鉄化合物を3部用いる他は、実施例1と同様にして一
成分系磁性トナーを得た。磁性トナーは、飽和磁化が2
8Am2/kgであり、保磁力は90エルステッドであ
った。
【0123】
【化11】
【0124】得られた一成分系磁性トナーを市販の電子
写真複写機NP−6060(キヤノン(株)製)を用い
て実施例1と同様にして複写テストを行った。
【0125】温度23℃/湿度60%RHの環境下で2
0,000枚複写したところ、初期から画像濃度1.3
5±0.05の鮮明な画像が得られた。画像の解像性も
初期の6.3本/mmを維持していた。
【0126】次に、温度15℃/湿度10%RHの低温
低湿環境下で20,000枚の複写テストを行ったとこ
ろ、初期から画像濃度1.40±0.05の良好な画像
が得られた。
【0127】さらに、温度30℃/湿度80%RHの高
温高湿環境下で10,000枚の複写テストを行った。
初期から画像濃度1.25±0.05の良好な画像が得
られたが、高温高湿環境下で4日間放置後、10,00
0枚の複写を行ったところ1枚目は1.05と放置前の
画像濃度より低かった。100枚目複写後も1.20±
0.05であり、放置前の画像よりは劣っていた。高温
高湿環境下における磁性トナーの摩擦帯電量の復帰特性
を表1に示す。
【0128】実施例6 実施例1において、スチレン−ブチルメタクリレート共
重合体の代わりにポリエステル樹脂(重量平均分子量2
万)を用いる他は、実施例1と同様にして一成分系磁性
トナーを得た。磁性トナーは、飽和磁化が28Am2
kgであり、保磁力は90エルステッドであった。
【0129】得られた一成分系磁性トナーを市販の電子
写真複写機NP−6060(キヤノン(株)製)を用い
て実施例1と同様にして複写テストを行った。
【0130】温度23℃/湿度60%RHの環境下で2
0,000枚複写したところ、初期から画像濃度1.3
5±0.03の鮮明な画像が得られた。画像の解像性も
初期の6.3本/mmを維持していた。
【0131】次に、温度15℃/湿度10%RHの低温
低湿環境下で20,000枚の複写テストを行ったとこ
ろ、初期から画像濃度1.40±0.03の良好な画像
が得られた。
【0132】さらに、温度30℃/湿度80%RHの高
温高湿環境下で10,000枚の複写テストを行った。
初期から画像濃度1.35±0.03の良好な画像が得
られた。高温高湿環境下で4日間放置後、10,000
枚の複写を行った。再開1枚目から、1.35±0.0
3の良好な画像が得られた。高温高湿下における磁性ト
ナーの摩擦帯電量の復帰特性について表1に示す。
【0133】実施例7 スチレン−ブチルメタクリレート共重合体(重量平均分子量30万)100部 (ピーク1:分子量6,000、ピーク2:分子量100,000) 磁性体(平均粒径0.2μm,保磁力90エルステッド) 100部 低分子量ポリプロピレンワックス 3部 鉄化合物(1) 2部 ((NH + 4とNa+とH+のモル比=0.92:0.04:0.04)
【0134】上記材料をブレンダーでよく混合した後、
130℃に設定した2軸混練押出機にて混練した。得ら
れた混練物を冷却後、粗粉砕し、ジェット気流を用いた
微粉砕機を用いて粗粉砕物を微粉砕した。さらに、得ら
れた微粉砕品をコアンダ効果を利用した多分割分級装置
(日鉄鉱業社製エルボジェット分級機)で超微粉及び粗
粉を同時に厳密に分級除去して、重量平均粒径6.5μ
mの黒色微粉体(負帯電性磁性トナー)を得た。磁性ト
ナーは、飽和磁化が28Am2/kgであり、保磁力が
90エルステッドであった。
【0135】得られた一成分系磁性トナー100部と疎
水性シリカ(平均粒径15nm)1部とをヘンシェルミ
キサーで混合して一成分系磁性トナーを得た。得られた
一成分系磁性トナーを市販のレーザービームプリンター
LBP−KT(キヤノン(株)製)にて、プリントテス
トを実施した。
【0136】温度23℃/湿度60%RHの環境下で
6,000枚複写したところ、初期から画像濃度1.4
0±0.03の鮮明な画像が得られた。
【0137】次に、温度15℃/湿度10%RHの低温
低湿環境下で6,000枚の複写を行ったが、初期から
画像濃度1.40±0.03の良好な画像が得られた。
【0138】さらに、温度30℃/湿度80%RHの高
温高湿環境下で3,000枚の複写テストを行った。初
期から画像濃度1.35±0.03の良好な画像が得ら
れた。高温高湿環境下で4日間放置後、3,000枚の
複写を行った。再開1枚目から、1.35±0.03の
良好な画像が得られ、放置による画像濃度低下は観測さ
れなかった。高温高湿下における磁性トナーの摩擦帯電
量の復帰特性を表1に示す。
【0139】実施例8 実施例7において、鉄化合物(1)の代わりに鉄化合物
(2)((NH + 4とNa+とH+のモル比=0.93:
0.04:0.03)を1部用いる他は、実施例7と同
様にして一成分系磁性トナーを得た。磁性トナーは、飽
和磁化が28Am2/kgであり、保磁力が90エルス
テッドであった。
【0140】得られた一成分系磁性トナーを市販のレー
ザービームプリンターLBP−KT(キヤノン(株)
製)を用いて、実施例7と同一の複写テストを行った。
【0141】温度23℃/湿度60%RHの環境下で
6,000枚複写したところ、初期から画像濃度1.4
0±0.05の鮮明な画像が得られた。
【0142】次に、温度15℃/湿度10%RHの低温
低湿環境下で6,000枚の複写を行ったが、初期から
画像濃度1.40±0.05の良好な画像が得られた。
【0143】さらに、温度30℃/湿度80%RHの高
温高湿環境下で3,000枚の複写テストを行った。初
期から画像濃度1.35±0.05の良好な画像が得ら
れた。高温高湿環境下で4日間放置後、3,000枚の
複写を行った。再開1枚目から、1.35±0.05の
良好な画像が得られ、放置による画像濃度低下は観測さ
れなかった。高湿環境下における磁性トナーの摩擦帯電
量の復帰特性を表1に示す。
【0144】実験例2 スチレン−ブチルメタクリレート共重合体(重量平均分子量25万)100部 (第1ピーク:分子量10,000、第2ピーク:分子量70,000) 磁性体(平均粒径0.2μm,保磁力140エルステッド) 80部 サゾールワックス 3部 鉄化合物(11) 2部
【0145】上記材料をブレンダーでよく混合した後、
130℃に設定した2軸混練押出機にて混練した。得ら
れた混練物を冷却後、粗粉砕し、ジェット気流を用いた
微粉砕機を用いて粗粉砕物を微粉砕した。さらに、得ら
れた微粉砕品をコアンダ効果を利用した多分割分級装置
(日鉄鉱業社製エルボジェット分級機)で超微粉及び粗
粉を同時に厳密に分級除去して、重量平均粒径8.5μ
mの黒色微粉体(負帯電性磁性トナー)を得た。
【0146】この磁性トナーの飽和磁化は28Am2
kgであり、保磁力は140エルステッドであった。
【0147】得られた磁性トナー100部と疎水性シリ
カ微粉体(BET比表面積200m2/g)0.6部と
を、ヘンシェルミキサーで混合して、疎水性シリカ微粉
体を有する重量平均粒径8.5μmの一成分磁性トナー
を得た。
【0148】得られた一成分系磁性トナーを市販の電子
写真複写機NP−6060(キヤノン(株)製)にて、
常温常湿環境下で20,000枚の複写テストを実施し
た。
【0149】初期から画像濃度1.40の鮮明な画像が
得られた。20,000枚複写後の画像も濃度1.39
の鮮明なものであった。画像の解像性も初期の6.3本
/mmを維持していた。
【0150】磁性トナーの摩擦帯電量をブローオフ法で
測定したところ−10.8μC/gであった。粒径1
0.8μm以上の粗粉量は、複写前が25重量%であ
り、20,000枚複写後が28重量%であり、ほとん
ど変動がなかった。
【0151】次に、温度15℃/湿度10%RHの低温
低湿環境下で20,000枚の複写テストを行ったとこ
ろ、初期から画像濃度1.38±0.03の良好な画像
が得られた。
【0152】さらに、温度30℃/湿度80%RHの高
温高湿環境下で10,000枚の複写テストを行った。
初期から画像濃度1.32±0.03の良好な画像が得
られた。引き続き高温高湿環境下で4日間放置後、1
0,000枚の複写を行った。再開1枚目から、1.3
2±0.03の良好な画像が得られた。高湿環境下にお
ける磁性トナーの摩擦帯電量の復帰特性を表1に示す。
【0153】実施例9 実験例2よりも保磁力の高い磁性体(平均粒径0.2μ
m,保磁力180エルステッド)を用いる他は、実施例
1と同様にして重量平均粒径8.5μmの磁性トナーを
得た。得られた磁性トナーの飽和磁化は33Am2/k
gであり保磁力は180エルステッドであった。
【0154】得られた磁性トナーを実験例2と同様に複
写テストをした。
【0155】その結果、初期から画像濃度1.41の鮮
明な画像が得られた。20,000枚複写後の画像も濃
度1.37の鮮明なものであった。ただし、画像の解像
性は初期は6.3本/mmであったが、20,000枚
複写後は5.6本/mmに低下した。
【0156】磁性トナーの摩擦帯電量をブローオフ法測
定したところ−11.3μC/gであった。粒径10.
8μm以上の粗粉量は、複写前が23重量%であり、2
0,000枚複写後が30重量%であり、若干増加し
た。
【0157】次に、温度15℃/湿度10%RHの低温
低湿環境下で20,000枚の複写テストを行ったとこ
ろ、初期から画像濃度1.35±0.03の良好な画像
が得られた。
【0158】さらに、温度30℃/湿度80%RHの高
温高湿環境下で10,000枚の複写テストを行った。
初期から画像濃度1.31±0.03の良好な画像が得
られた。引き続き高温高湿環境下で4日間放置後、1
0,000枚の複写を行った。再開1枚目から、1.3
1±0.03の良好な画像が得られた。高温高湿環境下
における磁性トナーの摩擦帯電量の復帰特性を表1に示
す。
【0159】比較例1 鉄化合物(11)のかわりに下記鉄化合物(18)
【0160】
【化12】 を用いることを除いて実験例2と同様にして一成分系磁
性トナーを得た。
【0161】得られた一成分系磁性トナーの飽和磁化は
28Am2/kgであり、保磁力は140エルステッド
であった。
【0162】得られた磁性トナーを実施例9と同様にし
て複写テストをした。
【0163】複写初期においては画像濃度1.37の鮮
明な画像が得られたが、20,000枚複写後は画像濃
度1.25に低下した。画像の解像性も初期は6.3本
/mmであったが、20,000枚複写後は4.5本/
mmに低下した。磁性トナーの摩擦帯電量をブローオフ
法で測定したところ−9.3μC/gであった。粒径1
0.8μm以上の粗粉量は、複写前が25重量%であ
り、20,000枚複写後では39重量%に増加してい
た。
【0164】次に、温度15℃/湿度10%RHの低温
低湿環境下で20,000枚の複写テストを行ったとこ
ろ、初期の画像濃度1.35が1.21に低下した。
【0165】さらに、温度30℃/湿度80%RHの高
温高湿環境下で10,000枚の複写テストを行ったと
ころ、初期の画像濃度1.25が1.1に低下した。高
湿環境下における磁性トナーの摩擦帯電量の復帰特性を
表1に示す。
【0166】比較例2 鉄化合物(11)のかわりに下記鉄化合物(19)
【0167】
【化13】 を用いることを除いて実験例2と同様にして一成分系磁
性トナーを得た。
【0168】得られた磁性トナーの飽和磁化は28Am
2/kgであり、保磁力は140エルステッドであっ
た。
【0169】得られた磁性トナーを実験例2と同様にし
て複写テストをした。
【0170】複写初期においては画像濃度1.35の鮮
明な画像が得られたが、20,000枚複写後は濃度
1.21に低下した。画像の解像性も初期は6.3本/
mmであったが、20,000枚複写後は4.0本/m
mに低下した。磁性トナーの摩擦帯電量をブローオフ法
で測定したところ−8.8μC/gであった。粒径1
0.8μm以上の粗粉量は、複写前が27重量%であ
り、20,000枚複写後では43重量%に増加してい
た。
【0171】次に、温度15℃/湿度10%RHの低温
低湿環境下で20,000枚の複写テストを行ったとこ
ろ、初期の画像濃度1.35が1.23に低下した。
【0172】さらに、温度30℃/湿度80%RHの高
温高湿環境下で10,000枚の複写テストを行ったと
ころ、初期の画像濃度1.15が1.00に低下した。
高湿環境下における磁性トナーの摩擦帯電量の復帰特性
を表1に示す。
【0173】比較例3 実施例9よりも保磁力の高い磁性体(保磁力300エル
ステッド)を用いる他は実験例2と同様にして一成分系
磁性トナーを得た。一成分系磁性トナーの飽和磁化は3
1Am2/kg、保磁力は300エルステッドであっ
た。
【0174】得られた一成分系磁性トナーを実験例2と
同様にして複写テストをした。
【0175】複写初期においては濃度1.39の鮮明な
画像が得られたが、20,000枚複写後の画像は濃度
1.22に低下した。画像の解像性は初期は6.3本/
mmであったが、20,000枚複写後は4.5本/m
mに低下した。
【0176】磁性トナーの摩擦帯電量をブローオフ法で
測定したところ−10.1μC/gであった。粒径1
0.8μm以上の粗粉量は、複写前が26重量%であ
り、20,000枚複写後には44重量%に増加した。
【0177】次に、温度15℃/湿度10%RHの低温
低湿環境下で20,000枚の複写テストを行ったとこ
ろ、初期の画像濃度1.39が1.25に低下した。
【0178】さらに、温度30℃/湿度80%RHの高
温高湿環境下で10,000枚の複写テストを行ったと
ころ、初期の画像濃度1.35が1.21に低下した。
高湿環境下における磁性トナーの摩擦帯電量の復帰特性
を表1に示す。
【0179】比較例4 平均粒径が0.2μmであり、飽和磁化が30Am2
kgであり、保磁力が140エルステッドの磁性体を使
用し、磁性体量を150部に変更する以外は実験例2と
同様にして一成分系磁性トナーを得た。得られた一成分
系磁性トナーの飽和磁化は18Am2/kg、保磁力は
140エルステッドであった。
【0180】得られた一成分系磁性トナーを実験例2と
同様にして複写テストをした。
【0181】初期濃度は1.12であり、20,000
枚複写後の濃度は0.91とさらに低下した。画像もカ
ブリが多く不鮮明なものであった。画像の解像性は初期
は4.5本/mm、20,000枚複写後は3.2本/
mmにさらに悪化した。
【0182】磁性トナーの摩擦帯電量をブローオフ法で
測定したところ、−5.4μC/gであった。粒径1
0.8μm以上の粗粉量は、複写前が25重量%であ
り、20,000枚複写後には48重量%に増加した。
高湿環境下における磁性トナーの摩擦帯電量の復帰特性
を表1に示す。
【0183】実験例3 スチレン−ブチルメタクリレート共重合体(重量平均粒径25万) 100部 磁性体(平均粒径0.2μm,保磁力120エルステッド) 100部 低分子量ポリプロピレンワックス 3部 鉄化合物(12) 1部
【0184】上記材料を用い実験例2と同様にして、重
量平均粒径6.5μmの黒色微粉体(磁性トナー)を得
た。
【0185】この磁性トナーの飽和磁化は32Am2
kgであり、保磁力は120エルステッドであった。
【0186】得られた磁性トナー100部と疎水性シリ
カ(BET比表面積200m2/g)1.0部とをヘン
シェルミキサーで混合して一成分系磁性トナーを得た。
【0187】得られた一成分系磁性トナーを市販のレー
ザービームプリンターLBP−KT(キヤノン(株)
製)にて、6,000枚の複写テストを実施した。
【0188】その結果、複写初期から画像濃度1.42
の鮮明な画像が得られた。6,000枚複写後の画像も
濃度1.45の鮮明なものであった。画像の解像性も初
期の7.1本/mmを維持していた。
【0189】磁性トナーの摩擦帯電量をブローオフ法で
測定したところ、−16.3μC/gであった。粒径
8.0μm以上の粗粉量は、複写前が10重量%であ
り、6,000枚複写後が12重量%であり、ほとんど
変動がなかった。高湿環境下における磁性トナーの摩擦
帯電量の復帰特性を表1に示す。
【0190】実験例4 磁性体量を150部に変更する他は実験例3と同様にし
て一成分系磁性トナーを得た。得られた一成分系磁性ト
ナーの飽和磁化は42Am2/kg、保磁力は120エ
ルステッドであった。
【0191】得られた一成分系磁性トナーを実験例3と
同様にしてプリントテストをした。
【0192】その結果、複写初期から画像濃度1.34
の鮮明な画像が得られた。6,000枚複写後の画像も
濃度1.32の鮮明なものであった。しかし、画像の解
像性は、初期7.1本/mmであったものが6,000
枚複写後は5.6本/mmに低下した。
【0193】磁性トナーの摩擦帯電量をブローオフ法で
測定したところ、−12.1μC/gであった。粒径
8.0μm以上の粗粉量は、複写前が12重量%であ
り、6,000枚複写後が17重量%であり、若干増加
した。高湿環境下における磁性トナーの摩擦帯電量の復
帰特性を表1に示す。
【0194】実験例5 スチレン−ブチルメタクリレート共重合体(重量平均分子量35万)100部 (ピーク1:分子量8,000、ピーク2:分子量150,000) 磁性体(平均粒径0.2μm,保磁力110エルステッド) 80部 サゾールワックス 3部 鉄化合物(13) 3部
【0195】上記材料を用い実験例2と同様にして、重
量平均粒径7.5μmの黒色微粉体(負帯電性磁性トナ
ー)を得た。
【0196】この磁性トナーの飽和磁化は30Am2
kgであり、保磁力は110エルステッドであった。
【0197】得られた磁性トナー100部と疎水性シリ
カ(BET比表面積200m2/g)0.8部とをヘン
シェルミキサーで混合して一成分系磁性トナーとした。
【0198】得られた磁性トナーを市販の電子写真複写
機NP−6060(キヤノン(株)製)にて、20,0
00枚の複写テストを実施した。
【0199】その結果、複写初期から画像濃度1.38
の鮮明な画像が得られた。20,000枚複写後の画像
も濃度1.40の鮮明なものであった。画像の解像性も
初期の6.3本/mmを維持していた。
【0200】磁性トナーの摩擦帯電量をブローオフ法で
測定したところ、−11.2μC/gであった。粒径1
0.8μm以上の粗粉量は、複写前が33重量%であ
り、20,000枚複写後では35重量%であり、ほと
んど変動がなかった。高湿環境下における磁性トナーの
摩擦帯電量の復帰特性を表1に示す。
【0201】
【表1】
【0202】
【発明の効果】本発明の磁性トナーは、良好な摩擦帯電
能を有し、環境安定性・放置安定性に優れ、しかも多数
枚複写によるトナーの粒径変化が少ないため、連続複写
による画質の劣化が著しく少ない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の磁性トナーを適用し得る現像装置の一
具体例を示す説明図である。
【図2】磁性トナーの摩擦帯電量を測定するための測定
装置の概略的説明図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭61−155464(JP,A) 特開 昭63−281169(JP,A) 特開 昭62−296155(JP,A) 特開 平4−184354(JP,A) 特開 平2−153362(JP,A) 特開 昭60−26953(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G03G 9/083,9/08

Claims (15)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも結着樹脂,磁性体及び下記一
    般式(I)で示される鉄化合物を含有し、飽和磁化が2
    0〜50Am2/kgであり、保磁力が40〜200エ
    ルステッドであることを特徴とする静電荷像現像用磁性
    トナー。 【化1】
  2. 【請求項2】 アルカリ金属イオンが、ナトリウムイオ
    ンまたはカリウムイオンである請求項1に記載の磁性ト
    ナー。
  3. 【請求項3】 磁性体は下記式 MT=−(10/3)×d+(70±15) [式中、MTは磁性体の含有量(重量%)を示し、dは
    磁性トナーの重量平均粒径(μm)を示す。但し、dは
    9μm以下である。]を満足する含有量で含まれている
    請求項1または2に記載の磁性トナー。
  4. 【請求項4】 A+は、70モル%以上のアンモニウム
    イオンを有する請求項1乃至3のいずれかに記載の磁性
    トナー。
  5. 【請求項5】 A+は、80〜98モル%のアンモニウ
    ムイオンを有している請求項4に記載の磁性トナー。
  6. 【請求項6】 A+は、85〜95モル%のアンモニウ
    ムイオンを有している請求項5に記載の磁性トナー。
  7. 【請求項7】 磁性トナーは、負の摩擦帯電性を有する
    請求項1乃至のいずれかに記載の磁性トナー。
  8. 【請求項8】 鉄化合物は、結着樹脂100重量部当り
    0.1〜10重量部含まれている請求項1乃至のいず
    れかに記載の磁性トナー。
  9. 【請求項9】 鉄化合物は、下記式で示されるものであ
    る請求項1乃至8のいずれかに記載の磁性トナー。 【化2】
  10. 【請求項10】 a1は0.8〜0.98であり、b1
    0.01〜0.19であり、c1は0.01〜0.19
    である請求項に記載の磁性トナー。
  11. 【請求項11】 a1は0.85〜0.95であり、b1
    は0.01〜0.14であり、c1は0.01〜0.1
    4である請求項に記載の磁性トナー。
  12. 【請求項12】 磁性トナーは、飽和磁化が20〜50
    Am 2 /kgであり、保磁力が40〜200エルステッ
    ドである請求項1乃至11のいずれかに記載 の磁性トナ
    ー。
  13. 【請求項13】 磁性トナーは、飽和磁化が25〜40
    Am 2 /kgであり、保磁力が50〜150エルステッ
    ドである請求項1乃至11のいずれかに記載の磁性トナ
    ー。
  14. 【請求項14】 磁性トナーは、重量平均粒径が3〜9
    μmである請求項1乃至13のいずれかに記載の磁性ト
    ナー。
  15. 【請求項15】 磁性トナーは、重量平均粒径が5〜9
    μmである請求項1乃至13のいずれかに記載の磁性ト
    ナー。
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