JP2673527B2 - 静電荷像現像用現像剤 - Google Patents

静電荷像現像用現像剤

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JP2673527B2 JP63044368A JP4436888A JP2673527B2 JP 2673527 B2 JP2673527 B2 JP 2673527B2 JP 63044368 A JP63044368 A JP 63044368A JP 4436888 A JP4436888 A JP 4436888A JP 2673527 B2 JP2673527 B2 JP 2673527B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、電子写真,静電記録の如き画像形成方法に
おける静電荷潜像を顕像化するための磁性トナーに関す
る。
[従来の技術] 近年、電子写真複写機等画像形成装置が広く普及する
に従い、その用途も多種多用に広がり、その画像品質へ
の要求も厳しくなってきている。例えば一般の書類,書
物の如き画像の複写では、微細に文字に至るまで、つぶ
れたり、とぎれたりすることなく、極めて微細且つ忠実
に再現することが求められている。
しかし、画像形成装置が有する観光体上の潜像が100
μm以下の線画像の場合に細線再現性が一般に悪く、線
画像の鮮明さがいまだ充分ではない。
また、最近、デジタルな画像信号を使用している電子
写真プリンターの如き画像形成装置では、潜像は一定電
位のドットが集まって形成されており、ベタ部,ハーフ
トーン部およびライト部はドット密度をかえることによ
って表現されている。
ところが、ドットに忠実にトナー粒子がのらず、ドッ
トからトナー粒子がはみ出した状態では、デジタル潜像
の黒部と白部のドット密度の比に対応するトナー画像の
階調性が得られないという問題点がある。さらに、画質
を向上させるために、ドットサイズを小さくして解像度
を向上させる場合には、微小なドットから形成される潜
像の再現性がさらに困難になり、解像度及び階調性の悪
い、シャープネスさに欠けた画像となる傾向がある。
また、初期においては、良好な画質であるが、コピー
またはプリントアウトを続けているうちに、画質が劣悪
化してゆくことがある。この現像はコピーまたはプリン
トアウトを続けるうちに、画像されやすいトナー粒子の
みが先に消費され、現像機中に、現像性の劣ったトナー
粒子が蓄積し残留することによって起こると考えられ
る。
これまでに、画質を良くするという目的のために、い
くつかの現像剤が提案されている。
特開昭51−3244号公報では、粒度分布を規制して、画
質の向上を意図した非磁性トナーが提案されている。該
トナーにおいて、8〜12mmの粒径を有するトナーが主体
であり、比較的粗く、この粒径では本発明者らの検討に
よると、潜像への均密なる“のり”は困難であり、か
つ、5μm以下が30個数%以下であり、20μm以上が5
個数%以下であるという特性から、粒径分布はブロード
であるという点も均一制を低下させる傾向がある。この
ような粗めのトナー粒子であり、且つブロードな粒度分
布を有するトナーを用いて、鮮明なる画像を形成するた
めには、トナー粒子を厚く重ねることでトナー粒子間の
間隙を埋めて見かけの画像濃度を上げる必要があり、所
定の画像濃度を出すために必要なトナー消費量が増加す
るという問題点も有している。
また、特開昭54−72054号公報では、前者よりもシャ
ープな分布を有する非磁性トナーが提案されているが、
中間の重さの粒子の寸法が8.5〜11.0μmと粗く、高解
像性のトナーとしては、いまだ改良すべき余地を残して
いる。
特開昭58−129437号公報では、平均粒径が6〜10μm
であり、最多粒子が5〜8μである非磁性トナーが提案
されているが、5μm以下の粒子が15個数%以下とな
り、少なく鮮鋭さの欠けた画像が形成される傾向があ
る。
また、米国特許4,299,900号明細書では、20〜35μm
の磁性トナーを10〜50重量%有する現像剤を使用するジ
ャンピング現像法が提案されている。すなわち、磁性ト
ナーを摩擦帯電させ、スリーブ上にトナー層を均一に薄
く塗布し、さらに現像剤の耐環境性を向上させるために
適したトナー粒径の工夫がなされている。しかしなが
ら、細線再現性,解像力等のさらに厳しい要求を考える
と、十分なものではなく、さらに改良が求められてい
る。
[発明が解決しようとする課題] 本発明者らは、このような中で磁性トナーの長い穂
(トナー粒子鎖)および乱れた穂が現像領域内のスリー
ブ表面に存在することが問題であることが知見され、こ
の点を究明を行い、本発明に到達したものである。
本発明者らの検討によれば、5μm以下のトナー粒子
が、潜像の輪郭を明確に再現し、且つ潜像全体への緻密
なトナーののりの主要なる機能をもつことが知見され
た。特に、感光体上の静電荷潜像においては電気力線の
集中のため、輪郭たるエッジ部は、内部より電解強度が
高く、この部分に集まるトナー粒子の質により、画像の
鮮鋭さが決まる。本発明者らの検討によれば5μm以下
の粒子の量が画質の鮮鋭さの問題点の解決に有効である
ことが判明した。
しかしながら、トナーの粒径を小さくすると、トナー
粒子の単位重量当たりの単位表面積が大きくなる為に、
粒子当たりの帯電量は大きくなる。このため、粒径を小
さくするにつれ磁性トナーは摩擦帯電による帯電量が大
となり、次第に帯電過剰となってしまう。
従って、ただ単に従来使用されている様なトナーを小
さい粒径化するだけでは、帯電過剰となる傾向があり、
低湿下,高速機等での使用時には帯電量がさらに増大
し、かぶりの増加,ガサツキ,飛び散り,画像濃度低下
を引き起こす場合が多い。
また、トナーコートが薄く均一であって、スリーブコ
ートむらに対して有利である小粒径磁性トナーであって
も、厳しい使用条件下では、スリーブコートむらを発生
してしまうことがある。
以上の事から、いかなる使用条件下、すなわち、ある
ゆる環境下,機種においても、小粒径磁性トナーによっ
て達成される画質を長期間にわたり維持する現像剤が必
要である。
本発明の目的は上述のごとき問題点を解決した現像剤
を提供することである。
さらに、本発明の目的は、画像濃度が高く、細線再現
性,階調性の優れた現像剤を提供することである。
さらに本発明の目的は、長時間の使用で性能の変化の
ない現像剤を提供することである。
さらに本発明の目的は、環境変動に対して性能の変化
のない磁性トナーを提供することである。
さらに本発明の目的は、クリーニング性に優れ、かつ
感光体の長寿命化に優れた現像剤を提供することであ
る。
さらに、本発明の目的は、少ない消費量で、高い画像
濃度をえることの可能な現像剤を提供することである。
さらに、本発明の目的は、デジタルな画像信号による
画像形成装置においても、解像性,階調性,細線再現性
に優れたトナー画像を形成し得る現像剤を提供すること
である。
[課題を解決するための手段及び作用] より詳細には、本発明は、結着樹脂及び磁性粉を少な
くとも有する磁性トナーを含有する静電荷像現像用現像
剤であり、該磁性トナーにおいて、5μm以下の粒径を
有する磁性トナー粒子が12〜60個数%含有され、8〜1
2.7μmの粒径を有する磁性トナー粒子が1〜33個数%
含有され、16μm以上の粒径を有する磁性トナー粒子
が、2.0体積%以下で含有され、磁性トナーの体積平均
粒径が4〜10μmであり、さらに、鉄粉との摩擦帯電特
性が50μc/g(絶対値)以下であり、個数平均粒径が0.5
μm以下である帯電緩和剤粉末としての炭素同素体また
は金属酸化物を含有し、かつフッ素含有樹脂微粒子を含
有することを特徴とする静電荷像現像用現像剤に関す
る。
上記の粒度分布を有する本発明の磁性トナーは、感光
体上に形成された潜像された細線に至るまで、忠実に再
現することが可能であり、網点およびデジタルのような
ドト潜像の再現にも優れ階調性及び解像性にすぐれた画
像を与える。さらに、コピーまたはプリントアウトを続
けた場合でも高画質を保持し、且つ、高濃度の画像の場
合でも、従来の磁性トナーより少ないトナー消費量で良
好な現像をおこなうことが可能であり、経済性および、
複写機またはプリンター本体の小型化にも利点を有する
ものである。
本発明の磁性トナーにおいて、このような効果が得ら
れる理由は、必ずしも明確でないが、以下のように推定
される。
すなわち、本発明の磁性トナーにおいては、5μm以
下の粒径の磁性トナー粒子が12〜60個数%であることが
一つの特徴である。従来、磁性トナーにおいては5μm
下の磁性トナー粒子は、帯電量コントロールが原因であ
ったり、磁性トナーの流動性を損ない、また、トナー飛
散して機械を汚す部分として、さらに、画像のかぶりを
生ずる成分として、積極的に減少することが必要である
と考えられていた。
しかしながら、本発明者らの検討によれば、5μm以
下の磁性トナー粒子が高品質な画質を形成するための必
須の成分であることが判明した。
例えば、0.5μm〜30μmにわたる粒度分布を有する
磁性トナーを用いて、感光体上の表面電位を変化し、多
数のトナー粒子が現像され易い大きな現像電位コントラ
ストから、ハーフトーンへ、さらにごくわずかのトナー
粒子しが現像されない小さな現像電位コントラストま
で、感光体上の表面電位を変化させた潜像を現像し、感
光体上の現像されたトナー粒子を集め、トナー粒度分布
を測定したところ、8μm以下の磁性トナー粒子が多
く、特に5μmの磁性トナー粒子が多いことが判明し
た。すなわち、現像に最も適した5μm下の粒径の磁性
トナー粒子が感光体のせ像の現像に円滑に供給される場
合に潜像に忠実であり、潜像からはみ出すことなく、真
に再現性の優れた画像がえられるものである。
また、本発明の磁性トナーにおいては、8〜12.7μm
の範囲の粒子が1〜33個数%であることが一つの特徴で
ある。これは、前述のごとく、5μm以下の粒径の磁性
トナー粒子の存在の必要性と関係があり、5μm以下の
粒径の磁性トナー粒子は、潜像を厳密に覆い、忠実に再
現する能力を有するが、潜像自身において、その周囲の
エッジ部の電界強度が中央部よりも高く、そのため、潜
像内部がエッジ部より、トナー粒子ののりが薄くなり、
画像濃度が薄く見えることがある。特に、5μm以下の
磁性トナー粒子は、その傾向が強い。しかしながら、本
発明者らは、8〜12.7μmの範囲のトナー粒子を1個数
%〜33個数%含有させることによって、この問題を解決
し、さらに鮮明にできることを知見した。すなわち、8
〜12.7μmの粒径の範囲のトナー粒子が5μm以下の粒
径の磁性トナー粒子に対して、適度にコントロールされ
た帯電量をもつためと考えられるが、潜像のエッジ部よ
り電界強度の小さい内側に供給されて、エッジ部に対す
る内側のトナー粒子ののりの少なさを補って、均一なる
現像画像が形成され、その結果、高い濃度解像性及び階
調性の優れたシャープな画像が提供されるものである。
さらに、5μm以下の粒径について、その個性%
(N)と体積%(V)との間に、N/V=−0.04+K(但
し,4.5≦K≦6.5,12≦N≦60)なる関係を本発明の磁性
トナーが満足していることが好ましい。他の特徴と共
に、この範囲を満足する粒度分布の本発明の磁性トナー
はより優れた現像性を達成しうる。
本発明者らは、5μm以下の粒度分布の状態を検討す
る中で、上記式で示すような最も目的を達成するように
適した微粉の存在状態があることを知見した。すなわ
ち、あるNの値に対して、N/Vが大きいということは、
5μm以下荷の粒子まで広く含んでいることを示してお
り、N/Vが小さいということは、5μm付近の粒子の存
在率が高く、それ以下の粒径の粒子が少ないことを示し
ていると解され、N/Vの値が2.1〜5.82の範囲内にあり、
且つNが17〜60の範囲にあり、且つ上記関係式をさらに
満足する場合に、良好な細線再現性及び高解像性が達成
される。しかし、本発明の現像剤は、磁性トナーの範囲
に余裕をもたせるものであり、この範囲を外れても悪く
なることは少ない。
また、16μm以上の粒径の磁性トナー粒子について
は、2.0体積%以下にし、できるだけ少ないことが好ま
しい。
従来の観点とは全く異なった考え方によって、本発明
の磁性トナーは従来の問題点を解決し、最近の厳しい高
画質への要求にも耐えることを可能としたものである。
本発明の構成について、さらに詳しく説明をする。
5μm以下の粒径の磁性トナー粒子が全粒子数の12〜
60個数%であることが良く、好ましくは25〜50個数%が
良く、さらに好ましくは30〜50個数%が良い。5μm以
下の粒径の磁性トナー粒子が12個数%以下であると、高
画質に有効な磁性トナー粒子が少なく、特に、コピーま
たはプリントアウトを続けることによってトナーが使わ
れるに従い、有効な磁性トナー粒子成分が減少して、本
発明で示すところの磁性トナーの粒度分布のバランスが
悪化し、画質がしだいに低下してくる。また、60個数%
以上であると軸性トナー粒子相互の凝集状態が生じやす
く本来の粒径以上のトナー塊となるため、荒れた画質と
なり、解像性を低下させ、または潜像のエッジ部と内部
との濃度差が大きくなり、中ぬけ気味の画像となりやす
い。
8〜12.7μmの粒子が1〜33個数%であることが良
く、好ましくは8〜20個数%が良い。33個数%より多い
と、画質が悪化すると共に、必要以上の画像、すなわ
ち、トナーののりすぎが起こり、トナー消費量の増大を
まねく。一方、1個数%以下であると、高画像濃度が得
られにくくなる。
また、前述したように、5μm以下の粒径の磁性トナ
ー粒子群の個数%(N%),体積%(V%)の間には、
充足することが好ましい、N/V=−0.04N+Kなる関係が
ある。この関係において、Kは前述の通り4.5≦K≦6.5
の範囲の正数であるが、好ましくは4.5≦K≦6.0であ
り、Nは先に示したように17≦N≦60であるが、好まし
くは25≦N≦50である。
K<4.5では,5.0μmより小さな粒径のの磁性トナー
粒子数が少なく、画像濃度,解像性,鮮鋭で劣ったもの
となる。従来、不要と考えがちであった微細な磁性トナ
ー粒子の適度な存在が、現像において、トナーの最密充
填化を果たし、粗れない均一な画像を形成するのに貢献
する。特に細線及び画像の輪郭部を均一に埋めることに
より、視覚的にも鮮鋭さをより助長するものである。す
なわち、K<4.5では、この粒度分布成分の不足に起因
して、これらの特性の点で劣ったものとなる。
別の面からは、生産上も、K<4.5の条件を満足する
には分級等によって、多量の微粉をカットする必要があ
り、収率及びトナーコストの点でも不利なものとなる。
また、K>6.5では、必要以上の微粉の存在によって、
くり返しコピーをつづけるうちに、画像濃度が低下する
傾向がある。この様な現象は、必要以上の荷電をもった
過剰の微粉状磁性トナー粒子が現像スリーブ上に帯電付
着して、正常な磁性トナーの現象スリーブへの担持およ
び荷電付与を阻害することによつて発生すると考えられ
る。
16μm以上の粒径の磁性トナー粒子は2.0体積%以下
であることが良く、さらに好ましくは1.0体積%以下で
あり、さらに好ましくは0.5体積%以下である。2.0体積
%より多いと、細線再現における妨げになるばかりでな
く、転写において、感光体上に現像されたトナー粒子の
薄層面に16μm以上の粗めのトナー粒子が突出して存在
することで、トナー層を介した感光体と転写紙間の微妙
な密着状態を不規則なものとして、転写条件の変動をひ
きおこし、転写不良画像を発生する要因となる。
磁性トナーの体積平均径は4〜10μm、好ましくは4.
9μmであり、この値は先にのべた各構成要素と切りは
なして考えることはできないものである。体積平均粒径
4μm以下では、グラフィック画像などの画像面積比率
の高い用途では、転写紙上のトナーののり量が少なく、
画像濃度の低いという問題点が生じやすい。これは、先
に述べた潜像におけるにおけるエッジ部に対して、内部
の濃度が下がる理由と同じ原因によると考えられる。体
積平均粒径10μm以上では解像度が良好でなく、また複
写の初めは良くとも使用を続けていると画質低下を発生
しやすい。
本発明の磁性トナーの真密度は、1.30〜1.90g/cm3
あることが好ましく、さらに好ましくは1.40〜1.80g/cm
3である。この範囲において、本発明の特定の粒度分布
を有する磁性トナーは、高画質および耐久安定性という
点で最も効果を発揮しうる。磁性トナーの真密度が1.30
より小さいと、磁性トナーそのものの重さが軽すぎて反
転かぶりおよびトナー粒子ののりすぎによる細線のつぶ
れ,飛びちり、解像力の悪化が発生しやすくなる。ま
た、磁性トナーの真密度1.90より大きいと画像濃度がう
すく、細線のとぎれなど鮮鋭さの欠けた画像となり、ま
た相対的に磁気力も大きくなるため、トナーの穂も長く
なったり分枝状になったりしやすく、この場合、潜像を
現像したとき画質を乱し粗れた画像となりやすい。
さらに良好な現像特性を得るために、本発明の磁性ト
ナーは、残留時価σが0.5〜6emu/g、飽和磁化σが1
5〜40emu/gであり、抗磁力Hcが20〜100エステッド
(Oe)(いずれも測定磁場は1KOeである)の磁気特性を
満足することが好ましい。
本発明のトナーに使用される結着樹脂としては、オイ
ル塗布する装置を有する加熱加圧ローラ定着装置を使用
する場合には、下記トナー用結着樹脂の使用が可能であ
る。
例えば、ポリスチレン,ポリ−p−クロルスチレン,
ポリビニルトルエンなどのスチレン及びその置換体の単
重合体:スチレン−p−クロルスチレン共重合体,スチ
レン−ビニルトルエン共重合体,スチレン−ビニルナフ
タリン共重合体,スチレン−アクルリ酸エステル共重合
体,スチレンメタクリル酸エステル共重合体,スチレン
−α−クロルメタクリル酸メチル共重合体,スチレン−
アクリロニトリル共重合体,スチレン−ビニルメチルエ
ーテル共重合体,スチレン−ビニルエチルエーテル共重
合体,スチレン−ビニルメチルケトン共重合体,スチレ
ン−ブタジエン共重合体,スチレン−イソプレン共重合
体,スチレン−アクリロニトリル−インデン共重合体な
どのスチレン系共重合体;ポリ塩化ビニル,フェノール
樹脂,天然変性フェノール樹脂,天然樹脂変性マレイン
酸樹脂,アクリル樹脂,メタクリル樹脂,ポリ酢酸ビニ
ール,シリコーン樹脂,ポリエステル樹脂,ポリウレタ
ン,ポリアミド樹脂,フラン樹脂,エポキシ樹脂,キシ
レン樹脂,ポリビニルブチラール,テルペン図示,クマ
ロンインデン樹脂,石油系樹脂などが使用できる。
オイルを殆ど塗布しない加熱加圧ローラ定着方式にお
いては、トナー像支持体部材上のトナー像の一部がロー
ラに転移するいわゆるオフセット現像,及びトナー像支
持部材に対するトナーの密着性が重要な問題である。よ
り少ない熱エネルギーで定着するトナーは、通常保存中
もしくは現像器中でブロッキングもしくはケーキングし
易い性質があるので、同時にこれらの問題も考慮しなけ
ればならない。これらの現象にはトナー中の結着樹脂の
物性が最も大きく関与しているが、本発明者らの研究に
よれば、トナー中の磁性体の含有量を減らすと、定着時
にトナー像支持部材に対するトナーの密着性は良くなる
が、オフセットが起こり易くなり、またブロッキングも
しくはケーキングも生じ易くなる。それゆえ、本発明に
おいてオイルを殆ど塗布しない加熱加圧ローラ定着方式
を用いる時には、結着樹脂の選択がより重要である。好
ましい結着物質としては、華僑されたスチレン系共重合
体もしくは架橋されたポリエステルがある。
スチレン系共重合体のスチレンモノマーに対するコモ
ノマーとしては、例えば、アクリル酸,アクリル酸メチ
ル,アクリル酸エチル,アクリル酸ブチル,アクリル酸
ドデシル,アクリル酸オクチル,アクリル酸−2−エチ
ルヘキシル,アクリル酸フェニル,メタクリル酸,メタ
クリル酸メチル,メタクリル酸,エチル.メタクリル酸
ブチル,メタクリル酸オクチル,アクリロニトリル,メ
タクリニトリル,アクリルアミドなどのような二重結合
を有するモノカルボン酸もしくはその置換体;例えば、
マレイン酸,マレイン酸ブチル,マレイン酸メチル,マ
レイン酸ジメチルなどのような二重結合を有するジカル
ボン酸及びその置換体;例えば塩化ビニル,酢酸ビニ
ル,安息香酸ビニルなどのようなビニルエステル類;例
えばエチレン,プロピレン,ブチレンなどのようなエチ
ルン系オレフィン類;例えばビニルメチルケトン,ビニ
ルヘキシルケトンなどのようなビニルケトン類;例えば
ビニルメチルエーテル,ビニルエチルエーテル,ビニル
イソブチルエーテルなどのようなビニルエーテル類;等
のビニル単量体が単独もしくは2つ以上用いられる。
ここで架橋剤としては主として2個以上の重合可能な
二重結合を有する化合物が用いられ、例えば、ジビニル
ベンゼン,ジビニルナフタレンなどのような芳香族ジビ
ニル化合物;例えばエチレングリコールジアクリレー
ト、エチレングリコールジメタクリレート、1,3−ブタ
ンジオールジメタクリレートなどのような二重結合を2
個有するカルボン酸エステル;ジビニルアニリン,ジビ
ニルエーテル,ジビニルスルフィド,ジビニルスルホン
などのジビニル化合物;及び3個以上のビニル基を有す
る化合物;が単独もしくは混合物として用いられる。
また、加圧定着方式を用いる場合には、圧力定着トナ
ー用結着樹脂の使用が可能であり、例えばポリエチレ
ン,ポリプロピレン,ポリメチレン,ポリウレタンエラ
ストマー,エチレ−エチルアクリレート共重合体,エチ
レン−酢酸ビニル共重合体,アイオノマー樹脂,スチレ
ン−ブタジエン共重合体,スチレン−イソプレン共重合
体,線状飽和ポリエステル,パラフィンなどがある。
本発明の磁性トナーには荷電制御剤をトナー粒子に配
合(内添)、またはトナー粒子と混合(外添)して用い
ることが好ましい。荷電制御剤によって、現像システム
に応じた最適の電荷量コントロールが可能となり、特に
本発明では粒度分布と荷電とのバランスをさらに安定し
たものとすることが可能であり、荷電制御剤を用いるこ
とで先に述べたところの粒径範囲毎による高画質化のた
めの機能分離および相互補完性をより明確にすることが
できる。正荷電制御剤としては、ニグロシン及び脂肪酸
金属塩等による変成物;トリブチルベンジルアンモニウ
ム−1−ヒドロキシ−4−ナフトスルフォン酸塩,テト
ラブチルアンモニウムテトラフルオロボレートなどの四
級アンモニウム塩;ジブチルスズオキサイド,ジオクチ
ルスズオキサイド,ジシクロヘキシルスズオキサイドな
どのジオルガノスズオキサイド;ジブチルスズボレー
ト,ジオクチルスズボレート,ジシクロヘキシルスズレ
ボートなどのジオルガノスズボレートを単独であるいは
2種類以上組合せて用いることができる。これらの中で
も,ニグロシン系,四級アンモニウム塩の如き荷電制御
剤が特に好ましく用いられる。
また一般式 R1:H,CH3 R2,R3:置換または未置換のアルキル基(好ましくはC1
C4) で表わされるモノマーの単重合体:または前述したよう
なスチレン,アクリル酸エステル,メタクリル酸エステ
ルなどの重合性モノマーとの共重合体を正荷電性制御剤
として用いることができ、この場合これらの荷電制御剤
は、結着樹脂(の全部または一部)としての作用をも有
する。
本発明に用いることのできる負荷電性制御剤として
は、例えば有機金属錯体,キレート化合物が有効で、そ
の例としてはアルミニウムアセチルアセトナート,鉄
(II)アセチルアセトナート,3,5−ジターシャリーブチ
ルサリチル酸クロム等があり、特にアセチルアセトン金
属錯体,サリチル酸系金属錯体または塩が好ましく、特
にサリチル酸系金属錯体またはサリチル酸系金属塩が好
ましい。
上述した荷電制御剤(結着樹脂としての作用を有しな
いもの)は、微粒子状として用いることが好ましい。こ
の場合、この荷電制御剤の個数平均粒径は、具体的に
は、4μm以下(さらには3μm以下)が好ましい。
トナーに内添する際、このような荷電制御剤は、結着
樹脂100重量部に対して0.1〜20重量部(さらには0.2〜1
0重量部)用いることが好ましい。
本発明の磁性トナーにはシリカ微粉末を添加すること
が好ましい。本発明の特徴とするような粒度分布を有す
る磁性トナーでは、比表面積が従来のトナーより大きく
なる。摩擦帯電のために磁性トナー粒子と、内部に磁界
発生手段を有した円筒状の導電性スリーブ表面と接触せ
しめた場合、従来の磁性トナーよりトナー粒子表面とス
リーブとの接触回数は増大し、トナー粒子の摩耗やスリ
ーブ表面の汚染が発生しやすくなる。本発明に係る磁性
トナーと、シリカ微粉末を組み合せるとトナー粒子とス
リーブ表面の間にシリカ微粉末が介在することで摩耗は
著しく軽減される。これによって、磁性トナーおよびス
リーブの長寿命化がはかれると共に、安定した帯電性も
維持することができ、長期の使用にもより優れた磁性ト
ナーを有する現像剤とすることが可能である。さらに、
本発明で主要な役割を有する5μm下の粒系を有する磁
性トナー粒子は、シリカ微粉末の存在で、より効果を発
揮し、高画質な画像を安定して提供することができる。
シリカ微粉末としては、乾式法及び湿式法で製造した
シリカ微粉体をいずれも使用できるが、耐フィルミング
性,耐久性の点からは乾式法によるシリカ微粉体を用い
ることが好ましい。
ここで言う乾式法とは、ケイ素ハロゲン化合物の上記
相酸化により生成するシリカ微粉体の製造方法である。
例えば四塩化ケイ素ガスの酸素水素中における熱分介酸
化反応を利用する方法で、基礎となる反応式は次の様な
ものである。
SiCl4+2H2+O2→SiO2+4HCl 上記製造工程において例えば、塩化アルミニウムまた
は、塩化チタンなど他の金属ハロゲン化合物をケイ素ハ
ロゲン化合物と共に用いる事によってシリカと他の金属
酸化物の符号微粉末体を得る事も可能であり、それらも
包含する。
本発明に用いられる、ケイ素ハロゲン化合物の蒸気相
酸化により生成された市販のシリカ微粉体としては、例
えば、以下の様な商品名で市販されているものがある。
AEROSIL(アエロジル) 130 日本アエロジル社 200 300 380 OX50 TT600 MOX80 MOX170 COK84 Ca−O−SiL(Ca−O−ジル) M−5 CABOTO(キャボット)Co.社 MS−7 MS−75 HS−5 EH−5 Wacker HDK N 20 V15 (ヴァッカーHDK N 20 WACKER−CHEMIE(ヴァッカー)G
MBH社 N20E T30 T40 D−C Fine Silica(D−Cファイン シリカ)ダウコ
ーニング Co.社 Fransol(フランソル)Fransil(フランジル)社 一方、本発明に用いられるシリカ微粉体を湿式法で製
造する方法は、従来公知である種々の方法が適用でき
る。例えば、ケイ酸ナトリウムの酸による分解、一般反
応式で下記に示す。
Na2O・XSiO2+HCl+H2O→SiO2・nH2O+NaCl その他、ケイ酸ナトリウムのアンモニア塩類またはア
ルカリ塩類による分解、ケイ酸ナトリウムよりアルカリ
土類金属ケイ酸塩を生成せしめた後、酸で分解しケイ酸
とする方法、ケイ酸ナトリウム溶液をイオン交換樹脂に
よりケイ酸とする方法、天然ケイ酸またはケイ酸塩を利
用する方法などがある。
ここでいうシリカ微粉体には、無水二酸化ケイ素(シ
リカ),その他,ケイ酸アルミニウム,ケイ酸ナトリウ
ム,ケイ酸カリウム,ケイ酸マグネシウム,ケイ酸亜鉛
などのケイ酸塩をいずれも適用できる。
湿式法で合成された市販のケイ酸微粉体としては、例
えば、以下のような商品名で市販されているものがあ
る。
カープレックス 塩野義製薬 ニープシール 日本シリカ トクシール,ファインシール 徳山曹相達 ビタシール 多木製肥 シルトン,シルネックス 水沢化学 スターシル 神島化学 ヒメジール 愛媛薬品 サイロイド 富士デビソン化学 Hi−Sil(ハイシール) Pittsburgh Plate Glass.Co.(ピッツバーグ プレート
グラス) Durosil(ドゥロシール) Ultorasil(ウルトラシール) Fiillstoff−Gesells chaft Marquart(フユールストッ
フ・ゲゼールシャフト マルクオルト) Manosil(マノシール) Hardman and Holden(ハードマン アンド ホールデ
ン) Hoesch(ヘッシュ) Chemische Fabrik Hoesch K−G(ヒエミッシェ・ファ
ブリーク・ヘッシュ) Sil−Stone(シルーストーン) Stoner Rubber Co.(ストーナー ラバー) Nalco(ナルコ) Nalco Chem.Co.(ナルコ ケミカル) Quso(クソ) Philadelphia Quartz Co.(フィラデルフィア クオー
ツ) Imsil(イムシル) Illionis Minerals Co.(イリノイス ミネラル) Calcium Silikat(カルシウム ジリカート) Chemische Fabrik Hoesch.K−G(ヒエッミッシェ フ
ァブリーク ヘッシュ) Calsil(カルシル) Fiillstoff−Gesellschaft Marquart(フユールストッ
フ−ゲゼルシャフト マルクオルト) Fortafil(フオルタフィル) Imperial Chemical Industries.Ltd.(インペリアル
ケミカル インダストリーズ) Microcal(ミクロカル) Joseph Crosfiels & Sons.Ltd.(ジョセフ クロスフ
ィード アンド サンズ) Manosil(マノシール) Hardman and Holden(ハードマン アンド ホールデ
ン) Vulkasil(ブルカジール) Farbenfabriken Bryer.A.−G.(ファルベンファブリー
ケンバーヤー) Tufknit(タフニット) Durham Chemicals.Ltd.(ドウルハム ケミカルズ) シルモス 白石工業 スターレックス 神島化学 フルコシル 多木製肥 上記シリカ微粉体のうちで、BET法で測定した窒素吸
着による比表面積が30m2/g以上(特に50〜400m2/g)の
範囲内のものが良好な結果を与える。磁性トナー100重
量部に対してシリカ微分体0.01〜8重量部、好ましくは
0.1〜5重量部使用するのが良い。
本発明に用いられるシリカ微粉体は、必要に応じて帯
電安定性,疎水化の目的でシランカップリング剤,シリ
コーンオイル,有機ケイ素化合物などの処理剤で処理さ
れていても良く、シリカ微粉体と反応あるいは物理吸着
する上記処理剤で処理される。そのような処理剤として
は、例えばヘキサメチルジシラザン,トリメチルシラ
ン,トリメチルクロルシラン,トリメチルエトキシシラ
ン,ジメチルジクロルシラ,メチルトリクロルシラン,
アリルジメチルクロルシラン,アリルフェニルジクロシ
ラン,ベンジルジメチルクロルシラン,ブロムメチルジ
メチルクロルシラン,α−クロルエチルトリクロルシラ
ン,β−クロルエチルトリクロルシラン,クロルメチル
ジメチルクロルシラン,トリオルガノシリルメルカプタ
ン,トリメチルシリルメルカプタン,トリオルガノシリ
ルアクリレート、ビニルジメチルアセトキシシラン,ジ
メチルエトキシシラ,ジメチルジメトキシシラン,ジフ
ェニルジエトキシシラン,ヘキサメチルジシロキサン,
1,3−ジビニルテトラメチルジシロキサン,1,3−ジフェ
ニルテトラメチルジシロキサン、および1分子当り2か
ら12個のシロキサン単位を有し、末端に位置する単位に
それぞれ1個宛のSiに結合した水酸基を含有するジメチ
ルポリシロキサン等がある。
シリコーンオイルとしては、一般に次の式により示さ
れるものが用いられる。
好ましいシリコーンオイルとしては、25℃における粘
度がおよそ5〜5000センチストークスのものが用いら
れ、例えばメチルシリコーンオイル,ジメチルシリコー
ンオイル,フェニルメチルシリコンオイル,クロルフェ
ニルメチルシリコーンオイル,アルキル変性シリコーン
オイル,脂肪酸変性シリコーンオイル,ポリオキシアル
キレン変性シリコーンオイルなどが好ましい。これらは
1種あるいは2種以上の混合物で用いられる。
本発明の磁性トナーは、必要に応じて添加剤を混合し
てもよい。着色剤としては従来より知られている染料,
顔料が使用可能であり、通常、結着樹脂100重量部に対
して0.5〜20重量部使用しても良い。他の添加剤として
は、例えばステアリン酸亜鉛の如き滑剤、あるいは炭化
ケイ素の如き研磨剤,流動性付与剤,ケーキング防止剤
がある。
また、熱ロール定着時の離型性を良くする目的で低分
子量ポリエチレン,低分子量ポリプロピレン,マイクロ
クリスタリンワックス,カルナバワックス,サゾールワ
ックス,パラフィンワックス等のワックス状物質を0.5
〜5wt%程度磁性トナーに加えることも本発明の好まし
い形態の1つである。
さらに本発明中の磁性トナーは着色剤の役割を兼ねて
も良いが、磁性材料を含有している。本発明の磁性トナ
ー中に含まれる磁性材料としては、マグネタイト,γ−
酸化鉄,フェライト,鉄過剰型フェライト等の酸化鉄;
鉄,コバルト,ニッケルのような金属或いはこれらの金
属とアルミニウム,コバルト,銅,鉛,マグネシウム,
スズ,亜鉛,アンチモン,ベリリウム,ビスマス,カド
ミウム,カルシウム,マンガン,セレン,チタン,タン
グステン,バナジウムのような金属との合金およびその
混合物等が挙げられる。
これらの強磁性体は平均粒径が0.1〜1μm,好ましく
は0.1〜0.5μm程度のものが好ましく、磁性トナー中に
含有させる量としては樹脂成分100重量部に対し40〜150
重量部、好ましくは樹脂成分100重量部に対し60〜120重
量部である。
さらに本発明者は、上記の様な磁性トナーを鋭意研究
した結果、特定の物質を含有させた現像剤埋用いること
により、トナーの帯電性を安定させ、環境安定性(特に
低湿下),耐久性を向上できることを見い出した。
本発明の現像剤は、上記知見に基づくもので、前述し
た粒度分布,材料構成を有する磁性トナーに、鉄粉との
摩擦帯電特性が50μc/g(絶対値)以下、好ましくは20
μc/g(絶対値)以下であり、個数平均粒径0.5μm以下
である帯電緩和剤微粉末あるいはこれらの混合物を磁性
トナー粒子に配合(内添)、または磁性トナー粒子と混
合(外添)して用いることを特徴とするものである。
本発明に用いられる帯電緩和剤微粉末の含有量は、内
添の場合、結着樹脂100重量部に対し、0.1〜50重量部、
好ましくは0.2〜30重量部、外添の場合には、磁性トナ
ー100重量部に対し、0.01〜5重量部、好ましくは0.02
〜3重量部である。
上記帯電緩和剤の例として、具体的には、以下に示す
ような物質が挙げられる。
例えばカーボンブラック,グラファイト等の主に炭素
原子からなる物質、酸化マグネシウム,アルミナ,酸化
チタン,酸化鉄,酸化ニッケル,酸化銅,酸化クロム,
酸化亜鉛,酸化すず,酸化セリウム,酸化コバルト,酸
化ジルコニウムなどのような主に金属原子(一種あるい
は数種)と酸素原子から成る金属酸化物等が挙げられ
る。これらの物質は、帯電しにくいかあるいは空気中の
水分を介し、電化の放出を起こし易いものと考えられ
る。実際、これらの物質の鉄粉に対する帯電量は20μc/
g(絶対値)以下である。
これらの物質の微粉末を適度な量、磁性トナーに含有
させることにより、過度な摩擦帯電を抑制し、また、過
剰に帯電した荷電を放出させることができる。つまり、
これらの微粉末は、磁性トナーの摩擦帯電量を適度な大
きさに下げる帯電緩和剤として働くものと考えられる。
一方、本発明の磁性トナーは、粒径が小さくなってお
り、帯電量が大きくなり易く、平均粒径が小さくなるほ
ど増大し、帯電コントロールがより困難となる。
磁性トナーが帯電過剰となると、ガサつき,飛び散
り,濃度低下などの画像欠陥を生じる。また、磁性トナ
ー中の粒径の小さい粒子が帯電過剰となり、スリーブと
の鏡映力が強くなり、スリーブ表面に付着し、現像剤の
摩擦帯電を妨害し、帯電不良の粒子を発生させ、カブリ
の増加や画像濃度低下を生じ、さらにはスリーブコート
のむらを生じることもある。
従って、本発明の現像剤は、粒径が小さくなる程効果
は著しい。
また、本発明の磁性トナーは、5μm以下の粒子が多
く、これら粒子の過剰帯電を防止し、磁性トナーの帯電
量をコントロールする為に、本発明の現像剤は好ましい
ものである。帯電緩和剤微粒子を本発明の現像剤に含有
させる方法として、内添する方法と、外添する方法があ
るが、外添する方法の方が磁性トナー表面に多く存在す
るので小量の添加量で大きな効果が期待できる。また、
ごく少量で効果を発揮する場合或いは磁性トナー表面か
ら離脱しやすい場合には、現像在中に良好に分散させる
為、添加剤を多くできるあるいは磁性トナー表面に固着
させる内添による方法も有効である。また、本発明の現
像剤中の微粉末が、磁性をもつものの場合、磁性トナー
に求められる所望の磁気特性の範囲内にあれば、内添に
よる方法が利用できる。しかし。磁気トナーの磁気特性
に大きく影響する場合には、外添より添加量を少なく
し、目的を耐性することができる。
摩擦帯電特性が絶対値で50μc/g以上の時には、帯電
の緩和が充分でなくなる場合もあり、磁性トナーの帯電
極性と逆極性の時には、カブリが増加したり、濃度低下
するなどの現像性に悪影響を与える場合がある。
個数平均粒径が0.5μmを超える場合には、現像剤中
への分散性が不良となり、粒子間にバラつきができ、現
像性に悪影響を与え、カブリが増加するど良好な画像を
与えることができなくなることがあり、本発明の磁性ト
ナーの平均粒径が小さくなる程、影響は大きくなる。
所定の含有量より多くなる場合には、高湿下等で帯電
量の低下量が大きくなり、画像濃度薄等の画像欠陥を生
じる。一方所定の含有量より小さくなる場合には、帯電
の緩和効果をうまく発揮することができず、体塩化状と
なり易くなり、濃度低下やスリーブコートむらを生じる
こともある。
さらに本発明者は、上記の如く帯電緩和剤微粉末を含
有する現像剤を検討した結果、帯電緩和剤微粉末によっ
ては、感光体表面へ傷の発生や摩耗の増大から見られた
り、クリーニング不良が発生したりする場合を生じたり
初期に帯電不良となり画像濃度の低下が見られる場合も
あることを見出した。
しかし、フッ素含有樹脂微粒子を含有させた現像剤を
用いることにより、現像剤の帯電性をより安定させ耐久
性,感光体の耐久性に優れていることを見い出した。
本発明の現像剤は、上記知見に基づくもので、帯電緩
和剤微粉末を含有する現像剤に、フッ素含有樹脂微粒子
を含有させて用いることを特徴とするものである。
本発明中のフッ素含有樹脂微粒子としては、例えば次
に示す、フッ素含有モノマーの単独重合体;あるいは2
種以上の共重合体、あるいは他のモノマーとの共重合体
の微粒子があげられる。フッ素含有モノマーとしては、
例えばフッ化ビニル,フッ化ビニリデン,トリフルオル
エチレン,テトラフルオルエチレン,1−クロル−1,2−
ジフルオルエチレン,1,2−ドクロル−1,2−ジフルオル
エチレン,ブロムトリフルオルエチレン,3,3,3−トリフ
ルオルプロペン,3−クロル−3,3−ジフルオル−1−プ
ロペン,3−フルオル−3,3−ジクロル−1−プロペン,1
−クロル−1−フルオルエチレン,1,1−ジフルオル−2
−クロルエチレン,1,1−ジクロル−2−フルオルエチレ
ン,1−クロル−2,2−ジフルオルエチレン,1,1−ジクロ
ル−2,2−ジフルオルエチレン,クロルトリフルオルエ
チレン,1−ブロム,1−フルオルエチレン,1−クロル−2
−フルオルエチレン,アクリル酸及びメタクリル酸のフ
ッ素置換体及びその誘導体などがあげられる。特に好ま
しくは、テトラフルオルエチレン,フッ化ビニリデン,
及びテトラフルオルエチレン−フッ化ビニリデンの共重
合体微粒子があけられ、さらに好ましくは、F19核磁気
共鳴法によってアセトン中で測定した場合に式 [式中、Saは約−23.5±1ppmにおける吸収ピークの面積
を示し、Sbは約27.5±1ppmにおける吸収ピークの面積を
示し、Scは約−45.8±1ppmにおける吸収ピークの面積を
示し、Sdは約−48.1±1ppmにおける吸収ピークの面積を
示す(但し、標準物質として1,1,2−トリクロロ−1,2,2
−トリフルオロエタンを使用する)]を満たすフッ化ビ
ニリデン重合体微粒子があげられる。
これらのF19NMR吸収スペクトルは例えば、J.Polymer
SciAl 1305ページ(1963)に示されるごとく、フッ化ビ
ニリデン重合体の−▲CF* 2▼−のケミカルシフトに基づ
く吸収である。
すなわち、−23.5ppmの吸収は、CF2−CH2単位の規則
正しい頭−尾結合の繰りかえしによる吸収である。−2
7.5ppmの吸収は、−CH2−CH2−▲CF* 2▼−CH2−CF2−の
ように、CH2−CH2結合を含む連鎖での▲CF* 2▼吸収であ
る。−45.8ppmの吸収は−CF2−CH2−▲CF* 2▼−CF2−CH
2−のように、CF2−CF2結合を含む連鎖での▲CF* 2▼吸
収である。
−48.1ppmの吸収は、−CH2−CH2−▲CF* 2▼−CF2−CH
2−のようにCH2−CH2結合とCF2−CF2結合の両方を踏む
連鎖での▲CF* 2▼吸収である。
本発明中のフッ素含有樹脂微粒子の粒径は、0.05〜1
μm、特に0.1〜0.5μmが好ましい。粒径1.0μmを以
上では、トナー粒子間への分散が十分でなく、トナーに
流動性・潤滑性を付与しえず、効果が発揮されない。ま
た、0.05μm以下では、トナー表面を超微粒が覆ってし
まうため、トナーの荷電性をそこない、効果がえられな
い。また、形状としては、パウダー状で球状に近いもの
が良い。
本発明中のフッ素含有樹脂微粒子は、本発明中の現像
剤において、内添混合あるいは外添混合して含有させ
る。該微粒子を外添混合する場合には、磁性トナーに対
する添加量は0.01〜2.0wt%、特に0.02〜1.0wt%が好ま
しく、内添混合する場合には、0.5〜5wt%、特に2〜4w
t%が好ましい。
従来これらのフッ素含有微粒子は、現像剤に含有する
ことにより、感光体表面へのトナーの融着あるいはフィ
ルミングを防止する、摩擦減少物質としては知られてい
たが、本発明者らは、鋭意研究した結果、前述した現像
剤に適用した場合に、感光体表面の摩耗及び該表面の傷
の発生を、軽減あるいは防止したり、クリーニング性を
向上させる特有の効果を見い出した。その効果の理由は
明確ではないが、前述した現像剤を用いた場合、現像粒
子の単位重量当たりの単位表面積が大きくなる為に、感
光体上の転写後のクリーニング時に、残余現像剤と感光
体との接触面積が増大し、感光体表面が研摩されやすく
なるが、フッ素含有微粒子が現像剤表面上あるいは表面
近傍に介在することによって現像剤と感光対接触面積が
減少する為に、感光体表面の摩耗及び傷の発生が、軽減
あるいは防止でき、さらにクリーニング性を向上させる
ものと考えられる。
特に、帯電緩和剤微粉末,シリカ微粉末と上記微粒子
と組み合わせた現像剤においては、理由は明確ではない
が、トナーに付着した微粉末の存在状態を安定化せし
め、例えば、付着した微粉末がトナーから遊離して、ト
ナー摩耗やスリーブ汚損への効果が減少するようなこと
がなくなり、かつ、帯電安定性をさらに増大することが
可能である。
このように、該現像剤に上記微粒子を含有させること
は、帯電安定性がより増大するので、帯電緩和剤微粉末
の選択範囲を広げるとともに、使用量のラチチュードも
広げることが可能となる。
本発明に係る磁性トナーを製造するにあたっては、上
述したような磁性トナー構成材料をボールミルその他の
混合機により充分混合した後、熱ロールニーダー,エク
ストルーダーの熱混練機を用いて良く混練し、冷却固化
後、機械的な粉砕,分級によって磁性トナーを得る方法
が好ましく、他には結着樹脂溶液中に構成材料を分散し
た後、噴霧乾燥することにより磁性トナーを得る方法、
あるいは結着樹脂を構成すべき単量体に所定の材料を混
合して乳化懸濁液とした後に、重合させて磁性トナーを
得る重合法トナー製造法、あるいはコア材,シェル材か
ら成るいわゆるマイクロカプセルトナーにおいて、コア
材あるいはシェル材、あるいはこれらの両方に所定の材
料を含有させる方法等の方法が応用できる。さらに必要
に応じ、所望の添加剤をヘンシェルミキサー等の混合機
により充分に混合し、本発明に係る静電荷像現像用現像
剤を製造することができる。
本発明の現像剤は、従来公知の手段で、電子写真,静
電記録及び静電印刷等における静電荷像を顕像化する為
の一成分現像用には全て使用可能なものである。
また、本発明の現像剤は、円筒スリーブの如きトナー
担持体から感光体の如き潜像担持体ヘトナーを飛翔させ
ながら潜像を現像する画像形成方法に適用するのが好ま
しい。すなわち、現像剤は主にスリーブ表面との接触に
よってトリボ電荷が付与され、スリーブ表面上に薄層状
に塗布される。現像剤の薄層の層厚は現像領域における
感光体とスリーブとの間隙よりも薄く形成される。感光
体上の潜像の現像に際しては、感光体とスリーブとの間
に交互電界を印加しながらトリボ電荷を有する現像剤を
スリーブから感光体へ飛翔させるのが良い。
交互電界としては、パルス電界,交流バイアスまたは
交流と直流バイアスが相乗ものが例示される。
[実施例] 以下の実施例及び比較例において、細線再現性は次に
示すような方法によって測定を行った。すなわち、正確
に幅100μmとした細線のオリジナル原稿を、適正なる
複写条件でコピーした画像を測定用サンプルとし、測定
装置として、ルーゼックス350粒子アナライザーを用い
て拡大したモニター画像から、インジケーターによって
線幅の測定を行う。このとき、線幅の測定位置はトナー
の略線画像の幅方向に凹凸があるため、凹凸の平均的線
幅をもって測定点とするこれにより、細線再現性の値
(5)は、下記式によって算出する。
解像力の測定は次の方法によって行った。すなわち、
線幅および間隔の等しい5本の細線よりなるパターン
で、1mmの間に2.8,3.2,3.6,4.0,4.5,5.0,5.6,6.3,7.1又
は8.0本あるように描かれているオリジナル画像をつく
る。この10種類の線画像を有するオリジナル原稿を適正
なる複写条件でコピーした画像を拡大鏡にて観察し、細
線間が明確に分離している画像の本数(本/mm)をもっ
て画像力の値とする。
この数字が大きいほど、解像力が高いことを示す。
トナーの粒度分布は種々の方法によって測定できる
が、本発明の粒度分布はコールターカウンタを用いて測
定した値とし、以下のようにして行った。すなわち、測
定装置としてはコールターカウンターTA−II型(コール
ター社製)を用い、個数分布,体積分布を出力するイン
ターフェイス(日科機製)及びCX−1パーソナルコンピ
ュータ(キヤノン製)を接続し、電界液は1級塩化ナト
リウムを用いて1%NaCl水溶液を調製する。測定法とし
ては前記電界水溶液100〜150mlに分散剤として界面活性
剤、好ましくはアルキルベンゼンスルホン塩酸を0.1〜5
ml加え、さらに測定試料2〜20mg加える。試料を懸濁し
た電界液は超音波分散器で約1〜3分間分散処理を行
い、前記モーターカウンターTA II型により、アパチャ
ーとして100μアパチャーを用いて個数を基準として2
〜40μの粒子の粒度分布を測定して、それから本発明に
係るところの値を求めた。
磁性トナー真密度の測定は、いくつかの方法で行うこ
とがでくが、本実施例では、微粉体を測定する場合、正
確かつ簡便な方法として次の方法を採用した。すなわ
ち、ステンレス製の内径10mm,長さ約5cmのシリダーと、
その中に密着挿入できる外径約10mm,高さ約5mmの円盤
と、外径約10mm,長さ約8cmのピストンを用意する。シリ
ンダーの底に円盤を入れ、次で測定サンプル約1gを入
れ、ピストンを静かに押し込む。これに油圧プレスによ
って400kg/cm2の力を加え、5分間圧縮したものをとり
出す。この圧縮サンプルの起さを秤量(wg)しマイクロ
メーターで圧縮サンプルの直径(Dcm),高さ(Lcm)を
測定し、次式によって真密度を計算する。
微粉末の電荷量の測定は、第4図に示されるような電
荷量を測定する装置を用いて行った。先ず、底に400メ
ッシュのスクリーン40のある金属製の測定容器に39に電
荷量を測定しようとする微粉末と鉄粉キャリヤー(200
〜300メッシュ)の重量比2.98(微粉末)の混合物約1g
を入れ金属製のフタ41をする。このときの測定容器39全
体の重量を秤りW1(g)とする。次に、吸引機38(測定
容器39とする部分は少なくとも絶縁体)において、吸引
口44から吸引し風量調節弁43を調整して真空計42の圧力
を250mmH2Oとするこの状態で充分吸引を行ない微粉末を
吸引除去する。このときの電位計46の電位をV(ボル
ト)とする。ここで45はコンデンサーであり用意をO
(μF)とする。また吸引後の測定容器全体の重量を秤
りW2(g)とする。この現像剤及び微粉末のトリボ電荷
量(μc/g)は下式の如く計算される。
但し、測定条件は23℃,60%RHとする。
また、測定に用いるキャリヤー(鉄粉)は200〜300メ
ッシュのものであるが、誤差をなくすためにキャリヤー
は上記吸引装置で充分吸引し400メッシュのスクリーン
を通過するものは除去してから微粉末と混合した。
F19−核磁気共鳴による測定の方法は以下のようにし
た。試料を室温ないし0℃までの温度で抽出し、そのア
セトン溶液または重アセトン溶液を測定に用いた、測定
は、日本電子(株)製のFX−90Q型高分解能NMR装置を用
い、観測周波数84.25MHz,観測幅9000Hz,オフセット周波
数55.33KHzで測定した。
ケミカルシフトは、1,1,2−トリクロル−1,2,2−トリ
フルオロエタンを基準として示した。このときCF2の4
つのケミカルシフトは、−23.5±1ppm,−27.5±1ppm,−
45.8±1ppm,−48.1±1ppmであった。このとき、トナー
抽出物と、フッ化ビニリデン重合体のそれぞれを測定し
たところ、両者のケミカルシフトは実質的に同一とな
り、相違はなかった。これらのピークの積分値からSa,S
b,Sc,Sdを求めた。
以下本発明を実施例により具体的に説明するが、これ
は本発明をなんら限定するものではない。なお、以下以
下の配合における部数はすべて重量部である。
実施例1 上記材料をブレンダーでよく混合した後、150℃に設
定した2軸混練押出機にて混練した。得られた混練物を
冷却し、カッターミルにて粗粉砕した後、機械式粉砕機
であるピンミルで中粉砕し、さらにジェット気流を用い
た微粉砕機を用いて微粉砕し、得られた微粉砕粉を固定
壁型風力分級機で分級して分級粉を生成した。さらに、
得られた分級粉をコアンダ効果を利用した多分割分級装
置(日鉄鉱業社製エルボジェット分級機)で超微粉及び
粗粉を同時に厳密に分級除去して体積平均粒径7.4μm
の黒色微粉体(磁性トナー)を得た。
得られた正帯電性の黒色微粉体である磁性トナーを前
述の如く100μのアパチャーを具備するコールターカウ
ンターTA II型を用いて測定した粒度分布を下記第1表
に示す。
参考のために、多分割分級機を用いての分級工程を第
1図に模式的に示し、該多分割分級機の断面斜視図(立
体図)を第2図に示した。
得られた黒色微粉体の磁性トナー100重量部に以下の
材料をヘンシェルミキサーで混合して磁性トナーを彪す
る正帯電性の一斉分の磁性現像剤とした。
この磁性トナーの粒度分布および諸特性は第2表に示
すとおりでおり、また、(CD22COに加えて混合し、不
溶なマグタイトを濾別後高分解能F19核磁気共鳴で、測
定すると、−23.5,−27.5,−45.8,−48.1ppmの4つのケ
ミカルシフトによるピークが存在し、(Sb+Sc+Sd)/S
aの値は0.214であった。
調製した一成分現像剤を添付図面の第3図に示す現像
装置に投入して、現像試験を実施した。第3図を参照し
ながら、現像条件を説明する。一成分現像剤31は、矢印
36の方向に回転するステンレス製円筒スリーブ33表面上
に磁性ブレード32を介して薄層に塗布され、スリーブ33
とブレード32の間隙は約250μmに設定した。スリーブ3
3は磁界発生手段として固定磁石35を有し、負荷電性潜
像を有する有機光導電性層を具備する感光ドラム34と近
接する現像領域におけるスリーブ表面近傍では磁界1000
ガウスを固定磁石35は形成している。矢印37の方向に回
転する感光ドラム34とスリーブ33の最近接距離は約300
μmに設定した。尚、感光ドラム34とスリーブ33との間
で、交流バイアスと直流バイアスを相乗した2000Hz/135
0Vppのバイアスを印加した。スリーブ33上の一成分現像
剤層は約75〜150μmの層厚を有し、現像領域において
は、現像剤は高さ約95μmの穂を形成していた。
感光ドラム34に形成された負荷電性潜像を正荷電性の
トリボ電荷を有する一成分現像剤31を飛翔させて現像し
た。画出しテストを10000連続しておこない、10000枚の
トナー画像を生成した。結果を第2表に示す。
第2表から明らかなように、文字等のライン部および
大面積部も共に高画像濃度で、細線再現性,解像性も本
発明の現像剤は優れており、10000枚画出し後も、初め
画質の良さを維持していた。また、ポーコピーコストも
小さく、経済性にもすぐれたものであり、感光ドラム上
の傷も非常に少なかった。この時過電流式膜厚計で削れ
量を測定したところ約0.4μmであった。また、15℃,10
%RHの環境下においても同様に良好な結果が得られた。
尚、本実施例で用いた多分割分級機及び該分級機によ
る分級工程について第1図及び第2図を参照しながら説
明する。多分割分級機1は、第1図及び第2図におい
て、側壁は22,24で示される形状を有し、下部壁25で示
される形状を有し、側壁23と下部壁25には夫々ナイフエ
ッジ型の分級エッジ17,18を具備し、この分級エッジ17,
18により、分級ゾーンは3分画されている。側壁22下の
部分に分級室に開口する原料供給ノズル16を設け、該ノ
ズルの底部接線の延長方向に対して下方に折り曲げて長
楕円弧を描いたコアンダブロック26を設ける。分級室上
部壁27は、分級室下部方向にナイフエッジ型の入気エッ
ジ19を具備し、更に分級室上部には分級室に開口する入
気管14,15を設けてある。又、入気管14,15にダンパの如
き第1,第2気体導入調節手段20,21及び静圧計28,29の設
けてある。分級室低面にはそれぞれの分画域に対応させ
て、室内に開口する排出口を有する排出管11,12,13を設
けてある。分級粉は供給ノズル16から分級領域に減圧導
入され、コアンダ効果によりコアンダブロック26のコア
ンダ効果による作用と、その際流入する高速エアーの作
用とにより湾曲線30を描いて移動し、粗粉11、所定の体
積平均粒径及び粒度分布を有する黒色微粉体12及び超微
粉13に分級された。
実施例2 実施例1で得られた磁性トナー100重量部に、以下の
材料をヘンシェルミキサーで混合して一成分磁性現像剤
とした。
この現像剤を実施例1と同様の10000枚の複写テスト
をした結果を第2表に示す。
第2表から明らかなように、良好な画像が得られ、感
光ドラム表面が傷つく様なことはなく削れ量は約0.5μ
mであった。さらに、15℃,10%RHの環境下でも同様に
良好な結果を得た。
実施例3 上記材料を実施例1と同様の製造方法で体積平均粒径
7.8μmの磁性トナーを得た。粒度分布と諸物性は第1
表に示す。
この磁性トナー100重量部に以下の材料を加えヘンシ
ェルミキサーで混合して一成分磁性現像剤を得た。
この現像剤を実施例1と同様の10000枚の複写テスト
を行った結果を第2表に示す。
第2表から明らかな様に良好な画像が得られ、感光ド
ラムも傷つくこともなかった。尚、この時の削れ量は、
約0.5μmであった。また、15℃,10%RHの環境下でも同
様の結果が得られた。
実施例4 上記材料を用いて、実施例1と同様にして、磁性トナ
ーを得た。粒度分布と諸物性は第1表に示す。
この磁性トナー100重量部に以下の材料を加えヘンシ
ェルミキサーで混合して負荷電一成分磁性現像剤を得
た。
この一成分磁性現像剤を正荷電性静電荷像を形成する
アモルファスシリコン感光ドラムを具備するNP7550(キ
ヤノン社製)に適用して、10000枚の画出しテストを行
った。
第2表に示すように、安定した鮮明な高画質の画像を
得ることができた。さらに15℃,10%RHの環境下でも優
れたテスト結果を示した。
比較例1 実施例1で得られた磁性トナーに実施例1で用いられ
たポリフッ化ビニリデンを除く他は同様な外添をし、現
像剤を得た。
この現像剤を実施例1と同様の複写テストを行った結
果を第2表に示す。
初め画像濃度が低かったが、複写枚数を重ねるにつれ
画像濃度は立ち上がったが(1000枚時1.35)5000枚を超
えた時点から再び徐々に濃度低下してきた。感光ドラム
表面に傷が認められたが、画像には現われなかった。ま
た削れ量は約0.9μmであった。
比較例2 実施例3で用いたポリフッ化ビニリデンを除いた他は
実施例3と同様の方法で一成分磁性現像剤を得た。
この現像剤を実施例1と同様の複写テストを行った結
果を第2表に示す。
画質は優れていたが、10000枚時には感光ドラム上に
傷が見られ、画像上に白スジや黒スジとなって現われ
た。この時の削れ量は1.2μmであった。
[発明の効果] 本発明は、以上説明した通りのものであり、種々の現
像法において下記の如き優れた効果を発揮するものであ
る。
(1)細線再現性,解像性に優れた画像を与える現像剤
である。
(2)画像濃度が高く,階調性に優れた画像を与える現
像剤である。
(3)少ない消費量で高い画像濃度を与える現像剤であ
る。
(4)環境変動に対して性能の変化がなく、耐久性に優
れる現像剤である。
(5)長時間の連続使用によっても性能の変化のない現
像剤である。
(6)感光体の長寿命化に優れた現像剤である。
【図面の簡単な説明】 第1図は多分割分級手段を用いた分級工程に関する説明
図、第2図は多分割分級手段の概略的な断面斜視図、第
3図は実施例及び比較例において画出しに用いた現像装
置の概略的な断面図、第4図は摩擦帯電量を測定する装
置の説明図を示す図である。 1……多分割分級装置、11……粗粉 12……所定の粒度を有する粉体 13……微粉、26……コアンダブロック 31……一成分磁性現像剤、32……ブレード 33……スリーブ、34……感光ドラム 35……固定磁石、36……バイアス印加手段 39……測定容器 40……スクリーン(400mesh) 44……吸引口、45……コンデンサー 46……電位計
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中原 俊章 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キ ヤノン株式会社内 (56)参考文献 特開 昭51−3244(JP,A) 特開 昭54−72054(JP,A) 特開 昭58−129437(JP,A) 特開 昭60−166957(JP,A)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】結着樹脂及び磁性粉を少なくとも有する磁
    性トナーを含有する静電荷像現像用現像剤であり、該磁
    性トナーにおいて、5μm以下の粒径を有する磁性トナ
    ー粒子が12〜60個数%含有され、8〜12.7μmの粒径を
    有する磁性トナー粒子が1〜33個数%含有され、16μm
    以上の粒径を有する磁性トナー粒子が、2.0体積%以下
    で含有され、磁性トナーの体積平均粒径が4〜10μmで
    あり、さらに、鉄粉との摩擦帯電特性が50μc/g(絶対
    値)以下であり、個数平均粒径が0.5μm以下である帯
    電緩和剤粉末としての炭素同素体または金属酸化物を含
    有しかつフッ素含有樹脂微粒子を含有することを特徴と
    する静電荷像現像用現像剤。
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