JP3010238B2 - 液圧転写方法並びにその装置 - Google Patents

液圧転写方法並びにその装置

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JP3010238B2 JP2242870A JP24287090A JP3010238B2 JP 3010238 B2 JP3010238 B2 JP 3010238B2 JP 2242870 A JP2242870 A JP 2242870A JP 24287090 A JP24287090 A JP 24287090A JP 3010238 B2 JP3010238 B2 JP 3010238B2
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Description

【発明の詳細な説明】 《発明の目的》 <産業上の利用分野> 本発明は液圧を利用して被転写体に所望のパターンを
転写する液圧転写装置に関し、特に被転写体の形状に応
じて定まる液体入射時または液体中での被転写体の傾き
を調整する液圧転写方法並びにその装置に関する。
<発明の背景> 近年、三次曲面に印刷を行なう方法として、いわゆる
曲面印刷の技術が開発され、既にこの技術を適用した自
動車部品、室内装飾品等が市場に出回っている。ここで
この技術について簡単に説明すると、転写したパターン
を予め水溶性フィルムに印刷しておき、このフィルムを
液体に浮べた状態で液面上方から被転写体の形状によっ
て決められた傾きで被転写体の全部又は一部を液面下に
押し下げ、水圧によりパターンを被転写体に密着させな
がら転写するというものである。ところでこの技術を用
いるにあたり、大量生産を目的として、既に被転写体へ
のパターンの転写を自動化した印刷装置が開発されてい
る(特開昭58−31754号公報を参照)。しかし乍ら、こ
の従来の装置では、被転写体の角度は被転写体の取り付
けられる治具が印刷装置に取り付けられる時に決定さ
れ、その後印刷途中ではこの角度を変更することができ
ない。そのため、例えば被転写体の形状が複雑であっ
て、どのような角度にしてもいずれかの箇所で被転写体
と転写膜との間に空気が入ってしまう場合などには、装
置自体にこの空気を抜くための工夫がなく、そのため被
転写体自身に一部空気の抜け孔を開けて対応するしかな
かった。
また従来機では被転写体の取り付けられた治具を印刷
装置の供給部に手で取り付けており、更に被転写体の液
面への入射角もすべて同じ角度に調節されていた。しか
し乍ら、この種の印刷製品は高級であることも起因して
少量多品種であることが多く、従来の印刷装置では形状
の異なる被転写体毎に機械を停止して、取り付け部の調
節を行なわなければならなかった。
<開発を試みた技術的事項> 本発明はこのような背景に鑑みなされたものであっ
て、印刷途中での被転写体の角度の調整ができるように
して複雑な形状を有する被転写体にも奇麗な印刷ができ
るようにし、しかも傾斜角の設定の異なる複数種の被転
写体が、一台の液圧転写装置により印刷処理できるよう
にして、印刷効率の向上と少量多品種の生産体制に対応
できるようにした液圧転写方法並びにその装置の開発を
試みたものである。
《発明の構成》 <目的達成の手段> 即ち本出願に係る第一の発明たる液圧転写方法は、液
面上に転写膜を浮べた転写槽に対して、被転写体の一部
または全部を浸漬し、液圧によって、前記転写膜のパタ
ーンを被転写体に転写する方法において、被転写体を転
写槽内に浸けて転写膜からの転写を行う際に、水平面に
対して被転写体が進行する方向の傾きを一次角、被転写
体の進行方向の左右の傾きを二次角、高さ方向を軸とす
る水平面での回転角を水平回転角とした場合に、被転写
体の一部または全部が液体に浸漬中に、これら一次角、
二次角及び水平回転角を合わせた総合的な傾斜角を適宜
調節可能とすることを特徴として成るものである。
また本出願に係る第二の発明たる液圧転写装置は、液
面上に転写膜を浮べた転写槽に対して、被転写体保持装
置に保持された被転写体の一部または全部を浸漬し、液
圧により前記転写膜のパターンを被転写体に転写する装
置において、被転写体を転写槽内に浸けて転写膜からの
転写を行う際に、水平面に対して被転写体が進行する方
向の傾きを一次角、被転写体の進行方向の左右の傾きを
二次角、高さ方向を軸とする水平面での回転角を水平回
転角とした場合に、被転写体の一部または全部が液体に
浸漬中に、これら一次角、二次角及び水平回転角を合わ
せた総合的な傾斜角を適宜調節し得る、傾斜角調節構造
を設けたことを特徴として成るものである。
更に本出願に係る第三の発明たる液圧転写装置は、前
記要件に加えて前記傾斜角調節構造は、複数の被転写体
保持装置に各々設けられ、且つ角傾斜角調節構造はそれ
ぞれ独立して作動することを特徴として成るものであ
る。
これら発明によって前記目的を達成しようとするもの
である。
<発明の目的> 本発明では、被転写体が比較的複雑な形状の場合に、
入射角のままでは奇麗な転写が行なえない部分があると
きに、傾斜角を変えることでその部分にかかる水圧を変
えたり、あるは水中での傾斜角の変化による揺動効果に
より奇麗な転写を行なえるようになる。
また本発明たる液圧転写装置では、被転写体保持装置
等に設けた被転写体の傾斜角調節構造が、被転写体を保
持した状態で被転写体に応じた適宜の傾斜角に調節さ
れ、その傾斜角で転写膜が浮べられた液面に入射する。
更に複数の被転写体保持装置に各々傾斜角調節構造を
設け、且つ各傾斜角調節構造がそれぞれ独立して作動す
る構造とすれば、複数種の被転写体を各々の被転写体に
応じた傾斜角に設定することができる。
<実施例> 以下本発明を図示の実施例に基づいて具体的に説明す
る。符号1は本発明を適用した液圧転写ラインであっ
て、このものは液圧転写装置2と、その側方に連続的に
配置される供給コンベア3、連絡コンベア4、排出コン
ベア5と、連絡コンベア4の上方に設けられ液圧転写装
置2の側方に位置する自動供給装置6、自動排出装置7
とを具えて成る。まず液圧転写装置2について説明す
る。このものは転写槽10と、その上方に位置する転写コ
ンベア11と、転写膜供給装置12とを具えて成る。転写槽
10の内部には一例として水Aを入れてあり、この水Aは
転写槽10の外部に配設した水循環路12aに設けた循環ポ
ンプ13により、例えば第1、2図中左から右へ向けて流
動させられるとともに、水循環路12aの途中に設けた温
調槽14で水が加熱され、転写槽10内の水Aが一定の温
度、例えば約25〜30℃に保たれる。因みに転写槽10内の
水を流動させる理由は、水面の転写膜Fを被転写体とと
もに移動させることにより、転写のずれをなくすためで
あり、また転写槽10内の水Aを一定温度に保つ理由は、
転写膜Fが水を吸収する際の膨潤状態を良好なものとす
るためである。尚、液面の流動を均一化するため転写槽
10内には整流板15を設けるとともに、水面の両端には転
写膜Fの端部が転写槽10の壁面に貼り付いて転写膜Fの
流動が阻害されないように、液面と同じ速度で進行する
チェーン16を設ける。ここで転写膜Fについて説明する
と、このものはゼラチン、アルギン酸ナトリウム、ポリ
ビニルアルコール等の水溶性フィルムに対して、転写す
べきパターンを構成するインクを印刷してあるものであ
る。尚、水溶性フィルムには多色印刷をする関係上、塗
膜は乾燥状態にする必要があり、そのため転写膜Fの使
用時には転写膜Fに活性剤を作用させて粘着性を付与し
た状態で使用する。また転写膜Fの受入れ側には水中に
気泡発生装置17を設け、更にその上方には転写膜Fに臨
むように送風装置18を設ける。因みにこれらの装置は転
写膜Fのしわを伸ばすためのものである。即ち転写膜供
給装置12から供給される転写膜Fは水と接すると、その
ベースである水溶性フィルムが軟化、膨潤して四方に延
展するが、その際生じるしわを下から気泡で広げ、更に
送風装置18から風を送ってしわを伸ばすようにするので
ある。次に転写コンベア11はテンションプーリ19a、従
動プーリ19b、駆動プーリ19cに対して両側にチェーン20
を並行に張設して成るものである。尚、この転写コンベ
ア11のうち、チェーン20が水面に向かって進行する部
分、即ち従動プーリ19bと駆動プーリ19cとの間を下降部
23と定義し、チェーン20が液面から上方に向かって進行
する部分、即ちテンションプーリ19aと駆動プーリ19cと
の間を上昇部24と定義する。このような転写コンベア11
に対しては、被転写保持装置25が一定間隔毎に設けられ
る。この被転写体保持装置25は、第3、4図に示すよう
に転写コンベア11における両側のチェーン20の間に設け
たスライド杆26に対しスライド自在な支持フレーム27が
設けられ、更にこの支持フレーム27に対して被転写体B
の二次角調整機構28を含む傾斜角調節構造を介してL字
状の回動フレーム29が接続し、この回動フレーム29にチ
ャック装置30を設けたものである。まず二次角調整機構
28について説明する。この二次角調整機構28は、被転写
体Bを転写槽10内に浸けて転写膜Fからの転写を行なう
際に、被転写体Bの進行方向の左右の傾きである二軸角
θを決定するためのものであって、このものは支持フ
レーム27側に固定されるウォームホイール28aと、回動
フレーム29に固定されるモータM1の出力軸に設けたウォ
ームギア28bとが互いに噛み合うことにより構成され、
モータM1が駆動することにより回動フレーム29が支持フ
レーム27に対して左右に回動するようになっている。
尚、二次角θの設定には電気的に角度を読み取る近接
センサを適用するが、この他にも機械的、光学的に読み
取る方法をとってもよい。因みに被転写保持装置25に二
次角調整機構28を設けることにより、例えば被転写体B
が水面下にあるときでも被転写体Bの二次角θを変更
することができる。そのため被転写体Bが比較的複雑な
形状の場合でも、水中での二次角θの変更により、被
転写体Bと転写膜Fとの間の空気を抜くことができるた
め奇麗な転写を行なうことができる。また二次角調整機
構28は個々の被転写保持装置25に設けられるから、個々
の二次角調整機構28を別々に操作できるようにしておけ
ば、二次角θを変える必要がある多種類の被転写体B
を一台の液圧転写装置2で転写することができる。また
チャック装置30は、自動供給装置6から供給される被転
写体Bの取り付けられた治具Pの一部をチャッキングす
るためのものである。このものは第3図に示すように、
四カ所にV字状に切り欠かれた受入れ部31を形成したチ
ャック保持部材32に対し、各受入れ部31の外側の鉤状の
チャックフィンガ33を回動自在に取り付けて成る。また
チャック保持部材32の回りには、中央に雌ネジ部34aを
形成し、端部側が前記チャックフィンガ33の回動支点の
下部に回動自在に接続されるコの字状のチャック駆動杆
34が設けられ、一方チャック保持部材32の内側には雄ネ
ジを形成した出力軸35を有するモータM2が固定され、こ
のモータM2の出力軸35がチャック保持部材32を貫いてチ
ャック駆動杆34における雌ネジ部34aと螺合する。因み
にこのような構造をとることにより、モータM2の駆動に
よりチャック駆動杆34をスライドさせ、チャックフィン
ガ33を回動させてチャック操作を行なうのである。この
ような被転写体保持装置25の上部には断面がチャンネル
状の案内レール40が設けられ、この案内レール40には支
持フレーム27の上部に形成する案内ローラ27aがスライ
ド自在に支持される。尚、この案内レール40は、第2図
に示すように被転写体Bの受け取り側と排出側とで、そ
れぞれ自動供給装置6、自動排出装置7側に屈曲し、被
転写体Bの受け取りと排出を容易にしている。また被転
写体Bの大きさに応じて被転写体Bが転写槽10の中央に
くるように調整するため案内レール40の一部が屈曲自在
となっている。尚、チャック装置30は転写膜Fの残滓や
それに付着しているインク等により汚れるため、この汚
れをとるための清掃装置36が設けられる。また転写コン
ベア11は、被転写体Bの形状に応じて角度調節シリンダ
37及び角度調節スクリュー37aにより回動軸38を中心に
下降部23の角度を変更できるようになっているととも
に、転写コンベア11自体が上下前後に移動できるように
なっている。次に転写膜供給装置12について説明する
と、このものは転写膜Fがロール状に巻回された原反ロ
ール41と、転写膜Fに印刷されたインクを活性化するた
めの活性化溶剤を貯留する溶剤タンク42とを具えて成
り、原反ロール41から繰り出された転写膜Fが、途中溶
剤タンク42内の活性化溶剤で活性化されたのち、転写槽
10内へ連続供給されるように適宜送りローラ43が設けら
れるものである。尚、本実施例では転写膜Fを溶剤タン
ク42内の活性化溶剤で活性化する方法をとるが、転写膜
Fが転写槽10内の水Aに着水後、浮遊中に転写膜Fに溶
剤または接着剤を散布するという方法や、転写膜Fを構
成する水溶性フィルムが完全に水に溶解し、転写パター
ンのインクが浮遊時に被転写体Bを水没させる方法をと
ることもできる。以上のような構造を有する液圧転写装
置2の近傍には、供給コンベア3、連絡コンベア4及び
排出コンベア5が配置される。供給コンベア3は、被転
写体Bを治具Pの上側に取り付けた状態で液圧転写装置
2の側方へ搬送するためのものであって、その端部付近
には後述する自動供給装置6へ被転写体Bを移す際に、
被転写体Bを一時的に静止させて位置決めを行なうため
に光電管44と押し込みシリンダ44a及び位置決め板44bが
設けられる。即ち光電管44は、被転写体Bを検知して一
時的に供給コンベア3の進行を止めて位置決めを行な
い、また押し込みシリンダ44a及び位置決め板44bは、被
転写体Bの横方向から押し込みシリンダ44aにおけるロ
ッドを被転写体Bに押し当てて、被転写体Bを位置決め
板44bに当接させることにより位置決めをするものであ
る。尚、これら位置決めのための装置は、転写コンベア
11の前後の移動にともない、その分だけ移動できるよう
になっている。尚、供給コンベア3の途中の上方には静
電気除去装置45が設けられる。また排出コンベア5は、
逆に液圧転写装置2で転写処理された被転写体Bを治具
Pに取り付けたまま次工程へ排出するためのものであ
る。更に連絡コンベア4は、例えば不良品の被転写体B
が供給コンベア3上に流れた場合に、液圧転写装置2へ
移送することなく、そのまま別に設けられた不良品排出
経路へ流すために設けられるものである。次に自動供給
装置6及び自動排出装置7について説明する。自動供給
装置6は、第1、5図に示すように被転写体Bが取り付
けられる治具Pの把持装置49を具え、この把持装置49の
向きを変えながら、しかも転写コンベア11に設けたチャ
ック装置30に対して被転写体Bを移送するための回動構
造50、Y軸移送構造51、X軸移送構造52及び反転構造53
を具えて成るものである。尚ここで一次角θとは、被
転写体Bを転写槽10内に浸けて転写膜Fからの転写を行
なう際に、水平面に対して被転写体Bが進行する方向の
傾きをいう。またX軸とは水平面上において前記回動軸
38方向の成分をいい、Y軸とは水平面上において前記チ
ェーンの進行方向の成分をいい、Z軸とは高さ方向をい
うものと定義する。まず回動構造50について説明する。
連絡コンベア4を挟んで液圧転写装置2の反対側には、
転写コンベア11における回動軸38を軸とする二本の回動
アーム54が設けられ、この回動アーム54には回動シリン
ダ55のシリンダロッド55aが接続する。回動構造50はこ
のような構造を有するものであって、回動シリンダ55の
伸縮により回動アーム54が回動してこの時点で実質的に
被転写体Bの一次角θが設定される。尚、このような
一次角θの設定は、まず転写コンベア11に一次角θ
に設定指令がなされ、回動アーム54はこの転写コンベア
11の傾きにならうように回動するようにしてもよい。ま
た尚、回動操作にあたっては、第6図に示すように回動
シリンダ55の代りに回動アーム54の端部にワイヤWを接
続して、このワイヤWを引き揚げるようにしてもよい。
また、本実施例では被転写体Bの一次角θは、実質的
に自動供給装置6における回動構造50が回動することに
よりその時点でほぼ定まるようにしたが、二次角θ
様、転写コンベア11側に治具Pが保持された後に一次角
θが設定されるようにしてもよい。即ちこのようにす
る場合には、被転写体Bの一次角の設定機構を含む傾斜
角調節構造を被転写体保持装置25に設けるのである。因
みにこのようにすれば前記二次角θの変更とともに、
水面下での被転写体Bの一次角θを変更でき、被転写
体Bが比較的複雑な形状の場合でも、被転写体Bと転写
膜Fとの間の空気抜きに寄与したり、被転写体Bの揺動
効果による奇麗な転写を行なうことができる。また二次
角θ同様、個々の被転写体保持装置25について一次角
θを設定できるようにしておけば、被転写体Bの種類
を変える場合のライン切り換え時には転写コンベア11自
体の傾きを変える必要がないため迅速な切り替えが行な
えるとともに、更には一次角θを変える必要がある多
種類の被転写体Bを一台の液圧転写装置2で転写するこ
とができる。またこのような思想は一次角θ及び二次
角θだけでなく、例えば第8図に示すようにZ軸方向
を軸とする被転写体Bの水平面での回転角(以下水平回
転角θという)にも適用できる。即ち従来の液圧転写
装置2では、一次角θと二次角θとの設定により被
転写体Bと転写膜Fとの間に空気が溜まらないようにし
ていたが、例えば被転写体Bの横方向に寸法が大きいた
め転写槽10に入りきらない場合には、被転写体Bを水平
面上で回転させる必要もあり、このような場合に被転写
体Bの水平回転角θの設定機構を含む傾斜角調節構造
により、水平回転角θを設定する必要がある。また水
中で水平回転角θを変更することにより、前記一次角
θと二次角θの水中での変更同様、より奇麗な転写
を行なうことができる。尚、被転写体Bの一次角θ
二次角θ及び水平回転角θを合わせた被転写体Bの
総合的な傾きを被転写体Bの傾斜角θと定義する。また
このため上記傾斜角調節構造とは、一次角θ、二次角
θ及び水平回転角θを個々に、ないしはユニバーサ
ルジョイント等を適用して一度に適宜設定し得るもので
ある。次にY軸移送構造51について説明すると、二本の
回動アーム54には、それぞれ下部にレール部54aが形成
され、このレール部54aには摺動自在にスライド板58が
設けられる。そしてこのスライド板58の中央上部には二
つの雌ネジブロック59が形成され、モータM3を具えたス
クリューシャフト60がこの雌ネジブロック59と螺合して
設けられ、一方スライド板58の下面側には二本の保持ブ
ロック61が固定され、この保持ブロック61に対して前記
回動アーム54と直交するようにスライドシャフト56が摺
動自在に設けられる。Y軸移送構造51はこのような構造
を有するものであって、モータM3を駆動することにより
スライドシャフト56が回動アーム54におけるレール部54
a上をY軸方向に移動できるのである。次にX軸移送構
造52について説明する。まず保持ブロック61の中央には
スライドシャフト56と並行してスクリューシャフト62が
設けられ、このスクリューシャフト62には、内側にスク
リューシャフト62と螺合する雌ネジが形成されるスライ
ド従動ギア63が設けられ、このスライド従動ギア63に対
してモータM4の出力軸に設けたスライド駆動ギア64が噛
み合う。またスライドシャフト56及びスクリューシャフ
ト62の一端部側には係止板65が設けられ、この係止板65
の両端部にスライドシャフト56の端部が固定され、一方
その中央にはスクリューシャフト62の端部が固定して接
続される。X軸移送構造52はこのような構造を有するも
のであって、モータM4の駆動によるスライド従動ギア63
の回転によりスクリューシャフト62がスライドすること
により、これに伴ってスライドシャフト56がX軸方向に
移動できるのである。次に反転構造53について説明する
と、前記係止板65には雄ネジ部67が形成され、この雄ネ
ジ部67に対して把持装置49が回転自在に保持される。こ
の把持装置49は、T字形をした回転板68の一方の面の各
端部にエアーチャック方式の把持具69を具え、他方の面
には、内側にベアリング70を具えた反転従動ギア71を固
定して成り、反転従動ギア71が係止板65側を向くように
して前記雄ネジ部67に対して回転自在に設けられるので
ある。また反転従動ギア71にはモータM5の出力軸に設け
た反転駆動ギア72が噛み合う。反転構造53は以上のよう
な構造を有するものであって、モータM5の駆動により反
転従動ギア71を回転させ、これに伴い把持装置49全体を
反転することができるのである。尚、把持具69による治
具Pの把持状態は、第7図に示すように三つの把持具69
で治具Pの側部をチャックするようにする。また反転構
造53は、自動供給装置6に設ける他に、供給コンベア3
上に設けるようにしてもよい。
以上は自動供給装置6についての説明であるが、自動
排出装置7は、いわば自動供給装置6と反対の操作を行
なうものであり、その構造については自動供給装置6と
同様であるのでその説明については省略する。
本発明たる液圧転写方法並びに装置は以上の通りであ
って、以下液圧転写ライン1における被転写体Bの流れ
について説明する。まず第7図に示すように、一例とし
て四つの被転写体Bが、板バネ状の係止具で治具Pの上
側に固定された状態で供給コンベア3上を移送される。
治具Pが位置決め板44bの位置にくると、治具Pはその
位置で一旦停止し、その間に回動アーム54が回動するこ
とにより把持装置49が治具Pの側方に位置するようにな
る。この状態で把持具69で治具Pを掴んだ後、回動アー
ム54が水平面から一次角θだけ上方へ回動して被転写
体Bの一次角θを決定するとともに、回転板68が反転
して被転写体Bが治具Pの下側に固定される状態とな
る。次にこのような状態で、スライド板58が回動アーム
54におけるレール部54a上をY軸に沿って排出コンベア
5側へ移動しながら転写コンベア11におけるチェーン20
の進行スピードと同調するとともに、スライドシャフト
56がX軸に沿って液圧転写装置2側へ移動する。そし
て、治具Pの一部が被転写体保持装置25における受入れ
部31内にチャッキングされ、同時に把持具69の把持状態
が解除されることにより、液圧転写装置2への被転写体
Bの供給がなされることとなる。尚、チャッキング時及
び排出の際のチャッキング解除時には、回動フレーム29
は治具Pの受入れ又は受渡しのため水平状態になってい
る。また一つの治具Pが液圧転写装置2へ移送された後
は、自動供給装置6は次の治具Pを移送するため供給コ
ンベア3側へ戻し、上述の操作を繰り返す。尚、次の治
具Pが被転写体保持装置25側にチャッキングされるタイ
ミングは、チャッキングの際の揺れにより転写のずれを
生じないように、前の被転写体Bが水中に没入した後と
する。また被転写体保持装置25に保持された治具Pが転
写コンベア11における下降部23を下降する途中では、モ
ータM1の駆動による回動フレーム29の回動により二次角
θが決定される。更にこの下降途中では、案内ローラ
27aが案内レール40に案内されることにより治具Pが転
写槽10のほぼ中央に位置するようになる。一方、液圧転
写装置2では転写膜供給装置12から転写膜Fが水面上に
供給され、転写膜Fが水を吸収して軟化膨潤し、四方に
延展する。転写膜Fを構成するインクの粘着性と水溶性
フィルムの延展度が適当となった頃、水面上方から治具
Pに取り付けられた被転写体Bが転写膜Fを押し下げる
ように水没し、その際水圧により転写膜Fのインクが被
転写体Pの凹凸に従って密着し被膜状に覆うようにな
る。このようにして転写が行なわれた後、治具Pに取り
付けられた被転写体Bは転写コンベア11における上昇部
24に至り、自動排出装置7によって前記自動供給装置6
とほぼ逆の作業で排出コンベア5側へ移送される。尚、
被転写体Bはその後排出コンベア5により乾燥工程、ト
ップコート等の仕上げ塗装工程、乾燥工程を経て製品と
なる。
以上の実施例では、自動供給装置6又は自動排出装置
7は、回動構造50、Y軸移送構造51、X軸移送構造52及
び反転構造53から構成され、特にZ軸方向は回動構造50
の回動操作により決定されるものであるが、第9図に示
すようにX軸移送構造たるX軸スライドユニット73、Y
軸移送構造たるY軸スライドユニット74、Z軸移送構造
たるZ軸スライドユニット75及び反転構造53を組み合わ
せて成るX、Y、Z軸をすべて直交座標形とする三次元
ロボットタイプの自動移送装置76とすることもできる。
この自動移送装置76はY軸方向にスライドできるように
なっていて、液圧転写装置2に対する被転写体Bの自動
供給と自動排出とを、この一つの自動移送装置76により
行なうようにしたものである。尚、本発明では、このよ
うに一台の装置が被転写体Bの自動供給と自動排出とを
行なう場合を含むものである。
《発明の効果》 本発明では、被転写体Bの一部または全部が液体に浸
漬中に被転写体の傾斜角θを調節する方法をとるから、
被転写体Bの傾斜角θの変化及びその際の揺動効果によ
り奇麗な転写が行なえるため、従来転写がうまく行なえ
なかった形状の被転写体Bにも奇麗な転写が可能とな
り、この種の曲面印刷の対象範囲を広げることができ
た。
また本発明の液圧転写装置では、被転写体保持装置25
に被転写体Bの傾斜角調節構造が個々に設けられるか
ら、種類の異なる被転写体Bを同時に液圧転写装置2に
流すことができ、少量多品種に対応した効率の良い印刷
作業が行なえる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の被転写体の自動移載装置を具えた液圧
転写装置を示す正面図、第2図は同上平面図、第3図は
被転写体保持装置に被転写体を搭載した治具を供給する
状態並びに供給コンベア上を流れてくる治具の前後方向
の位置決め手法を示す説明図、第4図は被転写体保持装
置の縦断側面図、第5図は自動供給装置におけるY軸移
送構造、X軸移送構造、反転構造を分解して示す斜視
図、第6図は回動アームの他の駆動機構を示す説明図、
第7図は被転写体を搭載した治具並びに把持装置による
把持位置を示す斜視図、第8図は被転写体の種々の方向
の傾斜角を示す骨格的斜視図、第9図は三次元ロボット
タイプの自動移送装置を適用した液圧転写装置を示す斜
視図である。 1;液圧転写ライン 2;液圧転写装置 3;供給コンベア 4;連絡コンベア 5;排出コンベア 6;自動供給装置 7;自動排出装置 10;転写槽 11;転写コンベア 12;転写膜供給装置 12a;水循環路 13;循環ポンプ 14;温調槽 15;整流板 16;チェーン 17;気泡発生装置 18;送風装置 19a;テンションプーリ 19b;従動プーリ 19c;駆動プーリ 20;チェーン 23;下降部 24;上昇部 25;被転写体保持装置 26;スライド杆 27;支持フレーム 27a;案内ローラ 28;二次角調整機構 28a;ウォームホイール 28b;ウォームギア 29;回動フレーム 30;チャック装置 31;受入れ部 32;チャック保持部材 33;チャックフィンガ 34;チャック駆動杆 34a;雌ネジ部 35;出力軸 36;清掃装置 37;角度調節シリンダ 37a;角度調節スクリュー 38;回動軸 40;案内レール 41;原反ロール 42;溶剤タンク 43;送りローラ 44;光電管 44a;押し込みシリンダ 44b;位置決め板 45;静電気除去装置 49;把持装置 50;一次角設定構造 51;Y軸移送構造 52;X軸移送構造 53;反転構造 54;回動アーム 54a;レール部 55;回動シリンダ 55a;シリンダロッド 56;スライドシャフト 58;スライド板 59;雌ネジブロック 60;スクリューシャフト 61;保持ブロック 62;スクリューシャフト 63;スライド従動ギア 64;スライド駆動ギア 65;係止板 67;雄ネジ部 68;回転板 69;把持具 70;ベアリング 71;従動ギア 72;駆動ギア 73;X軸スライドユニット 74;Y軸スライドユニット 75;Z軸スライドユニット 76;自動移送装置 A;水 B;被転写体 F;転写膜 M1、M2、M3、M4、M5;モータ P;治具 W;ワイヤ θ;傾斜角 θ1;一次角 θ2;二次角 θ3;水平回転角

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】液面上に転写膜を浮べた転写槽に対して、
    被転写体の一部または全部を浸漬し、液圧によって、前
    記転写膜のパターンを被転写体に転写する方法におい
    て、被転写体を転写槽内に浸けて転写膜からの転写を行
    う際に、水平面に対して被転写体が進行する方向の傾き
    を一次角、被転写体の進行方向の左右の傾きを二次角、
    高さ方向を軸とする水平面での回転角を水平回転角とし
    た場合に、被転写体の一部または全部が液体に浸漬中
    に、これら一次角、二次角及び水平回転角を合わせた総
    合的な傾斜角を適宜調節可能とすることを特徴とする液
    圧転写方法。
  2. 【請求項2】液面上に転写膜を浮べた転写槽に対して、
    被転写体保持装置に保持された被転写体の一部または全
    部を浸漬し、液圧により前記転写膜のパターンを被転写
    体に転写する装置において、被転写体を転写槽内に浸け
    て転写膜からの転写を行う際に、水平面に対して被転写
    体が進行する方向の傾きを一次角、被転写体の進行方向
    の左右の傾きを二次角、高さ方向を軸とする水平面での
    回転角を水平回転角とした場合に、被転写体の一部また
    は全部が液体に浸漬中に、これら一次角、二次角及び水
    平回転角を合わせた総合的な傾斜角を適宜調節し得る、
    傾斜角調節構造を設けたことを特徴とする液圧転写装
    置。
  3. 【請求項3】前記傾斜角調節構造は、複数の被転写体保
    持装置に各々設けられ、且つ各傾斜角調節構造はそれぞ
    れ独立して作動することを特徴とする請求項2記載の液
    圧転写装置。
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