JP2905934B2 - 液圧転写装置への被転写体の自動移載装置 - Google Patents

液圧転写装置への被転写体の自動移載装置

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JP2905934B2 JP24286990A JP24286990A JP2905934B2 JP 2905934 B2 JP2905934 B2 JP 2905934B2 JP 24286990 A JP24286990 A JP 24286990A JP 24286990 A JP24286990 A JP 24286990A JP 2905934 B2 JP2905934 B2 JP 2905934B2
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Description

【発明の詳細な説明】 《発明の目的》 〈産業上の利用分野〉 本発明は液圧を利用して被転写体に所望のパターンを
転写する液圧転写装置に対し、被転写体を自動的に供給
し、あるいは液圧転写装置から被転写体を自動的に排出
する構造に関する。
〈発明の背景〉 近年、三次曲面に印刷を行なう方法として、いわゆる
曲面印刷の技術が開発され、既にこの技術を適用した自
動車部品、室内装飾品等が市場に出回っている。ここで
この技術について簡単に説明すると、転写すべきパター
ンを予め印刷した水溶性フィルムを用意し、このフィル
ムを液体に浮べた状態とする一方、液面上方から被転写
体の形状によって決められた傾きで被転写体の全部又は
一部を液面下に押し下げ、水圧によりパターンを被転写
体に密着させながら転写するというものである。ところ
でこの技術を用いるにあたり、大量生産を目的として、
既に被転写体へのパターンの転写を自動化した印刷装置
が開発されている(特開昭58−31754号公報を参照)。
しかし乍らこの印刷装置では、被転写体を液面下に一定
の角度で浸す必要があるため、被転写体を一定角度傾け
た状態で供給コンベアから移送する必要がある。また逆
に印刷装置から排出コンベアに被転写体を移送する場合
にも、被転写体を排出コンベアの傾きに合わせて移送す
る必要がある。そのため通常の移送装置をそのまま適用
することはできず、印刷装置への被転写体の供給と印刷
装置からの被転写体の排出は自動化がなされることなく
未だ人手によるところが多いのが現状であった。
〈開発を試みた技術的事項〉 本発明はこのような背景に鑑みなされたものであっ
て、被転写体の印刷装置への供給と被転写体の印刷装置
からの排出の自動化を図った液圧転写装置への被転写体
の自動移載装置の開発を試みたものである。
《発明の構成》 〈目的達成の手段〉 即ち本出願に係る第一の発明たる液圧転写装置への被
転写体の自動移載装置は、液面上に転写膜を浮べた転写
槽と、前記液面下に被転写体の一部または全部を一定の
傾きで下降浸漬する下降部及びその後被転写体を液面上
に上昇させる上昇部を有する転写コンベアとを具える液
圧転写装置に対して、前記下降部近傍に被転写体を供給
するための供給コンベアを設け、一方前記上昇部近傍に
は被転写体を次工程へ送るための排出コンベアを設けて
成る一連の液圧転写ラインにおいて、前記供給コンベア
から前記転写コンベアへ被転写体を移送する自動供給装
置または前記転写コンベアから前記排出コンベアへ被転
写体を移送する自動排出装置のいずれか一方又は双方を
設けたことを特徴として成るものである。
また本出願に係る第二の発明たる液圧転写装置への被
転写体の自動移載装置は、前記要件に加えて前記自動供
給装置または前記自動排出装置は、回動構造とY軸移送
構造とX軸移送構造とを具えて成ることを特徴として成
るものである。
更に本出願に係る第三の発明たる液圧転写装置への被
転写体の自動移載装置は、前記要件に加えて前記自動供
給装置または前記自動排出装置は、Y軸移送構造とX軸
移送構造とZ軸移送構造とを具えて成ることを特徴とし
て成るものである。
更に本出願に係る第四の発明たる液圧転写装置への被
転写体の自動移載装置は、前記要件に加えて前記自動供
給装置または前記自動排出装置は、被転写体の反転構造
を具えて成ることを特徴として成るものである。
これら発明によって前記目的を達成しようとするもの
である。
〈発明の作用〉 本発明では供給コンベア上の被転写体が移送装置に保
持され、回動動作、X軸、Y軸、Z軸方向への移送動作
により液圧転写装置へ自動的に移送される。
また移送された被転写体は転写処理がなされたのち、
再び移送装置により保持され、回動動作、X軸、Y軸、
Z軸方向への移送動作により排出コンベア側に自動的に
排出される。
〈実施例〉 以下本発明を図示の実施例に基づいて具体的に説明す
る。符号1は本発明を適用した液圧転写ラインであっ
て、このものは液圧転写装置2と、その側方に連続的に
配置される供給コンベア3、連絡コンベア4、排出コン
ベア5と、連絡コンベア4の上方に設けられ液圧転写装
置2の側方に位置する自動供給装置6、自動排出装置7
とを具えて成る。まず液圧転写装置2について説明す
る。このものは転写槽10と、その上方に位置する転写コ
ンベア11と、転写膜供給装置12とを具えて成る。転写槽
10の内部には一例として水Aを入れてあり、この水Aは
転写槽10の外部に配設した水循環路12aに設けた循環ポ
ンプ13により、例えば第1、2図中左から右へ向けて流
動させられるとともに、水循環路12aの途中に設けた温
調槽14で水が加熱され、転写槽10内の水Aが一定の温
度、例えば約25〜30℃に保たれる。因みに転写槽10内の
水を流動させる理由は、水面の転写膜Fを被転写体とと
もに移動させることにより、転写のずれをなくすためで
あり、また転写槽10内の水Aを一定温度に保つ理由は、
転写膜Fが水を吸収する際の膨潤状態を良好なものとす
るためである。尚、液面の流動を均一化するため転写槽
10内には整流板15を設けるとともに、水面の両端には転
写膜Fの端部が転写槽10の壁面に貼り付いて転写膜Fの
流動が阻害されないように、液面と同じ速度で進行する
チェーン16を設ける。ここで転写膜Fについて説明する
と、このものはゼラチン、アルギン酸ナトリウム、ポリ
ビニルアルコール等の水溶性フィルムに対して、転写す
べきパターンを構成するインクを印刷してあるものであ
る。尚、水溶性フィルムには多色印刷をする関係上、塗
膜は乾燥状態にする必要があり、そのため転写膜Fの使
用時には転写膜Fに活性剤を作用させて粘着性を付与し
た状態で使用する。また転写膜Fの受入れ側には水中に
気泡発生装置17を設け、更にその上方には転写膜Fに臨
むように送風装置18を設ける。因みにこれらの装置は転
写膜Fのしわを伸ばすためのものである。即ち転写膜供
給装置12から供給される転写膜Fは水と接すると、その
ベースである水溶性フィルムが軟化、膨潤して四方に延
展するが、その際生じるしわを下から気泡で広げ、更に
送風装置18から風を送ってしわ伸ばすようにするのであ
る。次に転写コンベア11はテンションプーリ19a、従動
プーリ19b、駆動プーリ19cに対して両側にチェーン20を
並行に張設して成るものである。尚、この転写コンベア
11のうち、チェーン20が水面に向かって進行する部分、
即ち従動プーリ19bと駆動プーリ19cとの間を下降部23と
定義し、チェーン20が液面から上方に向かって進行する
部分、即ちテンションプーリ19aと駆動プーリ19cとの間
を上昇部24と定義する。このような転写コンベア11に対
しては、被転写体保持装置25が一定間隔毎に設けられ
る。この被転写体保持装置25は、第3、4図に示すよう
に転写コンベア11における両側のチェーン20の間に設け
たスライド杆26に対しスライド自在な支持フレーム27が
設けられ、更にこの支持フレーム27に対して被転写体B
の傾斜角調節構造たる二次角調整機構28を介してL字状
の回動フレーム29が接続し、この回動フレーム29にチャ
ック装置30を設けたものである。まず二次角調整機構28
について説明する。この二次角調整機構28は、被転写体
Bを転写槽10内に浸けて転写膜Fからの転写を行なう際
に、被転写体Bの進行方向の左右の傾きである二次角θ
2を決定するためのものであって、このものは支持フレ
ーム27側に固定されるウォームホイール28aと、回動フ
レーム29に固定されるモータM1の出力軸に設けたウォー
ムギア28bとが互いに噛み合うことにより構成され、モ
ータM1が駆動することにより回動フレーム29が支持フレ
ーム27に対して左右に回動するようになっている。尚、
二次角の設定には電気的に角度を読み取る近接センサを
適用するが、この他にも機械的、光学的に読み取る方法
をとってもよい。因みに被転写体保持装置25に二次角調
整機構28を設けることにより、例えば被転写体Bが水面
下にあるときでも被転写体Bの二次角θ2を変更するこ
とができる。そのため被転写体Bが比較的複雑な形状の
場合でも、水中での二次角θ2の変更により、被転写体
Bと転写膜Fとの間の空気を抜くことができるため奇麗
な転写を行なうことができる。また二次角調整機構28は
個々の被転写体保持装置25に設けられるから、個々の二
次角調整機構28を別々に操作できるようにしておけば、
二次角θ2を変える必要がある多種類の被転写体Bを一
台の液圧転写装置2で転写することができる。またチャ
ック装置30は、自動供給装置6から供給される被転写体
Bの取り付けられた治具Pの一部をチャッキングするた
めのものである。このものは第3図に示すように、四カ
所にV字状に切り欠かれた受入れ部31を形成したチャッ
ク保持部材32に対し、各受入れ部31の外側に鉤状のチャ
ックフィンガ33を回動自在に取り付けて成る。またチャ
ック保持部材32の回りには、中央に雌ネジ部34aを形成
し、端部側が前記チャックフィンガ33の回動支点の下部
に回動自在に接続されるコの字状のチャック駆動杆34が
設けられ、一方チャック保持部材32の内側には雄ネジを
形成した出力軸35を有するモータM2が固定され、このモ
ータM2の出力軸35がチャック保持部材32を貫いてチャッ
ク駆動杆34における雌ネジ部34aと螺合する。因みにこ
のような構造をとることにより、モータM2の駆動により
チャック駆動杆34をスライドさせ、チャックフィンガ33
を回動させてチャック操作を行なうのである。このよう
な被転写体保持装置25の上部には断面がチャンネル状の
案内レール40が設けられ、この案内レール40には支持フ
レーム27の上部に形成する案内ローラ27aがスライド自
在に支持される。尚、この案内レール40は、第2図に示
すように被転写体Bの受け取り側と排出側とで、それぞ
れ自動供給装置6、自動排出装置7側に屈曲し、被転写
体Bの受け取りと排出を容易にしている。また被転写体
Bの大きさに応じて被転写体Bが転写槽10の中央にくる
ように調整するため案内レール40の一部が屈曲自在とな
っている。尚、チャック装置30は転写膜Fの残滓やそれ
に付着しているインク等により汚れるため、この汚れを
とるための清掃装置36が設けられる。また転写コンベア
11は、被転写体Bの形状に応じて角度調節シリンダ37及
び角度調節スクリュー37aにより回動軸38を中心に下降
部23の角度を変更できるようになっているとともに、転
写コンベア11自体が上下前後に移動できるようになって
いる。次に転写膜供給装置12について説明すると、この
ものは転写膜Fがロール状に巻回された原反ロール41
と、転写膜Fに印刷されたインクを活性化するための活
性化溶剤を貯留する溶剤タンク42とを具えて成り、原反
ロール41から繰り出された転写膜Fが、途中溶剤タンク
42内の活性化溶剤で活性化されたのち、転写膜10内へ連
続供給されるように適宜送りローラ43が設けられるもの
である。尚、本実施例では転写膜Fを溶剤タンク42内の
活性化溶剤で活性化する方法をとるが、転写膜Fが転写
槽10内の水Aに着水後、浮遊中に転写膜Fに溶剤または
接着剤を散布するという方法や、転写膜Fを構成する水
溶性フィルムが完全に水に溶解し、転写パターンのイン
クが浮遊時に被転写体Bを水没させる方法をとることも
できる。以上のような構造を有する液圧転写装置2の近
傍には、供給コンベア3、連絡コンベア4及び排出コン
ベア5が配置される。供給コンベア3は、被転写体Bを
治具Pの上側に取り付けた状態で液圧転写装置2の側方
へ搬送するためのものであって、その端部付近には後述
する自動供給装置6へ被転写体Bを移す際に、被転写体
Bを一時的に静止させて位置決めを行なうために光電管
44と押し込みシリンダ44a及び位置決め板44bが設けられ
る。即ち光電管44は、被転写体Bを検知して一時的に供
給コンベア3の進行を止めて位置決めを行ない、また押
し込みシリンダ44a及び位置決め板44bは、被転写体Bの
横方向から押し込みシリンダ44aにおけるロッドを被転
写体Bに押し当てて、被転写体Bを位置決め板44bに当
接させることにより位置決めをするものである。尚、こ
れら位置決めのための装置は、転写コンベア11の前後の
移動にともない、その分だけ移動できるようになってい
る。尚、供給コンベア3の途中の上方には静電気除去装
置45が設けられる。また排出コンベア5は、逆に液圧転
写装置2で転写処理された被転写体Bを治具Pに取り付
けたまま次工程へ排出するためのものである。更に連絡
コンベア4は、例えば不良品の被転写体Bが供給コンベ
ア3上に流れた場合に、液圧転写装置2へ移送すること
なく、そのまま別に設けた不良品排出経路へ流すために
設けられるものである。次に本発明の特徴的構成要素で
ある自動供給装置6及び自動排出装置7について説明す
る。自動供給装置6は、第1、5図に示すように被転写
体Bが取り付けられる治具Pの把持装置49を具え、この
把持装置49の向きを変えながら、しかも転写コンベア11
に設けたチャック装置30に対して被転写体Bを移送する
ための回動構造50、Y軸移送構造51、X軸移送構造52及
び反転構造53を具えて成るものである。尚ここで一次角
θ1とは、被転写体Bを転写槽10内に浸けて転写膜Fか
らの転写を行なう際に、水平面に対して被転写体Bが進
行する方向の傾きをいう。またX軸とは水平面上におい
て前記回動軸38方向の成分をいい、Y軸とは水平面上に
おいて前記チェーンの進行方向の成分をいい、Z軸とは
高さ方向をいうものと定義する。まず回動構造50につい
て説明する。連絡コンベア4を挟んで液圧転写装置2の
反対側には、転写コンベア11における回動軸38を軸とす
る二本の回動アーム54が設けられ、この回動アーム54に
は回動シリンダ55のシリンダロッド55aが接続する。回
動構造50はこのような構造を有するものであって、回動
シリンダ55の伸縮により回動アーム54が回動してこの時
点で実質的に被転写体Bの一次角θ1が設定される。
尚、このような一次角θ1の設定は、まず転写コンベア1
1に一次角θ1の設定指令がなされ、回動アーム54はこの
転写コンベア11の傾きにならうように回動するようにし
てもよい。また尚、回動操作にあたっては、第6図に示
すように回動シリンダ55の代リに回動アーム54の端部に
ワイヤWを接続して、このワイヤWを引き揚げるように
してもよい。また、本実施例では被転写体Bの一次角θ
1は、実質的に自動供給装置6における回動構造50が回
動することによりその時点でほぼ定まるようにしたが、
二次角θ2同様、転写コンベア11側に治具Pが保持され
た後に一次角θ1が決定されるようにしてもよい。即ち
このようにする場合には、被転写体Bの傾斜角調節構造
たる一次角の設定機構を被転写体保持装置25に設けるの
である。因みにこのようにすれば前記二次角θ2の変更
とともに、水面下での被転写体Bの一次角θ1を変更で
き、被転写体Bが比較的複雑な形状の場合でも、被転写
体Bと転写膜Fとの間の空気抜きに寄与したり、被転写
体Bの揺動効果による奇麗な転写を行なうことができ
る。また二次角θ2同様、個々の被転写体保持装置25に
ついて一次角を設定できるようにしておけば、被転写体
Bの種類を変える場合のライン切り換え時には転写コン
ベア11自体の傾斜角を変える必要がないため迅速な切り
替えが行なえるとともに、更には一次角θ1を変える必
要がある多種類の被転写体Bを一台の液圧転写装置2で
転写することができる。またこのような思想は一次角θ
1及び二次角θ2だけでなく、例えば第8図に示すように
Z軸方向を軸とする被転写体Bの水平面での回転角(以
下水平回転角θ3という)にも適用できる。即ち従来の
液圧転写装置2では、一次角θ1と二次角θ2との設定に
より被転写体Bと転写膜Fとの間に空気が溜まらないよ
うにしていたが、例えば被転写体Bの横方向に寸法が大
きいため転写槽10に入りきらない場合には、被転写体B
を水平面上で回転させる必要もあり、このような場合に
被転写体Bの傾斜角調節構造により水平回転角θ3を設
定する必要があるのである。また水中で水平回転角θ3
を変更することにより、前記一次角θ1と二次角θ2の水
中での変更同様、より奇麗な転写を行なうことができ
る。尚、被転写体Bの一次角θ1、二次角θ2及び水平回
転角θ3を合わせた被転写体Bの総合的な傾きを被転写
体Bの傾斜角θと定義する。このような被転写体Bの傾
斜角θの決定には、ユニバーサルジョイント等を適用し
て一次角θ1、二次角θ2及び水平回転角θ3を一度に設
定できる機構としてもよい。次にY軸移送構造51につい
て説明すると、二本の回動アーム54には、それぞれ下部
にレール部54aが形成され、このレール部54aには摺動自
在にスライド板58が設けられる。そしてこのスライド板
58の中央上部には二つの雌ネジブロック59が形成され、
モータM3を具えたスクリューシャフト60がこの雌ネジブ
ロック59と螺合して設けられ、一方スライド板58の下面
側には二本の保持ブロック61が固定され、この保持ブロ
ック61に対して前記回動アーム54と直交するようにスラ
イドシャフト56が摺動自在に設けられる。Y軸移送構造
51はこのような構造を有するものであって、モータM3
駆動することによりスライドシャフト56が回動アーム54
におけるレール部54a上をY軸方向に移動できるのであ
る。次にX軸移送構造52について説明する。まず保持ブ
ロック61の中央にはスライドシャフト56と平行してスク
リューシャフト62が設けられ、このスクリューシャフト
62には、内側にスクリューシャフト62と螺合する雌ネジ
が形成されるスライド従動ギア63が設けられ、このスラ
イド従動ギア63に対してモータM4の出力軸に設けたスラ
イド駆動ギア64が噛み合う。またスライドシャフト56及
びスクリューシャフト62の一端部側には係止板65が設け
られ、この係止板65の両端部にスライドシャフト56の端
部が固定され、一方その中央にはスクリューシャフト62
の端部が固定して接続される。X軸移送構造52はこのよ
うな構造を有するものであって、モータM4の駆動による
スライド従動ギア63の回転によりスクリューシャフト62
がスライドすることにより、これに伴ってスライドシャ
フト56がX軸方向に移動できるのである。次に反転構造
53について説明すると、前記係止板65には雄ネジ部67が
形成され、この雄ネジ部67に対して把持装置49が回転自
在に保持される。この把持装置49は、T字形をした回転
板68の一方の面の各端部にエアーチャック方式の把持具
69を具え、他方の面には、内側にベアリング70を具えた
反転従動ギア71を固定して成り、反転従動ギア71が係止
板65側を向くようにして前記雄ネジ部67に対して回転自
在に設けられるのである。また反転従動ギア71にはモー
タM5の出力軸に設けた反転駆動ギア72が噛み合う。反転
構造53は以上のような構造を有するものであって、モー
タM5の駆動により反転従動ギア71を回転させ、これに伴
い把持装置49全体を反転することができるのである。
尚、把持具69による治具Pの把持状態は、第7図に示す
ように三つの把持具69で治具Pの側部をチャックするよ
うにする。また反転構造53は、自動供給装置6に設ける
他に、供給コンベア3上に設けるようにしてもよい。
以上は自動供給装置6についての説明であるが、自動
排出装置7は、いわば自動供給装置6と反対の操作を行
なうものであり、その構造については自動供給装置6と
同様であるのでその説明については省略する。
本発明たる液圧転写装置への被転写体の自動移載装置
は以上のような構造を有するものであって、以下液圧転
写ライン1における被転写体Bの流れについて説明す
る。まず第7図に示すように、一例として四つの被転写
体Bが、板バネ状の係止具で治具Pの上側に固定された
状態で供給コンベア3上を移送される。治具Pが位置決
め板44bの位置にくると、治具Pはその位置で一旦停止
し、その間に回動アーム54が回動することにより把持装
置49が治具Pの側方に位置するようになる。この状態で
把持具69で治具Pを掴んだ後、回動アーム54が水平面か
ら一次角θ1だけ上方へ回動して被転写体Bの一次角θ1
を決定するとともに、回転板68が反転して被転写体Bが
治具Pの下側に固定される状態となる。次にこのような
状態で、スライド板58が回動アーム54におけるレール部
54a上をY軸に沿って排出コンベア5側へ移動しながら
転写コンベア11におけるチェーン20の進行スピードと同
調するとともに、スライドシャフト56がX軸に沿って液
圧転写装置2側へ移動する。そして、治具Pの一部が被
転写体保持装置25における受入れ部31内にチャッキング
され、同時に把持具69の把持状態が解除されることによ
り、液圧転写装置2への被転写体Bの供給がなされるこ
ととなる。尚、チャッキング時及び排出の際のチャッキ
ング解除時には、回動フレーム29は治具Pの受入れのた
め水平状態になっている。また一つの治具Pが液圧転写
装置2へ移送された後は、自動供給装置6は次の治具P
を移送するため供給コンベア3側へ戻り、上述の操作を
繰り返す。尚、次の治具Pが被転写体保持装置25側にチ
ャッキングされるタイミングは、チャッキングの際の揺
れにより転写のずれを生じないように、前の被転写体B
が水中に没入した後とする。また被転写体保持装置25に
保持された治具Pが転写コンベア11における下降部23を
下降する途中では、モータM1の駆動による回動フレーム
29の回動により二次角θ2が決定される。更にこの下降
途中では、案内ローラ27aが案内レール40に案内される
ことにより治具Pが転写槽10のほぼ中央に位置するよう
になる。一方、液圧転写装置2では転写膜供給装置12か
ら転写膜Fが水面上に供給され、転写膜Fが水を吸収し
て軟化膨潤し、四方に延展する。転写膜Fを構成するイ
ンクの粘着性と水溶性フィルムの延展度が適当となった
頃、水面上方から治具Pに取り付けられた被転写体Bが
転写膜Fを押し下げるように水没し、その際水圧により
転写膜Fのインクが被転写体Pの凹凸に従って密着し被
膜状に覆うようになる。このようにして転写が行なわれ
た後、治具Pに取り付けられた被転写体Bは転写コンベ
ア11における上昇部24に到り、自動排出装置7によって
前記自動供給装置6とほぼ逆の作業で排出コンベア5側
へ移送される。尚、被転写体Bはその後排出コンベア5
により乾燥工程、トップコート等の仕上げ塗装工程、乾
燥工程を経て製品となる。
以上の実施例では、自動供給装置6又は自動排出装置
7は、回動構造50、Y軸移送構造51、X軸移送構造52及
び反転構造53から構成され、特にZ軸方向は回動構造50
の回動操作により決定されるものであるが、第9図に示
すようにX軸移送構造たるX軸スライドユニット73、Y
軸移送構造たるY軸スライドユニット74、Z軸移送構造
たるZ軸スライドユニット75及び反転構造53を組み合わ
せて成るX、Y、Z軸をすべて直交座標形とする三次元
ロボットタイプの自動移送装置76とすることもできる。
この自動移送装置76はY軸方向にスライドできるように
なっていて、液圧転写装置2に対する被転写体Bの自動
供給と自動排出とを、この一つの自動移送装置76により
行なうようにしたものである。尚、本発明では、このよ
うに一台の装置が被転写体Bの自動供給と自動排出とを
行なう場合を含むものである。
《発明の効果》 本発明では、従来手作業によって行なわれていた供給
コンベア3から液圧転写装置2への被転写体Bの移送及
び液圧転写装置2から排出コンベア5への移送を自動化
したから、人件費の削減による製品のコストダウンや製
品の効率的な生産を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の被転写体の自動移載装置を具えた液圧
転写装置を示す正面図、第2図は同上平面図、第3図は
被転写体保持装置に被転写体を搭載した治具を供給する
状態並びに供給コンベア上を流れてくる治具の前後方向
の位置決め手法を示す説明図、第4図は被転写体保持装
置の縦断側面図、第5図は自動供給装置におけるY軸移
送構造、X軸移送構造、反転構造を分解して示す斜視
図、第6図は回動アームの他の駆動機構を示す説明図、
第7図は被転写体を搭載した治具並びに把持装置による
把持位置を示す斜視図、第8図は被転写体の種々の方向
の傾斜角を示す骨格的斜視図、第9図は三次元ロボット
タイプの自動移送装置を適用した液圧転写装置を示す斜
視図である。 1;液圧転写ライン 2;液圧転写装置 3;供給コンベア 4;連絡コンベア 5;排出コンベア 6;自動供給装置 7;自動排出装置 10;転写槽 11;転写コンベア 12;転写膜供給装置 12a;水循環路 13;循環ポンプ 14;温調槽 15;整流板 16;チェーン 17;気泡発生装置 18;送風装置 19a;テンションプーリ 19b;従動プーリ 19c;駆動プーリ 20;チェーン 23;下降部 24;上昇部 25;被転写体保持装置 26;スライド杆 27;支持フレーム 27a;案内ローラ 28;二次角調整機構 28a;ウォームホイール 28b;ウォームギア 29;回動フレーム 30;チャック装置 31;受入れ部 32;チャック保持部材 33;チャックフィンガ 34;チャック駆動杆 34a;雌ネジ部 35;出力軸 36;清掃装置 37;角度調節シリンダ 37a;角度調節スクリュー 38;回動軸 40;案内レール 41;原反ロール 42;溶剤タンク 43;送りローラ 44;光電管 44a;押し込みシリンダ 44b;位置決め板 45;静電気除去装置 49;把持装置 50;一次角設定構造 51;Y軸移送構造 52;X軸移送構造 53;反転構造 54;回動アーム 54a;レール部 55;回動シリンダ 55a;シリンダロッド 56;スライドシャフト 58;スライド板 59;雌ネジブロック 60;スクリューシャフト 61;保持ブロック 62;スクリューシャフト 63;スライド従動ギア 64;スライド駆動ギア 65;係止板 67;雄ネジ部 68;回転板 69;把持具 70;ベアリング 71;従動ギア 72;駆動ギア 73;X軸スライドユニット 74;Y軸スライドユニット 75;Z軸スライドユニット 76;自動移送装置 A;水 B;被転写体 F;転写膜 M1、M2、M3、M4、M5;モータ P;治具 W;ワイヤ θ;傾斜角 θ1;一次角 θ2;二次角 θ3;水平回転角

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】液面上に転写膜を浮べた転写槽と、前記液
    面下に被転写体の一部または全部を一定の傾きで下降浸
    漬する下降部及びその後被転写体を液面上に上昇させる
    上昇部を有する転写コンベアとを具える液圧転写装置に
    対して、前記下降部近傍に被転写体を供給するための供
    給コンベアを設け、一方前記上昇部近傍には被転写体を
    次工程へ送るための排出コンベアを設けて成る一連の液
    圧転写ラインにおいて、前記供給コンベアから前記転写
    コンベアへ被転写体を移送する自動供給装置または前記
    転写コンベアから前記排出コンベアへ被転写体を移送す
    る自動排出装置のいずれか一方又は双方を設けたことを
    特徴とする液圧転写装置への被転写体の自動移載装置。
  2. 【請求項2】前記自動供給装置または前記自動排出装置
    は、回動構造とY軸移送構造とX軸移送構造とを具えて
    成ることを特徴とする請求項1記載の液圧転写装置への
    被転写体の自動移載装置。
  3. 【請求項3】前記自動供給装置または前記自動排出装置
    は、Y軸移送構造とX軸移送構造とZ軸移送構造とを具
    えて成ることを特徴とする請求項1記載の液圧転写装置
    への被転写体の自動移載装置。
  4. 【請求項4】前記自動供給装置または前記自動排出装置
    は、被転写体の反転構造を具えて成ることを特徴とする
    請求項1記載の液圧転写装置への被転写体の自動移載装
    置。
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