JP3009404B2 - 2−メトキシ−4−プロピル−1−シクロヘキサノールを含有する調合香料、該調合香料を含有する付香製品、および該調合香料の匂い特性を強調、改善または変更する方法 - Google Patents
2−メトキシ−4−プロピル−1−シクロヘキサノールを含有する調合香料、該調合香料を含有する付香製品、および該調合香料の匂い特性を強調、改善または変更する方法Info
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Description
ピル−1−シクロヘキサノールを含有する調合香料およ
び該調合香料を含有する付香製品に関する。
善または変更する方法に関する。
シクロヘキサノールの化学構造は久しく公知であつた。
この化合物は実際に、イーチヤス(S.W.Eachus)および
デンス(C.W.Dence)〔“Holzforschung"第29巻、第41
〜第48頁(1975年)〕によつて、リグニンモデルとして
役立つ化合物の水素添加に関する研究の一部として、イ
ソオイゲノールの水素添加によつて得られる生成物とし
て記載されている。しかし、この文献は2−メトキシ−
4−プロピル−1−シクロヘキサノールの匂い特性に関
しては黙している。
−プロピル−1−シクロヘキサノールを、香料工業にお
いて常用されている香料共成分、溶剤または助剤と一緒
に含有している調合香料である。
−4−プロピル−1−シクロヘキサノールを含有するも
のである。
製品である。
る付香製品であり、この場合この付香製品は、香粧品、
シャンプー、人体用防臭剤、洗剤、衣類の柔軟仕上げ
剤、石けんまたは室内空気脱臭剤である。
メトキシ−4−プロピル−1−シクロキサノールを調合
香料に加えることを特徴とする調合香料の匂い特性を強
調、改善または変更する方法である。
ルは極めて興味ある匂い特性を有し、その結果、基本香
料および濃縮物、調合香料および付香製品を製造するた
めの香気成分として有利に使用しうることを見出した。
チユラルタイプのノートを発揮するのに有利に使用する
ことができる。その香りは、チヤーピル、パセリ、バジ
ルおよびアルテミシアを連想させる。それの発揮するノ
ートは中程度の強さであるので、添加される調合物の調
和を損なうことなしに、通常使用される多種多様の共香
気成分と組み合せることができるという利点を有する。
−1−シクロヘキサノールは、繊細および官能的調香の
双方において等しく有利に使用することができる。こう
してこの化合物は、アルコール入香料、濃縮香料または
オー・ド・トワレ用の濃縮調合香料に添加することがで
きるか、または石けん、コスメチツク、ボデイミルクま
たはクリーム、およびシヤンプーのような種々の製品の
付香のために使用することができる。同様に、粉末洗剤
または衣服用柔軟化剤、室内芳香剤またはたとえばプラ
スチツクのような他の材料における香り活性成分として
使用することができる。
−メトキシ−4−プロピル−1−シクロヘキサノールの
割合は、広い数値範囲内で変化する。それで、石けんま
たは洗剤の付香には、0.5〜1重量%程度の濃度が完全
に望ましい。他面において、2−メトキシ−4−プロピ
ル−1−シクロヘキサノールを調合香料または濃縮物の
製造に使用する場合には、4〜10重量%またはそれより
も高い濃度の使用することができる。
およびその評価は付香すべき製品の種類、与えられた調
合物中に存在する共成分の種類に依存し、もちろん達成
することの望ましい特殊な香り効果に依存することは専
門家には明らかである。共成分としては、天然または合
成の化合物を使用することができる。これら共成分の特
殊な種類または数を列記することは全く不要であり、興
味ある読者は当業界の専門的著作を参照されたい〔たと
えば、S.Arctander,“Perfume and Flavor Chemicals",
モンクレール、ニユージーランド(1969年)参照〕。
ルは、上述したように、イーチヤスおよびデンスにより
記載された方法によりイソオイゲノールの水素添加によ
つて製造することができる。この化合物は、アルミナ担
体付パラジウムまたはルテニウム、活性炭上ルテニウム
またはラニーニツケルのような金属触媒を使用するオイ
ゲノールの接触水素添加によつて得ることもできる。水
素添加は、加圧下に実施され、このためには約100〜300
バールの圧力値を使用することができる。この圧力値に
おいて75〜200℃の温度を使用して、これにより100%に
近い変換率ならびにすぐれた収率を達成することが可能
であつた。
いて実施することができる。こうして得られる2−メト
キシ−4−プロピル−1−シクロヘキサノールは、反応
混合物を分離した後、常用の技術、たとえば分留によつ
て精製することができる。
構造を次式のいずれかによつて表わすことのできるそれ
ぞれの異性体が存在しうる: 種々の異性体は、たとえば分留によつて分離すること
ができる。それらの詳細な特性は下記の実施例に詳述す
る。
は、使用した触媒系による。それにも拘らず、研究した
すべての事例において、(I a)型のものが優勢である
ことが判明した。
的使用に対して完全に望ましい。種々の化合物は、必要
に応じ、分離した後、単離生成物として使用することが
できる。それらの匂いの性質は完全に関連性があり、各
異性体は特徴ある性質を有する。実地で、化合物(I
a)は最も価値あるニユアンスを発揮することが判明し
た。実際的および経済上の理由で、上述した方法によつ
て得られるような混合物を使用するのが望ましい;しか
し反応条件は異性体(I a)の所望の含量が最も望まし
い生成物が得られるように選択することができる。この
ために、アルミナ上ルテニウムの使用が最も有利であ
る。
示され、略語は通常の意味を有する。
ノールの製造 エタノール800g中のオイゲノール1000gおよびアルミ
ナ上5%ルテニウム10gを、5のオートクレーブに装
入した。装置を窒素気流(2kg/cm2)で3回、水素(2kg
/cm2)で3回パージした後、反応混合物を激しく撹拌し
ながら85℃に加熱した。反応の経過は、連続的クロマト
グラフイー分析によつて追跡し、反応は100kg/cm2の水
素圧下に85℃で実施した。水素添加が完結したとき、オ
ートクレーブを放圧し、次いで窒素でパージした。次
に、生成物を濾過し、触媒を次回使用のために回収し
た。
長さ50cmの充填カラムでの分留により、49〜55℃/1.33
×102Paで所望生成物910g(収率86.8%)が得られた。
次に、生成物を、長さ1mの標準型の回転バンドカラムを
使用し、1.33×102Paの真空を適用する分留によつてそ
の異性体に分離することができた。
ロヘキサノール1 H−NMR(360MHz):4.1(1H,m);3.39(3H,s);3.15(1
H,m);2.1(1H,m);1.97(1H,m);1.74(1H,m);1.4〜
1.2(9H,m);0.88(3H,t)δppm13 C−NMR:81.20(d),65.76(d),55.75(q),39.21
(t),35.83(d),31.89(t),29.96(t),25.76
(t),20.00(t),14.31(q)δppm; MS:113,129.71,41 I bまたはT−2−メトキシ−T−4−プロピル−R−
1−シクロヘキサノール1 H−NMR(360MHz)+D2:3.4(3H,s);3.37(1H,m);2.9
5(1H,m);2.12(1H,m);1.99(1H,m);1.72(1H,m);
1.4−1.2(6H,m);0.95(1H,m);0.88(3H,t);0.80(1
H,m)δppm;13 C−NMR:84.86(d),73.99(d),56.36(q),38.91
(t),35.80(d),35.03(t),31.62(t),30.59
(t),21.20(t),14.29(q)δppm; MS:113,129,71,41 I cまたはT−2−メトキシ−C4−プロピル−R−1−
シクロヘキサノール1 H−NMR(360MHz):3.56(1H,m);3.35(3H,s);3.20
(1H,m);2.31(1H,m);1.75(3H,m);1.6−1.2(8H,
m);0.90(3H,t)δppm;13 C−NMR:80.52(d),71.16(d),56.21(q),36.07
(t),31.84(t),31.61(t),25.56(t),26.72
(t),20.38(t),14.08(q)δppm; MS:113,129,71,41 I d留分の純度(30%以下)は、精密なスペクトル分
析を許さなかつた。
クロマトグラフイー分析(60mのSPWAXカラム使用;プロ
グラム80℃(5′)〜220℃;50℃/min)によつて等しく
同定することができた。種々の水素添加実験から得られ
た結果は次表にまとめられている: 例2 調合香料 次の成分(重量部)を混合することによつて基本香料
を製造した: ヘキシルシンナムアルデヒド 260 酢酸イソノニル 120 合成ベルガモツト 120 p−t−ブチルシクロヘキシルアセテート 100 リリアル(Lilial ) 80 テトラヒドロリナロール 60 α−テルピン油 40 サリチル酸ベンジル 40 ハイドロトロピツクアルコール 30 10%*ジメチル−シクロヘキ セン−カルバルデヒド 30 はつか精油 20 ラベンダー油 20 プラシネート(Prasinate)2) 10 50%*ベルダンチオール(Verdanthiol)3) 10 10%メチル−ノニルアルデヒド 10 合 計 960 1) L.Givaudan;p−t−ブチル−α−メチルヒドロシ
ンナムアルデヒド 2) FirmenichSA社;エチル2−アセチル−4−メチ
ル−4−ペンテノエート 3) L.Givaudan;リリアル(Lilial)−メチルアント
ラニレート * エチルフタレート中 こうして得られた基本香料96gに、例1によつて得た
2−メトキシ−4−プロピル−1−シクロヘキサノール
4gを添加して得た新規調合香料のグリーンでアロマチツ
クな特徴は、はるかに顕著かつエレガントであつた。さ
らに、新規調合香料は熟れた特徴および良好な拡散性を
有していた。
を製造した: エストラゴール 350 リナロール 200 ゲラニオール 120 10%*バシレツクス(Basilex )1) 100 リモネン 60 δ3−カレン 40 オイゲノール 20 メチルオイゲノール 10 イソオイゲノール 10 アニスアルデヒド 10 α−ピネン 10 甘ウイキヨウ精油 10 合 計 940 * エチルフタレート中 1) FirmenichSA社;3−メチル−9−メチレン−トリ
シクロ〔5.2.1.02,6〕デセ−3−エン−8−エキソ−イ
ルアセテート こうして製造した基本香料94gに、2−メトキシ−4
−プロピル−1−シクロヘキサノール6gを添加した。そ
の結果、基本香料の香りの特徴は、一そうナチユラル、
フレツシユでスイートな“バジル”ノートを有するに到
る。
Claims (5)
- 【請求項1】香料成分としての2−メトキシ−4−プロ
ピル−1−シクロヘキサノールを、香料工業において常
用されている香料共成分、溶剤または助剤と一緒に含有
する調合香料。 - 【請求項2】2−メトキシ−4−プロピル−1−シクロ
ヘキサノールは式(I a): の異性体が優勢である異性体混合物の形で存在する請求
項1記載の調合香料。 - 【請求項3】請求項1または2記載の調合香料を含有す
る付香製品。 - 【請求項4】香粧品、シャンプー、人体用防臭剤、洗
剤、衣類の柔軟仕上げ剤、石けんまたは室内空気脱臭剤
である請求項3記載の付香製品。 - 【請求項5】フレグランス有効量の2−メトキシ−4−
プロピル−1−シクロヘキサノールを調合香料に加える
ことを特徴とする調合香料の匂い特性を強調、改善また
は変更する方法。
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Non-Patent Citations (3)
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Chemical Abstracts Vol.83(1975)P.224,62164d |
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