JP3009344B2 - 電子写真トナー用樹脂組成物および電子写真トナー - Google Patents

電子写真トナー用樹脂組成物および電子写真トナー

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JP3009344B2
JP3009344B2 JP7192785A JP19278595A JP3009344B2 JP 3009344 B2 JP3009344 B2 JP 3009344B2 JP 7192785 A JP7192785 A JP 7192785A JP 19278595 A JP19278595 A JP 19278595A JP 3009344 B2 JP3009344 B2 JP 3009344B2
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ethylene polymer
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香鶴 松本
信廣 平山
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は電子写真、静電記
録、静電印刷などにおける、静電荷像を現像するための
電子写真トナー用樹脂組成物およびそれを含有してなる
電子写真トナーに関する。
【0002】
【従来の技術】複写機、プリンターに搭載されるトナー
においては“帯電立ち上がり性”、つまりトナーの帯電
量が複写機、プリンターなどのマシンの起動とともに瞬
時に或る所定の帯電量の値まで帯電する特性が要求され
る。従来は、帯電性を向上させるために帯電調整剤(以
下CCAという。)と呼ばれる含金属染料などをトナー
に添加することが一般的であった。しかし、最近ではこ
の帯電調整剤が重金属を含んでおり、更には毒性の強い
ものが多く高価であるなどの理由で、トナー用樹脂自体
に帯電調整剤の機能をもたせ、CCAの量を減らした
り、或いは全く使用しないようにする試みが成されてい
る。例えば、特公平5−88472号公報などにマレイ
ン酸誘導体を含む重合体を応用した例が開示されてい
る。しかし、これらの技術ではトナー粒子が帯電不均一
となり、カブリが発生し易く現像性が劣るという問題点
がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は帯電調整剤を
使用しないかまたは低減したトナーにおいても、帯電の
立ち上がりが速く且つその帯電量が充分な電子写真トナ
ー用樹脂組成物およびそれを含有してなる電子写真トナ
ーを得ることを目的とし、同時に上記の均一に帯電せし
めたトナー粒子を得、カブリの発生もなく優れた現像性
を有する電子写真トナーを得るものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記課題を
解決するために鋭意検討した結果、樹脂構成成分の電子
エネルギ−準位を規定することにより本発明を完成した
ものである。即ち、重量平均分子量(以下Mwとい
う。)が200,000〜100万、Mwと数平均分子
量(以下Mnという)の比(Mw/Mn)が8.0〜3
00で、イオン化ポテンシャル(以下IPという。)が
10.0〜15.0eVであり、更に計算科学的手法に
より得られる最高被占軌道(以下HOMOという。)準
位と最低空軌道(以下LUMOという)準位の差が9.
0〜15.0eVであるような単量体(M)を構成要素
として持つエチレン系重合体(H)とMwが3000〜
20,000のエチレン系重合体(L)より成る電子写
真トナー用樹脂組成物により、本発明の課題を解決した
ものである。
【0005】更に前述の通り、均一に帯電せしめたトナ
ー粒子を得、優れた現像性を有する電子写真トナーを得
るために、好ましい実施の形態としては、 エチレン系重合体(L)は0.5〜200mgKOH
/g、好ましくは1.0〜150mgKOH/gの酸価
(以下AVという。)を有し、または水酸基価(以下O
HVという。)で3.0〜15.0mgKOH/gであ
り、更に好ましくは重量平均分子量(Mw)が10,0
00以下であること。 エチレン系重合体(H)の構成単量体の総量100重
量部中に、単量体(M)の割合が6〜45重量部含んで
なること。 エチレン系重合体(H)とエチレン系重合体(L)よ
り成る樹脂組成物で、その総酸価が0.5〜200mg
KOH/gであること、好ましくは3〜150mgKO
H/gであること。 エチレン系重合体(H)の構成成分として、多官能性
単量体および/または多官能性開始剤残基を有するこ
と。 エチレン系重合体(H)とエチレン系重合体(L)よ
り成る樹脂組成物で、そのガラス転移温度(以下Tgと
いう。)が45〜75℃であること、などである。 以下、本発明を詳細に説明する。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明の樹脂組成物は、エチレン
系重合体(H)および(L)より成り、エチレン系重合
体(H)は重量平均分子量(Mw)200,000〜1
00万、好ましくは25万〜85万、Mwと数平均分子
量(Mn)の比(Mw/Mn)が8.0〜300、好ま
しくは10〜40であることが求められる。これは該樹
脂組成物を用いたトナーの高温オフセット性を持たせる
ために必要であり、Mwが200,000より小さく、
Mw/Mn 8.0未満のものでは高温オフセット性が
発生し好ましくない。また、Mwが100万以上、(M
w/Mn)が300より大きいものは重合体の製造性が
悪く、軟化温度が高く好ましくない。また、エチレン系
重合体(H)の構成成分として、多官能性単量体および
/または多官能性開始剤残基を有することが好ましい。
【0007】エチレン系重合体(H)の構成単位として
多官能性単量体(重合性官能基を分子中に2つ以上もつ
もの)および/または多官能性開始剤残基を含有させる
ことにより、部分架橋構造を持たせることにより弾性率
を好ましいものとすることが出来る。好ましい多官能性
単量体としてはジビニルベンゼンであり、その使用量と
してはエチレン系重合体(H)を構成している単量体の
総量100重量部中に0.01〜30重量部含んでなる
ことが好ましい。
【0008】多官能性単量体を使用しないで同様な弾性
率をもつ重合体を得るためには、相当分子量を大きくせ
ねば成らず、該重合体の生産性、処方など様々な面で実
用的でない部分が生じ好ましくない。そして、出来るだ
け低い温度で定着させるためにエチレン系重合体(L)
の重量平均分子量(Mw)は3000〜20,000で
あることが求められ、更に好ましくは3,000以上1
0,000以下である。該重合体のMwが20,000
よりも大きなものの場合には、定着時の溶融粘度が大き
くなり最低定着温度を上昇させてしまい好ましくない。
【0009】更に、該樹脂組成物を用いたトナーの定着
性およびブロッキング性を使用に耐えるようにするため
に、該樹脂組成物のガラス転移温度(Tg)を45〜7
5℃にすることが好ましい。上限を上回ると定着性が悪
化し、下限を下回るとブロッキングが発生し大変好まし
くない。
【0010】エチレン系重合体(L)およびエチレン系
重合体(H)の混合比率としては、エチレン系重合体
(L):エチレン系重合体(H)=5〜95:95〜5
であることがトナーとした場合のブロッキング性、樹脂
強度などのバランスを保つために好ましい。さらに好ま
しくは15〜85:85〜15である。
【0011】また、エチレン系重合体(H)には計算科
学的手法により得られる最高被占軌道準位(HOMO)
と最低空軌道準位(LUMO)の差が、9.0〜15.
0eV、イオン化ポテンシャル(IP)の値が10.0
〜15.0eVであるような単量体(M)を構成要素と
して持ち、且つ単量体(M)の割合が構成総単量体を1
00重量部としたときに、6〜45重量部であることが
求められる。
【0012】上記単量体(M)は計算科学的手法による
HOMO準位とLUMO準位のエネルギー差が、9.0
〜15.0eVであることが求められ、この範囲でない
ものについては、組み合わせるキャリアの選択幅が狭ま
れ好ましくない。
【0013】また、イオン化ポテンシャル(IP)の値
については、10.0〜15.0eVであることが求め
られる。これは、重合体の製造性の面からの要求で、1
0.0eVよりも小さいものの場合には反応性が高過ぎ
ぎ、逆に15.0eVより大きいものについては反応性
が低過ぎるために好ましくない。
【0014】各種エネルギー準位の算出は、次のように
実施した。単量体(M)の樹脂組成状態を想定し、各単
量体(M)のオレフィン部に水素を付加した単位モデル
構造について、半経験的分子軌道法プログラムMOPA
C93のAM1近似を用いて、構造最適化を行い、最高
被占軌道(HOMO)エネルギー準位(E(HOM
O))、最低空軌道(LUMO)エネルギー準位(E
(LUMO))を求めた。計算により得られた結果は、
25℃、分子孤立系のものである。
【0015】イオン化ポテンシャル(IP)、電子親和
力(以下EAという。)、E(HOMO)とE(LUM
O)のエネルギー差(以下E(DIFF)という。)、
仕事関数(以下WFという。)は、以下のように算出し
た。IP、EA、E(DIFF)とWFは以下のように
して算出した。 (イオン化ポテンシャル(IP)の算出)Koopma
nsの定理(文献; T.Koopmans,Phys
ica,,104pp(1933))により、IPは
E(HOMO)の反対の符号を示し、すなわち IP=−(E(HOMO)) ・・・(1) 同様に EAは、E(LUMO)の反対の符号を示し、
すなわち EA=−(E(LUMO)) ・・・(2) また、E(DIFF)は E(DIFF)=E(LUMO)−E(HOMO) =IP−EA ・・・(3) 仕事関数(WF)については、次の関係式(文献;
N.R.Rajopadhye,S.V.Bhoras
kar,J.Mater.Sci.Lett.,,6
03pp(1986))により求めた。 WF=E(DIFF)/2 + EA ・・・(4)
【0016】単量体(M)の具体例としては、1,2,
3−プロピレントリカルボン酸、グルタコン酸、イタコ
ン酸、2−メチレンスクシン酸無水物、1−ブテン−
2,3,4−トリカルボン酸、テトラエチルエチレンテ
トラカルボキシレート、イソプロピリデンコハク酸、テ
トラメチル−3−ブテン−1,2,3−テトラカルボキ
シレート、トランス−アコニチック酸無水物、1,2,
3−プロペンテトラカルボン酸、メチルマレイン酸、メ
チル−3−アセトキシクロトネート、3−メチル−4−
オキソ−2−ペンテノイック酸、エチル−2,3−ジア
セトキシクロトネートなどを挙げることが出来るが、こ
れに限定されるものではない。上記計算科学的手法を用
いて計算したIPおよびE(DIFF)の計算結果の例
を次表−Aに示す。 表A 単量体のイオン化ポテンシャル(IP)とE(H
OMO)とE(LUMO)の差の計算例 エチレン系重合体(L)は重量平均分子量(Mw)が3
000〜20,000で、0.5〜200mgKOH/
gの酸価(AV)が有り、または水酸基価(OHV)
3.0〜15.0mgKOH/gであることが求められ
る。
【0017】酸価(AV)が0.5mgKOH/gより
小さい重合体、または水酸基価(OHV)で3.0mg
KOH/gより小さい重合体では、トナーとした時の帯
電の立ち上がり性、安定性を満足させることが難しくな
り好ましくないが、酸価(AV)で200mgKOH/
gより大きいまたは水酸基価(OHV)で15.0mg
KOH/gより大きい場合にはトナーの吸湿性が大きく
なり、ブロッキングが発生し好ましくない。好ましくは
酸価(AV)と水酸基価(OHV)を共に上記の範囲で
持ち得るものが良い。更に本発明のエチレン系重合体
(H)とエチレン系重合体(L)より成る樹脂組成物で
は、その総酸価が0.5〜200mgKOH/gである
ことが求められる。総酸価(TAV)が200mgKO
H/gよりも大きいとトナーの吸湿性が大きくなり、ブ
ロッキングが発生し好ましくない。
【0018】本発明のエチレン系重合体(L)および
(H)を得るための単量体としては、スチレン系単量体
としては例えば、スチレン、α−メチルスチレン、ハロ
ゲン化スチレン、ビニルトルエン、4−スルホンアミド
スチレン、4−スチレンスルホン酸 (メタ)アクリル酸エステル類としては例えば、(メ
タ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、
(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸n−
ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アク
リル酸オクチル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メ
タ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸ステアリ
ル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アク
リル酸フェニル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メ
タ)アクリル酸フルフリル、(メタ)アクリル酸ヒドロ
キシエチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシブチル、
(メタ)アクリル酸ジメチルアミノメチルエステル、
(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチルエステル、
(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル(メタ)アクリ
ル酸2−クロロエチル イタコン酸エステル類としては例えば、イタコン酸ジメ
チル、イタコン酸ジプロピル、イタコン酸ブチル、イタ
コン酸ジオクチル、イタコン酸ジアミル 不飽和カルボン酸および不飽和ジカルボン酸類としては
例えば、(メタ)アクリル酸、桂皮酸、マレイン酸、フ
マール酸、イタコン酸 マレイン酸エステル類およびフマール酸エステル類とし
ては例えば、炭素数1〜8の直鎖または分岐アルキル基
を持つもの、マレイン酸ジエチル、マレイン酸ジプロピ
ル、マレイン酸ジブチル、マレイン酸ジペンチル、マレ
イン酸ジヘキシル、マレイン酸ジヘプチル、マレイン酸
ジオクチル、マレイン酸エチルブチル、マレイン酸エチ
ルオクチル、マレイン酸ブチルオクチル、マレイン酸ブ
チルヘキシル、マレイン酸ペンチルオクチル、フマール
酸ジエチル、フマール酸ジプロピル、フマール酸ジブチ
ル、フマール酸ジペンチル、フマール酸ジヘキシル、フ
マール酸ジヘプチル、フマール酸ジオクチル、フマール
酸エチルブチル、フマール酸エチルオクチル、フマール
酸ブチルオクチル、フマール酸ブチルヘキシル、フマー
ル酸ペンチルオクチル その他のものとしては例えば、2−ビニルナフタレン、
無水イタコン酸、無水マレイン酸 などが挙げられるが、これらに限定されるものではな
い。
【0019】また多官能性単量体および多官能性開始剤
の例としては、スチレン系単量体としては例えば、ジビ
ニルベンゼン アクリル系多官能性単量体としては例えば、1,3−ブ
チレングリコールジアクリレート、1,5−ペンタンジ
オールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアク
リレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、
ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレング
リコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジ
アクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレー
ト、ポリエチレングリコール#400ジアクリレート、
ポリエチレングリコール#600ジアクリレート、ポリ
プロピレングリコールジアクリレート、N,N’−メチ
レンビスアクリルアミド、ペンタエリスリトールトリア
クリレート、トリメチロールプロパントリアクリレー
ト、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、1,
4−ブタンジオールジアクリレートなど、メタクリル酸
系多官能性単量体としては例えば、エチレングリコール
ジメタクリレート、1,3−ブチレングリコールジメタ
クリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレー
ト、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、ジエ
チレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリ
コールジメタクリレート、ポリエチレングリコール#2
00ジメタクリレート、ポリエチレングリコール#40
0ジメタクリレート、ポリエチレングリコール#600
ジメタクリレート、ジプロピレングリコールジメタクリ
レート、ポリプロピレングリコールジメタクリレート、
トリメチロールエタントリメタクリレート、トリメチロ
ールプロパントリメタクリレート、2,2−ビス(4-メ
タクリロキシポリエトキシフェニル)プロパン、メタク
リル酸アルミニウム、メタクリル酸カルシウム、メタク
リル酸亜鉛、メタクリル酸マグネシウムなど、t−ブチ
ルペルオキシメタクリレート、t−ブチルペルオキシク
ロトネート、ジ(t−ブチルペルオキシ)フマレート、
t−ブチルペルオキシアリルカーボネート、過トリメリ
ット酸トリ−t−ブチルエステル、過トリメリット酸ト
リ−t−アミルエステル、過トリメリット酸トリ−t−
ヘキシルエステル、過トリメリット酸トリ−t−1,
1,3,3−テトラメチルブチルエステル、過トリメリ
ット酸トリ−t−クミルエステル、過トリメリット酸ト
リ−t−(p−イソプロピル)クミルエステル、過トリ
メシン酸トリ−t−ブチルエステル、過トリメシン酸ト
リ−t−アミルエステル、過トリメシン酸トリ−t−ヘ
キシルエステル、過トリメシン酸トリ−t−1,1,
3,3−テトラメチルブチルエステル、過トリメシン酸
トリ−t−クミルエステル、過トリメシン酸トリ−t−
(p−イソプロピル)クミルエステル、2,2−ビス
(4,4−ジ−t−ブチルパーオキシシクロヘキシル)
プロパン、2,2−ビス(4,4−ジ−t−ヘキシルパ
ーオキシシクロヘキシル)プロパン、2,2−ビス
(4,4−ジ−t−アミルパーオキシシクロヘキシル)
プロパン、2,2−ビス(4,4−ジ−t−オクチルパ
ーオキシシクロヘキシル)プロパン、2,2−ビス
(4,4−ジ−α−クミルパーオキシシクロヘキシル)
プロパン、2,2−ビス(4,4−ジ−t−ブチルパー
オキシシクロヘキシル)ブタン、2,2−ビス(4,4
−ジ−t−オクチルパーオキシシクロヘキシル)ブタ
ン、その他のものとしては例えば、ジアリルフタレー
ト、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレ
ート、トリアリルトリメリテート、ジアリルクロレンデ
ート、エチレングリコールジグリシジルエーテルアクリ
レートなどを例示することができ、これらの少なくとも
1種を使用する。
【0020】エチレン系重合体(H)および(L)の重
合方法は公知の方法で良いが、塊状重合および/または
溶液重合法によって重合されたものであることが好まし
い。なお、結着樹脂には必要に応じて本発明の効果を阻
害しない範囲において、例えば、ポリ塩化ビニル樹脂、
ポリオレフィン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリビニルブ
チラール、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、ロジ
ン、テルペン樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、パ
ラフィンワックスなどを添加しても良い。本発明におけ
るエチレン系重合体(H)および(L)の混合樹脂のト
ナー組成物中の量は、通常50〜95重量部である。
【0021】本発明の樹脂組成物には、更にトナーとし
た場合の物性向上のために低分子量ポリオレフィンワッ
クスを添加してもよい。低分子量ポリオレフィンワック
スとしては、未変性ポリオレフィンワックスまたはオレ
フィン成分に対して変性成分がブロック化またはグラフ
ト化された変性ポリオレフィンワックスのいずれであっ
ても良い。また、その添加量としてはトナー組成物中に
5〜20重量%とすることが望ましい。
【0022】ポリオレフィンワックスの具体例として
は、「ビスコール660P」、「ビスコール550P」
(以上、三洋化成製)、「ポリエチレン6A」(アライ
ドケミカル社製)、「ハイワックス400P」、「ハイ
ワックス100P」、「ハイワックス200P」、「ハ
イワックス320P」、「ハイワックス220P」、
「ハイワックス2203P」、「ハイワックス4202
P」(以上、三井石油化学製)、「ヘキストワックスP
E520」、「ヘキストワックスPE130」、「ヘキ
ストワックスPE190」(以上、ヘキストジャパン
製)などの市販されているものの他、例えばメタクリル
酸メチルによりブロック共重合またはグラフト共重合せ
しめたポリエチレンワックス、メタクリル酸ブチルによ
りブロック共重合またはグラフト共重合せしめたポリエ
チレンワックス、スチレンによりブロック共重合または
グラフト共重合せしめたポリエチレンワックスなどを挙
げることが出来る。これらのポリオレフィンは、通常は
トナー製造の溶融混練時に樹脂組成物と混合するが、エ
チレン系重合体の重合または脱溶剤時に添加してもよ
い。本発明の樹脂組成物を用いたトナーには、通常着色
剤を使用する。使用できる着色剤としては、例えばカー
ボンブラック、アセチレンブラック、ランプブラック、
マグネタイトなどの黒色顔料、黄鉛、黄色酸化鉄、ハン
ザイエローG、キノリンイエローレーキ、パーマネント
イエロー、NCGモリブデンオレンジ、バルカンオレン
ジ、インダンスレン、ブリリアントオレンジGK、ベン
ガラ、ブリリアントカーミン6B、フリザリンレーキ、
ファストバイオレットB、コバルトブルー、アルカリブ
ルーレーキ、フタロシアニンブルー、ビグメントグリー
ンB、ファーストスカイブルー、マラカイトグリーンレ
ーキ、酸化チタン、亜鉛華などの公知の顔料が挙げられ
る。その量は通常樹脂組成物100重量部に対し5〜3
00重量部である。本発明のトナーは、顔料分散剤、オ
フセット防止剤などを適宜選択して添加し公知の方法で
トナーとすることができる。
【0023】即ち、上記各種添加剤を加えた樹脂組成物
は、ヘンシェルミキサーでプレミックスした後、ニーダ
ーなどの混練機で加熱溶融状態で混練し、冷却後ジェッ
ト粉砕機を用いて微粉砕した後、分級機で分級し、通常
8.0〜20.0μmの範囲の粒子を集めてトナーとす
る。磁性トナーを得るために、磁性粉を含有させてもよ
い。このような磁性粉としては、磁場の中で磁化される
強磁性物質、鉄、ニッケル、コバルトなどの粉末、もし
くは、マグネタイト、フェライトなどの合金があり、こ
の磁性粉の割合はトナー重量に対して15〜70重量部
が好ましい。
【0024】更に、本発明には以下に記載するような離
型剤を重合・脱溶剤時もしくは溶融・混練時に適宜使用
してもよい。ここで言う離型剤とは定着時に定着ローラ
ーと接触して摩擦の減少、離型性の改善、又は溶融時の
流動性を改善する働きをする物質で、例えばパラフィン
ワックス類、高級(飽和直鎖)脂肪酸類(炭素数12〜
50)、高級アルコール類(炭素数8〜32)、脂肪酸
金属塩類、脂肪酸アミド類、金属石鹸類、多価アルコー
ル類などがある。本発明に関わるトナーは、必要に応じ
て着色剤、粉体流動性改質剤を混合(外添)して用いて
も良い。またトナー粒子相互の凝集を防止して、その粉
体流動性を向上させるために、テフロン微粉末のような
粉体流動向上剤を配合してもよい。
【0025】
【実施例】次に本発明を実施例により更に詳細に説明す
るが、本発明はこれらの実施例により限定されるもので
はない。なお、以降「部」は、特に断らない限り重量部
を表わす。 (エチレン系重合体(H)の製造例−1) 製造例1 5L四つ口フラスコに、冷却管、温度計、窒素導入管と
攪拌装置を付し、スチレン71.0部、グルタコン酸
6.5部、マレイン酸モノブチル22.5部を仕込み、
内温120℃に昇温後、同温度に保ち、バルク重合を
7.1時間行った。次いで、キシレン 50部とジビニ
ルベンゼン0.3部を加えて希釈し、予め混合溶解して
おいたt−ブチルパーオキシド3.0部、キシレン5
0.0部とジビニルベンゼン0.2部を130℃に保ち
ながら7.5時間かけて連続滴下し溶液重合を行い、そ
の後1時間反応を継続して重合を終了し、重合体1を得
た。重合体2〜7についても、表1に示した製造条件で
製造例1と同様にして得た。
【0026】(エチレン系重合体(L)の製造例) 製造例8 冷却管、温度計、窒素導入管と攪拌装置を付した5L四
つ口フラスコに、キシレン溶剤100.0部を仕込み、
窒素を導入しながら還流温度まで昇温し、スチレン10
0.0部とt−ブチルペルオキシ−2−エチルヘキサノ
エート10.0部の混合溶液を6.8時間かけて連続滴
下し、後重合を1時間したのち、残モノマー重合を行っ
て重合体8を得た。重合体9〜10についても、表2に
ある製造条件で製造例8と同様にして得た。
【0027】上記製造例により得たエチレン系重合体
(H)および(L)の物性測定は、以下のようにして得
た。 (1)分子量 分子量は、市販の単分散標準ポリスチレンを標準とし、
溶媒としてテトラヒドロフラン、検出器に屈折率計を用
いたGPCにより求めた。 検出器 SHODEX RI SE−31 カラム A−80M x 2 + KF−802 溶媒 THF(テトラヒドロフラン) 吐出量 1.2ml/分 試料 0.25%THF溶液
【0028】(2)酸価 エチレン系重合体の酸価は、中和したキシレン/n−ブ
タノール混合溶媒に精秤した試料を溶解し、予め標定さ
れた0.1N−水酸化カリウムのアルコール溶液で滴定
し、その中和量を次式により算定した。 (Fは0.1N−水酸化カリウムのアルコール溶液のフ
ァクター)
【0029】(3)水酸基価 エチレン系重合体の水酸基価の測定は、JIS K00
70に準じ、試料をアセチル化し、それを0.5N−水
酸化カリウム(KOH)のアルコール溶液により滴定し
次式により算定した。 B : 空試験の滴定に要した 0.5N−KOH溶液
の ml S : 試料の 滴定に要した 0.5N−KOH溶液
の ml AV : 酸価(mgKOH/g)
【0030】(4)帯電量 エチレン系重合体の帯電量の測定は、エチレン系重合体
を粉体・固化し、市販の粉砕機により粒度3mmφのも
のとし、粉砕板式ジェット粉砕機により50%体積平均
粒径が25μm以下となるように微粉砕し、その後風力
式分級器により体積平均粒径5〜25μmの帯電測定用
試料(R)を得、これとシリコンコート鉄粉キャリア
(C)を98対2(R/C=98/2)の割合に混合
し、温度22℃、相対湿度55%にてタ−ブラーシェイ
カーミキサーにより混合して、任意の時間ごとに試料採
取しブローオフ帯電量測定装置によりその帯電量を測定
した。
【0031】実施例1〜8および比較例1〜7 上記のようにして得たエチレン系重合体(H)の重合体
溶液およびエチレン系重合体(L)の重合体を表−3に
示す割合で混合し、脱溶剤して結着樹脂を得た。次い
で、結着樹脂100部、カーボンブラック10部とポリ
プロピレンワックス5部、その他必要成分をヘンシェル
ミキサーで予備混合した後、2軸混練機を用い、170
℃に設定して混練した後、冷却、粗粉砕、微粉砕し、分
級器で分級し5.0〜25.0μmのトナーを得た。上
記トナーを用い、定着性、高温オフセット性、帯電立ち
上がり性などを評価した。定着性、高温オフセット性
は、市販複写機のロール温度を任意に変更できるように
改造した機械を用いて評価した。次に、評価方法を示
す。 (i)定着性 2cm×2cmのベタ黒部分の画質上のトナー層を、学
振式摩擦堅牢度試験機((株)大栄科学精機製作所製)
にて、砂消しゴムで250g/cm2 の荷重で50回摩
擦した後のトナー層のインキ濃度計による光学濃度が7
0%を越えるのに必要な最低の熱ロール温度とした。 (ii)オフセット性 熱ロール温度を上げてゆき、高温オフセット現象が起こ
り始める温度とした。 (iii)帯電立ち上がりの評価 トナー1gとパウダーテック社製キャリア鉄粉(F95
−100)49gをターブラーシェイカーミキサーで1
分および60分混合攪拌させた後、東芝ケミカル社製ブ
ローオフ帯電量測定装置により摩擦帯電量を測定し、混
合攪拌1分および60分での帯電量(それぞれQ1およ
びQ60と表現する)の比を執り評価した。 T=(Q60/Q1) ○ ; T ≦ 2 △ ; 2 < T ≦ 3.5 × ; 3.5 < T (iv)耐湿安定性 低温低湿(15。C、35%)下における帯電量(QL
L)と高温高湿(35。C、75%)下における帯電量
(QHH)を下記計算式の比率(絶対値)で表し評価し
た。 S=(QLL−QHH)/QLL ○(良好) ; S ≦ 0.2 △(疑良好); 0.2 < S ≦ 0.4 ×(不良) ; 0.4 < S (v)トナーの生産性 上記トナーの製造法にてトナーを生産する製造工程の微
粉砕工程で、トナー粒径を規定内の止めるために粉砕す
る試料のフィード量の多少にて評価した。フィード量が
多いほど良好である。上記各トナー物性の測定結果を表
3に示す。
【0032】
【表1】
【0033】
【表2】
【0034】
【表3】
【0035】
【発明の効果】本発明の電子写真用トナー樹脂組成物を
用いることにより、帯電調整剤(CCA)の使用量を未
使用または低減したトナー組成物においても、充分な帯
電特性(帯電安定性、立ち上がり性)を与えることがで
きるようなものとなった。
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G03G 9/08

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重量平均分子量(Mw)が200,00
    0〜100万、Mwと数平均分子量(Mn)の比(Mw
    /Mn)が8.0〜300で、1,2,3−プロピレン
    トリカルボン酸、グルタコン酸、イタコン酸、2−メチ
    レンスクシン酸無水物、1−ブテン−2,3,4−トリ
    カルボン酸、テトラエチルエチレンテトラカルボキシレ
    ート、イソプロピリデンコハク酸、テトラメチル−3−
    ブテン−1,2,3−テトラカルボキシレート、トラン
    ス−アコニチック酸無水物、1,2,3−プロペンテト
    ラカルボン酸、メチルマレイン酸、メチル−3−アセト
    キシクロトネート、3−メチル−4−オキソ−2−ペン
    テノイック酸、エチル−2,3−ジアセトキシクロトネ
    ートからなる群から選ばれた少なくとも1種の単量体
    (M)を構成単量体の総量100重量部中に、6〜45
    重量部含構成要素として持つエチレン系重合体(H)と
    Mwが3000〜20,000のエチレン系重合体
    (L)より成ることを特徴とする電子写真トナー用樹脂
    組成物。
  2. 【請求項2】エチレン系重合体(H)とエチレン系重合
    体(L)の重量比が5:95〜95:5である請求項1
    記載の電子写真トナー用樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 請求項1または請求項2記載の電子写真
    トナー用樹脂組成物を用いた電子写真トナー。
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DE69612435T DE69612435T2 (de) 1995-07-28 1996-07-23 Harzzusammensetzung für elektrophotographische Toner, und diese Harzzusammensetzung enthaltender Toner
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