JP3009228U - 有料道路の料金決済装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 有料道路の料金所を車両が停止することなく
課金処理する料金決済装置で、何等かの障害のために、
自動決済で処理できなかった通過車両を渋滞させること
なく課金処理する有料道路料金決済装置を提供すること
にある。 【構成】 有料道路の料金所に接近中の車両Ａと電波に
よる交信を行ない、この交信で入手した車両Ａや運転者
に関する識別番号に基づき道路料金を自動決済すること
で、通過車両を無停止で通過させる自動決済ゲートＧ１
を有する有料道路の料金決済装置において、ハンディス
キャナ式決済装置６により非接触決済するスキャナゲー
トＧ３を自動決済ゲートＧ１に並設する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、有料道路の料金決済装置、とりわけ、有料道路の料金自動決済にお けるハンディスキャナ式決済装置を備える有料道路の料金決済装置に関するもの である。

【０００２】

【従来の技術】

有料道路の入口ゲートおよび出口ゲート（料金所）における従来の料金決済装 置には、車載端末との間での電波による交信に基づき料金決済を行なうものがあ る。 すなわち、有料道路の料金所に接近中の車両に信号を送信して交信を行ない、 その車両や車両の運転者（免許証）に関する識別番号を入手し、これを確認の上 、識別番号に基づき道路料金の自動決済を実行するものである。 前記の識別番号確認および自動決済処理は、車両の料金所への接近中ならびに ゲート通過直前までに完了するもので、したがって通過車両はゲートにおいて一 時停止する必要がなく、そのまま進行通過できるから、ゲートにおける待ちや渋 滞が発生しないという効果がある。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

ところで、前記のような料金自動決済ゲートにおいては、例えば、異常降雨や 積雪、あるいは積荷で車載アンテナが遮蔽される等の原因で、移動端末装置（車 載端末）と地上側の固定装置間の通信が正確に行われず、このため、自動決済が 不可能になるケースが比較的多く発生するという問題がある。 そのため、通信に障害が発生して自動決済できなかった車両を一律に手動の決 済ゲートに誘導して、手動発券等による処理を行なっていたが、正常交信が不可 であった車両をすべて、手動の発券決済装置の備えられたゲートに誘導進行させ ると、手動決済ゲートの処理時間がかかることから、待ち行列が発生することに なり、この結果、ゲート渋滞が生じるという好ましくない状態をまねくおそれが あった。

【０００４】 本考案は、従来技術の有するこのような課題や欠点を解決するためなされたも ので、その目的は自動決済で処理できなかった通過車両を渋滞させることなくゲ ート処理可能な有料道路の料金決済装置を提供することにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

前記課題を実現するため、本考案に係る有料道路の料金決済装置は、有料道路 の料金所に接近中の車両と電波による交信を行ない、その交信で入手した前記車 両やその運転者に関する識別番号に基づき道路料金を自動決済することで、通過 車両を無停止で通過させる自動決済ゲートを有する有料道路の料金決済装置にお いて、ハンディスキャナ式決済装置により非接触決済するスキャナゲートを前記 自動決済ゲートに並設したことを特徴とする。

【０００６】

【作用】

本考案に係る有料道路の料金決済装置は、有料道路の料金所に接近中の車両と 電波による交信を行ない、この交信で入手した前記車両やその運転者に関する識 別番号に基づき道路料金を自動決済し、正常に自動決済できた車両は無停止で高 速のまま自動決済ゲートを通過させる。 一方、正常に自動決済できなかった通過車両は、前記自動決済ゲートに並設さ れたスキャナゲートに進んで、ハンディスキャナ式決済装置により非接触決済す る。 ハンディスキャナ式決済装置は、極く短時間だけハンディスキャナを車載アン テナに接近させるだけで決済処理が完了するから、車両の極く短時間の停止また は徐行のままでゲートを通過でき、このため、渋滞の発生が回避される。

【０００７】

【実施例】

以下、この考案の実施例を添付図面に基づいて説明する。 図１は本考案に係る有料道路の料金決済装置の一実施例の構成の斜視図である 。 同図において、有料道路の料金決済装置１は、有料道路の料金所に接近中の車 両と交信のための問合せ電波を送信する第１アンテナ３、ならびに進入してくる 車両に進行すべきゲートを案内する案内表示器４を備え、決済制御機２により制 御される無線式ゲートエリア１０を料金所Ｇの上流側（すなわち進入してくる車 両側）に設け、無線式ゲートエリア１０よりも下流側に自動決済ゲートＧ１、手 動発券決済装置７を配設した手動決済ゲートＧ２、さらにハンディスキャナ式決 済装置６を配設したスキャナゲートＧ３を料金所Ｇに配して構成される。

【０００８】 無線式ゲートエリア１０のさらに上流側から進入してくる車両は、決済制御機 ２と交信を行ない、無線式ゲートエリア１０を通過するまでに、いずれのゲート に進行するかが決定され、その結果は当該車両に通知されるとともに、案内表示 器４に表示される。この交信で道路料金の自動決済が可能な車両Ａは、そのまま 速度を落とすことなく、直進して自動決済ゲートＧ１を通過する。 ５は、車両Ａと交信しながら自動課金処理を行うため、自動決済ゲートＧ１に 設けた第２のアンテナである。 一方、移動端末装置２０を有しながらも、正常交信できなかった車両Ｃは、ハ ンディスキャナ式決済装置６の配置されたスキャナゲートＧ３に進んで、ハンデ ィスキャナ式決済装置６により非接触決済が為される。 また、移動端末装置２０を有しない車両Ｂは、手動発券決済装置７の配された 手動決済ゲートＧ２に進んで、手動の決済処理が施される。 なお、車両Ａ，ＣにはＩＣカードが搭載され、ＩＣカードのデータは車両のア ンテナａを介して決済制御機２に送信され、更に、決済制御機２のデータは車両 Ａ，Ｃに送信されるようになっている。

【０００９】 図２は、決済制御機の機能ブロック図である。 同図で、決済制御機２は第１アンテナ３から問合せ信号を送信すると共に、応 答信号を受信させる問いかけ（問合せ）信号送受手段１１、問いかけ信号送受手 段１１で受信した応答信号が正常受信か否かを確認する正常受信確認手段１２、 又、正常受信の際に整理番号を当該車両に発信する整理番号送信手段１３、及び 、異常受信の際にデータ異常を当該車両に発信するデータ異常送信手段１４から 成る。

【００１０】 図３は移動端末装置の機能ブロック図である。 同図で、移動端末装置２０は第１アンテナ３からの問合せ信号を受信して、こ の信号に応答する応答電波を発信する問いかけ（問合せ）信号送受手段２１、送 信した応答電波が受理されたか否かを確認する送信信号受理確認手段２２、決済 制御機２から発信された整理番号を受信すると共に整理番号等の受信データをメ モリ可能にした整理番号受信手段２３、更に、送信信号受理確認の結果や整理番 号から決定される進行すべきゲートの表示をするゲート表示手段２４から成る。

【００１１】 次に、動作を説明する。 図４に、図２の決済制御機の動作フローチャートを示す。 決済制御機２は、無線式ゲートエリア１０に設けられている第１アンテナ３か ら、問合せ（問いかけ）信号を発信する（ステップＳ１）。 車両Ａが進行してきて、その車両Ａに搭載された移動端末装置２０が問合せ信 号を受信すると、移動端末装置２０は応答信号を発信するが、応答を待機中の決 済制御機２（ステップＳ２）がこれを受信すると、引き続いて車両Ａに所定のデ ータを送信する（ステップＳ３）。

【００１２】 続いて受信したデータが正常受信されたか否かを正常受信確認手段１２が判定 し（ステップＳ４）、正常受信であれば整理番号送信手段１３は、受信したデー タに基づき編成した整理番号を車両Ａに送信し（ステップＳ５）、更に、車両Ａ に自動決済ゲートＧ１を通過進行するように指示すると共に、自動決済ゲートＧ １を進行するようにとの案内を案内表示器４に表示する（ステップＳ６）。 また、データが正常受信でない場合には、データ異常送信手段１４がデータ異 常である旨を送信し（ステップＳ７）、さらに、手動決済ゲートＧ２あるいはス キャナゲートＧ３へ進行せよとの案内を案内表示器４に表示させる（ステップＳ ８）。

【００１３】 図５に、図３の移動端末装置の動作フローチャートを示す。 移動端末装置２０は、決済制御機２から送信された、問合せ（問いかけ）信号 を受信すると（ステップＳ１１）、移動端末装置２０は応答信号を送信するが（ ステップＳ１２）、この交信中、送信信号受理確認手段２２は応答信号が決済制 御機２で受理されたか否かを判定する（ステップＳ１３）。 ここで整理番号が決済制御機２側から送信されて応答電波の受理が確認される と、整理番号受信手段２３は整理番号を受け取りメモリする（ステップＳ１６） 。さらに、ゲート表示手段２４は自動決済ゲートＧ１を進行するように所定の指 示を車両内のゲート表示手段２４に表示する（ステップＳ１７）。

【００１４】 応答信号が決済制御機２に受理されない場合には、問合せ信号が送信されてい る間、ステップＳ１２からステップＳ１４まで処理を繰り返し、更に、問合せ信 号が途絶え、決済制御機２からの信号を確認することが出来ないときには、ゲー ト表示手段２４には進路変更してスキャナゲートＧ３へ進行するように表示する （ステップＳ１４，Ｓ１５）。

【００１５】 従って、異常降雨、積雪や大きな荷物のために、決済制御機２と移動端末装置 ２０との間の正常な通信が出来なく決済処理が出来ない車両Ｃはスキャナゲート Ｇ３への進行が指示される。 スキャナゲートＧ３では、ハンドスキャナ式決済装置６により移動端末装置２ ０を介して車両Ｃに設けられたＩＣカード又はプリベイドカードのデータを処理 する。 特に、本考案のハンディスキャナ式決済装置６を短時間車両Ｃのアンテナａに 近づけるだけで決済処理が完了するから、料金所の渋滞が避けられる。

【００１６】

【考案の効果】

以上説明した様に、本考案に係る有料道路の料金決済装置は、有料道路の料金 所に接近中の車両と電波による交信を行ない、この交信で入手した車両や運転者 に関する識別番号に基づき道路料金を自動決済し、正常に自動決済できた車両は 無停止で高速のまま自動決済ゲートを通過させるが、一方、正常に自動決済でき なかった通過車両は、前記自動決済ゲートに並設されたスキャナゲートに進ませ て、ハンディスキャナ式決済装置により非接触決済する。 ハンディスキャナ式決済装置は、極く短時間だけハンディスキャナを車載アン テナに接近させるだけで決済処理が完了するから、車両の極く短時間の停止また は徐行のままでゲートを通過することができ、渋滞の発生を回避して料金所のス ムースな車の流れの維持を可能にするものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に係る有料道路の料金決済装置の一実施
例を示す斜視図である。

【図２】図１中の決済制御機の機能ブロック図である。

【図３】図１中の移動端末装置の機能ブロック図であ
る。

【図４】図２の決済制御機の動作フローチャートであ
る。

【図５】図３の移動端末装置の動作フローチャートであ
る。

【符号の説明】

１ 有料道路の料金決済装置 ２ 決済制御機 ３ 第１アンテナ ４ 案内表示器 ６ ハンディスキャナ式決済装置 ２０ 移動端末装置 Ａ，Ｂ，Ｃ 車両 Ｇ１ 自動決済ゲート Ｇ２ 手動決済ゲート Ｇ３ スキャナゲート

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 有料道路の料金所に接近中の車両と電波
   による交信を行ない、その交信で入手した前記車両やそ
   の運転者に関する識別番号に基づき道路料金を自動決済
   することで、通過車両を無停止で通過させる自動決済ゲ
   ートを有する有料道路の料金決済装置において、ハンデ
   ィスキャナ式決済装置により非接触決済するスキャナゲ
   ートを前記自動決済ゲートに並設したことを特徴とする
   有料道路の料金決済装置。