JP3009027B2 - 半導体封止用エポキシ樹脂組成物の製造方法 - Google Patents

半導体封止用エポキシ樹脂組成物の製造方法

Info

Publication number
JP3009027B2
JP3009027B2 JP7209479A JP20947995A JP3009027B2 JP 3009027 B2 JP3009027 B2 JP 3009027B2 JP 7209479 A JP7209479 A JP 7209479A JP 20947995 A JP20947995 A JP 20947995A JP 3009027 B2 JP3009027 B2 JP 3009027B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
epoxy resin
resin composition
kneading
temperature
epoxy
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP7209479A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH0952228A (ja
Inventor
信孝 高須
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Bakelite Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Bakelite Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Family has litigation
First worldwide family litigation filed litigation Critical https://patents.darts-ip.com/?family=16573529&utm_source=google_patent&utm_medium=platform_link&utm_campaign=public_patent_search&patent=JP3009027(B2) "Global patent litigation dataset” by Darts-ip is licensed under a Creative Commons Attribution 4.0 International License.
Application filed by Sumitomo Bakelite Co Ltd filed Critical Sumitomo Bakelite Co Ltd
Priority to JP7209479A priority Critical patent/JP3009027B2/ja
Publication of JPH0952228A publication Critical patent/JPH0952228A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3009027B2 publication Critical patent/JP3009027B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B29WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
    • B29CSHAPING OR JOINING OF PLASTICS; SHAPING OF MATERIAL IN A PLASTIC STATE, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; AFTER-TREATMENT OF THE SHAPED PRODUCTS, e.g. REPAIRING
    • B29C48/00Extrusion moulding, i.e. expressing the moulding material through a die or nozzle which imparts the desired form; Apparatus therefor
    • B29C48/25Component parts, details or accessories; Auxiliary operations
    • B29C48/36Means for plasticising or homogenising the moulding material or forcing it through the nozzle or die
    • B29C48/395Means for plasticising or homogenising the moulding material or forcing it through the nozzle or die using screws surrounded by a cooperating barrel, e.g. single screw extruders
    • B29C48/40Means for plasticising or homogenising the moulding material or forcing it through the nozzle or die using screws surrounded by a cooperating barrel, e.g. single screw extruders using two or more parallel screws or at least two parallel non-intermeshing screws, e.g. twin screw extruders
    • B29C48/405Intermeshing co-rotating screws
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B29WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
    • B29CSHAPING OR JOINING OF PLASTICS; SHAPING OF MATERIAL IN A PLASTIC STATE, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; AFTER-TREATMENT OF THE SHAPED PRODUCTS, e.g. REPAIRING
    • B29C48/00Extrusion moulding, i.e. expressing the moulding material through a die or nozzle which imparts the desired form; Apparatus therefor
    • B29C48/25Component parts, details or accessories; Auxiliary operations
    • B29C48/36Means for plasticising or homogenising the moulding material or forcing it through the nozzle or die
    • B29C48/395Means for plasticising or homogenising the moulding material or forcing it through the nozzle or die using screws surrounded by a cooperating barrel, e.g. single screw extruders
    • B29C48/40Means for plasticising or homogenising the moulding material or forcing it through the nozzle or die using screws surrounded by a cooperating barrel, e.g. single screw extruders using two or more parallel screws or at least two parallel non-intermeshing screws, e.g. twin screw extruders

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Structures Or Materials For Encapsulating Or Coating Semiconductor Devices Or Solid State Devices (AREA)
  • Encapsulation Of And Coatings For Semiconductor Or Solid State Devices (AREA)
  • Processes Of Treating Macromolecular Substances (AREA)
  • Processing And Handling Of Plastics And Other Materials For Molding In General (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は成形性、半田耐熱性、耐
湿信頼性に優れた半導体封止用エポキシ樹脂組成物の製
造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】IC、LSI等の半導体素子の封止方法
としてエポキシ樹脂のトランスファー成形による方法が
低コスト、大量生産に適した方法として採用され、信頼
性の点でもエポキシ樹脂や硬化剤であるフェノール樹脂
の改良により向上が図られてきた。しかし、近年の電子
機器の小型化、軽量化、高性能化の市場動向において、
半導体の高集積化も年々進み、また半導体パッケージの
表面実装化が促進されるなかで、半導体封止材料への要
求は益々厳しいものとなってきている。このため、従来
からの封止材料では解決出来ない問題点も出てきてい
る。その最大の問題点は、半導体パッケージの表面実装
の採用によりパッケージが半田浸漬、あるいはリフロー
工程で急激に200℃以上の高温にさらされ、このため
にパッケージが割れたり、チップあるいはリードフレー
ムと封止樹脂との界面剥離が生じて耐湿性が低下するこ
と、即ち半田耐熱性である。この半田耐熱性の向上を目
的として、エポキシ樹脂封止材料に関しては耐熱エポキ
シの使用、半田浸漬時の応力低減やリードフレーム、チ
ップとの接着性向上のための可撓性樹脂の使用、接着性
付与成分の添加、無機質充填材の配合量の増量、あるい
はシリカへのシランカップリング剤の処理条件の改良等
数多くの提案がなされてきている。
【0003】これらのうちで現在最も効果的と考えら
れ、広く採用されているのがエポキシおよび硬化剤成分
として、成形温度での溶融粘度の低い樹脂を使用し、ま
た硬化剤として可撓性骨格を有するフェノール樹脂を使
用し、かつ組成物中の溶融シリカの含有率を高めた樹脂
組成物である。この組成物によれば溶融シリカの含有率
が高いために低吸湿化及び低熱膨張化が達成出来る上
に、可撓性構造の硬化剤により基材との接着力が向上す
るため半田耐熱性が良好であり、更に低溶融粘度の樹脂
の使用により成形時の溶融樹脂組成物が低粘度を保ち、
流動性が高いため金型内への充填性が良好である。エポ
キシ樹脂としては、特に常温で固体で、溶融時の粘度が
極端に低下する結晶性のエポキシ樹脂が広く使用され始
められている(例えば、特開平5−175364、特開
平5−343570、特開平6−80763各号公報
等)。
【0004】しかしながら近年パッケージの薄型化に伴
い、パッケージ中に占める半導体封止材料の厚みが一段
と薄くなってきており、例えば、1mm厚のTSOPの
場合など、チップの上面に形成される封止材料の厚み
は、0.2〜0.3mm程度となる。このために半導体
封止材料中にピンホールやボイド(空洞)が存在すると
耐湿信頼性、電気絶縁性が著しく低下してしまう。ピン
ホール・ボイドに関しては従来より、タブレット変形や
流動樹脂の乱流による成形時のエアーの巻き込み、ある
いはタブレット中に含まれる水分が原因として考えられ
てきた(例えば、特開昭61−138620、特開昭6
3−237910,特開昭64−61028,特開平1
−129424各号公報等)。
【0005】しかし、エアーの巻き込み防止やタブレッ
ト吸湿の防止等の従来の手法では、確かにピンホール・
ボイドを低減出来る効果があるにはあるが皆無とならな
かった。また、水分以外の揮発分もボイドの原因として
挙げられており(例えば、特開昭61−261316号
公報)、このためエポキシ樹脂組成物の揮発成分を低減
する方法を既に提案済みである(例えば、特願平5−2
66192、特願平6−34308各号公報)。これら
で提案された樹脂組成物でのボイド低減効果は著しく高
く、樹脂組物の種類によってはボイドを皆無とすること
が可能となった。ところが、半田耐熱性を更に向上させ
るために、低粘度の樹脂、特に結晶性のエポキシ樹脂を
用いて溶融シリカの含有量を増大させた樹脂組成物にあ
っては揮発分を低減するだけでは、特に薄型パッケージ
で問題となる0.2mm以下のピンホール・ボイドにつ
いて十分でなく、更なる改良が必要であることが判明し
た。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、以上のよう
な状況に鑑み、ボイド発生の機構について更に検討を続
けた結果なされたもので、エポキシ樹脂組成物を加熱混
練する工程で発生する空気の巻き込みや、混練時及び成
形時に起こる結晶性樹脂の溶融過程で生じる気泡を樹脂
組成物中から効率的に取り除くことでボイド発生率を極
端に低減させ、かつ半田耐熱性に優れた半導体封止用エ
ポキシ樹脂組成物の製造方法を提供することを目的とし
ている。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、(A)融点が
50〜130℃で、かつ1分子にエポキシ基を2個以上
有する結晶性エポキシを総エポキシ樹脂中に70重量%
以上含むエポキシ樹脂、(B)150℃での溶融粘度が
5ポイズ以下のフェノール樹脂硬化剤、(C)硬化促進
剤、(D)総樹脂組成物中に76〜94重量%含まれる
溶融シリカ粉末、(E)シランカップリング剤を必須成
分とするエポキシ樹脂組成物を加熱混練するに際し、混
練装置として同方向2軸混練押し出し機を用い、かつこ
の同方向2軸混練押し出し機の系内を250mmHg以
下の減圧条件下に保ち、更に混練後に該同方向2軸混練
押し出し機から吐出されるエポキシ樹脂組成物の温度が
エポキシ樹脂組成物中の(A)成分の結晶性エポキシ樹
脂の融点以上の温度であり、かつ90〜140℃である
ことを特徴とする半導体エポキシ樹脂組成物の製造方法
である。
【0008】以下に本発明を詳細に説明する。本発明に
用いられるエポキシ樹脂は、融点が50〜130℃であ
り、かつ1分子中にエポキシ基を2個以上有する結晶性
エポキシ樹脂を総エポキシ樹脂中に70重量%以上含む
エポキシ樹脂である。結晶性エポキシ樹脂は、融点以下
で固形であるが融点以上の温度で溶融し、極めて低粘度
の液状物となるため、エポキシ樹脂組成物中の溶融シリ
カの含有量を多くしても成形時の溶融粘度が低く、流動
性に優れ、素子の金線変形やリードフレームの変形を防
止することができる。しかしながら、融点が50℃未満
であるとエポキシ樹脂組成物を製造するため他の成分と
混合する際に、摩擦熱等の温度上昇により溶融がはじま
り、作業性が悪くなるため生産性に劣る。一方、融点が
130℃を越えるとエポキシ樹脂組成物を加熱混練する
際にエポキシ樹脂を溶融するために高温が必要になり、
そのため混練中に反応が進行し、成形時の流動性が低下
してしまう。融点はキャピラリーガラス中の樹脂の融解
を外観で判定する通常の測定方法や、またはDSCによ
る結晶融解時の吸熱ピークの測定などで簡単に求めるこ
とができる。
【0009】この結晶性エポキシ樹脂の例としては、
3,3’,5,5’−テトラメチルビフェノールジグリ
シジルエーテル、3,3’,5,5’−テトラメチルビ
スフェノールFジグリシジルエーテル、ハイドロキノン
ジグリシジルエーテル、4,4’−ジヒドロキシジフェ
ニルエーテルジグリシジルエーテルなどが挙げられる
が、これらに限定されるものではない。この結晶性エポ
キシ樹脂の使用量は、総エポキシ樹脂量の70重量%以
上が望ましい。70重量%未満ではエポキシ樹脂の溶融
粘度の低減効果が十分でなく、成形時の流動性が低下し
てしまう。この結晶性エポキシと併用可能なエポキシ樹
脂とはエポキシ基を有するモノマー、オリゴマー、ポリ
マー全般を指し、例えば、ビスフェノールA型エポキシ
樹脂、オルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ナ
フタレン型エポキシ樹脂、トリフェノールメタン型エポ
キシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、ジシクロペンタ
ジエン変性フェノール類のエポキシ樹脂等が挙げられる
が、これらに限定されるものではない。また、これらの
エポキシ樹脂は単独でも併用しても差し支えない。
【0010】本発明の(B)成分であるフェノール樹脂
硬化剤は150℃での溶融粘度が5ポイズ以下であるこ
とを特徴とする。溶融粘度が150℃で5ポイズを越え
ると、得られるエポキシ樹脂組成物の溶融粘度が上昇す
るために成形時の流動性が低下し、金型内の成形品の未
充填や金線変形、リードフレーム変形(いわゆるパッド
シフト)が発生する。フェノール樹脂の150℃での溶
融粘度の測定方法としては、ICI粘度計が簡便であ
り、かつ一般的である。(B)成分のフェノール樹脂硬
化剤としては、エポキシ樹脂と硬化反応を行い架橋構造
を形成することができるフェノール性水酸基を有するモ
ノマー、オリゴマー、ポリマー全般を指し、具体的に
は、フェノールノボラック樹脂、キシリレン変性フェノ
ール樹脂、テルペン変性フェノール樹脂、ジシクロペン
タジエン変性フェノール樹脂、ビスフェノールA、トリ
フェノールメタンなどが例示されるが、これらに限定さ
れるものではない。これらのフェノール樹脂硬化剤も単
独でも併用しても差し支えない。半田耐熱性の点から特
に効果のあるフェノール樹脂硬化剤としては、特に式
(1)で示されるp−もしくはm−キシリレン構造で変
性されたフェノール樹脂であり、通常はフェノールとp
−キシリレングリコールジメチルエーテル、或いはm−
キシリレングリコールジメチルエーテルとの重縮合反応
により合成される。この構造のフェノール樹脂は通常の
フェノールノボラック樹脂に比べ、熱時の低弾性率化、
基材との高密着性、低吸水などの特長を有し、半田浸漬
時の熱応力の低減とパッケージクラック発生の防止に効
果的である。
【0011】
【化1】 (Rは水素、アルキル基を表す)
【0012】式(1)のフェノール樹脂硬化剤のp−キ
シリレン構造とm−キシリレン構造の比率は特に限定さ
れるものではなく、p−キシリレン構造、m−キシリレ
ン構造のそれぞれ単独の樹脂であっても、あるいはそれ
ぞれ単独の樹脂の併用であっても、または1分子中にp
−キシリレン構造とm−キシリレン構造とが共存してい
てもなんら差し支えない。150℃での溶融粘度が5ポ
イズ以下とするためには、m+nの値は1から10まで
で、かつこれらの混合物である。
【0013】(C)成分の硬化促進剤としては、前記エ
ポキシ樹脂とフェノール樹脂硬化剤との架橋反応の触媒
となるものであり、具体的には1,8−ジアザビシクロ
(5,4,0)ウンデセン−7等のアミジン化合物、
トリフェニルホスフィン等の有機ホスフィン化合物、2
−メチルイミダゾール等のイミダゾール化合物等が例示
できる。これらの硬化促進剤は単独であっても、また併
用であっても差し支えない。(D)成分の溶融シリカ粉
末は破砕状、球状のどちらでも使用可能であるが、フィ
ラー含有量を高め、かつエポキシ樹脂組成物の粘度の上
昇を抑えるためには球状シリカを主に用いる方が好まし
い。更に球状シリカの配合量を高めるためには、球状シ
リカの粒度分布をより広くするように調整することが望
ましい。溶融シリカ粉末の配合量は成形性と半田耐熱性
とのバランスから総エポキシ樹脂組成物中に76〜94
重量%含むことが望ましい。溶融シリカの配合量が76
%未満であると、半田耐熱性が不十分であり、一方94
重量%を越えると、溶融粘度の低い樹脂を用いても成形
時の流動性が低下してしまう。
【0014】(E)成分のシランカップリング剤として
は、具体的にはγ−グリシドキシプロピルトリメトキシ
シラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−
メルカプトプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリエ
トキシシラン等が挙げられるが、これに限定するもので
なく、またこれらの単独でも併用でも差し支えない。ま
た、(E)成分のシランカップリング剤は、予め(D)
成分の溶融シリカ粉末に均一に処理した後加熱処理をし
てもよいし、あるいは(A)成分ないし(C)成分に
(D)成分を添加して混合しても差し支えない。また半
導体封止用エポキシ樹脂組成物は、(A)から(E)ま
での成分以外にも必要に応じて臭素化エポキシ樹脂、三
酸化アンチモン等の難燃剤、カーボンブラックに代表さ
れる着色剤、天然ワックス及び合成ワックス等の離型
剤、シリコーンオイル等の低応力添加剤が適宜配合され
ており、本発明のエポキシ樹脂組成物の製造方法におい
てもこれらが配合されても何ら差し支えない。
【0015】本発明は、上記半導体封止用エポキシ樹脂
組成物の製造方法に関わるものである。上記組成物を成
形する際に発生するピンホール・ボイドとエポキシ樹脂
組成物の製造方法との相関を詳しく検討した結果、以下
に示す知見が得られた。溶融時の粘度が低い樹脂成分と
多量の溶融シリカを含有するエポキシ樹脂組成物を加熱
混練するためには、混練方法として同方向2軸混練押し
出し機を用いるのが最も適している。その他の混練方法
として、例えばロールが挙げられるが、エポキシ樹脂組
成物の溶融シリカの含有量が多くなるに従ってロールへ
の巻き付け性が極端に低下し、樹脂成分の溶融さえ不可
能である。また、1軸押し出し混練機、または異方向2
軸押し出し混練機の場合では、十分な溶融ゾーンが得ら
れないため吐出した材料中に溶融シリカの凝集物が多数
認められる。同方向2軸混練押し出し機では、上記混練
方法に較べはるかに安定した混練物が得られ、既にこれ
に関わる製造方法も提案されている(特開平6−226
736号公報)。しかしながら、本発明でのエポキシ樹
脂組成物、即ち結晶性エポキシ樹脂と高含有量の溶融シ
リカとを組み合わせた組成物では、ただ単に同方向2軸
押し出し混練機を用いただけでは十分な効果が得られな
いことが判明した。即ち、結晶性エポキシを含む樹脂組
成物の同方向2軸混練機による加熱混練に際しては、樹
脂組成物温度が結晶性エポキシ樹脂の融点以上、かつ9
0〜140℃の範囲になるように条件を設定し、管理す
ることが必要である。
【0016】この理由として、結晶性エポキシ樹脂は、
一度溶融すれば極めて低粘度の液状状態を示すが、一方
融点以下の温度では安定な固体状態を示すからである。
この点で、例えば従来のオルソクレゾールノボラック型
エポキシ樹脂の様に広い分子量分布を有する樹脂と異な
る。従来の非結晶性エポキシ樹脂では、低分子量成分か
ら順に低温度から溶融をはじめるため、一度溶融した低
分子量成分の溶媒効果により高分子量成分も溶融する。
一方結晶性エポキシ樹脂は、その分子量がほぼ一定であ
り、ある温度(融点)になって初めて溶融する。従っ
て、この結晶性エポキシ樹脂を用いたエポキシ樹脂組成
物を加熱混練する場合、結晶性エポキシ樹脂の融点以上
にエポキシ樹脂組成物が加熱されないとエポキシ樹脂は
固形状態のまま他の成分と混合されるに過ぎない。この
ような条件で混練された樹脂組成物は、ミクロな状態で
は溶融し残った結晶成分が分散しており、成形時にその
成分が溶融する際に急激な体積変化を起こすため、ミク
ロなボイドが発生する。またこの成分が単独で低粘度成
分として流動するためバリが発生する。
【0017】しかしながら、融点が90℃未満の結晶性
エポキシ樹脂を含む組成物の混練の場合では、樹脂組成
物温度が90℃未満では結晶性エポキシ樹脂は溶融する
にもかかわらず、硬化剤であるフェノール樹脂の軟化温
度の影響、および溶融シリカとの混練均一化の効果の点
で十分な混練効果が得られない。また、混練時の樹脂組
成物の温度が140℃を越えるとエポキシ樹脂と硬化剤
樹脂成分との反応が混練中に進行し、成形時の流動性が
著しく低下してしまう。この混練条件を実現するために
は通常、2軸スクリューの形状(2条、または3条のネ
ジか等)、構成(送りまたは練りを効かせるエレメント
の組み合わせ)、スクリュー回転数、エポキシ樹脂組成
物の時間当たりの供給速度、混練部分のジャケットの温
度の組み合わせで種々設定できるが、最も重要な点は混
練された樹脂組成物の温度で混練状態を管理することで
ある。混練物の温度については、混練され、同方向2軸
押し出し混練機から吐出されたエポキシ樹脂組成物の温
度を直接測定するのが最も適している。混練条件につい
て更に検討を続けたところ、同方向2軸押し出し混練機
の系内を減圧に保つことにより極めて大きな二つの効果
が得られた。その第一は驚くべきことに、同じ混練条件
下でも系内を減圧にすることで混練されたエポキシ樹脂
組成物の温度が常圧での混練に比較し、20〜50℃上
昇することである。この理由は推測ではあるが、一つに
は混練物中に含まれる空気が減圧により除去されるため
樹脂組成物の熱伝導率が向上し、同じ熱エネルギーが与
えられても効率的に樹脂組成物の温度が上昇すること、
また、第二に樹脂組成物中に含まれる水分や有機揮発成
分が減圧により除去されるためと考えられる。
【0018】この現象の最大の利点は、樹脂組成物を必
要とする温度範囲に加熱するにあたり、ジャケットを加
熱して外部から熱を加えることが必ずしも必要でないこ
とである。ジャケットからの加熱では混練機内の周辺部
分のみが熱エネルギーを受け易いため温度が不均一にな
り、かつスクリューから遠い外周部分の混練効果が低い
ためバレル外周部の混練物は内部に比べ、より熱エネル
ギーを受け易い。このため、混練物の一部に反応の進行
した、更にはゲル化した粒子が含まれることになり、成
形時の不良の原因となる。一方減圧条件下での混練では
ジャケットは、冷却ないし低温での加熱で十分であり、
樹脂組成物の熱履歴がはるかに安定し、特性が均一な混
練物を得ることができる。
【0019】減圧下での混練の第二の効果は、樹脂組成
物の成形時に発生するボイドの大きな低減効果である。
この理由としては、一つは減圧条件により樹脂組成物中
の水分、有機揮発成分が効率的に除去できるため、成形
時にボイドの原因となる揮発成分が発生しないことによ
る。二つめの理由は多量の溶融シリカと低溶融粘度の樹
脂成分とを混練する際に生じる空気の巻き込みを防止で
きたり、または巻き込まれた気泡の除去ができることで
ある。巻き込みの空気は単に物理的に撹拌によって生ず
るのみでなく、結晶性エポキシ樹脂が溶融する際に急激
に液状物となるときの体積変化により生ずる気泡も含ま
れていると考えられる。これは減圧をしない条件下では
結晶性エポキシ樹脂を用いた樹脂組成物の方が結晶性で
ないエポキシ樹脂による組成物よりも成形時にボイドの
発生率が多いが、減圧下ではいずれの樹脂による組成物
でも成形時にボイドが発生しないことからも推定され
る。更に、混練後の樹脂組成物の内部を顕微鏡観察する
と、減圧しないで混練した場合には内部に多数の気泡や
ミクロボイドが認められるのに対し、減圧下混練した場
合は気泡、ミクロボイドが極めて緻密な状態となってい
ることが判る。混練の際の減圧度は少なくとも250m
mHg以下、好ましくは100mmHg以下が必要であ
る。250mmHgを越える減圧度では、樹脂組成物の
混練時の温度上昇が十分でなく、また成形時のボイドの
低減効果も低いため、不十分な効果しか得られていな
い。
【0020】以下、本発明を実施例で具体的に説明す
る。 実施例1 3,3’,5,5’−テトラメチルビフェノールジグリシジルエーテル(融点 103℃、エポキシ基当量195) 4.2重量部 式(2)で示されるフェノール樹脂硬化剤(150℃の溶融粘度3.3ポイズ 、水酸基当量175) 4.3重量部
【0021】
【化2】 (式中、重量比でm/n=3/1)
【0022】 トリフェニルホスフィン 0.2重量部 溶融シリカ粉末 86 重量部 γーグリシドキシプロピルトリメトキシシラン 0.5重量部 三酸化アンチモン 1 重量部 臭素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂 1 重量部 カルナバワックス 0.5重量部 カーボンブラック 0.3重量部 上記の各成分をミキサーにより混合した後、同方向2軸
押し出し混練機を用いて加熱混練を行った。この混練機
はL/D=20、混練スクリューは3条ねじで、エレメ
ントの練り/送りの比は2.5/7.5、スクリュー回
転数は300rpm,ジャケットは水により冷却し、ま
た真空ポンプにより80mmHgに系内を減圧にした条
件で加熱混練を行った。混練され吐出口から押し出され
た樹脂組成物の温度を温度計により測定したところ、1
10℃であった。混練された樹脂組成物をシーティング
ロールで2mm厚のシート状にし、更に冷却後粉砕して
封止材料とした。特性を表2に示す。
【0023】実施例2〜4、比較例1〜5 実施例1のエポキシ樹脂組成物を用いて、表2に示す混
練条件で混練を行い封止材料を得た。特性を表2に示
す。 実施例5、比較例6〜9 表1に示すエポキシ樹脂組成物を用いて、表3に示す混
練条件で混練を行い封止材料を得た。特性を表3に示
す。式(3)、式(4)のフェノール樹脂の構造を下記
に示す。
【0024】
【化3】
【0025】上記実施例および比較例で得られた封止材
料で以下の評価を実施した。 スパイラルフロー:EMMI−1−66に準じたスパイ
ラルフロー測定用の金型を用いて、金型温度175℃、
注入圧力70kg/cm2、硬化時間2分で測定した。 バリ :ボイド評価に用いた成形品パッケー
ジに発生したバリの長さを測定した。 ボイド :各成形材料を用いて80pQFPパ
ッケージ(パッケージサイズは14×20mm,厚み
1.5mm,チップサイズは9×9mm)を175℃の
金型温度、75kg/cm2の圧力で2分間成形し、さ
らに175℃で8時間の後硬化を行った。この成形品パ
ッケージを超音波探傷装置を用いて観察し、0.1mm
φ以上の内部のボイドの数を(個数/パッケージ)で表
現した。 半田耐熱 :ボイド評価に用いた成形品パッケー
ジを85℃、85%RHの環境下で168時間放置し、
その後260℃の半田槽に10秒間浸漬した。顕微鏡で
パッケージを観察し、外部クラック数を半田クラック数
(クラック発生パッケージ数/全パッケージ数)で表現
した。
【0026】
【表1】
【0027】
【表2】
【0028】
【表3】
【0029】
【発明の効果】本発明の製造方法により、加熱混練工程
で発生する空気の巻き込みや、混練時及び成形時に起こ
る結晶性樹脂の溶融過程で生じる気泡を樹脂組成物中か
ら効率的に取り除くことできボイド発生率を極端に低減
させ、かつ半田耐熱性に優れた半導体封止用エポキシ樹
脂組成物を得ることができる。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)融点が50〜130℃で、かつ1
    分子にエポキシ基を2個以上有する結晶性エポキシを総
    エポキシ樹脂中に70重量%以上含むエポキシ樹脂、
    (B)150℃での溶融粘度が5ポイズ以下のフェノー
    ル樹脂硬化剤、(C)硬化促進剤、(D)総樹脂組成物
    中に76〜94重量%含まれる溶融シリカ粉末、(E)
    シランカップリング剤を必須成分とするエポキシ樹脂組
    成物を加熱混練するに際し、混練装置として同方向2軸
    混練押し出し機を用い、かつこの同方向2軸混練押し出
    し機の系内を250mmHg以下の減圧条件下に保ち、
    更に混練後に該同方向2軸混練押し出し機から吐出され
    るエポキシ樹脂組成物の温度がエポキシ樹脂組成物中の
    (A)成分の結晶性エポキシ樹脂の融点以上の温度であ
    り、かつ90〜140℃であることを特徴とする半導体
    エポキシ樹脂組成物の製造方法。
JP7209479A 1995-08-17 1995-08-17 半導体封止用エポキシ樹脂組成物の製造方法 Expired - Lifetime JP3009027B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7209479A JP3009027B2 (ja) 1995-08-17 1995-08-17 半導体封止用エポキシ樹脂組成物の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7209479A JP3009027B2 (ja) 1995-08-17 1995-08-17 半導体封止用エポキシ樹脂組成物の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0952228A JPH0952228A (ja) 1997-02-25
JP3009027B2 true JP3009027B2 (ja) 2000-02-14

Family

ID=16573529

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP7209479A Expired - Lifetime JP3009027B2 (ja) 1995-08-17 1995-08-17 半導体封止用エポキシ樹脂組成物の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3009027B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2004067244A1 (ja) * 2003-01-30 2004-08-12 Hitachi Chemical Co., Ltd. 半導体封止用エポキシ樹脂組成物の製造方法

Families Citing this family (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3929245B2 (ja) 1999-06-15 2007-06-13 住友ベークライト株式会社 半導体封止用エポキシ樹脂成形材料の製造方法
JP4295869B2 (ja) * 1999-09-14 2009-07-15 日東電工株式会社 半導体封止用エポキシ樹脂組成物の製法
JP3856425B2 (ja) 2001-05-02 2006-12-13 住友ベークライト株式会社 半導体封止用エポキシ樹脂組成物の製造方法、半導体封止用エポキシ樹脂組成物及び半導体装置
JP2003039424A (ja) * 2001-07-31 2003-02-13 Hitachi Chem Co Ltd 半導体封止用エポキシ樹脂組成物の製造方法
JP4634083B2 (ja) * 2003-07-17 2011-02-16 日東電工株式会社 半導体封止用タブレットの製法
JP4452071B2 (ja) 2003-12-04 2010-04-21 日東電工株式会社 半導体封止用エポキシ樹脂組成物の製法

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2004067244A1 (ja) * 2003-01-30 2004-08-12 Hitachi Chemical Co., Ltd. 半導体封止用エポキシ樹脂組成物の製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JPH0952228A (ja) 1997-02-25

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3009027B2 (ja) 半導体封止用エポキシ樹脂組成物の製造方法
JP3192953B2 (ja) 半導体封止用エポキシ樹脂成形材料及びその製造方法
JPH11147936A (ja) 半導体封止用エポキシ樹脂組成物及び半導体装置
JP2768088B2 (ja) 熱硬化性樹脂組成物及び半導体装置
JPH0853601A (ja) 半導体封止用エポキシ樹脂組成物
JP3102276B2 (ja) エポキシ樹脂組成物の製造方法及び半導体封止用エポキシ樹脂組成物
JP2000273280A (ja) エポキシ樹脂組成物及び半導体装置
JP2000281751A (ja) エポキシ樹脂組成物及び半導体装置
JP2000273277A (ja) エポキシ樹脂組成物及び半導体装置
JP2000327883A (ja) エポキシ樹脂組成物及び半導体装置
JP2002012654A (ja) 半導体封止用エポキシ樹脂組成物
JP5275697B2 (ja) 封止用エポキシ樹脂組成物およびその製造方法
JP4706089B2 (ja) エポキシ樹脂組成物及び半導体装置
JP3094857B2 (ja) 半導体装置及び半導体装置の封止方法
JP4379973B2 (ja) エポキシ樹脂組成物及び半導体装置
JPH07122683A (ja) 半導体封止用エポキシ樹脂組成物
JPH1045872A (ja) エポキシ樹脂組成物
JP4724947B2 (ja) エポキシ樹脂成形材料の製造方法及び半導体装置
JP2003041096A (ja) エポキシ樹脂成形材料の製造方法及び半導体装置
JP4586286B2 (ja) エポキシ樹脂組成物及び半導体装置
JP2001151994A (ja) エポキシ樹脂組成物及び半導体装置
JP2000273154A (ja) エポキシ樹脂組成物及び半導体装置
JPH11172075A (ja) エポキシ樹脂組成物及び半導体装置
JP3309688B2 (ja) エポキシ樹脂組成物の製造方法
JP2000309678A (ja) エポキシ樹脂組成物及び半導体装置

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081203

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091203

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091203

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101203

Year of fee payment: 11

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101203

Year of fee payment: 11

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111203

Year of fee payment: 12

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121203

Year of fee payment: 13

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121203

Year of fee payment: 13

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131203

Year of fee payment: 14

EXPY Cancellation because of completion of term