JP3008587B2 - 電界効果トランジスタおよびその製造方法 - Google Patents

電界効果トランジスタおよびその製造方法

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JP3008587B2 JP3215701A JP21570191A JP3008587B2 JP 3008587 B2 JP3008587 B2 JP 3008587B2 JP 3215701 A JP3215701 A JP 3215701A JP 21570191 A JP21570191 A JP 21570191A JP 3008587 B2 JP3008587 B2 JP 3008587B2
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純志 春山
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電界効果トランジスタ
およびその製造方法に関し、特に、ゲート・ドレイン間
にアバランシェ増倍が発生するような高電界が集中する
電界効果トランジスタとその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の電界効果トランジスタは、化合物
半導体を用いたものでは半絶縁性基板上に、600℃の
基板温度で成長した、ノンドープガリウム・ヒ素や、ノ
ンドープ・アルミニウム・ガリウムヒ素、及びその上に
同じ温度で成長したSi28ドープ・ガリウムヒ素を有し
ているものや、基板上の600℃成長のノンドープガリ
ウム・ヒ素の上に同温度成長のノンドープ・アルミニウ
ムガリウムヒ素、Si28ドープ・アルミニウムガリウム
・ヒ素を形成し、2DEG(2次元電子ガス)によるチ
ャネルを作成しているトランジスタ、シリコンを用いた
ものでは、絶縁物の上にシリコンを成長させて、チャネ
ルを形成したトランジスタ等があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】この従来の電界効果ト
ランジスタは、そのサイズの縮小化に伴い、ゲート・ド
レイン間距離が、例えば0.5μm程度の時、その間に
5Vの電圧が印加されると、電界は1×105 V/cm
にも達するため、アバランシェ増倍が発生し、それによ
り発生したホールが基板側に蓄積され、トランジスタの
しきい値を変化させたり、大信号動作時に非線形な要素
を生成し、トランジスタの利得を低下させたりするとい
う問題点があった。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、基板上
に分子線エピタキシー法(以下、MBEという)によ
り、基板温度300℃以下200℃以上で成長したノン
ドープ・ガリウムヒ素と、その上に基板温度600℃で
成長した厚さ500〜1000オングストロームのノン
ドープ・ガリウムヒ素、及びその上に形成したチャネル
層を備え、かつ、アルシンふん囲気中で800℃、25
分のキャップレスアニールを施し、その後ソース・ドレ
イン・ゲートの各電極を形成した電界効果トランジスタ
およびその製造方法を得る。
【0005】
【実施例】次に本発明について図面を参照して説明す
る。
【0006】図1は本発明の一実施例の半導体チップの
断面図である。このチップの製造にあたっては、まず半
絶縁性基板1上にMBEにより、基板温度を292℃に
制御した状態で、ノンドープガリウム・ヒ素2を成長さ
せる。次に基板温度を600℃にして、ノンドープ・ガ
リウムヒ素7を500オングストローム成長した後、S
28をドープしながらガリウム・ヒ素3を成長させる。
次にアルシンふん囲気中で800℃、25分のキャップ
レスアニールを施す。最後にそのガリウム・ヒ素にオー
ミックコンタクトをとりドレイン・ソース電極4,5を
形成し、そこから各々0.5μmの位置にショットキー
接合を持つゲート電極6を形成する。
【0007】高出力動作のためソース・ドレイン電圧を
8Vに設定し、ゲート・ソース電圧を−1.5Vに設定
し、大信号動作させると、ゲート・ドレイン間には約1
0Vの電圧がかかり、ゲート・ドレイン間距離は、0.
5μmであるため電界は2+105 V/cmに達し、ア
バランシェ増倍が発生する。それにより生じたホール
は、一部はゲート電極に流入するが、そのほとんどは電
位の低い基板側に拡散する。
【0008】ところが、本発明の292℃成長ガリウム
・ヒ素は、図2に示すように高濃度でその活性化エネル
ギー,捕獲断面積共に深い準位を有しており、かつ電子
により高い確率で占有されているため、熱平衡状態から
ずれて発生してくるホールに対しては、再結合中心とし
て働く。よって、拡散してきたホールは蓄積されること
なく、すべて消滅してしまうため、その影響は全く現れ
ないことになる。また、ノンドープ・ガリウム・ヒ素7
を有しているため292℃成長ガリウムヒ素が、チャネ
ルに与える影響も妨げると供に、高温アニールを必要と
される場合でも、その効果を保持する事が可能である。
【0009】
【発明の効果】以上説明したように、本発明は基板とチ
ャネル層との間に300℃以下200℃以上で成長した
ノンドープガリウム・ヒ素を成長させると共に、その上
に600℃で成長した500〜1000オングストロー
ムのノンドープガリウムヒ素を成長することにより、2
00℃〜300℃成長のガリウムヒ素がチャネルに与え
る悪影響を防ぎつつ、ゲート・ドレイン間のアバランシ
ェ増倍により生じたホールを蓄積させることなく、すべ
て再結合消滅させるため、大信号動作時の、しきい値の
シフトや、非線形要素の増加による利得の低下を防ぐと
いう効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例によるチップ断面図。
【符号の説明】
1 半絶縁性基板 2 292℃成長ノンドープ・ガリウム・ヒ素 3 Siドープ・ガリウム・ヒ素 4 ソース電極 5 ドレイン電極 6 ゲート電極 7 600℃成長ノンドープガリウムヒ素
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平2−275642(JP,A) IEEE ELECTRON DEV ICE LETTERS,Vol.9, No.2,(1988),p.77−80 IEEE ELECTRON DEV ICE LETTERS,Vol.11, No.12,(1990),p.561−563 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 21/338 H01L 21/28 301 H01L 21/324 H01L 29/812

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上に分子線エピタキシー法により、
    成長基板温度300℃以下200℃以上で成長したノン
    ドープ・ガリウムヒ素と、その上に成長基板温度600
    ℃で成長した厚さ500オングストローム〜1000オ
    ングストロームのノンドープ・ガリウム・ヒ素と、その
    上に形成したチャネル層、及びそのチャネル層にオーミ
    ックコンタクトをとったドレイン電極およびソース電極
    と、前記チャネル層に流れる電流を制御するためのゲー
    ト電極とを有し、かつ、アルシン雰囲気中で800℃〜
    900℃、25分程度のキャップレスアニールを施すこ
    とを特徴とする電界効果トランジスタ。
  2. 【請求項2】 半絶縁性基板上に分子線エピタキシー法
    により成長基板温度200℃以上300℃以下でノンド
    ープ・ガリウム・ヒ素を成長する工程と、その上に成長
    基板温度600℃で厚さ500オングストローム〜10
    00オングストロームのノンドープ・ガリウムヒ素を成
    長する工程と、その上にチャンネル層を形成する工程
    と、アルシン雰囲気中800℃〜900℃でキャップレ
    スアニールを施す工程と、該チャンネル層にオーミック
    コンタクトするソース電極およびドレイン電極を形成す
    る工程と、該ソース電極およびドレイン電極間の前記チ
    ャンネル層に流れる電流を制御するゲート電極を形成す
    る工程とを有することを特徴とする電界効果トランジス
    タの製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Title
IEEE ELECTRON DEVICE LETTERS,Vol.11,No.12,(1990),p.561−563
IEEE ELECTRON DEVICE LETTERS,Vol.9,No.2,(1988),p.77−80

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