JP3008212B2 - 透明ないし半透明の化粧料 - Google Patents

透明ないし半透明の化粧料

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Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本発明は、水相中に両親媒性脂質を微細かつ安定に分
散してなり、透明ないし半透明の外観を有する化粧料に
関する。
［従来の技術及び発明が解決しようとする課題］ 荒れ肌、乾燥肌、老化肌等においては角層の水分量が
低下しているとされており、従来、これらの肌の外観や
感触を改善する目的で、各種の油や水溶性保湿成分を配
合した化粧料が用いられている。ここで、油は皮膚を閉
塞して角層の水分量を増大させることにより、又は直接
角層に作用することにより角層を柔軟化するものと考え
られる。一方、水溶性保湿成分はその保水力により角層
中の水分量を増大させ、柔軟化させるものと考えられ
る。
しかし、油はべたつく、ぎらつく等の欠点を有し、ま
た水溶性保湿成分は水で洗い流されやすく効果が持続し
にくいという欠点を有する。
そこで、油や水溶性保湿成分に代えて両親媒性脂質、
特に角質細胞間脂質を皮膚等から抽出して用いたり（特
開昭62−29508号公報，特開昭62−120308号公報）、そ
の化学的な構造類似体を合成して用いる（特開昭62−22
8048号公報）ことが提案されている。角質細胞間脂質と
は、角質の細胞間に見出され、層状構造を形成し、角質
細胞の接着や角層の水和に寄与しているといわれる物質
である。これら両親媒性脂質は、角質細胞間脂質も含
め、室温（25℃）で固体であるので、化粧料として安定
した状態で使用するため、液体油と混ぜて乳化状態とし
たり、多量の界面活性剤を用いて可溶化状態とすること
により化粧料中に配合されている。
しかしながら、これらの方法では多量の界面活性剤を
用いる可溶化法以外では、不透明な白色乳化物しか得ら
れず、高濃度かつ安定に角質細胞間脂質等を配合するの
が困難であり、また多量に界面活性剤を用いるとこれら
両親媒性脂質本来の機能が損なわれたり、界面活性剤に
起因する皮膚刺激が懸念されるという問題があった。
従って、両親媒性脂質を安定に透明ないし半透明の美
しい状態で配合し、かつ皮膚刺激の懸念のない化粧料が
要望されていた。
［課題を解決するための手段］ かかる実情において、本発明者らは鋭意研究を行なっ
た結果、非イオン性界面活性剤とイオン性界面活性剤と
を組み合わせて用いることにより、相対的に少ない界面
活性剤量で両親媒性脂質を微細かつ安定に配合できるこ
と、更にその外観は透明〜半透明の美しいものとなるこ
とを見出し、本発明を完成した。
すなわち本発明は、次の成分（Ａ）〜（Ｄ） （Ａ）セラミド及び一般式（Ｉ） （式中、R1は炭素数10〜26の直鎖又は分岐鎖の飽和又は
不飽和の炭化水素基を、R2は炭素数９〜25の直鎖又は分
岐鎖の飽和又は不飽和の炭化水素基を示す。） で表わされるアミド誘導体から選ばれる両親媒性脂質 0.05〜30重量％ （Ｂ）非イオン性界面活性剤 0.05〜30重量％ （Ｃ）イオン性界面活性剤 （Ｂ）の１〜50重量％ （Ｄ）水性媒体 40〜99重量％ を含有し、（Ａ）／［（Ｂ）＋（Ｃ）］＝0.2〜10であ
る透明ないし半透明の化粧料を提供するものである。
本発明において「透明ないし半透明」とは、積分球光
電散乱光度計により測定した濁度（カオリン標準：精製
カオリン1ng/1水の濁りを濁度1ppmとする。）が、１
〜1500ppmのものをいう。
本発明に使用されるアミド誘導体（Ｉ）の製造法につ
いては特開昭62−228048号公報、特開昭63−216852号公
報等に詳述されている。
本発明において、（Ａ）成分のセラミド又はアミド誘
導体（Ｉ）は、単独で又はこれと他の両親媒性脂質、例
えば高級アルコール、脂肪酸、リン脂質、糖脂質、コレ
ステロール、コレステロール脂肪酸エステル等と組合わ
せて使用することができる。セラミド又はアミド誘導体
（Ｉ）と他の両親媒性脂質とを組み合わせて用いる場
合、両者の比は100/1〜1/100、特に10/1〜1/10の範囲が
好ましい。両親媒性脂質は、本発明化粧料中に0.05〜30
重量％、好ましくは0.1〜10重量％配合される。
本発明において使用される（Ｂ）成分の非イオン性界
面活性剤としては、例えばポリオキシエチレン硬化ヒマ
シ油；ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレー
ト、ポリオキシエチレンソルビタンテトラオレエート等
のポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル；ポリ
オキシエチレングリセリルモノイソステアレート、ポリ
オキシエチレングリセリルトリイソステアレート等のポ
リオキシエチレングリセリル脂肪酸エステル；ポリエチ
レングリコールモノイソステアレート等のポリエチレン
グリコールの脂肪酸エステル；ポリオキシエチレンヘキ
シルデシルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルドデ
シルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、
ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレ
ンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエ
ーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル等
のポリオキシエチレンアルキルエーテルなどのポリオキ
シエチレン付加型界面活性剤の他、ポリグリセリンアル
キルエーテル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ショ糖
脂肪酸エステル等が挙げられるが、中でもポリオキシエ
チレン硬化ヒマシ油又はポリオキシエチレンアルキルエ
ーテルであって、HLB値８〜20、特に10〜16のものが好
ましい。これらは単独で、又は好ましいHLB値となるよ
う、二種以上を組み合わせて使用することもでき、本発
明化粧料中に0.05〜30重量％、好ましくは0.1〜10重量
％配合される。
本発明において使用される（Ｃ）成分のイオン性界面
活性剤は、アニオン性界面活性剤、両性界面活性剤及び
カチオン性界面活性剤のいずれかであり、アニオン性界
面活性剤としてポリオキシエチレンラウリルエーテル硫
酸ナトリウム、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫
酸トリエタノールアミン等のポリオキシエチレンアルキ
ル硫酸塩系；ラウロイルサルコシンナトリウム、ラウロ
イルメチルアラニンナトリウム等のＮ−アシルアミノ酸
塩系；ポリオキシエチレンラウリルエーテルリン酸ナト
リウム、ポリオキシエチレンセチルエーテルリン酸ナト
リウム、ジポリオキシエチレンアルキルエーテルリン
酸、トリポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸、
ジポリオキシエチレンノニルフェニルエーテルリン酸、
ポリオキシエチレンラウリルエーテルリン酸ナトリウ
ム、ジポリオキシエチレンラウリルエーテルリン酸ナト
リウム等のポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸
塩系などが、両性界面活性剤としてアルキルベタイン、
アルキルアミドベタイン、アルキルスルホベタインなど
が、カチオン性界面活性剤としてジ長鎖アルキル四級ア
ンモニウム塩、モノ長鎖アルキル四級アンモニウム塩、
ジ長鎖アルキルポリオキシエチレン四級アンモニウム
塩、モノ長鎖アルキルポリオキシエチレン四級アンモニ
ウム塩、ビス（ヒドロキシアルキル）四級アンモニウム
塩、アミド／エステル結合を有する四級アンモニウム塩
などが挙げられる。これらは単独で、又は二種以上を組
み合わせて使用することができ、（Ｂ）成分の１〜50重
量％、好ましくは２〜30重量％配合される。（Ｃ）成分
の配合量がこの範囲外では、透明ないし半透明の化粧料
を得るのが困難となる。
以上の（Ａ）、（Ｂ）及び（Ｃ）成分は、（Ａ）／
［（Ｂ）＋（Ｃ）］＝0.2〜10、好ましくは0.5〜２の比
で本発明の化粧料中に配合される。この比が0.2未満で
は界面活性剤量が相対的に多いので透明系は得やすい
が、皮膚刺激の懸念があり、10を超えると透明系が得ら
れにくい。
本発明において使用される（Ｄ）成分の水性媒体とし
ては、水、あるいは水とエタノール、グリセリン、ソル
ビトール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコ
ール、1,3−ブタンジオール等の水溶性アルコール類と
の組合せが挙げられる。（Ｄ）成分は本発明の化粧料中
に合計で40〜99重量％、好ましくは80〜95重量％配合さ
れる。
また、本発明においては、これら以外にも通常化粧料
に配合されるその他の成分を、本発明の効果を損なわな
い範囲で配合することができる。このような成分として
は、例えば液体油、シリコーン油、ポリオール類、水溶
性高分子、紫外線吸収剤、防腐剤、香料、エタノール、
無機又は有機粉体、殺菌剤、色素等が挙げられる。ここ
において液体油は配合しないことが好ましく、配合する
場合でも化粧料中に２重量％以下とするのが好ましい。
本発明の化粧料は、透明ないし半透明の外観を呈する
が、これにラテックス等の濁り剤を入れて不透明化した
り、エチレングリコールエステル等を配合してパール化
して用いてもよい。
本発明の化粧料は、例えば次のようにして製造され
る。（Ａ）成分の両親媒性脂質並びに（Ｂ）及び（Ｃ）
成分の界面活性剤を高温（65〜95℃）で溶解し、これに
別途混合した水相を滴下する。これにより異方性を持っ
た液晶相の状態を経由して微細な脂質分散系が得られ
る。これを室温まで冷却することにより、本発明の化粧
料が製造される。ここにおいて、脂質・活性剤相にグリ
セリン等のポリオール類を加えておくと、より効果的に
脂質分散系が得られる。
［実施例］ 以下、実施例を挙げて更に詳細に説明するが、本発明
はこれらに限定されるものではない。
実施例１〜28 表１〜３に示す処方中、水以外の成分を85〜90℃で混
合・溶解し、これに同温度に加温した水を滴下し、室温
まで冷却してローションを得た。これらのローションは
全て透明ないし半透明の液体であった。
［発明の効果］ 以上のように、本発明の化粧料は両親媒性脂質が高濃
度かつ安定に配合されており、外観も透明ないし半透明
の美しいものである。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平２−78432（ＪＰ，Ａ) 特開 平３−281699（ＪＰ，Ａ) 特開 昭63−141908（ＪＰ，Ａ) 特開 平２−48520（ＪＰ，Ａ) 特開 昭61−260008（ＪＰ，Ａ) (58)調査した分野(Int.Cl.7，ＤＢ名) A61K 7/00

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項１】次の成分（Ａ）〜（Ｄ） （Ａ）セラミド及び一般式（Ｉ） （式中、R1は炭素数10〜26の直鎖又は分岐鎖の飽和又は
    不飽和の炭化水素基を、R2は炭素数９〜25の直鎖又は分
    岐鎖の飽和又は不飽和の炭化水素基を示す。） で表わされるアミド誘導体から選ばれる両親媒性脂質0.
    05〜30重量％ （Ｂ）非イオン性界面活性剤 0.05〜30重量％ （Ｃ）イオン性界面活性剤 （Ｂ）の１〜50重量％ （Ｄ）水性媒体 40〜99重量％ を含有し、（Ａ）／〔（Ｂ）＋（Ｃ）〕＝0.2〜10であ
    る透明ないし半透明の化粧料。
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