JP3007387B2 - 徐放性製剤用基剤粉末 - Google Patents

徐放性製剤用基剤粉末

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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は通常の製剤と比較して消化管内で薬物を長時
間放出することができる徐放性製剤に用いる基剤粉末に
関する。更に詳しくは、簡便な製造方法で薬物を効果的
にしかも徐々に放出し、薬物の効果を持続させることが
できる医薬品製剤の基剤粉末、及びこの基剤粉末が配合
されている錠剤に関する。
〔従来の技術及び発明が解決しようとする課題〕
徐放性製剤は、薬物の服用回数を減少させて患者の
コンプライアンスを守る、投与薬物の毒性や副作用発
現濃度以下の薬物有効血中濃度を保持することで薬効を
損なわずに毒性や副作用発現を押さえる、薬物の有効
濃度を長時間保持することで薬効発現を効果的にする等
の通常の製剤にはない有用性を持つ。このような徐放性
製剤のなかで経口製剤として、スパンスル、スパンタ
ブ、ロンタブ、レペタブ等の剤形が開発されている。
通常、徐放性製剤を製造する際、水不溶性高分子等を
コーティングしたり、ワックス類などの脂溶性物質を加
熱して薬物や賦形剤と混合溶融してマトリックスを形成
させたりしている。しかしこれらの製造法は作業が煩雑
であり、また一定の品質を持つ製剤を製造する製造条件
を確立するために多大な時間を要する。
そこで本発明者らは簡便な製造方法で徐放性製剤を製
造する研究を行った。簡便な製造方法で徐放性製剤を製
造する方法としては、薬物をハイドロゲル(水の存在で
ゲルを形成し、ゲルが徐々に溶解するもの)と混合して
製錠する方法が知られている。しかし一般に、ハイドロ
ゲルは吸湿して流動性が悪くなり、ただ単に混合して打
錠することは困難である。そのため通常、薬物とハイド
ロゲルを混合した後に造粒・乾燥・整粒等の操作が必要
であり、その後に打錠する方法が取られる。この方法で
は各薬物ごとに、造粒・乾燥・整粒等の製造条件の検討
が必要となる。
〔課題を解決するための手段〕
そこで本発明者らは単に薬物と賦形剤を混合した後に
打錠して、徐放性製剤を得ることができるような賦形剤
を見い出し、本発明を完成するに到った。
すなわち、本発明は、ハイドロゲルと水不溶性高分子
(水には溶解しない高分子)を、ハイドロゲルと水不溶
性高分子の両溶媒に溶解させた後、乾燥して得られる徐
放性製剤用基剤粉末、及びこの基剤粉末が配合されてい
ることを特徴とする錠剤を提供するものである。
本発明の基剤粉末はハイドロゲル単独の場合と比較し
て吸湿を抑え、流動性を改善することができる。さらに
ハイドロゲルと水不溶性高分子の配合比を変えることに
より任意に溶出挙動を変えることができる。また本発明
の基剤粉末を含有する錠剤は単に薬物と基剤粉末を混合
して打錠すればよいことから、種々の薬物に対して適用
出来る。
本発明に用いられるハイドロゲルとしては、ヒドロキ
シプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセル
ロース、メチルセルロース、ポリビニルピロリドン等が
挙げられる。
本発明に用いられる水不溶性高分子としては、エチル
セルロース、ポリメタクリル酸共重合体、酢酸セルロー
ス、ポリビニルアルコール、エチレン酢酸ビニル共重合
体、ポリ酢酸ビニル等が挙げられる。
本発明において、ハイドロゲルと水不溶性高分子との
配合割合は10:90〜90:10(重量比)が好ましい。
本発明に用いられる両溶媒としては、エチルアルコー
ルが好ましい。
本発明の基剤粉末を製造する際の乾燥工程はハイドロ
ゲルと水不溶性高分子の両溶媒が留去できる方法であれ
ば、棚式乾燥、噴霧乾燥、凍結乾燥等いずれの方法も利
用できる。また必要ならば乾燥後に粉砕を行っても良
い。
本発明の錠剤は上記の如くして得られる基剤粉末と薬
物とを混合して打錠することにより得られる。用いられ
る薬剤としては、特に限定されるものではない。
基剤粉末と薬物を混合する際、その他の賦形剤(結晶
乳糖、結晶セルロース、第2リン酸カルシウム、プルラ
ン等)、崩壊剤(低置換度ヒドロキシプロピルセルロー
ス、カルボキシルメチルセルロース等)や滑沢剤(ステ
アリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、タル
ク等)を配合することもできる。
ハイドロゲルとしてヒドロキシプロピルセルロース、
水不溶性高分子としてエチルセルロースを用いて製造し
た本発明の基剤は、示差熱走査熱量計で測定すると、あ
る条件下では単にヒドロキシプロピルセルロースとエチ
ルセルロースを混合した物とは違った熱挙動を示した
が、X線回折、IRでは差がなかった。このことから構造
自体には差は認められないと考えられる。そこで基剤中
に分散しているエチルセルロースの粒子径を測定すると
2μm程度のものが存在していることがわかった。
〔実施例〕
以下に実施例をもって本発明を更に詳細に説明する
が、本発明はこれらの実施例に限定されるものではな
い。
実施例1 ヒドロキシプロピルセルロースH(HPC−H)360gを
エタノール6840gに溶解する。別にエチルセルロース40g
をエタノール360gに溶解する。その後これらを一緒にし
てポリトロンでよく混合する。混合した溶液をバットに
広げ、60℃で10日間乾燥した。乾燥したものは液体窒素
とともにハンマーミルにて粉砕を行い固形粉末を得、さ
らにこの固形粉末を60℃で2日間乾燥した。
実施例2 ヒドロキシプロピルセルロースH(HPC−H)800gを
エタノール19200gに溶解する。別にエチルセルロース20
0gをエタノール1800gに溶解する。その後は実施例1と
同様にして固形粉末を得た。
実施例3 ヒドロキシプロピルセルロースH(HPC−H)266gを
エタノール5054gに溶解する。別にエチルセルロース134
gをエタノール1206gに溶解する。その後は実施例1と同
様にして固形粉末を得た。
実施例4 ヒドロキシプロピルセルロースH(HPC−H)200gを
エタノール3800gに溶解する。別にエチルセルロース200
gをエタノール1800gに溶解する。その後は実施例1と同
様にして固形粉末を得た。
実施例5 ヒドロキシプロピルセルロースH(HPC−H)134gを
エタノール2546gに溶解する。別にエチルセルロース266
gをエタノール2394gに溶解する。その後は実施例1と同
様にして固形粉末を得た。
実施例6 ヒドロキシプロピルセルロースH(HPC−H)80gをエ
タノール1520gに溶解する。別にエチルセルロース320g
をエタノール2880gに溶解する。その後は実施例1と同
様にして固形粉末を得た。
実施例7 ヒドロキシプロピルセルロースH(HPC−H)の代わ
りにヒドロキシプロピルセルロースM(HPC−M)を用
いたほかはすべて実施例2と同様にして固形粉末を得
た。
実施例8 ヒドロキシプロピルセルロースH(HPC−H)の代わ
りにヒドロキシプロピルセルロースM(HPC−M)を用
いたほかはすべて実施例3と同様にして固形粉末を得
た。
実施例9 ヒドロキシプロピルセルロースH(HPC−H)の代わ
りにヒドロキシプロピルセルロースM(HPC−M)を用
いたほかはすべて実施例4と同様にして固形粉末を得
た。
対照例1 ヒドロキシプロピルセルロースH(HPC−H)360gを
エタノール6840gに溶解する。その後溶液をバットに広
げ、60℃で10日間乾燥した。乾燥したものは液体窒素と
ともにハンマーミルにて粉砕を行い固形粉末を得、さら
にこの固形粉末を60℃で2日間乾燥した。
対照例2 エチルセルロース400gをエタノール3600gに溶解す
る。その後溶液をバットに広げ、60℃で10日間乾燥し
た。乾燥したものは液体窒素とともにハンマーミルにて
粉砕を行い固形粉末を得、さらにこの固形粉末を60℃で
2日間乾燥した。
対照例3 市販のエチルセルロースを篩過して、150メッシュを
通過したエチルセルロースを得た。
対照例4 対照例1で得た粉末100gと対照例2で得た粉末100gを
混合して、粉末を得た。
対照例5 対照例1で得た粉末100gと、対照例3で得た粉末100g
を混合して、粉末を得た。
〔発明の効果〕
以下の実験例によって本発明の効果を説明する。
実験例1 実施例1〜9で得た粉末及び対照例1〜4で得た粉末
の流動性を調べた。流動性の指標として安息角とオリフ
ィス径を測定した。オリフィス径は8mm径の穴から排出
される粉体の流出速度(g/sec)を測定した。平均粒子
径は篩分け法により測定した。
その結果を表1に示す。
表1の結果から実施例はすべて対照例1よりも流動性
が改善されていることを示す。対照例2のエチルセルロ
ースのみでは流動性はよいが、対照例3のように粒子径
が小さくなると流動性は悪くなる。また対照例4に示す
ように物理的混合だけでは流動性の改善は認められな
い。
実験例2 実施例1〜6、対照例4及び5で得られた基剤粉末に
ついて、モデル薬物として水に溶解し易い塩酸フェニル
プロパノールアミン(PPA)を選択し、薬物の溶出挙動
を調べた。処方あたりPPA40mg、基剤粉末200mgとし、打
錠圧は1トンとした。溶出試験はJP11局に従い、水900m
l・パドル法100rpmで行った。薬物溶出量はHPLC法で求
めた。
その結果を表2に示す(表中の数字は溶出率%を示
す)。
本発明に係るHPC−Hとエチルセルロースの配合比に
おいて、エチルセルロース量が多くなると溶出速度は速
くなることが分かる。従って、溶出速度の調節は配合比
を変えることにより可能である。また対照例にみられる
ように、HPC−Hとエチルセルロースを単に混合した場
合、エチルセルロースの粒子径により溶出速度は変わる
が、エチルセルロースの粒子径が100μm以下では実施
例3とほぼ同じ溶出速度であった。
実験例3 PPA40mgに対し、実施例2で得た基剤粉末の量を100,1
50,200,300mgと変化させた。後は実験例2と同様に溶出
試験を行った。
その結果を表3に示す(表中の数字は溶出率%を示
す)。
表3の結果から基剤粉末の量を増減することにより溶
出速度を調節することができることが分かる。
実験例4 PPA40mgに対し、実施例2で得た基剤粉末を400mg、そ
の他の賦形剤として低置換度ヒドロキシプロピルセルロ
ース(商品名L−HPC)、ソデイムクロスカルメロース
(商品名Ac−di−sol)、プルラン、結晶セルロース
(商品名アビセル102)、カルボキシメチルセルロース
フリー(CMC−Free)を50mg配合して、打錠を行い、実
験例2と同様に溶出試験を行った。
その結果を表4に示す(表中の数字は溶出率%を示
す)。
表4の結果からその他の賦形剤を添加して打錠しても
徐放性を確保できることが分かった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小沢 博 愛知県一宮市大字丹羽字井端1226―59 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A61K 47/38 A61K 47/32 A61K 9/22 CA(STN)

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ハイドロゲルと水不溶性高分子を、ハイド
    ロゲルと水不溶性高分子の両溶媒に溶解させた後、乾燥
    して得られる徐放性製剤用基剤粉末。
  2. 【請求項2】ハイドロゲルがヒドロキシプロピルセルロ
    ース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセ
    ルロース又はポリビニルピロリドンである請求項1記載
    の徐放性製剤用基剤粉末。
  3. 【請求項3】水不溶性高分子がエチルセルロース、ポリ
    メタクリル酸共重合体、酢酸セルロース、ポリビニルア
    ルコール、エチレン酢酸ビニル共重合体又はポリ酢酸ビ
    ニルである請求項1又は2記載の徐放性製剤用基剤粉
    末。
  4. 【請求項4】ハイドロゲルと水不溶性高分子の配合割合
    が10:90〜90:10(重量比)である請求項1〜3のいずれ
    かに記載の徐放性製剤用基剤粉末。
  5. 【請求項5】両溶媒がエチルアルコールである請求項1
    〜4のいずれかに記載の徐放性製剤用基剤粉末。
  6. 【請求項6】ハイドロゲルと水不溶性高分子を、ハイド
    ロゲルと水不溶性高分子の両溶媒に溶解し、乾燥して得
    られる基剤粉末が配合されていることを特徴とする錠
    剤。
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US6245357B1 (en) * 1998-03-06 2001-06-12 Alza Corporation Extended release dosage form
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