JP3006862B2 - 電子写真用トナーおよびその製造方法 - Google Patents

電子写真用トナーおよびその製造方法

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JP3006862B2
JP3006862B2 JP2271009A JP27100990A JP3006862B2 JP 3006862 B2 JP3006862 B2 JP 3006862B2 JP 2271009 A JP2271009 A JP 2271009A JP 27100990 A JP27100990 A JP 27100990A JP 3006862 B2 JP3006862 B2 JP 3006862B2
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Description

【発明の詳細な説明】 <産業上の利用分野> 本発明は、電子写真用トナーとその製造方法に関し、
より詳細には、静電式複写機やレーザービームプリンタ
等に使用される電子写真用トナーと、その製造方法に関
するものである。
<従来の技術と発明が解決しようとする課題> 従来、帯電特性の改善、画質の向上等の目的で、電荷
制御剤を含有させた電子写真用トナーや、表面を電荷制
御剤で処理した電子写真用トナーが種々提案されてい
る。
電荷制御剤を含有させた電子写真用トナーとしては、
例えば、下記のものがあげられる。
帯電性付与のために、脂肪族4級アンモニウムとテ
トラフェニルホウ素との塩を含有させた電子写真用トナ
ー(特開昭59−78364号公報参照)。
帯電性付与と定着ローラの劣化防止のために、三級
アミンとスルホン酸との塩を含有させた電子写真用トナ
ー(特開昭59−119363号公報参照)。
帯電特性の均一化を図るために、長鎖脂肪族4級ア
ンモニウムと長鎖カルボン酸との塩を含有させた電子写
真用トナー(特開昭63−23167号公報参照)。
帯電安定性の改善のために、脂肪族4級アンモニウ
ムとモリブデン酸またはタングステン酸との塩を含有さ
せた電子写真用トナー(特開昭64−54号公報参照)。
帯電性付与のために、水溶性染料を含有させた電子
写真用トナー(特開昭64−90454号公報参照)。
画質の向上のために、ニグロシンと脂肪族4級アン
モニウム塩とを含有させた電子写真用トナー(特開平1
−259371号公報参照)。
また、表面を電荷制御剤で処理した電子写真用トナー
としては、例えば、 電荷の注入を容易にして現像性を向上させるため、
アニオン性界面活性剤を表面に吸着させた電子写真用ト
ナー(特開昭59−135480号公報参照)があげられる。
ところが、上記〜の電子写真用トナーにおいて
は、電荷制御剤は、単に定着用樹脂中に混入されている
だけなので、画像形成を繰り返すうちにトナーとキャリ
ヤとの摩擦による剪断力により、トナー中の電荷制御剤
がトナーから離脱してキャリヤに移行し、現像剤の帯電
性を悪化させるという問題がある。
また、の電子写真用トナーにおいては、定着用樹脂
として使用されるスチレン−アクリル系樹脂が、水中に
おいて負に帯電するため、アニオン性界面活性剤は、親
油性基であるアルキル基側で樹脂粒子に吸着する。この
ため、得られる電子写真用トナーは、アニオン性界面活
性剤の親水性基のために親水性になり、高温高湿下等で
の環境帯電安定性が低下するという問題がある。
なお、トナー表面のカルボキシル基を2価以上の金属
カチオンで処理した電子写真用トナーも知られている
(特開昭58−211164号公報参照)。このものは、トナー
の定着用樹脂を金属カチオンで架橋することで、トナー
の耐オフセット性を高めるものであるが、帯電特性の向
上には役立たず、逆に上記カルボキシル基と金属カチオ
ンとの塩は耐水性に劣るため、環境帯電安定性が悪くな
るという問題がある。
また、従来の電子写真用トナーは、通常、重合体の塊
を粉砕して製造されるので、粒度を下げるためには長時
間の粉砕が必要であり、高画質化を図るために微細な粒
径のトナーを製造するのが容易でないという問題もあ
る。
本発明は、以上の事情に鑑みてなされたものであっ
て、画像形成を繰り返すうちに、電荷制御剤がトナーか
らキャリヤに移行することがなく、かつ環境帯電安定性
にも優れ、しかも、高画質化に適した微細な粒径を有す
る電子写真用トナーと、その効率的な製造方法を提供す
ることを目的としている。
<課題を解決するための手段および作用> 上記課題を解決するための、本発明の電子写真用トナ
ーは、単量体と、この単量体を溶解するが重合体を溶解
しない溶媒と、重合体の溶媒中での分散性を安定させる
分散安定剤としてのポリカルボン酸とを含む反応液中で
単量体を重合させて得られた、表面にカルボキシレート
基を有する粒状のトナーであって、その表面にカチオン
性界面活性剤が吸着することによって、表面に電荷制御
剤が形成されていることを特徴としている。
また、本発明の電子写真用トナーの製造方法は、単量
体と、この単量体を溶解するが重合体を溶解しない溶媒
と、重合体の溶媒中での分散性を安定させる分散安定剤
としてのポリカルボン酸とを含む反応液中で単量体を重
合させて樹脂粒子を得たのち、この樹脂粒子をカチオン
性界面活性剤で処理することを特徴としている。
上記構成からなる、本発明においては、単量体と、こ
の単量体を溶解するが重合体を溶解しない溶媒と、重合
体の溶媒中での分散性を安定させる分散安定剤としての
ポリカルボン酸とを含む反応液中で単量体を粒状に重合
させて、表面にカルボキシレート基を有する樹脂粒子を
得ているので、重合時間、分散状態等の反応条件を調整
することにより、高画質化に適した微細な粒径のトナー
を製造することが容易になる。また、得られた樹脂粒子
の表面に存在するカルボキシレート基にカチオン性界面
活性剤を吸着させることによって、電荷制御剤が形成さ
れているので、当該電荷制御剤はトナー表面に強固に結
合し、画像形成を繰り返すうちにトナーから離脱してキ
ャリヤに移行することが少ない。また、電荷制御剤を形
成する界面活性剤はカチオン性であるため、たとえキャ
リヤに移行しても、キャリヤの帯電性の低下等を引き起
こすおそれはない。しかも、上記カチオン性界面活性剤
は、水中において負に帯電する樹脂粒子に、親水性基側
で吸着するため、得られる電子写真用トナーは、上記カ
チオン性界面活性剤の疎水性基のために疎水性になり、
環境帯電安定性が向上する。
本発明に用いる単量体は、ラジカル重合性を有するエ
チレン系不飽和単量体であり、その適当な例は、モノビ
ニル芳香族単量体、アクリル系単量体、ビニルエステル
系単量体、ビニルエーテル系単量体、ジオレフィン系単
量体、モノオレフィン系単量体、ハロゲン化オレフィン
系単量体、ポリビニル系単量体等である。
モノビニル芳香族単量体としては、下記一般式
〔I〕、 で表されるモノビニル芳香族炭化水素、例えばスチレ
ン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、α−クロロ
スチレン、o,m,p−クロロスチレン、p−エチルスチレ
ン、スチレンスルホン酸ナトリウム、ジビニルベンゼン
があげられる。
下記一般式〔II〕で表されるアクリル系単量体として
は、 例えば、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸メチ
ル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸
−2−エチルヘキシル、アクリル酸シクロヘキシル、ア
クリル酸フェニル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸
ヘキシル、メタクリル酸−2−エチルヘキシル、β−ヒ
ドロキシアクリル酸エチル、γ−ヒドロキシアクリル酸
ブチル、δ−ヒドロキシアクリル酸ブチル、β−ヒドロ
キシメタクリル酸エチル、γ−アミノアクリル酸プロピ
ル、γ−N,N−ジエチルアミノアクリル酸プロピル、エ
チレングリコールジメタクリル酸エステル、テトラエチ
レングリコールジメタクリル酸エステルがあげられる。
下記一般式〔III〕で表されるビニルエステル系単量
体としては、例えば、ギ酸ビニル、酢酸ビニル、プロピ
オン酸ビニルがあげられる。
下記一般式〔IV〕で表されるビニルエーテル系単量体
としては、例えば、ビニルメチルエーテル、ビニルエチ
ルエーテル、ビニル−n−ブチルエーテル、ビニルフェ
ニルエーテル、ビニルシクロヘキシルエーテルがあげら
れる。
下記一般式〔V〕で表されるジオレフィン系単量体と
しては、例えば、ブタジエン、イソプレン、クロロプレ
ンがあげられる。
下記一般式〔VI〕で表されるモノオレフィン系単量体
としては、例えば、エチレン、プロピレン、ブテン−
1、ペンテン−1、4−メチルペンテン−1があげられ
る。
ハロゲン化オレフィン系単量体としては、例えば、塩
化ビニル、塩化ビニリデンがあげられ、ポリビニル系単
量体としては、例えば、ジビニルベンゼン、ジアリルフ
タレート、トリシアヌレートがあげられる。
上記各単量体は、単独で、或いは2種以上組み合わせ
て使用することができる。上記単量体のうち、本発明に
より好適に使用される単量体としては、スチレン、(メ
タ)アクリル酸エステル、スチレンと(メタ)アクリル
酸エステルとの併用系、およびスチレンとジビニルベン
ゼンとの併用系があげられる。
上記単量体中を溶解するが、重合後の重合体を溶解し
ない溶媒としては、単量体の種類に合わせて、種々の溶
媒を使用することができる。溶媒の適当な例としては、
水;メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピ
ルアルコール等の低級アルコール類;エチレグリコー
ル、プロピレングリコール、ブタンジオール、ジエチレ
ングリコール、トリエチレングリコール等の多価アルコ
ール類;メチルセロソルブ、エチルセロソルブ等のセロ
ソルブ類;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン
類;テトラヒドロフラン等のエーテル類;酢酸エチル等
のエステル類があげられる。
上記各溶媒は、単独で、或いは2種以上組み合わせて
使用することができる。本発明に、より好適に使用され
る溶媒としては、エタノール等の低級アルコール類、
水、および、水と低級アルコールとの混合溶媒があげら
れる。上記混合溶媒においては、水と低級アルコールと
の重量比が40:60〜5:95、特に30:70〜10:90の範囲内で
あることが好ましい。上記溶媒の使用量は、単量体100
重量部当たり50〜5000重量部、特に500〜2500重量部の
範囲内であることが好ましい。
重合体の溶媒中での分散性を安定させる分散安定剤と
しては、ポリカルボン酸が使用される。ポリカルボン酸
としては、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸塩、ポリメ
タクリル酸、ポリメタクリル酸塩、(メタ)アクリル酸
−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、アクリル酸−
ビニルエーテル共重合体、メタクリル酸−スチレン共重
合体、カルボキシメチルセルロース、ポリ(ハイドロオ
キシステアリン酸−g−メタクリル酸メチル−co−メタ
クリル酸)共重合体があげられる。上記分散安定剤の使
用量は、単量体に対して0.1〜30重量%、特に1〜10重
量%の範囲内であることが好ましい。
上記単量体と溶媒とポリカルボン酸とを含有する反応
液には、さらに、単量体の重合を開始させるための重合
開始剤等が配合される。
重合開始剤としては、アゾビスイソブチロニトリル等
のアゾ化合物;クメンヒドロペルオキシド、t−ブチル
ヒドロペルオキシド、ジクミルペルオキシド、ジ−t−
ブチルペルオキシド、過酸化ベンゾイル、過酸化ラウロ
イル等の過酸化物等、従来公知のラジカル重合開始剤を
使用できるほか、紫外線や可視光線の照射による重合を
行う場合には、従来公知の光重合開始剤を使用すること
もできる。上記重合開始剤としては、単量体に可溶のも
のが使用される。上記重合開始剤の使用量は、単量体に
対して0.001〜10重量%、特に0.01〜0.5重量%の範囲内
であることが好ましい。なお、γ線、加速電子線等を用
いて重合を開始させる際には、上記重合開始剤を使用し
なくても良い。
また、上記反応液には、必要に応じて、以上の各成分
の他に、例えば、それ自体公知の電荷制御剤や、オフセ
ット防止剤(離型剤)等を配合することもできる。
電荷制御剤は、トナーを2成分系現像剤に使用する場
合に配合されるもので、ニグロシンベース(CI5045)、
オイルブラック(CI26150)、スピロンブラック等の油
溶性染料;ナフテン酸金属塩、脂肪金属石鹸、樹脂酸石
鹸等が例示される。
また、オフセット防止剤としては、低分子量ポリエチ
レン、低分子量ポリプロピレン、各種ワックス、シリコ
ーンオイル等が例示される。
上記各成分を含有する反応液を、−30〜90℃、特に30
〜80℃の温度で、0.1〜50時間、緩やかに攪拌して系内
を均一に保ちながら重合を行うと、単量体が重合して、
反応液中に樹脂粒子として析出する。このとき、酸素に
よる重合の停止反応を抑制するために反応系内を不活性
ガスで置換することが好ましい。反応終了後の樹脂粒子
は、反応液から濾別し、必要に応じて水または適当な溶
媒で洗浄して乾燥される。樹脂粒子の粒径は特に限定さ
れないが、高解像度の画像を得るためには、体積平均粒
径が4〜8μm、特に5〜8μmであることが好まし
い。また、上記樹脂粒子は、粒径4μm未満の粒子の含
有割合が10重量%未満であることが、トナー飛散等を防
止する上で好ましい。
樹脂粒子を着色するには、上記反応液に染料を溶解さ
せておき、単量体の重合に伴って、染料を樹脂粒子中に
取り込ませることで染色する方法と、重合後の樹脂粒子
を染料で染色する方法とがある。
前者の方法で使用される染料としては、溶媒よりも単
量体に良く溶解する染料、例えば油溶性染料が好ましく
使用される。上記油溶性染料は、重合の進行による単量
体の減少時に、溶媒よりも重合体の方に主として移行す
るので、効率の良い染色を行うことができる。上記油溶
性染料の具体例を以下に示す。
黒色染料 ブラックFS−スペシャルA、ブラックS、ブラック#
103、ブラック#107、ブラック#215、ブラック#141
(何れも中央合成化学社製の商品名)、オプラス(OPLA
S)ブラックHZ、オプラスブラック#836、オプラスブラ
ック#838(何れもオリエント化学工業社製の商品
名)。
赤色染料 マクロレックス(MACROLEX)レッド5B、マクロレック
スレッド バイオレットR(何れもバイエル社製の商品
名)、サミプラスト(Sumiplast)レッドAS、サミプラ
ストレッドB−2、サミプラストレッドHLG−Z(何れ
も住友化学工業社製の商品名)、オプラスレッドRR、オ
プラスレッド#330(何れもオリエント化学工業社製の
商品名)、レッド6B、レッドTR−71(何れも中央合成化
学社製の商品名)。
橙色染料 マクロレックスオレンジ3G、マクロレックスオレンジ
R(何れもバイエル社製の商品名)、オレンジS、オレ
ンジR、オレンジ#826N(何れも中央合成化学社製の商
品名)、オプラスオレンジPS、オプラスオレンジRR(何
れもオリエント化学工業社製の商品名)、サミプラスト
オレンジHRP(住友化学工業社製の商品名)。
黄色染料 マクロレックスイエロー6G、マクロレックスイエロー
R(何れもバイエル社製の商品名)、イエローD、イエ
ローGE、イエロー#189(何れも中央合成化学社製の商
品名)、サミプラストイエローGC、サミプラストイエロ
ーR(何れも住友化学工業社製の商品名)、オプラスイ
エロー3G、オプラスイエロー#130(何れもオリエント
化学工業社製の商品名)。
紫色染料 マクロレックスバイオレット3R、マクロレックスバイ
オレットB(何れもバイエル社製の商品名)、バイオレ
ットMVB(中央合成化学社製の商品名)、サミプラスト
バイオレットRR、サミプラストバイオレットB(何れも
住友化学工業社製の商品名)、オプラスバイオレット#
370、オプラスバイオレット#732(何れもオリエント化
学工業社製の商品名)。
青色染料 マクロレックスブルーRR(バイエル社製の商品名)、
ブルーBO、ブルー#8B(何れも中央合成化学社製の商品
名)、サミプラストブルーOR、サミプラストブルーGP、
サミプラストブルーS(何れも住友化学工業社製の商品
名)、オプラスブルーII N、オプラスブルー#630(何
れもオリエント化学工業社製の商品名)。
緑色染料 マクロレックスグリーン5B、マクロレックスグリーン
G(何れもバイエル社製の商品名)、グリーン#550、
グリーン#201(何れも中央合成化学社製の商品名)、
サミプラストグリーンG(住友化学工業社製の商品
名)、オプラスグリーン#502、オプラスグリーン#503
(何れもオリエント化学工業社製の商品名)。
茶色染料 ブラウンPB、ブラウンSG(何れも中央合成化学社製の
商品名)、オプラスブラウン#430、オプラスブラウン
#431(何れもオリエント化学工業社製の商品名)。
上記油溶性染料の使用量は、所望する着色濃度の程度
によって相違するが、通常は、反応液1に対して、重量
比で1〜10-9倍、特に10-6倍であることが好ましい。
重合後の樹脂粒子を染料により染色する後者の方法
は、例えば、樹脂粒子を、後述する分散性染料と共に水
性媒体中に分散させ、所定の温度で、所定時間攪拌する
ことにより実施される。
染色時の温度は特に限定されないが、樹脂粒子を構成
する重合体のガラス転移温度ないし当該ガラス転移温度
+40℃の範囲内であることが好ましい。
染色時の温度が前記範囲内であることが好ましいの
は、以下の理由による。すなわち、樹脂粒子を構成する
重合体のガラス転移温度より低温では、所望の着色濃度
に染色できないか、または染色するのに長時間を要する
おそれがあり、ガラス転移温度+40℃より高温では、樹
脂粒子が融着して塊状物になるおそれがある。
染色に使用される分散性染料としては、例えば、アゾ
染料、アントラキノン染料、インジゴイド染料、硫化染
料、フタロシアニン染料があげられる。上記分散性染料
は、樹脂粒子を構成する重合体に対して高い親和性を有
し、樹脂粒子を堅牢に染色し得ることが好ましい。上記
分散性染料の使用量は、所望する着色濃度の程度によっ
て相違するが、通常は、樹脂粒子に対して、2重量%以
上、特に4重量%以上であることが好ましい。
水性媒体としては、通常、水が使用されるが、樹脂粒
子および染料の分散性が悪い場合には、適当な有機溶媒
を少量加えても良い。水性媒体の使用量は、樹脂粒子10
0重量部に対して500重量部以上であることが好ましい。
上記2つの染色方法の何れかで染色された樹脂粒子の
表面に、カチオン性界面活性剤を吸着させるには、樹脂
粒子をカチオン性界面活性剤で処理すれば良い。上記処
理は、水、水混和性有機溶媒、水と水混和性有機溶媒と
の混合液等の、トナー表面を負に帯電させる液中で行わ
れる。
カチオン性界面活性剤としては、従来公知の種々のも
のを使用することができる。すなわち、上記カチオン性
界面活性剤としては、脂肪族アミン塩、脂肪族4級アン
モニウム塩、ベンザルコニウム塩、塩化ベンゼトニウ
ム、ピリジニウム塩、イミダゾリニウム塩があげられ、
特に、下記一般式〔VII〕で表される脂肪族4級アンモ
ニウム塩が好適に使用される。
なお、上記式中の基R12〜R15のうちの1つは、炭素数
12以上、特に炭素数12〜15の直鎖状アルキル基であるこ
とが好ましい。基R12〜R15の何れもが、炭素数11以下で
は、電子写真用トナーを疎水性にして、環境帯電安定性
を向上させることができないおそれがある。
水混和性有機溶媒としては、例えば、メチルアルコー
ル、エチルアルコール、イソプロピルアルコール等の低
級脂肪族アルコール;酢酸、プロピオン酸等の低級脂肪
族カルボン酸;酢酸メチル、酢酸エチル等の低級脂肪族
カルボン酸の低級アルキルエステル;テトラヒドロフラ
ン、ジオキサン、ジイソプロピルエーテル等の脂肪族ま
たは脂環式エーテル、アセトン、メチルエチルケトン等
のジアルキルケトンがあげられる。
以上のようにして得られた電子写真用トナーには、必
要により、カーボンブラック、疎水性シリカ等をまぶし
ても良い。
<実施例> 以下に、本発明を、実施例並びに比較例に基づいて説
明する。
実施例1 窒素置換した500mlのセパラブルフラスコ中に、ま
ず、イソプロピルアルコール200gと水40gとの混合溶媒
を入れ、次に、分散安定剤としてのポリアクリル酸3gを
溶解した。次いで、単量体としてのスチレンモノマー45
gおよびメタクリル酸メチルモノマー12gと、重合開始剤
としての2,2′−アゾビスイソブチロニトリル2.5gとを
加えて反応液を作製し、窒素気流中で、50r.p.m.の攪拌
速度で攪拌しながら、70℃で12時間反応させた。
反応終了後、反応液から反応生成物を濾別し、水洗お
よび乾燥を行って、粒径約6μmの、白色の樹脂粒子を
得た。
次に、得られた樹脂粒子50gを、アゾ系黒色分散染料
(三井東圧社製の商品名SPR black #200)10gと共
に、1のフラスコ中の水500gに分散し、攪拌しなが
ら、85℃で5時間、染色処理を行った。
染色処理された樹脂粒子を濾別して水洗した後、カチ
オン性界面活性剤としてのセチルメチルアンモニムクロ
ライド水溶液500g(濃度0.1重量%)中に分散して、樹
脂粒子の表面に、セチルメチルアンモニウムを吸着させ
た後、濾別して蒸溜水で数回洗浄し、乾燥させて、電子
写真用トナーを得た。
このようにして得た電子写真用トナーを、フェライト
キャリヤと混合して現像剤(トナー濃度3重量%)を作
製し、そのブローオフ帯電量を、ブロー・オフ型の帯電
量測定器(東芝ケミカル社製)を用いて測定したとこ
ろ、常温常湿(20℃、65%)の条件下で−32.1μC/g、
高温高湿(35℃、85%)の条件下で−31.9μC/gであっ
て、環境変化により、帯電量が変化しないことが確認さ
れた。
また、上記現像剤を、静電式複写機(三田工業社製の
型番DC−1205)に使用して、前記と同じ常温常湿条件下
および高温高湿条件下で複写を行ったところ、何れの場
合にも良好な画像が得られた。
さらに、上記静電式複写機において10万枚の連続複写
(ランニングテスト)を行った後、現像剤からフェライ
トキャリヤを分離し、メチルアルコールで洗浄して、洗
浄液を得た。この洗浄液を濃縮して、シリカゲルの薄相
上で、アセトン−濃アンモニア水混合媒体を用いて展開
させ、薄相自動検出装置(ヤトロン社製の商品名イアト
ロスキャン MK−5)で分析したところ、セチルメチル
アンモニウムがごく僅か検出されたものの、画像はラン
ニングテストの前後でほとんど変化しなかった。
実施例2 セチルメチルアンモニウムクロライド水溶液500gに代
えて、ドデシルアンモニウムブロマイド水溶液500g(濃
度0.1重量%)を使用したこと以外は、上記実施例1と
同様にして、電子写真用トナーを得、これをフェライト
キャリヤと混合して現像剤(トナー濃度3重量%)を作
製した。
この現像剤のブローオフ帯電量を、前記ブロー・オフ
型の帯電量測定器を用いて測定したところ、常温常湿
(20℃、65%)の条件下で−32.4μC/g、高温高湿(35
℃、85%)の条件下で−29.3μC/gであって、環境変化
により、帯電量がほとんど変化しないことが確認され
た。
さらに、上記現像剤を、前記静電式複写機に使用し
て、前記と同じ常温常湿条件下および高温高湿条件下で
複写を行ったところ、何れの場合にも良好な画像が得ら
れた。
実施例3 窒素置換した1のセパラブルフラスコ中に、まず、
エチルアルコール200gと水40gとの混合溶媒を入れ、次
に、分散安定剤としてのメタクリル酸−アクリル酸メチ
ル共重合体2.5gを溶解した。次いで、単量体としてのス
チレンモノマー50gおよびアクリル酸ブチルモノマー10g
と、重合開始剤としての2,2′−アゾビスイソブチロニ
トリル2.5gと、赤色油溶性染料(住友化学社製の商品名
Sumiplast Burdrex HBL)1.8gとを加えて反応液を作製
し、窒素気流中で、40r.p.m.の攪拌速度で攪拌しなが
ら、70℃で200分間反応させた。その後、加熱を止め、
攪拌を続けながら、マイクロフィーダ(古江サイエンス
社製)を用いて、水を0.1ml/分の速度で1000分間滴下
し、反応を終了した。
反応終了後、反応液から反応生成物を濾別し、水洗お
よび乾燥を行って、粒径約7μmの、赤色の樹脂粒子を
得た。
得られた樹脂粒子を、カチオン性界面活性剤としての
セチルメチルアンモニウムクロライド水溶液500g(濃度
0.1重量%)中に分散して、樹脂粒子の表面に、セチル
メチルアンモニウムを吸着させた後、濾別して蒸溜水で
数回洗浄し、乾燥させて、電子写真用トナーを得た。
このようにして得た電子写真用トナーをフェライトキ
ャリヤと混合して現像剤(トナー濃度3重量%)を作製
し、この現像剤のブローオフ帯電量を、前記ブロー・オ
フ型の帯電量測定器を用いて測定したところ、常温常湿
(20℃、65%)の条件下で−24.3μC/g、高温高湿(35
℃、85%)の条件下で−23.0μC/gであって、環境変化
により、帯電量がほとんど変化しないことが確認され
た。
さらに、上記現像剤を、前記静電式複写機に使用し
て、前記と同じ常温常湿条件下および高温高湿条件下で
複写を行ったところ、何れの場合にも良好な画像が得ら
れた。
比較例1 樹脂粒子をセチルメチルアンモニウムクロライド水溶
液で処理しなかったこと以外は、前記実施例1と同様に
して、トナー濃度3重量%の現像剤を作製した。
この現像剤のブローオフ帯電量を、前記ブロー・オフ
型の帯電量測定器を用いて測定したところ、常温常湿
(20℃、65%)の条件下では−28.2μC/gであったが、
高温高湿(35℃、85%)の条件下では−10.3μC/gまで
低下してしまった。
さらに、上記現像剤を、前記静電式複写機に使用して
複写を行ったところ、前記と同じ常温常湿条件下では、
画像濃度は低いものの、正常な画像が得られたが、高温
高湿条件下ではカブリが著しく、正常な画像は得られな
かった。
比較例2 スチレン(St)−アクリル酸ブチル(Bt)共重合体
(St:Bt=70:30)100重量部、カーボンブラック10重量
部、ポリプロピレン5重量部、および、電荷制御剤とし
てのヘキサデシルトリメチルアンモニウムトリデカネー
ト1重量部を溶融混練した後、粉砕、分級して、中心粒
径が10μmの電子写真用トナーを得、これをフェライト
キャリヤと混合して現像剤(トナー濃度3重量%)を作
製した。
この現像剤のブローオフ帯電量を、前記ブロー・オフ
型の帯電量測定器を用いて測定したところ、常温常湿
(20℃、65%)の条件下で−18.9μC/g、高温高湿(35
℃、85%)の条件下で−18.2μC/gであって、環境変化
により、帯電量がほとんど変化しないことが確認され
た。
さらに、上記現像剤を、前記静電式複写機に使用し
て、前記と同じ常温常湿条件下および高温高湿条件下で
複写を行ったところ、何れの場合にも良好な画像が得ら
れた。
そこで、上記静電式複写機において10万枚の連続複写
を行ったところ、7万枚前後から画像のカブリが顕著に
なり、複写機の現像部において、多量のトナー飛散が確
認された。
さらに、上記連続複写を行った後、現像剤からフェラ
イトキャリヤを分離し、メチルアルコールで洗浄して、
洗浄液を得た。この洗浄液を濃縮して、シリカゲルの薄
相上で、クロロホルム−メチルアルコール−ぎ酸混合媒
体を用いて展開させ、前記薄相自動検出装置で分析した
ところ、多量のトリデカン酸が検出された。このことか
ら、トナー中に電荷制御剤として配合したヘキサデシル
トリメチルアンモニウムトリデカネートが、画像形成を
繰り返すうちにトナーから離脱してキャリヤに移行し、
現像剤の帯電性を悪化させて、前記カブリやトナー飛散
を発生させたものと推測された。
<発明の効果> 本発明の電子写真用トナーは、以上のように構成され
ているため、画像形成を繰り返すうちに、電荷制御剤が
トナーから離脱してキャリヤに移行することがなく、環
境帯電安定性にも優れ、しかも、高画質化に適した微細
な粒径を有するものとなる。また、本発明の製造方法に
よれば、単量体等を含む反応液中で単量体を粒状に重合
させて樹脂粒子を得、これをカチオン性界面活性剤で処
理するだけで、樹脂粒子の表面にカチオン性界面活性剤
を吸着させて電荷制御剤を形成できるので、本発明の電
子写真用トナーを効率良く製造することが可能となる。

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】単量体と、この単量体を溶解するが重合体
    を溶解しない溶媒と、重合体の溶媒中での分散性を安定
    させる分散安定剤としてのポリカルボン酸とを含む反応
    液中で単量体を重合させて得られた、表面にカルボキシ
    レート基を有する粒状のトナーであって、その表面にカ
    チオン性界面活性剤が吸着することによって、表面に電
    荷制御剤が形成されていることを特徴とする電子写真用
    トナー。
  2. 【請求項2】カチオン性界面活性剤が脂肪族4級アンモ
    ニウム塩である請求項1記載の電子写真用トナー。
  3. 【請求項3】脂肪族4級アンモニウム塩の置換基の1つ
    が炭素数12以上の直鎖状アルキル基である請求項2記載
    の電子写真用トナー。
  4. 【請求項4】単量体と、この単量体を溶解するが重合体
    を溶解しない溶媒と、重合体の溶媒中での分散性を安定
    させる分散安定剤としてのポリカルボン酸とを含む反応
    液中で単量体を重合させて樹脂粒子を得たのち、この樹
    脂粒子をカチオン性界面活性剤で処理することを特徴と
    する電子写真用トナーの製造方法。
  5. 【請求項5】反応液中に染料を含有させておき、重合し
    た樹脂粒子中に染料を取り込ませることで、当該樹脂粒
    子を着色する請求項4記載の電子写真用トナーの製造方
    法。
  6. 【請求項6】得られた樹脂粒子を、カチオン性界面活性
    剤で処理する前に染料で染色して、当該樹脂粒子を着色
    する請求項4記載の電子写真用トナーの製造方法。
  7. 【請求項7】カチオン性界面活性剤が脂肪族4級アンモ
    ニウム塩である請求項4記載の電子写真用トナーの製造
    方法。
  8. 【請求項8】脂肪族4級アンモニウム塩の置換基の1つ
    が炭素数12以上の直鎖状アルキル基である請求項7記載
    の電子写真用トナーの製造方法。
  9. 【請求項9】カチオン性界面活性剤による樹脂粒子の処
    理を、水中、水混和性有機溶媒中、または水と水混和性
    有機溶媒との混合液中で行う請求項4記載の電子写真用
    トナーの製造方法。
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