JP3006120B2 - Ti−Al系合金およびその製造方法 - Google Patents
Ti−Al系合金およびその製造方法Info
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- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C22—METALLURGY; FERROUS OR NON-FERROUS ALLOYS; TREATMENT OF ALLOYS OR NON-FERROUS METALS
- C22C—ALLOYS
- C22C14/00—Alloys based on titanium
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- Engineering & Computer Science (AREA)
- Materials Engineering (AREA)
- Mechanical Engineering (AREA)
- Metallurgy (AREA)
- Organic Chemistry (AREA)
- Solid-Phase Diffusion Into Metallic Material Surfaces (AREA)
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、軽量で耐熱性に優れタ
−ビンホイールのような回転部品やエンジンバルブのよ
うな動弁系回転部品などの製造に有用なチタン−アルミ
ニウム系合金およびその製造方法に関する。
−ビンホイールのような回転部品やエンジンバルブのよ
うな動弁系回転部品などの製造に有用なチタン−アルミ
ニウム系合金およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、チタンとアルミニウムの2元系合
金にはTi3 Al、TiAl、TiAl3 の3種の金属
間化合物が存在することが知られている。このうちTi
Alは、比重が3.8と軽く高温での強度が高いことか
ら、軽量耐熱材料として有望視されている。しかしこの
材料は常温延性が不足するため塑性加工が困難である。
しかしながら、上記の合金で鋳造により成形品を形成す
ると、内部にひけ巣が発生しやすく、良好な鋳造品が得
られない。従来よりこの点を改良する試みがなされてい
る。例えば、特開昭63−125634号広報には、ア
ルミニウムとほう素を含有し、残部がチタンからなる合
金の開示がある。さらに特開昭64−79335号広報
には、アルミニウムと、ニッケルまたはケイ素の少なく
とも1種を含み残部がチタンからなるTi−Al系合金
が開示されている。しかし、Ti−Al系合金にほう素
を添加すると共に炭素、酸素、窒素の量を規定すると常
温延性はいくぶん改善されるが、鋳造時のひけ巣は改善
されない。
金にはTi3 Al、TiAl、TiAl3 の3種の金属
間化合物が存在することが知られている。このうちTi
Alは、比重が3.8と軽く高温での強度が高いことか
ら、軽量耐熱材料として有望視されている。しかしこの
材料は常温延性が不足するため塑性加工が困難である。
しかしながら、上記の合金で鋳造により成形品を形成す
ると、内部にひけ巣が発生しやすく、良好な鋳造品が得
られない。従来よりこの点を改良する試みがなされてい
る。例えば、特開昭63−125634号広報には、ア
ルミニウムとほう素を含有し、残部がチタンからなる合
金の開示がある。さらに特開昭64−79335号広報
には、アルミニウムと、ニッケルまたはケイ素の少なく
とも1種を含み残部がチタンからなるTi−Al系合金
が開示されている。しかし、Ti−Al系合金にほう素
を添加すると共に炭素、酸素、窒素の量を規定すると常
温延性はいくぶん改善されるが、鋳造時のひけ巣は改善
されない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、Ti−Al
系合金の強度、延性を向上させることを目的とする。
系合金の強度、延性を向上させることを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明の強度と延性に優
れたTi−Al系合金は、Al:30〜38重量%に加
えてN:0.2〜1.0重量%を含有し、残部が実質的
にTiとからなり結晶粒径が0.1μm以下である。本
発明の強度と延性に優れたTi−Al系合金の製造方法
は、800℃以上で融点以下の温度に加熱された金属チ
タンを窒素ガス雰囲気中に保持して窒素をチタンに固溶
させる固溶化工程と、窒素が固溶された該金属チタンに
真空中または不活性ガス雰囲気中でアルミニウムを添加
溶解してTi−Al系合金とする合金化工程と、からな
る。
れたTi−Al系合金は、Al:30〜38重量%に加
えてN:0.2〜1.0重量%を含有し、残部が実質的
にTiとからなり結晶粒径が0.1μm以下である。本
発明の強度と延性に優れたTi−Al系合金の製造方法
は、800℃以上で融点以下の温度に加熱された金属チ
タンを窒素ガス雰囲気中に保持して窒素をチタンに固溶
させる固溶化工程と、窒素が固溶された該金属チタンに
真空中または不活性ガス雰囲気中でアルミニウムを添加
溶解してTi−Al系合金とする合金化工程と、からな
る。
【0005】この合金中にアルミニウムは、30〜38
重量%含まれる。アルミニウムの含量が38重量%を超
えると合金の延性が低下し加工性が劣るので好ましくな
い。より好ましくは37重量%未満である。一方、アル
ミニウムが30重量%未満であるとTi3 Alが多量に
生成して合金が脆化するために好ましくない。この合金
中に固溶される窒素の量は、0.2〜1.0重量%の範
囲である。従来のTi−Al系合金では、窒素量の上限
は0.2%未満とされ、これを超えて含まれる場合に
は、延性などが低下するため好ましくないとされてい
る。しかし本発明者らの研究によれば、窒素を従来のも
のよりも多く含むことにより内部組織を微細化すること
ができることが見出され、本発明が完成されるにいたっ
た。
重量%含まれる。アルミニウムの含量が38重量%を超
えると合金の延性が低下し加工性が劣るので好ましくな
い。より好ましくは37重量%未満である。一方、アル
ミニウムが30重量%未満であるとTi3 Alが多量に
生成して合金が脆化するために好ましくない。この合金
中に固溶される窒素の量は、0.2〜1.0重量%の範
囲である。従来のTi−Al系合金では、窒素量の上限
は0.2%未満とされ、これを超えて含まれる場合に
は、延性などが低下するため好ましくないとされてい
る。しかし本発明者らの研究によれば、窒素を従来のも
のよりも多く含むことにより内部組織を微細化すること
ができることが見出され、本発明が完成されるにいたっ
た。
【0006】合金中の窒素含量が0.2重量%未満であ
ると添加による延性が向上するという効果が認められず
好ましくない。また、1.0重量%を超えるとチタンと
窒素との反応による窒化物と推定される介在物の生成が
増加し、強度、延性が低下し、鋳造品としたとき介在物
と通常の組織部との界面での圧漏れがおきるため好まし
くない。
ると添加による延性が向上するという効果が認められず
好ましくない。また、1.0重量%を超えるとチタンと
窒素との反応による窒化物と推定される介在物の生成が
増加し、強度、延性が低下し、鋳造品としたとき介在物
と通常の組織部との界面での圧漏れがおきるため好まし
くない。
【0007】このTi−Al系合金は、窒素が0.2〜
1.0重量%、より好ましくは0.25重量%を超え〜
1.0重量%の範囲で固溶されることにより合金の組織
が微細化して均一となり機械的性質が向上する。このT
i−Al系合金の製造方法は、金属チタンに窒素を固溶
する固溶化工程と、窒素が固溶化された金属チタンにア
ルミニウムを添加溶解する合金化工程とからなる。
1.0重量%、より好ましくは0.25重量%を超え〜
1.0重量%の範囲で固溶されることにより合金の組織
が微細化して均一となり機械的性質が向上する。このT
i−Al系合金の製造方法は、金属チタンに窒素を固溶
する固溶化工程と、窒素が固溶化された金属チタンにア
ルミニウムを添加溶解する合金化工程とからなる。
【0008】固溶化工程では、金属チタンを800℃以
上で融点以下の温度範囲に加熱して窒素ガスに接触処理
することにより窒素の固溶量を制御することができる。
この場合金属チタンが他のガス、たとえば酸素などと反
応するのを避けるとともに、窒素のガス圧の制御を容易
にするために真空中でおこなうことが好ましい。固溶化
工程での金属チタンの温度が800℃未満であると、窒
素は金属チタンにほとんど固溶化しないため好ましくな
い。一方、金属チタンの融点以上の温度になると金属チ
タンと窒素とが爆発的に反応するため制御が困難となり
好ましくない。したがって金属チタンの温度を800℃
〜融点以下の範囲として、窒素ガス圧およびその接触時
間を調整することにより窒素の固溶量を制御することが
できる。また、金属チタンは窒素を固溶化するために表
面積が大きいものであることが好ましい。たとえば、微
粉末、スポンジ状物などを用いる。
上で融点以下の温度範囲に加熱して窒素ガスに接触処理
することにより窒素の固溶量を制御することができる。
この場合金属チタンが他のガス、たとえば酸素などと反
応するのを避けるとともに、窒素のガス圧の制御を容易
にするために真空中でおこなうことが好ましい。固溶化
工程での金属チタンの温度が800℃未満であると、窒
素は金属チタンにほとんど固溶化しないため好ましくな
い。一方、金属チタンの融点以上の温度になると金属チ
タンと窒素とが爆発的に反応するため制御が困難となり
好ましくない。したがって金属チタンの温度を800℃
〜融点以下の範囲として、窒素ガス圧およびその接触時
間を調整することにより窒素の固溶量を制御することが
できる。また、金属チタンは窒素を固溶化するために表
面積が大きいものであることが好ましい。たとえば、微
粉末、スポンジ状物などを用いる。
【0009】窒素の固溶化後、金属チタンの雰囲気をア
ルゴンガスなどの不活性ガス雰囲気とての反応の進行を
制御する。合金化工程では、窒素を固溶した金属チタン
を不活性ガス雰囲気中で、たとえばアルゴンガス雰囲気
中でアルミニウムを加えて溶解して合金を形成する。こ
の際に窒素の固溶量は変動することはない。このため所
定の窒素含量のTi−Al系合金が容易に製造できる。
ルゴンガスなどの不活性ガス雰囲気とての反応の進行を
制御する。合金化工程では、窒素を固溶した金属チタン
を不活性ガス雰囲気中で、たとえばアルゴンガス雰囲気
中でアルミニウムを加えて溶解して合金を形成する。こ
の際に窒素の固溶量は変動することはない。このため所
定の窒素含量のTi−Al系合金が容易に製造できる。
【0010】
【作用】本発明のTi−Al系合金では、窒素を特定量
含むことにより合金の組織が微細化し良好な合金とな
る。そのため合金の強度や延性などの物性が向上する。
またこの合金を鋳物としたとき介在物が少なく合金組織
が均一となり、ひけ巣の発生がなく圧漏れのない製品が
形成できる。
含むことにより合金の組織が微細化し良好な合金とな
る。そのため合金の強度や延性などの物性が向上する。
またこの合金を鋳物としたとき介在物が少なく合金組織
が均一となり、ひけ巣の発生がなく圧漏れのない製品が
形成できる。
【0011】本発明の製造方法では、Ti−Al系合金
に直接窒素を固溶するのでなく、金属チタンを特定の温
度領域で窒素処理することにより所定量の窒素を固溶す
ることができる。そしてこの窒素を固溶した金属チタン
にアルミニウムを添加溶解する。そのため所定の窒素含
量のTi−Al系合金を容易に製造することができる。
に直接窒素を固溶するのでなく、金属チタンを特定の温
度領域で窒素処理することにより所定量の窒素を固溶す
ることができる。そしてこの窒素を固溶した金属チタン
にアルミニウムを添加溶解する。そのため所定の窒素含
量のTi−Al系合金を容易に製造することができる。
【0012】
【実施例】以下、実施例により具体的に説明する。 (実施例No.1〜12、20〜23)Ti−Al系合
金としてアルミニウム量を30重量%、32重量%、3
4重量%、36重量%、38重量%に設定し窒素ガス圧
を変化させて窒素含量が0.2〜1.0重量%範囲の合
金を以下の方法で作製した。
金としてアルミニウム量を30重量%、32重量%、3
4重量%、36重量%、38重量%に設定し窒素ガス圧
を変化させて窒素含量が0.2〜1.0重量%範囲の合
金を以下の方法で作製した。
【0013】(固溶化工程) 高周波真空溶解炉を用い、原料のスポンジ状の金属チタ
ンを投入し真空度5×10-4Torrの雰囲気で加熱し
た。金属チタンの温度が1300℃に到達した時点で所
定のガス圧(表1および表2)の窒素を導入した。この
雰囲気で1分間保持した後、高周波真空溶解炉内の窒素
ガスを排気し、次にアルゴンガスを導入して1気圧とし
て固溶化の進行を停止した。 (合金化工程) 次いでアルミニウムを含量30重量%(No.1〜
4)、32重量%(No.20)、34重量%(No.
5〜8、22〜23)、36重量%(No.21)、3
8重量%(No.9〜12)となるような量添加溶解し
てTi−Al合金を形成した。
ンを投入し真空度5×10-4Torrの雰囲気で加熱し
た。金属チタンの温度が1300℃に到達した時点で所
定のガス圧(表1および表2)の窒素を導入した。この
雰囲気で1分間保持した後、高周波真空溶解炉内の窒素
ガスを排気し、次にアルゴンガスを導入して1気圧とし
て固溶化の進行を停止した。 (合金化工程) 次いでアルミニウムを含量30重量%(No.1〜
4)、32重量%(No.20)、34重量%(No.
5〜8、22〜23)、36重量%(No.21)、3
8重量%(No.9〜12)となるような量添加溶解し
てTi−Al合金を形成した。
【0014】このTi−Al系合金の溶湯を1気圧のア
ルゴンガス雰囲気中で、セラミックス鋳型に鋳込みテス
トピ−スを作製した。表1表および表2に作製した合金
のアルミニウム設定添加量および固溶化工程での窒素ガ
ス圧を示す。 比較例(No.14〜19、24〜27)実施例の高周
波真空溶解炉でスポンジ状の金属チタンを同様に真空中
で加熱した後、アルゴンガスを導入して所定量のアルミ
ニウムを加えて溶解して合金(No.17〜19)を作
製した。
ルゴンガス雰囲気中で、セラミックス鋳型に鋳込みテス
トピ−スを作製した。表1表および表2に作製した合金
のアルミニウム設定添加量および固溶化工程での窒素ガ
ス圧を示す。 比較例(No.14〜19、24〜27)実施例の高周
波真空溶解炉でスポンジ状の金属チタンを同様に真空中
で加熱した後、アルゴンガスを導入して所定量のアルミ
ニウムを加えて溶解して合金(No.17〜19)を作
製した。
【0015】また実施例において窒素ガス圧(100T
orr)を高くして窒素含量の多い合金(No.14〜
16)も同様に作製した。No.24、25はアルミニ
ウム量を32、36重量%に変え窒素を固溶しない場合
であり、No.26はアルミニウム量は34重量%で3
Torrの窒素ガス下で合金化した場合で窒素量が不足
した例である。No.27はNo.18にさらに第3成
分としてB(ほう素)を0.05重量%添加した場合で
ある。
orr)を高くして窒素含量の多い合金(No.14〜
16)も同様に作製した。No.24、25はアルミニ
ウム量を32、36重量%に変え窒素を固溶しない場合
であり、No.26はアルミニウム量は34重量%で3
Torrの窒素ガス下で合金化した場合で窒素量が不足
した例である。No.27はNo.18にさらに第3成
分としてB(ほう素)を0.05重量%添加した場合で
ある。
【0016】得られたテストピ−スについて以下の評価
をおこなった。結果を表1および表2に示す。
をおこなった。結果を表1および表2に示す。
【0017】
【表1】
【0018】
【表2】
【0019】評価項目は、化学成分の分析(合金中のア
ルミニウム量、窒素量)、常温引張試験(試験片平行部
φ5×l30mm、歪み速度10-3S-1)、圧漏れ試験
(内部のひけ巣の有無の尺度:試験片は自動車用ケ−シ
ング、空気圧:3気圧)、組織観察(粒径、介在物の有
無を光学顕微鏡で観察)、ひけ巣の有無の観察をおこな
った。
ルミニウム量、窒素量)、常温引張試験(試験片平行部
φ5×l30mm、歪み速度10-3S-1)、圧漏れ試験
(内部のひけ巣の有無の尺度:試験片は自動車用ケ−シ
ング、空気圧:3気圧)、組織観察(粒径、介在物の有
無を光学顕微鏡で観察)、ひけ巣の有無の観察をおこな
った。
【0020】アルミニウムの分析値は、表1および表2
に示すように添加量に対して誤差範囲内の値を示してい
る。窒素量は、実施例の窒素ガス圧が5〜50Torr
の範囲内では、圧を高くするにしたがい含量は多くなっ
ている。しかし比較例(No.14〜16)に示すよう
に窒素ガス圧が100Torrとなると合金中の窒素量
が1.0重量%を超えている。また窒素ガス圧が3To
rrでは0.2重量%未満であり、少なくとも5Tor
r以上の圧が必要である。したがって固溶化工程での窒
素ガス圧の調整により窒素量は0.2〜1.0重量%の
範囲内に保持することができる。
に示すように添加量に対して誤差範囲内の値を示してい
る。窒素量は、実施例の窒素ガス圧が5〜50Torr
の範囲内では、圧を高くするにしたがい含量は多くなっ
ている。しかし比較例(No.14〜16)に示すよう
に窒素ガス圧が100Torrとなると合金中の窒素量
が1.0重量%を超えている。また窒素ガス圧が3To
rrでは0.2重量%未満であり、少なくとも5Tor
r以上の圧が必要である。したがって固溶化工程での窒
素ガス圧の調整により窒素量は0.2〜1.0重量%の
範囲内に保持することができる。
【0021】なお、上記窒素ガス圧は、金属チタンの加
熱温度が1300℃の時の値であり、加熱温度が異なれ
ば窒素ガス圧は異なる。また固溶化工程で窒素ガスを導
入しないと、比較例(No.17〜19)に示すように
窒素含量は0.01重量%となり窒素はほとんど含まれ
てない。したがって、本発明の製造方法により合金中の
窒素量を所定の範囲に調整することができる。
熱温度が1300℃の時の値であり、加熱温度が異なれ
ば窒素ガス圧は異なる。また固溶化工程で窒素ガスを導
入しないと、比較例(No.17〜19)に示すように
窒素含量は0.01重量%となり窒素はほとんど含まれ
てない。したがって、本発明の製造方法により合金中の
窒素量を所定の範囲に調整することができる。
【0022】窒素量が約0.4重量%のときのアルミニ
ウム量と引張強度および伸びとの関係を図1のグラフに
示す(No.2、6、10、20、21の測定値)。ア
ルミニウム含量が34重量%をピークとする最適量が存
在することを示している。図2はアルミニウム含量が3
4重量%のときの窒素量と強度および伸び関係を調べた
もので(No.5、6、7、8、22、23の測定
値)、本発明の範囲が強度および伸びに優れていること
を示している。
ウム量と引張強度および伸びとの関係を図1のグラフに
示す(No.2、6、10、20、21の測定値)。ア
ルミニウム含量が34重量%をピークとする最適量が存
在することを示している。図2はアルミニウム含量が3
4重量%のときの窒素量と強度および伸び関係を調べた
もので(No.5、6、7、8、22、23の測定
値)、本発明の範囲が強度および伸びに優れていること
を示している。
【0023】引張試験では、合金のアルミニウム含量が
同じで、窒素含量が少ない比較例(No.18)、窒素
含量が多い比較例(No.15)と、実施例(No.5
〜8)を比較すると、実施例では強度、伸びが大幅に向
上している。圧漏れ試験では、実施例のものはいずれも
圧漏れが認められないが、窒素含量が多い比較例のもの
は介在物が存在しいずれも圧漏れが大きく、特に窒素含
量の少ない比較例の場合には粒径が大きくなり鋳造時の
ひけ巣が多く圧漏れが大きくなる。
同じで、窒素含量が少ない比較例(No.18)、窒素
含量が多い比較例(No.15)と、実施例(No.5
〜8)を比較すると、実施例では強度、伸びが大幅に向
上している。圧漏れ試験では、実施例のものはいずれも
圧漏れが認められないが、窒素含量が多い比較例のもの
は介在物が存在しいずれも圧漏れが大きく、特に窒素含
量の少ない比較例の場合には粒径が大きくなり鋳造時の
ひけ巣が多く圧漏れが大きくなる。
【0024】No.27は特開昭63−125634号
の記載にしたがって表2に示すようにほう素を0.05
重量%添加した場合である。No.27の伸びは0.7
%とほう素や窒素を添加しないベース材の比較例No.
18よりは優れている。しかし、実施例の窒素を添加し
たNo.5〜8、22、23に比べれば劣る。組織観察
では、実施例のものでは粒径が0.1mm以下と小さ
い。しかし窒素含量が少ない比較例No.17〜19の
場合は粒径が大きい。また窒素量が1.0重量%を超え
た比較例No.14〜16の場合は粒径が小さいが、窒
化物と思われる介在物が存在する。このため比較例の合
金の鋳造品ではこの介在物の界面や、ひけ巣の発生によ
り圧漏れかおきているものと推定される。特に窒素量を
添加しない場合には、ひけ巣が存在していた。したがっ
て比較例のものでは良好な鋳物とはならない。
の記載にしたがって表2に示すようにほう素を0.05
重量%添加した場合である。No.27の伸びは0.7
%とほう素や窒素を添加しないベース材の比較例No.
18よりは優れている。しかし、実施例の窒素を添加し
たNo.5〜8、22、23に比べれば劣る。組織観察
では、実施例のものでは粒径が0.1mm以下と小さ
い。しかし窒素含量が少ない比較例No.17〜19の
場合は粒径が大きい。また窒素量が1.0重量%を超え
た比較例No.14〜16の場合は粒径が小さいが、窒
化物と思われる介在物が存在する。このため比較例の合
金の鋳造品ではこの介在物の界面や、ひけ巣の発生によ
り圧漏れかおきているものと推定される。特に窒素量を
添加しない場合には、ひけ巣が存在していた。したがっ
て比較例のものでは良好な鋳物とはならない。
【0025】さらに、窒素の添加の有無の金属組織の1
00倍の写真を比較すると、Al34.1重量%、窒素
0.37重量%の100倍の図3では組織が非常に細か
く(0.05〜0.1mm)なっている。このためひけ
性が改善されているものと推定される。一方窒素を含ま
ないAl33.9重量%、窒素0.01重量%の100
倍の図4では組織は粗く(0.5〜2mm)なってい
る。このためひけ巣が発生しやすく、圧漏れが発生する
ものと考えられる。
00倍の写真を比較すると、Al34.1重量%、窒素
0.37重量%の100倍の図3では組織が非常に細か
く(0.05〜0.1mm)なっている。このためひけ
性が改善されているものと推定される。一方窒素を含ま
ないAl33.9重量%、窒素0.01重量%の100
倍の図4では組織は粗く(0.5〜2mm)なってい
る。このためひけ巣が発生しやすく、圧漏れが発生する
ものと考えられる。
【0026】このTiAl合金でバルブを作製してエン
ジンに取りつけて表5に示す実機による耐久試験をおこ
なった。使用したバルブの化学分析値を表3に示す。使
用したエンジンの種類を表4に、その試験法およびその
結果を表5に示す。
ジンに取りつけて表5に示す実機による耐久試験をおこ
なった。使用したバルブの化学分析値を表3に示す。使
用したエンジンの種類を表4に、その試験法およびその
結果を表5に示す。
【0027】
【表3】
【0028】
【表4】
【0029】
【表5】 この試験によりTi−Al合金のバルブは折損などの問
題が発生せず、従来のバルブ鋼と同程度の強度を示し
た。
題が発生せず、従来のバルブ鋼と同程度の強度を示し
た。
【0030】
【発明の効果】本発明の製造方法で得られるTi−Al
系合金は、窒素含量が調整されて0.2〜1.0重量%
の範囲で形成される。このTi−Al系合金は窒素の含
量が従来のTi−Al系合金より多く含まれることによ
り、合金の組織が微細化しひけ巣が大幅に減少するので
物性の優れた金属間化合物が形成できる。その結果、合
金の強度、延性が大幅に向上できる。
系合金は、窒素含量が調整されて0.2〜1.0重量%
の範囲で形成される。このTi−Al系合金は窒素の含
量が従来のTi−Al系合金より多く含まれることによ
り、合金の組織が微細化しひけ巣が大幅に減少するので
物性の優れた金属間化合物が形成できる。その結果、合
金の強度、延性が大幅に向上できる。
【0031】したがってこのTi−Al系合金は、軽量
な耐熱材として回転体などの鋳造品として実用化するこ
とができる。
な耐熱材として回転体などの鋳造品として実用化するこ
とができる。
【図1】 特定の窒素含量ときのAl量と引張強度およ
び伸びとの関係のグラフである。
び伸びとの関係のグラフである。
【図2】 Al34重量%のときの窒素量と引張強度お
よび伸びとの関係のグラフである。
よび伸びとの関係のグラフである。
【図3】 本実施例No.6の合金の鋳造品の金属組織
の写真である。
の写真である。
【図4】 比較例のNo.18の合金の鋳造品の金属組
織の写真である。
織の写真である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平2−258939(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C22C 1/00 - 14/00 C22F 1/08
Claims (4)
- 【請求項1】 Al:30〜38重量%に加えてN:
0.2〜1.0重量%を含有し、残部が実質的にTiと
からなり結晶粒径が0.1μm以下で、強度と延性に優
れたTi−Al系合金。 - 【請求項2】 該N含量は0.25重量%を超え〜1.
0重量%以下である請求項1に記載のTi−Al系合
金。 - 【請求項3】 該Al含量は30重量%〜37重量%未
満である請求項1および請求項2に記載のTi−Al系
合金。 - 【請求項4】 800℃以上で融点以下の温度に加熱さ
れた金属チタンを窒素ガス雰囲気中に保持して窒素をチ
タンに固溶させる固溶化工程と、窒素が固溶された該金
属チタンに真空中または不活性ガス雰囲気中でアルミニ
ウムを添加溶解してTi−Al系合金とする合金化工程
と、からなるTi−Al系合金の製造方法。
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