JP2952924B2 - TiAl基耐熱合金及びその製造方法 - Google Patents

TiAl基耐熱合金及びその製造方法

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【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、耐熱性(高温強度、耐高温酸化特性)およ
び、構造材料として必要な常温における破壊靱性に優
れ、高温にて使用されるガスタービン部材や自動車用・
航空機用エンジン部材として好適な金属間化合物TiA
基耐熱合金及びその製造方法に関する。
[従来の技術] TiとAとの間に形成される金属間化合物TiAは、
軽量である上に、優れた耐熱性を有するため、Ni基超合
金やセラミックスに代わる耐熱材料として実用化が期待
されている。しかしながら、この金属間化合物は構造材
料としての特性バランスが、これらの競合材料と比較し
て、必ずしも勝っておらず、この点がこの材料の実用化
を妨げてきた。
即ち、Ni基超合金と比較すると、比重は小さいもの
の、高温における比強度が必ずしも十分ではないこと、
高温における耐高温酸化特性が十分ではないこと、
常温において脆いこと、セラミックスと比較すると、
脆さの点では勝るものの、耐高温酸化特性や比強度では
劣ることが挙げられる。
比重がNi基超合金よりも大幅に小さいという有利な特
性を有するTiA系材料を実用化するためには、高温に
おける比強度や耐高温酸化特性をNi基超合金以上に向上
させ、かつ常温における脆さを改善して、耐熱構造材料
としての特性をバランス良く上昇させることが必要不可
欠である。
TiAの特性改善に関しては、これまでにも多くの報
告がなされている。例えば、米国特許4,294,615号で
は、TiA基合金の常温延性、およびクリープ特性に及
ぼす合金元素の影響について検討しており、31乃至36重
量%Aに0.7乃至2重量%Vの添加によって常温延性
と高温強度のバランスが良好になり、更にCを添加する
ことにより、常温延性を犠牲にはするものの、高温強度
が著しく向上することなどが記載されている。また、特
公昭59−581号では、Ti:Aの比が重量比で66:34乃至4
0:60のTiAを基とするものに、0.5乃至50重量%のAgを
添加することにより延性が著しく改善されること、特公
昭62−215号では、30乃至36重量%Aに、0.1乃至5重
量%のMnを添加することによって、常温延性が上昇する
ことが報告されている。さらに、特開昭63−111152号に
は、Siの添加が耐高温酸化特性の改善に効果があるこ
と、特開昭63−114930号には、SiやBの添加によって粉
末焼結材の高強度化および延性改善の効果があり、希土
類元素の添加により耐高温酸化特性の改善効果があるこ
と、特開昭63−125634号にはBの添加が延性改善に効果
があり、塑性加工が容易になること、特開平1−42539
号には、Cr,Feの一種類以上の添加、及びそれに加えてM
n,Ag,Vの一種類以上の添加によって熱間加工性が改善さ
れ、1150℃・25%の熱間圧延が可能となること、特開平
1−79335号にはNi,Si,Bの添加により常温強度と高温延
性が改善されること、特開平1−255632号には、Y,Reの
添加とそれに加えて、Si,Cの一種類以上、及び(又は)
Cr,Ta,Zn,Co,Ni,W,Nb,V,Mn,Zr,Hf,Mo,Feのうち一種類以
上の添加により常温靱性(しかし、実施例には引張の伸
びの記載しかなく、延性である)が改善されること、特
開平1−259139号には、Cr添加およびそれに加えてY,Re
6,C,Si,Bのうち一種類以上の添加により、耐高温酸化
性、常温強度、常温延性が改善されること、特開平1−
287243号にはMn,Nbの添加により耐高温酸化性、常温延
性が改善され、高温強度を失わないこと、特開平1−29
8127号には、30乃至36重量%Aに0.5〜15重量%Nbを
添加し、あるいはそれに加えてB,C,Siの一種以上を0.01
乃至0.5重量%添加すること、又は0.1乃至4重量%Crを
添加し、あるいはそれに加えてB,C,Siの一種類以上を0.
01乃至0.5重量%添加すること、又は0.1乃至6重量%の
Moを添加し、あるいはそれに加えてB,C,Siの一種類以上
を0.01乃至0.5重量%添加することによって、常温延性
と高温強度が改善されることなどがそれぞれ記載されて
いる。
[発明が解決しようとする課題] ところで、すでに触れたように、この材料を実用化す
るためには、高温における比強度や耐高温酸化特性をNi
基超合金以上に向上させかつ常温における脆さを改善し
て、耐熱構造材料としての特性をバランス良く上昇させ
ることが必要不可欠であり、これらの特性を総合的に向
上させなければならない。また、TiAのような、いわ
ゆる脆性材料の材料評価法として重要なのは、材料中に
欠陥が存在し、それが不安定破壊に至る際の至りにくさ
を表わすパラメータである『破壊靱性』であって、試験
材中に欠陥が存在しないことを仮定した『延性』はあま
り大きな意味を持たない。延性と破壊靱性とは一対一に
対応するものではない。
このように、この材料を実用化するためには、比重が
小さいという特性を損なわずに、常温破壊靱性、高温強
度、耐高温酸化特性をバランス良く改善することが必要
不可欠であるにもかかわらず、上述した従来技術の中で
は、このような観点から発明・報告された例は見られな
い。
また、耐熱構造材料である以上、高温における使用中
の組織変化は、使用中の寸法変化、材質変化とも関連し
て非常に重要な問題である。また、材料中の不均一や残
留応力の存在も、機械的性質に支障を来したり、あるい
は使用中の形状変化の原因になりかねない。さらに、も
し材料中に鋳造欠陥等の欠陥が存在した場合には、機械
的特性値が低下して、構造材料として致命傷となる可能
性も大きい。実使用前に何らかの方法により、このよう
な欠陥を取り除かなければならない必要性が生じる場合
もある。
しかしながら、TiA基耐熱合金について、このよう
な耐熱構造材料としての品質安定性確保の観点から、熱
処理、高温静水圧プレス処理(HIP処理)等について検
討された例はない。
以上、述べてきたように、TiA系耐熱材料の実用化
のためには、比重が小さいという特性を損なわずに、常
温破壊靱性、高温強度、耐高温酸化特性をバランス良く
改善することが必要不可欠であり、、例えば常温破壊靱
性が改善された一方で、高温強度が低下したのでは意味
をなさないのである。また、耐熱構造材料である以上、
材料中の欠陥や高温使用時における材質変化等は極力避
けなければならない。
この発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであっ
て、その目的は、常温破壊靱性、高温強度、耐高温酸化
特性がバランス良く改善されたTiA基耐熱合金を提供
することにある。
この発明の他の目的は、上記TiA基耐熱合金を、耐
熱構造材料としての品質安定性が確保されるように製造
することができるTiA基耐熱合金の製造方法を提供す
ることにある。
[問題点を解決するための手段及び作用] この発明は、上記の考え方に基づき、TiAの常温破
壊靱性、高温強度、耐高温酸化特性をバランスよく向上
させるべく研究を進めた結果、完成に至ったものであ
る。
すなわち、この発明に係るTiA耐熱合金は、重量%
で、 A:28%以上、38%以下 Nb:0.5%以上、20%以下 及び、 Si:0.25%以上、3.5%以下 Zr:0.3%以上、5.5%以下 Sn:0.1%以上、6.0%以下 のうち一種以上を含み、 Cr:0.1%以上、Mn:0.1%以上、Fe:0.1%以上、Co:0.1
%以上、Ni:0.1%以上、Cu:0.1%以上 のうち一種以上を (%Cr)/14.7+(%Mn)/12.3+(%Fe)/12.5+
(%Co)/13.2+(%Ni)/13.2+(%Cu)/14.1で表さ
れる値が1未満を満足する条件で含み、かつ Oを0.9%以下、Nを0.5%以下、Hを0.05%以下と
し、 残部がTiと溶製上の不可避的不純物とからなることを
特徴とする。
また、この合金に対し、上述の「Cr:0.1%以上、Mn:
0.1%以上、Fe:0.1%以上、Co:0.1%以上、Ni:0.1%以
上、Cu:0.1%以上のうち一種以上を、(%Cr)/14.7+
(%Mn)/12.3+(%Fe)/12.5+(%Co)/13.2+(%N
i)/13.2+(%Cu)/14.1で表される値が1未満を満足
する条件で含み」、という条件の代わりに、又はこの条
件に加え、「V:0.1%以上、Mo:0.1%以上、Hf:0.1%以
上、W:0.1%以上、Ta:0.1%以上のうち一種以上を、
(%V)/11.6+(%Mo)/11.0+(%Hf)/8.4+(%
W)/6.9+(%Ta)/7.2で表される値が1未満を満足す
る条件で含み」という条件を加えたことを特徴とする。
更に、これら合金に対し、「B:0.01%以上、0.5%以
下C:0.01%以上、0.5%以下のうち一種以上を含み」と
いう条件を加えたことを特徴とする。
以上のような構成は、本願発明者らがTiA基合金の
機械的性質および耐高温酸化特性に及ぼす合金元素の影
響について調査した結果見出した、各元素の以下のよう
な効果に基づいてなされたものである。
Nbは、TiA基合金の耐高温酸化特性の向上に対して
非常に効果的である。しかしながら、添加量が多すぎる
と高温においてβ相が安定化し、高温強度の低下を招く
とともに、比重が増大してTiAの持つ大きな長所であ
るところの低比重という特徴を損なうことになる。Nb以
外に耐高温酸化特性を大幅に改善する元素は見出されて
いないので、Nbを適量添加することはTiA耐熱合金に
とっては不可欠である。なお、Nbは常温破壊靱性に対し
てはあまり影響を及ぼさない。
Siは、高温強度の増大に対して非常に効果的である。
しかしながら、添加量の増大に伴ない常温破壊靱性が単
調に低下するので、その添加量については注意が必要で
ある。なお、Siは耐高温酸化特性に対してはほとんど影
響しない。
Zrも、高温強度の増大に対して効果的である。しかし
ながら、常温破壊靱性は添加量に伴なって低下し、さら
に比重が増大するので、添加量が多すぎるとこの材料の
特長を損なう。なお、Zrは耐高温酸化特性にはあまり影
響を及ぼさない。
Snは、高温強度の増大に対して効果的であるが、耐高
温酸化特性に対しては、むしろ悪影響を及ぼす。従っ
て、SnはNbが同時に添加されている場合に限って、その
効果が現われる。常温破壊靱性に対しては、あまり影響
を及ぼさない。
また、これ以外の添加合金元素の効果として以下のよ
うなことが判明した。
まず、適量のCr,Mn,Fe,Co,Ni,又はCuの添加は、常温
破壊靱性を向上させる効果及び、高温強度を若干向上さ
せる効果がある。しかしながら、これらの元素は、添加
量が多すぎると、主にTiとの間に、別の金属間化合物を
形成し、常温破壊靱性が著しく低下する。これらを複合
的に添加した場合にも、複合的な金属間化合物を形成
し、常温破壊靱性を低下するので、これらの形成に及ぼ
す各元素の寄与の程度を考慮して、各元素の添加量を調
節する必要がある。
適量のV,Mo,Hf,W,又はTaの添加も、常温破壊靱性と高
温強度の向上に効果がある。これらの元素は、Tiとの間
には金属間化合物を形成しないが、添加量が多すぎると
高温においてβ相が多量に現われるようになり、高温強
度で著しく低下する。接合的に添加した場合にも同様に
β相が現われるため、β相の発生に及ぼす各元素の寄与
の程度を考慮して、各元素の添加量を調節する必要があ
る。
さらに、B,Cについて検討した結果、次のようなこと
が明らかになった。
適量のBの添加は、各特性にはあまり効果を示さない
ものの、この材料の高温におけるミクロ組織の安定性に
対して効果のあることが認められる。添加量が多すぎる
場合には、Tiとの間に別の化合物を形成するため、常温
破壊靱性の低下を招き好ましくない。
適量のCの添加は、高温強度の向上に対して若干の効
果がある。しかしながら、その効果は、それほど大きく
ないため、Cの添加のみで高温強度を向上させようとす
ると、逆に常温破壊靱性の低下を招き、無理が生ずる。
Cの添加は、Si,Zr,Snの一種類以上が共存した場合にの
み、常温破壊靱性を損なうことなく、高温強度向上の効
果が有効に現われる。
O,Nは、高温強度の増大に対しては、効果が認められ
る。しかしながら、常温破壊靱性は、含有量の増大に伴
ない単調に低下する。従って、含有量が多すぎると、常
温破壊靱性の観点から好ましくない。
Hは含有量が多すぎると、Tiとの間に水素化物を形成
し、常温破壊靱性に悪影響を及ぼすとともに、高温強度
が低下する。
すなわち、このような各元素の効果に基づき、実用に
耐えるTiA基耐熱合金の開発を目的として、耐熱構造
材料として具備すべく各特性をバランスよく有するとい
う観点に立ち、各特性に及ぼす合金元素の影響について
広範な実験を行なった結果、本願発明が完成されたので
ある。
また、本発明合金はTiA基合金であり、TiA相単相
の合金とは限らず、例えばTi3A相等が存在する場合が
あり、すなわち、2相以上の相により構成される場合が
ある。したがって、本発明合金を例えば鋳造した場合、
鋳造後の冷却速度によっては、その組織が非平衡組織で
あり、高温使用時に大きな組織変化を生じることがあ
る。また、例えば、鋳造時の部品中における冷却速度の
分布等に起因して、組織や機械的性質が部品中で不均一
になることもある。その他、材料中の残留応力が、機械
的性質に対して支障を来す場合もある。これらの要因
は、材料使用中の材質劣化や寸法変化を引き起こした
り、破損等の原因になる可能性があり、好ましくない。
このような観点から、必要によっては、本発明合金によ
り成る部品等を使用する前に熱処理、あるいは高温静水
圧プレス(以下、HIP処理と記す)することにより、組
織、機械的性質が安定になり、残留応力が低減して、構
造耐熱材料としての品質安定性が確保される。なお、HI
P処理を施すと、材料中に存在する欠陥(鋳造欠陥等)
を消滅させる効果も加わり、品質安定性の観点から、よ
り好ましい。
すなわち、この発明に係るTiA基合金は、この発明
に係る合金を鋳造のままで使用材とするか、又は溶融鋳
造後、1回あるいは2回以上の熱処理を施すか、又は溶
融鋳造後HIP処理することを特徴とする。上記熱処理及
びHIP処理は複合して行うこともできる。
次に、この発明に係る合金における合金元素の作用及
び組成限定理由について詳細に説明する。
A:Aは金属間化合物TiAを構成する主要な元素
である。A量が28%より低いとTi3A相の体積分率が
増大し、常温破壊靱性が著しく低下する。また、38%よ
り多い場合も常温破壊靱性が低下するほか、高温強度も
低下する。優れた常温破壊靱性と高温強度を合わせ持つ
ためには、A量が28%以上38%以下である必要があ
る。
Nb:Nbは耐高温酸化特性を大きく改善する唯一の元素
であり、本発明合金において必要不可欠である。添加量
が0.5%より少ないと、耐高温酸化特性に対して十分な
効果が現れず、また20%より多いと、高温強度が低下す
るうえ、比重が増大するので好ましくない。従って、Nb
の添加量を0.5%以上20%以下に規定する。
Si,Zr,Snは、上述したようにいずれも高温強度の向上
に対して効果を示す合金元素である。
Si:Siは高温強度を著しく向上させる。しかし、添加
量が0.25%より少ないと十分な効果が現れずまた3.5%
より多く添加すると、Tiとの間に別の金属間化合物を形
成し、常温破壊靱性が著しく低下する。したがって、Si
の添加量は、0.25%以上、3.5%以下に規定する。
Zn:Znは高温強度を向上させる。また、常温破壊靱性
は添加量によって単調に低下する。その添加量が0.3%
より少ないと、高温強度の向上に対して十分な効果が現
れず、また5.5%よりも多いと、常温破壊靱性が低かす
るうえ、比重が増大するので好ましくない。従って、Zr
の添加量を0.3%以上、5.5%以下に規定する。
Sn:Snは高温強度を向上させるが、耐高温酸化特性に
対してはむしろ悪影響を及ぼすため、Nbと共存する場合
にのみ効果的に作用する。この添加量が0.1%より少な
いと高温強度の向上に対して十分な効果が現れず、また
6%より多いと常温破壊靱性が低下するうえ、耐高温酸
化特性が低下して好ましくない。従って、Snの添加量を
0.1%以上、6%以下に規定する。
Si,Zr,Snは、いずれも高温強度の向上を目的として添
加されるため、上記の成分範囲内であれば、2種類以上
を複合的に添加しても差し支えない。
Cr,Mn,Fe,Co,Ni,Cu:これらは、いずれも常温破壊靱性
の向上に効果を示す合金元素である。しかしながら、こ
れらの元素はいずれも添加量が多すぎるとTiとの間に別
の金属間化合物を形成する傾向があり、そのような金属
間化合物の体積分率が増加すると逆に常温破壊靱性が著
しく低下する。Tiとの間に金属間化合物を形成する傾向
は、各元素でそれぞれ異なるので、このことを勘案して
各元素の添加量に重みをつけて数式化した。
すなわち、Tiとの間に金属間化合物を形成する傾向
は、添加する重量において比較すると、Mn>Fe>Co=Ni
>Cu>Crの順であり、これらの元素のうち一種類以上あ
るいは二種類以上を添加する場合、 [(%Cr)/14.7+(%Mn)/12.3+(%Fe)/12.5 +(%Co)/13.2+(%Ni)/13.2+(%Cu)/14.1]<1 の範囲内であれば、常温破壊靱性の向上に効果があり、
この範囲以上添加すると、Tiとこれらの元素の間に形成
される金属間化合物の体積分率が増大して、常温破壊靱
性が低下する(以下、各合金組成における上式の値を、
「A値」と記す。)。なお、夫々の元素の添加量が0.1
%より少ないと、十分な常温破壊靱性向上の効果が見ら
れないことから、各元素の添加量を0.1%以上とする。
V,Mo,Hf,W,Ta:これらは、常温破壊靱性の向上に効果
がある。しかしながら、これらの元素は、高温において
不規則相であるβ相を安定化するため、添加量が多すぎ
ると、高温域におけるβ相の体積分率が増大し、高温強
度が著しく低下する。高温においてβ相を安定化する度
合は、各元素間で異なり、このことを勘案して、各元素
の添加量に重みをつけて数式化した。
すなわち、高温においてβ相を安定化する度合は、添
加する重量において比較すると、W>Ta>Hf>Mo>Vの
順であり、これらの元素のうち一種類以上を添加する場
合、 [(%V)/11.6+(%Mo)/11.0+(%Hf)/8.4 +(%W)/6.9+(%Ta)/7.2]<1 の範囲内であれば、高温強度を損なうことなく常温破壊
靱性の向上の効果があり、この範囲以上添加すると、高
温におけるβ相の体積分率が増大して、高温強度が著し
く低下する(以下、各合金組成における上式の値を、
[B値]と記す。)。なお、夫々の元素の添加量が0.1
%より少ないと、常温破壊靱性向上に対して十分な効果
を示さないことから、各元素の添加量を0.1%以上とす
る。
B:Bは、常温破壊靱性、高温強度、耐高温酸化特性に
対して、あまり大きな効果を示さない。しかしながら、
Bは、この材料の高温における組織をより安定化する効
果がある。高温における組織の安定性を、より高めたい
場合には、適量のBの添加が効果的である。これによっ
て、常温破壊靱性、高温強度、耐高温酸化特性を損なう
ことなく、より組織安定性の良好な合金を得ることがで
きる。Bの添加量が0.01%より少ないと、組織安定性に
対して十分な効果はない。また0.5%より多いとTiとの
間に別の化合物を形成して、常温破壊靱性が著しく低下
する。従って、Bを添加する場合、その添加量を0.01以
上、0.5%以下の範囲に規定する。
C:Cは高温強度の向上に対して若干の効果がある。し
かしながら、添加量が多すぎると常温破壊靱性の低下を
招く。Cの添加量が0.01%より少ないと、高温強度向上
に対して十分な効果が得られず、また0.5%より多いと
常温破壊靱性が著しく低下する。従って、Cの添加量を
0.01%以上、0.5%以上に規定する。
O,N:O,Nの含有量の増加に伴ない、常温破壊靱性は単
調に低下する。酸素含有量が0.9%より多いか、あるい
は、窒素含有量が0.5%よりも多くなると常温破壊靱性
が低下して好ましくない。従って、O含有量を0.9%以
下、N含有量を0.5%以下に夫々規定する。
H:Hは、0.05%より多く含有されると、Tiとの間に水
素化物を形成し、常温破壊靱性が著しく低下する。従っ
て、H含有量を0.05%以下に規定する。
次に、この発明に係る上記発明合金の製造方法につい
て詳細に説明する。
この発明に係る製造方法は、前述したように、上記合
金の品質の安定性を確保するためのものである。
本発明合金を例えば鋳造する場合、なにも支障がなけ
れば鋳造したままの状態を使用材とすることができる。
しかし、鋳造後の冷却速度によっては、非平衡組織が現
れたり、あるいは、鋳造材中の冷却速度分布等に起因し
て、組織や機械的性質において不均一を生ずることがあ
る。また、材料中の残留応力等によって、機械的性質に
支障をきたすこともある。これらは、この材料の高温に
おいて使用した場合に材質変化や寸法変化を生じたり、
あるいは破壊等の原因になる可能性がある。
従って、このような場合には必要に応じて本発明に係
る合金で製造された部品を使用する前に熱処理やHIP処
理を施すことにより、耐熱構造材料としての品質安定性
がより確保される。
熱処理の条件としては、600℃以上1300℃以下の温度
範囲における熱処理を1回あるいは2回以上行うことが
挙げられる。即ち、600℃より低い温度における熱処理
では、組織的に鋳造ままのものと大きく変わるところは
認められず、1300℃より高い温度における熱処理は、熱
処理装置の操業維持に多大なるコストを必要とすること
など、好ましくない。
また、HIP処理条件としては、1000℃以上1300℃以下
の温度範囲において1000kgf/cm2以上3000kgf/cm2以下の
圧力下で行うことが挙げられる。1000℃より低い温度に
おける処理では、原子の拡散速度が十分に速くないた
め、有効な効果を得るためには多大な時間を必要とし、
好ましくない。1300℃より高い温度における処理は、同
様に装置の操業維持に多大なるコストを必要とするため
好ましくない。圧力条件に関しても、1000kgf/cm2より
低い圧力では、HIP処理の効果は小さく、すなわち通常
の熱処理と何ら変わるところがなく、また3000kgf/cm2
より高い圧力は装置の操業維持に多大なるコストを必要
とするため好ましくない。
これらの処理は、非平衡組織をより平衡な組織に近付
ける効果や、材料中の不均一を軽減する効果あるいは残
留応力を除去する効果があり、品質安定性の確保に有効
である。なお、HIP処理は、このような効果の他にも、
材料中の欠陥(鋳造欠陥等)を消滅させる効果もあり、
より好ましい。また、これら熱処理とHIP処理を複合的
に行うことにより更に一層良好な効果を得ることができ
る。
[実施例] 次に、実施例を説明する。
第1表に示すような組成の合金を、アルゴン雰囲気中
で非消耗電極アーク溶解により溶製した。第1表中、組
成番号E1乃至E73は、この発明の範囲内の組成を有する
実施例であり、組成番号C1乃至C39は、この発明の範囲
から外れる比較例である。なお、合金番号E2の組成につ
いては、溶解法の影響を見るため、真空中で高周波溶解
によっても溶解を行った。両者の化学分析値は、ほぼ同
一であった。また、「請求項」の欄は、その合金に対応
する請求項の番号を示す。
このようにして製造した上記組成のインゴットからコ
ンパクト型破壊靱性試験片、平行部6φ×30mmのクリー
プ破断試験片、板厚2mmの耐高温酸化特性測定用板状試
験片を採取した。破壊靱性試験は常温において各組成に
ついて2個ずつ行い、その平均値を採用した。2個の試
験片間の測定値のばらつきについては、特に大きいもの
はなかった。また、高温強度特性としてクリーブ破断特
性をとりあげ、820℃におけるクリープ破断試験を各組
成について荷重を変えて8点行い、そのデータから100
時間破断応力を導き出して、その値をパラメータとし
た。耐高温酸化特性としては、板状試験片を900℃で500
時間保持し、その加熱によるスケールの生成、剥離にと
もなう片面当りの板厚減少量を測定して、その値をパラ
メータとした。
先ず、破壊靱性試験の結果について説明する。第2表
は鋳造のまま材の破壊靱性試験結果を示すものである。
なお、A,Si,Zr,Sn,B,C,O,N,H量が破壊靱性を大きく
低下させない本発明の範囲に規定されている組成のもの
に関しては、破壊靱性に影響があるA値の計算結果も記
載した。
TiA基耐熱材料の競合材料のひとつであるセラミッ
ク(Si3N4)の破壊靱性値は、約5MPa・m1/2であり、得
られた結果は、いずれもそれを上回っている。破壊靱性
の判定基準として約20MPa・m1/2(この値は鋳鉄の破壊
靱性値に相当する)を採用し、特定結果を第2表中に
○,△,×で表した。ここで、○は破壊靱性値が約20MP
a・m1/2以上のもの、△は、約20MPa・m1/2より低いが
ほぼ同等とみなせるもの、×は約20MPa・m1/2より、大
幅に低いものを示す。この判定結果から明らかなよう
に、本発明の組成範囲内の実施例はいずれも良好な破壊
靱性を示したが、比較例のうちA,Si,Zr,Sn,B,C,O,N,
H量が本発明の範囲から外れるもの、及びA値が1を超
えるものについては、破壊靱性が低い値となった。×印
の組成は、破壊靱性値が他と比べて大幅に低く、以下の
検討から除外する。なお、表中*印は、真空高周波製材
である。真空高周波溶製材もアルゴン雰囲気中アーク溶
製材と同等の特性を示しており、両溶製材間に特別な差
異は認められない。
上記のようにして求められた破壊靱性値とA値との関
係を把握した。第1図は、横軸にA値をとり、縦軸に破
壊靱性値をとって、これらの関係を示すグラフであり、
A,Si,Zr,Sn,B,C,O,N,H量が破壊靱性を大きく低下さ
せない本発明の範囲に規定された組成の合金について示
したものである。この第1図から、A値が1以上になる
と破壊靱性が著しく低下することが確認された。
次に、高温酸化試験の結果について説明する。第3表
は、鋳造まま材の高温酸化試験の結果を示すものであ
る。
第3表中、耐高温酸化性の判定結果を○及び×で示し
た。○は板厚減少が0.05mm以下と耐高温酸化性が良好な
ものを示し、×は板厚減少が大きく耐高温酸化性が悪い
ものを示す。この表に示すように、本発明の組成範囲内
の実施例組成のものは、良好な耐高温酸化特性を示した
が、比較例のうちNbを含まない合金番号C1,C2,C3,C10は
耐高温酸化性が×と判定され、C14を除く他のNb含有合
金と比較して耐高温酸化特性が極めて劣っていた。すな
わち、耐高温酸化特性にはNbの添加が非常に効果的であ
ることが確認された。
なお、Nbを含む合金で耐高温酸化性が×と判定された
合金番号C14は、Nbと同時に多量のSnを含んだものであ
る。すなわち、多量のSn添加は、耐高温酸化特性向上の
観点から注意が必要であることが確認された。
×と判定されたものは耐高温酸化特性に劣っているの
で以下の検討からは除外する。なお、第3表中の*印も
真空高周波溶製材を示すものである。耐高温酸化性につ
いても、真空高周波溶製材がアルゴン雰囲気中アーク溶
製材と同等の特性を示しており、両溶製材間に特別な差
異は認められないことが確認された。
次に、高温強度の試験結果について説明する。第4表
は、鋳造のまま材の820℃におけるクリープ破断試験の
結果から、100時間破断強度を求めた結果を示すもので
ある。なお、V、Mo,Hf,W,Taのうち一種以上を各々0.1
%以上含有する合金組成のものについては、B値の計算
結果も合わせて記載した。
この第4表に示すように、実施例と比較例との間に
は、820℃における破断強度に明らかな差が認められ、
実施例は全て破断強度200MPa以上と良好な値であったの
に対し、比較例は全て200MPa未満と不十分な値であっ
た。すなわち、実施例に比較して比較例の高温強度が著
しく劣っていることが確認された。比較例のうち、合金
番号C4,C5,C6はSi添加量が少ないことが、C11はNb添加
量が多すぎることが高温強度が低い原因であると考えら
れる。また、C24〜C31、及びC33は、V,Mo,Hf,W,Taの添
加量が多すぎることが高温強度が低い原因であると考え
られる。なお、この表においても*印は真空高周波溶製
材を示すものであり、この場合にもアルゴン雰囲気中ア
ーク溶製材と高温強度は同等であり、両溶製材間で特別
な差異はみられなかった。
上記のようにして求められたクリープ破断強度とB値
との関係を把握した。第2図は、横軸にB値をとり、縦
軸に820℃における100時間クリープ破断強度をとって、
これらの間の関係を示すグラフであり、V,Mo,Hf,W,Taの
うちの一種以上を含有する合金組成について示すもので
ある。この第2図からB値が1以上になると、高温強度
が著しく低下することが確認された。
以上の結果から明らかなように、本発明の範囲内の合
金は、常温破壊靱性、耐高温酸化特性、及び高温強度と
も、バランス良く優れた特性値を有しており、構造用耐
熱材料として極めて有望なものである。
次に、鋳造材に対する熱処理、HIP処理の影響につい
て説明する。
第5表は、合金番号E2について、常温破壊靱性、耐高
温酸化特性、高温強度に及ぼす熱処理、HIP処理の影響
を試験した結果を示すものである。
この第5表に示すように、本発明の範囲内において熱
処理したもの、HIP処理したもの、及びこれら両方の処
理を複合して行ったもののいずれについても、各特性が
鋳造のまま材と同等であることが確認された。すなわ
ち、品質安定の見地からなされるこれら処理によって
も、本発明合金の優れた特性が損なわれないことが確認
された。
第6表は、合金番号E2を1mm厚さで100mm×50mmの寸法
の鋳型に鋳込んだ際の0.1mm以上の大きさの鋳造欠陥の
数と、それに1200℃、1500kgf/cm2の条件で4時間のHIP
処理を施したものの0.1mm以上の大きさの鋳造欠陥の数
をX線検査により調査し、比較したものである。
この表に示すように、HIP処理により鋳造欠陥が0に
なることが確認された。すなわち、HIP処理は鋳造欠陥
を減少させ、品質安定性の観点から極めて有効であるこ
とが確認された。
第3図は、銅鋳型に鋳造した合金番号E2の、鋳造まま
材と、鋳造後、熱処理、HIP処理を施したものとについ
て、中型に接した部分の表面から厚さ方向にかけての硬
さ分布を比較して示したものである。図中、白丸は鋳造
まま材、三角は鋳造後100℃×5時間及び700℃×5時間
の2階の熱処理を施したもの、四角は鋳造後1200℃、15
00kgf/cm2の条件で4時間のHIP処理を施したもの、黒丸
は鋳造後1200℃、1500kgf/cm2の条件で4時間のHIP処理
を施し、更に1000℃×5時間の熱処理を施したものを示
す。この第3図から、鋳造まま材は、表面近傍の硬さが
内部に比較して高い傾向にあるのに対し、熱処理、HIP
処理、及びこれら両方の処理を施したものはいずれも、
表面の硬さが内部と同程度の地であることが確認され
た。このことは、これらの処理により部品中の不均一が
低減され、高温使用時における組織変化や材質変化が軽
減されることを意味する。従って、必要に応じて、鋳造
後、部品として使用する前に熱処理等を施すことによ
り、品質安定性を向上させることができる。
[発明の効果] この発明によれば、常温破壊靱性、耐高温酸化特性、
及び高温強度に優れたTiA基耐熱合金、及びこの合金
の品質安定性を確保できる製造方法を提供することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
第1図はA値と破壊靱性との関係を示すグラフ図、第2
図はB値と高温強度との関係を示すグラフ、第3図は部
品の厚み方向の硬さ分布に及ぼす熱処理及びHIP処理の
影響を示すグラフ図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C22F 1/00 650 C22F 1/00 650A 681 681 682 682 (56)参考文献 特開 平1−298127(JP,A) 特開 平2−138430(JP,A) 特開 平3−79735(JP,A) Acta METALLURGICA et MATERIALIA Vo l.37,No.11 PP.2969−2977 (1989) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C22C 14/00 C22F 1/18 C22C 1/02

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】重量%で、 A:28%以上、38%以下 Nb:0.5%以上、20%以下 及び、 Si:0.25%以上。3.5%以下 Zr:0.3%以上、5.5%以下 Sn:0.1%以上、6.0%以下 のうち一種以上を含み、 Cr:0.1%以上、Mn:0.1%以上、Fe:0.1%以上、Co:0.1%
    以上、Ni:0.1%以上、Cu:0.1%以上 のうち一種以上を、 (%Cr)/14.7+(%Mn)/12.3+(%Fe)/12.5+(%C
    o)/13.2+(%Ni)/13.2+(%Cu)/14.1で表される値
    が1未満を満足する条件で含み、かつ Oを0.9%以下、Nを0.5%以下、Hを0.05%以下とし、 残部がTiと溶製上の不可避的不純物とからなることを特
    徴とするTiA基耐熱合金。
  2. 【請求項2】重量%で、 A:28%以上、38%以下 Nb:0.5%以上、20%以下 及び、 Si:0.25%以上、3.5%以下 Zr:0.3%以上、5.5%以下 Sn:0.1%以上、6.0%以下 のうち一種以上を含み、 V:0.1%以上、Mo:0.1%以上、 Hf:0.1%以上、W:0.1%以上 Ta:0.1%以上 のうち一種以上を、 (%V)/11.6+(%Mo)/11.0+(%Hf)/8.4+(%
    W)/6.9+(%Ta)/7.2で表される値が1未満を満足す
    る条件で含み、かつ Oを0.9%以下、Nを0.5%以下、Hを0.05%以下とし、 残部がTiと溶製上の不可避的不純物とからなることを特
    徴とするTiA基耐熱合金。
  3. 【請求項3】重量%で、 A:28%以上、38%以下 Nb:0.5%以上、20%以下 及び、 Si:0.25%以上、3.5%以下 Zr:0.3%以上、5.5%以下 Sn:0.1%以上、6.0%以下 のうち一種以上を含み、 Cr:0.1%以上、Mn:0.1%以上、 Fe:0.1%以上、Co:0.1%以上 Ni:0.1%以上、Cu:0.1%以上 のうち一種以上を、 (%Cr)/14.7+(%Mn)/12.3+(%Fe)/12.5+(%C
    o)/13.2+(%Ni)/13.2+(%Cu)/14.1で表される値
    が1未満を満足する条件で、及び V:0.1%以上、Mo:0.1%以上、 Hf:0.1%以上、W:0.1%以上 Ta:0.1%以上 のうち一種以上を、 (%V)/11.6+(%Mo)/11.0+(%Hf)/8.4+(%
    W)/6.9+(%Ta)/7.2で表される値が1未満を満足す
    る条件で夫々含み、かつ Oを0.9%以下、Nを0.5%以下、Hを0.05%以下とし、 残部がTiと溶製上の不可避的不純物とからなることを特
    徴とするTiA基耐熱合金。
  4. 【請求項4】重量%で、 A:28%以上、38%以下 Nb:0.5%以上、20%以下 及び、 Si:0.25%以上、3.5%以下 Zr:0.3%以上、5.5%以下 Sn:0.1%以上、6.0%以下 のうち一種以上、及び B:0.01%以上、0.5%以下 C:0.01%以上、0.5%以下 のうち一種以上を含み、 Cr:0.1%以上、Mn:0.1%以上、 Fe:0.1%以上、Co:0.1%以上、 Ni:0.1%以上、Cu:0.1%以上 のうち一種以上を、 (%Cr)/14.7+(%Mn)/12.3+(%Fe)/12.5+(%C
    o)/13.2+(%Ni)/13.2+(%Cu)/14.1で表される値
    が1未満を満足する条件で含み、かつ Oを0.9%以下、Nを0.5%以下、Hを0.05%以下とし、 残部がTiと溶製上の不可避的不純物とからなることを特
    徴とするTiA基耐熱合金。
  5. 【請求項5】重量%で、 A:28%以上、38%以下 Nb:0.5%以上、20%以下 及び、 Si:0.25%以上、3.5%以下 Zr:0.3%以上、5.5%以下 Sn:0.1%以上、6.0%以下 のうち一種以上、及び B:0.01%以上、0.5%以下 C:0.01%以上、0.5%以下 のうち一種以上を含み、 V:0.1%以上、Mo:0.1%以上、 Hf:0.1%以上、W:0.1%以上、 Ta:0.1%以上 のうち一種以上を、 (%V)/11.6+(%Mo)/11.0+(%Hf)/8.4+(%
    W)/6.9+(%Ta)/7.2で表される値が1未満を満足す
    る条件で含み、かつ Oを0.9%以下、Nを0.5%以下、Hを0.05%以下とし、 残部がTiと溶製上の不可避的不純物とからなることを特
    徴とするTiA基耐熱合金。
  6. 【請求項6】重量%で、 A:28%以上、38%以下 Nb:0.5%以上、20%以下 及び、 Si:0.25%以上、3.5%以下 Zr:0.3%以上、5.5%以下 Sn:0.1%以上、6.0%以下 のうち一種以上、及び B:0.01%以上、0.5%以下 C:0.01%以上、0.5%以下 のうち一種以上を含み、 Cr:0.1%以上、Mn:0.1%以上、 Fe:0.1%以上、Co:0.1%以上、 Ni:0.1%以上、Cu:0.1%以上 (%Cr)/14.7+(%Mn)/12.3+(%Fe)/12.5+(%C
    o)/13.2+(%Ni)/13.2+(%Cu)/14.1で表される値
    が1未満を満足する条件で、及び V:0.1%以上、Mo:0.1%以上、 Hf:0.1%以上、W:0.1%以上 Ta:0.1%以上 のうち一種以上を、 (%V)/11.6+(%Mo)/11.0+(%Hf)/8.4+(%
    W)/6.9+(%Ta)/7.2で表される値が1未満を満足す
    る条件で含み、かつ Oを0.9%以下、Nを0.5%以下、Hを0.05%以下とし、 残部がTiと溶製上の不可避的不純物とからなることを特
    徴とするTiA基耐熱合金。
  7. 【請求項7】請求項1乃至6いずれか1項記載の合金を
    溶融鋳造し、鋳造のままで使用材とすることを特徴とす
    るTiA基耐熱合金の製造方法。
  8. 【請求項8】請求項1乃至6いずれか1項記載の合金を
    溶融鋳造し、その後、1回あるいは2回以上の熱処理を
    施すことを特徴とするTiA基耐熱合金の製造方法。
  9. 【請求項9】請求項1乃至6いずれか1項記載の合金を
    溶融鋳造し、その後高温静水圧プレス処理することを特
    徴とするTiA基耐熱合金の製造方法。
  10. 【請求項10】請求項1乃至6いずれか1項記載の合金
    を溶融鋳造し、1回あるいは2回以上の熱処理および高
    温静水圧プレス処理を複合して行うことを特徴とするTi
    A基耐熱合金の製造方法。
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