JP3005280U - ひだ取り機における上ガイド付き布押え - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 布入れ作業の容易化を図ることができるひだ
取り機における上ガイド付き布押えを提供する。 【構成】 ミシンの取付棒９に装着されて縫製布イ、ロ
に押圧して針止部２７の上下動を利用してひだ取りを行
う作動部材６に動作を行わせるタイプのひだ取り機Ａで
あって、縫製時に上下の布イ、ロを重ね合わせて押圧可
能とする布押え本体部１３ｂと、該本体部１３ｂから前
方に傾斜上昇して延びる上布案内用の上ガイド部１３ｃ
とを連続して一体にもうけている。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

【０００２】 本考案は、ひだ取り機における上ガイド付き布押えに関する。

【従来の技術】

従来のこの種の上ガイド付き布押えは、図６に示すように、上布イを案内する 上ガイド部２１と、上下の布イ、ロ（以下縫製布という）を重ね合せて押圧する 布押え本体部２２との独立した二つの部品を、ネジ２３で組み付けて一体化して なり、しかも、前記上ガイド部２１の構造は、ガイド主体部２４と取付部２５と を上方に突出するブリッジ部２６で一体に連結してなり、前記取付部２５を前記 布押え本体２２上に積層してネジ２３で組み付けるようになつている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、前記従来の上ガイ付き布押え２０を備えたひだ取り機がミシン 取付棒９に装着され、前記上ガイド付き布押え２０に縫製布イ、ロをセットする に際し、前記上ガイド付き布押え２０を持ち上げる場合には、特に、針落棒が降 りておれば、前記ブリッジ部２６がミシンの針止部２７に衝合するから、布入れ 隙間ｈ３を狭くし、その結果、布入れ作業を困難にしている。 本考案は、このような従来技術の問題点を解決するためになされたもので、布 入れ作業の容易化を図ることができるひだ取り機における上ガイド付き布押えを 提供することを目的とする。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

前記目的を達成するために本考案は、ミシン取付棒に装着されて縫製布に押圧 して針落棒の上下動を利用してひだ取りを行う作業部材に動作を行わせるタイプ のひだ取り機であって、縫製時に上下の布を重ね合せて押圧可能とする布押え本 体部と、該布押え本体部から前方に傾斜上昇して延びる上布案内用の上ガイド部 とを連続して設けたことを特徴とする。

【０００５】

【作用】

前記本考案によれば、布入れ作業時に針落棒が降りている時でも、布押え本体 部が針止部に衝合するまで高く持ち上げられ、前記本体部とミシン送り歯との間 に広い間隔をとることができ、布入れ作業を容易にする。

【０００６】

【実施例】

以下、本考案の実施例を図面を参照しながら詳細に説明する。 図１は、本考案の一実施例に係る上ガイド付き布押えを具備したひだ取り機の 斜視図であり、同図において、ひだ取り機Ａは、ひだ取り機本体ａと、取付ホル ダｂと、布押えｃとで構成されている。

【０００７】 ひだ取り機本体ａは、図２に示すように、本体フレーム１の前方上部にラチェ ットギヤ２、布送り継ぎ片３、梃子片４を軸着し、前記ラチエトギヤ２と梃子片 ４の後方にはひだ密度調整レバー５を組み付け、前記布送り継ぎ片３の下方には 、ひだ取り作動部材６の前端を軸着したユニットである。

【０００８】 本体フレーム１の後方（縫製布の進行方向から言えば前方）左側には、取付ホ ルダｂを左右にスライド自在に案内する縦巾のあるホルダ案内用レール１ａを突 設し、当該本体フレーム１の後方右側には、布押えｃを左右にスライド自在に案 内する水平巾のある布押え案内用レール１ｂを突設している。該レール１ｂの前 縁には針落溝１ｅが切欠かれている。１ｃは前記ホルダ案内用レール１ａにあけ られた左右調整止ネジ７と螺合するネジ穴、１ｄは前記レール１ｂにあけられた 布押え固定ネジ１１と螺合するネジ穴である。

【０００９】 取付ホルダｂは、前記レール１ａに嵌合して左右方向にスライド自在となる縦 断面チヤンネル状の嵌合部８と、該嵌合部８の縦片８ａの右端部を後方にＵ字状 に折り返したミシン取付棒９（図５）に嵌合する嵌合部１０とが一体に形成され 、前記チヤンネル状の嵌合部８の縦片８ａには左右止ネジ７が貫通する左右方向 に長い長穴８ｂが開設され、また、前記Ｕ字状の嵌合部１０には取付ネジ１２（ 図５）が貫通する溝１０ａが開設されている。

【００１０】 布押えｃは、一枚の弾性のある板材１３を前記案内用レール１ｂに巻き付く取 付部１３ａに折り曲げると共に、該取付部１３ａの下方で縫製時に上下の布を重 ね合わせて押圧可能とする布押え本体部１３ｂに折り返し、さらに、該布押え本 体部１３ｂから前方に上布案内用の上ガイド部１３ｃを傾斜上昇して延びるよう に形成してなる。

【００１１】 前記取付部１３ａには、取付時に前記案内レール１ｂのネジ穴１ｄと合致して 前記固定ネジ１１が貫通する穴１３ｄがあけられていると共に、前縁に針落溝１ ３ｅが切欠かれている。１４は、前記取付部１３ａを案内用レール１ｂに固定す る時に押える押え板であり、該押え板１４の中央にはネジ穴１４ａ、前縁には針 落溝１４ｂがそれぞれ設けられている。

【００１２】 前記布押え本体部１３ｂには、前記案内用レール１ｂを巻くように取り付けら れた取付部１３ａとの間に隙間１５が設けられていると共に、前縁に段差１６が 設けられて高くなり、その段差１６の下面には前記ひだ取り作動部材６の先端を 案内する滑動板１７の先端が臨んでいる、該滑動板１７の先端と前記本体部１３ ｂの前縁段差１６とが重なったミシン針１８が上下動する位置には針落溝１３ｆ （図３）と１７ａ（図２）とが形成され両溝で長穴が構成されている。

【００１３】 前記上布案内用の上ガイド部１３ｃは、前記本体部１３ｂの針落溝１３ｆによ って分岐され前方左側の部分が前方に傾斜上昇して延びたものであり、その上昇 端部に右側に嘴状に突出するガイド片１３ｇ、１３ｈを形成してなる。１３ｉは 前記ガイド片１３ｇ、１３ｈの間のガイド溝である。

【００１４】 図４は、前記布押えｃの変形実施例であり、取付部１３ａの構造が、案内用レ ール１ｂに巻き付くものではなく、単に嵌合するようになる嵌合鍔１３ｊを有す る点で、前記実施例と異なる。これにより、構造簡単にして、低廉なコストで製 品を得ることができる。

【００１５】 図３、図４に示すいずれの実施例の布押えｃにおいても、案内用レール１ｂに 対し、着脱自在とし縫製布イ、ロの種類で使い分けられるよう互換性をもたせる ことができる。 なお、図５、図６において、２８は送り歯、ｈ１はブリッジ部２６と針止部２７ との間隔、ｈ２はブリッジ部２６を除いた上ガイド部１３ｃまたは２１と針止部 ２７との間隔、ｈ３は布押え本体１３ｂと送り歯２８との間隔である。

【００１６】 次に、上述のように構成された実施例の作用を説明する。 図５に示すように、ひだ取り機Ａをミシン取付棒９に装着し、かつ、針止部２ ７を梃子片４に係合させた状態において、縫製布イ、ロをセットするために上ガ イド付き布押えｃを持ち上げると、一点鎖線に示すように、針止部２７が降りて いても上ガイド部１３ｃは間隔ｈ２の範囲で持ち上げられる。この間隔ｈ２は、 図６に示す従来の間隔ｈ１より大きいばかりでなく、従来の間隔ｈ２よりも大き いから、この上ガイド付き布押えｃは従来より高く持ち上げられ、よって、送り 歯２８と前記布押えｃとの間に従来より広い間隔ｈ３が生じ、従って、縫製布イ 、ロをセットするための布入れ作業を広くなった間隔ｈ３で行うことになる。

【００１７】

【考案の効果】

以上、述べたように、本考案ではミシン取付棒に装着されて縫製布に押圧して 針落棒の上下動を利用してひだ取りを行う作業部材に動作を行わせるタイプのひ だ取り機であって、縫製時に上下の布を重ね合せて押圧可能とする布押え本体部 と、該布押え本体部から前方に傾斜上昇して延びる上布案内用の上ガイド部とを 連続して設けたので、従来の上ガイド付き布押えに比べ、布押え本体部と送り歯 との間隔が広くなって布入れ作業が容易になるし、上ガイド付き布押えの部品点 数が少なくなって、コストの低廉化を図ることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に係る上ガイド付き布押えを具備したひ
だ取り機の斜視図である。

【図２】同上ひだ取り機の分解斜視図である。

【図３】同上ひだ取り機の要部の一部破断平面図であ
る。

【図４】同上要部の変形実施例の斜視図である。

【図５】本考案の上ガイド付き布押えとミシンとの関係
位置を示す側断面図である。

【図６】従来の上ガイド付き布押えとミシンとの関係位
置を示す側断面図である。

【符号の説明】

Ａ ひだ取り機 ａ ひだ取り機本体 ｂ 取付ホルダ ｃ 布押え １ 本体フレーム ２ ラチエットギヤ ３ 布送り継ぎ片 ４ 梃子片 ５ ひだ密度調整レバー ６ ひだ取り作動部材 ７ 左右調整止ネジ ８ 嵌合部 ９ ミシン取付棒 １０ 嵌合部 １１ 固定ネジ １２ 取付ネジ １３ 板材 １３ａ 取付部 １３ｂ 布押え本体部 １３ｃ 上ガイド部 １３ｄ 穴 １３ｅ 針落溝 １３ｆ 針落溝 １３ｇ ガイド片 １３ｈ ガイド片 １３ｉ ガイド溝 １４ 押え板 １５ 隙間 １６ 段差 １７ 滑動板 １８ ミシン針 イ、ロ 縫製布（上布、下布） ２７ 針止部 ２８ 送り歯

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】ミシンの取付棒に装着されて縫製布に押圧
   して針落棒の上下動を利用してひだ取りを行う作業部材
   に動作を行わせるタイプのひだ取り機であって、縫製時
   に上下の布を重ね合せて押圧可能とする布押え本体部
   と、該布押え本体部から前方に傾斜上昇して延びる上布
   案内用の上ガイド部とを連続して設けたことを特徴とす
   るひだ取り機における上ガイド付き布押え。
2. 【請求項２】 連続して設けられた布押え本体部と上布
   案内用の上ガイド部とが同一の板材を折り曲げて形成さ
   れ、かつ、該板材の前記布押え本体部側が該本体部の上
   方に折り返されて取付部に形成された布押えであり、該
   布押えをひだ取り機本体に装着したことを特徴とする請
   求項１記載のひだ取り機における上ガイド付き布押え。